29
1 © 2015 The MathWorks, Inc. カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの開発 MathWorks Japan アプリケーションエンジニアリング部 制御 福井 慶一

カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

1© 2015 The MathWorks, Inc.

カルマンフィルタを用いたバッテリーのSOC推定ロジックの開発

MathWorks Japan

アプリケーションエンジニアリング部 制御

福井 慶一

Page 2: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

2

はじめに

対象者

バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、

実機テスト前に机上検証したい。

お伝えしたいこと

机上検証により開発の方向性を決める道具として、

MATLAB®製品を使ったモデリング・シミュレーションが効果的です、

ということを例題を交えてお伝えしたいと思います。

回路

センサ

バッテリー制御

AD DAS1

S2S3+-

Page 3: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

3

アジェンダ

基礎

– バッテリー

– カルマンフィルタ

応用

– カルマンフィルタを用いたSOC推定ロジック

– 実験データを活用したバッテリーモデル

http://jp.mathworks.com/services/consulting/

コンサルティングサービスの事例紹介

Page 4: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

4

バッテリーは、電気製品全般で幅広く使用

充電可能なリチウムイオンバッテリーが主流

– 電圧(高)、エネルギー密度(大)、サイズ(小)、重量(軽)、継ぎ足し充電可能

バッテリーとは何か?

放電充電

満(Full) 空(Empty)

センサで直接計測できる

電圧

電流

温度

センサで直接計測できない

充電率(残量)

→ 電気製品の使用可能な時間を決める重要な構成要素

𝑽 [𝐕]

𝑰 [𝐀]

𝑻 [℃]

𝑺𝑶𝑪 [%]𝑺𝑶𝑪 = 𝟏𝟎𝟎[%] 𝑺𝑶𝑪 = 𝟎[%]𝑺𝑶𝑪 = 𝟓𝟎[%]

Page 5: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

5

バッテリーに要求されることは?

バッテリーの取り扱いの注意事項→ 過放電、過充電により、急速に劣化、破裂や発火の危険性

サイクル寿命重視:広めの設計マージン(例)SOC:30~70%の間で使う

→ 使えるエネルギーが減少してしまう

効率重視:最小限の設計マージン(例)SOC:10~90%の間で使う

→ エネルギーを最大限に利用できる

回路

センサ

バッテリー制御

AD DAS1

S2S3+

-

バッテリーマネージメントシステム

(BMS)

バッテリーの残量を正しく把握することが

重要

→ 電気製品を長時間使用するために、エネルギーを無駄なく最大限利用

Page 6: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

6

バッテリーの残量を知るには?

充電

放電

満充電容量(Full Charge Capacity)

出入りする電荷量 残量の指標 → 充電率(SOC)(State Of Charge)

低精度の電流センサによる計測誤差

経年劣化に伴い減少

初期値のずれによるバイアス誤差

電流積算法(クーロンカウント法)

欠点は、誤差が蓄積すること

𝑰 < 𝟎

𝑰 ≧ 𝟎

→ 残量は直接計測できないため、電流の積算値を使って算出

𝑭𝑪𝑪

𝑸 𝒕 = 𝟎

𝒕

𝑰 𝝉 𝒅𝝉

𝑺𝑶𝑪 𝒕 = 𝑺𝑶𝑪 𝟎 +𝑸(𝒕)

𝑭𝑪𝑪

Page 7: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

7

デモ電流積算法によるSOC推定精度を確認

高精度の電流センサ

電流積算法電流 充電率𝑰 𝒌 𝑺𝑶𝑪(𝒌)

低精度の電流センサ

電流積算法電流 充電率𝑰 𝒌 𝑺𝑶𝑪(𝒌)

どのような違いが出るのか?

𝑺𝑶𝑪 𝒕 = 𝑺𝑶𝑪 𝟎 +𝑸(𝒕)

𝑭𝑪𝑪

𝑺𝑶𝑪 𝒕 = 𝑺𝑶𝑪 𝟎 +𝑸(𝒕)

𝑭𝑪𝑪

計測誤差:ほぼなし

計測誤差:あり

Page 8: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

8

アジェンダ

基礎

– バッテリー

– カルマンフィルタ

応用

– カルマンフィルタを用いたSOC推定ロジック

– 実験データを活用したバッテリーモデル

Page 9: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

9

カルマンフィルタとは?

プラントモデル(状態空間モデル)を使い、状態量を予測する

① 予測ステップ

② フィルタリングステップ

観測量 を使い、状態量の予測精度を上げる時間

状態

時間

状態

観測量

事前の状態推定値(平均)

事前の誤差共分散行列(分散)

事後の状態推定値(平均)

事後の誤差共分散行列(分散)

→ プラントモデルと観測量から、センサで直接計測できないプラントの状態量を推定する方法(ソフトセンサ)

𝒙−(𝒌)𝑷−(𝒌)

𝒙(𝒌)𝑷(𝒌)

1ステップ先

𝒚(𝒌)

Page 10: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

10

カルマンフィルタの状態推定のイメージは?

時間

状態

・・・・・

𝒙−(𝒌) 𝒚(𝒌)

𝒚(𝟎)

𝒚(𝟏)

𝒚(𝟐)

𝒚(𝒌)

事前の状態推定値

観測量

→ 時間経過と伴に、分散が小さくなり、状態推定値の精度は向上

𝒙 (𝒌)

事後の状態推定値

𝒙(𝟏)●

𝒙 (𝟎)

𝒙(𝟐)●

● 𝒙(𝒌)

𝒙−(𝟏)

𝒙−(𝟐)

𝒙−(𝒌)

平均

𝑷−(𝒌)分散

平均

分散 𝑷(𝒌)

Page 11: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

11

カルマンフィルタをブロック線図で描くと?

プラント(実機)

システムノイズ 観測ノイズ

状態空間方程式

カルマンゲイン

観測量の推定値

状態推定値

+ +

+

+ + 𝒚(𝒌)観測値

𝒖(𝒌)制御入力

𝒚−(𝒌)

𝒙 (𝒌)

観測方程式 𝒙− 𝒌 = 𝑨 𝒙 𝒌 − 𝟏 + 𝑩 𝒖(𝒌 − 𝟏)

𝒙−(𝒌)

事前の状態推定値

平均

𝑷−(𝒌)分散

事後の状態推定値

𝒙 (𝒌)平均

𝑷 (𝒌)分散

𝒚− 𝒌 = 𝑪 𝒙− 𝒌

𝒗(𝒌) 𝒘(𝒌)

𝒈 𝒌

𝒙(𝟎)平均

𝑷(𝟎)分散

状態推定値の初期値

分散 分散

𝑸 𝑹

Page 12: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

12

カルマンフィルタのSimulinkモデル

プラント(実機)

システムノイズ 観測ノイズ

観測量の推定値

状態推定値

+ +

+ + 𝒚(𝒌)観測値

𝒖(𝒌)制御入力

𝒚(𝒌)

𝒙 (𝒌)

𝒗(𝒌) 𝒘(𝒌)

𝒙(𝟎)平均

𝑷(𝟎)分散

状態推定値の初期値

設定するパラメータ

𝒚 𝒌 = 𝑪 𝒙 𝒌 + 𝑫 𝒖(𝒌)

𝒙 𝒌 + 𝟏 = 𝑨 𝒙 𝒌 + 𝑩 𝒖(𝒌)

状態空間方程式

観測方程式

分散 分散

𝑸 𝑹

𝒗(𝒌)の分散 𝑸 𝒘(𝒌)の分散 𝑹

Page 13: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

13

デモカルマンフィルタによる状態推定の効果を確認

プラント(実機)

システムノイズ 観測ノイズ

+ +

+ + 𝒚(𝒌)観測値

𝒖(𝒌)制御入力

𝒗(𝒌) 𝒘(𝒌)

分散 分散𝑸 = 𝟏 𝑹 = 𝟏

𝒙𝟏(𝒌 + 𝟏)𝒙𝟐(𝒌 + 𝟏)𝒙𝟑(𝒌 + 𝟏)

=𝟏. 𝟏𝟐𝟔𝟗 −𝟎. 𝟒𝟗𝟒𝟎 𝟎. 𝟏𝟏𝟐𝟗

𝟏 𝟎 𝟎𝟎 𝟏 𝟎

𝒙𝟏(𝒌)𝒙𝟐(𝒌)𝒙𝟑(𝒌)

+−𝟎. 𝟑𝟖𝟑𝟐𝟎. 𝟓𝟗𝟏𝟗𝟎. 𝟓𝟏𝟗𝟏

𝒖 𝒌 + 𝒗(𝒌)

𝒚 𝒌 = 𝟏 𝟎 𝟎

𝒙𝟏 𝒌

𝒙𝟐 𝒌

𝒙𝟑 𝒌

+𝐰 𝒌

状態方程式

観測方程式

現ステップの状態量

観測量

次ステップの状態量

1入力1出力システム 状態量(3つ)

𝒙𝟏 𝒌 計測可 𝒙𝟐 𝒌 、𝒙𝟑 𝒌 計測不可

𝑨 𝑩

𝑪

Page 14: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

14

アジェンダ

基礎

– バッテリー

– カルマンフィルタ

応用

– カルマンフィルタを用いたSOC推定ロジック

– 実験データを活用したバッテリーモデル

http://jp.mathworks.com/services/consulting/

コンサルティングサービスの事例紹介

Page 15: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

15

文献“SAE 2013: Simplified Extended Kalman Filter Observer for Battery SOC Estimation “http://www.mathworks.com/tagteam/76108_SAE%202013%20-%20Simplified%20EKF%20Battery%20Model.pdf

『カルマンフィルタを用いたリチウムイオンバッテリーのSOC推定ロジック』→ 詳細は下記文献を参照(ピサ大学の教授、弊社エンジニアとの共同執筆)

SOCの初期値をずらす 低精度の電流センサを使う

高精度の電流センサを使う

時間経過するとほぼ一致

電流積算法によるSOCの蓄積誤差を、カルマンフィルタを用いたSOC推定ロジックで定期的に補正する。

Page 16: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

16

カルマンフィルタを用いたバッテリーのSOC推定ロジックのブロック線図

バッテリー

システムノイズ 観測ノイズ

状態空間方程式

カルマンゲイン

開回路電圧の推定値

SOC推定値

+ +

+

+ + 𝑶𝑪𝑽(𝒌)開回路電圧

𝑰(𝒌)電流

𝑶 𝑪𝑽−(𝒌)

𝑺 𝑶𝑪 (𝒌)

𝑺 𝑶𝑪− 𝒌 = 𝑺 𝑶𝑪 𝒌 − 𝟏 +𝑻𝒔𝑭𝑪𝑪

𝑰(𝒌 − 𝟏)

𝑺 𝑶𝑪−(𝒌)

事前の状態推定値

𝑷−(𝒌)

事後の状態推定値

𝑺 𝑶𝑪 (𝒌)

𝑷 (𝒌)

𝒗(𝒌) 𝒘(𝒌)

𝒈 𝒌

𝑺 𝑶𝑪(𝟎)平均

𝑷(𝟎)分散

状態推定値の初期値

等価回路モデル

+

𝑽𝒕(𝒌)端子電圧

観測方程式

𝑶 𝑪𝑽− 𝒌

= 𝒉 𝑺 𝑶𝑪− 𝒌

𝑺𝑶𝑪

𝑶𝑪𝑽

Page 17: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

17

高精度の電流センサ

電流積算法電流 充電率𝑰 𝒌 𝑺𝑶𝑪(𝒌)

低精度の電流、電圧センサ

カルマンフィルタ電流

充電率𝑰 𝒌

𝑺𝑶𝑪(𝒌)

どのような違いが出るのか?

𝑺𝑶𝑪 𝒕 = 𝑺𝑶𝑪 𝟎 +𝑸(𝒕)

𝑭𝑪𝑪

デモカルマンフィルタを用いたSOC推定ロジックの効果を確認

端子電圧 𝑽 𝒌

計測誤差:ほぼなし

計測誤差:あり

Page 18: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

18

アジェンダ

基礎

– バッテリー

– カルマンフィルタ

応用

– カルマンフィルタを用いたSOC推定ロジック

– 実験データを活用したバッテリーモデル

Page 19: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

19

<課題>

バッテリーは、複雑な化学反応が絡む。

物理化学法則に基づき、

数学モデルを構築すると、

非常に複雑になってしまう。

制御系設計や状態推定には、どのようなバッテリーモデルが必要なのか?→ シンプル・精度・計算速度を兼ね備えたバッテリーモデルが必要

𝑂2 + 2𝐻2𝑂 + 4𝑒− → 4𝑂𝐻−

𝐿𝑖 → 𝐿𝑖+ + 𝑒−

4𝐿𝑖 + 𝑂2 + 2𝐻2𝑂 → 4𝐿𝑖𝑂𝐻

<解決策>

実験データを活用したモデリングを行う。

バッテリーモデル

実験データ電流 端子電圧

Page 20: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

20

実験データに活用したバッテリーのモデリングとは?

入力信号電流I

出力信号端子電圧V

バッテリー(等価回路モデル)

バッテリー(実物)

=

×

○電流 端子

電圧

C1 C2

R1 R2

R0Em

→ 等価回路モデルの構築+ 実験データを活用したパラメータ同定

2 2

1

21

Page 21: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

21

バッテリーの等価回路モデルの構造は?

抵抗電解質など

過渡応答に寄与

RC1

インピーダンス電荷移動/拡散に伴う速い/遅い応答が混在

C1(SOC,T)

R0(SOC,T)

開回路電圧OCV

+

電流I

端子電圧V

Em

SOC

1

SOC

0.9

SOC

0.8…

SOC

0

5°C 4.20 V 4.10 V 4.05 V … 3.50 V

20°C 4.18 V 4.07 V 4.02 V … 3.49 V

40°C 4.15 V 4.02 V 3.97 V … 3.43 V

R1(SOC,T) R2(SOC,T)

C2(SOC,T)

RC2

バッテリーの材料等で、RC並列回路の数が変わる 各回路パラメータは、温度・SOCに応じて変わる

Em(SOC,T)

→ 非線形特性をもつ電圧源、抵抗、RC並列回路で構成

Page 22: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

22

等価回路モデルのパラメータ同定に必要な実験データは?

バッテリー(恒温槽に入れる)

- +

電子負荷装置

+- 電流

電圧

計測器

+ -

パルス電流を引き出す(温度を極力一定に保つ)

端子電圧を計測する(放電に伴い電圧低下)

温度 T [℃]

0 ℃

20 ℃

40 ℃・・

→ バッテリーを等温に保ち、パルス電流を引き出したときの端子電圧を計測

Page 23: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

23

デモリチウムイオンバッテリーモデルの実験データに基づくパラメータ同定

RC1

C1(SOC)

R0(SOC)

+

電流I

端子電圧V

R1(SOC)

Em(SOC)

Em

SOC

1

SOC

0.9

SOC

0.8…

SOC

0

20°C … V … V … V … … V

R0

SOC

1

SOC

0.9

SOC

0.8…

SOC

0

20°C … Ω … Ω … Ω … … Ω

R1

SOC

1

SOC

0.9

SOC

0.8…

SOC

0

20°C … Ω … Ω … Ω … … Ω

C1

SOC

1

SOC

0.9

SOC

0.8…

SOC

0

20°C … F … F … F … … F

温度20℃で、SOC=0、0.1、・・・、1のときの等価回路モデルのパラメータを推定する

Page 24: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

24

応用例このバッテリーの等価回路モデルは、様々なロジック開発に利用できます

電流

電圧

SOC

温度

電流

電圧

SOC

温度

電流

電圧

SOC

温度

セル パック システム

Page 25: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

25

説明内容の振り返りと使用製品

SOC推定ロジック

電流

端子電圧

電流

電圧

SOC

温度

基本環境 MATLAB®

Simulink®

制御系設計 Control System Toolbox™

電気系/熱系モデリング Simscape®

SimElectronics™

パラメータ同定 Simulink Design Optimization™ Optimization Toolbox™

バッテリーモデルカルマンフィルタ

充電率𝑰 𝒌

𝑺𝑶𝑪(𝒌)

𝑽 𝒌 電気回路+熱回路

パラメータ同定

Page 26: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

26

まとめバッテリーモデルを活用した制御・状態推定ロジックの机上検証にご関心のある方は、評価版のご利用やコンサルティングサービスをご活用下さい。

http://jp.mathworks.com/services/consulting/https://jp.mathworks.com/programs/trials/trial_

request.html?eventid=492862641&s_iid=coabt

_trial_abtus_bod

製品評価版のお申し込み(無料:30日間)

コンサルティングサービス(有償)

Page 27: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

27

参考情報リチウムイオンバッテリーの等価回路モデル(RC並列回路が1個)のパラメータ同定

文献IEEE 2012: “Lithium Battery Model with Thermal Effect” http://www.mathworks.com/tagteam/71900_IEEE%202012%20High%20Fidelity%20Lithium%20Battery%20Model%20with%20Thermal%20Effect.pdf

Webセミナー『実験データを活用したリチウムイオンバッテリーの等価回路モデルの作成方法』http://jp.mathworks.com/videos/how-to-create-an-equivalent-circuit-model-of-lithium-ion-battery-using-experimental-data-82369.html

Page 28: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

28

参考情報リチウムイオンバッテリーの等価回路モデル(RC並列回路が複数個)のパラメータ同定

文献“Automating Battery Model Parameter Estimation using Experimental Data”http://www.mathworks.com/tagteam/76117_SAE%203013%20-%20Battery%20Estimation%20Layered%20Technique.pdf

Webセミナー『実験データを活用したリチウムイオンバッテリーの等価回路モデルの作成方法』http://jp.mathworks.com/videos/automating-battery-model-parameter-estimation-using-experimental-data-81987.html?form_seq=conf1386&elqsid=1441987164633&potential_use=Commercial&country_code=JP

Page 29: カルマンフィルタを用いた バッテリーのSOC推定ロジックの …...2 はじめに 対象者 バッテリーの制御・状態推定ロジックの効果を、 実機テスト前に机上検証したい。お伝えしたいこと

29

© 2015 The MathWorks, Inc. MATLAB and Simulink are registered trademarks of The MathWorks, Inc. See www.mathworks.com/trademarks for a list of additional trademarks. Other product or brand names may be trademarks or registered trademarks of their respective holders.

Accelerating the pace of engineering and science