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-1- 学校業務アウトソーシング促進事業について ◎事業の概要 調査結果

学校業務アウトソーシング促進事業について 事業の …-3- 業務改善に向けた取組みアイデア 番号 改善アイデア 現状分析 番号 改善アイデア

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学校業務アウトソーシング促進事業について

◎事業の概要

Ⅰ 調査結果

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1 学校現場における課題や意見、状況(把握できた事象等の要約)

○教職員主体での改善に限界を感じている。(長年取り組んでいるが根本的解決ができていない。)

○負担感が大きい業務の特徴(教員免許がなくてもできる業務 教育課程を犠牲にしかねない業務)

○やむを得ず教員が実施し業務量が多い、負担を感じる業務もある。(事業費削減を補完する。)

○長時間労働の要因を改めて認識する機会になった。(モデル校担当者、管理職の意見等)

Ⅱ 現状分析

【学校教職員の取組みや状況】

○自分たちでやることが増えることに大きな抵抗感がある。

○学校毎や学校間の日常の業務上の改善、創意工夫はやり尽くしていると思っている。

○どの程度改革できるか分からない。(労働時間把握できていないため客観的に改善量が推定できない。)

○そもそも時間外労働が避けられない。(児童生徒が下校する時間で勤務時間を終えてしまう。)

【改善の方向性や検討状況】

○学校外部(組織)が主幹する事業やそのやり取りに問題があると感じている。

○学校で実施する必要のない業務を外部委託することが負担感軽減に有効であると認

識している。

○過去実施した教職員ヒアリング等に基づき、土浦市教育委員会が事業化(予算確保)

を推進している取組みもある(校務システム、留守番電話など)。

Ⅲ 教職員の業務改善への支援と推進

1 現状分析結果から実施した業務改善案

○対象地区で焦点化した業務改善案(特に問題意識の高い業務を整理)

表:学校別の業務改善試行

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○業務改善に向けた取組みアイデア番号 改善アイデア 現状分析 番号 改善アイデア 現状分析1 学校環境整備(花壇、樹木etc.)→アウトソーシング 51 ボランティアのコーディネート2 体育祭、入学式、卒業式等の招待状の発送 52 市陸上記録会の意義3 ホームページ管理 53 国籍、交通遺児調査は市で把握しているはずなので、市で行ってもらう。4 給食費市対応 54 調査→学務課 国籍、交通遺児5 給食費の公会計化 55 国籍、交通遺児調査は市で把握しているはずなので、市で行ってもらう。6 給食費の公会計化(保護者が直接納入) 56 調査→学務課 国籍、交通遺児7 給食費未納関係は市教委(市役所)で 57 就業援助費 学校側は申請書のみの提出8 金銭の取扱 給食費は市で 58 殺虫剤散布のお知らせを学校を使わずに回覧板・広報誌で

9 学校施設(体育館・用具の連絡調整)市対応 59 本来の職務以外の仕事を減らす(まつり、英検等、土日夜の会議、作品募集)

10 作品募集の集約 60 学校評価等のアンケート集計と分析11 作品募集の精選、できれば市教委の段階でストップを 61 同じような内容の調査削減12 作品募集の精選、できれば市教委の段階でストップを 62 調査・・・教育委員会の中で収まるものを13 作品募集多い(市主催のものは廃止) 63 提出しなくてもよいという選択はないか14 廃止 ゴミ測定、牛乳パック水洗い、土浦市◯◯主催の作品募集 64 同じような内容の調査削減

15 市民体育祭(手伝い)の運営 65各課から同様の調査が来るが,例えば,「児童生徒の人数と学級数は学務課に提出してあるものを共有する」というように市役所の中で共有することはできないか

16 市民体育祭等の協力 66 例えば,学校改善プラント学力向上プランの二つはまとめられないのか17 市民体育祭の運営、学校とは切り離して 67 同じような内容の調査削減

18 市民体育祭は体協で 68 例えば,市なら市でトータルで学校への依頼がどの程度になっているか一覧を作成するなどして把握できるようにする

19 チラシ、配布物、印刷物の削減 69 年齢・採用からの経験等様々な調査を一括してデータ管理すればよい20 チラシの精選(市PDFメール検討) 70 報告書の精選・簡素化を21 チラシの精選(市PDFメール検討) 71 報告書の精選・簡素化を

22 チラシの配布(自由に持っていく)→(断る) 72 年度末に各学年の校外学習等の在り方を見直し,大幅に削減した。【○小】

23 チラシの分別 73 防災倉庫の管理(市からの委託)24 チラシの精選 74 就学援助関係は市教委(市役所)で25 学校から出るゴミの重さの測定 75 就学支援市対応に26 ゴミ軽量なし 76 金銭の取扱 就学援助費も市が窓口に27 ゴミ測定 77 就学援助費を個人口座へ28 廃止 ゴミ測定、牛乳パック水洗い、A市◯◯主催の作品募集 78 要保護・準要保護家庭の事務手続き、補助金支払い29 毎日の水道使用量の確認 79 要保護・準要保護家庭の事務手続き、補助金支払い

30 廃止 ゴミ測定、牛乳パック水洗い、A市◯◯主催の作品募集 80 書類の印刷(職員会議要項・PTA総会資料、訪問時の指導案、保護者説明会資料等)

31 会計処理を直接業務へ 81 給食指導、休み時間の見守り、校内清掃の指導

32 会計未納家庭への対応と集金(給食費、教材費、修学旅行積立金など) 82 給食指導、休み時間の見守り、校内清掃の指導

33 学校徴収金の学校以外の対応 83 給食指導、休み時間の見守り、校内清掃の指導34 市として各校の学校徴収金の口座振替化の推進およびキャッシュレス化 84 校内清掃

35 諸会計を未納者への対応 85 事務職員(新採、若手)、養護教諭の指導員(主査的な方)を市でおく。(何かあったときに援助指導に行けるように)

36 牛乳パックのリサイクルの廃止 86 プール清掃プール管理37 市民体育祭の企画運営 87 テストの点数の入力38 市民体育祭をもっと地域の方に任せられないか 88 テスト個票の作成39 登下校の安全確保、下校後の見回り 89 賞状の筆耕40 施設管理(戸締りなど)の外部委託、又は管理員にお願いする 90 早朝、夜間等勤務時間外の電話対応41 学校施設の貸し出しも学校ではなく 91 行事の際の会場設営(テント、椅子の設置と撤去)

42 学校の施設貸出し、市が行う(教員はタッチしない)年末年始見回り(市or警備会社) 92 実験準備と片付け

43 選挙等で学校を利用する場合、市役所で対応してほしい 93 定期的な樹木管理

44 学校の施設貸出し、市が行う(教員はタッチしない)年末年始見回り(市or警備会社) 94 就学時健診は学校以外の施設で行う

45 下校指導(パトロール)の外部委託化 95 就学時健康診断(市で)46 休日の花壇の水やり、敷地内の草取り 96 金銭の取扱 その他学校徴収金も業者(旅行積立)47 体力テスト結果入力 97 養護教諭、看護師→大会役員多い48 放射線測定 98 養護教諭の大会への出張、宿泊、各学校行事等の出張を外部委託で49 文書のスリム化・・・市教委による選別、郵送分は配布せず 99 外部コーチによる部活動の指導50 修学旅行の企画 100 部活動の指導

※学校からのアイデア→取組の方向性→担当者会議事の意見等→個別ヒアリング時のコメントなどの協議過程の内容で区別したために,延べ数で提示してあります。

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○実践事例

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Ⅳ 業務改善の検証実験

1 効果測定の考え方

整理した業務改善案の試行による、総労働時間の変化から直接効果を推

定することとした。

(1) 年間業務改善量(時間) E=A×B×C×D (h)

年間業務の発生回数:A 1回当たり改善時間:B

1回当たり関わり人数:C 実施する学校数:D

(2) 年間業務改善量(金額換算) Y=E×時間単価 (円)

外部委託やサービス利用、機器の購入等の場合、その費用(金額)が

妥当性を評価・検討できるよう業務量の金額換算も行った。

2 平成30年度の試行による期待効果(効果想定)

(1) 年間業務改善量(推定)

土浦市教育委員会のご協力(モデル校への意見聴取も実施)のもとで

削減見込みを算定した。

表:年間の業務別の縮減見込み時間

(モデル校教務主任、土浦市教育委員会による試算)

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1つの依頼事項あたり

【費用対効果試算時の考え方例】

時間単価を仮に822円(平成30年10月1日時点の茨城県の最低賃金)とした場合、書

類印刷業務の改善の金額は以下のとおり

600×822=493,200(円/年)

この金額により、多機能印刷機費用と比較することが可能

Ⅴ 試行結果と考察

1 在校時間把握の試行状況

試験的に勤怠管理システムを導入した。職員一人ひとりに非接触IC

カードを貸与し、出勤時および退勤時にカードをかざす機器(センサー)

を設置し、センサーにカードをかざすことで、時刻を記録した。(1月

6日~3月2日のデータを分析)1日2回の打刻ができている人の割合

は下表の『打刻率』のとおりである。モデル校により若干の差異があり、

これは打刻の習慣化に対する意識の差異であることが推定される。

平均在校時間は、学校によって1時間程度の差があり、すべての学校の平均在

校時間は期間中11時間程度となった。このことから、1日あたり平均すると終

業時刻以降3時間程度在校していることとなり、月にすると約60時間程度となる。

なお、部活動指導のある中学校では夏季の6、7月とは1時間以上短い状況であ

ることが考えられる。

番号 対象業務縮減見込み(h)

(1)-① 既存の教材等の利活用 33,600(1)-② 学校へ依頼する業務 24

(2)-① ホームページによる情報発信 864(2)-② 登下校の安全指導業務 3,840(2)-③ 書類の印刷業務 600

(3)-① チラシ等の配布 240(3)-② 学校評価等のアンケートの集計と分析業務 144

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2 在校時間の変化

各校の期間中(1週間単位)の一人当たり在校時間の変化

試行期間中に実施した改善の取組みは、特定の業務であったためすべての職員

の平均では大きな変化はなかった。

3 取組み試行による時間の縮減

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縮減時間のうち業務4~7は今年度中に試行しなかったため見込みである。

試行期間 平成31年2月5日~3月8日

Ⅵ 業務改善案

各業務に記載した時間は、モデル校担当職員による検討会および個別ヒア

リングの結果から試算(年間のその業務担当一人当たりの縮減見込み時間)

したものである。

【外部委託】

1 外部委託する業務のポイント

・業務主体が学校でないこと

(業務主体、依頼組織等の業務改善の余地が見込めるもの)

・教員でなくてもできること

(教育職員免許状を所持しなくてもできること)

・教員以外の専門家が実施する方が、質が高く時間が短くなることが期

待できること

2 改善の例

1 給食費出納、未納管理 →月100分(20分+5分×4+60分)×12か月

:担当者1人当たり年間約20時間

2 学校徴収金管理(給食費以外の教材費、修学 →月40分(20分×2回)

旅行積立金など) :担当者1人当たり年間約8時間

3 学校の施設の年末年始見回り →3回×1時間

業務 :担当者1人当たり年間約3時間

4 毎日の水道使用量の確認業務 →平日10分×約245日(勤務日)

(漏水発生に気づくために実施) :担当者1人当たり年間約41時間

5 休日の花壇・樹木などの世話 →30分×約60日(土日のどちらか1日の頻度)

(教職員だけで育てるケースが多い) :担当者1人当たり年間約30時間

6 体育祭、入学式、卒業式等の →30分×6回+100分×6回

招待状の印刷、封入、発送 :担当者1人当たり年間約13時間

7 校外活動(大会役員等) →8時間×1回

:担当者1人当たり年間約8時間

8 花壇などの学校環境の整備・ →平日20分×約245日(勤務日)

維持(式典装飾、コンクール参加のための植物育成) :担当者1人当たり年間約120時間

9 ホームページによる情報発信 →180分×月に1回~4回

:担当者1人当たり年間約36~144時間

10 登下校の安全指導業務 →平日2時間×4週(20日間)×12か月(最大)

:担当者1人当たり年間約120時間

11 校内清掃業務(児童生徒に実施させられない高 →平日20分×約245日(勤務日)

所などの危険箇所の清掃) :担当者1人当たり年間約120時間

12 早朝、夜管理業務(勤務時間外の電話問合 →平日10分×約245日(勤務日)

せ等への対応) :担当者1人当たり年間約60時間

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13 定期的な樹木管理業務 →8時間×3回/年

:担当者1人当たり年間約24時間

14 行事の際の会場設営(テント、椅子の設 →30分×3回/年

置と撤去)業務 :担当者1人当たり年間約1.5時間

15 給食指導、校内清掃指導、休 →平日30分×約200日(長期休業を除く平日)

み時間見守り :担当者1人当たり年間約100時間

16 プール清掃プール管理業務 →30時間

:担当者1人当たり年間約30時間

17 テスト採点業務より後の点数 →40分×50回

データ入力 :担当者1人当たり年間約33.3時間

18 実験準備と片付け業務 →10分×10回

:担当者1人当たり年間約1.7時間

19 部活動の指導業務

20 体力テスト結果入力業務 →3時間

:担当者1人当たり年間約 3時間

【集約】

1 集約する業務のポイント

・どの学校でも実施していること

・多くの教員が実施していること

・業務依頼元から複数の学校に依頼していること

・業務依頼元の組織内で完結できることや情報共有などの改善余地が見

込まれる業務

・業務依頼元でコスト(人的、金銭的)を負担していないもの

2.改善の例

1 作品応募(図工・美術・国語) → 150分 × 30件

:担当者1人当たり年間約75時間

2 市民体育祭の企画運営(今年 → 事前3時間+当日8時間+事後2時間

度中に検討開始している) :担当者1人当たり年間約13時間

3 校外の主催者や事業者が実施 → 30~60分 × 24回

する行事の企画・運営、調査 :担当者1人当たり年間約12~24時間

等の対応、支援

4 年度当初に実施される行政機 → 4時間

関等からの調査依頼等 :担当者1人当たり年間約 4時間

5 学校から出るゴミの重さの測 → 平日10分 × 約200日

定業務 (長期休業を除く平日)

:担当者1人当たり年間約33.3時間

6 校務以外の体育館・用具利用 → 10分 × 約50日(週1回程度)

など貸出し業務 :担当者1人当たり年間約2.5時間

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7 牛乳パック回収(水洗い、コ → 10分(運搬除く)×約200日

ンテナ収納、運搬) (長期休業を除く平日)

:担当者1人当たり年間約33.3時間

8 放射線量の測定 → 15分 × 約50回

:担当者1人当たり年間約12.5時間

9 就学時健康診断 → 4時間

:担当者1人当たり年間約 4時間

10 校外から表彰される賞状の筆 → 1時間 × 30件

耕業務 :担当者1人当たり年間約30時間

11 チラシ等の配布 → 20分/週 × 約50回

:担当者1人当たり年間約16.7時間

12 校外学習の企画・運営 → 8時間/回 × 約6回

:担当者1人当たり年間約48時間

13 ボランティアのコーディネー → 30分 × 12回

ト :担当者1人当たり年間約 6時間

14 事務職員や養護教諭の援助 → 30分 × 約25回(隔週に1回程度)

:担当者1人当たり年間約12.5時間

15 既存の教材等の利活用(他校 → 5時間/月 × 12か月

教員との情報交換) :年間約60時間

【定型化】

1 集約する業務のポイント

・どの学校でも実施していること

・多くの教員が実施していること

・業務依頼元が1つで複数の学校に依頼していること

2 改善の例

1 学校評価等のアンケート集計 → 15時間 × 2回

と分析業務 :担当者1人当たり年間約30時間

【その他】

1 改善のポイント

・機器やソフトウェアの活用が必須の業務

・機器やソフトウェアの活用で完結せず、残作業がある業務

・機器やソフトウェアの機能や性能が業務効率に影響がある業務

2 改善の例

1 書類の印刷業務 → 1時間/回 × 21回/月 × 12ヶ月 :担当

者1人当たり年間約252時間

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3 成果

(1) モデル校

・学校業務の洗い出しや業務の時間算出をすることにより、長時間労働

の要因を改めて認識してもらうことができた。

・担当者の協議会や各校のヒアリング等により、学校外の意見を伝える

ことができ改善を推進していくことができた。

・勤怠管理の徹底により、日常の時間の使い方、終了時刻を意識した業

務遂行や計画を立ててもらうことができた。

(2) 市教育委員会

・学校現場に依頼する業務の改善に向けて、具体的な検討を推進し、市民運動会の

業務依頼など一部ではあるが改善を促すことができた。

・旧態依然で実施されていた業務の中に、教員の負担感が大きい業務を

認識してもらうことができ、改善へ向けて推進してもらうことができ

た。

・本事業を契機として、市教育委員会として、「働き方改革プラン」の

策定開始を後押しすることができた。

・市教育委員会が以前より整備している市全体で活用できる共通フォル

ダ等の活用方法について検討することを進めることで、個々の教員が

利活用しやすいように、改めて整備し、運用してもらうことができた。

4 本事業から

・学校における業務が旧態依然として行われおり、その全てを教員が担

わなければならないと認識している教員が多い。

・学校には,「これは教員の業務なのか」と疑問に思いながら依頼され

ている業務が多くあることを認識することにより、市教育委員会と学

校が連携をし、教員が本来の業務に専念できる環境を整備するという

共通理解をもってもらうことができた。

・学校業務を外部委託するという発想は、学校現場には薄く、何を外部委託したら

よいかわからないというのが現状である。

・外部委託した業務では、各モデル校とも負担軽減や新たな時間の創出が図られ

た。

・学校業務を洗い出すことにより、本来教員が担わなくてもよい業務について、市

教育委員会と協議することにより、改善できる業務について共通認識をもてたこ

とは、業務縮減に向けて有効であった。

Ⅵ 検討の枠組み

下図のように”プロセスの視点”で委託内容や手順等が明文化されているが委託先の

事業所の選考に重要である。本報告の業務改善案の業務以外の候補から外部委託する業

務を検討する場合、“集約”、“定型化”の視点で改善案を検討し、最後に実施者を検討す

る手順である。

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業務実施状況

1 概略スケジュール

受託時実施計画(平成30年9月27日事前会議)

実施計画変更後(平成30年11月7日以降見直し)

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【資料1】

働き方改革意識調査アンケート項目

第一パート(属性:すべて択一項目)

1. 性別をお答えください

○男性 ○女性

2. 所属されている学校の種別をお答えください

○小学校 ○中学校 ○義務教育学校

3. 職制をお答えください

○管理職 ○非管理職

4. 勤続年数をお答えください

○10年以内 ○11 ~ 20年以内 ○21 ~ 30年以内 ○31 ~ 40年以内 ○41年以上

第二パート

5. 自分自身や同僚・部下が多忙感や負担感を感じる理由・要因として影響が大きい、

または関係が強いものはなんですか(3つまで)

【個人的な視点】

□仕事をすすめるための自分の知識が十分でない

□仕事をすすめるための自分の技術が十分でない

□すすめる手順が分からない仕事が多い(取り掛るまでに時間がかかる、取り掛かって

も手戻りが多い)

□仕事の優先順位(劣後順位)が自分自身で決められない

□成果の質や達成点がよく分からず頑張りすぎる

【マネジメントの視点】

□仕事をすすめる道具(機器、ソフトウェアなど)が十分でない

□不定期または初めて取り組む仕事が多い

□仕事の締切りまでの時間や期間が短い

□一人が担当する仕事の数(種類)が多い

□それぞれの仕事の難易度(手順が複雑、手順が多い、習熟が必要など)が高い

6. 小中学校の教職員の働き方改革が成功する要件として最も重要なものはなんですか

(1つだけ)

○県教委・市教委での取組や支援

○町内会・自治会など地域での取組や支援

○PTAでの取組

○学校組織としての取組(主に管理職による働きかけ)

○教職員自身の取組

7. 勤務時間以外に実施することが多い業務をお答えください(3つ以内:自由記述)

8. 勤務時間外に業務を実施する理由はなんですか(いくつでも)

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□勤務時間内は他の仕事で手一杯

□自分以外の人の都合に合わせている

□仕事の手順の都合

□その他

9. 自宅に持ち帰る(校外に持ち出す)ことが多い業務を教えてください(3つ以内:

自由記述)

10. 業務を自宅に持ち帰る理由はなんですか(いくつでも)

□勤務時間内は他の仕事で手一杯

□集中してまとまった時間がとれる(短時間で処理できる)

□自宅の方がパソコンなどの性能が良く捗る

□その他

11. 働き方改革で期待するものは何ですか?(いくつでも)

□校内にいる時間の短縮

□自宅に持ち帰る仕事の削減

□自分自身の時間の確保(業務上の創意工夫・目標達成、新指導要領の対応準備など)

□児童・生徒と対話する時間の確保

□他の職員との情報交換、協同する時間の確保

□その他

12. 働き方改革をすすめる仲間に向けてメッセージをお願いします!(自由記述)

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【別紙3】

意識調査結果

回答者の属性(問1~4)

問5

自分自身や同僚・部下が多忙感や負担感を感じる理由・要因として影響が大きい、または

関係が強いものはなんですか(3つまで)

【その他】

児童がいるので、帰ってからでないと仕事ができない。

無駄な出張、報告が多く、生徒と過ごす時間が削られている。

【コメント】

番号1、2で自身の専門性と技術への自信の高さがわかる。一方、番号9はほとんどの人

が選択しており、仕事の種類の多さを認識していることから、多忙感につながっていると

推定される。

また、番号4では、実施している本人以上に、上司である教頭からみて頑張りすぎる状況

と指摘がある。これはマネジメント層による指導や助言があっても、教員が自主的に業務

にあたり状況を表しているとも言える。

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問6

小中学校の教職員の働き方改革が成功する要件として最も重要なものはなんですか(1つ

だけ)

【コメント】

学校内の取組みだけでは、今まで以上の改善ができないという意識が強く現れる結果とな

った。

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問7

勤務時間以外に実施することが多い業務をお答えください(3つ以内:自由記述)

【その他】

持ち帰り禁止だから、勤務時間が超過してでも学校で行う。

※ 持ち帰れないから、帰宅が遅くなる

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問8

勤務時間外に業務を実施する理由はなんですか(いくつでも)

【その他】

そもそも、生徒の下校時刻には、すでに勤務時間が終わっている。

部活動指導が生徒指導にも有効であること,また,生徒の成長が楽しみであるということ

【コメント】

その他の意見も合わせて考察すると、児童・生徒たちとの対話や指導、助言などの関わり

を持つのは終業時間近くの児童・生徒が下校時刻まで続いている様子がうかがえる。問10

の回答状況も同様と推定される。

問9

自宅に持ち帰る(校外に持ち出す)ことが多い業務を教えてください(3つ以内:自由記

述)

問10

業務を自宅に持ち帰る理由はなんですか(いくつでも)

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【その他】

家庭でするべきこともあり,職場で残業することができない。

持ち帰りは、原則できないのでは?ほとんどの業務は個人情報がからむので。

基本的に持ち帰らない

読まなければならない文書があれば持ち帰る。

【コメント】

その他の意見も合わせて考察すると、児童・生徒たちとの対話や指導、助言などの関わり

を持つのは終業時間近くの児童・生徒が下校時刻まで続いている様子がうかがえる。問8の

回答状況も同様と推定される。

問11

働き方改革で期待するものは何ですか?(いくつでも)

【その他】

仕事とプライベートの時間のバランスをとること

新規事業の追加に伴う旧事業の削減と教育課程の再編

【コメント】

どの項目も半数以上の結果となった。時間の使い方は、自分の業務時間より児童・生徒と

直接的に関わりを持つ時間の方が優先度が高く、在校時間の短縮を最も期待している状況

であり、改革の難しさが改めて浮き彫りとなった。

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問12

働き方改革をすすめる仲間に向けてメッセージをお願いします!(自由記述)

【コメント】

問6では行政への期待がもっとも強かったが、自分や同僚と一緒に自分たちも変革してい

こうという前向きの意見が寄せられた。

1. 子供と向き合う時間の確保をしてほしい。

2. 慢性疲労を解消しましょう!

3. みんなでアイデアを出して働き方を変えていこう

4. 割り切りましょう!!

5. 自分の時間を確保して、人生を楽しむことができるようにがんばりましょう!

6. 自分自身と児童生徒のための働き方改革を推進しましょう!

7. 頑張りすぎないで,無理は長続きしないから。

8. 自分の時間を大切にしていきましょう。

9. 働き方改革を求めるわたしたちは,けっして安易な方向を志向しているのではありま

せん。わたしたちを取り巻く「良心の搾取」ともいうべきこの状況に対して疑問を投げ

かけ,改善を図ろうとしているのです。

10. 教員になりたい人を増やせるようにしたいです。

11. 業務の効率化を考えていきましょう

12. 早く帰れるようにしていこう

13. 自分を大切にする気持ちが、改革を進める第一歩

14. 私たちは、仕事の手を抜きたいのではありません。減らしたいのではなく、生徒と

過ごす時間を増やしたいのです。そのために、無駄な出張、調査、報告を見直していけ

るように、行政に期待します。

15. 教師が働きやすい環境をみんなでつくっていきましょう。

16. 一つ一つできることから変えていきましょう

17. 生徒が輝き,教師も心の余裕のできる職場を作ろう。

18. 自分の生活,健康を一番に考え働き方の意識改革をしよう