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セラミックアンカーCA
2013ー12
施工要領書 (定着材:セメフォースアンカー版)
セラミックアンカ-の取り扱い注意事項
•施工要領書に従い作業を行ってください。
•施工要領書に記載されている方法以外では 絶対に施工しないで下さい。
誤った取り扱いにより人が死亡又は重傷を負う可能性があります。
お願い
•穿孔後は必ず穿孔長を確認し、尚且つ本体が挿入できるか確認して下さい。
確認作業を怠ると施工不良の原因となり事故につながる恐れがあります。
•清掃作業は十分に行って下さい。
清掃作業を怠ると施工不良の原因となり事故につながる恐れがあります。
警告
セメフォースアンカーの取り扱い注意事項
・以下の事項に注意してください。
各事項が守られない場合、セメフォースアンカーの付着性能の低下、施工時の不具合の発生、または、事故につながる可能性があります。十分注意してください。
《輸送および保管》
直射日光を避け、冷暗所に安置してください。
《使用上の注意》
(1)本製品は強いアルカリ性を示し、目、鼻、皮膚等を刺激し、粘膜に炎症を起こすことがあります。
(2)作業時には、手袋、防塵マスク、防護めがねを必ず着用してください。
(3)目に入った場合は、きれいな水で十分に洗浄し、直ちに専門医の診察を受けてください。
(4)皮膚に付着した場合はきれいな水で十分に洗い流してください。
《使用期限》
ロット番号の製造日より2年以内に使用してください。
目次
はじめに
セラミックアンカーの特長
1.セラミックアンカーについて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
(1)アンカー本体部
(2)スリーブ・ゴムパッキン
(3)定着材「セメフォースアンカー」
2.施工手順 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
(1)施工手順
(2)施工時の注意点
3.施工管理 (標準施工) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
(1)セラミックアンカーの施工仕様
(2)穿孔
(3)孔内清掃
(4)孔深さ確認
(5)専用水の取扱い
(6)ノズルへのマーキング
(7)撹拌
(8)セメフォースアンカー注入
(9)セラミックアンカー挿入
(10)硬化養生
4.施工管理 (特殊施工) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
(1)障害物への対処
(2)ジャンカ等への対応
はじめに
現代社会において、私たちの生活を支えるコンクリート構造物は高い耐久性が求められています。このコンクリート構造物に使われるインサート・アンカー材についても同様に高い耐久性が求められています。
当社では、明電舎の長年蓄積したセラミックスに関する技術を応用し、コンクリート構造物に埋設する先付けインサート・あと施工アンカーのセラミックス化に成功し、ライフサイクルを長期化することによる信頼性向上・リプレイスコストの低減を実現いたしました。
本施工要領書は、当社の製品「セラミックアンカー」の優れた特長、「セラミックアンカー」の施工に必要な材料、機械、又は施工手順を記載してあります。
当社の製品「セラミックアンカー」を安全に正しくご使用いただくために、本書をご活用いただきますようご案内申し上げます。
セラミックアンカーの特長
高 い 耐 食 性 高純度なアルミナ(Al2O3)系セラミックス製であるため、セラミックアンカー本体は絶縁物です。金属ボルト、鉄筋などの接触による電食は一切発生しません。
高 い 耐 食 性 高純度なアルミナ(Al2O3)系セラミックス製であるため、酸、アルカリ、高湿度、塩害などの悪環境下においても腐食しません。
高 い 耐 火 性 高純度なアルミナ(Al2O3)系セラミックス製であるため、1300℃の高温下でも変形、劣化 は起らず、万一火災が発生しても安心です。
高 い 強 度 高純度なアルミナ(Al2O3)系セラミックス製であり、金属製アンカーと比較しても遜色の無い高い強度が得られます。
高 い 適 合 性 高純度なアルミナ(Al2O3)系セラミックス製であるため、熱膨張係数がコンクリートのそれと近く、腐食による膨張も起こらないため、コンクリートとの高い適合性を示します。
豊富な製品群 標準品として汎用性の高いM10・M12・M16・M20・M24のサイズを用意しています。そのほか特殊ねじなどにも対応いたします。
優れた作業性 市販のコーキングガンでも簡単に充填できます。
万全な品質管理 万全な品質管理体制を整え、また廃棄物減量などの環境問題にも積極的に取り組んでいます。
優れた経済性 コストパフォーマンスの高い製造方法によりお客様のご希望にかなう低価格をご提示できます。
独 創 性 セラミックアンカーの形状など製品に関する独創性は多くの特許、意匠として登録され ています。
1
第1表 セラミックアンカー寸法
第2図 セラミックアンカー形状
セラミックアンカーはセラミックアンカー本体(めねじ)・スリーブ・ゴムパッキン及び定着材で構成されています。穿孔機により所定の深さに穿孔し、定着材を穿孔した孔に
注入し、セラミックアンカー本体を挿入します。
セラミックアンカーのめねじ部は高純度なアルミナ系セラミックス(Al2O3)でできています。定着材との付着力を保持するため、外周にはスパイラル状のヒダがあるのが特徴です。
(1)アンカー本体部
(2)スリーブ・ゴムパッキン
スリーブはセラミックス製です。
ゴムパッキンは、施工後にキャップを入れる必要があるときに取り外します。
ゴムパッキンが不要な場合はスリーブから取り外し、スリーブ端面がコンクリートと同一面になるようにします。その場合、埋め込み深さが浅くなるため、引抜き力計算値を低減する必要があります。
第2表 スリーブ・ゴムパッキン寸法
第3図 スリーブ゙・ゴムパッキン形状
第1図 セラミックアンカー構成図
2
(mm)ねじ呼び D H
M10 21 22
M12 22 25
M16 27 35
M20 32 44
M24 39 52
M30 48 62
(mm)
ゴムパッキン
D1 D2 L t
M10 20 12 15 3M12 23 14 30 5M16 28 18 30/40 5M20 34 22 51 5M24 40 26 73 5M30 48 32 88 -
ねじ呼びスリ-ブ
1. セラミックアンカーについてゴムパッキン
スリーブ
アンカー本体
D
H
D1
D2
tL
ゴムパッキン
スリーブ
(3)定着材「セメフォースアンカー」
3
②荷姿
セメフォースアンカーの荷姿を第3表に示します。
①特長
種類 粉体材料 練上り容量 入り数 専用水
セメフォースアンカー150
300g 150ml20本/箱。ロングノズル、キャップ付き。
標準赤キャップまたは夏季白キャップ
セメフォースアンカー500
1000g 500ml10本/箱。ロングノズル、キャップ付き。
同上
第3表 セメフォースアンカーの荷姿
『人・建物・環境にやさしい!』をテーマに開発した商品が、世界初、無機系注入式アンカー「セメフォースアンカー」です。特殊セメントを主原料に使用しており、硬化後は躯体コンクリートと同質になります。挙動や不燃性など、無機系の特徴が 大限発揮されます。従来の接着系アンカーと同等の付着力を持ち、乾燥・湿潤・水中のあらゆる施工環境に対応
できます。
・ 注入式の無機系アンカー世界初,カートリッジ容器を用いた、注入式無機系アンカーです。膨張性超速硬セメントをベースにしています。カプセルタイプが使えなかった部位で,無機系アンカーが使用できます。注入式なので、騒音の発生を抑えることができます。
・セメント系材料セメント系のため、硬化後はコンクリートと同質となります。カートリッジ内に専用水を注入、容器を振って攪拌します。専用水を使用するので、常に正しい水セメント比で使用できます。
・優れた充填性能市販のコーキングガンでも簡単に充填できます。アンカー材を、もちもちした特性に材料設計。上面施工でも、アンカー材の垂れがほとんどありません。
・施工環境を問わない固着性能ハンマドリルでもコアドリルでも、同等の固着力を発揮します。孔内部が乾燥状態でも、湿潤状態でも、問題なく施工できます。水中施工も可能です。
・不燃,耐熱性能セメント系のため、不燃材料です。コンクリート同等の耐熱性能が期待できます。
・高い安全性有機系のような、有害成分やにおいの発生がありません。施工現場での保管も容易です。
4
セラミックアンカーの標準的な施工手順を(1)で、施工時の注意点を(2)で示します。
この手順に沿った施工を行ってください。詳細は、「3.施工管理」で示します。
2.施工手順
(1)施工手順
①母材穿孔 ③孔深さ確認
④セメフォースアンカー注入 ⑤セラミックアンカー挿入 ⑥硬化養生
セラミックアンカーの埋め込み位置に、穿孔機で所定の寸法の穿孔を行います。
適正な清掃工具を用い、孔内の切粉をきれいに取り除きます。
セメフォースアンカーを奥から充填します。(吐出量は1ストローク約
10~13ml。)
セラミックアンカーを回転・挿入し、セラミックアンカー端面がコンクリート表面と同一面になるようにします。この際、長めのボルトをア
ンカーに挿入し、ボルトを持って挿入すると施工が容易になります。
所定時間内は、セラミックアンカーを動かさないでください。
②孔内清掃
マーキング
穿孔した孔にセラミックアンカーを挿入し、セラミックアンカー端面がコンクリート表面と同一面になるまで挿入できるか、あらかじめ確認します。
①母材穿孔
所定の穿孔長を得るため、ドリルビットにテープなどで目印をつけて穿孔してください。
②孔内清掃
コンクリートの切粉が取れるまでブラシで十分に清掃を行なってください。
泥水、油分などが残っていると強度低下の原因となります。
切粉が残っていると、セラミックアンカーを所定の深さまで挿入できないことがあります。
③孔深さ確認
セラミックアンカーを穿孔した孔に挿入し、セラミックアンカーが所定深さまで入ることを必ず確認してください。
④セメフォースアンカー注入
セメフォースアンカーの混合・攪拌作業は「3.施工管理」の通り確実に行い、混合不良とならないようにしてください。
充填量は、施工仕様で決められた量を注入してください。定着材が不足した場合は、強度不足の原因になる恐れがあります。
穿孔部の手前にだけセメフォースアンカーを注入すると、孔の底部に充填不足がおき耐力が低下します。必ず孔の奥から注入し始め、徐々に手前に引いて下さい。
⑤セラミックアンカー挿入
セメフォースアンカーを注入後、可使時間内にセラミックアンカーを挿入して下さい。
セメフォースアンカーが穿孔した孔の入り口からあふれ、孔の内部に充填されていることを確認してください。
⑥硬化養生
所定の硬化時間まではセラミックアンカーを動かさないでください。
硬化時間後に、セラミックアンカーにボルトを挿入して荷重あるいは締付けを与えてください。
5
(2)施工時の注意点
3 施工管理 (標準施工)
セラミックアンカーの施工では、セラミックアンカーの性能を引き出すため、施工手順を守って正しい施工を行ってください。
施工にあたっては、次に挙げる管理事項に基づいて作業を行ってください。
第4表 セラミックアンカーの施工仕様
(2)穿孔
あらかじめ墨出された位置に、作業に適した穿孔機械を用いて、適正寸法のビットで、所定の深さまで穿孔します。穿孔に際しての注意事項は次の通りです。
6
第5表 穿孔機械の穿孔能力
ダップドリル
振動ドリル
ハンマードリル
削 岩 機
ダイアモンドコアドリル
ビットの使用範囲 (mm)
穿孔機械
10 20 30 40 50 60
(1)セラミックアンカーの施工仕様
セラミックアンカーの使用にあたっては、第4表の施工仕様に従い、サイズにあった施工を行ってください。
①穿孔機械
穿孔機械及び、打設機械には、第5表および第6表に示すような種類があります。
セラミックアンカーのサイズに合った適正能力の機械を選定してください。
呼び径有効埋込長
(mm)穿孔径(mm)
穿孔深さ(mm)
定着材容量(ml)
トリガ回数目安
(回)
ノズルマーク位置(mm)
M10 40 25 45 16.5 1~2 11M12 60 28 65 27.0 2 21
70 75 49.2 3~4 2480 85 53.9 4~5 29
M20 100 40 105 73.7 5~6 46M24 130 47 135 98.3 7~8 78M30 150 62 155 281.8 20~23 62
M16 35
第6表 穿孔機械の種類とメ-カ-の一例
機械の種類 メ ー カ ー
ダップドリル (㈱日研ツール
振動ドリル 日立工機㈱、㈱マキタ電気製作所、ボッシュ㈱、リョービ㈱等
ハンマードリル 日立工機㈱、㈱マキタ電気製作所、ボッシュ㈱、リョービ㈱等
削 岩 機東洋削岩機㈱、古河削岩機㈱、㈱帝国削岩機製作所、山本鐵工所㈱、㈱東洋空気製作所 等
ダイアモンドコアドリル 渋谷商事㈱、㈱コンセック
②母材穿孔
7
6ページの第4表に示す仕様で穿孔します。以下の点に注意して穿孔してください。
(a)穿孔径必要以上に大きな孔をあけないでください。穿孔径が大きすぎるとアンカーの定着が
十分でなくなる恐れがあります。穿孔径が小さすぎたり、孔の中に凸部がある場合は、セラミックアンカーが所定の深
さまで挿入出来ない恐れがあります。
(b) 穿孔深さ穿孔深さを正しく守るため、ドリルビットに穿孔深さを示すマ-クを付けたり、デプ
スゲ-ジを使用してください。穿孔深さが深すぎると定着材が不足し、十分な強度が得られなくなる恐れがあります。穿孔深さが浅いとセラミックアンカーを所定の深さまで挿入できない恐れがあります。
(c)穿孔方向施工面に対して垂直を原則とします。鉄筋や配管などの干渉により垂直に穿孔できない場合、現場責任者及び設計者の指示
に従ってください。
(3)孔内清掃
穿孔後、孔内のコンクリートの切粉をきれいに取り除いてください。
切粉が残っていると、アンカーの十分な付着力が得られなかったり、セラミックアンカーが所定の深さまで打設できなくなる場合があります。
①清掃用具
清掃にはブラシ、集塵機またはブロアを使用してください。
ブラシ 集塵機 ブロア
第4図 清掃工具
②清掃順序
(a) 集塵機又は、ブロアを用いて孔内の清掃を行います。
(b) ブラシにより、孔内の壁面に付着している切粉を充分に取り除いてください。
(c) 残留切粉を(a)と同様に除去してください。
8
第5図 孔内清掃
(4)孔深さ確認
穿孔した孔にセラミックアンカーを仮挿入し、穿孔深さが十分であることを確認します。
9
(5)専用水の取扱い
①専用水の種類
②専用水の取扱い
専用水はなるべく冷やして、専用水の温度が20℃以下になるようにして使用して下さい。
(a)気温が25℃以上の場合
専用水の温度が20℃以下となるように、チラーユニットを用いるか、クーラーバッグと氷で冷やすなどして使用してください。
25℃以上の専用水を使用した場合、アンカー材の温度によっては急結する場合があります。
(b)気温が25℃以下の場合
専用水を10℃以下に冷却しても硬化に問題はありません。
③可使時間
専用水の温度が20℃のときの可使時間を第7表に示します。
セメフォースアンカーは可使時間内に使い切ってください。
専用水種類暑中期
(気温30℃)通常期
(気温20℃)寒中期
(気温10℃)
標準赤キャップ 5~10分 10~15分 20~40分
夏期白キャップ 15~25分 30~45分 -
第7表 可使時間(専用水の温度が20℃の場合。)
セメフォースアンカーの専用水は、以下の2種類があります。
使用環境によりどちらか選んで使用してください。
・標準赤キャップ :標準タイプです。必要量が軽量してあります。
・夏期白キャップ :セメントの硬化遅延材剤を配合しました。
夏期や、ハンドリングタイムをのばしたい場合に使用してください。
気温が10℃以下では使用しないで下さい。
夏季は専用水の冷却を、お勧めします
(6) ノズルへのマーキング
セメフォースアンカーのノズルには、注入量の目安となるノズルマークをつけることをお勧めします。
まず、ノズルを適当な長さにカットしてください。デッドとなる材料を減らし、作業性を向上させることが出来ます。
次に、ノズルの先端より長さを計り、弟8表記載の「ノズルマーク位置」にマークを付けてください。
第8表 セメフォースアンカーの充填量とノズルマークの位置
(7)攪拌
(a)カートリッジのキャップを外し、注入口のアルミ箔を付属のコーキング用のノズル(尖ったもの)で破ってください(セメフォースアンカー500には注入口のアルミ箔はありません。)
①空振り
セメフォースアンカーの保存中にセメントが下に詰まっていますので、以下の手順で空振りを行ってください。
空振りをせずに専用水を入れると、混合不足になることがあります。
②注水
10
(a)セメフォースアンカーのカートリッジを、キャップが下に来るように逆さにし、5~6回空振りしてください。
(b)カートリッジは半透明になっています。セメントが裏蓋についていないことを目視で確認してください。
混合不足の原因のほとんどが、空振りしていないか、空振り不足です。必ず実行してください。
呼び径有効埋込長
(mm)定着材容量
(ml)
ノズルマーク位置(mm)
M10 40 16.5 11M12 60 27.0 21
70 49.2 2480 53.9 29
M20 100 73.7 46M24 130 98.3 78M30 150 281.8 62
M16
11
(b)専用水の温度が20℃以下であることを確認し、全量残さずにカートリッジに入れてください。
(c)カートリッジのキャップを閉めてください。
③予備攪拌
キャップを下にして、逆さまに持ってください。水が下、セメントが上にくるようにしてください。
5~6回30センチ以上のストロークで大きく振ってください。予備混合でセメントと水を大まかに
混ぜてください。
キャップを下にしてください。
(b)手動による攪拌
セメフォースアンカー150は、手で振るだけで混ぜることが出来ます。
カートリッジを上下に振って攪拌します。
(ア)空振り、注水は、上記「(7)攪拌」と同様に行ってください。
(イ) 初の5回は50センチ以上の大きなストロークで振ってください。
写真のように耳の横から腰ベルトの位置まで大きく振ることをイメージしてください。
④攪拌
(a)セメフォースミキサーによる攪拌
予備混合の終わったセメフォースのカートリッジに、セメフォースミキサーを挿入します。
その後、容器を足ではさんで、上下動を加えながら20秒攪拌してください。
インパクトドライバーを用いる場合、回転モードは高速のドリルモードで行ってください。
インパクトドライバーは14.4V、18Vの高電圧タイプを推奨いたします。
差し込んで、足で挟んで攪拌
初の5~6往復は耳の横から、腰の位置まで大きくすばやく振ります。
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(ウ)次に、ストローク20cm(ほぼカートリッジの長さ)、2往復/秒程度の速度で激しく
振ってください。攪拌時間は15秒以上、攪拌回数20往復以上とし、カートリッジ
内部のモルタルが動く音が小さくなるまで振倒してください。
セメント材料を筒内で上下にぶつける感じで振ると、うまく攪拌できます。
攪拌の途中で上下を入れ替えて振るとさらに効果的です。
15往復は20センチ程度(カートリッジの長さ)のストロークで激しく振ります。
(c)攪拌後の確認
(ア)セメフォースアンカーにノズルを取りつけ、ガンにセットします。
13
14
(8) セメフォースアンカー注入
①コーキングガンのトリガを引き、ノズルの先端までセメフォースアンカーを押し出してください。
②ノズル先端を穿孔した孔の奥に入れます。徐々に手前に引きながらセメフォースアンカーを注入します。ノズルマークが孔の入り口まで来たら充填完了の目安となります。
(イ)ノズルを下に向けて、練り上がり状態を確認してください。
●正しい練り上がりの目安(写真-左)
保形性のあるモチモチした状態になります。ノズルを取り付けた状態でも、下に向けて
材料がすぐに落ちてくることはありません。
●練り不足(写真-右)
全体に水が回っていないために、水の多いシャバい状態のモルタルが出てくる結果と
なります。ノズルを傾けただけで、アンカー材料が下にたれ落ちてくる場合は、
練り不足と考えてください。
★注意 練り不足の状態では、絶対に使用しないでください。
正しい練り上がり 練り不足
ノズルを下に向けただけで、タレ
落ちてくる場合は、練り不足です。
ガンで押し出すと、モチモチした材料が出てきます。
練り良品。ノズルを下に向けても、流れ落ちることはありません。
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④ノズル内材料の押し出し
ノズルに残ったセメフォースアンカーも押し出して使用できます。Φ10程度の丸棒で押し出す
ことができます。
③ノズル交換
カートリッジを使いきり、交換する場合、ノズルを付け替えた方が、材料ロスが少なくなります。練り上がったカートリッジは、上部に空隙があり、そのままノズルを付けるとエアかみの原因となります。下記の要領でエア抜きして、ノズルを交換してください。
(a)空になったカートリッジから、ノズルを取り外してください。
(b)新しいカートリッジをガンに取り付け、排出口まで材料を押し出しエア抜きしてください。
(c)できるだけ空気を入れないように、ノズルを付け替えてください。
(10)硬化養生
専用水の温度が20℃のときの硬化時間を、第9表に示します。
専用水種類暑中期
(気温30℃)通常期
(気温20℃)寒中期
(気温10℃)
標準赤キャップ
夏期白キャップ1.5~2時間 2~3時間 6~8時間
第9表 硬化時間(専用水の温度が20℃の場合。)
硬化時間は、D16鉄筋の引張試験で鉄筋の降伏を確認した時間です。
他のさし筋でもボルト締めや溶接など、次の工程に入ることができる時間です。
穿孔した孔の入り口のセメフォースアンカーの濡れ色がなくなって、乾燥した硬化体に
なるまでは、セラミックアンカーを触らないで下さい。
セメフォースアンカーが乾燥した硬化体になったら、硬化時間に達していなくても
セラミックアンカーを触ることは可能です。
引張り試験や台直しなどを行う場合は、24時間後以降に行ってください。
(9)セラミックアンカー挿入
セラミックアンカーを挿入します。
セラミックアンカー端面がコンクリート表面と同一面になるようにします。
横向き、上向き施工の場合、セラミックアンカーが孔底に到達後、必要以上に打撃等を加えないでください。孔内のセメフォースアンカーが孔外に流失し、強度が低下する恐れがあります。
セラミックアンカーを回転・挿入します。
ゴムパッキン端面が平らになるように挿入してください。
第6図 セラミックアンカー挿入
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4.施工管理 (特殊施工)
施工現場では、特殊な条件下で施工せざるを得ないことがあります。
特殊施工は、決してアンカー施工者が独断で実行せず、現場責任者及び設計者の指示に従って作業してください。
(1) 障害物への対処
穿孔中に鉄筋や配管などの干渉によりビットが当る場合以下の方法をとってください。
①位置変更
別の位置に穿孔し直す場合には、既設の孔の影響を受けない場所に穿孔してください。
旧孔はモルタルを充填するなどして補修してください。
②角度変更
干渉物を避けるための傾斜角度は、15度以内となるようにしてください。
角度が急になるほど母材に鋭角な部分ができ、施工中に欠けやすくなるばかりでなく、引張り、せん断力を受けたときに破壊しやすくなりセラミックアンカーの強度が低下します。
この場合、規定量以上の定着材が必要となります。規定量のセメフォースアンカーを入れた後すぐにセラミックアンカーを引き抜き、セメフォースアンカーを追加し再びセラミックアンカーを入れ、穿孔した孔の入り口からセメフォースアンカーがあふれるまで行ってください。
位置変更 角度変更
第7図 障害物への対処方法
17
(2)ジャンカ等への対応
穿孔及び打設途中で母材にジャンカのあることが確認された場合は、現場責任者及び設計者と協議
の上、別位置に再施工するか、 セメフォースアンカーの追加打ちをするなど指示に従ってください。
挿入引き抜き
①規定量のセメフォースアンカーを注入します。
②セラミックアンカーを挿入し、引き抜きます。
③セメフォースアンカーを追加注入します。 ④セラミックアンカーを挿入し、セメフォースアンカーが孔の入り口からあふれるまで繰り返します。表面にあふれたセメフォースアンカーは除去します。
第8図 ジャンカなどへの対処方法
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セラミックアンカ- サイズセメフォースアンカー
充填量
ビット径 mm 穿孔深さ
穿孔機械
孔内清掃ブラシ 集塵機 ダストポンプ ブロア清 掃 機 械
mm穿 孔
ハンマ-ドリル 削岩機 コアドリル
NO. 確 認 項 目 確 認 内 容 確認
1 穿 孔 場 所施工場所に障害となるものがなく、施工墨がでていること。
2 穿孔位置及び深さ所定の位置及び深さが適正であること。
3 孔 内 清 掃清掃工具を用い、切粉などを十分除去すること。
4セラミックアンカー
挿入確認
穿孔した孔にセラミックアンカーを挿入し、セラミックアンカー端面がコンクリート表面と同一面まで挿入できるか確認すること。
5セメフォースアンカー
注入
セメフォースアンカーが混合不足でないことを確認してから注入し、所定の充填量を注入した確認すること。
6セラミックアンカー
挿入
セラミックアンカーを挿入し、アンカー端面がコンクリート表面と同一面となることを確認すること。
7 硬 化 養 生余分なセメフォースアンカーを除去し、所定の硬化時間内はセラミックアンカーを動かさないこと。
※上記確認事項において問題がある場合は、現場責任者及び設計者の指示に従ってください。
打合せ、指示等記録:
施工業者名 氏 名
施工日 人 員 名 コンクリート圧縮強度 MPa
セラミックアンカー施工確認シ-ト
工 事 名 称
工事現場住所
年 月 日
19