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オンコタイプDX - SRLオンコタイプDX 8 9 女性の浸潤性(しんじゅんせい)の乳がんで、以下のどちらか であれば、検査を受けることができます。

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●オンコタイプDX

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 乳がんといっても、一人ひとりによって乳がんの特徴は異なっています。たとえば、同じ治療を行っても一人ひとりによって治療の効果には差があります。 オンコタイプDX(ディーエックス)は、このような一人ひとりの違いについて、乳がんの遺伝子を調べることで、ご自身の乳がんが再発する可能性と術後補助療法の治療効果を予測する新しい検査です。 この検査では、乳がんの再発に関連する21種類の遺伝子について調べます。

 乳がんの術後補助療法の選択には、これまで客観的な判断をするために、年齢やがんの大きさ、がんの悪性度(がん細胞の顔つき)などから、乳がんが再発する可能性を予測し、「ホルモン療法」や「化学療法」、または両方を行うかを選択していました。 最近では、これまでの方法に加え、がん細胞の遺伝子検査によって乳がんを調べ、一人ひとりの乳がんが再発する可能性や術後補助療法の治療効果を予測する新しい方法も利用されています。

オンコタイプDXについて乳がんの再発する可能性と術後補助療法の選択について

ホルモン療法

・年齢・がんの大きさ・がんの悪性度・リンパ節転移の有無・ホルモンレセプターや HER2の状態 など

・がん細胞の遺伝子検査

化学療法

手   術

乳がんが再発する可能性を予測

術後補助療法の選択

ホルモン療法

または

●オンコタイプDX

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 オンコタイプDXの検査結果は、乳がんが再発する可能性が0から100の数値で表されます。この数値から「低リスク」「中間リスク」「高リスク」のリスク傾向に分類され(リスクの傾向は数値が小さいほど低リスク傾向となり、数値が高いほど高リスク傾向となります)、ご自身の乳がんが再発する可能性が示されます。

 オンコタイプDXの臨床試験の結果から、「低リスク」ではホルモン療法に化学療法を加えても治療の効果に差がみられず、「高リスク」ではホルモン療法に化学療法を加えることで、効果的な治療が期待できることが示されています。 「化学療法」には強い副作用があることから、不要な「化学療法」をさけるためにも、これまでの方法に加え、この検査の結果をあわせて考えることで、一人ひとりに適した術後補助療法が選択しやすくなります。

検査結果の見かたについて検査の結果と補助療法の選択について

「高リスク」

ホルモン療法+化学療法

「低リスク」

ホルモン療法

50%45%40%35%30%25%20%15%10%5%0%

年間の平均再発率

10

低リスク 中間リスク 高リスク

再発スコア0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50

再発スコアが高いほど、タモキシフェンに化学療法を加えた場合の、治療効果が高いことが予測できます。

●オンコタイプDX

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 女性の浸潤性(しんじゅんせい)の乳がんで、以下のどちらかであれば、検査を受けることができます。 ご自身が検査の対象であるかどうかは、主治医の先生にご確認ください。

 この検査は、すでに手術で取り出した乳がん組織を使って検査を行います。あらたに血液や組織を採取したりすることはありません。 検査に使用する乳がん組織は、日本の検査会社から米国の検査会社に送られて最先端の設備で検査が行われます。

検査の実施方法について

検査の対象者について

リンパ節への転移がない場合エストロゲンレセプターが陽性の方

リンパ節への転移がある場合閉経後で、エストロゲンレセプターまたはプロゲステロンレセプターが陽性の方

 オンコタイプDXは米国で開発された検査です。これまでに海外で4,000人以上の方を対象とした試験が行われた結果、乳がんが再発する可能性を予測できることが、科学的に検証されています。 また、米国では乳がんに対する治療方法を決めるガイドラインにおいて、この検査を行うことが推奨されており、2008年には50カ国から1年間に50,000人以上の方がこの検査を受けています。

 日本人についても、日本の複数施設で200人の方を対象とした共同研究の結果が発表され、米国でのリスク群の比率と同様の傾向であることが確かめられています。

オンコタイプDXの評価について

日本人における評価について