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EMC Data Domain Boost for Symantec NetBackup OpenStorage プランニングのベスト・プラクティス US ホワイトペーパー翻訳版 概要 EMC ® Data Domain ® Boost for Symantec NetBackup の概念を理解することにより、これら 2 つのソ リューションを IT インフラストラクチャ上で統合するビジネス上の価値と技術的なメリットを 明確に把握できます。このホワイト・ペーパーでは、概念の段階からソリューション・プランニ ングおよび導入までを取り上げます。ソリューションの導入に伴う課題の解決を目標として、ベ スト・プラクティスのガイドラインを提供します。 DD Boost ソリューションを Symantec NetBackup OpenStorage とともに使用する総合的なメリットを理解していただけるように、多くの 顧客導入環境で培われた知識と経験を論理的に紹介します。 2010 7

EMC Data Domain Boost for Symantec NetBackup … Data Domain Boost for Symantec NetBackup OpenStorage プランニングのベスト・プラクティス US ホワイトペーパー翻訳版

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Page 1: EMC Data Domain Boost for Symantec NetBackup … Data Domain Boost for Symantec NetBackup OpenStorage プランニングのベスト・プラクティス US ホワイトペーパー翻訳版

EMC Data Domain Boost for

Symantec NetBackup OpenStorage

プランニングのベスト・プラクティス

USホワイトペーパー翻訳版

概要

EMC® Data Domain® Boost for Symantec NetBackup の概念を理解することにより、これら 2 つのソ

リューションを IT インフラストラクチャ上で統合するビジネス上の価値と技術的なメリットを

明確に把握できます。このホワイト・ペーパーでは、概念の段階からソリューション・プランニ

ングおよび導入までを取り上げます。ソリューションの導入に伴う課題の解決を目標として、ベ

スト・プラクティスのガイドラインを提供します。DD Boost ソリューションを Symantec

NetBackup OpenStorage とともに使用する総合的なメリットを理解していただけるように、多くの

顧客導入環境で培われた知識と経験を論理的に紹介します。

2010 年 7 月

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EMC Data Domain Boost for Symantec OpenStorage

プランニングのベスト・プラクティス 2

Copyright © 2010 EMC Corporation. 不許複製

EMC Corporation は、この資料に記載される情報が、発行日時点で正確であるとみなしていま

す。この情報は予告なく変更されることがあります。

この資料に記載される情報は、「現状有姿」の条件で提供されています。EMC Corporation は、

この資料に記載される情報に関する、どのような内容についても表明保証条項を設けず、特

に、商品性や特定の目的に対する適応性に対する黙示の保証はいたしません。

この資料に記載される、いかなる EMC ソフトウェアの使用、複製、頒布も、当該ソフト

ウェア・ライセンスが必要です。

最新の EMC 製品名については、http://japan.emc.com/ 上の「EMC Corporation Trademarks」を

参照してください。

記載されている他のすべての商標は、各社の所有物です。

パーツ番号 h7296-J

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EMC Data Domain Boost for Symantec OpenStorage

プランニングのベスト・プラクティス 3

目次

エグゼクティブ・サマリー ................................................................................... 4

はじめに ............................................................................................................... 4

対象読者 .................................................................................................................................. 6

DD Boost for Symantec NetBackup OpenStorage について ........................... 6

用語と命名規則........................................................................................................................ 6

Data Domain のホスト名 ................................................................................................... 7 ストレージ・サーバ ............................................................................................................. 7 LSU(論理ストレージ・ユニット) ...................................................................................... 7

ディスク・プール ................................................................................................................. 7

ネットワークの計画.............................................................................................. 9

ネットワーク・トポロジーの例 ............................................................................................... 9

推奨されるネットワーク構成 ................................................................................................. 12

DD Boost のアドバンスド・ロード・バランシング&リンク・フェイルオーバー機能 ........ 13 DD Boost の分散セグメント処理 ........................................................................................ 16

導入オプション ................................................................................................... 18

Optimized Duplication .............................................................................................................. 18

ストレージ・ユニットとストレージ・サーバへのアクセス ................................................ 18 ネットワークに関する考慮事項 .......................................................................................... 20 Optimized Duplication のスロットリング ........................................................................ 20 DD Replicator の低帯域幅の最適化 ................................................................................... 20 Optimized Duplication の失敗 .......................................................................................... 21 リモート Data Domain システムのシーディング .............................................................. 21 Data Domain のジョブ・ストリーム総数 ......................................................................... 22 複製ジョブの構成オプション ............................................................................................. 24

テープへの複製...................................................................................................................... 25

階層型複製 ......................................................................................................................... 26 複数の NetBackup ドメイン構成 .......................................................................................... 28

バックアップとリカバリ .................................................................................... 30

NetBackup バージョン 6.5~6.5.3 ........................................................................................ 30

NetBackup バージョン 6.5.4 ................................................................................................ 30

NetBackup バージョン 7.0 ................................................................................................... 31

結論 ..................................................................................................................... 31

関連資料 ............................................................................................................. 32

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EMC Data Domain Boost for Symantec OpenStorage

プランニングのベスト・プラクティス 4

エグゼクティブ・サマリー EMC® Data Domain®重複除外ストレージと Data Domain Boost (DD Boost) for Symantec

NetBackup OpenStorage ソフトウェアは、ほとんどの環境で簡単にインストールして使用する

ことができます。ただし、複数のサイトや複雑な環境への導入では、ネーミング規則やネッ

トワーク・インフラストラクチャに絡む課題を検討する必要があります。したがって、すべ

ての導入プロジェクトでは、その場限りの技法を採用するのではなく、問題を減らしてより

迅速にソリューションを導入できるように慎重に計画を練り、文書化する必要があります。

ソリューションの導入後は、多くの場合、ソリューションが計画どおりに機能することを実

証するための、一連の試用またはテスト期間が設けられます。このホワイト・ペーパーでは、

ソリューションの導入および機能テストにおけるボトルネックをなくす OpenStorage のベス

ト・プラクティスについて考察し、説明します。

はじめに

このホワイト・ペーパーでは、OpenStorage を使用したバックアップおよび重複バックアッ

プ・コピーの作成について重点的に説明します。ネットワーク構成、Optimized Duplication 機

能、一元的なテープ運用、およびリカバリについて考察します。OpenStorage ソリューション

のプランニングおよび導入を強化することを目標に据え、推奨されるベスト・プラクティス

と代替手法を紹介します。

表 1 は、Data Domain システム、NetBackup、および OpenStorage についてすでに熟知してい

るユーザーを対象として、推奨されるベスト・プラクティスをまとめたものです。これらの

推奨方法の詳細な考察、説明、および理論については、後続のセクションで取り上げます。

表 1:推奨オプションおよび設定

オプション/設定 推奨の内容

名前解決 hostsファイルを使用して、ホスト名を IPアドレスに変換し

ます。

ストレージ・サーバ

ストレージ・サーバの構成時にホスト名を使用する。

Data Domain システムごとにストレージ・サーバ 1台を構成

する。

Data Domain システムを複数の NetBackup ドメインで共有す

る場合、各 NetBackup ドメインごとにストレージ・サーバ

1 台を構成する。

LSU(論理ストレージ・

ユニット)

Data Domain システムごとに 1個の LSUを作成する。

Data Domain システムを複数の NetBackup ドメインで共有す

る場合、Data Domain システム上に 1個の LSUを各

NetBackup ドメインごとに作成する。

注:LSUを複数の NetBackup ドメインで共有しないでください。

LSUには、50 文字以下のマイナス記号(-)および下線

(_)を含む ASCII 文字から成る名前を付ける。

ディスク・プール

LSUごとに 1 個のディスク・プールを作成する。

対応する『EMC Data Domain Operating System(DD OS)Administration Guide』に記載された「Total Data Streams」

(データ・ストリームの総数)の値に基づいて、ボリュー

ムあたりの I/Oストリームを制限する。

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EMC Data Domain Boost for Symantec OpenStorage

プランニングのベスト・プラクティス 5

オプション/設定 推奨の内容

メディア・サーバのロード・

バランシング

同じ OSとサーバ・プラットフォームのパフォーマンス属

性を持つ NetBackup メディア・サーバ・プラットフォーム

のみが使用されるように、負荷を分散した OpenStorageス

トレージ・ユニットを構成する。

バックアップ・ネットワーク

のトポロジー

NetBackup メディア・サーバとターゲットの Data Domain シ

ステムの間では、可能な場合、バックアップ専用ネット

ワークを使用する。

NetBackup メディア・サーバと Data Domain システム間で

は、可能な場合、複数のネットワーク接続を使用した

OpenStorageインタフェース・グループを有効にして使用

する。

インタフェース・グループを使用する場合、NetBackup に

登録するインタフェースは、Data Domain システム上にフェ

イルオーバー・ペアとして構成した仮想インタフェースを

使用する。

インタフェース・グループは、同じ特性を持つインタ

フェースのみが含まれるように設定します。

インタフェース・グループを設定する際は、同じサブネッ

ト内の IPアドレスを使用する。

分散セグメント処理 DD Boost 分散セグメント処理機能を有効にする。

ストレージ・ユニット

アウトバウンドの Optimized Duplication ジョブおよびテープ

複製ジョブで必要なストリーム数を検討した後、バック

アップの並行ジョブとインバウンドの Optimized Duplication

ジョブの最大数を制限する。

複数のストレージ・ユニットで同じターゲットのディス

ク・プールを使用する場合、それらを合計した並行ジョブ

の最大数を『EMC Data Domain Operating System(DD OS)Administration Guide』に記載されたストリーム数以下に制

限する。

Optimized Duplication

可能な場合、Optimized Duplication ジョブのトラフィックを

レプリケーション専用ネットワークに分離する。

NetBackup バージョン 6.5.4 以降を使用している場合、

NetBackup のデフォルト設定

「RESUME_ORIG_DUP_ON_OPT_DUP_FAIL = FALSE」を

使用する。この設定により、Optimized Duplication ジョブが

失敗した場合に、重複データを含むすべてのデータを

NetBackup メディア・サーバや WAN接続経由で再送信する

動作を抑止できます。

WANの帯域幅が 6 Mb/秒未満の場合、Data Domain システ

ムで低帯域幅最適化モードを使用する。

NetBackup ストレージのライフサイクル・ポリシーを使用

して、Optimized Duplication を制御します。

固定の保存期間を使用する。

階層型のテープ複製

地理的に最も近くにあるバックアップ・イメージ・コピー

を使用し、新しい複製コピーを作成する。

ソースおよび宛先ストレージ・ユニットに地理的に最も近

い、NetBackup 代替読み込みサーバの使用を選択する。

複数の NetBackup ドメイン

構成

複数の NetBackup ドメインでの Data Domain システムの共

有を簡単にする命名規則を使用します。

バックアップとリカバリ 使用している NetBackup のバージョンとサイト固有の要件

に応じて、適切なカタログ・バックアップ/リカバリ・ソ

リューションをテストし、手順書化する。

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EMC Data Domain Boost for Symantec OpenStorage

プランニングのベスト・プラクティス 6

対象読者

OpenStorage 導入プロジェクトに携わるシステム管理者およびベンダーの担当者の方は、

EMC が他のお客様の支援業務を通じて会得した多くの実際的な知識を活用するために、この

ホワイト・ペーパーを参照されることをお勧めします。

DD Boost for Symantec NetBackup OpenStorage につ

いて OpenStorage ソフトウェアは、Data Domain ストレージ・システムと NetBackup の統合を API

ベースの連携で実現します。この API を使用すると、Data Domain(DD)ストレージ・シス

テムのプロパティと機能に関する情報を NetBackup が認識でき、DD システムに保存された

バックアップ・イメージを制御し、WAN 経由で効率的にリモートの DDストレージ・システ

ムにレプリケーションすることができます。

DD Boost for Symantec NetBackup OpenStorage によって、NetBackup と Data Domain システム

間の統合が強化されます。DD Boost for Symantec NetBackup OpenStorage は、重複除外プロセ

スの一部をメディア・サーバに分散します。それにより、バックアップのスループットが最

大で 50%向上し、メディア・サーバの負荷を 80~90%軽減し、LAN帯域幅の要件を 20~40%

縮小します。また、Ethernet リンク層でのアドバンスド・ロード・バランシング&フェイル

オーバー機能を利用できます。

DD Boost for NetBackup には 2 つのコンポーネントが含まれます。DD Boost Library は、

NetBackup メディア・サーバで実行される OpenStorage プラグインに組み込まれています。

DD Boost Server は、DD OS 4.8 以降に組み込まれており、Data Domain システム上で実行され

ます。この 2 つのコンポーネントは、IT インフラストラクチャ上でシームレスに統合され、

様々なメリットを実現しています。OpenStorage を導入した Data Domain 重複除外ストレー

ジ・システムと Symantec NetBackup OpenStorage Disk Option は、NetBackup 6.5 以降でサポー

トされ、ディスク・ベースのデータ保護手法のために以下の重要な機能を提供します。

NetBackup の Optimized Duplication – EMC Data Domain Replicator を使用してバックアッ

プ・イメージを複製。ネットワーク効率の高いレプリケーションを実行し、NetBackup に

よる制御、モニタ、およびカタログが可能です。

Data Domain レプリケーション・ジョブ・ステータスを統合した NetBackup のレポーティ

ング。

NetBackup ユーザー・インタフェースを使用し、レプリケートされたバックアップ・イ

メージ全体、または、より細かい単位でのリカバリ。

異機種の NetBackup メディア・サーバ間での OpenStorageストレージ・ユニットを共有。

NetBackup メディア・サーバのロード・バランシング。OpenStorage ストレージ・ユニッ

トを使用して、NetBackup メディア・サーバ間でクライアント・バックアップを手作業で

分割する作業が不要になります。

テープ・デバイス統合 – リモート・ロケーションや支店オフィスから送信されたバック

アップ・イメージを中央サイトにレプリケートし、中央サイトで NetBackup の制御下で

テープに複製できます。

用語と命名規則

OpenStorage 固有のコンポーネントに対する名前の割り当て(標準名称)については、十分な

考慮が必要です。ベスト・プラクティスとしては、OpenStorage ソリューションにかかわる

ユーザー、システム・エンジニア、またはサポート担当者にとって理解しやすい命名規則を

導入することです。ここでは、標準名称に関する重要な推奨事項を説明します。

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EMC Data Domain Boost for Symantec OpenStorage

プランニングのベスト・プラクティス 7

Data Domain のホスト名

Data Domain のホスト名は、システムを識別するために使われます。ホスト名は、ホスト・

ファイルまたは DNS などのネーム・サービスによって IP アドレスに変換されます。ホスト

名は、特に NetBackup におけるオブジェクトではありませんが、ストレージ・サーバ名とし

て使用される場合は、TCP/IP レベルでストレージ・サーバへの接続方法を NetBackup メディ

ア・サーバに通知する役割を果たします。

割り当てられた完全修飾ホスト名(FQDN)を使用します。

hosts ファイルを使用して、ホスト名を IP アドレスに変換します。DNS などのネーミン

グ・サービスは、一般的に信頼性は高いものの、データ保護インフラストラクチャにお

いて意図しない処理の遅延やエラー状態が発生することがあります。

可能な場合、プライマリ以外の IP インタフェースに関連づけるセカンダリ・ホスト名は

作成しないでください。

ストレージ・サーバ

ストレージ・サーバは、NetBackup 内で定義された論理オブジェクトで、Data Domain システ

ムを「ポイント」しています。NetBackup は、ストレージ・サーバと通信し、「tpconfig」認

証情報を使用して、バックアップ/リストア・オペレーション用ディスク・プールの使用を要

求します。

Data Domain システムあたり NetBackup1ドメイン内に 1 台のストレージ・サーバしか定

義できません。

ストレージ・サーバの構成時にホスト名を使用します。ホスト名の代わりに IP アドレス

を使用しないでください。IP アドレスを使用すると、Optimized Duplication のトラフィッ

クの経路指定オプションが制限されてしまいます。

ストレージ・サーバには、企業内でユニークな名前を付けます。

LSU(論理ストレージ・ユニット)

LSU(論理ストレージ・ユニット)は、ストレージ・サーバ内のディスク・ターゲットです。

単一の NetBackup ドメイン内に導入する場合、Data Domain システムごとに 1 個の LSU

を作成します。これには、LSU が、単一の NetBackup ドメイン内で異なる Optimized

Duplication ジョブのソースと宛先の両方として使用されるケースも含まれます。

NetBackup ドメインを追加した場合は、適宜 LSU を追加作成します。ただし、1 つの

Data Domain システムに 101 個以上の LSUを作成しないでください。

LSU には、50 文字以下のマイナス記号(-)および下線(_)を含む ASCII 文字から成る

名前を付けます。

可能な場合、LSU オブジェクトであることを判別しやすいように、オブジェクト名に拡

張子「-lsu」を付けます。

1 つの Data Domain システムに複数の LSUを構成できます。ただし、NetBackup の高度な機能

(メディア・サーバのロード・バランシング、容量レポーティングなど)で競合が発生する

ことがあるため、この方法は、Data Domain システムを複数の NetBackup ドメイン環境で構成

する場合にのみ推奨できるベスト・プラクティスです。

ディスク・プール

ディスク・プールは、LSU とストレージ・サーバの組み合わせに対応する NetBackup オブ

ジェクトです。(図 1)。

ディスク・プールは、LSUごとに 1 つしか作成できません。1 台の Data Domain システム

に対して複数のストレージ・サーバが定義されている場合は、各ストレージ・サーバに 1

つのディスク・プールを作成します。

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EMC Data Domain Boost for Symantec OpenStorage

プランニングのベスト・プラクティス 8

ディスク・プール・オブジェクトであることを判別しやすいように、オブジェクト名に

拡張子「-dp」を付けます。

Data Domain システム上にディスク・プールを構成する場合は、ボリュームあたりの I/O

ストリーム数を制限します。

図 1:ディスク・プール設定ウィザード

この図で、ディスク・プールには、サフィックスに「-dp」を含む名前が付けられています。

[Limit I/O streams]チェックボックスをオンにします。対応する『EMC Data Domain

Operating System(DD OS)Administration Guide に記載された値に基づき、ボリュームあたり

の I/Oストリーム数として、180 を設定しています。

ボリュームあたりの I/O ストリーム制限の設定に関する詳細については、Data Domain のジョ

ブ・ストリーム総数ページの「22」のセクションを参照してください。

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EMC Data Domain Boost for Symantec OpenStorage

プランニングのベスト・プラクティス 9

ネットワークの計画

OpenStorage 導入環境におけるネットワークの複雑さの程度はさまざまです。ストレージ・

サーバとして構成された 1 つの Data Domain システムは、尐なくとも NetBackup メディア・

サーバにネットワークで接続されています。NetBackup の Optimized Duplication およびメ

ディア・サーバのロード・バランシング機能を使用すると、ネットワーク要件がさらに増加

します。

ネットワーク・トポロジーの例

ここでは、ネットワーク・トポロジーの例を挙げて説明します。

NetBackup メディア・サーバと Data Domain システムが、Optimized Duplication を実行するた

めに構成された共通 LANを共有するケース(図 2)図 2

図 2:共通ネットワークを使用する Optimized Duplication

この図は、2 台の Data Domain システムに接続する NetBackup マスター/メディア・サー

バ・ネットワークの例を示しています。この使用例では、特定の Data Domain システム

に装備された同じ NIC(ネットワーク・インタフェース・カード)を使用して、バック

アップと Optimized Duplication の両方のトラフィックが送信されます。

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EMC Data Domain Boost for Symantec OpenStorage

プランニングのベスト・プラクティス 10

NetBackup メディア・サーバと Data Domain システムが、バックアップと最 Optimized

Duplication で別個のネットワークを使用するケース(図 3)

図 3:異なるネットワークを使用する Optimized Duplication

この図には、3 台の NetBackup メディア・サーバと 2 台の Data Domain システムが示され

ています。各 NetBackup メディア・サーバは、両方の Data Domain システムに LAN 接続

(青色)ができます。Data Domain システムは WAN(緑色)にも接続しています。バッ

クアップのトラフィックには、いずれかの NetBackup メディア・サーバと Data Domain シ

ステムの間の LAN 接続を使用します。Optimized Duplication のトラフィック転送には、

各 Data Domain システム上のもう一方の NIC を使用します。バックアップ/リストアの

データ転送速度で 10 GbE ネットワークが必要な場合に、この構成がお勧めです。

Optimized Duplication のトラフィックは、低帯域幅ネットワークで対応できます。

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EMC Data Domain Boost for Symantec OpenStorage

プランニングのベスト・プラクティス 11

Data Domain システムを使用した NetBackup メディア・サーバ・ロード・バランシングの

ケース(図 4)

図 4:NetBack メディア・サーバ・ロード・バランシング

NetBackup クライアントは、多数の異なる NetBackup メディア・サーバを使用してバック

アップできます。Data Domain OpenStorageストレージ・ユニットは、各 NetBackup メ

ディア・サーバがそのリソースにアクセスできるように構成されています。このように

構成すると、NetBackup メディア・サーバ・ロード・バランシング機能を使用することが

でき、負荷の低いメディア・サーバにバックアップ要求を処理させます。さらに、この

構成では、バックアップまたはリストア要求を実行する際に、NetBackup がオフラインの

メディア・サーバをバイパスできます。

メディア・サーバ・ロード・バランシング機能を使用し、特定のストレージ・ユニット内で

類似した特性を持つ NetBackup メディア・サーバを使用してください。特定のストレージ・

ユニット内に異なるハードウェアや OS の NetBackup メディア・サーバを混在させると、ラ

ンタイムに NetBackup によって選択されるリソースによっては、バックアップ・ジョブ実行

の整合性が保たれない場合があります。NetBackup メディア・サーバのすべてのリソースの

属性が類似しているほうが、一貫したサービス・レベルが保たれる確率が高くなります。

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EMC Data Domain Boost for Symantec OpenStorage

プランニングのベスト・プラクティス 12

推奨されるネットワーク構成

このホワイト・ペーパーでは、期待される動作およびパフォーマンス特性を示す既知のリ

ファレンス導入実績に基づく、ベスト・プラクティスの推奨事項を提示しています。複雑な

ものより簡潔なものが望ましいと考えます。容易な導入、簡略化された管理、想定内の効果

を実現するために、一般的に推奨される事項を以下に説明します。

NetBackup メディア・サーバと Data Domain システムを、専用のバックアップ・エリア・

ネットワークで相互接続します。NetBackup クライアントと NetBackup メディア・サーバ

は、理想的には、別のフロントエンド・ネットワーク経由で相互接続します(図 5)。

図 5:バックアップ専用ネットワーク

上の図に示したバックアップ専用ネットワークには、具体的なメリットが多数あります。

NetBackup メディア・サーバとストレージ・ユニットのトラフィックを他のネット

ワーク・トラフィックと分けることにより、競合が発生する可能性をバックアップお

よびリカバリ内で閉じることができます。また、高いレベルのデータ保護およびリカ

バリのサービス・レベルを達成するために、使用可能な帯域幅をうまく管理できます。

拡張性の高いインフラストラクチャが構築され、データ保護ネットワークの帯域幅要

件が随時変更された場合に対応できます。

顧客要件や従来からある NetBackup メディア・サーバおよびネットワーク環境の導入条

件によっては必ずしも実現可能ではありませんが、複合用途型ネットワーク構成と比べ

た場合、バックアップ専用ネットワークの使用をお勧めします。

10 GbEプライベート・ネットワーク

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EMC Data Domain Boost for Symantec OpenStorage

プランニングのベスト・プラクティス 13

DD Boost のアドバンスド・ロード・バランシング&リンク・フェイルオー

バー機能

OpenStorage プラグインのバージョン 2.0 以降とともに使用した場合に DD OS バージョン 4.8

以降でサポートされる DD Boost Library は、アプリケーション層で拡張性のあるリンク統合

を実現して、単一のインタフェース・グループを作成します。この DD Boost 機能を使用する

と、OpenStorage プラグインと Data Domain システム間のデータ転送が、このインタフェー

ス・グループ内のネットワーク・ポート間で自動的にロード・バランシングされます。グ

ループ内のあるネットワーク・ポートが使用できなくなった場合、その使用不能になった

ポートが NetBackup 内で登録されたインタフェースでない限り、後続のデータ転送はアクセ

ス可能な残りのネットワーク・ポートを使用して行われます。詳細については、『EMC Data

Domain OpenStorage(OSTA)Administration Guide』を参照してください。

NetBackup メディア・サーバと Data Domain システム間で使用可能なネットワーク帯域幅

を増やすには、インタフェース・グループを使用します。複数のネットワーク接続の使

用における詳細な推奨事項が、以前のホワイト・ペーパーでも公開されていました。そ

こでは、Data Domain システムのホスト名を NetBackup メディア・サーバ間で異なる IP

Address に名前解決するよう推奨していましたが、その方法はもはや有効でなくなります。

図 6:推奨される複数の GbE ネットワークの使用

図 6 では、4 台ある各 NetBackup メディア・サーバが、1 台のストレージ・サーバとして

構成した Data Domain システムに接続しています。Data Domain システムは、4 つのネッ

トワーク・インタフェースから成るインタフェース・グループを使用して構成されてい

ます。アドバンスド・ロード・バランシング&フェイルオーバー機能によって、このイ

ンタフェース・グループ内のすべてのインタフェースの間で Data Domain システムと

NetBackup メディア・サーバ間のデータ転送が自動的に分散されます。1 つのインタ

フェースで障害が発生した場合、それ以降に開始されるジョブは自動的にグループ内の

別の使用可能なインタフェースに経路指定されます。

GbEプライベート・ネットワーク

インタフェイス

グループ

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EMC Data Domain Boost for Symantec OpenStorage

プランニングのベスト・プラクティス 14

インタフェース・グループは、NetBackup 内に登録されたストレージ・サーバ名がフェイ

ルオーバー・ペアとして構成された Data Domain システム上の仮想インタフェースと対

応するように設定します。

「nbdevconfig –creatests」コマンドを実行したときに NetBackup 内で設定されたストレー

ジ・サーバ名に対応している Data Domain システムのインタフェースは、登録済みイン

タフェースとして参照することができます。登録済みの Data Domain システム・インタ

フェースが非稼働状態になってしまうと、NetBackupメディア・サーバと Data Domain シ

ステム間のすべてのバックアップ/リストア・ジョブが失敗します。1 か所のインタ

フェースの障害によるインパクトを緩和するには、登録済みの Data Domain システム・

インタフェースをフェイルオーバー・ペアとして構成します(図 7)。

図 7:インタフェース・グループ内の仮想インタフェースをフェイルオーバー・ペアとして

構成する

Data Domain システムは、インタフェース・グループを使用して構成されており、ネット

ワーク接続の 1 つは、フェイルオーバー・ペアとして構成された仮想インタフェースで

す。この仮想インタフェースは、NetBackup 内で登録した Data Domain システムのスト

レージ・サーバ名に対応させます。

インタフェース・グループは、同じ特性を持つインタフェースのみが含まれるように設

定します。

ロード・バランシングは、インタフェース・グループ内で使用可能なすべてのインタ

フェースの間で分散され、新規のジョブが開始されたときの実行中のジョブの数を基準

とします。1 つのインタフェース・グループに異なるパフォーマンス特性を持つインタ

フェースを追加すると、サービス・レベルの整合性を維持できなくなるおそれがありま

す。たとえば、1 GbE と 10 GbE インタフェースの両方が 1 つのインタフェース・グルー

プに含まれていると、どちらのインタフェースの使用が選択されたかによって、バック

アップまたはリストア・ジョブのデータ転送速度が一致しない場合があります。

NetBackup に登録済みの Data Domain システム・インタフェースは、インタフェース・グ

ループに追加する必要がないことに注意してください。このため、2 つの 10 GbE インタ

フェースを同じインタフェース・グループ内で使用しながら、フェイルオーバー・ペア

として構成された 2 つの 1 GbE インタフェースを登録済みインタフェースとして使用す

ることが可能です。

GbEプライベート・ネットワーク

インタフェイス

グループ

仮想

インタフェース

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EMC Data Domain Boost for Symantec OpenStorage

プランニングのベスト・プラクティス 15

インタフェース・グループを設定する際は、1 つのサブネット内の IP アドレスを使用し

ます(図 8)。

図 8:1 つのサブネット内の IP アドレスを使用して構成されたインタフェース・グループ

図 8 の Data Domain システムは、同じサブネット上の 4 つのネットワーク・アドレスから

成るインタフェース・グループを使用して構成されています。この構成では、Data

Domain システムとネットワーク・スイッチ間でロード・バランシングとフェイルオー

バーが有効になります。

推奨はしませんが、1 つのインタフェース・グループ内の複数のサブネットを使用する方

法はあります。これにより、NetBackup メディア・サーバと Data Domain システム間で使

用可能なネットワーク帯域幅の合計を増やすことができます(図 9)。これを実現するに

は、NetBackup メディア・サーバと Data Domain システムの両方で、使用する各サブネッ

トのネットワーク・インタフェースを構成する必要があります。この構成で、NetBackup

メディア・サーバと IP スイッチ間の任意のネットワーク接続に対してラボ環境で意図的

に障害を発生させたところ、そのネットワークを含め、その他のすべてのネットワーク

で「ネットワーク切断」エラーが発生しました。この構成を使用する際は、本番環境に

導入する前に、NetBackup メディア・サーバと IP スイッチ間でネットワーク障害が発生

した場合のインパクトを調査して、この構成の有効性を確認することをお勧めします。

インタフェイス

グループ 仮想

インタフェース

192.168.28.100 192.168.28.101 192.168.28.102 192.168.28.103

ネットマスク= 255.255.255.0

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EMC Data Domain Boost for Symantec OpenStorage

プランニングのベスト・プラクティス 16

図 9:非推奨の構成:複数のサブネットを持つインタフェース・グループ

この図の Data Domain システムは、異なるサブネット上にある 2 つのネットワーク・アド

レスから成るインタフェース・グループを使用して構成されています。この構成では、

Data Domain システムと NetBackup メディア・サーバ間でロード・バランシングとフェイ

ルオーバーが有効になります。NetBackup メディア・サーバとどちらかのスイッチの間で

発生した障害に対するフェイルオーバー機能は、DD Boost のアドバンスド・ロード・バ

ランシング&フェイルオーバー機能の想定障害範囲外となります。

もう一つ推奨事項があります。

可能な限り、Ethernet 層でのフェイルオーバー対応したネットワーク接続を検討してくだ

さい。

DD Boost の分散セグメント処理

DD Boost 分散セグメント処理では、重複除外処理の一部を NetBackup メディア・サーバに割

り当てます。通常、トータルのバックアップ・データ転送速度が増加し、NetBackup メディ

ア・サーバと Data Domain システムの CPU負荷が低減されます。さらに、一意のデータのみ

がバックアップ・ネットワーク上で転送されるようになるため、NetBackup メディア・サー

バと Data Domain システム間の LANトラフィックが削減されます。詳細については、『EMC

Data Domain OpenStorage(OST)Administration Guide』を参照してください。

DD Boost 分散セグメント処理は、DD OSのバージョン 4.8 以降を初期インストールした Data

Domain システムではデフォルトで有効になります。旧バージョンから DD OS 4.8 にアップグ

レードした Data Domain システムでは、分散セグメント処理オプションはデフォルトで無効

に設定されます。

NetBackup OpenStorage 環境で分散セグメント処理を有効にしてください。このオプショ

ンを有効にするには、コマンド・ライン・インタフェースで「ost option set boost enabled」

コマンドを実行するか(図 10)、EMC Data Domain Enterprise Manager GUI を使用します。

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プランニングのベスト・プラクティス 17

図 10:DD Boost のオプションの有効化

DD Boost のオプションのステータスを、「ost option show」コマンドを使用して確認しま

す。ここでのコマンド結果は、Boost オプションが無効であることを示しています。続い

て「ost option set boost enabled」コマンドを実行すると、DD Boost オプションが有効にな

ります。

とくに、NetBackup メディア・サーバと Data Domain システムが WAN(広域ネットワー

ク)経由で接続される構成(図 11)は、推奨しません。

図 11:非推奨の WAN 経由での接続構成

メモ:

この構成は、EMC または Symantec社でテストされていません。

NetBackup NBRMMS サービス(NetBackup Remote Manager および Monitor Service)では、

ディスク・プールのステータスを頻繁にチェックします。レイテンシーの高い WAN 接

続の場合、NBRMMS でディスク・プールが「down」または非稼働状態と表示されるこ

とがあります。

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プランニングのベスト・プラクティス 18

導入オプション

Optimized Duplication

NetBackup の Optimized Duplication は、ソース・システムと宛先システムの間で重複を除外し

たデータをレプリケートします。通常は、ごくわずかなネットワーク帯域幅しか使用しませ

ん。さらに、DD Boost で管理されるファイル・レプリケーションでは、NetBackup が

Optimized Duplication のコントロールを使用して、Data Domain のネットワーク効率の高いレ

プリケーションを運用できます。Optimized Duplication は基本的にシンプルな機能で、要件が

明確であれば、設定も簡単です。

ストレージ・ユニットとストレージ・サーバへのアクセス

最初に考慮すべき点は、ソースと宛先のストレージ・ユニットです(Data Domain システムな

ど)。ソースと宛先の両方が同じ NetBackup メディア・サーバに接続している場合、その

サーバでソースと宛先の両方の Data Domain システムにアクセスするための認証情報が必要

です。また、ソースと宛先のストレージ・ユニットが異なる NetBackup メディア・サーバ上

にある場合、Optimized Duplication ジョブを開始するサーバでは、ソースと宛先の両方の Data

Domain システムにアクセスするための認証情報が必要です。したがって、特定の NetBackup

メディア・サーバが特定の Data Domain システムから直接バックアップまたはリカバリしな

くとも、Optimized Duplication を開始する場合には、Optimized Duplication の宛先に指定され

た Data Domain システムの認証情報が必要になります。

図 12:ソースと宛先の NetBackup メディア・サーバを分ける

1 GbEパブリック・ネットワーク

10 GbEプライベート・ネットワーク 10 GbEプライベート・ネットワーク

NetBackupメディア・サーバ

&

OpenStorage

ストレージ・ユニット

NetBackupメディア・サーバ

&

OpenStorage

ストレージ・ユニット

Optimized Duplication

ソース・ストレージ・ユニット

Optimized Duplication

宛先ストレージ・ユニット

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プランニングのベスト・プラクティス 19

図 12 は、2 つの OpenStorageストレージ・ユニット間で Optimized Duplication を実行するケー

スを示しています。Optimized Duplication ジョブを開始する NetBackup メディア・サーバでは、

ソースと宛先の両方の OpenStorage ストレージ・ユニットにアクセスするための認証情報が

必要となります。

認証情報は、使用する NetBackup のバージョンによって設定が異なります。NetBackup 7.0 よ

り前のバージョンでは、特定の OpenStorage ストレージ・ユニットへのアクセスが必要な各

NetBackup メディア・サーバで、「tpconfig」コマンドを実行する必要があります。NetBackup

7.0 以降のバージョンを使用する場合も、GUI ベースのストレージ・サーバ作成ウィザードを

実行して、認証情報を指定します。どの方法で認証情報を設定しても、NetBackup メディ

ア・サーバによるバックアップ/リカバリ・ジョブだけでなく、Optimized Duplication ジョブ

にも OpenStorageストレージ・ユニットを使用できます。

Optimized Duplication ジョブで、このジョブを開始する NetBackup メディア・サーバから地理

的に離れている宛先ストレージ・ユニットを使用する場合、地理的に遠い NetBackup メディ

ア・サーバからバックアップ・ジョブにこのストレージ・ユニットを使用できないように、

ストレージ・ユニットを定義する必要があります。この定義は、図 13 に示される NetBackup

の[Change Storage Unit]ダイアログ ボックスで簡単に設定できます。

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プランニングのベスト・プラクティス 20

図 13:[Change Storage Unit]ダイアログ ボックス – 指定したメディア・サーバのみを

使用する

図 13 では、「dd120b-stu」という名前の NetBackup ストレージ・ユニットが、NetBackup メ

ディア・サーバの「NBU65OST_Media2」のみをバックアップ・ジョブに使用できるように設

定されています。NetBackup メディア・サーバの「NBU65OST_Media1」は、同じストレー

ジ・ユニットに Optimized Duplication ジョブを開始する目的でアクセスできる認証情報が定

義されています。

ネットワークに関する考慮事項

NetBackup の Optimized Duplication の制御下でレプリケートされるバックアップ・イメージは、

バックアップやリストア・オペレーションに使用される同じネットワークを使用することも、

異なるネットワークを使用することもできます。Optimized Duplication のトラフィック・フ

ローが地理的に離れた場所との間で発生する場合、Optimized Duplication 用に専用ネットワー

ク接続を使用することを選択されるお客様もいます。このネットワークは、NetBackup が開

始する Optimized Duplication によって制御されるレプリケーションのためにだけに、ソース

および宛先の Data Domain システムを結びます。WANリンクの使用状況をモニタする必要が

ある場合も、このアプローチが望ましいかもしれません。

Optimized Duplication のために使用されるネットワークは、ソース Data Domain システム上

で行われるネットワークの名前の解決により確立されます。宛先 Data Domain システムは、

DNS が提供する IP アドレスまたはローカル・ホストのファイル・エントリによって、ソー

ス Data Domain システムに対して既知となります。ソース Data Domain システムの hosts

ファイルに宛先 Data Domain システムの適切な IP アドレスが設定されるだけで、指定の

NIC およびネットワークを使用することができます。このアドレス値が存在しない場合、

NetBackup は、バックアップおよびリストア・ジョブでソースおよび宛先 Data Domain シス

テムへのアクセスに使用するネットワークと同じネットワークを使用して、Optimized

Duplication を実行します。

Optimized Duplication のスロットリング

Optimized Duplication のスロットリングは、各 Data Domain システムでシステム・レベルで

制御されます。レプリケーション・プロセスで使用するネットワーク帯域幅の制限値は、ス

ケジュールによる設定、または、一時的な設定としてなど、さまざまな基準により決定され

ます。

ネットワーク帯域幅消費のスロットリングは、Optimized Duplication ジョブのランタイムを長

引かせ、災害復旧のための RPO(目標復旧時点)に影響を及ぼすことがあります。その他に

も、Optimized Duplication ジョブによってストレージ・ユニットが最大並行ジョブ数のパラ

メータを超過した場合に、バックアップ・ジョブがキューに入れられるなどの影響も考えら

れます。スロットリング以外にサービス・レベル要求に合致する方法として、レプリケート

する必要があるデータ量に上限を設けることにより、必要なネットワーク帯域幅を低減させ

ることも可能です。別の方法としては、完全バックアップのみの Optimized Duplication 機能

を実行する方法も考えられます。その場合、増分バックアップの複製は実行されません。こ

の方法がサービス・レベル目標に一致する場合、完全バックアップと増分バックアップで異

なるストレージ・ライフサイクル・ポリシーを適用できます。

DD Replicator の低帯域幅の最適化

DD OS バージョン 4.8 以降でサポートされる DD Replicator の低帯域幅の最適化機能は、6

Mb/秒未満の WAN リンクで Optimized Duplication 機能を実行する場合の効率を向上させます。

この DD Replicator 機能を使用するために、NetBackup メディア・サーバを変更する必要は一

切ありません。これは、NetBackup でこの Data Domain システム構成オプションが認識されな

いためです。

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プランニングのベスト・プラクティス 21

Optimized Duplication の失敗

Optimized Duplication ジョブが失敗した場合、NetBackup で実行されるアクションは、使用し

ている NetBackup のバージョンにより異なります。『EMC Data Domain OpenStorage(OST)Administration Guide』に、導入要件と追加情報が記載されています。

NetBackup 6.5.4 より前のバージョンでは、Optimized Duplication ジョブが失敗した場合、

重複除外を行わず、最適化されない通常の複製を再試行します。これは、ソース

OpenStorage ストレージ・ユニットから 1 台(場合によっては 2 台)の NetBackup メディ

ア・サーバを経由して宛先 OpenStorage ストレージ・ユニットへ、すべてのデータ量をも

つバックアップ・イメージが送信されることを意味します。この NetBackup の動作が本

番データの保護オペレーションに悪影響を及ぼす場合は、NetBackup 6.5.4 以降の使用を

検討されることをお奨めします。

NetBackup バージョン 6.5.4 以降を使用する場合は、ストレージのライフサイクル・ポリ

シーを使用して開始しない限り、デフォルトで失敗した Optimized Duplication ジョブが再

試行されることはありません。ストレージのライフサイクル・ポリシーを使用して再試

行する場合、Optimized Duplication 機能のみを使用して再試行します。一般的にはお奨め

できませんが、通常の複製が再試行されるように NetBackup を設定することにより、こ

のデフォルトの動作をオーバーライドすることができます。NetBackup の bp.conf ファイ

ルに「RESUME_ORIG_DUP_ON_OPT_DUP_FAIL = TRUE」を追加すると、デフォルトの

動作が変更されます。『Symantec Veritas NetBackup Shared Storage Guide UNIX, Windows,

Linux Release 6.5.4』(またはそれ以降のバージョン)のドキュメントに詳細情報があり

ます。

リモート Data Domain システムのシーディング

新規の導入環境で Optimized Duplication 機能を使用する場合は、サイト間でネットワークの

帯域幅を制限することにより、最初の 1 週間の複製ジョブが長期間実行される場合がありま

す。1 つの解決策としては、リモート Data Domain システムを最初にローカルに設置してデー

タを蓄積し、1 週間程度経過後に目的のリモート・サイトに再配置します。

この方法で難しい点は、リモート・システムで転送中に Optimized Duplication ジョブが失敗

してしまうであろう点です。解決策として、ジョブ失敗とならないように、該当する

NetBackup ストレージ・ユニットを調整します。ストレージ・ユニットを設定することによ

り、[Maximum concurrent jobs](最大並行ジョブ数)パラメータをゼロの値に設定すると、

Optimized Duplication ジョブが失敗せずに、図 14のようにキューイング状態になります。

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プランニングのベスト・プラクティス 22

図 14:[Change Storage Unit]ダイアログ ボックス – 最大並行ジョブ数

ストレージ・ユニットの[Maximum concurrent jobs](最大並行ジョブ数)パラメータは、

0 に設定されています。ローカル・サイトから宛先サイトに Data Domain システムを移設する

際にこの方法を使用すると、関連する Optimized Duplication ジョブが失敗せずにキューイン

グ状態になります。

Data Domain のジョブ・ストリーム総数

Data Domain システムには、モデル、NVRAM、メモリ、および DD OS バージョンごとに推

奨される、書き込み、読み取り、およびレプリケーション・ストリームの最大カウント数が

あります。バックアップ時にこれらの推奨数に従うことは、Optimized Duplication およびテー

プ複製において、想定されるパフォーマンスを達成するために役立ちます。

ストリーム・カウント情報は、『EMC Data Domain Operating System (DD OS) Administration

Guide』に記載されています。推奨されるストリーム・カウントの例を表 2に示します。

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プランニングのベスト・プラクティス 23

表 2:推奨されるストリーム・カウント数の例

プラッ

トフォ

ーム

RAM

データ・

ストリー

ム総数

最大書き

込みスト

リーム数

Optimized

Duplication

機能利用時

の最大書き

込みストリ

ーム数

最大読み

取りスト

リーム数

読み取り/書き込

み混在時のスト

リーム数

DD880 64 GB 180 180 90 50

書き込み 180

以下

および

読み取り 50 以下

NetBackup でジョブ・ストリーム総数を制限する機能は、以下の 2 つの構成オプションから

成ります。

ボリュームあたりの I/Oストリーム制限

1 つめの構成オプションとして、1 つのディスク・プール内で「ボリュームあたりの I/O

ストリーム制限」を設定します。このホワイト・ペーパーの推奨事項に従って構成され

た Data Domain システムにおいては、ファイル・システム全体を表す単一の LSU を表示

します。そのため、I/O ストリームを制限する単一ボリュームになります。このパラメー

タを使用すれば、ストリーム・ユニットの[Maximum concurrent jobs](最大並行ジョ

ブ数)パラメータに左右されずに、読み取りおよび書き込みストリームの総数を制限す

ることができます。

最大並行ジョブ数

2 つめの構成オプションとして、1 つのストレージ・ユニット内で「最大並行ジョブ数」

を設定します。NetBackup は、並行ジョブの最大数を施行するために、ストレージ・ユ

ニット上で実行されるジョブの数を監視しています。監視されるジョブは、バックアッ

プおよびインバウンドの Optimized Duplication ジョブなどです(注:NetBackup では、

バックアップ・ジョブとインバウンドの Optimized Duplication ジョブは区別されません)。

NetBackup には、バックアップ・ジョブとインバウンドの複製ジョブを個別に制限する詳

細な設定はありません。アウトバウンドの Optimized Duplication ジョブは、ストレージ・

ユニットの Maximum concurrent jobs (最大並行ジョブ数)パラメータのカウントには

含まれず、制御されません。テープ複製の一環として発生する読み取りも同様です。)

表 3は、表 2 のデータを元にした 2 つの使用例を示しています。

表 3:使用例

使用例 概要

ディスク・

プールの

設定

ストレージ・

ユニットの

設定

1

Data Domain システムをバックアップに使用し、

Optimized Duplication ジョブのソースとしても使用

する

180 90

2

Data Domain システムを Optimized Duplication ジョ

ブの宛先として使用し、テープ複製ジョブのソース

としても使用する

180 130

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プランニングのベスト・プラクティス 24

Data Domain システムには、推奨されるストリーム数の値があります。NetBackup では、1 つ

のディスク・プール上の I/O ストリームを高レベルで制限したり、ストレージ・ユニット内

のより詳細なレベルで制限することができます。ソリューション・アーキテクトは、パ

フォーマンスを最適化するために、所定の制限値に基づいて同時に実行できるバックアッ

プ・ジョブおよび複製ジョブ数に配慮する必要があります。

構成する Data Domain システムの「データ・ストリーム総数」に対応する設定値を使用

して、ボリュームあたりの I/O ストリームを制限します。ストレージ・ユニットの

[Maximum concurrent jobs](最大並行ジョブ数)の値は、アウトバウンドの

Optimized Duplication ジョブまたはテープ複製ジョブに必要なストリーム数を検討したう

えで、バックアップ・ジョブおよびインバウンドの Optimized Duplication ジョブを基準に

して設定します。

ディスク・プールの[Limit I/O streams per volume](ボリュームあたりの I/Oストリー

ム制限)機能は、NetBackup バージョン 6.5.5 で使用できますが、Optimized Duplication オ

ペレーションの読み取り側はストリームとしてカウントされません。そのため、この

バージョンの NetBackup でバックアップ・ジョブと Optimized Duplication ジョブをスケ

ジュールする場合、カウントされないストリームを考慮に入れる必要があります。

詳細については、使用している NetBackup のバージョンに応じて、『Symantec Veritas

NetBackup Documentation Updates NetBackup 6.5.5』または『Symantec NetBackup Shared Storage

Guide UNIX, Windows, Linux Release 7.0』を参照してください。

複製ジョブの構成オプション

NetBackup のストレージ・ライフサイクル・ポリシーは、プライマリ・コピーのバックアッ

プ・イメージ作成の理想的手段であるのに加え、複製バックアップ・イメージも作成するこ

とができます(図 15)。ストレージ・ライフサイクル・ポリシーの複製タスクでは、

OpenStorage ストレージ・ユニット上で Optimized Duplication ジョブが開始されます。次の点

を検討してください。

NetBackup ストレージのライフサイクル・ポリシーを使用して、Optimized Duplication を

制御します。

バックアップ・ジョブと複製ジョブで異なる保存期間を設定するには、ストレージ・ラ

イフサイクル・ポリシーを使用します。

保存期間オプションの[Fixed]を使用するか、[Staged capacity managed]および

[Expire after duplication]を使用します。

必要に応じて、ストレージ・ライフサイクル・ポリシーとともにデータ分類を使用しま

す。ただし、そうすることは Optimized Duplication の必須の要件ではありません。

ストレージ・ライフサイクル・ポリシー内のバックアップ宛先としてストレージ・ユ

ニット・グループを使用し、複製の宛先としては使用しないようにします。

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プランニングのベスト・プラクティス 25

図 15:[Change Storage Lifecycle Policy]ダイアログ ボックス

図 15 には、固定保存期間を 1 週間に設定したストレージ・ユニット「dd120a-stu」がバック

アップ・ストレージ宛先として表示されています。この例には、固定保存期間を 6 か月に指

定した、複製の宛先となるストレージ・ユニット「dd120b-stu」も含まれます。このストレー

ジ・ライフサイクル・ポリシーには、オプションでデータ分類値 Platinum が割り当てられて

います。複製タスクを実行すると、Optimized Duplication ジョブが NetBackup のアクティビ

ティ・モニタに表示されます。

ストレージ・ライフサイクル・ポリシーの複製ジョブは、複製ジョブをどの時点で開始する

かを制御するデフォルトの設定値に依存しています。オプションの構成ファイルを作成して、

複製ジョブが顧客要件に基づいて実行されるライフサイクルをカスタマイズすることができ

ま す 。 一 部 の 環 境 で は デ フ ォ ル ト の 設 定 で 十 分 で す が 、 必 要 な 場 合 は 、

LIFECYCLE_PARAMETERS ファイルを作成することによって値を変更することができます。

設定値の変更の詳細については、『Symantec Veritas NetBackup Administrator’s Guide, Volume I』

を参照してください。

テープへの複製

DD Boost for NetBackup を実装している Data Domain ストレージ・システムは、OpenStorage

ソリューションを簡単に統合して、複製されたバックアップ・イメージの長期間にわたるコ

ピーをリムーバブル・テープ・メディア上に保存することができます。

NetBackup は、メディアや特定のテープ・カートリッジの複製ではなく、バックアップ・

イメージの複製をサポートします。

NetBackup は、特定のバックアップ・イメージに対して最大 10 コピーの作成、カタログ、

および追跡管理をサポートします。

[Maximum backup copies](最大バックアップ・コピー数)のデフォルト値は 2 です。こ

の値は、NetBackup のカタログ内に配置できる特定のバックアップ・イメージのバックアッ

プ・コピー総数を表します。1 つのバックアップ・イメージについて 3 コピー以上を保存す

る必要がある環境では、このパラメータ値を適宜変更してください。

1 つの使用例としては、Data Domain システムにプライマリ・コピーのバックアップを作成し

た後、リモートの Data Domain システムに Optimized Duplication を実行し、さらに長期保存用

にテープに複製します。この場合は、[Maximum backup copies](最大バックアップ・コ

ピー数)パラメータを 3 に設定する必要があります。

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プランニングのベスト・プラクティス 26

[Maximum backup copies](最大バックアップ・コピー数)パラメータを変更するには、

NetBackup の管理 GUI で[Host Properties]>[Master Servers]>[Global Attributes]を選択

します(図 16)。

図 16:最大バックアップ・コピー数

NetBackup のグローバル属性の[Maximum backup copies](最大バックアップ・コピー数)

は、デフォルトでは 2 の値に設定されています。コピー数を増やす場合は、管理 GUI を使用

して簡単に値を変更できます。

階層型複製

NetBackup バージョン 6.5.4 以降では、「階層型複製」と呼ばれるストレージ・ライフサイク

ル・ポリシー機能がサポートされます(図 17)。階層型複製を実行すると、特定の古いバッ

クアップ・イメージ・コピーを基に新しい複製バックアップ・イメージのコピーを作成する

ことができます。

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プランニングのベスト・プラクティス 27

図 17:階層型複製を使用するストレージ・ライフサイクル・ポリシー

図 17 に示したストレージ・ライフサイクル・ポリシーの例には、プライマリ・コピーのバッ

クアップの宛先に加え、2 つの複製宛先が含まれています。先頭の複製宛先は、プライマ

リ・コピーのバックアップ・イメージを基に作成されます。2 番目の複製宛先(インデント

された行)は、直前の複製されたコピーを基に作成されます。コピー1 はプライマリ・コ

ピーのバックアップ自身であり、コピー2 はコピー1 から、コピー3 はコピー2 から作成され

ます。

階層型複製は、既存のバックアップ・イメージをテープに複製する際に使用できます。地理

的にローカルな場所にあるバックアップ・イメージ・コピーを複製したほうが、同じイメー

ジのリモート・コピーを使用するよりも効率的です。この場合、該当する NetBackup のスト

レージ・ライフサイクル・ポリシーの複製宛先を、ローカルのメディア・サーバが代替読み

込みサーバとして指定されるように設定する必要があります(図 18)。

テープ上に複製バックアップ・イメージを作成する場合、ローカルの NetBackup メディ

ア・サーバ・リソースの使用を指定します。

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プランニングのベスト・プラクティス 28

図 18:階層型複製での代替読み込みサーバの選択

[Alternate read server]プルダウン・メニューを使用して、複製オペレーションでの指

定 NetBackup メディア・サーバを選択します。ソースおよび宛先ストレージ・ユニット

と地理的に最も近くにある NetBackup メディア・サーバを選択すると、距離が遠いリ

ソースを使用せずに済みます。ローカルの NetBackup メディア・サーバを選択すること

で、想定通りの効率的なパフォーマンスの複製を実行できます。

複数の NetBackup ドメイン構成

定義上の「NetBackup ドメイン」とは、一意の NetBackup インストールまたはインスタンス

を意味します。NetBackup ドメインは、1 台のマスター・サーバ、複数のメディア・サーバ、

およびクライアントで構成されます。ここでは、複数の NetBackup ドメインで使用できるよ

うに構成された Data Domain システムを使用するケースについて考察します。この使用例で

は、2 台以上の NetBackup マスター・サーバを 1 台の Data Domain 物理サーバに接続してバッ

クアップを保存しています(図 19)。

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プランニングのベスト・プラクティス 29

図 19:複数の NetBackup ドメインで使用する Data Domain システム

図 19 に示される 2 台の Data Domain システムは、各々が 2 つの異なる NetBackup ドメインの

間で共有されています。各 Data Domain システムは、2 つの LSU を使用するように構成され

ています(各 NetBackup マスター・サーバが 1 つずつ)。このような導入環境では、各

NetBackup ドメインでどのリソースを使用するか混乱するのを避けるため、命名規則を使用

することを強くお奨めします。

複数の NetBackup ドメインに 1 台の Data Domain システムを配備する場合、各 NetBackup ド

メインで異なる Data Domain システムを使用するのに比べてコスト面でメリットがあります。

たとえば、2 つの NetBackup ドメインがあり、各ドメインが異なるデータセンターにあると

します。データセンター1 で、Data Domain システムにローカル・バックアップを実行します。

次に、データセンター2 で Optimized Duplication 機能を使用して、バックアップ・イメージの

コピーを作成します。同様に、データセンター2 のすべてのローカル・バックアップを Data

Domain システムに作成し、データセンター1 で Optimized Duplication を作成します。Data

Domain システムを複数の NetBackup ドメインで共有しているのでなければ、この構成で 4 台

の異なる DD システムが必要になるはずです。ドメイン間で共有する構成であれば、必要な

システムは 2 台で済むため、コスト・パフォーマンスが高くなります。

複数の NetBackup ドメインでの Data Domain システムの共有を簡単にする命名規則を使用

します。

たとえば、1 台の Data Domain システムを 2 つの NetBackup ドメインで共有する場合、2

つの LSUを構成することになります。両方の LSUは、それぞれ異なる NetBackup ドメイ

ンから見ることができます。LSUに、Data Domain システム名、NetBackup マスター・

サーバ名、サフィックス「-lsu」を含む名前を付けると、各 LSUを NetBackup 内のディ

スク・プールとして正しく構成しやすくなります。

1 つの Data Domain システムを共有する NetBackup ドメインの数が増えると、複雑さが増

幅するということを踏まえて計画してください。

DD1-MS1-LSU DD2-MS1-LSU

ディスク・

プール1

ストレージ・

ユニット1

DD1-MS2-LSU DD2-MS2-LSU

マスター

サーバ1

マスター

サーバ2

ディスク・

プール2

ストレージ・

ユニット2

ディスク・

プール2

ストレージ・

ユニット2

ディスク・

プール1

ストレージ・

ユニット1

ドメイン1 ドメイン2

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EMC Data Domain Boost for Symantec OpenStorage

プランニングのベスト・プラクティス 30

NetBackup ドメインを Data Domain システムに複数追加すると、LSU、ストレージ・サー

バ、ディスク・プール、およびストレージ・ユニットが増加し、管理が困難になる点に

留意してください。

複数ドメインの構成はコスト面で明らかにメリットがありますが、いくつか注意点があ

ります。

各 NetBackup ドメインが Data Domain システムをユニークなストレージ・プールと見

なし、使用可能な容量全体と総使用量を自ドメインの値として対応した場合、

NetBackup の容量レポートにずれが発生する場合があります。

1 台の Data Domain システムでサポートされる最大数の並行ジョブは、2 つ以上の

NetBackup ドメインの間で共有されます。異なる NetBackup ドメイン間でバックアッ

プ、リストア、または Optimized Duplication ストリームの使用を調整するメカニズム

はありません。これらのストリーム数はユーザーによって手動で設定されるため、リ

ソースが最適な状態で使用されない可能性があります。

ある NetBackup ドメインで使用するように Data Domain システム上に構成された 1 つ

の LSU は、他の(おそらくは意図していない)NetBackup ドメイン上にディスク・

プールを構成する場合にも表示され、使用することもできてしまう点に注意してくだ

さい。

バックアップとリカバリ OpenStorage と連携したカタログ・バックアップおよびリカバリに関する特性は、NetBackup

のバージョンごとに異なります。

使用している NetBackup のバージョンとサイト固有の要件に応じて、適切なカタログ・バッ

クアップ/リカバリ・ソリューションを導入、テスト、および手順書化してください。

NetBackup バージョン 6.5~6.5.3

これらのバージョンでは、OpenStorage ストレージ・ユニット(DD Boost for NetBackup を使

用した Data Domain システムを含む)へのカタログ・バックアップの実行はサポートされま

せん。OpenStorage ストレージ・ユニットでカタログ・バックアップ・ポリシーを設定しよう

とする、ストレージ・ユニットのタイプがカタログ・バックアップでサポートされないこと

を示す警告ダイアログ ボックスが表示されることがあります。

このような NetBackup のバージョンの場合、基本ディスク・ストレージ・ユニットを構成に

追加します。この構成では、Data Domain システムが OpenStorage ストレージ・ユニットと基

本ディスク・ストレージ・ユニットの両方の役割を果たします。カタログ・バックアップは、

基本ディスク・ストレージ・ユニットを使用するように構成する必要があります。カタロ

グ・バックアップの 2 つ目のコピーが必要な場合は、DD Replicator ディレクトリ・レプリ

ケーションを使用して、Data Domain システム間のカタログをレプリケートします。レプリ

ケートされるディレクトリは、OpenStorage で使用するように構成された LSU ではなく、カ

タログでなければなりません。

NetBackup バージョン 6.5.4

OpenStorage ストレージ・ユニットへのカタログ・バックアップは、このバージョン以降でサ

ポートされます。ただし、『Symantec Veritas NetBackup Shared Storage Guide UNIX, Windows,

Linux Release 6.5.4』では、OpenStorageストレージ・ユニットにカタログ・バックアップを送

信しないよう推奨しています。Symantec 社がこのように推奨している根拠は、カタログのリ

カバリ時に OpenStorage ストレージ・サーバを構成する余分な作業が必要になるためです。

この NetBackup バージョンでは、Symantec社の推奨ではありませんが、OpenStorageストレー

ジ・ユニットを使用したカタログ・バックアップおよびリカバリを行うことができます。

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EMC Data Domain Boost for Symantec OpenStorage

プランニングのベスト・プラクティス 31

とはいえ、この NetBackup バージョンを使用してカタログ・バックアップを複製する場合は、

ストレージ・ライフサイクル・ポリシーを使用しないことをお奨めします。NetBackup

version 6.5.4 でアドバンスド・ディスク、テープ、および OpenStorage を使用する場合、複製

コピーからのカタログ・リカバリにおいて既知の問題が発生します。これらの問題の詳細に

ついては、Symantec 社の文書を参照してください。以下の URL からこの文書へのリンクが

張られています。

http://seer.entsupport.symantec.com/docs/327439.htm

このバージョンの NetBackup でカタログ・バックアップの 2 つ目のコピーが必要な場合は、

基本ディスク・ストレージ・ユニットを構成に追加する必要があります。この構成では、

Data Domain システムが OpenStorage ストレージ・ユニットと基本ディスク・ストレージ・ユ

ニットの両方の役割を果たします。カタログ・バックアップは、基本ディスク・ストレー

ジ・ユニットを使用するように構成する必要があります。DD Replicator のディレクトリ・レ

プリケーションを使用して、Data Domain システム間でカタログをレプリケートします。レプ

リケートされるディレクトリは、OpenStorage で使用するように構成された LSU ではなく、

カタログでなければなりません。

NetBackup バージョン 7.0

NetBackup バージョン 7.0 では、OpenStorage ストレージ・ユニットへのカタログ・バック

アップが引き続きサポートされます。Symantec 社が OpenStorage ストレージ・ユニットへの

カタログ・バックアップの送信を推奨しないという前述の記述は、『Symantec NetBackup

Shared Storage Guide UNIX, Windows, Linux Release 7.0』では削除されました。NetBackup バー

ジョン 7.0 では、カタログ・リカバリ時に OpenStorageストレージ・サーバを構成するタスク

を支援する、ウィザード・ベースのユーティリティが追加されました。

NetBackup バージョン 7 では、以前あったストレージ・ライフサイクル・ポリシーを使用す

るカタログ・バックアップの複製に関する制約も解決されました。プライマリ・コピー以外

からの NetBackup カタログのリカバリの詳細については、以下の URLを参照してください。

http://seer.entsupport.symantec.com/docs/345669.htm

結論

DD Boost for Symantec NetBackup は、Data Domain システムと Symantec NetBackup 間の

OpenStorage の統合を強化します。Data Domain システムを OpenStorage とともに使用すると、

Disk 装置をディスク・ボリュームとして使用できるようになり、重複除外をインラインで実

行してより多くのデータをディスクに保存できます。また、Optimized Duplication により、

バックアップ・コピーの作成も簡略化されます。DD Boost を追加することにより、

OpenStorage のユーザーは、バックアップのスループットが向上し、LAN 帯域幅の要件が削

減され、メディア・サーバの負荷が軽減されます。

DD Boost を使用すると、Optimized Duplication を用いてリモート・サイトで複製バックアッ

プ・コピーを作成する DD Replicator を NetBackup で管理でき、高度な災害復旧計画を実施で

きるようになります。Data Domain のネットワーク効率の高いレプリケーションでは、テープ

を使用するソリューションに比べて、バックアップ・イメージの災害復旧用コピーがより高

速に作成され、より迅速に災害復旧ロケーションでバックアップが利用可能になります。

初期バックアップまたは Optimized Duplication のコピーから複製を入手して、必要なテー

プ・ベースの複製バックアップ・コピーを作成することで、バックアップ・イメージをかな

りの長期間に渡って保存することができます。テープ・オペレーションを統合して、テー

プ・ベースのバックアップ・コピーを作成するデータセンターが尐なくなると、ソースまた

は宛先データセンターのいずれかでテープに複製することが可能になります。

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EMC Data Domain Boost for Symantec OpenStorage

プランニングのベスト・プラクティス 32

関連資料 EMC Data Domain OpenStorage(OST)Administration Guide

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