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空間と人との融合 ~ ユビキタス 再定義 ~ 慶應義塾大学 高汐 一紀 http://www.ht.sfc.keio.ac.jp/ Tempary Checker (Mental Condition Checker) TEMPA-RU means a mental condition “going to a panic” About 30.00 EURO No WiFi interface Four rankings.. ‒ Tempary ‒ Baribary ‒ Normary ‒ Mattary http://www.roboken.channel.or.jp/tempari/index.html ユビキタスコンピューティング Mark Weiserʼs Vision ユビキタス社会のビジョン in 2008 舌ピアス型 RFID 自販機で,,駅の改札で,,DVD ショップで,, コンテクストアウェアボード 人が前に立つと鏡に化ける広告ボード

コンテクストアウェアボード - Keio Universitykaz/Gainen-J-1.pdf · 1~2年前は少なくとも管理者はどこにどういうネットワークがあって、ど う繋がっているのか全部把握していました。でも、機器を買ってきてポンと

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Page 1: コンテクストアウェアボード - Keio Universitykaz/Gainen-J-1.pdf · 1~2年前は少なくとも管理者はどこにどういうネットワークがあって、ど う繋がっているのか全部把握していました。でも、機器を買ってきてポンと

空間と人との融合~ ユビキタス 再定義 ~

慶應義塾大学 高汐 一紀http://www.ht.sfc.keio.ac.jp/

Tempary Checker(Mental Condition Checker)

TEMPA-RU means a mental condition “going to apanic”

About 30.00 EURONo WiFi interfaceFour rankings..‒ Tempary‒ Baribary‒ Normary‒ Mattary

http://www.roboken.channel.or.jp/tempari/index.html

ユビキタスコンピューティング

Mark Weiserʼs Vision

ユビキタス社会のビジョン in 2008

舌ピアス型 RFID

自販機で,,駅の改札で,,DVD ショップで,,

コンテクストアウェアボード

人が前に立つと鏡に化ける広告ボード

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ウェアラブルディスプレイ

コンテンツを購入・ダウンロード

Tシャツに表示ドレッサブルコンテンツ

コンテクストアウェアプレゼンスサービス

プッシュ型情報配信

プレゼンスサービス属性情報

ユビキタス社会のビジョンⅡ in 2015

アウラ

センサの空中散布

超小型無線センサノード街のコンテクスト

H H

O O

Smart Space Project

Creating a smart environment where many appliances,embedded devices and sensors are seamlessly connected for‒ Human-to-Human‒ Human-to-Object‒ Object-to-Object

Communication and Collaboration

ユビキタス情報空間

Access Open Platform

Usseerr

Access Open Platform H H

O Oスマートスペースの構築

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Various Smart Spaces in Size

Smart Room, Office, HouseSmart Car, TrainSmart Building, FactorySmart CampusSmart Town, CitySmart ForestSmart Nation…and more

室内に構築された知的空間

関連研究‒ EasyLiving, ActiveSpace, Oxygen,‒ Smart Space Lab., Stone Room,‒ Ubiquitous Home, Place Lab., etc.

利点‒ 拡張性の高さ

様々なデバイスやセンサ等の利用電源確保の容易性

欠点‒ コストの高さ

手間・機器のコスト‒ 固定的な設置‒ 即興性の欠如

ユビキタス情報空間

Access Open Platform

Usseerr

Access Open Platform H H

O O新しい道具の創出

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Smart Furniture

Creating Ubiquitous Services‒ Private Space‒ Public SpaceConsists of‒ Computing‒ Communication‒ Sensing‒ Actuation

PreviousPreviousSmart Smart FurnitureFurniture

Large Platform Large Platform 型型

Mo@iMo@i

Assemble Assemble 型型

u-Textureu-Texture

Access Open Platform の変遷

Smart Bulletin Board

Collaborative Tables

Smart Table

Smart Cube

u-Texture III: Concept u-Texture III: Assembled u-Textures

Re-assemblingu-Textures

A

B

Behavior as a part of a paint table

B

Behavior as a part of a music stand

A

u-Texture III: Assembled u-Textures

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特別な何か?

実態はユビキタス・コンピューティングのための特別な何かがあるわけではありません。自然の流れとしてコンピュータ自体が小さくなっていき、家電機器にも入っていく。それを繋げなければいけないから、ネットワークの仕組みも考えなければいけない。気温や明るさを制御するためには、それを調べるセンサーが必要だ。こういう当然の流れとして、ユビキタス・コンピューティングがでてきていると思います。

Mobile Society Review Vol.003

ユビキタスの次に来るモノは?

次は..と考えたとき、ユビキタスというキーワードを使っちゃうと思いつかない。モバイルもユビキタスなら、分散システムもリアルタイムシステムもユビキタスの一要素になってしまっている。それこそハードウェアもソフトウェアもそうでしょう。そういう意味で、割と狡いキーワードなんですよね。で、それを考えると結局、落としどころはない気がする。

ユビキタスの最終形態って結局、インフラなんだよ。ネットワークもそうだし、ハードウェアもインフラとして日常のものとしてある。空気吸っているのと同じ、ガスを使っているのと同じ、水を飲んでるのと同じ。

Mobile Society Review Vol.003

ユビキタス情報社会..再考

1988: Term “Ubiquitous Computing”Mark Weiser, XeroxParcUbiquitous: 至る所に「同時に」存在する

1991: “The Computer for the 21st Century”Scientific Americanhttp://www.ubiq.com/hypertext/weiser/UbiHome.html

Mark Weiser

(1952-1999)

“Ubiquitous Computing enhances computer use by making

computers available throughout the physical environment,

while making them effectively invisible to the user”

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例えば..電車に乗って考えゴトをしているとき,思いついたことを,その場でメモとして残しておきたい..

現実は(私の場合)..

PC(とまでは行かなくても)何らかのデバイスを取り出して操作する..その間に忘れる.‒ タイムラグという意味からは,まだまだ紙文化の方がよい

⇒ それは分かっている‒ それでもキカイを鞄やポケットから引っ張り出してしまう

⇒ 計算機屋の性そういうことを “さりげなく” サポートしてほしい..

そんなシーンをまじめに考えてきただろうか?

モバイル vs. ユビキタス

我々が考えてきたことはまだまだモバイルの延長..?

Mobile/Nomadic/Wearable‒ ヒトをよりインテリジェントに

Ubiquitous/Pervasive‒ 環境側をインテリジェントに‒ 陰に日向に日常生活を支援

どこでも・だれでも・いつでも!?

当初の「ユビキタス=どこでもコンピューティング」という発想は,一見,人間中心のように見えるが..

人間から環境側へのアクションが前提としてある環境から人間への働きかけ..を本来,もっと重視すべき

『ここだけ・私だけ・今だけ』へシフトor

『でもでも』+『だけだけ』へ..

誰のためのモノ創りか!?

Needs-Oriented とは云うけれど..自分で欲しいモノを創ろう!‒ 自分で欲しいモノも創れないヤツに人のためのモノが

創れるのか?‒ 自分仕様..妥協のない要求‒ 最大公約数的な要求仕様

..ある意味ニゲ!

Personal Fabrication の発想‒ MIT Prof. Neil Gershenfeld

情報空間の中で..

人間が持つ道具はちょっとしたモノex. ハリーポッターの杖(オン/オフのスイッチ)

頭の中で記号処理をしなくても身体的にありがたみを “実感” できるもっと “日常の生活”,“日常での行動”に密接した情報支援

インタラクション・スタイル

従来型の情報環境:全ての機能を1台の計算機で限られた(お仕着せの)インタフェースVirtual Reality の発想

Ubiquitous Computing:適材適所のインタフェース1機能1ツールEmbodied Virtuality へ

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Calm Computing の発想

「禅の心」‒ “Calm(静寂)”な世界‒ テクノロジの存在を明示的に見せない(感じさせない)世界‒ 実空間と仮想空間が密に融合した世界

Weiser’s Vision

“Ubiquitous computing is the method of enhancing

computer use by making many computers available

throughout the physical environment, but making

them effectively invisible to the user”

身体性をもったインタラクション

90年代にマーク・ワイザーが提唱しはじめた頃は実は同じように考えた人たちがいて、いろんな名称がついていたんです。僕は、アンディ・ホッパーらのグループがやっていた「センティエント・コンピューティング」というキーワードの方が、もしかしたら目指す世界に近いのではないかと思います。ユーザーがコンピュータの存在を感じるのか、ネットワークが情報空間の存在を感じるのか、コンピュータそのものがわれわれの存在を感じるのかはわかりませが、身体的・感覚的に捉えるというところから彼は名付けたと思いますね。何か触っているものを感覚的に理解できる。環境側で動いている情報サービスを気配として感じる。そういう方向の方が正しい気がする。そこにはユーザーが中心にあると思いますし。そういう意味では、いまはみんなユビキタスというキーワードに踊らされているのかもしれない。

Mobile Society Review Vol.003

ユビキタス情報社会がもしできあがったとすれば、いまのようにコンピュータが目の前にあるわけではなく、それこそ目に見えない情報があちらこちらに存在するかたちになります。では、その存在しているんだけど見えない情報サービスとどういうふうにインタラクションするか。これは、すごく難しい問題になってくると思います。

Mobile Society Review Vol.003

見えない情報空間

空間メモリ(記憶する空間)u-Photo テクノロジSmall Stories 2008 ep.II

把握が難しい世界

1~2年前は少なくとも管理者はどこにどういうネットワークがあって、どう繋がっているのか全部把握していました。でも、機器を買ってきてポンと置くだけで繋がるとなると、管理者すら存在しなくなるかもしれない。数センチ角、数ミリ角のセンサーノードをばらまくと、そいつらが勝手に通信を始めて何とかやっている。そういう世界を作ることもできるわけです。

もちろんシステムとしての管理者はいますし、システム的な動作や挙動についてはインストーラーというかたちで把握できる。各レイヤーの管理者は存在しても、ひょっとすると一番下のネットワークそのもの、例えばトポロジーを管理するといったところでは、どうなるか想像がつかない。不在になってしまうかもしれませんね。

Mobile Society Review Vol.003

最終的な拒否権

ちょうど携帯電話にカメラがつき始めて、それが社会問題になり始めた頃、ある社会科学系の先生が「この3年後には法整備ができて携帯にカメラがつけられなくなるだろう」と言った。その予測は外れるだろうと、僕らは思ってましたけど、その頃からユーザーに拒否するスイッチを作ってあげないと、暗い見通しもあるよねという感触は持っていた。最後に誰が拒否できるか。それが、ユビキタスのキーになる。最終的な拒否権はユーザーにあるべきだろうね。

Mobile Society Review Vol.003

PlaceLab., MIT

映画の中のユビキタスって、みんな割と暗い話なんです。例えば、『マイノリティ・リポート』は、一見便利そうに見えるけど、最終的には怖い方向に進んで、やっばりプライバシーなんてないのねって話になっている。僕がこの話を持ち出したのは、ユビキタスのテクノロジーを使ってもうちょっと明るい世界を考えようよ、という気持ちからなんです。もちろん暗い面もあるかもしれない。でも、極端な話、コンピュータで何でもできますよとなったとき、何がやりたいかというと、僕は魔法なんですね。

Mobile Society Review Vol.003

ユビキタスが照らす光..

マイノリティ・リポートトゥルーマン・ショウエネミーオブアメリカetc.

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技術系と社会科学系の人間のほかに、人間の行動モデルなど人間を研究する人が入っていた方がよい。真ん中に人間をもっと洞察する人がいないと怖い。人間不在というか、ヘンな方向へいってしまう危険性がありえますからね。僕らがモデルにしているのは、環境側をセンシングするという意味での環境のコンテキスト、あるいはソフトウェアのコンテキストだけど、もう一つ大事なのは人間のコンテキストですよ。

Mobile Society Review Vol.003

人間中心のユビキタス

工学系と社会人文学系が交錯する分野‒ ダブルメジャー的人間を必要としているのか?‒ 新しい学問の創出なのか?‒ 必要なのは共通の言語

文科省「やおよろず」プロジェクト(2002.4 ~ 2005.3)http://www.8mg.jp

空間と人との融合

ユビキタスな技術は身体性を空間(環境)へと拡張‒ より自然な形での H-H-0-0 コミュニケーションを支えるライフライン‒ 陰の存在に徹したコンピュータ・システム,ネットワーク‒ 環境が発する情報を五感+αで体感

自然発生的情報人工的情報

‒ 身体(能力)の一部となる情報空間

e.g. オブジェクトが感じている情報を,センサ,ネットワーク,コンピュータの力を借りて,我々も体感し,また,環境へと作用する

ユビキタスは,工学系と社会人文学系が交錯する領域‒ 両者の視点から人間そのものを洞察する人材‒ 議論を成立させるための言語

H H

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