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P0 Software Center DATE:2012.06.12 アイシン精機における ソフトウェア技術者の スキルの見える化について 第3回 組込みスキルマネージメント協会 オープンセミナー 2012.6.12 @東海大学高輪キャンパス アイシン精機㈱ ソフトウェアセンター 河合 浩明 <[email protected]>

アイシン精機における ソフトウェア技術者の スキ …MBD Technology Skill Standards on ETSS) ETSS-JMAAB初版(V1.0)を公開 独立行政法人 情報処理推進機構

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P0Software Center DATE:2012.06.12

アイシン精機におけるソフトウェア技術者の

スキルの見える化について

第3回

組込みスキルマネージメント協会

オープンセミナー2012.6.12

@東海大学高輪キャンパス

アイシン精機㈱

ソフトウェアセンター河合

浩明

<[email protected]>

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P1Software Center DATE:2012.06.12

はじめに• 会社紹介• 自己紹介

ソフトウェア開発の状況• 大規模化する組込みソフトウェア開発量• アイシン精機の対応

スキルの見える化の必要性• スキルの重要性• アイシン精機の対応

今後の活動

まとめ

もくじ

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■会社紹介

設立

1949年6月1日

本社所在地

愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地

資本金

450億円

工場

11工場

売上高

7,101億円(連結:2兆3,041億円)

営業利益

156億円(連結:1,218億円)

経常利益

373億円(連結:1,291億円)

従業員数

12,659名(連結:78,212名)

連結子会社数

160社(国内64社、海外96社)

持分法適用会社数

10社(国内5社、海外5社)

(データは2012年3月31日時点)

<http://www.aisin.co.jp>

はじめに

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はじめに■自己紹介

2007年

SEC成果活用事例『ソフトウェアエンジニアリング

ベストプラクティス賞』受賞

JMAAB

MBDエンジニア育成WG(2006年~2008年)に参加し、「自動車分野の

モデルベース開発スキル標準(ETSS-JMAAB)」を制定した。

ETSS-JMAAB(JMAAB

MBD Technology Skill Standards on ETSS)

ETSS-JMAAB初版(V1.0)を公開

独立行政法人

情報処理推進機構

ソフトウェア・エンジニアリング・センター

(IPA/SEC)と情報交換を行い、スキル標準(ETSS)を参考にした。

<http://sec.ipa.go.jp/download/files/other/press071120.pdf>

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P4Software Center DATE:2012.06.12

はじめに■自己紹介

JMAABサイト http://jmaab.mathworks.jp/

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P5Software Center DATE:2012.06.12

出典)日経エレクトロニクス2000 9-11(no.778)

■大規模化する組込みソフトウェア開発量

指数的に開発量が増加している

ソフトウェア開発の状況

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P6Software Center DATE:2012.06.12

アイシン精機でも同様の傾向

• 製品当りの開発量の増加

• 開発者の増加(委託含め)

加えて、市場/得意先要求の強化

• 市場投入期間の短縮

• 新機能の追加

■大規模化する組込みソフトウェア開発量

どう対応していくのか?

ソフトウェア開発の状況

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ソフトウェア開発の状況■アイシン精機の対応

多人数開発を前提とした、誰もが一定レベルのソフトウェアを 効率的に開発できる体制を構築する必要がある。

• ソフトウェア開発プロセス

• ツール整備

• 人材育成

今回「人材育成」をテーマに、ソフトウェア開発者のスキル の見える化について報告する。

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P8Software Center DATE:2012.06.12

• 全開発費の60%以上がソフト開発費• ソフト開発費の80%以上が人件費

全開発の50%が人件費

⇒ ソフト開発は『人』

出展)2010年版組込みソフトウェア産業実態調査報告書

(経済産業省)

82.2%

■スキルの重要性(製品開発に占めるソフトウェア開発費用)

スキルの見える化の必要性

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P9Software Center DATE:2012.06.12

出展)2006年度版組込みソフトウェア産業実態調査報告書

(経済産業省)

品質(1000行あたりの平均不具合数)

生産性(人週あたりの新規開発行数)

1/4

人のスキルに 大きく依存

2倍

ブルックスの法則

■スキルの重要性(人のスキルによるソフトウェアの質の差)

スキルの見える化の必要性

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P10Software Center DATE:2012.06.12

■アイシン精機の対応(ねらい)

スキルの見える化の必要性

ソフト開発体制の見える化(開発の構え)

個人スキル

職種で必要なスキル

横並びで普遍的なスキル判断

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P11Software Center DATE:2012.06.12

<管理技術スキル>

(スキル項目)を使って、(第2階層)を実現できるスキル。

プロダクトマネージャ

システムマネージャ

ソフト

製品

システム システム

メカ エレキ ECU

ハード

プロジェクトマネージャ

ソフトウェアエンジニア ブリッジSE

他ソフトウェア開発拠点

ソフトウェアマネージャ

ドメインスペシャリスト

開発環境エンジニア

テストエンジニア

オフサイト

SQAスペシャリスト SPIスペシャリスト

(構成部品)

(構成部品)

Ex)ATM

システムアーキテクト

Ex)実機/車両

システムアーキテクト

• ソフト開発に必要なスキルとレベルの定義(開発技術/管理スキル)

• 職種別の必要なスキルレベルの定義

(職種の定義)

経産省IPA/SECで策定されたETSSをフレームワークとして

(スキルの定

義)

■アイシン精機の対応(スキルマップにETSSを導入)

ソフト開発者用スキルマップを定義

スキルの見える化の必要性

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P12Software Center DATE:2012.06.12

経済産業省策定の組込みスキル標準(ETSS)をベースにアイシンの基準類に合った

スキル標準を策定し、従来活動しているISO16949の社内スキルマップにリンクする

⇒ 評定に関して普遍的な評価方法の確立が必要

■アイシン精機の対応(評定方法の検討)

ソフト開発プロセス依存製品依存

スキルの見える化の必要性

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P13Software Center DATE:2012.06.12

上司判断(従来の評定方法)と自己申告(ETSS受診結果)とのスキルレベル差

有線

理化

学系

入力

計測

・制

理化

学系

出力

ハー

ドウ

ェア

基本

ソフ

トウ

ェア

要求

分析

構造

設計

評価

項目

検討

詳細

設計

コー

ディ

ング

、デ

バッ

コー

ドレ

ビュ

単体

テス

結合

テス

シス

テム

テス

品質

確認

プロ

セス

改善

人材

育成

管理

プロ

ジェ

クト

進捗

管理

リス

ク管

外注

管理

計測

と分

ソフ

ト監

(ソ

フト

レビ

ュー

構成

管理

計測

/分

析ツ

ール

開発

ツー

管理

ツー

機械

工学

熱・流

体工

電気

・電

子工

ソフ

トウ

ェア

工学

運転

資格

製品

知識

項目

スキ

ルレ

ベル

現状評定値

ETSS-DS受診結果

■アイシン精機の対応(普遍的なスキル評価方法の確認)

現状の評定値とETSS-DS受診結果との差異は概ね1レベル以内でその誤差は大きくない

⇒ ETSS-DSの信頼度は±1点以内と見込める

スキルの見える化の必要性

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P14Software Center DATE:2012.06.12

■アイシン精機の対応(社内スキルマップ項目との紐付け)

ETSSーDS診断項目

社内スキルマップ項目

ETSS-DS診断項目と社内スキルマップの項目 とは1対1に対応していない/対応していない

項目があるため、そのまま活用することは困難

スキルの見える化の必要性

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ETSS-DSツール オリジナルツール

上司判断のみ完全流用 カスタマイズ

メリット他社とのベンチマークが可能

他社とのベンチマークが可能

社内スキルマップに

適合させることがで

きる

即実践可能

デメリット

共通スキルマップの

項目で不足している

項目が半数以上ある

AIオリジナルツール

に比べて適合度合いが劣る

他社とのベンチマークができない

上司スキルに依存してしまう(今までと変わらな

い)

効果 △ ◎ ◎ ×

実現性 ◎ ○ △ ◎

総合判断 △ ○ △ ×

■アイシン精機の対応(各手段に対する比較検討)

ETSS-DSをベースにカスタマイズしたものを作成するのが最善策と判断

ETSS-DSに質問を追加して対応できる

サービスがある

(ETSS-DS+)

スキルの見える化の必要性

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P16Software Center DATE:2012.06.12

■アイシン精機の対応(ETSS-DS+を活用した社内スキルマップ)

ETSS-DS+ 診断結果から社内スキル マップに自動転記するツールを内製

⇒ 普遍的なスキル診断方法を確立

スキルの見える化の必要性

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P17Software Center DATE:2012.06.12

■アイシン精機の対応(教育コンテンツとの紐付け)

Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5

通信技術

計測・制御

電子システム・PF

要求分析

構造設計

評価項目検討

詳細設計

コーディング、デバッグ

コードレビュー

単体テスト

結合テスト

システムテスト

品質確認

プロセス改善

人材育成管理

プロジェクト進捗管理

リスク管理

外注管理

計測と分析

ソフト監査

構成管理

ツール知識

基礎工学

製品知識

教育目標

ソフトウェアエンジニア

(エントリレベル)

ETSS・AI

スキル基準

スキル

その他の

スキルカテゴリ

科目体系図

技能・知識

開発技術

技術要素

管理技術

教育対象

ソフトウェアエンジニア

(未体験レベル)

教育プログラム

ソフトウェアエンジニアレベルアップ教育(初級)

支援

スキルレベル 教育レベル スキルレベル

プロセス管理

プロジェクト管理

教育対象人材の 現状スキル分布

現状と目標のスキル分布ギャップ

教育目標人材のスキル分布特性

(99) 教育プログラムの科目(知識習得) *数字は「科目一覧」の該当No.

教育プログラムの科目(スキル習得) *数字は「科目一覧」の該当No.(99)科目の履修順序

凡例

部署で個別設定

(1) (3)(2)

(3)

(3)

(1)

科目の名称 No. 3

科目の教育レベル □ビギナ  ■アシスタント  □エキスパート  □インストラクタ  □プロフェッショナル

□技術要素  ■開発技術  ■管理技術  □パーソナル  □ビジネス

□その他(          )

概  要

受講対象者(教育対象)

履修条件

【意義・ねらい】

□e-ラーニング  □通信教育  ■講義  □ワークショップ  ■実機演習  □OJT

□プロジェクト型演習  □その他(          )

標準時間

□研究成果の評価を実施

■筆記試験  □実技試験  □口頭試問  □認定試験の受験[     ]

□その他(          )

中級組込みマイコン設計/評価

スキルカテゴリ

マイコンボードのLEDを点灯させる等の実機演習、特に下記項目を中心に実施することで、ソフトウェア開発工程で実践できるスキルを習得する。 ・構造化設計 ・C言語を用いた組込みプログラミング ・テスト設計

ソフトウェア開発業務は未経験で、これからソフトウェア開発業務に従事することを目指している人材。

V字開発体験教育受講のこと

教育目標

組込みソフトウェア開発の設計から評価までの工程の基本を理解し、実践できるスキルを習得する。

基礎スキル習得

実施形態

28.0 時間 開催日程 ×月

ハードウェア環境 マイコンボード一式

ソフトウェア環境

教育成果の評価方法評価方法

教  材

テキスト

その他教材

体系的な教育コンテンツの整備

業種別スキルアップ教育コンテンツの作成

スキルの見える化の必要性

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P18Software Center DATE:2012.06.12

■今後必要なスキル

Part4

Part5 Part6

Part3 Part7

Part8

Part2

第三者評価

今後必要なスキル

• ソフトウェア開発上流(要件/要求)• ISO26262(安全文化)• 先行開発(機能開発)

今後の活動

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P19Software Center DATE:2012.06.12

• ソフトウェア開発における人のスキルの重要性

• ソフトウェア開発従事者の共通スキルマップ作成の必要性

• スキル評価方法の検討

• 今後の取り組み

■本日の講演での気づき

まとめ