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施肥時期の異なる 水田土中の水分・窒素収支 土壌圏循環学教育研究分野 515331 瀧本

施肥時期の異なる 水田土中の水分・窒素収支...施肥時期の異なる 水田土中の水分・窒素収支 土壌圏循環学教育研究分野 515331 瀧本 陸

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施肥時期の異なる

水田土中の水分・窒素収支

土壌圏循環学教育研究分野515331 瀧本 陸

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穂肥重点施肥

水稲作の施肥

慣行農法

分茎肥重点施肥

基肥

倒伏

病虫害

4月末 5月末 6月中旬

籾数増加

分茎数増加

倒伏防止

はじめに

分茎肥 穂肥

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降水蒸散

蒸発

はじめに

浸透

灌漑

施肥時期の違い⇒土中の窒素収支そのために水田の水収支

流入出

流出

NH4-N

NO3-N

脱窒

流出

田面水

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期間:2018年4月~9月栽培品種:イネ(ナツヒカリ)

調査地(学内圃場)

窒素肥料(硫安)

基肥4/27(0d)

分茎肥5/28(31d)

穂肥6/15(49d)

基肥重点区 8 0 2

穂肥重点区 2 0 8

分茎肥重点区 0 8 2

気象センサ2m

1.7

m

水位計圧力計 水分・地温センサ

分茎肥重点区 基肥重点区 穂肥重点区

施肥時期と配分 (kg/10a)

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0

0.2

0.4

0.6

0.8

0

0.2

0.4

0.6

0.8

4/27 5/27 6/26 7/26 8/25

0

2

4

6

8

0

20

40

60

80

00

2

6

4

日降水量

[cm

]

0

2

4

6降水量水位

田面水の水位

[cm

]

水収支

間断灌漑 常時灌漑

81dまで間断灌漑

0 30 60 90 1200

0.2

0.6

0.4

蒸発散量

下方浸透水量

蒸発散量

[cm

/day]

0.8

下方浸透水量0.25 cm/dayで一定

8 8

30 60 90 1200

0.2

0.6

0.4

0.8

下方浸透水量

[cm

/day]

移植後日数 移植後日数

5月 6月 8月7月

以降常時灌漑

5月 6月 8月7月

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-4

-2

0

2

4

6

8

4/27 5/27 6/26 7/26 8/250

0

表面流出量

[cm

/day]

流出

表面流出量=降水量ー(水位変化量+蒸発散量+下方浸透水量)

30 60 90 120

8

流入 流入+灌漑水

最大 6cm/dayの田面水が横に流出

4

-4

間断灌漑 常時灌漑

水収支

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-100

100

300

500

700

900

4/27 5/27 6/26 7/26 8/25

-100

100

300

500

700

900

4/27 5/27 6/26 7/26 8/25

窒素収支

下方N流出量

施肥量

土中N

流出量は施肥量の3~7%

下方N流出量0

300

全窒素量

[mm

ol/m

2]

700

-10030 60 90 1200 30 60 90 120

移植後日数 移植後日数

基 穂基 穂

N下方流出量=下端(25-30cm)窒素濃度×下方浸透水量

NO3-Nが下方流出の要因

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0

200

400

600

800

4/27 5/27 6/26 7/26 8/25

00

200

400

600

800

4/27 5/27 6/26 7/26 8/25

0

400

全窒素量

[mm

ol/m

2]

吸収・脱窒量

800

基 穂基 穂

30 60 90 1200 30 60 90 120

移植後日数 移植後日数

急激ゆっくり

窒素収支イネ吸収・脱窒量=施肥量ー(土中N変化量+N下方流出量)

表面流出あり

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0

5

10

15

20

25

30

0 2 4 6 8

深さ

[cm]

0

5

10

15

20

25

30

0 2 4 6 8

深さ

[cm]

0

5

10

15

20

25

30

0 2 4 6 8

深さ

[cm]

0

5

10

15

20

25

30

0 2 4 6 8

深さ

[cm]

深さ

[cm

]

NH4-N,NO3-N量 [mmol/1000cm3-soil]

基肥重点区

NH4

NO3

11d (基肥後)

0 2 4 6 8 2 4 6 8

0

10

20

30

10

20

30

18d

11d

18d

4d (穂肥後)

10d

4d

10d

土中N分布

NH4

NO3

穂肥重点区

0

流下 イネ吸収

硝化多い硝化少ない

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まとめ

基肥後の吸収・硝化が少ない

穂肥重点区

最大 6 cm/dayの田面水が表面流出

窒素収支

基肥重点区

穂肥後の吸収・硝化が活発 窒素流出多

水収支

下層でNO3-N

平均 0.25 cm/dayの下方浸透水量

水田の水収支や施肥時期の違いが土中の窒素収支に及ぼす影響