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平成29年 船橋市 船橋市「市民協働の指針」改定版(事務局案) 4校 資料1

船橋市「市民協働の指針」改定版(事務局案) 4校 · 「市民協働によるまちづくりを推進しましょう!」という理念の基に、平成20年

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Page 1: 船橋市「市民協働の指針」改定版(事務局案) 4校 · 「市民協働によるまちづくりを推進しましょう!」という理念の基に、平成20年

平成29年 月

船橋市

船橋市「市民協働の指針」改定版(事務局案)

4校

資料1

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新しい指針に思いを込めて

「市民協働によるまちづくりを推進しましょう!」という理念の基に、平成20年

に「船橋市『市民協働の指針』」(以下「前指針」といいます)が策定されました。船

橋ではそれ以前から、多くの市民の方々の多彩な力でたくさんのまちづくり活動が活

発に行われてきた歴史があり、もちろん「協働」による活動も行われてきています。

このような「協働」によるまちづくりを更に計画的に推進していくために前指針が策

定されましたが、指針の存在が広く市民にまで浸透しなかったことと、指針の理念を

具現化していく推進計画の策定にまでは至らなかったこと等により、市民活動の活性

化等の一定の効果はあったものの、市全体として計画的に「協働」を推進していく仕

組みや制度の整備が図られたかと言えば、必ずしもそうとは言えない状況でした。

一方で、前指針策定から9年が経ち、この間、社会情勢は大きく変わり、「協働」

をとりまく環境も新たな展開を迎えています。

平成23年の東日本大震災では、その復興活動の中で全国の多くの方が、改めて地

域コミュニティの大切さ、みんなが助け合うことの大切さを痛感しました。

平成12年の地方分権一括法施行から始まった地方分権の流れは更に加速し、それ

ぞれの自治体独自の地域自治能力が改めて問われています。

更に、今後船橋市も超高齢社会へと向かう中、社会構造の変化への対応、そして喫

緊の課題である「地域包括ケアシステム」(高齢者が住み慣れた地域でいつまでもい

きいきと安心して暮らせるよう「住まい・予防・生活支援・介護・医療」を包括的に

整備していくシステム)の構築は、地域全体の協働なしには考えられないものです。

このような社会情勢の変化の中で、公共が担う課題も多様化し、その内容も高度化、

専門化しており、これからの地域自治はその地域をとりまく市民、町会・自治会等の

地域団体、様々な分野で活動を展開する市民活動団体、更には各種産業や教育研究機

関等も含めた地域全体の多様な主体の総合力が必要とされてきています。

前指針策定後の、このような「協働」をとりまく環境の変化の中で、船橋をより魅

力あるまちにするためには、「協働」によるまちづくりを更に推進していく必要があ

ることから、ここに新たな指針を策定するに至りました。

新しい指針は、前指針に示された「協働」の理念を受け継ぎながらも、やはり「ま

ちづくりの主役は市民一人ひとり」という地域自治の基本に立ち返る思いも込めて、

「市民参加と協働」をテーマとしました。また、指針に示した理念を確実に展開して

いくための今後の方針として、「推進計画の策定」と「推進計画の進行管理」を掲げ、

計画的な推進体制の整備を図っていきたいと考えております。

「自分の住むまち船橋を少しでもよくしていきたい」という思いが、一人でも多く

の方に広がることを願い、この指針の理念が市民の皆様方に届き、共感していただけ

ることを期待しています。

「船橋市市民協働推進協議会」委員一同

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第1章 なぜ「市民参加と協働」なの

船橋の地域自治、まちづくりは

長年にわたり地域自治を支え続けてきた町会・自治会の方々

地域コミュニティの形成を支える公共的な市民団体の方々

公民館活動を通して地域コミュニティを支える地域住民の方々

多様な地域課題や社会的課題に自主的に取り組む市民活動団体の方々

地域経済を支える各種産業団体

高齢者・障害者の支援や子育て・保育等の福祉活動に携わる方々

等々

あげたら数えきれないくらいの市民の方々の力=「市民力」=によって支えられてき

ました。

そしてこの「市民力」は、これから船橋がより魅力あるまちに発展していくために、

また多様化する社会的な課題解決のために今後ますます必要となってきています。

「市民力」あふれる船橋市民一人ひとりの「市民参加と協働」により、「市民とと

もにつくるまちづくり」と「ふれあいに満ちたコミュニティの育成」を推進すること

で、船橋市総合計画が掲げる「生き生きとしたふれあいの都市・ふなばし」の実現を

目指しましょう。

市民とともにつくるまちづくり ・ ふれあいに満ちたコミュニティの育成

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まちづくりの基本は「市民参加」から

これがまちづくりの原点です

このようなまちづくりは一人ひとりの市民参加から始まります。

(きっかけとして・・)

自治会の行事に参加した

船橋の歴史を勉強した

市の広報紙をじっくり読んだ

PTAの役員になった

公民館で仲間づくりをした

地域のイベントに参加した

地域のサークルに入会した

ボランティア活動をした

市の公募委員に応募した

等々

一人ひとりが自分のまちのことを考え、

市民参加の流れ

船橋を身近に感じた

船橋をもっと知りたくなった

船橋に愛着が湧いた

もっと船橋をよくしたい!

例えば・・

自分のまちのために行動する。

船橋のために何か役にたちたい! 船橋をより良くするため行動!

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市民参加と協働

「市民参加」から始まる、まちづくりへの参加。

でも、一人の力ではできないこともたくさんあります。

そんな時は、他の人とつながりましょう。

共通の目的に向かってお互いが「つながる」、それが「協働」です。

例えば、大雪が降った朝、お隣りの家と協力して家の前の道路の雪かきをす

る・・・とても小さな「協働」です。

町会・自治会や、多様な課題に対処するために活動する市民活動団体などの組

織も、市民と市民が同じ目的に向かってつながるという意味では、一つの「協働」

の形です。

団体同士の協働

町会・自治会や市民活動団体などの組織も、それぞれの団体だけの力ではでき

ないことがたくさんあります。そこで、団体同士が同じ目的に向かって「つなが

る」。これもまた「協働」です。

一般的には、地域自治における「協働」は、行政を含めた組織同士、又は組織

と個人が同じ目的に向かってつながりや連携を持つことを言います。

市民参加と協働

よく「参加」から「協働」へと言われます。単なる「参加」より「協働」の方

が一段上の方法と思われがちですが、決してそうではありません。

「協働」は目的を達成するための「手段」に過ぎません。市民個人で解決でき

るものは一人ですればいい。一人ではできないことはつながって協力すればいい。

一つの団体だけでやった方がより効果的であれば、そこでやればいい。一つの組

織だけではできないことは団体同士の協働ですればいい。団体同士の協働ででき

ないことは行政との協働ですればいい。

「協働」は船橋をより魅力あるまちにするための一つの手段です。そのために

一番効果的な手段を選択することが大切です。

協働は手段!

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第2章 「協働」ってどんなこと

第1章で「協働」とは「共通の目的に向かってつながること」と記述しましたが、

ここで「協働」の定義について確認しておきます。

船橋における「協働」の定義

協働の主体

多様な主体とは具体的にはどんなことでしょうか。

主体の分類 具体的な主体の例

個人 ボランティア、市民委員 等

地域団体

(特定地域で活動)

町会・自治会、老人クラブ、地区社会福祉協議会、消防団、子ども会、商店

街、学校PTA 等

公共的団体 自治会連合協議会、商工会議所、法人会、農業協同組合、漁業協同組合、医

師会、青年会議所、社会福祉協議会、青色申告会 等

市民団体

(特定テーマで活動) NPO法人、市民活動団体、公民館サークル、スポーツ団体 等

教育研究機関 幼稚園、小・中学校、高校、特別支援学校、専門学校、大学、研究所 等

福祉施設

医療機関 老人福祉施設、障害者福祉施設、児童福祉施設、病院・医院 等

事業者 企業、商店、飲食店 等

その他 国、県、他市町村 等

船橋市

市民誰もが主体です!

多様な主体同士が

お互いに対等な立場で連携・協力すること

船橋をより魅力あるまちにするための共通の目的に向かって、

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協働の連携イメージ

このように、多様な主体が船橋をより魅力あるまちにするための共通の目的に向か

ってつながるのが「協働」です。

一般的に、協働には行政がかかわらない民間同士による協働(民民の協働)と、行

政と他の民間の主体が連携する協働(官民の協働)があります。

「協働」のイメージは、以前は行政と民間との連携が主流でしたが、地域課題や社

会的課題の多様化により、現実には民間同士による協働もたくさん展開されています。

行政も多様な主体の一つですが、これからの行政は自らが主体となる協働だけでは

なく、民と民をつなぐコーディネート機能がより重要な役割として求められます。

協働の基本原則

「民民の協働」にも「官民の協働」にも共通する基本的な原則があります。

個人

地域団体

公共的団体

市民団体

事業者 福祉施設

医療機関

教育研究機関

船橋市

共通の目的

対等な立場 目的の共有

実際の協働の中で役割分担の大小など

があっても、基本的な立場は対等であ

ることが重要です。お互いの立場を理

解し、それぞれの主体が自主的に機能

を果たしていくことが求められます。

協働はあくまでも目的を達成するた

めの手段です。その共通の目的は何な

のか、何のために協働するのか、最終

的な目的を共有することが重要です。

船橋をより魅力ある

まちにするための

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行政と民間の協働の形態

行政も多様な主体の一つですが、特に公共性の高いサービスや課題については行政

が中心的な役割を担うことが多くみられます。

民間と民間の協働において、協働の原則である「対等な立場」「目的の共有」以外

の手法等については、お互いの自由な関係に委ねられることになりますが、行政と民

間の協働は、概ね次のような形態で行われます。

民間が中心となり行政が支援する形態 (次ページB1の領域)

後援

民間が主体的に行う事業に、行政の名義を提供するなど、事業の社会的信頼性

が増すように支援する形態

補助金・助成金 等

民間が主体となって行う公共性の高い事業に行政が金銭的な支援をする形態

民間も行政も共に中心を担う形態 (次ページB2の領域)

実行委員会・協議会 等

行政も含めた市民や市民団体等で「実行委員会」や「協議会」等の新しい組織

を作り、多様な主体の担い手がともに主催者の一員となって行う形態

共催

民間の主体が、行政とともに主催者となって取り組む形態

行政が中心となり民間が参加する形態 (次ページB3の領域)

ボランティア 等

行政が行う(又は民間との協働で行う)事業等に、市民がボランティア等とし

て参加協力する形態

指定管理

公共施設等の管理を、その施設が果たす役割や機能についての専門的な知識や

技術を有する法人等に委ねる形態

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委託

公共性の高い事業の中で特に専門的知識や技術を必要とする業務を、その専門

性を有する民間事業者や団体等に依頼して行う形態

(一方的な発注受注関係ではなく、目的を共有しお互いに意見交換できるなど、

委託の相手の主体的な意思が反映される関係の場合)

行政と民間の協働の領域

これらの行政と民間の協働の形態を、行政活動と民間活動の領域との関係と重ねる

と、概ね次のような図となります。

A1 A2 B1 B2 B3 C

大区分 小区分

A 民間だけの領域 A1 民間の主体が単独で行う活動

A2 民間の主体同士の協働で行う活動

B 官民協働の領域

B1 民間が主体の官民協働 (後援、補助金・助成金、交付金 等)

B2 民間・行政ともに主体となる官民協働(実行委員会・協議会、共催 等)

B3 行政が主体となる官民協働(行政へのボランティア参加、指定管理 等)

C 行政だけの領域 C 行政が単独で行う活動

官民協働

市民参加の領域(市民力が必要とされる領域)

民民協働

協働の領域

狭義の「協働」

民間単独 行政単独

民間の領域 行政の領域

行政活動と民間活動の関係図

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民間の領域(A1・A2)

前図のAの部分は民間だけの活動領域となります。身近な地域課題や生活課題等の

多くは、実はAの領域、つまり市民の方たち自らが取り組んでいます。市民の自助に

よる地域活動や市民活動は昔から当たり前のように行われてきましたが、今でもまち

づくり、地域自治の最も基本で重要な活動と言えます。そしてこの領域には民間の主

体が単独で行う活動(A1)と、民間同士の多様な主体同士が連携して取り組む「民

民協働」の活動(A2)があります。

官民協働の領域(B1・B2・B3)

行政と民間が重なるBの部分が官民協働の領域となります。主体の関わり方(役割

分担の大小等)によって、B1からB3までの3つのタイプにわけられます。協働は

あくまでも目的を果たすため、また課題を解決するための「手段」です。

そのために最も適した形態を選択することが重要です。B2の領域(行政と民間が

対等な役割分担)だけを狭い意味での「協働」と位置付ける場合もありますが、役割

の大小はあっても目的に向かって対等な立場であれば、B1やB3も官民協働の重要

な領域です。

行政の領域(C)

Cの行政単独領域は本来、法令等により行政でなければ行えない業務の領域ですが、

今、行政が単独で行っている公共サービスのうち、民間との協働で行えるもの、協働

で行った方が効果的なものは実はまだたくさんあり、そういった公共サービスが、今

後、民間との協働に移行されていくことが期待されます。

今まで行政が単独で行っていた公共サービスにどれだけ多くの市民の手が関わっ

てくるかが、「市民参加と協働」の推進の大きなポイントの一つと言えます。

そのためには、「この事業は自分たちが行います」「この課題については是非私たち

と一緒にやりましょう」といった市民側からの提起も重要ですし、行政側も一つひと

つの業務について「この業務は誰かと一緒にできないだろうか」「この事業に市民力

を活かすことはできないだろうか」という、協働の可能性を常に意識する姿勢が重要

となります。

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歴史的経緯

市民参加や協働といった概念の活動は、これまでも様々な形で行われてきましたが、

今、改めてその必要性が高まっています。市民参加や協働といった概念がどう広がっ

てきたのか、近年における歴史的背景としては次のようなことがあげられます。

●1995年(平成7年) 阪神・淡路大震災

ボランティア元年とも呼ばれ、ボランティア活動の重要性がクローズアップされ

ました。

●1998年(平成10年) NPO法(特定非営利活動促進法)施行

多様な課題に取り組む市民活動が急速に広まり、新たな「公共」を民間が担うと

いう風潮が高まってきました。

●2000年(平成12年) 地方分権一括法施行

機関委任事務の撤廃により国と地方自治体のこれまでの上下の関係が「対等」な

立場となり、同時に基本的に国の指示に従って画一的に行っていればよかった地

方自治も、自治体の独自性が必要となり、地域の実情に応じた政策形成力や地域

自治力が問われるようになりました。

■2006年(平成18年) 船橋市に「市民協働課」設置

■2008年(平成20年) 「船橋市『市民協働の指針』」策定

2006年(平成18年)に「船橋市市民協働のあり方検討委員会」が発足され、

同委員会からの提言を受け、「船橋市『市民協働の指針』」が策定されました。

●2011年(平成23年) 東日本大震災

未曽有の大震災からの復興に対し、改めて地域コミュニティの大切さやボランテ

ィア活動が見直されました。また各自治体において災害対策が見直されるととも

に、社会的な課題としてクローズアップされました。

このような歴史的な背景の中、市民には日常的な地域での参加とは別に、新たなボ

ランティア活動や市民活動の意識が高まってきています。また、特に地方分権一括法

施行後の地方分権の流れの中で、各自治体とも、こぞって地域自治に「協働」の概念

を取り入れました。

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社会的背景

公共的課題の多様化

市民活動の高まりとともに、行政が中心だった公共サービスの担い手も多様化し、

その社会的な課題も様々な方面に及んでいます。

市民の生活様式や文化意識も多様化し、また今や社会生活において欠かすことので

きないIT関連への対応等、公共が担うサービスや社会的な課題もますます多様化し、

より高度な専門性も必要となっています。

このような課題に対しては行政だけで対応することは困難となってきており、多彩

な市民力を持つ市民の方々の市民参加や協働が必要となっています。

超高齢社会への対応

船橋は今も人口増加を続ける都市ですが、船橋市人口ビジョン(平成 28 年3月)

によると、船橋の人口は 2025年(平成 37年)に 63.6万人のピークを迎えその

後減少することが予想されています。また高齢化率(全人口に占める65歳以上の人

口の割合)でみると、2015年(平成 27年)の 22.6%が 2050 年(平成 62年)

には 30.9%になることが予想されています。同時に生産年齢人口の低下も激しく、

最も働き盛りである 35~49歳の人口は 2060年(平成 72年)には 2015年(平

成 27年)の 3分の 2になる見込みです。

このような急速な超高齢社会が進む中、船橋市も人的にも経済的にも今までのよう

な手法での公共サービスの提供は、次第に困難になってくることが予想されます。

このような状況に対応していくためにも、市民参加と協働による、より多くの市民力

を活かしたまちづくりが期待されます。

船橋市人口ビジョンより抜粋(P19)

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地域自治と市民力

第 1章でも記したとおり、まちづくりや地域自治はこれまでもずっと市民自らの手

で行われてきました。そして、これからもその原則は変わるものではありません。

「歴史的経緯」「社会的背景」からくる必要性も確かに重要な事項ではありますが、

最も重要なことは「まちづくり、地域自治の主役は市民そのもの」という大原則があ

るからです。

そして、もう一つ重要なことは、様々な公共的課題に対峙したとき、何か大きな事

業を展開するとき、行政だけで実施するより多彩な市民力を持つ方たちと一緒に行っ

た方がずっといいものができるからです。多彩な市民力がまちを魅力あるものにしま

す。だからこそ「市民参加と協働」が必要なのです。

協働のメリット

多様な公共的課題に対応

●多様化し、高度化、専門化する公共的課題に対して、行政だけでは、あるいは一

つの団体だけでは解決困難な場合でも、専門的な知識や技術を持つ市民や団体と

協働することで対応可能になります。

身近な地域課題の発掘

●特に行政にとっては、地域住民や地域団体と協働することで、行政の目線からは

把握できなかった身近な地域課題に気づくことができます。市民のニーズに沿っ

た効果的な地域課題の解決が図られるようになります。

地域自治力の向上

●地域の様々な団体が協働を繰り返すことでより強固なつながりが生まれ、今まで

以上に強い地域コミュニティの醸成が期待できます。今後予想される大災害への

対応にも強固な地域コミュニティが役立つことが期待できます。

●地域の様々な団体が協働を通じて、それぞれ主体的に課題解決に取り組むことで、

地域自治力全体が向上することが期待できます。

●地域自治力が向上することで、新たなまちづくりへの関心や市民参加を呼び起こ

すことも期待できます。

協働は共通の目的や課題に対してはあくまでも「手段」ではありますが、協働そ

のものが地域自治力の向上に大きな効果を生んでいます。

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第3章 市民参加と協働って

どうやって進めるの?

平成 20年に策定した前指針では、「環境づくり」「体制づくり」「仕組みづくり」

の3つを協働推進の基本方針としてきました。

前指針策定後、市民活動の活性化や行政と市民の協働事例が見られるようになるな

ど、ある程度推進が図られた面もありますが、特に「体制づくり」や「仕組みづくり」

等についてはあまり進みませんでした。

これは、前指針策定後に、指針で示された内容を具体的な施策として実施していく

「推進計画」が策定されなかったことが一つの大きな要因と考えられます。具体的な

施策の展開は、長期的なビジョンにたった推進計画の策定が不可欠です。

また、もう一つの要因としては推進状況に関する評価の体制が確立していなかった

ことがあげられます。推進の進捗状況をしっかりと評価し進行管理することも欠かせ

ない要素です。

そこで、本指針では次の 2点を基本に「市民参加と協働」の推進を図っていきます。

1.「推進計画」の策定

2.「推進計画」の進行管理

「推進計画」の策定

本指針で示した「市民参加と協働」を推進していくために、推進の具体的な方策に

ついての計画を策定します。

計画の内容については、本指針の策定も行った「船橋市市民協働推進協議会」が引

き続き検討していきます。

「環境づくり」「体制づくり」を中心に、前指針策定後から現在までの経過を踏ま

えながら、新たな方針と方策について示していきます。

具体的な内容は「推進計画」に委ねますが、体系的には概ね次の項目となります。

推進のための基本方針

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推進計画での主な検討項目

《環境づくり》

市民参加と民民協働の環境づくり

市民の「市民参加」意識の醸成、市民団体の支援、民民協働の支援

行政と民間の協働の環境づくり

船橋市の行政組織が協働を推進する土壌づくり

《体制づくり》

市民参加と民民協働の体制づくり

市民団体活動支援の制度、民民協働の支援の制度

行政と民間の協働の体制づくり

官民協働の支援、行政が積極的に民間とつながる制度

「推進計画」の進行管理

計画の推進には、進捗状況を評価し、しっかりと進行管理することが必要となりま

す。

評価体制についても「推進計画」策定の中で検討を行います。また、進捗評価等の

進行管理についても「船橋市市民協働推進協議会」と船橋市の協働で行っていきます。

推進計画

「推進計画」の進行管理

指針

評 価 計画の実施

見直し

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「市民参加と協働」推進の基本姿勢

推進のための基本方針として、「推進計画の策定」と「推進計画の進行管理」を掲

げましたが、これらを遂行していく中での船橋市の基本姿勢として次の事項を掲げま

す。

「市民との協働」による「協働」の推進

本指針は、市民委員や市民団体と行政職員で組織する「船橋市市民協働推進協議会」

で検討を重ねた中で策定されました。

そしてこの指針を受けて、これからこの「船橋市市民協働推進協議会」で、推進計

画の内容の協議、さらに計画の進行管理を行っていきます。まさに「協働」による「協

働」の推進を目指します。

「協働推進過程」の透明化

「市民参加と協働」の推進については、原則として情報を公開し、透明化を図るよ

う努めていきます。

1.「市民との協働」による「協働」の推進

2.「協働推進過程」の透明化

船橋市の基本姿勢