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113-8612 東京都文京区本駒込 1-7-10 TEL.03-5395-7630 FAX.03-5395-7633 http:// www.ishiyaku.co.jp/ インプラントにおける磁性アタッチメントのパイオニア 田中譲治先生の 多岐にわたる臨床と理論を具体的に示した集大成といえる待望の書! 田中 譲治 A4判/140頁/オールカラー  ■定価:(本体11 ,000円+税) ISBN978-4-263-44369-9 インプラントオーバーデンチャーの現状 無歯顎インプラント補綴の分類とその留意点 インプラントオーバーデンチャーの必要性 インプラントオーバーデンチャーの利点 インプラントオーバーデンチャー施術上の注意点 インプラントオーバーデンチャーの設計指針 (リジッドIOD,フレキシブルIOD維持装置の選択 磁性アタッチメントの利用 無口蓋義歯の製作ポイント すれ違い咬合への対応について コンビネーションシンドロームについて インプラントオーバーデンチャーのメインテナンス インプラントオーバーデンチャーへの 設計変更必要度レベル評価 インプラントオーバーデンチャーの展望 ⅩⅠ ⅩⅡ ⅩⅢ ⅩⅣ C O N T E N T S インプラント オーバーデンチャー基本 臨床 磁性アタッチメントを中心に Fundamentals and clinical applications of implant overdentures Focused on applying magnetic attachments 少数のインプラントで高い治療効果を得ることができ,多数歯 欠損へのインプラント応用も簡便となる,インプラントオー バーデンチャーについて,多数の代表症例を提示しなが ら,基本から臨床応用までのすべてを明解に解説した インプラントオーバーデンチャーの手引き書. ◆インプラントオーバーデンチャーを扱うにあたり,これだけは 知っておきたい基本事項や,失敗しないための留意点,そしてインプラ ント適応症を大幅に広げる活用法などをあますところなく提示. ◆長期経過症例をまじえた約90症例におよぶ代表臨床例を提示しな がらのわかりやすい解説. ◆維持装置の選択指針,数々の補綴設計のチャート,すれ違い咬合や 無口蓋デンチャー製作のポイント,そして長寿社会へ向けての対応な どについても必見. 本書の特徴 13 a b 図Ⅲ‒3ab インプラントは歯冠は取り戻せても顎堤は 取り戻せない.顎堤吸収が進んでいる場合には有床義 歯のフレンジ(義歯床)にて形態回復する必要がある a b 図Ⅲ‒4ab 顎堤吸収が進んでいる場合は,歯冠の位置と顎堤の位置の不一致のため軸傾斜を強くしなけれ ばならず,力学的にも審美的にも問題を起こしやすい インプラント補綴における咬合平面から顎堤までの長さによる指針 Crown Bridge Hybrid Over denture ~12mm 中切歯の長さ 平均 10.5mm 12~15mm 15mm~ 図Ⅲ‒2 咬合平面から顎堤までの長さによる「クラウン・ブリッジ・タイプ」,「ハイ ブリッド・タイプ」,「オーバーデンチャー・タイプ」の推奨補綴の選択指針2230ただし,実際の選択においては患者のニーズも含めたさまざまな項目を鑑みて決定 する 102 欠損歯列を考えるにあたり,前述したように残存歯の歯周組織や齲蝕罹患の状態 とともに,対合関係などから欠損歯列病態の悪化スピードを診査診断することが肝 要である135,136).そして,補綴介入においては受圧・加圧条件や咬合支持の改善を検 討することが望まれるが,その際に最も優れた効果を得ることができるのがインプ ラント治療といえよう137).インプラントオーバーデンチャーの設計においても,骨 量が十分であれば対合歯のある部位にインプラントを植立することで優れたフォー スコントロールができ,欠損歯列病態の進行を防止することができる. すれ違い咬合への対応について 図Ⅹ‒1ac 75歳女性.すれ違い咬合で義歯不安定で来院.インプラントオーバーデンチャーにより優れた 効果が得られた(aは初診時,bcは術後の口腔内写真) b c a 69 9 磁性アタッチメントの使用目的による分類 113,114Tanaka & HoshinoType R 使用 Type SR 使用 Type BSR 使用 特 徴 維持(retention)のみを主たる目的と し,支持と把持を期待しない使用法 ・支台の保護を重視した設計 維持のみでなく支持(support)をも 目的とした使用法 ・咬合力向上および咬合支持の改善 を期待した設計 維持,支持のみならず把持(bracing) も目的とする使用法 ・機能回復を重視した設計 構造および使用方法 ・義歯内面とキーパー側面に間隙を 確保し側方力が逃げる構造とする ・咬合支持の改善を期待しない部位 (おもに前歯部)に使用,あるいは, マグネット取り付けに弾性材料を 使用する ・義歯内面とキーパー側面に間隙を 確保し側方力が逃げる構造とする ・咬合支持の改善を期待する部位(お もに臼歯部)に使用 ・義歯内面とキーパー側面に間隙を 設けず把持効果の出る構造とする ・状態の良好な多数支台の使用 支台条件 支台条件良好でなくても適応可 (インプラントを支台とする場合,上 顎長さ 10mm 以上,下顎 8mm 以上, ナローサイズ以上が埋入可能な骨量) 支台条件不良は不適 (インプラントを支台とする場合,長 さ 10mm 以上,レギュラーサイズ以 上が埋入可能な骨量) 支台条件良好が必須 (インプラントを支台とする場合,長 さ 10mm 以上,レギュラーサイズ以 上が埋入可能な骨量) ※動揺度,歯周ポケット,歯槽骨の吸収,残存歯質などによって判定.支台装置の三大機能である維持・支持・把持に基づいて分類さ れており,機能回復の達成目標,支台・骨量の状態などから検討し,磁性アタッチメント補綴の設計指針となる 図Ⅷ‒32ac 6Type R使用(ソフト・デザイン).維持(Retention)のみを主たる目的とし,支持および把持 を期待しない磁性アタッチメントの使用法.構造としては,側方力を逃がせるように義歯内面とキーパー側面 に間隙を確保する.咬合支持を臼歯部粘膜に期待する設計とした「支台の保護」を重視した補綴設計となる. 臼歯部の骨量不足の場合の設計.適用インプラントは上顎長さ10mm以上,下顎8mm以上ナローサイズ以上 a b c 図Ⅷ‒33ac 6Type SR使用(サポート・デザイン).維持のみでなく支持(Support)をも目的とし,咬合支 持の改善も期待する磁性アタッチメントの使用法.構造としては,側方力を逃がせるように義歯内面とキー パー側面に間隙を確保する.支台により咬合支持の改善を期待する設計であるが,把持機能を持たない構造で あるため,支台に負担のかかりづらい磁性アタッチメントならではの補綴設計となる.臼歯部の骨量が十分な 場合の設計.適用インプラントは長さ10mm以上,レギュラーサイズ以上 a b c 図Ⅷ‒34ac 6Type BSR使用(リジッド・デザイン).維持・支持のみならず把持(Bracing)も目的とし, 確実なリジッドサポートを期待する磁性アタッチメントの使用法.構造としては,義歯内面とキーパー側面に 設けず把持機能を持つ.機能回復を重視した補綴設計となる.骨量が十分で多数のインプラントを使用 計.適用インプラントは長さ10mm以上,レギュラーサイズ以上 a b c d 図Ⅷ‒48d 3ヵ月の免荷期間 経過後,最終補綴を製作する. キーパーを接続した状態.な お, 33 でなく 22 にインプ ラントを植立することで,前方 での咬合で前後的義歯の転覆を 防ぐことができる e 図Ⅷ‒48e レジンキャップ付マ グネットのレジンキャップ辺縁 を周囲歯肉に合うように調整し たのち,キーパーに吸着させ る.確実に吸着できているか確 認後,この状態で義歯の印象採 得を行い,義歯を製作していく f 図Ⅷ‒48f 義歯粘膜面凹部に即 時重合レジンを少量のみ盛り, 口腔内に適合させる.この操作 は義歯とレジンキャップ付マグ ネットの位置決めのためのみな ので,遁路をあける必要はな い.なお,即時重合レジンのス ペースを確実に確保するため, 凹部を一層削ってから行う g 図Ⅷ‒48g レジンキャップによ り,アンダーカットへの即時重 合レジンの流れ込みを防止でき るため,確実に硬化するまで待 つことができる.未重合で外す とマグネットの浮き上がりの原 因となるので十分注意する h 図Ⅷ‒48h 硬化後,義歯を外し てレジンキャップ辺縁と義歯粘 膜凹部との多少の隙間の修正に より,容易に完成される i 図Ⅷ‒48i 維持安定もよく,咀 嚼障害の回復ができた.清掃性 や取り扱いに優れ経過も良好 図Ⅷ‒48a 78歳女性.高度な骨 吸収のため,義歯不安定および 義歯疼痛を主訴で来院.外科的 侵襲や経済性から2本のみのイ ンプラント植立を計画 b 図Ⅷ‒48b 臼歯部の骨量がない ため 22 に植立してType R使 用(ソフト・デザイン)の設計 とした.磁性アタッチメントは 植立位置や方向の制約が少ない ため,施術は比較的容易である c 図Ⅷ‒48c あらかじめマグネッ トにレジンキャップを付与して おくことを推奨している.各種 インプラント対応MACS Sys- temhttp://www.macssystem. jp/) a j 図Ⅷ‒48j パノラマエックス線写真.高度な骨吸収が認められるが, インプラント・マグネットデンチャーにより「機能回復」と「支台お よび顎堤保全」の調和のとれた設計ができたと考えられる ≪磁性アタッチメントインプラントオーバーデンチャーの術式≫

インプラントにおける磁性アタッチメントのパイオ …(リジッドIOD,フレキシブルIOD) 維持装置の選択 磁性アタッチメントの利用 無口蓋義歯の製作ポイント

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Page 1: インプラントにおける磁性アタッチメントのパイオ …(リジッドIOD,フレキシブルIOD) 維持装置の選択 磁性アタッチメントの利用 無口蓋義歯の製作ポイント

〒113-8612 東京都文京区本駒込 1-7-10TEL.03-5395-7630 FAX.03-5395-7633http: // www.ishiyaku.co.jp/

インプラントにおける磁性アタッチメントのパイオニア田中譲治先生の多岐にわたる臨床と理論を具体的に示した集大成といえる待望の書!

田中 譲治 著

■A4判/140頁/オールカラー ■定価:(本体11,000円+税)ISBN978-4-263-44369-9

インプラントオーバーデンチャーの現状無歯顎インプラント補綴の分類とその留意点インプラントオーバーデンチャーの必要性インプラントオーバーデンチャーの利点インプラントオーバーデンチャー施術上の注意点インプラントオーバーデンチャーの設計指針(リジッドIOD,フレキシブルIOD)維持装置の選択磁性アタッチメントの利用無口蓋義歯の製作ポイントすれ違い咬合への対応についてコンビネーションシンドロームについてインプラントオーバーデンチャーのメインテナンスインプラントオーバーデンチャーへの設計変更必要度レベル評価インプラントオーバーデンチャーの展望

ⅠⅡⅢⅣⅤⅥ

ⅦⅧⅨⅩⅩⅠⅩⅡⅩⅢ

ⅩⅣ

C O N T E N T S

インプラントオーバーデンチャーの基本と臨床磁性アタッチメントを中心に

Fundamentals and clinical applications of implant overdenturesFocused on applying magnetic attachments

少数のインプラントで高い治療効果を得ることができ,多数歯欠損へのインプラント応用も簡便となる,インプラントオーバーデンチャーについて,多数の代表症例を提示しながら,基本から臨床応用までのすべてを明解に解説したインプラントオーバーデンチャーの手引き書.

◆インプラントオーバーデンチャーを扱うにあたり,これだけは知っておきたい基本事項や,失敗しないための留意点,そしてインプラント適応症を大幅に広げる活用法などをあますところなく提示.◆長期経過症例をまじえた約90症例におよぶ代表臨床例を提示しながらのわかりやすい解説.◆維持装置の選択指針,数々の補綴設計のチャート,すれ違い咬合や無口蓋デンチャー製作のポイント,そして長寿社会へ向けての対応などについても必見.

本書の特徴

13

Ⅲインプラントオーバーデンチャーの必要性

a b

図Ⅲ‒3a,b インプラントは歯冠は取り戻せても顎堤は取り戻せない.顎堤吸収が進んでいる場合には有床義歯のフレンジ(義歯床)にて形態回復する必要がある

a b

図Ⅲ‒4a,b 顎堤吸収が進んでいる場合は,歯冠の位置と顎堤の位置の不一致のため軸傾斜を強くしなければならず,力学的にも審美的にも問題を起こしやすい

インプラント補綴における咬合平面から顎堤までの長さによる指針

CrownBridge

Hybrid Overdenture

~12mm

中切歯の長さ平均 10.5mm

12~15mm 15mm~

図Ⅲ‒2 咬合平面から顎堤までの長さによる「クラウン・ブリッジ・タイプ」,「ハイブリッド・タイプ」,「オーバーデンチャー・タイプ」の推奨補綴の選択指針22~30).ただし,実際の選択においては患者のニーズも含めたさまざまな項目を鑑みて決定する

102

 欠損歯列を考えるにあたり,前述したように残存歯の歯周組織や齲蝕罹患の状態

とともに,対合関係などから欠損歯列病態の悪化スピードを診査診断することが肝

要である135,136).そして,補綴介入においては受圧・加圧条件や咬合支持の改善を検

討することが望まれるが,その際に最も優れた効果を得ることができるのがインプ

ラント治療といえよう137).インプラントオーバーデンチャーの設計においても,骨

量が十分であれば対合歯のある部位にインプラントを植立することで優れたフォー

スコントロールができ,欠損歯列病態の進行を防止することができる.

Ⅹすれ違い咬合への対応について

図Ⅹ‒1a~c 75歳女性.すれ違い咬合で義歯不安定で来院.インプラントオーバーデンチャーにより優れた効果が得られた(aは初診時,b,cは術後の口腔内写真)

b c

a

69

Ⅷ磁性アタッチメントを用いた補綴設計

表 9 磁性アタ

ッチメントの

使用目的によ

る分類113,114)(Tanaka & Hoshino)

Type R 使

Type SR 使

Type BSR

使用

特 徴

維持(reten

tion)のみを

主たる目的と

し,支持と把

持を期待しな

い使用法

・支台の保護

を重視した設

維持のみでな

く支持(sup

port)をも

目的とした使

用法

・ 咬合力向上

および咬合支

持の改善

を期待した設

維持,支持の

みならず把持

(bracing)

も目的とする

使用法

・機能回復を

重視した設計

構造および使

用方法

・ 義歯内面と

キーパー側面

に間隙を

確保し側方力

が逃げる構造

とする

・ 咬合支持の

改善を期待し

ない部位

(おもに前歯

部)に使用,

あるいは,

マグネット取

り付けに弾性

材料を

使用する

・ 義歯内面と

キーパー側面

に間隙を

確保し側方力

が逃げる構造

とする

・ 咬合支持の

改善を期待す

る部位(お

もに臼歯部)

に使用

・ 義歯内面と

キーパー側面

に間隙を

設けず把持効

果の出る構造

とする

・状態の良好

な多数支台の

使用

支台条件*

支台条件良好

でなくても適

応可

(インプラン

トを支台とす

る場合,上

顎長さ10 m

m以上,下顎

8 mm以上,

ナローサイズ

以上が埋入可

能な骨量)

支台条件不良

は不適

(インプラン

トを支台とす

る場合,長

さ 10 mm

以上,レギュ

ラーサイズ以

上が埋入可能

な骨量)

支台条件良好

が必須

(インプラン

トを支台とす

る場合,長

さ 10 mm

以上,レギュ

ラーサイズ以

上が埋入可能

な骨量)

※動揺度,歯

周ポケット,

歯槽骨の吸収

,残存歯質な

どによって判

定.支台装置

の三大機能で

ある維持・支

持・把持に基

づいて分類さ

れており,機

能回復の達成

目標,支台・

骨量の状態な

どから検討し

,磁性アタッ

チメント補綴

の設計指針と

なる

図Ⅷ‒3‒2a

~c6) Type R使

用(ソフト・

デザイン).

維持(Retention)の

みを主たる目

的とし,支持

および把持

を期待しない

磁性アタッチ

メントの使用

法.構造とし

ては,側方力

を逃がせるよ

うに義歯内面

とキーパー側

に間隙を確保

する.咬合支

持を臼歯部粘

膜に期待する

設計とした「

支台の保護」

を重視した補

綴設計となる

臼歯部の骨量

不足の場合の

設計.適用イ

ンプラントは

上顎長さ 10 mm以上

,下顎8 mm以上

ナローサイズ

以上

a

b

c

図Ⅷ‒3‒3a

~c6) Type SR使用

(サポート・

デザイン).

維持のみでな

く支持(Support)を

も目的とし,

咬合支

持の改善も期

待する磁性ア

タッチメント

の使用法.構

造としては,

側方力を逃が

せるように義

歯内面とキー

パー側面に間

隙を確保する

.支台により

咬合支持の改

善を期待する

設計であるが

,把持機能を

持たない構造

あるため,支

台に負担のか

かりづらい磁

性アタッチメ

ントならでは

の補綴設計と

なる.臼歯部

の骨量が十分

場合の設計.

適用インプラ

ントは長さ 10 mm以上

,レギュラー

サイズ以上

a

b

c

図Ⅷ‒3‒4a

~c6) Type BSR使用

(リジッド・

デザイン).

維持・支持の

みならず把持

(Bracing)も目的と

し,

確実なリジッ

ドサポートを

期待する磁性

アタッチメン

トの使用法.

構造としては

,義歯内面と

キーパー側面

間隙を設けず

把持機能を持

つ.機能回復

を重視した補

綴設計となる

.骨量が十分

で多数のイン

プラントを使

できる場合の

設計.適用イ

ンプラントは

長さ 10 mm以上,レギ

ュラーサイズ

以上a

b

c

80

d

図Ⅷ‒4‒8d

 約 3ヵ月の免荷

期間

経過後,最終

補綴を製作す

る.

キーパーを接

続した状態.

お,3 3 でな

く 2 2 にインプ

ラントを植立

することで,

前方

での咬合で前

後的義歯の転

覆を

防ぐことがで

きる

e

図Ⅷ‒4‒8e

 レジンキャ

ップ付マ

グネットのレ

ジンキャップ

辺縁

を周囲歯肉に

合うように調

整し

たのち,キー

パーに吸着さ

る.確実に吸

着できている

か確

認後,この状

態で義歯の印

象採

得を行い,義

歯を製作して

いく

f

図Ⅷ‒4‒8f 

義歯粘膜面凹

部に即

時重合レジン

を少量のみ盛

り,

口腔内に適合

させる.この

操作

は義歯とレジ

ンキャップ付

マグ

ネットの位置

決めのための

みな

ので,遁路を

あける必要は

い.なお,即

時重合レジン

のス

ペースを確実

に確保するた

め,

凹部を一層削

ってから行う

g

図Ⅷ‒4‒8g

 レジンキャ

ップによ

り,アンダー

カットへの即

時重

合レジンの流

れ込みを防止

でき

るため,確実

に硬化するま

で待

つことができ

る.未重合で

外す

とマグネット

の浮き上がり

の原

因となるので

十分注意する

h

図Ⅷ‒4‒8h

 硬化後,義

歯を外し

てレジンキャ

ップ辺縁と義

歯粘

膜凹部との多

少の隙間の修

正に

より,容易に

完成される

i

図Ⅷ‒4‒8i 

維持安定もよ

く,咀

嚼障害の回復

ができた.清

掃性

や取り扱いに

優れ経過も良

図Ⅷ‒4‒8a

 78歳女性.高

度な骨

吸収のため,

義歯不安定お

よび

義歯疼痛を主

訴で来院.外

科的

侵襲や経済性

から 2本のみのイ

ンプラント植

立を計画

b

図Ⅷ‒4‒8b

 臼歯部の骨

量がない

ため 2 2 に植立して

Type R使

用(ソフト・

デザイン)の

設計

とした.磁性

アタッチメン

トは

植立位置や方

向の制約が少

ない

ため,施術は

比較的容易で

ある

c

図Ⅷ‒4‒8c

 あらかじめ

マグネッ

トにレジンキ

ャップを付与

して

おくことを推

奨している.

各種

インプラント

対応MACS Sys-

tem(http://www.macssystem.

jp/)a

j

図Ⅷ‒4‒8j 

パノラマエッ

クス線写真.

高度な骨吸収

が認められる

が,

インプラント

・マグネット

デンチャーに

より「機能回

復」と「支台

よび顎堤保全

」の調和のと

れた設計がで

きたと考えら

れる

≪磁性アタッ

チメントイン

プラントオー

バーデンチャ

ーの術式≫

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医歯薬出版 ご注文承り書

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インプラントオーバーデンチャーの基本と臨床 磁性アタッチメントを中心に (    )冊

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手数料はかかりません.

   インプラントオーバーデンチャーの現状    ■治療法としての位置づけ

   無歯顎インプラント補綴の分類とその留意点    ■クラウン・ブリッジ・タイプ    ■ハイブリッド・タイプ    ■オーバーデンチャー・タイプ    ■無歯顎・多数歯欠損における固定性インプラント補綴の設計指針

   インプラントオーバーデンチャーの必要性    ■固定性インプラント補綴の限界および注意点    ■総義歯VSインプラントオーバーデンチャー    ■固定性インプラント補綴VSインプラントオーバーデンチャー

   インプラントオーバーデンチャーの利点    ■インプラント植立本数を少なくできる    ■審美回復    ■リップサポート(顔貌の回復)    ■適切なアーチフォームの回復    ■発音機能の回復    ■スムーズな食事    ■メインテナンス

   インプラントオーバーデンチャー施術上の注意点    ■外科における注意    ■免荷期間中の注意    ■維持装置のスペース確保

   インプラントオーバーデンチャーの設計指針   (リジッドIOD,フレキシブルIOD)    ■インプラントオーバーデンチャーの支持様式による分類    ■長期安定とニーズから考えた設計(リジッドIOD,フレキシブルIOD)

   維持装置の選択    ■バーアタッチメント    ■スタッドアタッチメント    ■磁性アタッチメント    ■維持装置の選択

   磁性アタッチメントの利用    ■磁石の臨床応用    ■磁性アタッチメントの利点    ■各種国内磁性アタッチメント    ■磁性アタッチメントの文献的考察    ■インプラントの難点を克服する磁性アタッチメント    ■磁性アタッチメントを用いた補綴設計    ■磁性アタッチメントの注意点と術式    ■磁性アタッチメントの安全性    ■磁性アタッチメントのさまざまな応用

   無口蓋義歯の製作ポイント    ■インプラントポジション    ■人工歯排列    ■義歯装着後の調整

   すれ違い咬合への対応について    ■すれ違い咬合の悪循環    ■インプラントによる受圧・加圧の改善

   コンビネーションシンドロームについて    ■コンビネーションシンドロームの予防や悪化抑制    ■下顎IODによる誘発への疑問

   インプラントオーバーデンチャーのメインテナンス    ■メインテナンスのポイント    ■磁性アタッチメントの具体的注意

   インプラントオーバーデンチャーへの設計変更必要度レベル評価    ■長寿社会における優れた補綴法    ■設計変更必要度レベル評価

   インプラントオーバーデンチャーの展望

XIII

XIV

インプラントオーバーデンチャーの基本と臨床磁性アタッチメントを中心に

C O N T E N T S

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Neil S.Norton  著 前田健康  監訳微細な解剖学的構造の理解は,臨床における正確な診断と手技に必須!■B5判/632頁/オールカラー■定価:(本体10,000円+税)ISBN978-4-263-45653-8

原著第1版