2
住まいの まちなみ 12 住まいのまちなみ コンクール 42 家とまちなみ 76〈2017.11〉 1. 団体の概要 2. 維持管理活動の概要 1)まちなみ形成の時期 1967 年にまちびらきした泉北ニュータウンに位置し、 堺市が低炭素社会の実現をめざした「晴美台エコモデル タウン創出事業」により大和ハウス工業の提案が選ばれ誕 生した。まちづくりは、敷地(小学校跡地)の植物をでき るだけ共有エリアに移植し桜並木を残すこと、隣接する 里山との環境の調和に配慮された(2015年入居完了)。 住戸は、自然エネルギーを活用するパッシブデザイン を採用し、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスを全戸目 指している。太陽光発電パネルの搭載量に配慮した屋根 づくり、さらに、HEMS 導入や SMA×ECO クラウドの 活用により「エネルギーの見える化」、電気自動車による カーシェアリングと自家用車の保有台数削減、共用部の エネルギーの自給自足などの取り組みを実践し、エネル ギーに対する意識をまち全体で高めている。 2)活動の開始時期と活動の経緯 集会所や住宅の植栽の一部を管理することで良好な景 観の維持を図ることを目的に、2013 年 9 月に団地管理組 合法人が設立された(7名の理事と1名の監事で構成)。 管理組合は、共用の太陽光発電システムの売電収入やカ ーシェアリング(車は管理組合が所有し、大和リースが 運営をサポート)の利用料収入がある。 景観協定を制定し、景観協定運営委員会を設置するこ とで、住民自ら協定を運用している。 3 )現在の活動状況 コミュニティ形成活動に重点をおき、イベントによる 交流を積極的に行っている。寄せ植え教室や防災かまど ベンチを使った炊出しなど、景観形成や防災に結びつく ような工夫もしている。また、イベントごとに実行委員 会をつくり、協力可能な有志を募って準備を行っている。 役員は、持ち回り順序をあらかじめ決め、代替わり前 に移行期間を設けて次の代の役員も役員会に出席するこ ととしているほか、理事長は任期後も任意で役員会に出 席するようにしている。 運用基準(細則)に従い景観協定を運用し、判断が難 しい場合に役員会で協議、さらに判断に迷う場合はアン ケートを実施している。 4 )今後の活動方針 イベント活動、自治連合会への参加と共同運営、景観 協定の申請受付、協議、アドプト活動を継続する。一 方、イベントへの参加促進方法や子ども会の運営方法の 検討、植栽管理の見直し、集会所の活用、カーシェアの 運営方法の見直し、ホームページの活用、街区内の交通 安全の促進にあたり、景観協定の細則見直しなどを行う。 ①団体の種別:管理組合 ②団体全体の予算:年間約 547 万円。その内まちなみの植 栽維持管理などに年間約200万円(光熱費8.8万円、施 設費163万円、活動費15.6万円、外部委託費106万円) ③外部委託:大和ライフネクスト(管理事務)、西武造園 (植栽管理)、フルタイム(保守管理)、コラボサービス (WEBサービス)、NEC、大和リース(カーシェア運営) ④共有地:なし ⑤共有物:集会所、蓄電池、防犯カメラ、太陽光発電、防 犯灯、植栽、EV、その他附帯施設 ⑥まちなみのルール:景観協定(2013 年 2 月認可) 34 38 208 泉北タカシマヤ 茶山台小学校 泉北高倉台 郵便局 堺市立三原台中学校 堺東高校 陶器山 堺市立はるみ 小学校 三原台小学校 スマ・エコタウン晴美台 ■地区名(所在地):スマ・エコタウン晴美台(大阪府堺市) ■面積・戸数:1.68ha・65 戸 スマ・エコタウン晴美台 団地管理組合法人 原田直幸

スマ・エコタウン晴美台住まいの まちなみ 賞 第 12回 住まいのまちなみ コンクール 42 まちなみ2. 1. 団体の概要 2. 維持管理活動の概要

  • Upload
    others

  • View
    6

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: スマ・エコタウン晴美台住まいの まちなみ 賞 第 12回 住まいのまちなみ コンクール 42 まちなみ2. 1. 団体の概要 2. 維持管理活動の概要

住まいのまちなみ賞

第12回住まいのまちなみコンクール

42 家とまちなみ 76〈2017.11〉

1. 団体の概要

2. 維持管理活動の概要1)まちなみ形成の時期 1967年にまちびらきした泉北ニュータウンに位置し、堺市が低炭素社会の実現をめざした「晴美台エコモデルタウン創出事業」により大和ハウス工業の提案が選ばれ誕生した。まちづくりは、敷地(小学校跡地)の植物をできるだけ共有エリアに移植し桜並木を残すこと、隣接する里山との環境の調和に配慮された(2015年入居完了)。 住戸は、自然エネルギーを活用するパッシブデザインを採用し、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスを全戸目指している。太陽光発電パネルの搭載量に配慮した屋根づくり、さらに、HEMS 導入や SMA×ECO クラウドの活用により「エネルギーの見える化」、電気自動車によるカーシェアリングと自家用車の保有台数削減、共用部のエネルギーの自給自足などの取り組みを実践し、エネルギーに対する意識をまち全体で高めている。

2)活動の開始時期と活動の経緯 集会所や住宅の植栽の一部を管理することで良好な景観の維持を図ることを目的に、2013年9月に団地管理組合法人が設立された(7名の理事と1名の監事で構成)。管理組合は、共用の太陽光発電システムの売電収入やカーシェアリング(車は管理組合が所有し、大和リースが運営をサポート)の利用料収入がある。 景観協定を制定し、景観協定運営委員会を設置することで、住民自ら協定を運用している。

3)現在の活動状況 コミュニティ形成活動に重点をおき、イベントによる

交流を積極的に行っている。寄せ植え教室や防災かまどベンチを使った炊出しなど、景観形成や防災に結びつくような工夫もしている。また、イベントごとに実行委員会をつくり、協力可能な有志を募って準備を行っている。 役員は、持ち回り順序をあらかじめ決め、代替わり前に移行期間を設けて次の代の役員も役員会に出席することとしているほか、理事長は任期後も任意で役員会に出席するようにしている。 運用基準(細則)に従い景観協定を運用し、判断が難しい場合に役員会で協議、さらに判断に迷う場合はアンケートを実施している。

4)今後の活動方針 イベント活動、自治連合会への参加と共同運営、景観協定の申請受付、協議、アドプト活動を継続する。一方、イベントへの参加促進方法や子ども会の運営方法の検討、植栽管理の見直し、集会所の活用、カーシェアの運営方法の見直し、ホームページの活用、街区内の交通安全の促進にあたり、景観協定の細則見直しなどを行う。

①団体の種別:管理組合②団体全体の予算:年間約547万円。その内まちなみの植

栽維持管理などに年間約200万円(光熱費8.8万円、施設費163万円、活動費15.6万円、外部委託費106万円)

③外部委託:大和ライフネクスト(管理事務)、西武造園(植栽管理)、フルタイム(保守管理)、コラボサービス(WEBサービス)、NEC、大和リース(カーシェア運営)

④共有地:なし⑤共有物:集会所、蓄電池、防犯カメラ、太陽光発電、防

犯灯、植栽、EV、その他附帯施設⑥まちなみのルール:景観協定(2013年2月認可)

泉ヶ丘

34

38

208

泉北タカシマヤ

茶山台小学校

泉北高倉台郵便局

堺市立三原台中学校 堺東高校

陶器山

堺市立はるみ小学校

三原台小学校泉北高速鉄道

スマ・エコタウン晴美台

■地区名(所在地):スマ・エコタウン晴美台(大阪府堺市)■面積・戸数:1.68ha・65戸

スマ・エコタウン晴美台団地管理組合法人

原田直幸

Page 2: スマ・エコタウン晴美台住まいの まちなみ 賞 第 12回 住まいのまちなみ コンクール 42 まちなみ2. 1. 団体の概要 2. 維持管理活動の概要

43家とまちなみ 76〈2017.11〉

(提出図書より一部を抜粋)

①街区内道路沿いのまちなみ②南側斜面より俯瞰する③集会所とカーシェア用の電気自動車④防災かまどベンチ体験⑤斜面地歩行者用通路⑥寄せ植え講習会⑦まちの記録写真展

1

2

3

4

5

6 7

■第12回住まいのまちなみコンクール