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テーマ: 人生いろいろあります。 いっぱい失敗、時々成功?

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三星刃物株式会社 代表取締役社長:渡邉 隆久

業種:刃物製造業

事業内容 刃物・家庭用品等の製造販売

鎌倉時代から続く、関の七流の刀鍛冶の家系として明治6年に創業しました。

私はその5代目です。

140 余年の歴史を大手海外企業向け包丁、キッチン用品などのOEM(※製造を発注した相手先ブランドで販売される製品を製造すること)製品の製造でノウハウを蓄積して参りました。

『和 NAGOMI』シリーズは当社初のオリジナルブランドであり、パン教室を主宰する私の妻の一言がきっかけとなり生まれました。

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NHK イッピンでの放送

画像クリックで動画が再生されます。

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抱えていた課題 製品の大半はOEM製造。円高を契機に、コストの安いフィリピン、中国への業界初の海外工場進出。

しかしながら、時代の流れとともに変化する外部環境(中国の人件費高騰、欧州の景気後退 米中の貿易摩擦 等)の影響により、業績が大きく左右され、これまでに築いたOEMによる「量産化・薄利多売」のビジネスモデルに替わる新たな収益の柱となる事業の立ち上げが急務となりました。

また、地場産業での職人の高齢化、機械の老朽化がすすみ、刃物の町、関における今後の刃物製造に大きな危惧を抱いておりました。

概 要 説 明

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挑戦した背景や目的 そんな苦境に喘ぐ最中、パン教室を主宰する妻からの“140 年以上も続く老舗メーカーなのに、どうして自社ブランドがないの?”の一言に一念発起。

包丁職人に弟子入り。料理をこよなく愛する妻と一緒に試行錯誤を重ね、理想の包丁の製造を実現するため、関市の様々な職人と協力。そして生まれた『和 NAGOMI』シリーズには、料理人が求める切れ味と、ご家庭で使いやすいデザインとアイデアが盛り込まれています。

『和 NAGOMI』ブランドコンセプト:

「料理を通じて家庭や大切な人との間に

“なごみ”が生まれる製品」。

詳 細 説 明

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挑戦の経緯①人生いろいろあります。いっぱい失敗、時々成功?

1985年プラザ合意で急激な円高が進行。

1986年フィリピンに洋食器の合弁工場を設立。その後、更に工場の規模を拡大するも10年後には全ての合弁を解消してフィリピンから撤退。

1986年米国レザーマンツール社との共同出資でレザーマンツールジャパンを設立。

詳 細 説 明

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挑戦の経緯② 1987年開放政策の中国深センに洋食器工場、1992年にキッチンナイフ工場を設立。それに伴い、自社の日本の工場を閉鎖(関の刃物製造部門だけは細々と存続)、外注先との契約解消。機械を海外に移動。地元の企業からの誹謗中傷を受ける。

1994年アメリカでのパテント侵害の訴訟に巻き込まれ、一審では完敗。最高裁まで争い勝訴。

1996年中国の刃物の町、陽江に合弁工場設立。2001年には深センの2工場をすべて閉鎖・陽江に移動統合する。

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挑戦の経緯③ 2009年提案型OEMでアメリカ大手ウオールマートから大口受注するも、値上げで2年後にはゼロに。

2010年西オーストラリア自然環境保護局からの依頼で、海水にも錆びないクジラ救出用ナイフを関の地元の企業と一緒に開発。その後その鋼材を使った製品がアメリカの海兵隊に採用され、現在も受注は続いている。

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挑戦の経緯④ 2011年 包丁ブームに乗って海外向けにダマスカス鋼材を使った包丁を発表。海外での展示会である程度の受注をとるが、他社との差別化が全くできず、先細りに。

2010年真っ暗なトンネルに明かりを必死に求め、山口先生の講演会に初めて参加。

翌年2011年スモールサン名古屋ゼミに参加。山口先生の3つの力のお話し、売り上げの5%で新

しいことに挑戦すること、隣接異業種のお話しに、その答えを自社の事業に見つけ出したいと動き出す。

更に、安藤竜二さんのブランディングの講義に目からうろこ。まずはレザーマンツールのブランディングのお手伝いをお願いすると同時に、ブランディングについての勉強を始める。

2012-2013年OEMの大口客先を失う。

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挑戦の経緯⑤ 2012年家内の一言から、本当に自分が納得できる包丁の開発が始まる。パン教室の生徒さんにモニターを実施。その後その製品化を巡り、自社刃物製造部門と毎日のように口論を繰り返す。出来た製品は自分が検品すると50%以上不良となり、更に職人との軋轢を生み、ついには社員の誰も検品をしようとしなくなり、5時半以降一人で検品する。

2014年アメリカ大手家電メーカーからの日本製包丁のブランド

開発の依頼をうけて、全勢力をつぎ込み製品を開発。受注の約束

を取り付けるも、土壇場で中国勢にすべて持って行かれる。

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挑戦の経緯⑥

2015年春。工場長や関の職人さんたちの協力もあり、和NAGOMI が完成。やっと出来た見本を持ってドイツの国際見本市に出展するも、品質はBMWだがこれは日本の包丁ではない、日本の企業がBMWを作ってドイツで売れるのか?人気のダマスカス包丁を安くつくれば良いと手厳しい評価を受ける。

展示会で知り合ったフランス人シェフにフランス リヨンで

活躍するミシュランシェフ新居剛さんの存在を教えて戴き、

藁にもすがる思いでネット検索して連絡を取り,和NAGOMI

包丁をお送りする。1か月後その製品に対する

新居シェフからの返事に涙が出ました。

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挑戦の経緯⑦ 新居 剛 / Tsuyoshi ARAI Restaurant Au 14 Fevrier - Lyon, France

“私たちは毎日10 時間以上も料理をしており、包丁を選ぶ基準も高くなります。今回、「和 NAGOMI」を使ってみて、グリップがとても握りやすく、初めから手にしっくりときて、適度な重量で疲れることなく使用できたのが驚きでした。派手さはないが、凛とした佇まいが日本の包丁だなと強く感じられました。

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挑戦の経緯⑧ そればかりではなく、素晴らしい写真と友人(いずれもミシュランや国家最高料理人MOFのシェフ)の写真をボランティア―で撮影。頑張れ!のエールと一緒に送ってくださいました。

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挑戦の経緯⑨ この言葉から良さを分かってくださるのは日本人と考え直し、販売先を従来の海外から日本国内に変更。社員に大反対された国内販売経験ゼロからのスタートでした。

パン教室の生徒にモニターを行い、高級包丁は1万円なら買えるとの意見から、作る前から売値を1万円に設定。しかし、品質にこだわり過ぎて原価が上がり、結果として間に問屋を入れることが出来ず、自分達で売るしか方法が無くなる。

デパートの催事に販売員として。

プロからお声がかかれば、どこにでも

包丁を持て出かけて説明しました。

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挑戦した結果① 2015 年9月日本での販売開始。その後、日本国内においては有名雑誌、NHK等でも紹介を頂き。東京パレスホテルでの使用、東京帝国ホテル、銀座東急プラザ、藤巻百貨店での販売。また、ふるさと納税では岐阜県関市の人気返礼品No.1(2019 年2 月時点)を獲得するなど、大変ご好評頂き,現在故郷納税では8か月待ちの状況です。

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挑戦した結果② 海外においては、2018 年11 月アメリカの有名雑誌「food&wine」誌に特集されたことから、自社の海外サイトに直接個人の注文が入る様になりました。また、和 NAGOMIの品質を見たアメリカ大手チェーンストア―TJXのバイヤーから直接取引の依頼も入り、自社以外の関の刃物工場で量産に対応して戴ける企業に協力を仰ぎ、数100万ドルを超える受注に繋がっております。

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箱瀬先生との出会い 和NAGOMIを通じた輪島の蒔絵の巨匠 箱瀬淳一氏との出会いは、ついには特別仕様として関の刃物と輪島の蒔絵とのコラボレーションで世界に1本の蒔絵のケーキとチーズナイフも完成させました。その繊細さと芸術性には驚かされます。

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今後のビジョン①世界に冠たるブランドを関の地より育てる事を目標に、その足掛かりとして、イベントを実施。

2019年10 月15 日(火)18:00(現地時間)、ニューヨーク・マンハッタンはディガストバス料理学校(De Gustibus cooking school)にて、自社ブランド『和 NAGOMI』包丁シリーズを使ったプロモーションイベントを開催いたします。シェフ、料理学校参加者、メディア関係者をお招きし、現地有名シェフによる『和 NAGOMI』包丁を使用したお料理を提供し、製品のすばらしさをご覧頂きながら、食事をお楽しみ頂くイベントです。世界的に有名であるTate's Bake Shopの創業者であるKathleen King 氏も当ブランドのファンとしてご参加頂く予定です。

その後2019 年11 月にはアメリカのクラウドファンディング(Kickstarter, Indiegogo)にて『和NAGOMI』シリーズ限定品の発信を予定しています。更にそのクラウドファンディングで得た支援で、長年探し求めた理想の材料で、更なる高みの刃物を開発すことを目指しております。

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今後のビジョン② 当社の従来のビジネスモデルであるOEM による量産化・薄利多売に替わる新たな事業として誕生した『和 NAGOMI』。その立ち上げにより、職人の高齢化に苦しむ地場産業の一社であった当社にも、ブランドへの思いを共有することで、若手が集まるようになりました。次第に、社内の雰囲気も明るくなり、お客様からの“有難う”の言葉が製品に込める社員の思いを一層強いものにしています。そして何より、一度は海外に出た弊社を温かく迎え、和 NAGOMI の開発に協力して戴いた関の職人さん達に心から感謝しております。

ブランドとは愛情をもって育てるもので、

それに人が共感して、広がるものと今は思っております。

そして、出会いの偶然は、求める人の前にしか立ちどまらない。