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授業・保育づくり 校内の授業改善の推進【理論】 大阪府教育センター 支援教育推進室 平成30年支援学校10年経験者研修(第2回)

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授業・保育づくり 校内の授業改善の推進【理論】

大阪府教育センター

支援教育推進室

平成30年支援学校10年経験者研修(第2回)

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本日の流れ

はじめに

~支援学校10年経験者研修について~

1 学習指導要領改訂のポイントについて

2 校内の授業改善の効果的な進め方について

~カリキュラム・マネジメントの実現をめざして~

3 実践回に向けて

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ユニット研修について

① 【理論】

テーマに沿った基礎的な知識・考え方を学ぶ

検証 実践 理論

3回を1つのまとまりとして実施する

② 【実践】

①で学んだ内容を所属校等で実践し、「実践レポート」にまとめる

③ 【検証】

「実践レポート」を持ち寄り、互いの成果や課題を交流したり、新たな視点を学んだりすることで、取組みの改善・定着を図る

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本日のねらい

• 講義を通して、特別支援学校学習指導要領改訂の趣旨や内容について学び、今求められる資質・能力を育むためのカリキュラム・マネジメントの在り方について理解を深める

• 演習を通して、カリキュラム・マネジメントの視点に立った、校内における授業改善の進め方について考える

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1 学習指導要領改訂のポイントについて

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2016 年度

2017 年度

2018 年度

2019 年度

2020 年度

2021 年度

2022 年度

周知

周知

周知

周知

教科書検定

採択・ 供給

使用 開始

教科書検定

採択・ 供給

使用 開始

教科書検定

採択・ 供給

使用 開始

特別の教科道徳 教科化スタート

特別の教科道徳 教科化スタート

先行実施

現時点の進捗を元にしたイメージ

改訂と実施に向けたスケジュール

先行実施

先行実施

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学習指導要領改訂の背景

新学習指導要領は2030年の社会を見据え、予測困難な時代を生きる子どもたちに必要な資質・能力を育てる学校教育の実現をめざします。

2016

2020

2030

未来を予測する 最善の方法は、

それを発明することだ A・ケイ(UCLA)

2030年は、どんな社会に なっているのだろう? 3人に1人が65歳以上になり、

生産年齢人口比率は約58%に?

子どもたちの65%は将来、 今は存在していない職業に就く?

今後10年から20年程度で、 半数近くの仕事が自動化される?

変化が激しい社会において、新しい未知の課題に対応する力を育てることが求められています。

次々期学習指導要領実施?

小学1年生 20歳

東京五輪・パラリンピック開催

次期学習指導要領実施

小学5年生

中央教育審議会答申

2045年には人工知能が 人類を超える?(シンギュラリティ)

2016年度に小学校に入学した子どもたちは、2030年度には、20歳になります。

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新学習指導要領◆社会に開かれた教育課程をめざして

学校と社会が目標を共有する「社会に開かれた教育課程」の実現をめざします。

新学習指導要領では、「社会に開かれた教育課程」の実現に向け、その枠組みが見直されました。

教育課程を介して、目標を共有 よりよい学校教育を通じて、よりよい社会を創る

教育課程において、資質・能力を明確化 子どもたちに未来の創り手となるために必要な知識や力

学 校

社会

教育課程の実施に当たって、目標の実現に向けた連携 地域の人的・物的資源の活用、社会教育との連携等

社会の変化に目を向け、教育が普遍的にめざす根幹を堅持しつつ、社会の変化を柔軟に受け止めて教育活動を行っていくために、教育課程の果たす役割が一層重要になります。

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今回の改訂では、「指導者の視点(教員が何を教えるか)」にとどまらず、「学習者の視点」に立ち、子どもたちが学びを通じて「何ができるようになるのか」という観点から、学習指導要領の枠組みが見直されました。

枠組みの6項目(下図の )は、「学びの地図」として、総則の柱になります。

学習指導要領の枠組み

各学校段階間の接続

育成をめざす資質・能力

学びの地図

大学等

幼児教育

高等学校

小学校 中学校

特別支援学校

学校教育における「学びの全体像」が教員はもちろん、地域や社会の関係者、そして子ども自身が見渡せるものになりましたね。

この➊~❻の項目は、「学習指導要領 総則」の構成と関連づけられています。

新学習指導要領◆枠組みの見直し

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特別支援学校小学部・中学部学習指導要領(平成29年4月28日公示)に おける「第1章 総則」の構成

前文

第1章 総則 第1節 教育目標

第2節 小学部及び中学部における教育の基本と教育課程の役割

第3節 教育課程の編成

第4節 教育課程の実施と学習評価

第5節 児童又は生徒の調和的な発達の支援

第6節 学校運営上の留意事項

第7節 道徳教育に関する配慮事項

第8節 重複障害者等に関する教育課程の取扱い

詳しくは、こちらをご確認ください。 ◆新特別支援学校学習指導要領等(文部科学省webページ)http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main/1386427.htm

何を学ぶか

どのように学ぶか、何が身に付いたか

児童生徒一人一人の発達をどのように支援するか

実施するために何が必要か

何ができるようになるか

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新学習指導要領を読み解く Key Word

新学習指導要領について、ここでは次の3つの Key Word を取り上げて解説します。

新学習指導要領の趣旨を教職員全員で理解し、「学校がすべきこと」を考えましょう。

カリキュラム・マネジメント

Key Word 1 育成をめざす資質・能力

Key Word 2

主体的・対話的で深い学びの実現 Key Word 3

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Key Word 1 育成をめざす資質・能力

育成をめざす資質・能力

① 「何を理解しているか、何ができるか」 (生きて働く知識・技能の習得)

② 「理解していること・できることをどう使うか」 (未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力等の育成)

③ 「どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか」 (学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性の涵養)

学習指導要領

生きる力

評価の三つの観点

● 知識・技能 ● 思考力・判断力・ 表現力 ● 主体的に学習に 取り組む態度

「学力の三要素」

「資質・能力の三つの柱」

「評価の三つの観点」

が、つながるイメージです。

学校教育法

学力の三要素

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特別支援学校小学部・中学部学習指導要領(平成29年4月28日告示)より

小学部〔国語〕

1 目標 言葉による見方・考え方を働かせ、言語活動を通して、国語で理解し表現する資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1)日常生活に必要な国語について、その特質を理解し使うことができるようにする。 (2)日常生活における人との関わりの中で伝え合う力を身に付け、思考力や想像

力を養う。 (3)言葉で伝え合うよさを感じるとともに、言語感覚を養い、国語を大切にしてその

能力の向上を図る態度を養う。

知識・技能

思考力、判断力、表現力等

学びに向かう力・人間性等

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特別支援学校小学部・中学部学習指導要領(平成29年4月28日告示)より

小学部〔国語〕

○ 1段階 (1)目標 ア 日常生活に必要な身近な言葉が分かり使うようになるとともに、いろいろな

言葉や我が国の言語文化に触れることができるようにする。 イ 言葉をイメージしたり、言葉による関わりを受け止めたりする力を養い、日

常生活における人との関わりの中で伝え合い、自分の思いをもつことができるようにする。

ウ 言葉で表すことやそのよさを感じるとともに、言葉を使おうとする態度を養う

知識・技能

思考力、判断力、表現力等

学びに向かう力・人間性等

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教科の目標 小学部 中学部

知識及び技能

思考力、判断力、表現力等

学びに向かう力、人間性等

段階ごとの教科の目標 第1段階 第2段階 第3段階 第1段階 第2段階

知識及び技能

思考力、判断力、表現力等

学びに向かう力、人間性等

内容

知識及び技能 思考力、判断力、表現力等

指導計画の作成と内容の取扱い

指導計画の作成 内容の取扱い

各教科の示し方について

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Key Word 2 カリキュラム・マネジメント

「カリキュラム・マネジメント」とは、子どもたちの姿や地域の実情等を踏まえて、各学校が教育目標を実現するために、

学習指導要領等に基づきどのような教育課程を編成し、どのようにそれを実施・評価し改善していくのかという計画的・組織的な営み

全ての教職員が、「カリキュラム・マネジメント」の必要性を理解し、日々の授業等に取り組む ことが大切です。

学校内

教科等横断的な視点

資源活用

家庭

行政

社会 地域

学校外 目標共有・連携

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教育課程とは

教育課程の編成の基本的な要素

達成を めざして

学校教育法施行規則、 学習指導要領

学習指導要領

教育基本法、学校教育法 学校教育目標

指導内容

授業時数

何を

教育課程とは、教育課程に関する法令等にしたがい、学校教育の目的や目標を達成するために、教育の内容を幼児児童生徒の心身の発達に応じ、授業時数との関連において総合的に組織した学校の教育計画

どれだけの時間を かけて

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カリキュラム・マネジメントの3つの側面

① 幼児児童生徒や学校、地域の実態を適切に把握し、教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくこと

② 教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと

③ 教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくこと

● 個別の指導計画の実施状況の評価と改善を、教育課程の評価と改善につなげていくこと

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教育課程の編成・実施・評価・改善の流れ(例)

学校教育目標の明確化

教育課程の編成

各教科等の教育内容の選択

授業時数の配当

指導内容の組織化

教育課程の実施

教育課程の評価・改善

教育内容の明確化

指導計画の作成

年間指導計画

個別の指導計画

主体的・対話的で 深い学びの実現に 向けた授業改善

「個別の指導計画」等に基づく評価・改善

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教科等横断的な指導計画

4月 5月

国語 単元① 単元② 単元③

社会 単元① 単元②

音楽 単元① 単元② 単元③

総合的な学習の時間

単元① 単元②

・・・

「つなぐ」視点(例) ・ 体験活動と言語活動 ・ 単元 ・ 他教科等 ・ 生活場面 ・ 人 など

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独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所(2018) 「育成を目指す資質・能力を踏まえた教育課程の編成~知的障害教育におけるアクティブ・ラーニングの活用~」より

要因

① 「何ができるように

なるか」

② 「何を学ぶか」

③ 「どのように学ぶか」

④ 「子供一人一人の発達をどのように 支援するか」

⑤ 「何が身に付いたか」

⑥ 「実施するために 何が必要か」

ビジョン作り (コンセプト作り)

スケジュール作り

場作り

体制(組織)作り

関係作り

コンテンツ作り

ルール作り

プログラム作り

知的障害教育におけるカリキュラム・マネジメント促進フレームワーク 参考

どのような目的・意図で?

いつ?

どこで?

誰が?

誰と?

何を?

どのように行うか?

より具体的な取組みについて

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Key Word 3 主体的・対話的で深い学びの実現

対話的な 学び

深い学び

主体的な 学び

多様な学習活動の組み合わせ

学習の見通しを立てたり学習したことを振り返ったりして自身の学びや変容を自覚できる場面を設定

対話によって自分の考えなどを広げたり深めたりする場面を 設定

学びの深まりをつくりだすために、子どもが考える場面と教員が 教える場面を組み立てる

育成をめざす資質・能力

単元や題材など内容や時間のまとまりを、 どのように構成していくのかということを、 子どもの学習の状況等を踏まえながら 考えていくことになります。