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タイル張りの設計と施工 タイルの施工法は、建築構工法の変化や施工材料の発達、時代 のニーズに応じて変化しています。 かつてのタイル 張付けモルタル界面の剥離事故は業界の努力 で激減しましたが、 1990年代に入り、直張りにおける「張付けモルタル 躯体」や「下地 躯体」の剥離が見られるようになりました。この事 故防止には、タイル工事のみを検討するのでなく、「躯体工事、下地工 事を含めたタイル張りの設計」を行うことが必要です。以下に、タイル張 りの設計・施工上配慮していただきたい事項について、ポイントを記し ます。詳細はホームページまたは各項目の施工マニュアルや技術資 料をご参照ください。 タイルの剥離は、接着力と壁面に発生する応力との関係で発生し、 発生応力が接着力を上回ると剥離に至ります。したがって、剥離防止 の考え方としては、以下の2通りがあります。 ①壁面の応力を逃がす。 ②発生応力に耐えるように強固に接着させる。 ①の考え方に基づくものが「はるかべ工法」で、従来からのモルタル 施工は②の考え方で剥離を防止します。 はるかべ工法は、接着剤で下地の調整ができませんので精度の良 い下地が必要です。 商品毎に設定されている目地幅を守って施工してください。タイル目 地幅を細くしたり、突きつけに近い状態で施工するとタイルの寸法バラ ツキが目立ち、目地通りが悪く見えます。また、ユニット間の目地幅を広く しすぎると、ユニット毎のグリッドが目立ち、仕上がりは悪くなります。 下地精度の問題などでタイルを割り込めない場合は、タイルを切断し て調整するか、または伸縮調整目地などの部分で調整してください。 下地への吸水調整材やシーラーの塗布は必要ありませんので、行 わないでください。剥離の原因となることがあります。 また、接着剤の点付け(だんご)施工は行わないでください。接着剤 の硬化が遅くなり、剥離の原因となることがあります。 1.はるかべ工法 はるかべ工法は、硬化後も弾性のある接着剤「ワンパックボーイ R- V2」または「ワンパックボーイ R-V2 ライト(適用タイルについては各商品 ページ参照)」を用いてタイルを張り付けます。図のように接着剤層で 躯体や下地の動きを吸収し、タイルに応力を伝えにくいため、剥離やひ び割れの発生を抑制する効果があります。 モルタル施工の場合は剥離防止のために目地詰めが必要ですが、 タイルに応力が発生しにくいはるかべ工法では、必ずしも目地詰めが 必要ありません。このため、深目地で陰影感のある壁面や、細目地の 壁面が可能となります。 RC造建築物外壁への施工 1 はるかべ工法 下地が変化しても弾性接着剤層で 吸収できるため、応力が緩和できる。 モルタル張り 下地の変形により、タイルも変形するため、 各層間にはせん断応力が発生する。 下地の動きが大きい場合には、剥離に至る。 タイル タイル コンクリート 不陸調整材 接着剤 張付けモルタル 不陸調整材 コンクリート タイル張りの設計と施工 はじめに 項目 ページ タイル張りの設計と施工 450 1.RC造建築物外壁への施工 450 2.鉄骨建築物外壁への施工 454 3.大形タイルの施工 455 4.床面へのタイルの施工 457 5.内装壁への施工 462 6.アーストンの施工 468 施工後の各種現象について 469 メンテナンス 471 MCR工法によるコンクリート面 コンク リート (2) 打設後 MCRKシート 型枠 (1) 型枠セット モルタル (3) モルタル塗り コンク リート MCR工法の概略 2.モルタル施工の場合の留意事項 [1]躯体・下地 1)変形の少ない躯体・下地とします。 2MCR工法あるいは高圧水洗処理により、躯体に凹凸を設け、モル タルとの接着性能を向上させます。 3モルタル下地の表面は、張付けモルタルとの接着性を良くするた め、木ごて押さえ等により粗面とします。 4下地表面に汚れ、埃、型枠剥離材等の付着がある場合は、十分 に水洗いを行います。直張りの場合は、必ずデッキブラシ等でコン クリート表面の水洗いを行います。 MCR工法 MCR工法は、専用の中空樹脂シートを型枠に取り付けておいてコンク リートを打設することで、コンクリート表面にあり状の凹凸を設けて、そ の上に塗るモルタルと噛み合わせることで剥離を防止します。 450

タイル張りの設計と施工資料 - biz-lixil.com · 1 rc造建築物外壁 へ ... 1.rc造建築物外壁への施工 450 2.鉄骨建築物外壁への施工 454 3.大形タイルの施工

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タイル張りの設計と施工 タイルの施工法は、建築構工法の変化や施工材料の発達、時代のニーズに応じて変化しています。 かつてのタイル張付けモルタル界面の剥離事故は業界の努力で激減しましたが、1990年代に入り、直張りにおける「張付けモルタル躯体」や「下地躯体」の剥離が見られるようになりました。この事

故防止には、タイル工事のみを検討するのでなく、「躯体工事、下地工事を含めたタイル張りの設計」を行うことが必要です。以下に、タイル張りの設計・施工上配慮していただきたい事項について、ポイントを記します。詳細はホームページまたは各項目の施工マニュアルや技術資料をご参照ください。

タイルの剥離は、接着力と壁面に発生する応力との関係で発生し、発生応力が接着力を上回ると剥離に至ります。したがって、剥離防止の考え方としては、以下の2通りがあります。①壁面の応力を逃がす。②発生応力に耐えるように強固に接着させる。①の考え方に基づくものが「はるかべ工法」で、従来からのモルタル施工は②の考え方で剥離を防止します。

はるかべ工法は、接着剤で下地の調整ができませんので精度の良い下地が必要です。商品毎に設定されている目地幅を守って施工してください。タイル目

地幅を細くしたり、突きつけに近い状態で施工するとタイルの寸法バラツキが目立ち、目地通りが悪く見えます。また、ユニット間の目地幅を広く

しすぎると、ユニット毎のグリッドが目立ち、仕上がりは悪くなります。下地精度の問題などでタイルを割り込めない場合は、タイルを切断し

て調整するか、または伸縮調整目地などの部分で調整してください。下地への吸水調整材やシーラーの塗布は必要ありませんので、行

わないでください。剥離の原因となることがあります。また、接着剤の点付け(だんご)施工は行わないでください。接着剤の硬化が遅くなり、剥離の原因となることがあります。

1.はるかべ工法はるかべ工法は、硬化後も弾性のある接着剤「ワンパックボーイR-

V2」または「ワンパックボーイR-V2ライト(適用タイルについては各商品ページ参照)」を用いてタイルを張り付けます。図のように接着剤層で躯体や下地の動きを吸収し、タイルに応力を伝えにくいため、剥離やひび割れの発生を抑制する効果があります。モルタル施工の場合は剥離防止のために目地詰めが必要ですが、

タイルに応力が発生しにくいはるかべ工法では、必ずしも目地詰めが必要ありません。このため、深目地で陰影感のある壁面や、細目地の壁面が可能となります。

  RC造建築物外壁への施工1

はるかべ工法下地が変化しても弾性接着剤層で吸収できるため、応力が緩和できる。

モルタル張り下地の変形により、タイルも変形するため、各層間にはせん断応力が発生する。下地の動きが大きい場合には、剥離に至る。

タイル タイル

コンクリート

不陸調整材

接着剤 張付けモルタル

不陸調整材

コンクリート

資料タイル張りの設計と施工

はじめに

項目 ページ タイル張りの設計と施工 450 1.RC造建築物外壁への施工 450 2.鉄骨建築物外壁への施工 454 3.大形タイルの施工 455 4.床面へのタイルの施工 457 5.内装壁への施工 462 6.アーストンの施工 468 施工後の各種現象について 469 メンテナンス 471

MCR工法によるコンクリート面

コンクリート

(2)打設後

MCRKシート型枠

(1)型枠セット

モルタル

(3)モルタル塗り

コンクリート

MCR工法の概略

2.モルタル施工の場合の留意事項[1]躯体・下地(1)変形の少ない躯体・下地とします。(2) MCR工法あるいは高圧水洗処理により、躯体に凹凸を設け、モルタルとの接着性能を向上させます。

(3) モルタル下地の表面は、張付けモルタルとの接着性を良くするため、木ごて押さえ等により粗面とします。

(4) 下地表面に汚れ、埃、型枠剥離材等の付着がある場合は、十分に水洗いを行います。直張りの場合は、必ずデッキブラシ等でコンクリート表面の水洗いを行います。

①MCR工法MCR工法は、専用の中空樹脂シートを型枠に取り付けておいてコンクリートを打設することで、コンクリート表面にあり状の凹凸を設けて、その上に塗るモルタルと噛み合わせることで剥離を防止します。

450

タイル張りの設計と施工

Page 2: タイル張りの設計と施工資料 - biz-lixil.com · 1 rc造建築物外壁 へ ... 1.rc造建築物外壁への施工 450 2.鉄骨建築物外壁への施工 454 3.大形タイルの施工

[2]タイル目地(1)タイル目地は突きつけ目地や深目地はしないでください。●突きつけ目地(ねむり目地)は、コンクリートや下地モルタルの収縮や、タイルの熱膨張による動きが吸収できず、タイルのカケ・ひび割れ・剥離の原因になります。

突きつけ目地での損傷(タイルの欠け)

●深目地は、コンクリート躯体や下地モルタルの収縮、タイルの熱膨張にともなう応力が裏あし部分に集中するため、裏あし破断による剥離が起こりやすくなります。目地深さは、必ずタイル厚の1/2以下となるよう目地材を詰めてください。

深目地による剥離

(2) 目地材の種類、タイルの面状によっては、目地がタイル表面に残り、洗浄によっても除去が困難になる場合があります。以下の点に注意してください。

●「外壁用目地材 イナメジ」を使用してください。●黒目地の場合は、目地残りが発生しやすい傾向がありますので注意してください。予め、目地がタイル表面に残らないか、目立たない箇所で試していただくことをお薦めします。●モザイクタイルの紙張りユニットの紙剥がしは、タイル表面への糊の付着を少なくするために、水打ちを十分に行い、しばらく時間を置いて剥がしてください。糊残りが多い場合には、目地詰め前に水で糊を落としてください。※ モザイクタイル(表紙張り品)では、表面の糊が残ることにより目地が残り表面汚れが発生する場合があります。予防方法については、P.469「施工後の各種現象について(1.表紙張り品の糊残りによる目地汚れと防止のためのポイント)」をご参照ください。●目地詰め後、できる限り目地を丁寧に拭き取ってください。●タイル表面の洗浄は、目地詰め後できる限り早い時期に行ってください。

目地底

目地底

25

2030

バックアップ材

バックアップ材

打ち継ぎ位置(スラブ上端)シーリング材

シーリング材

シーリング材

シーリング材 15

25

張付けモルタル下地モルタル

張付けモルタル下地モルタル

15

伸縮調整目地の例

躯体のひび割れ誘発目地の位置(一般壁)

ひび割れ誘発目地

打継ぎ目地

3~4m

<1.5m <1.5m

3~4m

タイル張りの設計と施工  RC造建築物外壁への施工1

②設置上の留意点●タイルの割り付けに合わせた位置に設けます。●躯体のひび割れ誘発目地の位置には、必ず伸縮調整目地を設けます。●伸縮調整目地幅は10mm以上とし、その深さはコンクリートに達するまでとします。●シーリング材は、変成シリコーン系またはポリサルファイド系とし、JIS

A 5758(建築用シーリング材)に適合するものを使用します。

3.その他の注意事項●仕上塗材や塗装の上に直接タイル張りすることはできません。リニューアル工事の場合は、仕上塗材や塗装を完全に除去して、タイル張りを行ってください。

②高圧水洗処理高圧水洗処理は、モルタル塗りあるいはタイル張り(直張りの場合)の前に、コンクリート表面を高圧(50~150MPa程度)で水洗いして、モルタルの接着に有効な凹凸の付与、汚れ及び脆弱層の除去を行うことで、コンクリートとモルタルとの接着信頼性を高めます。

高圧水洗 高圧水洗処理後のコンクリート表面状

[3]伸縮調整目地コンクリートやモルタル下地の乾燥収縮や湿潤膨張による動き、あるいは、タイルやモルタル等の熱膨張による動きを吸収し、タイルのひび割れ、剥離を防止するために伸縮調整目地を設けます。伸縮調整目地は次のような位置に設けてください。①設置位置●躯体のひび割れ誘発目地の位置(柱周辺、開口部周辺等)●各階ごとのコンクリート打継ぎ部●他部材(サッシなど)との取り合い部●水平方向と垂直方向の伸縮調整目地で囲まれた面積が、10㎡以内となるようにします。(3~4m毎)●R部等挙動の大きい部位は1~3m毎に設置します。

451

タイル張りの設計と施工

Page 3: タイル張りの設計と施工資料 - biz-lixil.com · 1 rc造建築物外壁 へ ... 1.rc造建築物外壁への施工 450 2.鉄骨建築物外壁への施工 454 3.大形タイルの施工

タイル張りの設計と施工  RC造建築物外壁への施工1

[3]施工法各論①はるかべ工法はるかべ工法は、専用接着剤「ワンパックボーイ R-V2」または「ワンパックボーイR-V2ライト(適用タイルについては各商品ページ参照)」を下地に塗り付けて、専用タイルを張り付けていく工法です。接着剤は弾性があり、建物の動きを吸収できるため、剥離の危険性やひび割れが軽減できます。また、モルタル張りと異なり、目地詰めは必要なく、陰影感のある壁面に仕上がります。下地は精度良く、かつ乾燥していることが大切です。ALC・押出成形セメント板にも適用できます。※詳細は、はるかべ工法・ビル外壁編 設計・施工マニュアル(タ-EG117-11)をご参照ください。(ビジネスユーザー向け情報サイト「いいナビ」からもご覧いただけます)

タイルを張り付けます。モルタル下地に接着剤を塗ります。

躯体

1.0~1.5mm

施工 完了

モルタル(金ゴテ1回押え)

接着剤(塗り厚1~2mm)

はるかべ工法の施工断面

②改良圧着張り改良圧着張りは、張付けモルタルを下地面に塗り、モルタルが固まらないうちにタイル側にも薄く張付けモルタルを塗りつけて張り付ける工法で、外装タイルに適用します。下地とタイルの両側に張付けモルタルを塗り付けるため、ばらつきが少なく良好な接着強さが得られます。

下地モルタル(木ごて押さえ)

タイル

下地側張付けモルタル

躯体

25mm以下

3~5mm

4~6mmタイル側張付けモルタル

施工 完了

改良圧着張りの施工断面

④密着張り密着張りは、下地に張付けモルタルを塗り付け、専用の振動工具(ヴィブラート)を用いてタイルをモルタル中に埋め込むように張り付ける工法です。目地部に盛り上がったモルタルをこて押さえをして、目地も同時に仕上げることができます。ただし、目地深さが深くなる場合には、後目地施工を行います。

タイル

目地深さ(タイル厚の1/2以下)

下地モルタル(木ごて押さえ)

タイル張り振動工具

タイル

躯体

張付けモルタル(2度塗り)

張付けモルタル目地押さえ25 mm以下

4~7 mm5~8mm

施工 完了

密着張りの施工断面

③改良積上げ張り改良積上げ張りは、精度の良い下地に対して、タイル裏面に5~10mmの厚さで張付けモルタルを塗り、タイルを張る工法です。タイルは、下段より積上げて施工していきますので、三丁掛・四丁掛等大形の外装タイルの施工に適しています。

躯体

下地モルタル(木ごて押さえ)

張付けモルタル

タイル

床面または支持面

7~12mm

25mm以下(下地+張付けモルタル)

施工 完了

改良積上げ張りの施工断面

4.タイル施工法[1]施工法の分類

推奨工法

注)四丁掛タイルを超える大きさの外装タイルを後張り工法で施工する場合は、ステンレス線等緊結金具を外装タイルに設け、下地やモルタルの躯体と緊結することを推奨します。

[2]施工法の選定モルタル張りの場合のタイルの施工法は、タイルの種類及び形状を考慮して選定します。後張り工法の推奨工法を表に示します。

モルタル張り ②改良圧着張り

①はるかべ工法

③改良積上げ張り

④密着張り

⑤圧着張り

⑥モザイクタイル張り

⑦マスク張り

接着剤張り

 タイル種類  形状  推奨工法 外装タイル  厚さ20mm以下  改良圧着張り

 改良積上げ張り 密着張り

 厚さ20mm超  改良積上げ張り モザイクタイル  モザイクタイル張り

 マスク張り 接着剤張り用タイル  はるかべ工法

452

タイル張りの設計と施工

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タイル張りの設計と施工  RC造建築物外壁への施工1

⑤圧着張り圧着張りは、下地に張付けモルタルを塗り、タイルをタイル用ハンマーの柄等で叩き押さえて張り付ける工法で、外装タイルに適用します。

⑦マスク張りマスク張りは、タイルユニットの裏面に所定のマスクをかぶせてモルタルを塗り下地面に張り付ける工法で、モザイクタイルに適用します。

⑥モザイクタイル張りモザイクタイル張りは、下地に張付けモルタルを塗り、タイルユニットをたたき板等で叩き押さえて張り付ける工法で、モザイクタイルに適用します。

[4]直張りの場合の注意点最近では、工期短縮、省力化、コストダウンを目的として、コンクリートに直にタイルを張る「直張り工法」が急激な増加を示しています。直張りは、モルタル下地を作製する場合に比較して、モルタルの塗り継ぎ界面が減少し、きちんとした施工管理がなされれば剥落事故の防止に対しても有効です。しかし、ともすれば工期短縮やコストダウンを指向するあまり、施工品質が低下し、剥落事故を起こすことにもなりかねません。したがって、直張り工法の問題点を十分考慮して施工を行うことが必要です。また、剥離を防止するために、MCR工法で躯体を作製するか、高圧水洗により躯体の目荒らしを行った後にタイル張りを行う方法を推奨します。

躯体

下地モルタル(木ごて押さえ)

張付けモルタル

モザイクタイルユニット

25 mm以下(下地+張付けモルタル)

2.5~3.0 mm

施工 完了

マスク張りの施工断面

下地モルタル(木ごて押さえ)

タイル

張付けモルタル

躯体

25mm以下

2~3mm

施工 完了

圧着張りの施工断面

施工

モザイクタイルユニット

張付けモルタル

完了

25mm以下

2~3mm

モザイクタイル張りの施工断面

〈施工のポイント〉●コンクリートに不陸がある場合は、はつり、サンダーがけ、ポリマーセメントモルタル塗り等により補修します。コンクリート面の精度は下表を目安とします。●コンクリート面は型枠剥離剤が付着していることがあるため、必ず水洗いを行います。●接着性を向上させるため、張付けモルタルにはポリマーセメントモルタルを使用します。●タイル張りは、1~3mm厚さでこて圧をかけてこすりを行った後、続けてモルタルを塗り付けてタイル張りを行ないます。マスク張り及び改良積上げ張りの場合にも、下地側へのこすりを行います。

直張り工法とコンクリート面精度

直張り工法 コンクリート面精度

改良圧着張り改良積上げ張り密着張りモザイクタイル張りマスク張り

± 3.0mm/2m± 3.0mm/2m± 3.0mm/2m± 2.0mm/2m± 2.0mm/2m

453

タイル張りの設計と施工

Page 5: タイル張りの設計と施工資料 - biz-lixil.com · 1 rc造建築物外壁 へ ... 1.rc造建築物外壁への施工 450 2.鉄骨建築物外壁への施工 454 3.大形タイルの施工

  鉄骨建築物外壁への施工

①ALCパネル(100mm厚以上)へのタイル仕上げ ALCパネルへのタイル張りは、はるかべ工法とモルタル施工が適用できます。ALCパネルは100mm厚以上とし、縦壁ロッキング構法、横壁アンカー構法とします。それぞれのポイントを以下に示します。(1)はるかべ工法・タイルは接着剤張り用タイルをご使用ください。ラグナロックは、使用できません。・タイルはパネル目地をまたがらないように割り付けます。・ALCパネル間の目地および基礎部・建具との取合い部は、タイル表面に伸縮調整目地を設置します。・ALCパネル表面は、全面にわたり吸水調整材を塗布後に下地調整塗材を塗り付けます。下地調整塗材は、JIS A 6916(建築用下地調整塗材)のC-2を使用します。下地調整を兼ねる場合はCM-2を使用することも可能です。・接着剤は「ワンパックボーイR-V2」または、「ワンパックボーイR-V2ライト(適用タイルについては各商品ページ参照)」を使用します。(2)モルタル施工・タイルは、200×60mm角または100mm角以下、厚さ10mm以下のものをご選定ください。・タイルはパネル目地をまたがらないように割り付けます。・ALCパネル間の目地および基礎部・建具との取合い部は、タイル面に伸縮調整目地を設置します。・ALCパネルへの下地処理として、吸水調整材の塗布またはポリマーセメントモルタルのしごき塗りを行います。・張付け材料はポリマーセメントモルタルを使用します。※詳細はALCパネルへの外装タイル張り 設計・施工マニュアル(タ-KG8-8)をご参照ください。(ビジネスユーザー向け情報サイト「いいナビ」からもご覧いただけます)※寒冷地への使用については、ALCメーカーにお問い合わせください。

②薄型ALCパネル(50mm厚)へのタイル仕上げ薄型ALCパネルへのタイル仕上げは、はるかべ工法が適用できます。薄型ALCパネルは50mm厚とし、横張りされたパネルとします。・タイルは、接着剤張り用タイル(目地詰めなし)、ラグナロックが使用できます。・外装壁モザイクタイル[接着剤張り工法用]は使用できません。・接着剤はワンパックボーイR-V2を使用します。※詳細は、はるかべ工法 住宅編 設計・施工マニュアル(タ-MD138-

14)をご参照ください。(ビジネスユーザー向け情報サイト「いいナビ」からもご覧いただけます)

③ 押出成形セメント板へのタイル仕上げ押出成形セメント板へのタイル張りは、はるかべ工法とモルタル施工が適用できます。それぞれのポイントを以下に示します。

(1)はるかべ工法・タイルは接着剤張り用タイルをご使用ください。・押出成形セメント板は、60mm厚以上のフラットパネルを使用します。・タイルは、押出成形セメント板1枚ごとに割付け、パネル目地はすべて伸縮調整目地とします。・接着剤は「ワンパックボーイR-V2」または、「ワンパックボーイR-V2ライト(適用タイルについては各商品ページ参照)」を使用します。(2)モルタル施工・タイルは、300mm角以下、厚さ20mm以下のものをご選定ください。・押出成形セメント板は、60mm厚以上で、表面にあり溝を設けたタイルベースパネルを使用します。・タイルは、押出成形セメント板1枚ごとに割付け、パネル目地はすべて伸縮調整目地とします。・モルタルでの不陸調整はできませんので、押出成形セメント板は精度良く建て込んでください。・張付け材料はポリマーセメントモルタルを使用します。※詳細は押出成形セメント板へのタイル張り 設計・施工マニュアル(タ-EG111-7)をご参照ください。(ビジネスユーザー向け情報サイト「いいナビ」からもご覧いただけます)

モルタル施工

はるかべ工法接着剤張り用タイル

200×100mm角、100mm角以下10mm厚以下

300mm角以下、150×600mm角

モザイクタイル・外装タイル

④タイル先付けPCaパネル鉄骨造高層建築物の外壁にタイルを用いる場合には、タイル先付けPCaパネルが適しています。タイルを先付けさせる方法は、タイルの大きさ等により以下のように分類されます。

PCa板先付け工法(フィルムラチス) PCa板先付け工法(置き目地)

タイルシート法

タイル単体法

直打ちPC工法(400×600mm角以下)

SPC工法(400×800mm角以下)

モザイク・外装タイル

テラコッタ陶板

フィルムラチス(モザイクタイル)

モレーヌシート(小口平~二丁掛)

PCパックN型(小口平~二丁掛)

ゴム目地ます(小口平以上)

置き目地(小口平以上)

※モルタル施工にはタイルベースパネルを使用してください。

モルタル施工

はるかべ工法接着剤張り用タイル

テラコッタ陶板

はるかべ工法

金具併用部分弾性接着剤張り(FA-S工法)

300mm以下20mm厚以下

300mm角、150×600mm

600mm角以下

モザイクタイル・外装タイル

タイル張りの設計と施工  鉄骨建築物外壁への施工2

2

454

タイル張りの設計と施工

Page 6: タイル張りの設計と施工資料 - biz-lixil.com · 1 rc造建築物外壁 へ ... 1.rc造建築物外壁への施工 450 2.鉄骨建築物外壁への施工 454 3.大形タイルの施工

  テラコッタ・大形タイルの施工

テラコッタ・大形タイルのご採用にあたって、使用部位や大きさによって施工方法が異なってきます。推奨施工方法を以下に示します。[1]施工法の分類●壁への施工法

3

[2]施工法各論①部分弾性接着剤張り(FA-L工法)●精度良くこしらえたモルタル下地の上に、挙動追随性の高い弾性接着剤をビード状に塗布後、タイルを押し付けて張り付けていく工法です。下地にはあらかじめタイル割に合わせ、タイル荷重受け金物を固定しておきます。タイル張り最下部の横目地には水抜き穴を1.8m以下毎に設けます。●建物エントランス周辺やファサード等の外壁に適した工法です。

■適用範囲

●接着剤の点付け(だんご)施工は行わないでください。●タイルは伸縮調整目地をまたいで張らないでください。●積上げ高さが1.5mを超える場合は、1.5m以下毎に荷重受け金物を設置します。

MCR工法面(高圧洗浄面)

コンクリート躯体

不陸調整モルタル下地

弾性接着剤(EGR-B)

専用金具(K-AGU1)

テラコッタ

(ビード状塗布)

●ルーバーの施工法施工部位 工法分類 施工法名 テラコッタサイズ 適用高さ

内・外壁 後張り工法 金具留め工法

⑤オデッサ専用工法 断面形状55×55mm角 ピッチ110mm・150mmシステム高さ1750~1850mm・2250~2650mm

システム高さ1750~1850mmの場合:120m以下 システム高さ2250~2650mmの場合:45m以下(ただし内部に使用する場合はこの限りではありません)

⑥方立て工法 (マリオンタイプ)

断面形状55×55mm角・70×70mm角最大長さ1800mm

適用高さ 3m未満下地条件 RC造 不陸調整モルタル下地(下地精度±2mm/2m以内)

S 造 ALC板(モルタル下こすり)、押出成形セメント板(フラット板)

タイルサイズRC造 900cm2超~400×800mm角S 造 900cm2超~400×600mm角

目地幅 10mm以上仕上がり寸法 タイル厚さ+3~7mm

使用接着剤 EGR-B

●床面への施工法施工部位 工法分類 施工法名 タイルサイズ内・外床 P.457「床面へのタイルの施工法」をご参照ください。

施工場所 工法分類 施工高さ タイルサイズ 推奨工法

外 壁後張り工法

3m未満900cm2以下 P.452「はるかべ工法」をご参照ください。

900cm2超~400×800mm角以下 ①部分弾性接着剤張り(FA-L工法)または②金具併用部分弾性接着剤張り(FA-S工法)

3m以上900cm2以下 P.452「はるかべ工法」をご参照ください。900cm2超~400×800mm角以下 ②金具併用部分弾性接着剤張り(FA-S工法)

PC先付け工法 400×600mm角以下(あり足付き) ③直打ちPC工法

風圧力より算定 400×800mm角以下、タイル厚23mm以上 ④S-PC工法

内 壁 後張り工法3m未満 400×800mm角以下 P.462「内装壁への施工」をご参照ください。

3m以上900cm2以下 P.462「内装壁への施工」をご参照ください。900cm2超~400×800mm角以下 ②金具併用部分弾性接着剤張り(FA-S工法)

タイル張りの設計と施工  テラコッタ・大形タイルの施工3

■適用範囲

●接着剤の点付け(だんご)施工は行なわないでください。●タイルは伸縮目地をまたいで張らないでください。

MCR工法面(高圧洗浄面)

コンクリート躯体

不陸調整モルタル下地

弾性接着剤(EGR-B)

テラコッタ

(ビード状塗布)

巻きバネ

コンクリートビス

②金具併用部分弾性接着剤張り(FA-S工法)●精度良くこしらえたモルタル下地の上に、挙動追従性の高い弾性接着剤をビード状に塗布後、タイルを押し付けて張り付けていく工法です。さらに、専用金具(巻きバネ)とコンクリートビスで機械的な固定を併用しています。タイル張り最下部の横目地には水抜き穴を1.8m以下毎に設けます。●建物エントランス周辺やファサード等の外壁に適した工法です。

適用高さ 3m未満下地条件 RC造 不陸調整モルタル下地(下地精度±2mm/2m以内)

S 造 ALC板(モルタル下こすり)、押出成形セメント板(フラット板)

タイルサイズRC造 900cm2超~400×800mm角S 造 900cm2超~400×600mm角

目地幅 10mm以上仕上がり寸法 タイル厚さ+3~7mm

使用接着剤 EGR-B

455

タイル張りの設計と施工

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③直打ちPC工法●あり状の裏あしを持つテラコッタをコンクリートにそのまま打設する、タイル先付けPCパネルの一般的な工法です。

■適用範囲

鋼製ベッドクッション材クッション材テラコッタ

仮目地材 コンクリート

注) タイルをコンクリートに直接打設する直打ち工法の場合、タイルの大きさによらずコンクリートにひび割れが発生すると、それに追従してタイル面にもひび割れが発生します。

④S-PC工法●テラコッタとコンクリートを絶縁材(塗布型)で絶縁し、タイル裏面に固定した定着金物(シアコネクター)をコンクリートに埋設して保持する信頼性の高い工法です。絶縁材の弾性により、コンクリートと絶縁されるため、ひび割れの発生を防止します。

シアコネクター

テラコッタ

絶縁材

■適用範囲

適用高さ    タイルサイズ 400×600mm角以下裏あし あり足、高さ1.5mm以上目地幅 10mm以上

適用高さ       

タイルサイズ 400×800mm角以下、タイル厚23mm以上

目地幅 10mm以上(20mm程度の寸法調整目地を適宜設置)

タイル張りの設計と施工  テラコッタ・大形タイルの施工3

⑥方立て工法(マリオンタイプ)●テラコッタルーバー目地部後方に方立を配しテラコッタルーバーに取り付けた芯材と方立を、丸パイプを介してボルトによって固定させる取付け工法です。

テラコッタルーバー

方立

方立

丸パイプ

M8パクト

根角ボルト

テラコッタルーバー

飛散防止材

芯材

55(70)60(75)

5

55(70)

95(130)

150(200)

■適用範囲適用高さ    ルーバーの大きさ 長さ1,800mm以内、断面55×55mm角、70×70mm角目地幅 縦目地25mm

構造種別 RC造・S造・SRC造

■適用範囲システム高さ 1750~1850mm、2250~2650mm(10mmピッチ)

建物高さシステム高さ1750~1850mmの場合:120m以下システム高さ2250~2650mmの場合:45m以下(ただし内部に使用する場合はこの限りではありません)

ルーバーの形状 断面55×55mm角構造種別 RC造・S造・SRC造その他 床・天井面があること、またはそれに代わる立ち上がり・垂れ壁があること※ 詳しくはビジネスユーザー向け情報サイト「いいナビ」をご参照ください。

エンドキャップ

ドリルねじ/サラ

ドリルねじ/ナベ

ドリルねじ/ナベ

カバー材

カバー材

ドリルねじ/サラ

専用角ワッシャ・W・SW・N

上フレーム

テラコッタルーバー

下フレーム

⑤オデッサ(ODESSA)専用工法●精度良く取り付けられた上フレーム・下フレームにテラコッタルーバーを引っ掛け、上下をビス留めする縦使い専用の工法です。上フレーム・下フレームには化粧のカバー材を取り付けることで、金具類も意匠材として見せることができます。

456

タイル張りの設計と施工

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  床面へのタイルの施工

1.屋外床タイルやレンガなどの床仕上げ材の施工方法は、下地に張付けモルタルで張り付ける湿式施工と、クッション砂の上に敷き並べる乾式施工があります。また、使用部位によっても以下のように区分され、それぞれについて推奨される施工方法が異なります。※張付けモルタルに用いる砂は、川砂、珪砂、もしくはこれに準ずるものとし、有害量のごみ、泥土、有機不純物、塩分を含まないものとしてください。

タイル張りの設計と施工  床面へのタイルの施工4

4

[1]施工法の分類住宅や建築の外構、公園、広場など車の乗り入れがない場所に以下の施工法が適用されます。駐車場、歩道、商店街等、頻度が少ないが車の乗り入れがある場所(車道は除く)へのタイル施工は、以下のタイルと施工法の組合せに限ります。

80~

100

3~5

下地モルタル・敷きモルタル張付モルタル タイル

タイル張付モルタル

5~7

80~

100

下地モルタル・敷きモルタル

床タイルアーストン 湿式施工 200㎜角以下

200㎜角を超える

*1 厚さ20mm以上のタイルに適用。

モザイクタイル

サンドロック 乾式施工 ⑤砂伏せ

③改良圧着張り

②圧着張り

④セメントペースト張り*1

①モザイクタイル張り

②圧着張り

②圧着張りモルタル下地をこしらえた後、下地に張付けモルタルを塗り付けて直ちに張り付ける方法です。張り付けモルタルが軟らかいうちにたたき押え、モルタルがタイル裏面に広がるようにします。300mm角以上の大形タイルの場合は、クシ目高さ10mm以上のクシ目コテでモルタルを張り付け、ゴムトンやヴィブラートを用いてタイルを張り付けます。

①モザイクタイル張りモルタル下地をこしらえた後、下地に張付けモルタルを塗り付けて直ちにモザイクタイルを張り付ける方法です。紙の一部がタイル目地からはみ出したモルタルによって湿るまでユニットタイルのたたき押えを十分に行います。

[2]施工法各論床の下地は、下地に付着したレイタンス等表面の汚れを入念に取り除くこと、施工前には水湿しを十分に行うこと、伸縮目地を要所に設ける等の点がポイントになります。タイル張りではモルタルを塗り付ける際に、下地を薄くこすりつけるように塗り付けて、下地面との密着を確保したのちに、張り付けモルタルを重ね塗りすることがポイントになります。

③改良圧着張りモルタル下地をこしらえた後、下地に張付けモルタルを塗り付け、モルタルが固まらないうちにタイル裏面全体にも塗りつけて張り付ける方法です。この工法は200mm角以上のタイルに適した施工法です。

80~

100

3~4

張付モルタル タイル

3~5

下地モルタル・敷きモルタル

敷きモルタル

80~

100

30~

50

1~2

タイルセメントペースト

④セメントペースト張りコンクリート面に敷きモルタルを敷きならした後、セメントペーストを流してタイルを置き、ゴムトン等でたたき押えながら張り付ける方法です。この工法は200mm角以上で厚さが20mm以上のタイルやアーストンに適した施工法です。薄いタイルの施工には向きませんので注意してください。

車の乗り入れがある場所に使用可能なタイルと施工法

タイルの種類 施工法

モザイクタイル ①モザイクタイル張り

300mm角以下の床タイル

②圧着張り③改良圧着張り

サンドロック ⑤砂伏せ

※ 敷きモルタルの場合:30~50mm下地モルタルの場合:30mm以下

※ 敷きモルタルの場合:30~50mm下地モルタルの場合:30mm以下

※ 敷きモルタルの場合:30~50mm下地モルタルの場合:30mm以下

457

タイル張りの設計と施工

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2.屋内床全面接着剤張り[1]下地と施工材料①床タイル

■戸建て住宅/在来床

■マンション/二重床

〈床暖房がある場合〉

〈床暖房がある場合〉

目地材下地の種類 ※1タイルサイズ 接着剤

目地材下地の種類 ※1タイルサイズ 接着剤

~300mm角

300~600mm角

合板下地

モルタル下地

合板下地

モルタル下地

下地A

下地B

イナメントE-73 U-91イナメントA-51N

イナメントE-73 U-91イナメントA-51N

スーパークリーン バス・トイレイナメジ

スーパークリーン インテリアフロアスーパークリーン ストロングⅡ

イナメントE-73 U-91イナメントA-51Nモルタル

スーパークリーン バス・トイレイナメジ

下地A+補強 イナメントE-73スーパークリーン バス・トイレイナメジ

下地B+補強スーパークリーン インテリアフロアスーパークリーン ストロングⅡ

イナメントE-73モルタル

スーパークリーン バス・トイレイナメジ

イナメントE-73

~300mm角 合板下地 下地C イナメントE-73

(床暖房は2枚の合板の間に設置)

スーパークリーン インテリアフロアスーパークリーン ストロングⅡ

300~600mm角 合板下地 下地C+補強 イナメントE-73 スーパークリーン インテリアフロアスーパークリーン ストロングⅡ

600mm角以下 二重床 下地C+補強 イナメントE-73

(床暖房は2枚の合板の間に設置)

スーパークリーン インテリアフロアスーパークリーン ストロングⅡ

600mm角以下 二重床 下地C+補強 イナメントE-73 スーパークリーン インテリアフロアスーパークリーン ストロングⅡ

⑤砂伏せ砕石などの路盤材を敷き込んだ上にクッション砂を敷き詰め、サンドロックを敷き並べる工法です。目地には目地砂を掃き込みます。路床、路盤の挙動等によるせりあがりを防ぐために、20m~30mおきに伸縮目地を設置してください。

クッション砂サンドロック

3010

0~15

0

(不織布)※クッション砂

10mm以上 伸縮目地(変成シリコーン系、ポリサルファイド系)

10mm以上

硬質スポンジ、杉板など

※ 不織布は砂による目つぶしを行った場合は必要ありません。

伸縮目地部の構成

タイル張りの設計と施工  床面へのタイルの施工4

458

タイル張りの設計と施工

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②アーストン

■戸建て住宅/在来床

■マンション/二重床

〈床暖房がある場合〉

〈床暖房がある場合〉

目地材下地の種類 ※1商品 接着剤

目地材下地の種類 ※1商品 接着剤

エレガントグラニット

チャイナグラニット

エレガントマーブル

mabストーンⅡ

ストーンモザイコ*

合板下地 下地A ESK-E-81スーパークリーン バス・トイレイナメジ

乱形矩形スレート日本の銘石

コンクリート・モルタル下地 セメント系 スーパークリーン バス・トイレ

コンクリート・モルタル下地

ESK-E-81セメント系

スーパークリーン バス・トイレイナメジ

(床暖房は2枚の合板の間に設置) *コンクリート・モルタル下地の場合もESK-E-81で施工してください。セメントペーストおよびセメントモルタルでは施工できません。

(床暖房は2枚の合板の間に設置)

アーストンリビングセレクション エレガントマーブル 合板下地 下地C+補強 ESK-E-81 スーパークリーン インテリアフロア

アーストンリビングセレクション エレガントマーブル 二重床 下地C+補強 ESK-E-81 スーパークリーン インテリアフロア

アーストンリビングセレクション エレガントマーブル 二重床 下地C+補強 ESK-E-81 スーパークリーン インテリアフロア

(1)床暖房に使用するタイルは、600mm角以下、厚さ8~10mmの内装床タイルをご使用ください。(2)床暖房の施工および熱性能については各床暖房メーカーへお問い合わせください。(3)東名阪各ガス会社の床暖房の場合は目地材にスーパークリーン インテリアフロアが指定されてい

ます。(4)電気式床暖房は根太上に床下地を介して設置するタイプとしてください。但し、床暖房の施工およ

び熱性能については、床暖房メーカーにお問い合わせください。(5)接着剤イナメントA-51Nは硬化が遅くなります。(6)床暖房の面積が大きい場合には、伸縮調整目地(シーリング目地)を3~4m毎に設置してください。(7)アーストンを戸建て住宅の床暖房およびマンションの二重床(床暖房の有無に関わらず)に使用す

る場合はリビングセレクションの中からお選びください。

■下地と施工材料に関する注意事項※1 合板下地の種類

下地A1類合板厚さ18mm以上(9mm合板2枚重ね 接着剤併用釘打ち)、根太303mmピッチ

下地B1類合板厚さ12mm以上、根太303mmピッチ または、1類合板厚さ15mm以上、根太455mmピッチ

下地C1類合板厚さ12mm以上2枚張り、根太303mmピッチ

下地+補強A~C

捨て張り合板の板間ジョイントに、板間アルミ板ALP-100(または100mm幅0.3mm厚さ程度)を接着剤で張付け

タイル張りの設計と施工  床面へのタイルの施工4

459

タイル張りの設計と施工

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合板下地Aの場合

303mm以内根太

1類合板(厚さ9mm以上×2枚)

セメント目地タイル有機質接着剤

合板下地Bの場合 〈根太ピッチ303mm以内の場合〉

根太

1類合板(厚さ12mm以上) 

スーパークリーン インテリアフロアスーパークリーン ストロングⅡまたは

タイル有機質接着剤

303mm以内

〈根太ピッチ455mm以内の場合〉

根太

1類合板(厚さ15mm以上)

スーパークリーン インテリアフロアタイル

有機質接着剤

455mm以内

スーパークリーン ストロングⅡまたは

床暖房 合板 床暖房 合板

接着剤U91,E-73

1類合板t12mm以上 1類合板t12mm以上

接着剤 E-73

板間補強アルミ板タイル目地 目地タイル

在来床 床暖房ありの場合

300~600mm角 ~300mm角未満

■拡大図

■在来・木造

上がり框の納まり

■RC・二重床

フローリング・タイル・石材

インテリアフロアシーリングフローリング・タイル・石材

パーティクルボード t20

1類合板 t12×2 1類合板 t12×2

際根太インテリアフロア シーリング

68

上がり框 t12

148

〈タイルセレクションの場合〉

パーティクルボード t20

際根太

150 インテリアフロアシーリングフローリング・タイル・石材上がり框

70

インテリアフロア シーリング

■RC・二重床

〈ストーンセレクションの場合〉

※張り合わせる材料がメトロポリスの場合は、厚さの差を調整するために框側の下地レベルを下げてください。

 合板 t12×2

インテリアフロアシーリング

上がり框

90

150

フローリング・タイル・石材

インテリアフロア シーリング

根太

大引き※張り合わせる材料の厚さが異なる場合は薄い仕上げ材の下地に合板を張り増ししてレベルを合わせてください。

二重床 床暖房ありの場合二重床 床暖房なしの場合

1類合板 t12mm以上

パーティクル ボード 20t

接着剤 E-73板間補強アルミ板タイル

目地(スーパークリーンインテリアフロア)

パーティクル ボード 20t

1類合板 t12mm以上

接着剤 E-73板間補強アルミ板タイル

目地(スーパークリーンインテリアフロア)

床暖房

[2]施工法各論①全面接着剤張り合板下地や精度良くこしらえたモルタル下地の上に有機質接着剤を用いてタイルを圧着していく工法です。合板下地の場合は必ずこの施工法でタイル張りしてください。

タイル張りの設計と施工  床面へのタイルの施工4

460

タイル張りの設計と施工

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タイル張りの設計と施工  床面へのタイルの施工4

912

12

12※

タイル

根太(303ピッチ)

床暖房パネル断熱材

スーパークリーン インテリアフロア

捨張り合板下地合板

■遮音二重床板間補強タイプ

パーティクルボード 20t

下地合板 12t

床暖房パネル 12t

捨張合板 12t

支持脚

接着剤層

スーパークリーンインテリアフロア

グラスウール

板間補強アルミ板

タイルまたはアーストン

ポイント ① 遮音性能…二重床との組合せで集合住宅に適切な遮音性能を提供します。ポイント ② 耐荷重性能… 下地合板の板間ジョイントをアルミ板で補強することで、大形タイルや石材の破損を抑えます。ポイント ③ 耐衝撃・反復荷重性能…専用接着剤、専用目地材を使用して、たわみのある二重床でもタイル、石材の破損や目地切れを抑えます。

INAXでは、床材および二重床との組合せで、軽量衝撃音LL-40、LL-45等級の遮音性能データを得ています。(現場の条件により性能が変わる事があります。)

(東京ガス(株)・大阪ガス(株)・東邦ガス(株)採用)

集合住宅の居室では遮音性能を確保するために遮音二重床を使ってこの上にタイルを張ります。たわみによるタイルの破損や目地割れを防止するために捨て張り合板の板間をアルミ板ALP-100で補強します。600mm

角以下のタイルおよびアーストン リビングセレクションが施工可能です。

断面構成の例

■12mm 合板捨張タイプ(東京ガス(株)・大阪ガス(株)・東邦ガス(株)・西部ガス(株)採用)

各ガス会社の小根太入り温水マットなど一般的な床暖房パネルの上に、300mm角以下、厚さ8~10mmのタイルを施工する場合の構造です。床暖房パネルの上に12mm合板を捨て張りして接着剤イナメントE-73でタイルを張ります。目地はスーパークリーン インテリアフロアを使用します。ガス会社以外の一般的な床暖房パネルや電気式床暖房の場合にもお薦めの工法です。※根太ピッチ455mmの場合は床暖房の下の下地合板を15mm厚以上としてください。

931212

タイル

根太(303ピッチ)

木質ハードパネル樹脂管タイプ12mm厚断熱材

スーパークリーン インテリアフロア捨張り合板

下地合板

■3mm合板捨張タイプ(東邦ガス(株)・大阪ガス(株)採用)

床暖房パネルに木質ハードパネルを使う場合はパネルの剛性が高いので3mm厚の捨て張り合板を使うことができます。3mmの合板は浮きや床鳴りが出ないように接着剤と釘を併用して留めつけます。タイルの施工には接着剤はイナメントE-73、目地はスーパークリーン インテリアフロアを使用します。

スーパークリーン インテリアフロア タイル 8~10t接着剤

スラブ

小根太入り温水マット 12t

捨て張り合板 12t

根太

捨て張り合板 12t

捨て張り合板 12t

床暖房パネル 12t

接着剤

303303

スーパークリーン インテリアフロア タイルまたは

アーストン

アルミ板ALP-100

■板間補強タイプ(東京ガス(株)・大阪ガス(株)・東邦ガス(株)採用)

各ガス会社の小根太入り温水マットなど一般的な床暖房パネルの上に、300~600mm角、厚さ8~10mmのタイルおよびアーストン リビングセレクションを施工する場合の構造です。12mm捨て張り合板の板間にアルミ板ALP-100を張って補強します。接着剤はイナメントE-73(タイルの場合)、またはESK-E-81(アーストンの場合)、目地はスーパークリーン インテリアフロアを使用します。ガス会社以外の一般的床暖房パネルや電気式床暖房の場合にも、アーストンや300~600mm角のタイルを施工する場合にはこの方法を推奨します。

■スラブ直張タイプ

コンクリートのスラブ上に直に床暖房パネルを設置する場合は各床暖房メーカーに留めつけ方法をご確認ください。床暖房パネルの上に12mm合板を捨て張りして接着剤イナメントE-73またはU-91でタイルを張ります。目地はスーパークリーン インテリアフロアを使用します。

②戸建住宅用

[3]リビングフロアシステム①集合住宅用■集合住宅へのタイル・アーストン施工のポイント

461

タイル張りの設計と施工

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タイル張りの設計と施工  内装壁への施工5

  内装壁への施工5

[1]施工法の分類 内装壁タイルの施工法は、接着剤張りが主流となっています。この工法は、様 な々下地及びタイルに適用できるとともに、従来用いられていたセメントモルタルに比べて変形性能が大きいことから下地や躯体

の動きに追随しやすく、剥離やひび割れ等の損傷が生じにくい特徴があります。

乾式工法

湿式工法

接着剤張り

積上げ張り

圧着張り

① 全面接着剤張り P.464参照

② 両面塗布全面 接着剤張り P.464参照

④ 部分接着剤張り P.464参照

③ 点付け施工 P.464参照

※ラグナロック・接着剤張り用外装タイルなどを内装壁面に施工する際には、イナメントボーイV3を使用し、 外壁に準じたタイル施工法を採用してください。 施工方法ははるかべ工法 住宅編 設計・施工マニュアル(タ-MD138-14)をご参照ください。 (ビジネスユーザー向け情報サイト「いいナビ」からもご覧いただけます)

455 455

310

[2]乾式下地 標準的な下地の仕様を以下に示します。下記以外の事項については、日本建築学会の「JASS26 内装工事」、「JASS11 木工事」を参照してください。

①木造下地木製壁下地材の種類・寸法・取付け間隔

(日本建築学会 せっこうボードドライウォール指針・施工指針・同解説より)

用途 部材の種類 寸法(mm) 間隔(mm)

一 

般 

耐力壁柱、間柱 105×105,30×105 455胴縁 (15,20,24)×90/2 310

真壁間柱 30×(45,60,65) 455胴縁 (17.5,25)×100/2,45×100 455

コンクリート壁添え 木ずり、下地板 (12,20)×80 455

枠組壁工法たて枠

38×89,38×140650以内

上枠、下枠 -

②鋼製下地鋼製壁下地材の種類 単位:mm

(日本建築学会 JASS26 より)

部材 スタッド ランナー 振止め スタッドの高さによる区分種類 記号 寸法 記号 寸法 記号 寸法

50形 WS-50 50×45×0.8 WR-50 52×40×0.8 WB-19 19×10×1.2 2.7m以下65形 WS-65 65×45×0.8 WR-65 67×40×0.8

WB-25 25×10×1.2

4m以下75形 WS-75 75×45×0.8 WR-75 77×40×0.8

90形 WS-90 90×45×0.8 WR-90 92×40×0.84mを超え4.5m以下

100形 WS-100 100×45×0.8 WR-100 102×40×0.84.5mを超え

5m以下

耐力壁の例 耐力壁に横胴縁を取り付けた例

462

タイル張りの設計と施工

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③その他の下地 せっこうボードは、コンクリート、ALCパネル(間仕切り)などへの直張り工法(GL工法)があります。直張り工法については、せっこうボードメーカーの仕様に従ってください。

④推奨下地ボードタイルタイルの厚さ 下地ボード

15mm以下

せっこうボード 9.5mm厚以上けい酸カルシウム板 比重1.0 6.0mm厚以上合板 1類以上 9.5mm厚以上デラクリートセメントボード

15mmを超えるけい酸カルシウム板 比重1.0 6.0mm厚以上合板 1類以上 9.5mm厚以上デラクリートセメントボード

アーストン商品名 下地ボード

ストーンモザイコ

せっこうボード 9.5mm厚以上けい酸カルシウム板 比重1.0 6.0mm厚以上合板 1類以上 9.5mm厚以上デラクリートセメントボード

上記以外けい酸カルシウム板 比重1.0 6.0mm厚以上合板 1類以上 9.5mm厚以上デラクリートセメントボード

300程度

450程度

タイル張りの設計と施工  内装壁への施工5

■注意事項(1) 全面接着剤張りは、タイル裏面への接着剤の接着割合が60%以上になるように塗り厚を調整してください。一般的には、5mmクシ目コテを使用して、クシ目の高さが3mm以上になるように塗り付けます。エコカラット及び300mm以下の内装タイルで、下地精度が良い場合には、クシ目の高さが2mm以上(3mmクシ目コテ使用)でも施工できます。

(2) 外装壁タイル[接着剤張り工法用]およびラグナロックは、イナメントボーイV3を使用し、外壁と同じ方法で施工してください。

(3) タイルによっては、ずれることがあります。その場合は、下部から施工してください。また、必要に応じて、タイル1枚ごとに目地部にスペーサーを介して張り上げてください。

(4) 両面塗布全面接着剤張り及び点付け施工は、イナメントE-73を使用してください。点付け施工の場合は、接着剤の付着面積が50%以上で、張り代が3mm以内となるようにしてください。

(5) 出隅や取付金物などの力が加わりやすい部分では、両面塗布全面接着剤張りとし、タイル裏面にすき間ができないように施工してください。

(6) 浴室への施工は、全面接着剤張りまたは両面塗布全面接着剤張りとしてください。部分接着剤張りおよび点付け施工では、白華が発生するため、行わないでください。下地は、コンクリート、モルタル、けい酸カルシウム板またはデラクリートセメントボードを使用してください。

(7) 浴槽内はモルタルで施工してください。下地は、コンクリートまたはモルタルとしてください。

*1 庵路、新砂岩タイル150mm角は、裏足が高いため、両面塗布全面接着剤張りまたは点付け施工としてください。*2 300mm角を越える大きさのタイルを吹き抜け等の3m以上の高さに施工する場合は、FA-S工法(P.455)により施工してください。*3 3m以上の高さに施工する場合は、金具併用点付け施工または金具併用部分弾性接着剤張りにより施工してください。詳しくは「アーストン設計・施工マニュアル」(タ-ES111-13)をご参照ください。

[3]施工法各論 接着剤張りは、タイルの種類と大きさにより、適切な施工法を選択する必要があります。使用する接着剤は、P.416 を参照してください。

タイルの種類 タイルサイズ 推奨施工法エコカラット

インテリアモザイクタイル外装壁モザイクタイル

外装壁タイル[接着剤張り工法用]ラグナロック

- 全面接着剤張り

内装壁タイル床タイル*1

テラコッタ陶板*2

300mm角以下 全面接着剤張り

300mm角を超え450mm角以下

全面接着剤張り部分接着剤張り点付け施工

450mm角を超える 部分接着剤張り点付け施工

外装壁タイル - 両面塗布全面接着剤張り点付け施工

アーストン*3 P.468参照 全面接着剤張り点付け施工

スタッド間隔300mmピッチ、ボード1枚張りの例 スタッド間隔450mmピッチ、ボード2枚張りの例

スタッドの間隔 ・ボード1枚張りの場合…300mm程度 ・ボード2枚張りの場合…450mm程度 ・デラクリートセメントボードは450mm程度

463

タイル張りの設計と施工

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タイル張りの設計と施工  内装壁への施工5

④部分接着剤張り部分接着剤張りは、主に大形の内装タイルに適用します。接着剤をタイル裏面の周辺部とその内側に15㎝以下のピッチでビード状に塗布し、下地面にしっかりと揉み込むように押さえつけて張り付ける工法です。張り付け時には、スペーサーを介して積み上げます。〈施工のポイント〉●接着剤は弾性接着剤RC-Sを使用します。●張り付け時には目地スペーサーを介してタイル荷重を支え、ズレ防止を図りつつ積み上げて張り付けます。(専用受け金具を使用して張り付ける方法もあります。)●キッチン回りに使用する場合の目地材はシリコーン系を使用してください。●下地を十分に乾燥させてから、タイル張りを行います。

躯体

下地(モルタル、金ごて押さえ)、またはボード下地

躯体

タイルシーリング材

シーリング材

イナメントRC-S

モルタル25mm厚以下またはボード下地

1~1.5mmイナメントRC-S

施工 完了

部分接着剤張りの施工断面

③点付け施工点付け施工はタイル裏あし高さが2.0mm以上のタイルに適用します。タイル裏面に接着剤を点状に塗り付け、下地面にしっかりと揉み込むように押さえて張り付ける工法です。〈施工のポイント〉●接着剤はイナメントE-73を使用します。アーストンはESK-E-81を使用します。●張り付け後の接着剤の付着面積が50%以上、張り代が3mm以内となるようにしてください。●タイルがずれる場合は下から積み上げてください。

躯体

下地(モルタル、金ごて押さえ)、またはボード下地

躯体

タイル

イナメントE-73イナメントE-73

モルタル25mm厚以下またはボード下地3mm以内

施工 完了

点付け施工の施工断面

①全面接着剤張り全面接着剤張りは、タイル裏あし高さが2.0mm未満のタイルに適用します。平坦な下地に張り付け用接着剤をクシ目コテ(5mmまたは3mm

高さ)で塗布し、タイルをしっかりと揉み込むように叩き押さえをして張り付ける工法です。〈施工のポイント〉●タイル裏あし高さが1.0mm未満の場合は3mmのクシ目コテ、1.0mm

以上2.0mm未満の場合は5mmのクシ目コテを使用します。●クシ目はしっかりと立てて塗り付けます。●イナメントE-73、ESK-E-81以外の接着剤を使用する場合は、下地を十分に乾燥させてから、タイル張りを行います。●タイルがずれる場合は、下から積み上げてください。

下地(モルタル、金ごて押さえ)またはボード下地

タイル

躯体

有機質接着剤(クシ目引き)

施工

モルタル25mm以下またはボード下地

1~1.5mm

完了

全面接着剤張りの施工断面

②両面塗布全面接着剤張り両面塗布全面接着剤張りはタイル裏あし高さが2.0mm以上のタイルに適用します。タイル裏面に接着剤を十分に塗り込み、クシ目塗布された下地面にしっかりと揉み込むようにして張り付ける工法です。〈施工のポイント〉●クシ目はしっかりと立てて塗り付けます。●タイル裏あしに十分に接着剤が充填するようにします。●接着剤は、イナメントE-73を使用します。●タイルがずれる場合は、下から積み上げてください。

施工 完了

モルタルは25mm以下またはボード下地

1~1.5mm

下地(モルタル、金ごて押さえ)またはボード下地

タイル

躯体

有機質接着剤(クシ目引き)

有機質接着剤

両面塗布全面接着剤張りの施工断面

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タイル張りの設計と施工

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タイル張りの設計と施工  内装壁への施工5

[4]納まり①内装壁タイル・エコカラット

〈天井との取合い〉

縦断面図

〈出隅部〉※取合いでタイルの切断が必要な場合は、シーリング等で処理してください。

平面図平面図

〈入隅部〉

平面図

〈コンセントとの取合い〉 〈床との取合い〉

片面取タイル

せっこうボード等

胴縁

平面図

縦断面図 縦断面図縦断面図

目地(スーパークリーン キッチン)

壁見切り材(SM-2700R/**)

タイル(8mm厚以上)

壁見切り材(SM-2700C/**)

タイル

せっこうボード等

胴縁

柱 せっこうボード等

胴縁

目地

せっこうボード等

胴縁

胴縁 胴縁

目地

タイル

シーリング

せっこうボード等

野縁

胴縁 エコカラット(8mm厚以上)

壁見切り材(SM-2700C/**)

天井仕上げ材見切り材

タイル

タイル

コンセントボックス

せっこうボード等 せっこうボード等

コンセントボックス

コンセントスペーサー(ECK-S1/**)

エコカラット(凹凸の大きいモザイク等) タイル

せっこうボード等

目地

巾木

床タイル

合板5.5mm

目地

胴縁

胴縁

せっこうボード等

目地

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タイル張りの設計と施工

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ケイカル板6mm以上

目地(スーパークリーン キッチン)

接着剤(イナメントA-51N)タイル片面取使用

片面取使用12mm厚1類合板

ケイカル板タイル

固定用ビス

12mm厚1類合板

キャビネット本体

目地(スーパークリーン キッチン)

12mm厚1類合板×2枚

接着剤(イナメントA-51N)

ケイカル板6mm以上

シ-リング

タイル接着剤(イナメントA-51N)

シンク

12mm厚1類合板

5mm以上の隙間

ケイカル板6mm以上

タイル ケイカル板6mm以上

下側1類合板接着剤(イナメントA-51N)

上側1類合板

6mm

ガスレンジ

12mm

12mm

ケイカル板6mm以上

12mm厚1類合板

タイル張りの設計と施工  内装壁への施工5

②カウンタータイルの仕上げ〈下地外周部の納まり〉

〈シンク及び洗面器の納まり〉

〈一般部縦断面〉 〈天井取り合い部〉

〈洗い場床取り合い部〉 〈浴槽ー壁取り合い部〉

〈水栓金具まわりの取付け〉

〈ガスレンジまわりの納まり〉

③タイルクリートPSを使った浴室下地(壁)

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タイル張りの設計と施工

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タイル張りの設計と施工  内装壁への施工5

[5]スリミオの施工①下地木造下地の種類・寸法・取付け間隔、鋼製下地の種類は、P.462に準じます。

②推奨下地ボード等●木造下地の場合は、ボード1枚張りとします。●鋼製下地の場合は、スタッド間隔300mm程度の場合はボード1枚張り、スタッド間隔450mm程度の場合は2枚張り(デラクリートセメントボードを除く)とします。張り方はP.463に準じます。

ボード種類 注意点

せっこうボード 9.5mm厚以上(板間に段差が生じないように調整してください)

シージングせっこうボード 9.5mm厚以上(板間に段差が生じないように調整してください)

ケイ酸カルシウム板 6.0mm厚以上,比重1.0(板間に段差が生じないように調整してください)

デラクリートセメントボード板間を「ベースコート+ガラス繊維テープ貼り(MRCデラクリート社製)」した後、全面を「ベースコート重ね塗り」します。必要に応じて、スタンダードメッシュを伏せ込みます。

※用途に応じて適正なボードを選定してください。※スリミオの仕上がり精度は下地精度に依存します。平滑な下地を作製してください。※合板は使用しないでください。板間でスリミオが割れる恐れがあります。※モルタル下地には使用しないでください。不陸の影響を受ける恐れがあります。※公共場面等使用時に衝撃を受けやすい場合は、スタッド間隔が300mmの場合でも、2枚張りを推奨します。

③接着剤内装用弾性接着剤(スリミオ用)イナメントボーイV3(SN-V3/G1) カラー:白※イナメントA-51N・A-52などのアクリルエマルジョン系接着剤は、粘性が弱くスリミオを平滑に納めることができないため、使用できません。※イナメントE-73などのエポキシ系接着剤は、下地ボード等の挙動を直に伝えることになり、スリミオが破損する恐れがあるため、使用できません。※イナメントボーイV3(SN-V3/G3;グレー)は、目地から接着剤が透けて見える恐れがあります。

④施工上の注意(1)一般部 [弾性接着剤張り工法]●3mmクシ目コテを使用し、下地に対して60°以上の角度で塗り付けます。使用量の目安は1.7kg/㎡です。クシ目を潰して施工することはできません。●スリミオには多少の反りがあります。施工時に指定の接着剤を用い、十分圧着して反りを矯正するとともに、タイル全体を揉み込むように均一に圧着して、段差を生じないようにしてください。●施工性向上のための目地スペーサーを用意しています。必要に応じてご使用ください。●切断面はダイヤシャープナーでバリを落としてください。タッチアップ材として補修用塗料を用意しています。必要に応じてご使用ください。(2)出隅部・端部●コーナー役物には内Rがついていますので、スリミオの施工に先立ち、ボードの出隅部に4mm程度のテーパーをつけてください。●コーナーカバー見切りで納める場合は、スリミオを施工した後にその上から接着させます。接着剤は、内装用一液型弾性接着剤イナメントRC-Sをご使用ください。●見切り4Rで納める場合は、スリミオの施工に先立ちあらかじめ下地ボードに接着させます。接着剤は、内装用弾性接着剤(スリミオ用)イナメントボーイV3/G1をご使用ください。スリミオを切断して納める場合は、補修用塗料をお使いください。

下地ボード

スリミオ

イナメントボーイV3

スリミオ(コーナー役物)

(テーパー加工)

コーナー役物の納まり下地ボード

(補修用塗料を塗布)

イナメントボーイV3

見切り4R

スリミオ

見切り4Rの納まり下地ボード

スリミオ

イナメントボーイV3

コーナーカバー見切り

コーナーカバー見切りの納まり

※詳しくは「スリミオ設計・施工マニュアル」(http://iinavi.inax.co.jp/)をご参照ください。

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タイル張りの設計と施工

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アーストンは特性の異なる多彩な石種、さまざまな形状の材料です。そのため施工場所、条件によって施工方法が限定される場合がありますのでご注意ください。主な適用工法は以下のとおりです。なお、詳しくはアーストン設計・施工マニュアル(タ-ES111-13)をご覧ください。

施工方法の選定

対象となる施工方法 注意事項

全工法共通

●仮並べを行い、面として見てからの施工をお願いします。●施工前、施工後の酸洗いは絶対にしないでください。●目地材は乾燥前に丁寧に拭き取ってください。●天然石のため、施工終了後および目地詰め時の養生の際に粘着力の強いテープを使用すると石材の表面が傷む場合があります。必ず紙製の養生テープを使用してください。●突きつけ目地はしないでください。剥離やカケの原因になります。目地幅はエレガントマーブル・エレガントグラニット・チャイナグラニット・mabストーンⅡが3mm以上、日本の銘石が5mm以上、矩形・乱形・スレートが6mm以上、はるかべくんエスグランは10mm以上を目安としてください。

① 金具併用部分弾性 接着剤張り(FA‐S工法)⑥ 金具併用部分弾性接着剤張り

●接着剤はEGR‐Bを使用してください。なお、EGR‐Bをご使用の際は必ず石材裏面にプライマー(MP‐2000 セメダイン製)を塗布して施工してください。●金具併用部分弾性接着剤張り(FA‐S工法)の目地材はシーリング目地とし、使用するシーリング材の取り扱い説明書に従ってください。目地幅は5mm以上としてください。

②はるかべ工法 ●層状に剥離した界面や亀裂が存在しないか、施工前にご確認ください。層状に剥離した界面や亀裂が存在する場合は施工前に強制的に剥がしてください。

③点付け施工

●接着剤(ESK‐E‐81)の混練不良がある場合は使用条件によってシミが発生する場合があります。十分に混練してください。接着剤によるシミの防止を図るために、裏面及びコバ面にシーラー処理をしてください。●目地詰めの際は事前に紙製の幅広テープなどでアーストンを養生してからの施工をおすすめします。目地跡が残る場合があります。また目地材が乾燥する前に丁寧に拭き取ってください。●水がかりのある個所に施工する場合は、目地材をシーリング目地とし、使用するシーリング材の取り扱い説明書に従ってください。目地幅は3mm以上としてください。

④金具併用点付け施工●目地詰めの際は事前に紙製の幅広テープなどでアーストンを養生してからの施工をおすすめします。目地跡が残る場合があります。また目地材が乾燥する前に丁寧に拭き取ってください。●水がかりのある個所に施工する場合は、目地材をシーリング目地とし、使用するシーリング材の取り扱い説明書に従ってください。目地幅は3mm以上としてください。

⑤部分弾性接着剤張り ●接着剤はEGR‐Bを使用してください。なお、EGR‐Bをご使用の際は必ず石材裏面にプライマー(MP‐2000 セメダイン製)を塗布して施工してください。

⑦全面接着剤張り

●接着剤(ESK‐E‐81)の混練不良がある場合は使用条件によってシミが発生する場合があります。十分に混練してください。接着剤によるシミの防止を図るために、裏面及びコバ面にシーラー処理をしてください。●目地詰めの際は事前に紙製の幅広テープなどでアーストンを養生してからの施工をおすすめします。目地跡が残る場合があります。また目地材が乾燥する前に丁寧に拭き取ってください。●目地材にスーパークリーン インテリアフロアをご使用される場合は施工後のシミ出し防止のため、あらかじめ石材コバ面にアーストンシーラー(ESK‐SINA/T)を塗布してください(アーストン リビングセレクションを除く)。

⑧セメントペースト張り⑨改良圧着張り

●花崗岩を除く白系の石材や吸水の高い石材(十和田石、ビアンコカララ、ダイヤモンドホワイト)を湿式施工にて施工(張り付け材がモルタルの場合)する場合は白セメントを使用してください。詳細については各商品ページをご確認ください。●目地詰めの際は事前に紙製の幅広テープなどでアーストンを養生してからの施工をおすすめします。目地跡が残る場合があります。また目地材が乾燥する前に丁寧に拭き取ってください。●目地材にスーパークリーン インテリアフロアをご使用される場合は施工後のシミ出し防止のため、あらかじめ石材コバ面にアーストンシーラー(ESK‐SINA/T)を塗布してください(アーストン リビングセレクションを除く)。

⑩圧着張り ●目地詰めの際は事前に紙製の幅広テープなどでアーストンを養生してからの施工をおすすめします。目地跡が残る場合があります。また目地材が乾燥する前に丁寧に拭き取ってください。

タイル張りの設計と施工  アーストンの施工6

アーストン(石材)エレガントグラニット、チャイナグラニット乱形、矩形、スレート、日本の銘石はるかべくん エスグラン、エクセンシア

はるかべくん エスグラン、エクセンシア

乱形、矩形、スレート、日本の銘石

エレガントグラニット、チャイナグラニットエレガントマーブル、mabストーンⅡ

はるかべくん エスグラン、エクセンシアストーンモザイコ

乱形、日本の銘石で厚さが比較的均一で薄いもの(該当するアーストンはESR-N/1B、ESN-H/9になります)

エレガントグラニット、チャイナグラニットエレガントマーブル、mabストーンⅡ

はるかべくん エスグランエクセンシア、ストーンモザイコ

乱形、矩形、スレート、日本の銘石

エレガントグラニット、チャイナグラニット

乱形、矩形、スレート、日本の銘石

エレガントグラニット、チャイナグラニットエレガントマーブル、mabストーンⅡ

アーストンステップⅢ

ストーンモザイコ、上がり框

エレガントグラニット、チャイナグラニットエレガントマーブル、ストーンモザイコmabストーンⅡ、アーストンステップⅢ、上がり框

施工場所外壁

内壁

外床

内床

適用部位壁

下地構成コンクリート躯体

ボード下地

コンクリート躯体

ボード下地

コンクリート躯体

コンクリート躯体

合板下地

施工方法①金具併用部分弾性接着剤張り(FA-S工法) 改良積上げ張り (1.2m未満)②はるかべ工法

②はるかべ工法

 改良積上げ張り(1.2m未満)③点付け施工(3m未満) ③点付け施工(3m未満)④金具併用点付け施工⑤部分弾性接着剤張り(3m未満)⑥金具併用部分弾性接着剤張り

⑦全面接着剤張り

③点付け施工(3m未満)

③点付け施工(3m未満)④金具併用点付け施工⑤部分弾性接着剤張り(3m未満)⑥金具併用部分弾性接着剤張り

⑦全面接着剤張り

⑧セメントペースト張り⑧セメントペースト張り⑨改良圧着張り⑩圧着張り

⑧セメントペースト張り⑧セメントペースト張り⑦全面接着剤張り⑨改良圧着張り⑩圧着張り ⑧セメントペースト張り⑦全面接着剤張り⑩圧着張り ⑦全面接着剤張り

⑦全面接着剤張り

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タイル張りの設計と施工