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患者様と保険薬局様のより良い未来へ 〒158-0097 東京都世田谷区用賀4丁目101号 世田谷ビジネススクエアタワー3F TEL.03-6411-7360FAX.03-6447-9924 東京・静岡名古屋大阪広島福岡 https://www.hi-bridge.co.jp 薬局通信へのご要望・ご質問などございましたら、 下記までご連絡ください。 営業推進課 メール[email protected] FAX03-6447-9924 ハイブリッジ株式会社 公益財団法人日本医療機能評価機構が、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の共有すべき事例 2020年No.5を6月2日に公表しました。薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業は、公益財団法人 日本医療機能評価機構が、2009年から実施しています。 今回は、ハーボニーとPPIの相互作用についてご紹介いたします。 ハーボニーとPPIの相互作用に関する事例 さて、この相互作用については、事例のようにハーボニー配合錠の添付文書には、 プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール等)の相互作用として、「レジパスビルの溶解性は胃内pH の上昇により低下する。胃内pHを上昇させる薬剤との併用ではレジパスビルの血漿中濃度が低下す る。」という機序・危険因子の記載があります。 また、PPIだけではなく、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の制酸剤、H2受容体拮抗剤 についても、同様の記載があります。 一方、ネキシウムカプセルの添付文書には「胃酸分泌抑制作用により、併用薬剤の吸収を上昇又は 低下させることがある。」という記載のみで、レジパスビルについての直接の記述はありません。 単に添付文書改定が間に合っていないのか、大きく括られた範囲と個別の医薬品の違い等々がある のかは、ケース毎に異なるかと思いますが、注意する必要があると考えられます。 電子薬歴「Hi-story」では、鑑査結果マークを目立たせるため、 文字色や背景色、サイズの変更が可能です! (設定方法:メニュー画面>マスタ・環境設定>鑑査設定>鑑査マーク) 当社の電子薬歴に搭載している医薬品データベースは、このような併用禁忌があれば、 相互作用のチェックにて「禁止」のアラートを出すように組み込まれております。 ハーボニー配合錠 (レジパスビル/ソホスブビル配合錠)を朝食後に服用している患者に、 ネキシウムカプセル20mg 1カプセル が朝食後に処方されました。 (有効成分:エソメプラゾールマグネシウム水和物) 今回の事例では、患者に薬剤を交付した後に、ハーボニー配合錠の添付文書を確認したところ、 「本剤と併用する場合は、プロトンポンプ阻害剤を空腹時に本剤と同時投与すること」 の記載 に気づき、処方医に疑義照会を行った結果、それぞれの用法が朝食後2時間に変更となりました。

ハーボニーとPPI...ハーボニーとPPIの相互作用に関する事例 さて、この相互作用については、事例のようにハーボニー配合錠の添付文書には、

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患者様と保険薬局様のより良い未来へ

〒158-0097

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ハーボニーとPPIの相互作用に関する事例

さて、この相互作用については、事例のようにハーボニー配合錠の添付文書には、プロトンポンプ阻害剤(オメプラゾール等)の相互作用として、「レジパスビルの溶解性は胃内pHの上昇により低下する。胃内pHを上昇させる薬剤との併用ではレジパスビルの血漿中濃度が低下する。」という機序・危険因子の記載があります。また、PPIだけではなく、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム等の制酸剤、H2受容体拮抗剤についても、同様の記載があります。一方、ネキシウムカプセルの添付文書には「胃酸分泌抑制作用により、併用薬剤の吸収を上昇又は低下させることがある。」という記載のみで、レジパスビルについての直接の記述はありません。単に添付文書改定が間に合っていないのか、大きく括られた範囲と個別の医薬品の違い等々があるのかは、ケース毎に異なるかと思いますが、注意する必要があると考えられます。

電子薬歴「Hi-story」では、鑑査結果マークを目立たせるため、文字色や背景色、サイズの変更が可能です!(設定方法:メニュー画面>マスタ・環境設定>鑑査設定>鑑査マーク)

当社の電子薬歴に搭載している医薬品データベースは、このような併用禁忌があれば、相互作用のチェックにて「禁止」のアラートを出すように組み込まれております。

ハーボニー配合錠(レジパスビル/ソホスブビル配合錠)を朝食後に服用している患者に、ネキシウムカプセル20mg 1カプセル が朝食後に処方されました。(有効成分:エソメプラゾールマグネシウム水和物)今回の事例では、患者に薬剤を交付した後に、ハーボニー配合錠の添付文書を確認したところ、「本剤と併用する場合は、プロトンポンプ阻害剤を空腹時に本剤と同時投与すること」 の記載に気づき、処方医に疑義照会を行った結果、それぞれの用法が朝食後2時間に変更となりました。

Page 2: ハーボニーとPPI...ハーボニーとPPIの相互作用に関する事例 さて、この相互作用については、事例のようにハーボニー配合錠の添付文書には、

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〒158-0097

東京都世田谷区用賀4丁目10番1号 世田谷ビジネススクエアタワー3F

TEL.03-6411-7360㈹ FAX.03-6447-9924東京・静岡・名古屋・大阪・広島・福岡 https://www.hi-bridge.co.jp

薬局通信へのご要望・ご質問などございましたら、下記までご連絡ください。

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メール: [email protected]:03-6447-9924

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公益財団法人日本医療機能評価機構が、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の共有すべき事例 2020年No.5を6月2日に公表しました。薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業は、公益財団法人日本医療機能評価機構が、2009年から実施しています。今回は、スタチンの副作用発現についてご紹介いたします。

継続している薬剤を交付する際、「変わりないですか」と確認するだけでなく、「気になっていることはありますか」「それは何ですか」のような質問をすることで、患者から有用な情報を引き出すことも可能と思われます。また、本事例は、副作用発現の確認を服用初期だけでなく、一定期間毎に行うことの重要性を示していると考えられます。

2年半前からアトルバスタチン錠5mg「トーワ」を服用し、今回も継続処方されている患者に対し、投薬時にヒアリングしたところ、3か月前から筋肉痛の症状があらわれており、詳しく確認すると、褐色尿もみられることがわかりました。

アトルバスタチンの副作用である横紋筋融解症の発現を疑い、主治医に伝えた結果、アトルバスタチン錠5mg「トーワ」が処方削除となり、残薬の服用も中止となりました。

新しい医薬品の飲み始めの時期に副作用が発現してしまう事例は、先生方もよく経験されているのではないでしょうか。一方、当初は副作用が発現していなかったものの、飲み続けるうちに副作用が発現するという事例は、それほど多くないように思えます。特に、本事例の場合には2年半近く服用しての副作用発現ですから、患者自身も医薬品が原因とは思っていない可能性があります。

電子薬歴「Hi-story」では、添付&ナビにて添付文書の内容の確認と、ナビ機能で「2回目以降確認」すべき事項の参照と指導文挿入ができます!

スタチンの副作用発現

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TEL.03-6411-7360㈹ FAX.03-6447-9924東京・静岡・名古屋・大阪・広島・福岡 https://www.hi-bridge.co.jp

薬局通信へのご要望・ご質問などございましたら、下記までご連絡ください。

営業推進課

メール: [email protected]:03-6447-9924

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公益財団法人日本医療機能評価機構が、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の共有すべき事例 2020年No.5を6月2日に公表しました。薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業は、公益財団法人日本医療機能評価機構が、2009年から実施しています。今回は、併用が必須となっている薬剤の処方漏れについてご紹介いたします。

併用が必須となっている薬剤の処方漏れについて

在宅輸液療法を行う患者に、ハイカリックRF輸液、エレジェクト注シリンジ、塩化ナトリウム注10%が処方されていました。このうち、ハイカリックRF輸液は、警告欄に「ビタミンB1を併用せずに高カロリー輸液療法を施行すると重篤なアシドーシスが発現することがあるので、必ずビタミンB1を併用すること。」との記載があります。

残念ながら、調製した薬剤師は、ハイカリックRF輸液を投与する際にビタミンB1製剤が必須であることを知らなかったようです。一方、鑑査した薬剤師は輸液の知識があったため、添付文書を確認したうえで疑義照会を行い、ビタジェクト注キットが追加されることになりました。このように、必ず併用しなければならない医薬品の組合せは、一定数存在します。今回のハイカリックRF輸液とビタミンB1製剤の併用もその一つですが、ザイティガ錠とプレドニゾロンの併用、アリムタ注射用(ペメトレキセドナトリウム水和物注射用)と葉酸とビタミンB12の併用等もあります。

今回の事例やザイティガ錠とプレドニゾロンのように、同時期の併用であれば、まだ確認しやすいですが、アリムタ注射用と葉酸とビタミンB12の併用の場合は、それぞれの使用時期がズレるため、さらに発見が難しいかもしれません(例えば、葉酸の補給として調剤用パンビタン末をアリムタ注射用の投与7日前から連日経口投与。ビタミンB12の補給目的でフレスミンS注射液1000µgを1クールに1回、筋肉内注射)。

処方箋の情報だけでは、解決が難しい部分もありますが、患者さんへのより丁寧なヒアリングを通じ、適切な薬物療法につなげる役割が薬剤師に求められていると思います。