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2012429@早稲田大学

テンプレート - ja.osdn.net · 75 財務会計に関連する法律としては以下が挙げられる。

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2012年4月29日

@早稲田大学

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1. はじめに [10min]

2. 業務編 [20min]

3. システム編 [40min]

4. 特別編 [20min]

5. まとめ [20min]

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1. はじめに

2. 業務編

3. システム編

4. 特別編

5. まとめ

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目的 ADempiereに関する知識を共有し、全般的な理解を深める。

想定参加者

ADempiereの利用に興味を持っている人 (当面はユーザ視点に立ち、ADempiereの標準機能を説明の中心とする。)

参加者の前提知識

特になし

勉強会の構成

・業務編 ・システム編 ・特別編

参考資料 ●Bayu Chauya Pamungkas, “ADempiere 3.4 ERP Solutions “, PACKT ●湯浅和雄, 「この1冊ですべてわかる 物流とロジスティクスの基本」, 日本実業出版社

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ADempiereの概要 中小企業向けERPとして開発されたCompiereから2006年に分岐して、開発されているソフトウェアおよび、その開発コミュニティ。

Eric Raymondの著作、『伽藍とバザール』のバザール方式により開発がすすめられているプロジェクト。

ADempiereのシステム機能 – Enterprise Resource Planning (ERP)

– Supply Chain Management (SCM)

– Customer Relationship Management (CRM)

– Financial Performance Analysis

– Integrated Point of sale (POS) solution

– Integrated Web Store

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受注

出荷

売上

債権 管理

入金

生産

在庫

財務 会計

人事 給与

発注

入荷

仕入

債務 管理

支払

顧客 取引先 販売管理

生産・在庫管理

購買管理

債務管理 債権管理 人事管理

財務会計

商品 商品 商品 商品

注文 注文 受注情報 発注指示

請求書 請求書

代金 代金

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1st シーズン (2012年1-12月)

2nd シーズン (2013年1-12月

3rd シーズン (2014年1-12月)

1st シーズン

(基本機能確認フェーズ)

ADempiereの基本機能

と一連の業務の流れとの関係を確認する。

(“ADempiere 3.4 ERP

Solutions”を通して操作

を確認し、日本と海外での要求機能の差異を確認)

2nd シーズン

(機能追加検証フェーズ)

日本におけるADempiereの利用可能

性を検証すると同時に機能追加対応を進める。

(日本ADempiereの会

作成モジュールを利用予定)

3rd シーズン

(ビジネス推進フェーズ)

各種ユーティリティの整備など、システム導入支援に対応。

勉強会の大きな流れの案 (八塚が勝手に思い描いている流れ) を以下に記載します。

※ここでは、勉強会でとりあげるトピックの大きな流れを示したものであり、ここの活動でここに示したスケジュールで対応しなければならないわけではありません。

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<業務編>

1. 全体業務フロー ・・・第9回勉強会

2. 会計業務

1. 会計入門 ・・・第10回勉強会

2. 財務会計 ・・・第11/12/13/14回勉強会

3. 管理会計 ・・・第15回勉強会

4. 税務会計 ・・・第16回勉強会

3. 人事業務

1. 人事業務 ・・・第17回勉強会

2. 給与計算 ・・・第18回勉強会

4. 販売・仕入業務 ・・・第19回勉強会

5. 在庫管理 ・・・第20回勉強会

6. 製造管理 ・・・第21回勉強会

勉強会の流れを以下に記載します。

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<システム編> 1. ADempiere基本コンセプト ・・・第9回勉強会 2. ADempiere 3.4 ERP Solutions

1. ADempiereのインストール ・・・第9回勉強会 • ADempiereのインストール • ADempiereクライアントの基本操作

2. 初期セットアップ ・・・第10/11回勉強会 • 組織構造とクライアントの初期セットアップ • マスターデータのセットアップと会計処理の設定

3. 仕入・生産・販売 ・・・第12/13/14回勉強会 • 仕入 • Landed Cost 生産、販売

4. 会計・在庫管理 ・・・第15/16/17回勉強会 • 会計情報と設定 • 在庫管理

5. ワークフロー・レポート ・・・第18/19回勉強会 • ADempiereワークフロー • レポート管理

6. インポート・セキュリティ設定 ・・・第20/21回勉強会 • データのインポート • セキュリティの実装

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1. はじめに

2. 業務編 1. 財務会計入門

1. 帳簿管理

2. 日常の取引

2. その他 1. 在庫管理業務

3. システム編

4. 特別編

5. まとめ

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帳簿には必ず用意しないといけない主要簿と、必要に応じて整備する補助簿があります。

補助簿を用意することにより、取引内容をより詳しく記録できる他、主要簿との照合により用いられてきました。

帳簿 構成 概要 ADempiere

主要簿 仕訳帳 仕訳を管理する帳簿 ○

総勘定元帳 勘定口座の残高を管理する帳簿 ○

補助簿 補助記入帳 特定の取引についてその明細を記録する帳簿 △

補助元帳 特定の勘定について記録を行う帳簿 △

主要簿と補助簿の構成

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簿記の世界では、補助簿は仕訳帳に対する詳細情報(明細)の他、照合に用いられましたが、RDBMSを用いたERPでは一般的に、補助記入帳にあたるものを仕訳の入力元として利用し、補助元帳に当たるものは、仕訳帳の明細確認用のViewerとして位置づけられる。

※パッケージにより、一部取り扱いが異なるものもあります。

仕訳帳 元帳 残高 計算

補助 記入帳

仕訳 転記

一般的なERPでの主要簿と補助簿の関係

補助 元帳

ADempiereにおいても、仕訳帳

では、アカウントコンビネーション単位での取引データが記録されており、補助元帳レベルの明細情報が記録されている。

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補助簿 概要 ADempiere

現金出納帳 現金取引の内訳明細を記録する補助簿 ○ (Cashbook)

小口現金出納帳 小口現金取引の内訳明細を記録する補助簿 ○ (Cashbook)

当座預金出納帳 当座預金口座の取引の内訳明細を記録する補助簿 (銀行の入出金明細と連動させる)

○ (Bank account Document)

受取手形記入帳 手形債権の発生から消滅までを記録する補助簿 要確認

支払い手形記入帳 手形債務の発生から消滅までを記録する補助簿 要確認

売上帳 売上に関する取引の内訳明細を記録する補助簿 要確認

仕入帳 仕入に関する取引の内訳明細を記録する補助簿 要確認

補助記入帳の例を以下に記載します。

補助記入帳の例

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補助簿 概要 ADempiere

商品有高帳 商品在庫の管理をするために商品の種類ごとに記録する補助簿

要確認

売掛金元帳 得意先ごとに債権を管理する補助簿 要確認

買掛金元帳 仕入先ごとの債務を管理する補助簿 要確認

固定資産台帳 所有している固定資産を管理する台帳。ここに記載している金額が帳簿価格(簿価)となる。

補助元帳の例を以下に記載します。

補助元帳の例

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商品有高帳のサンプルを以下に記載します。

(帳簿のレイアウトについては、http://template.k-solution.info/cat666/が参考になります。

商品有高帳

商品名 商品型番

日付 摘要 受入

払出数量 在庫数量 数量 単価 金額

4 1 前月繰越 100 200 20,000 100

2 仕入 50 210 10,500 150

3 売上 70 80

4 仕入 200 190 38,000 280

5 売上 90 190

http://template.k-solution.info/cat666/より抜粋

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小口現金出納帳のサンプルを以下に記載します。

小 口 現 金 出 納 帳 受入金額計 支払金額計 残高

日付 受入金額 摘要 支払金額

内訳

交通費 消耗品費 雑費

http://template.k-solution.info/cat666/より抜粋

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売掛金元帳のサンプルを以下に記載します。

東京都中央区○○○

株式会社 ○○商事1 03(○○○○)○○○○

日付 摘要 売上金額(借方) 回収金額(貸方) 残高

月 日

4 1 前月繰越 100,000 100,000

2 商品1 5,000 105,000

3 商品2 10,000 115,000

4 現金 20,000 95,000

5 普通預金 30,000 65,000

http://template.k-solution.info/cat666/より抜粋

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固定資産台帳のサンプルを以下に記載します。

固定資産台帳 自平成 20 年 1 月 1 日 至平成 20 年 12 月 31 日

管理番号 資産名 資産種類 取得日 数量 償却方法 償却率

1000 DEL製パソコン 工具器具備品 平成19年1月20日 1 定額法 0.250

1001 NEC製パソコン 工具器具備品 平成20年1月20日 1 定額法 0.250

耐用 年数

取得価額 期首帳簿価額 期中増加 期中減少 減価償却費 期末帳簿価額 処分見込価額 摘要

4年 300,000円 250,000円 50,000円 200,000円 100,000円

4年 200,000円 0円 200,000円 50,000円 150,000円 160,000円

http://template.k-solution.info/cat666/より抜粋

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1. はじめに

2. 業務編 1. 財務会計入門

1. 帳簿管理

2. 日常の取引

2. その他 1. 在庫管理業務

3. システム編

4. 特別編

5. まとめ

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4月30日 現金の有高を確認したところ、帳簿残高より¥1,000円不足 5月10日 不足分の内、¥800は交通費の使用であることを確認 5月31日 決算日になっても、不足分¥200の原因は不明のまま

借方 貸方

4/30 現金過不足 1,000 現金 1,000

5/10 交通費 800 現金過不足 800

5/31 雑損 200 現金過不足 200

<仕訳>

<取引>

(仕訳生成)

現金取引の管理には一般的に現金出納帳が利用されます。

ここでは、現金過不足勘定の仕訳例を以下に補足説明します。

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4月1日 A銀行に現金¥10,000を預け入れ 4月10日 商品¥12,000を仕入れ、小切手を振り出して支払い 4月20日 商品¥15,000(仕入価格¥12,000)を売り渡し、代金は当座預金へ

借方 貸方

4/1 当座預金 ¥10,000 現金 ¥10,000

4/10 商品 ¥12,000 当座預金 ¥10,000 当座借越 ¥2,000

4/20 当座借越 ¥2,000 当座預金 ¥13,000

商品 ¥12,000 商品売買益 ¥3,000

<仕訳>

<取引>

(仕訳生成)

銀行に対して当座借越契約を締結することで、預金残高以上の支払いに応じることも可能です。

ここでは、当座勘定、当座借越勘定の仕訳例を以下に記載します。

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4月1日 小口現金用に当座預金から¥10,000を小切手で振り出す 4月30日 月末に交通費¥3,000、水道光熱費¥2,300の支払い報告される 5月1日 月末の報告に基づき、¥5,300を補給 (期首残高が¥10,000となるように)

借方 貸方

4/1 小口現金 ¥10,000 当座預金 ¥10,000

4/30 交通費 ¥3,000 水道光熱費 ¥2,300

小口現金 ¥5,300

5/1 小口現金 ¥5,300 当座預金 ¥5,300

<仕訳>

<取引>

(仕訳生成)

日常で発生する少額の支払いのために用意する現金を小口現金といいます。

小口現金管理で一般的に用いられる定額資金前渡法(インプレスと・システム)の仕訳例を以下に記載します。

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4月10日 商品¥10,000を現金で仕入れた 4月20日 商品¥9,000(仕入価格¥7,000)を現金で売り渡した

借方 貸方

4/10 商品 ¥10,000 現金 ¥10,000

4/20 現金 ¥9,000 商品 ¥7,000 商品売買益 ¥2,000

<仕訳>

<取引>

(仕訳生成)

商品売買の記帳には、分記法、三分法、売上原価対立法が挙げられる。

分記法の仕訳例を以下に示します。

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<分記法の課題>

• 一般には、取り扱う商品が多岐にわたり、また仕入価格も時期により異なるため、仕入価格と売買益に分けた都度の記帳が非現実的

• 商品勘定と商品売買益勘定にわけると、売上総額がわかりにくい。

三分法

分記法では以下に示すような課題があることから、一般的にはあまり用いられないようです。

• 売上の際には、売上勘定を用いて、原価、利益の記録を行わない。

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4月1日 前期からの商品繰越高は¥2,000 4月10日 商品¥10,000を現金で仕入れた 4月20日 商品¥9,000(仕入価格 ¥???)を現金で売り渡した 4月30日 次期への商品繰越高は¥5,000

借方 貸方

4/10 仕入 ¥10,000 現金 ¥10,000

4/20 現金 ¥9,000 売上 ¥9,000

4/30 仕入 ¥2,000 繰越商品 ¥2,000

4/30 繰越商品 ¥5,000 仕入 ¥5,000

<仕訳>

<取引>

(仕訳生成)

三分法の仕訳例を以下に示します。

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売上原価 = 期首商品棚卸高 + 登記商品純仕入高 – 期末商品棚卸高

借方 貸方

4/10 仕入 ¥10,000 現金 ¥10,000

4/20 現金 ¥9,000 売上 ¥9,000

4/30 仕入 ¥2,000 繰越商品 ¥2,000

4/30 繰越商品 ¥5,000 仕入 ¥5,000

4/30 損益 ¥7,000 仕入 ¥7,000

4/30 売上 ¥9,000 損益 ¥9,000

<仕訳>

商品売買益 (売上総利益) = 当期純売上高 – 売上原価

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• 商品の増減状況と利益をリアルタイムに把握できる。 • 販売情報(売上情報)と原価情報をリアルタイムに参照し、仕訳を起こす必要がある。”人”、”もの”、”金”をまとめて管理するERPだからこそ実現可能。

三分法にも以下に示す課題があることから、ERPでは売上原価対立法が一般的に採用されているようです。

<三分法の課題>

• 期末の棚卸をするまで利益がわからない。

• 商品の在庫状況をリアルタイムに把握できない。

売上原価対立法

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4月10日 商品¥10,000を現金で仕入れた 4月20日 商品¥9,000(仕入価格¥7,000)を現金で売り渡した

借方 貸方

4/10 商品 ¥10,000 現金 ¥10,000

4/20 現金 ¥9,000 売上 ¥9,000

売上原価 ¥7,000 商品 ¥7,000

<仕訳>

<取引>

(仕訳生成)

三分法だと、

売上原価対立法の仕訳例を以下に示す。

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4月10日 A商店から、商品¥10,000を掛けで仕入れた。 4月20日 B商店に商品¥10,000(仕入価格¥12,000)を掛けで売り渡した。

借方 貸方

4/10 仕入 ¥10,000 A商店 ¥10,000

4/20 B商店 ¥12,000 売上 ¥12,000

<仕訳>

<取引>

(仕訳生成)

簿記では掛売買の記帳に、相手方を確認できるよう人名勘定が用いられる場合がありますが、取引先が多いと勘定科目が増えることから、一般的には売掛金元帳、買掛金元帳を整備して管理します。(ADempiereにも売掛金元帳、買掛金元帳に類するものがあるものと思います)

以下に参考までに、人名勘定を用いた掛売買の仕訳例を記載します。

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借方 貸方

4/10 仕入 ¥10,000 買掛金 ¥10,000

4/20 売掛金 ¥12,000 売上 ¥12,000

<仕訳>

A商店

4/10 仕入 ¥10,000

B商店

4/20 売上 ¥12,000

買掛金

4/10 仕入 ¥10,000

売掛金

4/20 売上 ¥12,000

(元帳転記)

総勘定元帳

(統制勘定)

売掛金元帳 買掛金元帳

以下に、人名勘定ではなく、統制勘定(買掛金・売掛金と買掛金元帳、売掛金元帳での管理) のイメージを記載します。

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1. はじめに [10min]

2. 業務編 [30min] 1. 財務会計入門

1. 基礎知識

2. 日常の取引

3. 決算

2. その他 1. 在庫管理業務

3. システム編 [60min]

4. まとめ [20min]

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在庫管理の一般的な目的とその課題を以下に記載する。

見込みによるロジスティクス

・いらないものが補充される ・欲しいものが補充されない。

必要なときに、必要なものを必要な場所へ (Just-In-Time方式)

営業 物流

在庫確保までが

営業の仕事

顧客納品までが

営業の仕事

JIT方式実現のためには、調達から顧客納品までの一元的な管理が必要

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物流拠点 顧客

仕入 販売

仕入先

出荷に応じて在庫が減る

在庫補充(発注)を行う

ロジスティクス(適正な在庫管理)の成否は発注が握る

適正な在庫管理のための一般的な流れを以下に記します。

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発注時期が決まっている 発注時期が決まっていない

発注量が決まっている

定期定量発注方式 不定期定量発注方式

発注量が決まっていない

定期不定量発注方式 不定期不定量発注方式

現状 発注方法

定期不定量発注 一般的な企業で採用

発注量の決定ロジックに基づき発注

不定期不定量発注 先進的な企業で採用

「発注点」を決めておき、在庫が発注点に至った時に発注

一般的な発注方式の分類を以下に示す。

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1. はじめに [10min]

2. 業務編 [30min]

3. システム編 [60min] 1. ADempiereの基本コンセプト

2. ADempiere3.4 ERP Solutions 1. 第5章 仕入業務

4. まとめ [20min]

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仕入業務としては、下記のような業務プロセスの元、システムにトランザクションデータを入力していきます。

※受注データを元に仕入の見積もり(requisition)、発注(purchase order)データの生成が可能かについては、確認が必要です。

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在庫管理関連業務の全体的な流れを以下に示します。

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日常取引は、下記に示すようなADempiereドキュメントとして、伝票管理されます。

それぞれのドキュメント(伝票)から、仕訳が生成されます。

見積 受注 請求書 出荷 入金

<受注の流れ>

見積 発注 請求書 入荷 支払い

<発注の流れ>

Complete

Post

Complete

Post

Complete

Post

Complete

Post

Complete

Post

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40

在庫補充においては、どのような価格で仕入れを行うか、プライスリストとして、事前に定義しておく必要があります。

ADempiereでは、Schema Lineの設定ルールに基づく、価格の自動設定とProduct Priceとしての値設定が利用可能です。

M_DiscountSchema (Price List Schema)

M_DiscountSchemaLine (Schema Line)

ADempiere ERD http://www.adempiere.com/technical/340/schemaspy/

M_PriceList (Price List)

M_PriceList_Version (Version)

M_ProductPrice (Product Price)

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Requisitionの段階でも、製品に対する価格の紐づけ管理が事前に必要とされる。

Requisitionには、プライスリストの指定が求められ、対象製品に対するプライスリストの定義がされていない場合には、エラーとなる。

Requisitionにおける主要なデータエンティティ(ここで示しているものはテーブル単位ではなく、論理的なレベルでのエンティティを示しています) を以下に示します。

Requisition Price List Price List Version

Product Requisition Line

Purchase Order

Requisitionには、対象とする製品を指定しますが、プライスリストにて、基準価格が設定されている必要があります。

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42

1. はじめに

2. 業務編

3. システム編 1. ADempiereの基本コンセプト

2. ADempiere3.4 ERP Solutions 1. 第4章 マスターデータと会計関連設定 (続き)

2. 第5章 仕入業務

4. 特別編

5. まとめ

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43

プライスリストでは価格の値のみならず、Schema Lineにより価格を自動設定するルールを管理することも可能です。

プライスリストのERDを以下に示す。

M_DiscountSchema (Price List Schema)

M_DiscountSchemaLine (Schema Line)

ADempiere ERD http://www.adempiere.com/technical/340/schemaspy/

M_PriceList (Price List)

M_PriceList_Version (Version)

M_ProductPrice (Product Price)

M_Product (Product)

C_Bpartner (Business Partner)

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44

プライスリスト関連の設定の流れを以下に記載します。

1) Create Price List Schema 1) Menu | Material Management | Material Management Rules | Price List

Schema

2) Create Price List, Price List version 1) Menu | Material Management | Material Management Rules | Price List

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45

プライスリストの設定として、まずプライスリストスキーマの設定を行う必要があります。

1) Menu | Material Management | Material Management Rules | Price List Schemaをオープン

2) プライスリストスキーマを作成する。

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46

プライスリストの設定を行います。プライスリストの履歴管理については、Price List Versionで管理します。

Sales Price listチェックボックスの選択を解除すると、それは仕入用のプライスリストを示すようになります。

1) Menu | Material Management | Material Management Rules | Price List をオープン

2) プライスリストの作成を行う。(履歴管理する場合には、Versionタブで設定を行う)

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47

製品のERDを以下に示す。

M_Product_Category (Product Category)

M_Product_Category_Acct (Accounting)

ADempiere ERD http://www.adempiere.com/technical/340/schemaspy/

C_UOM (Unit of Measure)

C_UOM_Conversion (Conversion)

M_Product (Product)

M_Product_PO (Purchasing)

M_ProductPrice (Price)

M_DiscountSchemaLine (Price List Schema Line)

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48

製品のERDを以下に示す。

1) Set up Product Category 1) Menu | Material Management | Material Management Rules |

Product Category

2) Create Unit of measurement 1) Menu | Material Management | Material Management Rules |

Unit of Measure

3) Create Product 1) Menu | Material Management | Material Management Rules |

Product

4) Setup Price automatically 1) Menu | Material Management | Material Management Rules |

Price List Schema

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49

製品カテゴリーの設定を行います。

1) Menu | Material Management | Material Management Rules | Product Categoryをオープン

2) 製品カテゴリーを登録し、保存する。

3) Accountingタグに移動し、Costing Method, Costing Levelを設定

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Accountingタブから、製品カテゴリーの設定を行うことが可能です。

データ項目 内容 選択項目

Costing Method 原価計算方法 -Average Invoice -Average PO -FIFO -Last Invoice -Last PO Invoice -LIFO -Standard Costing

Costing Level 原価の管理単位 -Batch/Lot -Client -Organization

デフォルトでは、Costing MethodはStandard Costing, Costing LevelはClientが指定される。

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51

測定単位の設定を行います。

Conversionタブでは、1Yard = 0.9144Meterのように、単位間の換算レートを設定できます。

1) Menu | Material Management | Material Management Rules | Unit of Measureをオープン

2) 測定単位を入力し、保存

3) 必要に応じて、Conversionタブに値を設定し保存する

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52

製品の設定を行います。

1) Menu | Material Management | Material Management Rules | Productをオープン

2) Productタブで製品情報を入力

3) Purchaseタブで、販売、仕入に関する情報を設定

4) Priceタブに移動し、製品価格の設定を行う。

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製品価格の設定には、手動による設定と自動による設定があります。

ここでは自動による設定の流れを示します。

1) Menu | Material Management | Material Management Rules | Price List Schemaウィンドウを開く

2) Price List SchemaタブでPrice List Schemaレコードを選択し、Schema Lineタブに設定を行う。

3) Price List ウィンドウのVersionタブでCreate Price Listボタンをクリック

⇒対象のPrice List Schemaに対応する商品の価格設定が行われる。

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製品価格の自動設定に用いられる、Price List Schemaのパラメータ項目を以下に示す。

データ項目 内容 設定例

Sequence 10

Currency Type Weekly

Product Category 価格計算対象とする製品カテゴリー

Raw Material

List price Base 製品のList priceの設定方法

List Price PurchaseタブのList Priceの値を指定

Standard price Base 製品のStandard priceの設定方法

List Price PurchaesタブのList Priceの値を指定

Standard price Discount % 製品のStandard priceの設定方法 (割引率)

20 Standard priceは20%discount

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製品価格の自動設定に用いられる、Price List Schemaのパラメータ項目を以下に示す。

データ項目 内容 設定例

Limit price Base Limit priceの設定方法

Fixed Price Fixed Limit Priceの値を指定

Fixed Limit Price Fixed Limit Priceの値

0.00 Limit priceに0.00を指定

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1. はじめに

2. 業務編

3. システム編 1. ADempiereの基本コンセプト

2. ADempiere3.4 ERP Solutions 1. 第4章 マスターデータと会計関連設定 (続き)

2. 第5章 仕入業務

4. 特別編

5. まとめ

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仕入業務として、以下の流れで説明いたします。

1) 在庫補充 1) Replenish Reportの作成

2) 発注 1) 手動作成

2) Requisitionからの作成

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仕入対象とする製品ごとに、在庫補充 (purchase requisition)のルールを管理することができます。

在庫補充の設定に関連するERDを以下に示す。

M_Replenish (Replenish)

M_Product (Product)

ADempiere ERD http://www.adempiere.com/technical/340/schemaspy/

M_Product_PO (Purchasing)

M_Requisition (Requisition)

M_RequisitionLine (Requisition Line)

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仕入対象とする製品ごとに、在庫補充 (purchase requisition)のルールを管理することができます。

在庫補充の設定に関連するERDを以下に示す。

1) Setup Replenish Information 1) Menu | Material Management | Material Management Rules |

Product

2) Setup default Price List 1) Menu | Material Management | Material Management Rules | Price

List

3) Create Replenish Report 1) Menu | Material Management | Material Management Rules |

Replenish Report

4) Check transaction records (requisition) 1) Menu | Requisition-to-Invoice | Requisition

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在庫補充情報 (Replenish Information)から、在庫補充のルールを設定することが可能です。

以下に在庫補充情報の設定の流れを記載します。

1) Menu | Material Management | Material Management Rules | Productをオープン

2) 対象製品を選択した上で、Replenishタブに

移り、データを入力する。

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在庫補充を実施するには、仕入における価格設定のため、デフォルトのプライスリストが指定されている必要があります。

以下の手順により、仕入におけるデフォルトのプライスリストの指定を行います。

1) Menu | Material Management | Material Management Rules | Price Listをオープン

2) プライスリストのデフォルト設定を確認する

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以上の設定を行った上で、在庫補充レポートを作成することが可能です。

1) Menu | Material Management | Material Management Rules | Replenish Reportをオープン

2) パラメータ指定をして、実行

⇒在庫補充レポートが生成される。

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ADempiereの標準機能では、下記のようなレポートが出力されます。

レポートの出力と同時にPurchase Order, Requisition (見積) 等のレコードもあわせて生成されます。

(レポートのカスタマイズについては後続の勉強会で説明予定です)

Business Partnerがブランクとなっている場合には、対象Productに対する”Purchase” (M_Product_PO)の指定がされていない可能性があります。

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在庫補充レポートの生成における指定パラメータを以下に示します。

項目 内容 設定値

Warehouse 在庫補充の対象とする倉庫

Business Partner 仕入先

Create 在庫補充レポートの生成タイミング (?) -Distribution Order (???) -Inventory Move (在庫移動) -Purchase Order (発注) -Requisition (見積)

Document Type 生成されるドキュメントの種別 -Distribution Order -Material Movement -Purchase Order -Vendor Return Material -Requisition

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在庫補充レポートのCreateとして、Requisitionを指定した場合には、対応するRequisitionレコードも生成されます。

1) Menu | Requisition-to- Invoice | Requisitionをオープン

2) レポート生成に伴い、requisitionレコードも生成されていることを確認の上、Completeボタンをクリック

3) 新たにNot Postedボタンが表示されるので、クリックすると、Postedボタンに変わる。

⇒このタイミングではまだ、仕訳は生成されない。

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仕入対象とする製品ごとに、在庫補充 (purchase requisition)のルールを管理することができます。

在庫補充の設定に関連するERDを以下に示す。

M_Replenish (Replenish)

M_Product (Product)

ADempiere ERD http://www.adempiere.com/technical/340/schemaspy/

M_Product_PO (Purchasing)

M_Requisition (Requisition)

M_RequisitionLine (Requisition Line)

C_OrderLine (Purchase Orders)

M_Product (Product)

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仕入に関連するERDと設定の流れを以下に示す。

C_OrderLine (PO Line)

C_Order (Purchase Order)

ADempiere ERD http://www.adempiere.com/technical/340/schemaspy/

1) Create Purchase Order (Manual Entry) 1) Menu | Requisitionh-to-Invoice | Purchase Order

2) Create Purchase Order (Purchase requisition) 1) Menu | Requisition-to-Invoice | Create PO from Requisition

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発注の手順としては、手動による入力と、見積要求からの作成の2つが挙げられます。

ここでは、手動による発注の流れを以下に示します。

1) Menu | Requisitionh-to-Invoice | Purchase Orderウィンドウを開く

2) Document Typeに”Purchase Order”を指定

3) 発注日、対象倉庫、ビジネスパートナー、プライスリストを指定

4) PO Lineにて,入荷希望日、製品、量、価格を指定

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見積要求からの登録の流れを以下に記載します。

1) Menu | Requisition-to-Invoice | Create PO from Requisitionを開く

2) Organization, Warehouseを指定し、Startボタンをクリック

※Requisitionを指定しない場合、CompleteとなっているRequisitionすべてが処理対象とされる。

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発注の確定、仕訳連携の流れを以下に示す。

1) Menu | Requisition-to-Invoice | Purchase Orderを開くと見積要求で対象とされていた4つの製品に対するPurchase Orderが発行されていることを確認できる。

2) Prepareボタンをクリックすると、ダイアログが表示されるので、Completeを選択し、OKボタンを押すと、PrepareボタンがCloseに変更される。

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発注の確定、仕訳連携の流れを以下に示す。

1) Purchase Orderウィンドウにおいて、新たに”Not Posted”ボタンが表示される。それぞれのPurchase Orderに対して、このボタンをクリックする。

⇒おそらく、指定した仕入計上基準によって、ここでの操作の結果発生する仕訳がかわる

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1. はじめに

2. 業務編

3. システム編

4. 特別編 1. ERPパッケージと会計

2. ERPパッケージと内部統制

5. まとめ

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会計とは、情報利用者が、事情に精通した上で、判断や意思決定を行うことができるように、経済的な情報を識別し、測定し、伝達するプロセスである。(1966年、アメリカ会計学会)

• 内部利害関係者:管理会計=経営管理

• 外部利害関係者:財務会計=財務報告

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種々の管理会計があるが、ERPでは管理会計の基礎データとなる情報が活用できる状態でなければならない。

• 予算制度:詳細な会計情報

• 業績評価:人事管理

• CVP分析:在庫管理

• 設備投資の経済性計算:固定資産管理

• 活動基準原価計算:労務管理/生産管理/在庫管理など

• 原価計算(標準原価計算):生産管理

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財務会計に関連する法律としては以下が挙げられる。

• 会社法:会社法計算書類 – 経団連ひな型

• 会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型 • 会社法431条 株式会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。

• 証券取引法:有価証券報告書 – 金融庁:タクソノミ(電子的ひな型)

• EDINET (Electronic Disclosure for Investors' Network)上でのXBRLに基づいた標準財務報告形式の定義 • EDINETタクソノミは、全提出会社が共通的に利用できるタクソノミとする必要があるため、会計に係る法令・規則等から勘定科目を網羅的に洗い出すとともに、過去数年に渡る開示実績より抽出・選定することによって、標準的な勘定科目を設定している。日本語名称と英語名称は常に 1 対1て対応。

• 法人税法:税務申告書(別表4など) – 法人税法及び関連通達に規定 – 財務諸表を申告調整することにより税法上の所得計算を実施。ERP上で考慮すべき点は限定的(例:減価償却計算)

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タクソノミに関する説明を以下に記載する。

• タクソノミでは業種ごとの勘定科目一覧が構成されている。

– 一般商工業、建設業、銀行・信託業、社会医療法人、学校法人

• ただし必要に応じて管理用勘定科目を追加する。試算表は管理用勘定科目にて作成し、財務諸表は集約した後に作成されることが望ましい。

– 管理用勘定科目例:売掛金(請求済)、売掛金(未請求)、預金(◯◯銀行)、製品(◯◯製品)

– 旅費交通費+通勤定期代・・・旅費交通費に集約

– 広告宣伝費+販売促進費・・・広告宣伝費に集約

– 消耗品費+事務用消耗品費・・・消耗品費に集約

– 給料賃金+賞与・・・給料賃金に集約

– 金額が少ない経費勘定科目・・・雑費に集約(雑費の集計は通常は経理部門にて手作業にて実施される)

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海外の勘定科目との連携に関連する動向を以下に示す。

• XBRL:世界中の企業が公表する財務情報を、利用者によるコンピュータ分析をいかに容易にするかという視点から開発されてきたコンピュータ言語

• タクソノミ:XBRL整備に合わせて、従来、開示勘定科目に微妙な差異が生じていたものを体系的に定義付けたもの。

• ただし、適用する会計基準が異なれば単純に統一することができない。現状会計基準ごとに下記のタクソノミが公表されている。 – 日本:EDINETタクソノミ

– IFRS:IFRSタクソノミ

– 米国:US GAAPタクソノミ

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内部統制に関する説明を以下に示す。

• 内部統制(internal control)とは組織の業務の適正を確保するための体制を構築していくシステムを指す。

• すなわち、組織がその目的を有効・効率的かつ適正に達成するために、その組織の内部において適用されるルールや業務プロセスを整備し運用すること、ないしその結果確立されたシステムをいう。

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内部統制に関連する法令を以下に示す。

• 会社法:意思決定機関の義務 – 取締役会の義務規定(362条4項6号)

– 取締役の義務規定(348条2項・3項4号・4項)

• 証券取引法:J-SOX

– 上場会社は内部統制報告書の提出義務及び、内部統制報告書監査を受けることが義務付けられている。

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内部統制の目的を以下に示す。

• 業務の有効性・効率性 – 事業活動の目標の達成のため、業務の有効性及び効率性を高めること。

• 財務報告の信頼性 – 開示する財務諸表と財務諸表に重要な影響をおよぼす可能性が有る情報について、その信頼性を担保すること。

• 法令遵守 – 事業活動に関わる法令や会計基準もしくは規範、各社の倫理綱領やガイドラインを順守させること。

• 資産の保全 – 会社の資産(有形・無形、人的資源も含む)の取得やその使用、処分が正当な手続きや承認のもとで適切に行われるように資産の保全を図ること。

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内部統制の構成要素を以下に示す。

統制環境:

• 統制環境とは、組織の気風を決定し、統制に対する組織内のすべての者の意識に影響を与えるとともに、他の基本的要素の基礎をなし、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング及びITへの対応に及ぼす基盤をいう。

リスクの評価と対応:

• リスクの評価とは、組織目標の達成に影響を与える事象のうち、組織目標の達成を阻害する要因をリスクとして識別、分析及び評価するプロセスをいう。 リスクへの対応とは、リスクの評価を受けて、当該リスクへの適切な対応を選択するプロセスをいう。

統制活動:

• 統制活動とは、経営者の命令及び指示が適切に実行されることを確保するために定められる方針及び手続きをいう。(ex.ある作業に関し、誰が最終的な責任者であるかを明確にし、その者がその作業を、統制できている状況) – 例:ロールの権限設定、業務フローの設定、電子承認

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情報と伝達:

• 情報と伝達とは、必要な情報が識別、把握及び処理され、組織内外及び関係者相互に正しく伝えられることを確保することをいう。 – DBの網羅的な連携と適切なレポーティング機能

モニタリング:

• モニタリングとは、内部統制が有効に機能していることを継続的に評価するプロセス(内部監査や外部監査において監査側が統制活動を監査するためのサンプルの採取がスムーズに行なえるかどうかが焦点になる)をいう。 – DB上の仕訳データを網羅的に抽出できる機能(CSVやテキストデータなど)

ITへの対応:

• ITへの対応とは、組織目標を達成するために予め適切な方針及び手続き(情報管理規定など)を定め、それを踏まえて、業務の実施において組織の内外のITに対し、適切に対応すること(ex.、上記4つの目的、6つの基本的要素を踏まえて情報システムを構築すること、ITの保守・管理部門によって行なわれる財務関連の元データ情報の更新に関して、更新履歴を正確に記録することなど)をいう。 – ERPパッケージが適切保守管理されている必要性。

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ERPと内部統制の関係を以下に示す。

• 会社組織を適性に経営するためには内部統制の構築が必要。

• 内部統制の構築ツールとしてERPパッケージの利用が有用。なぜならばERPは内部統制の基本構想が設計されているため。

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1. はじめに

2. 業務編

3. システム編

4. 特別編

5. まとめ 1. 質疑応答

2. 今後の活動 (フリーディスカッション)

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<業務編>

1. 全体業務フロー ・・・第9回勉強会

2. 会計業務

1. 会計入門 ・・・第10回勉強会

2. 財務会計 ・・・第11/12/13回勉強会

3. 管理会計

4. 税務会計

3. 人事業務

1. 人事業務

2. 給与計算

4. 販売・仕入業務

5. 在庫管理

6. 製造管理

今後の勉強会で取り扱っていくテーマを以下に記載します。

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<システム編> 1. ADempiere基本コンセプト ・・・第9回勉強会 2. ADempiere 3.4 ERP Solutions

1. ADempiereのインストール ・・・第9回勉強会 • ADempiereのインストール • ADempiereクライアントの基本操作

2. 初期セットアップ ・・・第10/11/12回勉強会 • 組織構造とクライアントの初期セットアップ • マスターデータのセットアップと会計処理の設定

3. 仕入・生産・販売 ・・・第12回/13勉強会 • 仕入 • Landed Cost 生産、販売

4. 会計・在庫管理 • 会計情報と設定 • 在庫管理

5. ワークフロー・レポート • ADempiereワークフロー • レポート管理

6. インポート・セキュリティ設定 • データのインポート • セキュリティの実装

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著作権

本書の記載内容は、著作権の対象となっています。

本書の内容の全部または一部について、私的使用または引用等著作権法上認められた行為として、適宜の方法により出所を明示することにより、引用・転載複製を行うことができます。

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本書の記載内容に関するお問い合わせ先

ADempiere Japan Users Group

http://sourceforge.jp/projects/adempiere/