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国税庁・日本税理士会連合会 マイナンバー制度の概要 税理士のための マイナンバー対応ガイドブック 入門 平成27年5月

マイナンバー制度の概要 税理士のための マイナン …2015/07/14  · 国税庁・日本税理士会連合会 マイナンバー制度の概要 税理士のための

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国税庁・日本税理士会連合会

マイナンバー制度の概要

税理士のためのマイナンバー対応ガイドブック

入門

平成27年5月

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マイナンバー制度の概要

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・番号が漏えいし、不正に使われるおそれがある場合を除き、マイナンバーは一生変更されません。

・住民票を有する全ての方に1人1つの番号(12桁)が通知されます。

・市区町村から、住民票の住所にマイナンバーの通知カードが送られます。住民票の住所と異なるところにお住まいの方は、注意してください。

※ 国外に滞在し、住民票のない方にはマイナンバーは付番されません。帰国して住民票が作成される際にマイナンバーの指定や通知が行われます。

※ 外国籍の方でも、中長期在留者、特別永住者などで住民票がある場合には、マイナンバーが付番されます。

・法人には、1法人1つの法人番号(13桁)が指定され、どなたでも自由に使用できます。

平成27年10月以降、国民の皆さま一人一人に

マイナンバー(個人番号)が、通知されます。

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平成28年1月から、

社会保障、税、災害対策の行政手続で

マイナンバーが必要になります。

※ このほか、社会保障、地方税、災害対策に関する事務やこれらに類する事務で、地方公共団体が条例で定める事務にマイナンバーを利用することができます。

税 災害対策

・年金の資格取得や確認、給付

・雇用保険の資格取得や確認、給付

・ハローワークの事務

・医療保険の保険料徴収

・福祉分野の給付、生活保護 など

・税務当局に提出する申告書、届出書、

調書などに記載

・税務当局の内部事務

など

・被災者生活再建支援金の支給

・被災者台帳の作成事務

など

社会保障年金 労働

福祉医療

マイナンバーは社会保障・税・災害対策分野の中で法律で定められた行政手続にしか使えません。

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番号制度導入前 番号制度導入後のイメージ

「支払を受ける者」の個人番号又は法人番号を記載

「支払者」の個人番号又は法人番号を記載

(例)

法定調書には、右図のように番号欄が追加されます。また、法定調書とともに提出する法定調書合計表にも提出する方の個人番号又は法人番号の記載が必要になります。

※ 「個人番号又は法人番号」欄に12桁の個人番号を記載する場合は、左側の1マスを空けて、

右詰めで記載してください。(注) 右図は平成27年3月末現在のイメージであり、今後、税制改正その他の状況により変更される場合がありま

す。

申告書や法定調書の様式が変わります。

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○ このほか、給与所得の源泉徴収票及び給与支払報告書は、A6サイズからA5サイズになります。※ 給与所得の源泉徴収票には、税務署提出用と本人交付用がありますが、本人交付用には、支払者の個人番号又は法人番号は記載しないこととなっています。

番号制度導入前 番号制度導入後のイメージ(例)

様式がA6サイズからA5サイズに変更になります。

平成27年3月31日現在のイメージです。確定様式ではありません。

色付き部分については特に変更の可能性があります。

支払を受ける者だけでなく、控除対象配偶者や扶養親族等の番号記載が必要。

「支払者」の個人番号又は法人番号を記載(本人交付用には記載しません。)。

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税目 記載対象 一般的な場合 28年中に提出される主な場合

所得税平成28年1月1日の属する年分以降の申告書から

平成28年分の場合⇒平成28年分の確定申告期(平成29年2月16日から3月15日まで)

○ 年の中途で出国⇒出国の時まで○ 年の中途で死亡⇒相続開始があったことを知った日

の翌日から4月を経過した日の前日まで

贈与税平成28年1月1日の属する年分以降の申告書から

平成28年分の場合⇒平成29年2月1日から3月15日まで

○ 年の中途で死亡⇒相続の開始があったことを知った日の翌日から10月以内

法人税平成28年1月1日以降に開始する事業年度に係る申告書から

平成28年12月末決算の場合⇒平成29年2月28日まで

○ 中間申告書⇒事業年度開始の日以後6月を経過した日から2月以内

○ 新設法人・決算期変更法人⇒決算の日から2月以内

消費税平成28年1月1日以降に開始する課税期間に係る申告書から

<個人>平成28年分の場合⇒平成29年1月1日から3月31日まで<法人>平成28年12月末決算の場合⇒平成29年2月28日まで

○ 個人事業者が年の途中で死亡⇒相続開始があったことを知った日の翌日から4月を経過した日の前日まで

○ 中間申告書○ 課税期間の特例適用

相続税平成28年1月1日以降の相続又は遺贈に係る申告書から

平成28年1月1日に相続があったことを知った場合⇒平成28年11月1日まで

○ 住所及び居所を有しないこととなるとき⇒住所及び居所を有しないこととなる日まで

酒税・間接諸税

平成28年1月1日以降の移出等に係る申告書から

平成28年1月分の場合⇒平成28年2月1日から2月29日まで

○ 平成28年中から提出

法定調書平成28年1月1日以降の金銭等の支払等に係る法定調書から(※)

(例)平成28年分給与所得の源泉徴収票、平成28年分特定口座年間取引報告書⇒平成29年1月31日まで(注)平成28年1月1日前に締結された「税法上告知したものとみなされる取引」に基づき、同日以降に金銭等の支払等が行われるものに係る「番号」の告知及び本人確認については、同日から同日以降3年を経過した日以後の最初の金銭等の支払いの時までの間に行うことができます。

(例)○ 配当、剰余金の分配及び基金利息の支払調書は、支

払の確定した日から1月以内○ 退職所得の源泉徴収票は、退職の日以後1月以内

申請書・届出書

平成28年1月1日以降に提出すべき申請書等から

各税法に規定する、提出すべき期限 ○ 平成28年中から提出

(※) 法定調書提出義務者(個人番号関係事務実施者)は、税務署に法定調書を提出する際に、金銭等の支払先の番号の記載とともに、提出義務者本人の番号の記載も必要となります。

申告書や法定調書への番号記載時期は、以下のとおりです。

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No 調 書 の 種 類 No 調 書 の 種 類

1 利子等の支払調書 11 先物取引に関する支払調書

2 国外公社債等の利子等の支払調書 12 金地金等の譲渡の対価の支払調書

3 配当、剰余金の分配及び基金利息の支払調書 13 名義人受領の利子所得の調書

4 国外投資信託等又は国外株式の配当等の支払調書 14 名義人受領の配当所得の調書

5 投資信託又は特定受益証券発行信託収益の分配の支払調書 15 名義人受領の株式等の譲渡の対価の調書

6 オープン型証券投資信託収益の分配の支払調書 16 上場証券投資信託等の償還金等の支払調書

7 配当等とみなす金額に関する支払調書 17 特定口座年間取引報告書

8 株式等の譲渡の対価等の支払調書 18 非課税口座年間取引報告書

9 交付金銭等の支払調書 19 国外送金等調書

10 信託受益権の譲渡の対価の支払調書 20 国外証券移管等調書

番号の猶予規定が設けられている法定調書一覧

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個人番号の確認 身元(実在)の確認

個人番号カード

通知カード

運転免許証

※ 上記が困難な場合は、過去に本人確認の上で作成したファイルの確認

住民票(番号付き)

パスポート

or or

等 等

マイナンバー取得の際には、本人確認が必要です。具体的には番号確認(記載された番号が正しいかどうか)

と身元確認(なりすましでないかどうか)を行います。

※ 上記が困難な場合は、健康保険の被保険者証と年金手帳などの2以上の書類の提示

※ 雇用関係にあるなど、人違いでないことが明らかと個人番号利用事務実施者が認めるときは、身元 (実存) 確認書類は要しない

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Page 10: マイナンバー制度の概要 税理士のための マイナン …2015/07/14  · 国税庁・日本税理士会連合会 マイナンバー制度の概要 税理士のための

・マイナンバーは、社会保障、税、災害対策の手続のために、国や地方公共団体、勤務先、金融機関、年金・医療保険者などに提供します。

・他人のマイナンバーを不正に入手することや、他人のマイナンバーを取り扱う者がマイナンバーや個人の秘密が記録された個人情報ファイルを不当に提供することは、処罰の対象となります。

個人番号9876・・・・

マイナンバーは、社会保障、税、災害対策の手続のために行政機関等に提供する場合を除き、

むやみに他人に提供することはできません。

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ポイント!

登記上の所在地に通知書をお届け

ポイント!

1法人に1番号のみ指定

•国税庁長官は、①設立登記法人、②国の機関、③地方公共団体、④その他の法人や団体に13桁の法人番号を指定します。

•これら以外の法人等でも一定の要件を満たす場合、届け出ることにより法人番号の指定を受けることができます。

通知•平成27年10月から法人の皆さまに法人番号などを記載した通知書の送付を開始する予定です。

公表•法人番号を指定した法人等の①名称、②所在地、③法人番号をインターネットを通じて公表します。

ポイント!

法人番号はどなたでも

自由に利用可能

WWW

〒 XXX-XXXX東京都千代田区霞が関1-1-1株式会社 ○○○ 御中

会社や国の機関等については、特段の手続を要することなく、法人番号が指定されます。

法人にも法人番号(13桁)が指定され、

個人番号と異なり、どなたでも自由に利用可能です。

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① 法人情報を番号・名称・所在地で検索② 法人情報のダウンロード機能③ Web-API機能(システム間連携イン

タフェース)

国税庁法人番号公表サイトの特徴

検索機能あいまい検索絞り込み検索五十音順、都道府県別の並び替え

④ マルチデバイス対応パソコンからの利用に加えて、タブレット、スマートフォンからも利用可能

WWW

データダウンロード機能月末時点のすべての最新情報日次の更新情報データ形式はCSV、XML

Web-API機能

企業等のシステムから法人情報を直接取得するためのインタフェースの提供

(※)公表機能の詳細については、

国税庁HPのトップページの をクリック。

http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/mynumberinfo/index.htm

法人番号は、名称・所在地と共にインターネット上で公表され、データダウンロードも可能です。

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法人等行政機関 国民企業間連携行政機関

間の連携届出・申請業務のワンストップ化

企業 企業行政機関

国民行政機関

法人情報の検索・ダウンロード

Web-APIの提供

法人情報の検索・ダウンロード

Web-APIの提供

○法人番号導入イメージ

平成27年10月~法人番号の通知を開始予定

法人番号の通知

行政の効率化公平性・公正性の向上 企業の事務負担軽減 新たな価値の創出

新たな利活用サービス

法人番号で、わかる。つながる。ひろがる。

法人番号を活用した新たなサービスがひろがる。➢ 行政機関間での法人番号を活用した情報連携が図られ、行政手続における届出・申請等のワンストップ化が実現すれば、

法人(企業)側の負担が軽減➢ 民間において、法人番号を活用して企業情報を共有する基盤が整備されれば、企業間取引における添付書類の削減等の事務効

率化が期待されるほか、国民に対しても有用な企業情報の提供が可能

ひろがる。

法人番号を軸に企業等法人がつながる。

➢ 複数部署又はグループ各社において異なるコードで管理されている取引先情報に、法人番号を追加することにより、取引情報の集約や名寄せ作業が効率化

➢ 行政機関間において、法人番号付で個別の法人に関する情報の授受が可能となれば、法人の特定や名寄せ、紐付け作業が効率化

つながる。

法人番号により企業等法人の名称・所在地がわかる。

➢ 法人番号をキーに法人の名称・所在地が容易に確認可能➢ 鮮度の高い名称・所在地情報が入手可能となり、取引先情報の登録・更新作業が効率化

わかる。わかる。

国税庁指定・管理

公 表通 知情報提供

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税理士のためのマイナンバー対応ガイドブック

入門

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準備作業のフローⅠ-1事務作業内容等の現状の把握

個人番号を取り扱う事務の確認

特定個人情報等の範囲の確認

事務取扱担当者の確認

業務契約書の作成・見直し

Ⅰ-4業務契約書の作成・見直し

Ⅰ-2基本方針・取扱規程等の策定

Ⅰ-3安全管理措置

基本方針の策定

取扱規程等の策定

組織的安全管理措置

物理的安全管理措置

技術的安全管理措置

人的安全管理措置

Ⅰ マイナンバー制度に対応するための準備

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•税理士事務所の従業員等の給与所得に係る源泉徴収票等の作成、健康保険・厚生年金事務及び労働保険事務を行う際に、従業員等(従業員等の扶養親族を含む。)の個人番号を取得し、源泉徴収票等に当該個人番号を記載し行政機関等に提出します。

個人番号関係事務実施者と

して

•税理士等と顧問先との業務委嘱契約等に基づき顧問先の給与所得に係る源泉徴収票等の作成事務を行う際に、顧問先の従業員等(従業員等の扶養親族を含む。)の個人番号を取得し、源泉徴収票等に当該個人番号を記載し行政機関等に提出します。

個人番号関係事務の受託者として

•税理士等と顧問先との業務委嘱契約等に基づき顧問先の税務代理(税理士法第2条第1項第1号)又は税務書類の作成(税理士法第2条第1項第2号)に係る事務を行う際に、顧問先に係る個人番号を取得し、当該申告書等に個人番号を記載し行政機関等に提出します。

税務代理人として

•税理士事務所において個人番号を取り扱う事務には次のような事務があります。

Ⅰ-1 事務作業内容等の現状の把握(1)事務所において個人番号を取り扱う事務の確認

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手続書類の例 特定個人情報等の項目例

所得税申告書氏名、個人番号、納税地、生年月日、性別、課税標準、税額、各二表情報の項目 等

源泉徴収票

氏名、個人番号、住所又は居所、支払金額、給与所得控除後の給与等の金額、所得控除の額の合計額、源泉徴収税額、控除対象配偶者・控除対象扶養親族・障害者等に関する情報 等

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

氏名、個人番号、住所又は居所、生年月日、世帯主の氏名・続柄、控除対象配偶者・扶養親族・障害者等に関する情報 等

給与所得者の保険料控除申告書兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書

氏名、個人番号、住所又は居所、生命保険料控除に関する情報、地震保険料控除に関する情報、社会保険料控除に関する情報、小規模企業共済等掛金控除に関する情報、配偶者特別控除に関する情報 等

支払調書関係(受取人が個人の場合)

氏名、個人番号、支払金額等、源泉徴収税額 等

• 特定個人情報等の範囲とは、事務において使用される個人番号及び個人番号と関連付けて管理される個人情報(氏名、生年月日、住所等)のことです。

• 個人番号を取り扱う事務において作成する書類等に記載する情報の全てが特定個人情報に該当することを理解しておく必要があります。

(2)個人番号を取り扱う事務において取り扱う特定個人情報等の範囲の確認

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•従業員等の給与事務担当者及び社会保険・労働保険事務担当者を定めている場合、当該担当者が従業員等の個人番号を取り扱う担当者となります。

•事務所内に経理課・総務課等の部署がある場合、その所属課員が給与事務、社会保険・労働保険事務等において、従業員等の個人番号を取り扱う担当者となります。

個人番号関係事務実施者

として

•税理士事務所の従業員等は、顧問先から依頼された源泉徴収事務等及び税務代理、税務書類の作成事務等を行う場合に、ほぼ全ての従業員等が、顧問先に係る個人番号を取り扱うことが想定されます。

特定個人情報取扱事務受託者及び税務代理人として

担当者は、事務取扱担当者として明確化し、「特定個人情報取扱規程」等に規定する必要があります。

(3) 個人番号を取り扱う事務の担当者の確認

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•(例)基本方針に定める項目

• 税理士事務所名

• 関係法令・ガイドライン等の遵守

• 安全管理措置に関する事項

• 質問及び苦情処理の窓口 等

基本方針の策定

•取扱規程等には、管理段階ごとに取扱方法、責任者・事務取扱担当者及びその任務について定めることが考えられ、また、具体的な事項としては、安全管理措置を織り込むことが重要です。

•(例)取扱規程等に定める項目(個人番号の①取得、②利用、③保存、④提供、⑤削除・廃棄を行う段階ごとに)

• ① 取扱方法

• ② 責任者・事務取扱担当者

• ③ 任務等

• ④ 安全管理措置 等

取扱規程等の策定

個人番号を取り扱う事務、特定個人情報等の範囲、事務取扱担当者等を明確し、事務の流れを整理して、特定個人情報等の具体的な取扱いを定めるため、取扱規程等を策定しなければなりません。

「策定することが望ましい」

「策定しなければならない」

Ⅰ-2 基本方針・取扱規程等の策定

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<組織的安全管理措置>

事務作業の見直し

顧問先等の税務関係書類の作成申告書法定調書申請書・届出書 等

個人番号氏名生年月日住所

事務所職員の給与事務社会保険・労働保険等事務源泉徴収票扶養控除等申告書 等

個人番号氏名生年月日住所

番号を利用する事務の確認

個人番号を取り扱う事務に限定

特定個人情報等の範囲の確認

取扱事務の範囲、特定個人情報等の範囲を取扱規程等に明記

執務記録のチェック等により取扱規程の運用状況を確認

責任者の決定

事務取扱担当者の明確化

執務記録

執務記録

執務記録

執務記録

執務記録

執務記録番号の取扱状況の確認

Ⅰ-3 税理士事務所における安全管理措置(1)組織的安全管理措置

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キャビネット書庫 等

来客スペース

<物理的安全管理措置>

事務所のレイアウト等の見直し

税理士事務所

個人情報 特定個人情報等

情報システム

顧問先等の来客

事務取扱担当者

取扱区域 ・ 管 理 区域

封緘目隠しシールの貼付 等

書類

パスワードによる保護データの暗号化施錠できる搬送容器の使用

電子媒体

電子媒体

書類

施錠 施錠

執務記録

特定個人情報等の持出し・発送等を記録

PC

事務取扱担当者以外の者

入退室管理間仕切り座席配置の工夫

PC PC PC

サーバー

(2)物理的安全管理措置

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Page 22: マイナンバー制度の概要 税理士のための マイナン …2015/07/14  · 国税庁・日本税理士会連合会 マイナンバー制度の概要 税理士のための

税理士事務所

<技術的安全管理措置>

情報システムの管理方法の検討

個人情報

特定個人情報等

情報システム

事務取扱担当者以外の者

事務取扱担当者ユーザーIDパスワードICカード 等によるアクセス制御

部外者

ウィルス対策ソフトウェアファイアウォール 等による情報システムの保護

顧問先等

データ

パスワードによる保護暗号化 等

通信経路の暗号化

(3)技術的安全管理措置

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<人的安全管理措置>

事務取扱担当者への教育・監督

税理士(責任者)

職員等(事務取扱担当者)

教育

監督

・研修の実施・資料提供 等

税理士法第54条(税理士の使用人等の秘密を守る義務)

番号法特定個人情報等の利用・提供制限↓

秘密保持

本人の許可があっても番号法上の利用範囲外は第三者への提供不可

就業規則等に追記

情報を本人の許可なく第三者へ提供することは禁止

税理士法第38条(秘密を守る義務)第41条の2 (使用人等に対する監督義務)

(4)人的安全管理措置

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Page 24: マイナンバー制度の概要 税理士のための マイナン …2015/07/14  · 国税庁・日本税理士会連合会 マイナンバー制度の概要 税理士のための

秘密保持義務

事業所内からの特定個人情報の持出しの禁止

特定個人情報の目的外利用の禁止

再委託における条件

漏えい事案等が発生した場合の委託先の責任

委託契約終了後の特定個人情報の返却又は廃棄

従業者に対する監督・教育

契約内容の遵守状況について報告を求める規定

○ 顧問先と業務契約書を締結する際、特定個人情報等の取扱いに係る規定を記載しておく必要があります。

○ 既に業務契約書を締結している場合は、当該契約書に特定個人情報の取扱いに係る規定を設けるか、別途、覚書等の書面を取り交わしておく必要があります。

【契約内容の見直し項目の例】

Ⅰ-4 業務契約書の作成・見直し

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【参考】策定が必要な書類

△基本方針○取扱規程○就業規則・誓約書

△基本方針○取扱規程○業務契約書 又は 覚書等△特定個人情報の外部委託に係る合意書

税理士事務所

従業員等税理士事務所

顧問先

※ ○:策定等必須のもの △:策定すると望ましいもの

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Ⅱ 特定個人情報の適正な取扱い~個人番号の事務作業フローに沿った取扱い~

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•税理士が顧問先の個人番号関係事務の委託又は税務代理・税務書類の作成事務等の委嘱を受ける場合、その顧問先に対して、従業員等又は本人の個人番号の提供を求めることができます。

個人番号の取得

•税理士は、①自己の事務所の従業員等の特定個人情報等の管理のために、また②税理士は、委託された顧問先の従業員等の特定個人情報等の管理のために、必要かつ適切な安全管理措置を講じなければなりません。

•税理士は、源泉徴収票の作成等の個人番号関係事務を委託される顧問先から、必要かつ適切な監督を受ける立場となるため、契約の見直しが必要となります。

安全管理措置

•個人番号を利用できるのは、番号法で限定的に定められており、税理士業務において個人番号を利用するのは、主として、委託された顧問先の税に関する手続書類に顧問先従業員等の個人番号を記載して行政機関等に提出する場合です。

•目的外の利用は、本人の同意があったとしても、例外として認められている場合を除き、行ってはなりません。

個人番号の利用

•税理士が委託された顧問先従業員等の特定個人情報を提供できるのは、税に関する特定の事務のために行政機関等に提供する場合に限られます。

個人番号の提供

•個人番号が記載された書類等は、その個人番号を取り扱う事務を行う必要がある場合に限り保管することができます。

•個人番号が記載された書類等のうち所管法令によって一定期間保存が義務付けられているものは、その期間に限って保管することとなり、期間経過後は速やかに個人番号を削除又は書類等を廃棄する必要があります。

•削除又は廃棄を前提とした「保管体制」・「システム構築」をすることが望まれます。

個人番号の保管・廃棄

Ⅱ(1)特定個人情報の適正な取扱い

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【委託の取扱い】

○個人番号関係事務の全部又は一部の委託者は、委託先において、番号法に基づき委託者自らが果たすべき安全管理措置と同等の措置が講じられるよう必要かつ適切な監督を行わなければなりません。

《必要かつ適切な監督》○①委託先の適切な選定、②委託先に安全管理措置を遵守させるために必要な契約の締結、③委託先における特定個人情報の取扱状況の

把握

○委託者は、委託先の設備、技術水準、従業者に対する監督・教育の状況、その他委託先の経営環境等をあらかじめ確認しなければなり

ません。

○契約内容として、秘密保持義務、事業所内からの特定個人情報の持出しの禁止、特定個人情報の目的外利用の禁止、再委託における条

件、漏えい事案等が発生した場合の委託先の責任、委託契約終了後の特定個人情報の返却又は廃棄、従業者に対する監督・教育、契約

内容の遵守状況について報告を求める規定等を盛り込まなければなりません。

○委託者は、委託先だけではなく、再委託先・再々委託先に対しても間接的に監督義務を負います。

○個人番号関係事務の全部又は一部の委託先は、最初の委託者の許諾を得た場合に限り、再委託をすることができます。

間接的な監督義務

必要かつ適切な監督

委託

必要かつ適切な監督

再委託

必要かつ適切な監督

再々委託

会社 A社

B社

C社

許諾

再々委託

再委託委託会社 X社

Y社

Z社

Ⅱ(1)特定個人情報の適正な取扱い(委託の取扱い)

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※1 税務代理の委嘱を受けている場合には、申告書等の提出の都度、添付する必要があります(当初提出分の

写しでも可) 。

※2 税務署窓口で提出する際にも、混雑緩和等の観点から、1件別に写しを添付するようにしてください。

※3 税理士事務所の従業員等が税務署の窓口で申告書等を提出する場合も、郵送等の取扱いに準じて代理人で

ある税理士の「税理士証票」の写しを提出する必要があります。

確認項目本人確認書類等

書面提出分 代理送信分

代理権の確認 税務代理権限証書の添付(※1)①税務代理権限証書データの添付

②納税者本人の利用者識別番号の入力

代理人の身元確認税理士証票の提示又は写しの添付

(※2、3)(税理士の)電子証明書の添付

本人の番号確認個人番号カード又は通知カードの写しの

添付地方公共団体情報システム機構への照会等

税理士の場合

○ 税務関係手続においては、代理人から個人番号の提供があったものか否かを、原則として税務代理権限証書の提出の有無により判断します。○ 税務代理権限証書の提出がない場合は、原則として納税者本人から個人番号の提供があったものとして取り扱います。

Ⅱ(2)税務代理人が国税当局に対し個人番号を提供する場合の本人確認

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【書面提出の場合における身元確認書類】

○社員税理士等の「税理士証票」の提示又は写しの添付(郵送等の場合は写しの添付)

※1 税理士証票に税理士法人名が記載されているため、法人実在確認及び関係性確認が可能。

※2 税務署窓口で申告書等を提出する際の対応及び税理士法人に勤務する税理士資格を有しない従

業員等が提出する場合の対応については、税理士の場合の取扱い(前頁※2、3)と同様。

税理士法人の場合

○ 番号法上、法人代理人の「身元確認」については、以下の2つの確認が求められています。

①法人実在確認①法人実在確認

② 関 係 性 確 認② 関 係 性 確 認

法人が実在することの確認法人が実在することの確認

現に個人番号の提供を行う者が当該法人に所属していることの関係を確認現に個人番号の提供を行う者が当該法人に所属していることの関係を確認

「代理権の確認」及び「本人の番号確認」については、税理士の場合の取扱いと同様。

税理士法人の身元確認においては、運用上、税理士法人の社員税理士又は所属税理士(以下「社員税理士等」という。)を「現に個人番号の提供を行う者」として取り扱います。

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【代理送信の場合】

税理士法人が代理送信を行う際に利用する代理送信用利用者識別番号(以下「代理送信用I

D」という。)には、税理士法人に係るものと社員税理士等に係るものの2つの類型が存在し、

送信用データには社員税理士等に係る電子証明書による署名送信が行われています。

いずれの場合においても国税当局における代理送信用IDを利用可能とする処理の過程にお

いて、当該税理士法人の実在確認及び社員税理士等の当該税理士法人との関係性確認を行って

いるため、当該代理送信用IDを使用して正常送信されることをもって当該税理士法人の身元

確認を行うこととされています。

【ポイント】

○ 従来の電子申告の手続の過程の中で法人実在確認及び関係性確認が可能となる。

○ 社員税理士等が退職等により所属する税理士法人に変更等があった場合には、新たな代理送信用IDを取得する必要がある。

※ 旧顧問先の申告情報を電子申告のメッセージボックスから閲覧可能な状態とされることは、特定個人情報保護の観点から問題であるため、番号制度導入後においては、従来にも増して代理送信用IDの取扱いを徹底するよう留意する。

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本人交付用の給与所得の源泉徴収票には、その本人、控除対象配偶者及び扶養親族の番号を記載する必要があります(支払者の番号は記載不要)。

本人交付用の給与所得の源泉徴収票を所得証明等のために民間事業者に提出する際には、個人番号部分を印刷しないか、復元できない程度にマスキングする等の工夫が必要となります。

支払調書を本人に交付する場合には、個人番号を記載しない措置が必要となります。

申告書等の控えに個人番号が記載されている場合で、本人が当該控えを所得証明等のために民間事業者に提出する際には、個人番号部分を復元できない程度にマスキングする等の工夫が必要となります。

Ⅱ(3)源泉徴収票や支払調書の本人への交付

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◆税理士に期待されている役割・顧問先に対して番号制度の概要の説明・事務作業の見直し、安全管理措置について相談に応じ対応を検討

◆事業者の置かれている状況・平成27年10月以降、事業者、従業員等にも個人番号が通知される。・事業者は、平成28年1月より順次、従業員等の源泉徴収事務、社会保険事務、労働保険事務のために、従業員等及びその扶養親族などの個人番号を取り扱う。

事業者は顧問税理士に相談

顧問先への説明は、内閣官房や特定個人情報保護委員会のホームページに掲載されている資料を活用

・内閣官房ホームページhttp://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/index.html

・特定個人情報保護委員会ホームページhttp://www.ppc.go.jp/

・事業者は、従業員等本人から個人番号の提供を受ける必要がある。

・従業員等に扶養親族等がいる場合、扶養親族等の個人番号の提供も受ける必要がある。

「本人確認」が必要(個人番号カード、通知カード等が必要)

◆具体的作業・対象業務の洗い出し(誰から番号を提供してもらう必要があるのか)・情報システムの整備、見直し(事務作業の見直し、安全管理措置への対応)・従業員への周知 等

Ⅲ 顧問先(事業者)への指導Ⅲ-1 番号制度の概要の周知

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◆安全管理措置・組織的安全管理措置・・・事務取扱者及び責任者の明確化等・物理的安全管理措置・・・特定個人情報を取り扱う区域の管理等・技術的安全管理措置・・・情報システムの管理等・人的安全管理措置・・・・・事務取扱担当者の監督・教育

・特定個人情報を取扱うすべての事業者に課されている義務・中小規模事業者(※)については、安全管理措置の特例が用意(実務への影響を配慮)

※中小企業事業者とは・・・事業者のうち、従業員の数が100人以下の事業者で、次に掲げる事業者を除く事業者をいいます。・個人番号利用事務実施者・委託に基づいて個人番号関係事務又は個人番号利用事務を業務として行う事業者・金融分野(金融庁作成の「金融分野における個人情報保護に関するガイドライン」第1条第1項に定義される金融分野)の事業者・個人情報取扱事業者

詳細はガイドライン(事業者編)を参照

Ⅲ-2 安全管理措置の中小規模事業者に対する特例

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中小規模事業者における対応方法 ?ヒント?A 基本方針の策定

特定個人情報等の適正な取扱いの確保について組織として取り組むために、基本方針を策定することが重要である。

基本方針の策定は義務ではありませんが、作ってあれば従業員の教育に役立ちます。

B 取扱規程等の策定○ 特定個人情報等の取扱い等を明確化する。○ 事務取扱担当者が変更となった場合、確実な引継ぎを行い、責任ある立場の者が確認する。

業務マニュアル、業務フロー図、チェックリスト等に、マイナンバーの取扱いを加えることも考えられます。

C 組織的安全管理措置事業者は、特定個人情報等の適正な取扱いのために、次に掲げる組織的安全管理措置を講じなければならない。a 組織体制の整備○ 事務取扱担当者が複数いる場合、責任者と事務取扱担当者を区分することが望ましい。

けん制効果が期待できる方法です。

b 取扱規程等に基づく運用c 取扱状況を確認する手段の整備○ 特定個人情報等の取扱状況の分かる記録を保存する。

例えば、次のような方法が考えられます。・業務日誌等において、特定個人情報等の入手・廃棄、源泉徴収票の作成日、本人への交付日、税務署への提出日等の、特定個人情報等の取扱い状況等を記録する。

・取扱規程、事務リスト等に基づくチェックリストを利用して事務を行い、その記入済みのチェックリストを保存する。

d 情報漏えい等事案に対応する体制の整備○ 情報漏えい等の事案の発生等に備え、従業者から責任ある立場の者に対する報告連絡体制等をあらかじめ確認しておく。

業務遂行の基本、「ほうれんそう」(報告・連絡・相談)を確認しましょう。

e 取扱状況の把握及び安全管理措置の見直し○ 責任ある立場の者が、特定個人情報等の取扱状況について、定期的に点検を行う。

事業者のリスクを減らすための方策です。

中小規模事業者における安全管理措置 出典:特定個人情報保護委員会作成資料

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中小規模事業者における対応方法 ?ヒント?D 人的安全管理措置事業者は、特定個人情報等の適正な取扱いのために、次に掲げる人的安全管理措置を講じなければならない。

a 事務取扱担当者の監督事業者は、特定個人情報等が取扱規程等に基づき適正に取り扱われるよう、事務取扱担当者に対して必要かつ適切な監督を行う。

従業員の監督・教育は、事業者の基本です。従業員にマイナンバー4箇条を徹底しましょう。

b 事務取扱担当者の教育事業者は、事務取扱担当者に、特定個人情報等の適正な取扱いを周知徹底するとともに適切な教育を行う。

E 物理的安全管理措置事業者は、特定個人情報等の適正な取扱いのために、次に掲げる物理的安全管理措置を講じなければならない。a 特定個人情報等を取り扱う区域の管理特定個人情報等の情報漏えい等を防止するために、特定個人情報ファイルを取り扱う情報システムを管理する区域(以下「管理区域」という。)及び特定個人情報等を取り扱う事務を実施する区域(以下「取扱区域」という。)を明確にし、物理的な安全管理措置を講ずる。

事業者の規模及び特定個人情報等を取り扱う事務の特性等によりますが、例えば、壁又は間仕切り等の設置及び覗き見されない場所等の座席配置の工夫等が考えられます。

b 機器及び電子媒体等の盗難等の防止管理区域及び取扱区域における特定個人情報等を取り扱う機器、電子媒体及び書類等の盗難又は紛失等を防止するために、物理的な安全管理措置を講ずる。

事業者の規模及び特定個人情報等を取り扱う事務の特性等によりますが、例えば、書類等を盗まれないように書庫等のカギを閉める等が考えられます。

c 電子媒体等を持ち出す場合の漏えい等の防止○ 特定個人情報等が記録された電子媒体又は書類等を持ち出す場合、パスワードの設定、封筒に封入し鞄に入れて搬送する等、紛失・盗難等を防ぐための安全な方策を講ずる。

置き忘れ等にも気を付けましょう。

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中小規模事業者における対応方法 ?ヒント?d 個人番号の削除、機器及び電子媒体等の廃棄○ 特定個人情報等を削除・廃棄したことを、責任ある立場の者が確認する。

事業者のリスクを減らすために大切です。

F 技術的安全管理措置事業者は、特定個人情報等の適正な取扱いのために、次に掲げる技術的安全管理措置を講じなければならない。

a アクセス制御b アクセス者の識別と認証○ 特定個人情報等を取り扱う機器を特定し、その機器を取り扱う事務取扱担当者を限定することが望ましい。

○ 機器に標準装備されているユーザー制御機能(ユーザーアカウント制御)により、情報システムを取り扱う事務取扱担当者を限定することが望ましい。

担当者以外の者に勝手に見られないようにしましょう。

c 外部からの不正アクセス等の防止情報システムを外部からの不正アクセス又は不正ソフトウェアから保護する仕組みを導入し、適切に運用する。

インターネットにつながっているパソコンで作業を行う場合の対策です。例えば、次のような方法が考えられます。

・ウイルス対策ソフトウェア等を導入する。・機器やソフトウェア等に標準装備されている自動更新機能等の活用により、ソフトウェア等を最新状態にする。

d 情報漏えい等の防止特定個人情報等をインターネット等により外部に送信する場合、通信経路における情報漏えい等を防止するための措置を講ずる。

インターネットにつながっているパソコンで作業を行う場合の対策です。例えば、データの暗号化又はパスワードによる保護等が考えられます。

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◆個人番号の取得・事業者は、社会保障及び税に関する手続書類(※)の作成事務を処理するために必要がある場合に限って、従業員等に個人番号の提供を求めることができる。

・番号法で限定的に明記された場合を除き、他人に対し個人番号の提供を求めてはならない。

・従業員等に扶養親族等がいる場合、それらの個人番号の提供を求める必要もある。

・個人番号を取得する際には、本人確認が義務付けられている。

・本人確認の方法には、従業員等から個人番号カード若しくは通知カード及び運転免許証等の身分証明書の提示等の方法がある。

※ 手続書類・・・源泉徴収票、支払調書、健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届 等

・従業員等の扶養親族等に係る本人確認は、従業員等本人が行う。

◆本人確認【本人確認書類】① 本人の個人番号の提供を受ける場合(ⅰ)個人番号カードの提示(ⅱ)通知カードの提示を受ける場合、「通知カード」+「本人の身元確認書類」(ⅲ)ⅰⅱ以外の場合、「番号確認書類」+「本人の身元確認書類② 代理人から従業員等の個人番号の提供を受ける場合「代理権確認書類」+ 「代理人の身元確認書類」+ 「本人の番号確認書類」

【従業員等へ個人番号の提供を求める時期】・社会保障及び税に関する手続書類の作成事務が発生した時点が原則・ただし、契約を締結した時点でその事務の発生が予想できる場合には、その時点で個人番号の提供を求めることが可能

Ⅲ-3 特定個人情報の適正な取扱い

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◆個人番号の利用・提供

・事業者は、従業員等の個人番号を社会保障及び税に関する手続書類に記載して、行政機関等及び健康保険組合等に提出(個人番号関係事務)

・事業者は、個人番号関係事務を処理するために必要な範囲に限って、特定個人情報ファイルを作成可能

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・個人番号の利用・提供

源泉徴収票作成事務、健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届作成事務等に限って、手続書類に従業員等の個人番号を記載して、行政機関等提出

・特定個人情報ファイル

源泉徴収票作成事務、健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届作成事務等に限って作成

※利用の制限・番号法で限定的に定められている事務の範囲(社会保障・税)以外の場合は、本人の同意があったとしても本来の利用目的を超えて個人番号・特定個人情報を利用・提供することはできない。・ただし、人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意又は本人の同意を得ることが困難であるときは、個人番号関係事務を処理する目的で保有している個人番号について、人の生命、身体又は財産を保護するために利用・提供することは可能。

◆個人番号の保管

・事業者は、従業員等の特定個人情報を利用する事務を行う必要がある場合に限り、特定個人情報を保管可能

・所管法令によって一定期間保存が義務付けられている書類等は、その期間保管が必要

・情報漏えい等を防止するため安全管理措置が必要(機器、電子媒体又は書類等は、適正に管理・保管)

◆個人番号の廃棄

・事業者は、特定個人情報を利用する事務を行う必要がなくなった場合で、所管法令において定められている保存期間を経過した場合には、個人番号を速やかに廃棄又は削除

・個人番号部分を復元できない程度にマスキング又は削除して保管継続することは可能

・個人番号及び特定個人情報ファイル等を削除した場合、又は電子媒体等を廃棄した場合、削除又は廃棄した記録を保存 37

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契約

ている場合は、顧問先が税理士を監督しなければならない。

◆委託者の監督義務

・委託者(事業者)は、委託先において、番号法に基づき委託者自らが果たすべき安全管理措置と同等の措置が講じられるよう必要かつ適切な監督(※)を行わなければならない。

・委託先が再委託する場合は、最初の委託者の許諾を得た場合に限り、再委託することが可能。

・事業者が顧問税理士に対し個人番号関係事務を委託している場合は、顧問先が税理士を監督しなければならない。

秘密保持義務、事業所内からの特定個人情報の持出しの禁止、特定個人情報の目的外利用の禁止、

◆契約内容

秘密保持義務、事業所内からの特定個人情報の持出しの禁止、特定個人情報の目的外利用の禁止、再委託における条件、漏えい事案等が発生した場合の委託先の責任、委託契約終了後の特定個人情報の返却又は廃棄、従業者に対する監督・教育、契約内容の遵守状況について報告を求める等

※必要かつ適切な監督・・・① 委託先の適切な選定

② 委託先に安全管理措置を遵守させるために必要な契約の締結

③ 委託先おける特定個人情報の取扱状況の把握

契約で対応(ガイドブックにひな型掲載)

必要かつ適切な監督

税理士事業者

Ⅲ-4 委託の留意点

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日税連ホームページに、番号制度の概要や「税理士のためのマイナンバー対応ガイドブック」等を掲載したサイトを公開しております。税理士会員向けには各種様式のデータの掲載しておりますので、ぜひご活用ください。

日税連ホームページのご案内

リーフレット(PDF版)

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国税庁ホームページに、番号制度の概要やFAQなどを掲載したサイトを公開しております。国税庁のトップページにバナーがございますので、そちらからご覧いただけます。ぜひ活用してください。

国税庁ホームページのご案内

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最新情報は

マイナンバーのホームページhttp://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/index.html

をご覧ください。

マイナンバー公式twitterhttps://twitter.com/MyNumber_PR

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(土日祝日・年末年始を除く)※ 一部IP電話等で上記ダイヤルに繋がらない場合は、

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