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平 成 ２ ９ 年 ６ 月
卸売市場をめぐる情勢について
食料産業局
目 次
卸売市場をめぐる情勢について
○ 卸売市場の役割・機能・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ １
〇 中央卸売市場の取引構造・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ２
〇 卸売市場を利用する仲卸業者の販売相手、売買参加者・・・・・ ６
○ 中央卸売市場と地方卸売市場に係る制度の比較・・・・・・・・ ７
○ 中央卸売市場の配置・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ８
○ 卸売市場経由率と卸売市場数・卸売業者数・・・・・・・・・・ ９
○ 卸売市場の取扱金額・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
○ 卸売業者及び仲卸業者の経営動向・・・・・・・・・・・・・・ 11
■生鮮食料品等の主要な流通経路
商社輸入
消費者
直売所、青空市場、宅配など
産地直接取引など
出荷者（農協、個人等）
製造業者小売業者外食業者など
卸売市場中央市場：64市場
地方市場：1,081市場
卸売業者中央市場：162地方市場：1,278
仲卸業者中央市場：3,278地方市場：2,675
売買参加者中央市場：24,318地方市場：113,991
2
■市場の主要機能
1
○ 卸売市場は、野菜、果物、魚、肉など日々の食卓に欠かすことのできない生鮮食料品等を国民に円滑かつ安定的に供給するための基幹的なインフラとして、多種・大量の物品の効率的かつ継続的な集分荷、公正で透明性の高い価格形成など重要な機能を有している。
○ 卸売市場の役割・機能
① 集荷（品揃え）、分荷機能 ③ 代金決済機能全国各地から多種・大量の物品を集荷するとともに、実需者の 販売代金の出荷者への迅速・確実な決済
ニーズに応じて、迅速かつ効率的に必要な品目、量へと分荷
② 価格形成機能 ④ 情報受発信機能需給を反映した公正で透明性の高い価格形成 需給に係る情報を収集し、川上・川下それぞれに伝達
（中央市場の市場数、卸売業者数のデータはH28年度末時点、中央市場の他の業者数及び地方市場のデータはH27年度末時点）
中央卸売市場
卸売業者仲卸業者
売買参加者※
相対89.4％
セリ・入札 10.6％
直荷引き※：20.3％
小売業者製造業者外食業者など
第三者販売
買付38.7％
委託61.3％
※１ 経由率は平成26年度。その他割合は平成27年度（金額ベース）※２ 直荷引き部分は、仲卸業者のみ
第三者販売：9.6%他市場業者製造業者外食業者など
決済：６日程度出荷者
（内訳）
仲卸の販売の６割は量販店
（専門小売は2割）
仲卸業者の卸売業者からの仕入割合 79.7％
決済：３日程度決済：１ヶ月程度
市場内販売90.4%
仲卸：64.8%買参：25.6%
農協系統団体 57.7%
商社 11.7%
産地出荷業者 10.6%
生産者個人 6.2%
産地任意組合 5.3%
他市場の卸 2.8%
他市場の仲卸 2.4%
その他 3.4%
○卸売予定数量の公表（卸売業者・開設者）○卸売結果の公表（卸売業者・開設者） 【仕切情報】
品目、数量、単価、手数料、仕切金額
○中央卸売市場の取引構造（青果：経由率60％）
２
中央卸売市場
卸売業者仲卸業者
売買参加者※
相対82.9％
セリ・入札 17.1％
直荷引き※：18.2％
小売業者製造業者外食業者など
第三者販売
買付80.6％
委託19.4％
第三者販売：22.5%他市場業者製造業者外食業者など
決済：１３日程度出荷者
（内訳）
仲卸の販売の5割は量販店
（専門小売は2割）
仲卸業者の卸売業者からの仕入割合 81.8％
決済：７日程度決済：１ヶ月程度
市場内販売77.5%
仲卸：59.7%買参：17.8%
産地出荷業者 42.4%
水産会社 11.6%
漁協系統団体 7.8%
商社 5.5%
生産者個人 4.6%
他市場の卸 3.9%
産地任意組合 0.8%
他市場の仲卸 0.9%
その他 22.5%
○卸売予定数量の公表（卸売業者・開設者）○卸売結果の公表（卸売業者・開設者）
【仕切情報】品目、数量、単価、手数料、仕切金額
○中央卸売市場の取引構造（水産：経由率52％）
３
※１ 経由率は平成26年度。その他割合は平成27年度（金額ベース）※２ 直荷引き部分は、仲卸業者のみ
中央卸売市場
卸売業者仲卸業者
売買参加者※
相対 12.8％
セリ・入札87.2％
直荷引き※：18.5％
小売業者製造業者外食業者など
第三者販売買付 5.1％
委託94.9％
第三者販売：0.7%他市場業者製造業者外食業者など
決済：８日程度出荷者
（内訳）
仲卸の販売の7割は量販店
（専門小売は1割）
仲卸業者の卸売業者からの仕入割合 81.5％
決済：２日程度決済：１ヶ月程度
市場内販売99.3%
仲卸：35.4%買参：63.9%
農協系統団体 40.0%
産地任意組合 23.5%
生産者個人 17.6%
産地出荷業者 14.1%
商社 3.4%
その他 1.4%
○卸売予定数量の公表（卸売業者・開設者）○卸売結果の公表（卸売業者・開設者）
【仕切情報】品目、数量、単価、手数料、仕切金額
○中央卸売市場の取引構造（食肉：経由率10％）
４
※１ 経由率は平成26年度。その他割合は平成27年度（金額ベース）※２ 直荷引き部分は、仲卸業者のみ
中央卸売市場
卸売業者仲卸業者
売買参加者※
相対77.0％
セリ・入札 23.0％
直荷引き※：17.7％
小売業者加工業者冠婚葬祭業者など
第三者販売買付 9.3％
委託90.7％
第三者販売：2.3%他市場業者製造業者冠婚葬祭業者など
決済：２２日程度出荷者
（内訳）
仲卸の販売の5割は専門小売店（量販店は2割）
仲卸業者の卸売業者からの仕入割合 82.3％
決済：１８日程度決済：１ヶ月程度
市場内販売97.7%
仲卸：25.2%買参：72.5%
農協系統団体 45.7%
生産者個人 37.1%
商社 9.4%
産地任意組合 3.1%
他市場の卸 2.2%
他市場の仲卸 0.8%
産地出荷業者 0.2%
その他 1.6%
○卸売予定数量の公表（卸売業者・開設者）○卸売結果の公表（卸売業者・開設者）
【仕切情報】品目、数量、単価、手数料、仕切金額
○中央卸売市場の取引構造（花き：経由率78％）
５
※１ 経由率は平成26年度。その他割合は平成27年度（金額ベース）※２ 直荷引き部分は、仲卸業者のみ
○卸売市場を利用する仲卸業者の販売相手、売買参加者
６
青果 水産 食肉 花き
一般小売店等（八百屋、魚屋、肉屋、花屋等）
20.9 25.3 9.0 46.9
大規模小売店等（量販店、生協、給食事業者等）
61.7 50.3 71.0 20.2
加工業者・外食事業者等
17.3 24.4 19.9 33.0
青果 水産 食肉 花き
一般小売店（八百屋、魚屋等）
64.3 60.9 60.2 88.1
外食、給食、納入業者
13.2 5.4 1.5 1.2
量販店、生協 9.6 9.1 0.6 1.6
他市場卸売業者等
3.5 8.0 12.4 1.6
加工業者 2.8 6.8 7.1 0.5
その他 6.5 9.8 18.2 7.0
○ 仲卸業者の販売先割合（平成27年度）
○ 売買参加者の内訳（平成27年度）
仲卸業者
卸売業者
売買参加者
（単位：％）
（単位：％）
資料：農林水産省食品流通課調べ
中央卸売市場 地方卸売市場
特 徴
・ 広域的な生鮮食料品等流通の中核的な拠点
・ 開設者は都道府県や人口20万人以上の市
・ 地域における生鮮食料品等の集配拠点
・ 開設者に制限なし （地方公共団体、株式会社、農協、漁協等）
業者等の許認可、指導監督
開設者 ・ 農林水産大臣による認可（報告徴収・検査、監督処分等） ・ 都道府県知事による許可（報告徴収・検査、監督処分等）
【必要に応じて都道府県知事が条例で規定】
卸売業者・ 農林水産大臣による許可（報告徴収・検査、監督処分等）
・ 開設者による報告徴収・検査、監督処分等
・ 都道府県知事による許可（報告徴収・検査、監督処分等）
【必要に応じて都道府県知事が条例で規定】
仲卸業者 ・ 開設者による許可（報告徴収・検査、監督処分等） 法律上特段の規定なし
【必要に応じて都道府県知事が条例で規定】売買参加者 ・ 開設者による承認（監督処分）
取引規制
卸売業者
・ 売買取引の方法の設定
・ 差別的取扱いの禁止・ 受託拒否の禁止
・ 卸売の相手方としての買受けの禁止
・ 第三者販売の原則禁止
（卸売業者の販売先を市場内の仲卸、売買参加者に限定）
・ 商物一致の原則
（卸売業者の販売を市場内にある物品に限定）
・ 売買取引の方法の設定
・ 差別的取扱いの禁止
【必要に応じて都道府県知事が条例で規定】
仲卸業者・ 販売の委託の引受けの禁止
・ 直荷引きの原則禁止
（仲卸業者の仕入先を当該市場の卸売業者に限定)
【必要に応じて都道府県知事が条例で規定】
その他・ 代金決済の確保
（業務規程で定める支払期日、支払方法等により決済)
【必要に応じて都道府県知事が条例で規定】
○ 中央卸売市場と地方卸売市場に係る制度の比較
７
札幌
青森八戸
盛岡
秋田
仙台
新潟
いわき宇都宮
福井 さいたま
東京
川崎
横浜
静岡
金沢
京都
岐阜
大阪
大阪
奈良
和歌山
神戸
姫路
岡山広島
宇部
徳島
高松
高知
松山久
留米
宮崎長崎
鹿児島
沖縄
３４
５２
４３５０
３５
３９
５２
５０
１０
３６
２
４６
４８４２ ４９
５０５
３７
４７
５０
５２
１０
３７
５９
４７
３２
５１
浜松
５４
名古屋
２４
６５２
６ ５３
４１
４９
７３２
３３
北九州
福岡
３０
２４
凡例●：開設者が都府県のもの○：開設者が市のもの数値は開設（業務開始）年を表す(年号は昭和)
○ 全６４市場（４０都市）
※平成２８年度末時点
注：以下の開設者にあっては、複数市場を開設仙台市２市場、東京都１１市場、横浜市２市場、名古屋市３市場、京都市２市場、大阪市３市場、神戸市３市場、広島市３市場、福岡市３市場、鹿児島市２市場（平成２８年度末現在）
○ 中央卸売市場の配置
(花H4)
9８
青 果 ：４９市場（３７都市）
水産物 ：３５市場（３０都市）
食 肉 ：１０市場（１０都市）
花 き ：１４市場（１０都市）
その他 ： ６市場（ ５都市）
1972
18211707
1626 15711465
13251207
1105 1092 1081
22152077
19691836
1720
15271416
1309 1293 1278
1,000
1,500
2,000
2,500
S50 S55 S60 H1 H5 H10 H15 H20 H25 H26 H27
市場数 卸売業者数
■卸売市場経由率の推移（重量ベース、推計） ■卸売市場数、卸売業者数の推移
○ 卸売市場経由率と卸売市場数・卸売業者数
９
資料：農林水産省｢食料需給表｣、「青果物卸売市場調査報告」等により推計注： 卸売市場経由率は、国内で流通した加工品を含む国産及び輸入の青果、水産物等のうち、
卸売市場（水産物についてはいわゆる産地市場の取扱量は除く。）を経由したものの数量割合(花きについては金額割合)の推計値。
資料：農林水産省食品流通課調べ注：H23年度までは年度当初時点の数、H24年度以降は年度末時点の数である。
（なお、H24年度は年度当初時点の数も併記）
中央卸売市場
地方卸売市場
（業者数）
資料：農林水産省食品流通課調べ注：各年度とも年度末時点の数である。
（市場数）
（市場数及び業者数）
○ 卸売市場は生鮮食料品等の流通の基幹的なインフラとしての役割を果たしており、青果の６割程度、水産物の５割強が卸売市場を経由している（国産青果物では約９割）。
○ 市場経由率は、加工品など卸売市場を経由することが少ない物品の流通割合の増加等により、総じて低下傾向で推移してきたが、近年は、青果・花き・食肉については、横ばいの傾向も見られる。
○ 卸売市場数及び卸売業者数は、中央卸売市場、地方卸売市場ともに減少している。
81.1
87.1 85.5 84.8 82.7
79.8 74.3
69.2
63.0 60.0 60.2
93.2
88.1 86.0 84.4
73.0
86.0
76.974.6
70.2 71.6
63.4
58.4
54.1 51.9
79.277.6 83.0
85.8 85.6
80.9 84.0
78.0 77.8
15.619.1
22.2 23.5
16.3 15.5
12.2 9.8 9.8 9.5
0
10
20
30
40
50
60
20
40
60
80
100
S45年度 S50 S55 S60 H1 H5 H10 H15 H20 H25 H26
(％) 青果 国産青果 水産物
花き 食肉
(食肉)（％）
59
80
8991
88 88 87 86
79 7067 64 64
215
237
267262 264 262 260
241
224
180171 166 162
140
160
180
200
220
240
260
280
50
60
70
80
90
100
110
S45 S50 S55 S60 H1 H5 H10 H15 H20 H25 H26 H27 H28
市場数 卸売業者数
31,819
45,739 50,405
53,562
54,645
48,059
36,794
31,953
31,869
31,329
31,919
11,843
15,284
17,305
19,560 20,128
18,798
14,652 13,690 12,543 12,770 13,317
17,083
25,458 26,511 26,101
26,817
21,937
17,075
13,867 14,918 14,406
14,379
1,043 1,718
2,864 3,356
2,789 2,592
1,330 1,190 1,344 1,460 1,461 1,187
2,061 2,688
3,508 4,010
4,001
3,112
2,665 2,640 2,326 2,358
0
5,000
10,000
15,000
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
S50 S55 S60 H1 H5 H10 H15 H20 H25 H26 H27
合計 青果水産物 食肉花き
■取扱金額の推移（単位：億円）
○卸売市場の取扱金額
10
（食肉･花き） （食肉･花き）
中央卸売市場 地方卸売市場
資料：農林水産省食品流通課調べ
○ 卸売市場における取扱金額は、平成初期にピークを迎え、その後、市場外流通の増加等の影響による取扱数量の減少等により総じて減少傾向で推移してきたが、近年、部類によっては概ね横ばいの傾向もみられる。
注： S45年度の中央卸売市場の取扱金額の合計値には花きの取扱金額は含まない。
年度 年度
13,253
32,168
49,869
57,725
63,902 64,397
60,784
49,275
44,021
39,163
39,110
40,263
5,363
12,060
19,310
22,396
25,579
28,234
27,143
21,662 19,960
19,178
19,104
20,001
6,774
17,466
26,883
31,200 33,131
31,477 29,292
23,477
20,014
16,014 15,839 15,921
691
1,713 2,296
2,773 3,455
2,343 2,394 2,243 2,328
2,475 2,719 2,917
81 146 325 593 1,230
1,562 1,581 1,434 1,268 1,257 1,236
0
5,000
10,000
15,000
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
S45 S50 S55 S60 H1 H5 H10 H15 H20 H25 H26 H27
合計 青果水産物 食肉花き
■ 中央卸売市場卸売業者１業者当たり取扱金額の推移（単位：億円）
○ 中央卸売市場における卸売業者１業者当たりの取扱金額は、いずれの部類も近年増加傾向で推移している（平成27年度はいずれの部類も増加）。
○ 中央卸売市場における仲卸業者１業者当たりの仕入金額は、いずれの部類も近年増加傾向で推移している（平成27年度はいずれの部類も増加） 。
○ 卸売業者及び仲卸業者の経営動向①（取扱金額等）
242
217 222
278
305
255235
284
239224 233
292
50 51 49
62
0
50
100
150
200
250
300
350
H15 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27
青果 水産物
食肉 花き
H10年度
11
■ 中央卸売市場仲卸業者１業者当たり仕入金額の推移（単位：億円）
11 10 10
13
7
6 6
7
18
19 18
20
5 5 5 6
0
5
10
15
20
H15 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27
青果 水産物
食肉 花き
資料：農林水産省食品流通課調べ
H10年度
13
■ 中央卸売市場卸売業者及び仲卸業者の営業収支（総売上高に対する割合）の内訳（平成27年度）
【卸売業者】
○ 卸売業者及び仲卸業者の経営動向②（収益性）
5
資料：農林水産省食品流通課調べ
○ 中央卸売市場の卸売業者の売上総利益率や営業利益率は、類似業態である飲食料品卸売業全体の値以下となっている。
○ 中央卸売市場の仲卸業者の売上総利益率や営業利益率も、花きの売上総利益率を除いて、飲食料品卸売業全体の値以下となっている。
12
1313
（参考）他業態の営業収支（総売上高に対する割合）の内訳（平成2７年度（速報））
【仲卸業者】
青果 水産 食肉 花き
売上総利益（粗利） 11.98 12.19 7.41 17.00
販売費・一般管理費 11.50 12.09 7.30 16.43
うち人件費 5.61 6.56 2.82 9.29
営業利益 0.48 0.10 0.11 0.56
（単位：％）
青果 水産 食肉 花き
売上総利益（粗利） 6.66 4.98 4.09 9.60
販売費・一般管理費 6.30 4.63 3.86 9.21
うち人件費 2.50 2.33 1.61 5.34
営業利益 0.35 0.36 0.23 0.40
（単位：％）
全産業 食料品製造業 飲食料品卸売業 飲食料品小売業 飲食店持ち帰り・配達飲食サービス業
売上総利益（粗利） 24.9 24.9 12.5 30.6 59.6 47.3
販管費・一般管理費 22.3 23.3 11.9 29.4 59.3 46.9
うち人件費 10.1 8.3 5.0 12.4 28.3 26.7
営業利益 2.7 1.6 0.7 1.1 0.3 0.4
資料：中小企業庁「中小企業実態基本調査」（注） 法人企業のデータである。
（単位：％）
