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■ 担当教員の体調不良などもあり,中間試験の採点がまだ終わっていません….もう一週間待ってください.
■ 配布物:ノート 3枚 (p.61~72),解答用紙 2+1枚
■ 宿題を提出してください.
第11回:運動量と力積
工業力学 補足・復習スライドIndustrial Mechanics
おさらい
回転体のつりあい
固定軸につけられた物体が回転すると遠心力が発生する.この遠心力がうまくつりあわないと振動,騒音,摩耗の原因となり,製品にとってよろしくない.
これを防ぐには,物体各部に作用する遠心力がつりあっている必要がある.
考慮しなくてはならないつりあいは 2つある:
◼ 静的つりあい:
→ 遠心力自体がつりあう
◼ 動的つりあい:
→ 遠心力がつくりだすモーメントがつりあう
静的つりあい
物体上の各部位に作用する遠心力のつりあい
物体上の微小部位の水平位置を (𝑥, 𝑦)T,その軸との距離を
𝑟 = 𝑥2 + 𝑦2,微小質量を 𝑑𝑚とするとき,角速度を 𝜔とすると,遠心力の大きさは 𝐹 = 𝑑𝑚 𝑟𝜔2.ベクトルでは,
𝑭 = 𝑑𝑚 𝑟𝜔2 cos 𝜃sin 𝜃
= 𝑑𝑚 𝜔2𝑥𝑦 = 𝜔2 𝑥 𝑑𝑚
𝑦 𝑑𝑚.
よって遠心力の合力は
𝑹 = 𝜔2 𝑥 𝑑𝑚
𝑥 𝑑𝑚= 𝜔2 𝑀𝑥G
𝑀𝑦G
= 𝜔2𝑀𝒙G.
静的つりあい
𝑹 = 𝜔2 𝑥 𝑑𝑚
𝑥 𝑑𝑚= 𝜔2𝑀
𝑥G𝑦G
= 𝜔2𝑀𝒙G.
板の全質量が重心に集中した場合の遠心力の式
遠心力の合力 𝑹をゼロにするには,全体の重心 𝒙Gを原点つまり軸上に持ってくればよい.
軸上にこういう板が複数ついている場合は,それら全体の重心を軸上に持ってくればよい.
つまり,軸の付属物全体の重心を軸に持ってくる設計が必要.
動的つりあい
右図のように,軸受けで固定された回転軸に質量が 2つとりつけられているとする.
軸受け
軸受けとは (Wikipedia)
軸受(じくうけ)とは機械要素のひとつで、回転や往復運動する相手部品に接して荷重を受け、軸などを支持する部品である。
http://gamette.blog4.fc2.com/blog-entry-6.html
動的つりあい
右図のように,軸受けで固定された回転軸に質量が 2つとりつけられているとする.
2つの質量の重心は軸上なので,静的つりあいは OK.だが…
回転させたときに発生する遠心力はこの軸を,軸と直交する方向に回転させるモーメントを発生させる.
これが軸受けを押し,製品全体を振動させる.
このモーメントもゼロにしたい
→ 動的つりあい
軸受け
動的つりあい
各力のモーメントアームを右図のように設定する.
基準点 (右図では下の軸受け) の位置は,静的つりあいが成り立っている場合はどこにおいてもよい
この場合,モーメントのつりあいは
𝐹1𝑎1 − 𝐹2𝑎2 = 0
と表される.
(つまり右図では成り立たない)
この図の奥行き方向についても,同様にモーメントのつりあいをとる.
𝑭1
𝑭2
𝑎1
𝑎2
回転体のつりあい
総合的に考えると,図のようになる.
静的つりあい:
動的つりあい:
σ𝑚𝑖𝑥𝑖 = 0,σ𝑚𝑖𝑦𝑖 = 0.
σ𝑎𝑖𝑚𝑖𝑥𝑖 = 0,σ𝑎𝑖𝑚𝑖𝑦𝑖 = 0.
𝑭𝑖 = 𝜔2𝑚𝑖
𝑥𝑖𝑦𝑖
𝑁𝑖𝑥 = 𝑎𝑖𝜔2𝑚𝑖𝑦𝑖
𝑁𝑖𝑦 = −𝑎𝑖𝜔2𝑚𝑖𝑥𝑖
運動量 (momentum)
物体の運動の勢い (はげしさ) を表す量として,運動量(momentum) を導入する.
◼ 運動量は同じ速度なら質量が大きいほど大きい.
◼ 運動量は同じ質量ならスピードが大きいほど大きい.
◼ 右向きと左向きの運動は正負逆の量と見なすべき.
したがって,以下のように定義する.
(運動量) = (質量)・(速度ベクトル)
v
m
質量 m=20 [kg],速度 v=(-1, 2)T [m/s]
(運動量) = (-20, 40)T [kgm/s]
運動量変化の法則性
物体が力を受けると,運動は変わる → 運動量が変わる
質量 m,速度 v の物体が力 f を受けた時どうなるか?
→ 運動量 mvの時間変化率は,受けている力 f に等しい.
では,一定時間に渡って力 f(t)を受けた場合はどうか?
上の式を積分して,
→ 受けた力の時間積分が運動量の総変化量となる.
力の時間積分:力積 (impulse)
( )d mdm m
dt dt
vvf a
0( ) (0)
t
dt m m t mf v v v
力積の例題
地面の上を滑らかに滑る 10 [kg]の物体を左向き 5 [N]の力で 3[s]の時間押したとき,この間の運動量の変化はどれほどか?ただし右向きを正とする.
受けている力は右を正として-5.一定力なので,力積は
である.
運動量変化は力積に等しいので,-15 [kgm/s].
※ 1 [Ns] = 1 [kg m/s2]・[s] = 1 [kg m/s].
3
05 ( 5) 3 15 [Ns]dt