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トリプル四重極型 ガスクロマトグラフ質量分析計 Gas Chromatograph Mass Spectrometer GCMS-TQ8040 C146-0315

Gas Chromatograph Mass Spectrometer GCMS … Chromatograph Mass Spectrometer 高いメンテナンス性を誇るハードウェア Easy sTopナビゲータが適切な手順をアシストします。約5分

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トリプル四重極型 ガスクロマトグラフ質量分析計Gas Chromatograph Mass Spectrometer

GCMS-TQ8040

C146-0315

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日常の分析を飛躍させるSmar t性能

with Smart Technologies

Smart Productivity, Smart Operation, Smart Performance

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4

3つのSmart技術で築き上げた

究極のトリプル四重極型 ガスクロマトグラフ質量分析計

優れた生産性を実現する「Smart Productivity」、

メソッド作成をサポートする「Smart Operation」、

高感度・高速分析を可能にする「Smart Performance」。

3つのSmart技術が、想像をも遥かに超えるハイパフォーマンスを発揮します。

P. 6 「優れた生産性」へ

新しいファームウェア・プロトコルによって、1分析で最大32,768トランジションによるMRM分析が可能に。従来は困難とされていた成分数での一斉分析ができるため、生産性が著しく向上します。

て、1分析て、1分析M分析がM分析がでの一斉での 斉します。します。

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5

Gas Chromatograph Mass Spectrometer

P. 12 「高感度・高速性能」へ

高感度イオン源や高効率コリジョンセルの搭載により、高感度分析を実現。また、高速スキャン制御技術(Advanced Scanning Speed Protocol :ASSP™)により、高速スキャン分析とスキャン/MRMの同時測定を可能にし、一度の分析で多くの情報を採取できます。

P. 8 「スマートな操作性」へ

多くのパラメータ設定を必要とするGC-MS/MS測定。ソフトウェアGCMSsolutionに、MRM測定に必要なトランジションを自動探索する機能を搭載したことで、メソッド作成をサポートします。さらに、メソッド作成機能「Smart MRM」によって、成分ごとに最適な測定時間を自動的に設定します。自動的に設定します。

MRM Optimization Tool

Smart Database

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6

Fenthion %RSD = 4.16% Pyributicarb %RSD = 2.39% Iprodione %RSD = 4.54% Indoxacarb %RSD = 4.03%

各農薬5ppbのマスクロマトグラムと%RSD

通常の分析 120min

優れた生産性

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0 278.00>109.00278.00>125.00278.00>169.00

12.75 13.00 13.25 13.50

(×1,000)

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5 314.00>245.00314.00>56.00314.00>271.00

17.00 17.25 17.50 17.75

(×1,000)

2.5

5.0

7.5

264.00>176.00264.00>232.00264.00>148.00

21.25 21.50 21.75 22.00

(×100)

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0 165.10>108.10165.10>93.00165.10>65.00

16.75 17.00 17.25 17.50

(×10,000)

2つの新技術により分析効率が向上

「Smart MRM」についてはP.9へ

GCMS-TQ8040では、2つの新技術により400成分を超える一斉分析においても、高い感度・精度で分析を行うことができます。1つは、新しいファームウェア・プロトコルの導入です。これにより、データ取り込み効率が向上し、1分析で最大32,768トランジションによるMRM分析ができるようになりました。2つ目は、ソフトウェアに新たに搭載した成分ごとに最適な測定時間を自動設定するメソッド作成機能「Smart MRM」。この機能は、対象成分の溶出時間帯

だけデータを採取するため、多成分一斉分析の場合でも感度を損ねることなく、従来機よりも多くの成分の同時分析を可能にしました。2つの新技術を持つGCMS-TQ8040なら、2~3メソッドに分割測定していた400成分の農薬分析でも1メソッドに集約することできるため、分析回数を大幅に削減することができます。

40min 80min 120min

MRMメソッド1 100~150成分分析

一斉分析 MRMメソッド400~成分一斉分析

MRMメソッド2 100~150成分分析 MRMメソッド3 100~150成分分析

40min

5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 20.0 22.5

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

(×1,000,000)

農薬439成分の一斉分析(MRM)

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7

Gas Chromatograph Mass Spectrometer

Twin Line MSシステムによりカラム交換作業を簡略化

2本のカラムの出口は質量分析計のインタフェースに直接導入されます。抵抗管などを利用しないため、1本のカラムで使用していたメソッドや保持時間をそのまま利用できます。吸着等の損失がなく、しかも真空系に大容量差動排気システムを採用しているので、2本のカラムを接続しても感度が低下しません。

※Twin Line MSシステムは、オプション部品が必要となります。適切なカラムサイズや分析条件で利用していただく必要があります。

QuEChERSによるショウガ抽出液中のメタミドホス(10ppb)のMRM分析

SIMGC-MS分析 (CIDガス ‒ Off)

MRMGC-MS/MS分析 (CIDガス ‒ On)

カラム1(Rxi-5Sil MS) カラム2(Rtx-200MS)

141.00>95.00141.00>79.00

5.75 6.00 6.25 6.505.25 5.50 5.75 6.00

141.00>95.00141.00>79.00

2本の異なるカラムの出口側をMSに同時にとりつけることで、MSの真空を停止することなく異なるカラムでのアプリケーションデータ採取が可能となります。

GCMS-TQ8040は、CIDガスの導入を自動で切り替える機能を備えており、SIM指定分析メソッドとMRM指定分析メソッドを1つのバッチファイルで連続分析することが可能です。

Twin Line MSシステムと組み合わせることで、たとえばヘッドスペース法によるVOCのSIM分析と液打ちによる農薬のMRM分析を一連のバッチ分析で測定することができます。

Twin Line MSシステム 

従来の1/2~1/3の時間で多成分一斉分析が可能になれば、ガラスインサートやカラムの交換頻度も低減できます。つまり、分析コストを削減するだけでなく、メンテナンス回数の減少にもつながるため、ダウンタイムを抑制できます。

分析コストを削減しダウンタイムを抑制

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8

GC-MS/MSメソッド作成をサポートする新機能MRM分析メソッドを作成するためには、複雑なパラメータ設定が必要です。ソフトウェアGCMSsolutionでは、データベースファイル「Smart Database」に登録されているトランジション情報を用いて、メソッド作成機能「Smart MRM」が最適な

分析メソッドを作成します。データベースに登録されていない成分をMRM測定したい場合は、トランジション設定をサポートする「MRM Optimization Tool」によって最適なトランジションを自動探索します。

MRM Optimization Tool

スマートな操作性

Smart Database

残留農薬分析 代謝成分分析 環境汚染物質分析 法薬毒物分析

M Optimization T

eabaseSmarrt Datart Data

MRM

ease

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9

Gas Chromatograph Mass Spectrometer

「Smart MRM」機能を使用してメソッドファイルを作成するために必要なデータベースファイル「Smart Database」。データベースファイルには、化合物情報およびトランジションだけでなく保持指標も登録されており、保持時間自動修

正機能(AART機能)を用いることで、標準試料を分析して保持時間を算出しなくともメソッド作成へと進むことができます。データベースファイルには、シングルGC-MSのスキャン/SIMのイオン情報やマススペクトルを追加登録できます。

■ メソッド作成の自動化Smart MRM

「Smart MRM」とは、成分ごとに最適な測定時間を設定したメソッドを自動作成する機能です。多成分一斉分析メソッドを作成する場合、従来は測定パラメータの設定が複雑になり適切なメソッド作成が困難でしたが、この機能

を用いれば対象成分の溶出時間帯だけデータを採取するメソッドを自動作成できます。また、MRMのみならずSIMのメソッド作成も可能です。

■ 最適なトランジションの自動探索MRM Optimization Tool

データベースに登録されていない成分のメソッド開発も強力にサポートするのが「MRM Optimization Tool」機能です。トランジションの設定には多くの分析と解析時間を要しますが、「MRM Optimization Tool」機能では、一連の作業を自動化しMRMメソッド作成をサポートします。

各コリジョンエネルギー(CE)によって採取したプロダクトイオンスキャンデータから、最適な値を自動探索するほか、設定された情報はデータベースファイル「Smart Database」に登録し、「Smart MRM」でメソッド作成ができます。

■ データベースファイルによるメソッド管理Smart Database

パラメータの設定

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正確で迅速な作業を可能にするソフトウェアGCMSsolution

多彩なレポート機能GCMSsolutionでは自由度の高いレポート編集が可能です。レポート出力用のアイテムをキャンバスに貼り付け、サイズ・位置などを自由に編集できます。レポート上に、ファイル名等、必要な情報を表示させるためのマクロ機能も備えており、要望に合う最適なレポートを作成することができます。また使用用途に応じた多彩なレポートフォーマットもあるため、初めて利用するユーザーでも簡単に作成できます。

1 n-アルカン分析 2 AARTの実行 3 保持時間修正

低沸点から高沸点まで多点での補正を行いますので、広範囲の保持時間領域で正確な補正ができます。

AART機能では保持指標(LRIs)とn-アルカンの保持時間から、目的成分の保持時間を修正します。AART機能によりMRMによる多成分同時分析のような複雑な分析メソッドでも簡単に保持時間や分析時間の修正ができます。

C17 C18 C19

1700 1735

1735

1800C17 C18 C19

1700 1800

自動修正

同定ウインドウ

対象成分

メソッド登録情報

20 21 2221.1 min(推測値)

21.5 min(メソッドの登録値)

お客様の装置

保持時間

保持指標

保持指標

■ GCMSブラウザプログラム定量ブラウザ定量ブラウザでは一つの画面中で複数のデータの定量結果を解析することが可能です。少ないウィンドウの切り替えで、多検体のクロマトグラムおよび定量結果を確認することができます。多成分・多検体を分析しているユーザーに最適なソフトウェアです。

■ 化合物の保持時間を自動修正 AART (Automatic Adjustment of Retention Time)

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Gas Chromatograph Mass Spectrometer

高いメンテナンス性を誇るハードウェア

Easy sTopナビゲータが適切な手順をアシストします。

約10分約5分 約180分

メンテナンス

メンテナンス

メンテナンス作業開始

従来法

約10分 約15分

Easy sTop

注入口昇温

注入口冷却 分析注入口昇温

約3時間の節約

注入口冷却 真空停止 分析真空起動 最高真空度到達、安定化

■ Easy sTopで装置メンテナンス時間を大幅短縮GC-MSにおいてメンテナンス頻度が高い部分は注入口のインサートやセプタムです。GCMS-TQ8040では、MSを停止することなくメンテナンスすることが可能なので、装置の停止時間(ダウンタイム)を最小限にすることができます。

ヘリウムキャリアガスは貴重な資源であり、少ない使用量で大切に利用することが求められています。GCMS-TQ8040は、消費電力、キャリアガス消費量の削減する「エコロジーモード」機能を搭載しました。GCMSsolutionでは、連続分析後に自動的にエコロジーモードが実行可能であり、大幅にキャリアガスの節約が可能です。

ラボのランニングコストと環境負荷を低減するエコロジーモードの搭載

エコロジーモードソフトウェア画面

連続分析中キャリアガス全流量:55 mL /min

連続分析後キャリアガス全流量:10 mL /min

エコロジーモードを使用すると…

スマートな操作性

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■ 高感度イオン源フィラメントとイオン源ボックスの間に距離を取り、フィラメント電位のイオン源内部への影響を低減しました。また、フィラメントから生じる輻射熱をシールドで遮り、イオン源ボックスの温度均一化を実現。イオン源内部の活性点が生じにくいため、より安定で高感度な分析が可能となりました。(特許:US7939810)

■ シングルGC-MSモードによる高感度分析GCMS-TQ8040は、高感度イオン源およびオーバードライブレンズの採用により、生成したイオンを効率よく選択し検出することが可能です。GC-MS/MSによるMRM測定だけでなく、GC/MSとしてのスキャンおよびSIM測定におい

ても高感度を実現しています。また、プリロッドの効果によりロッドの汚染が軽減され、マトリックスの多い試料の分析でも安定した感度、マススペクトルが得られます。

: フィラメント

Temperature

Low High

: 電 界: 熱 線

シールド

シールド

“ポストロッド”付きQ1で優れたイオン搬送効率を実現しています

高いイオン搬送効率のUFsweeperチオベンカルブ 5ppb 左:GCMS-QP2010 Ultra 右:GCMS-TQ8040 再現性はn=5での値

100.0072.00

12.75 13.00 13.25 13.50

%RSD = 1.76 %

100.0072.00

12.75 13.00 13.25 13.50

%RSD = 1.44 %

農薬(1ppb)のMRMマスクロマトグラム

240.90>205.90238.90>203.90

23.25 23.50 23.75 24.00

beta-Endosulfan

314.10>244.90314.10>56.10

26.50 26.75 27.00 27.25

Iprodione

N

O

O

S

OP

OO277

260

247214169150

125

9379

63

0 50 100 150 200 250 300 350

277260

247214169150

125

9379

63

0 50 100 150 200 250 300 35012.25 12.50 12.75 13.00

277.00

フェニトロチオンのスキャン分析結果 NISTライブラリのマススペクトル

高感度・高速性能

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Gas Chromatograph Mass Spectrometer

■ OFF-AXISイオン光学系OFF-AXISイオン光学系(特許申請中)の搭載により、感度を低下させることなくHe準安定イオンや中性イオンのノイズを取り除き、より低い検出限界を実現しています。また、HeバッファーガスをCIDセルに導入する必要もありません。

■ 高効率コリジョンセル UFsweeper®島津独自のUFsweeper技術を用いることで、コリジョンセル内に残留したイオンを効率よくsweepingし、高いCID効率とイオンの高速搬送を実現。イオンの高速除去により、クロストークを最小限に抑えより微量な分析が可能になりました。

■ 高速スキャン制御技術(Advanced Scanning Speed Protocol : ASSP™)最高スキャンスピード20,000u/secを実現しました。高速データ採取時のロッドバイアス電圧を自動的に最適化し、高速スキャンでの感度低下を最小限にしました。プロダクトイオンスキャンやスキャンとMRMを同時測定するス

キャン/MRMモードにおけるスキャンデータの感度向上、良好なマススペクトルの取得に有効です(特許:US6610979)。高速MRM(最大800MRM/sec)と組み合わせることで、スキャン/MRMの同時分析を可能にします。

スキャン(ASSP)

スキャンモードとMRMモードを高速に切り替えることで、一度に両方のデータを取り込むことができます。

スキャン 0.05秒

MRM 0.1秒Q1 Q3

MRM

max 20,000 u/sec

max 800 MRM/sec

SIM SIM CID

特許法(ASSP)

黒:1,111u/sec  赤:5,000u/sec青:10,000u/sec

DiazinonPropyzamide

ショウガ中の残留農薬分析(Isoprothiolane 1 ppb)

15.1 15.2 15.3

290.00

15.115.0 15.2 15.3

290.00>204.00290.00>118.00

MRMSIM

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14

電子イオン化(EI)法に加え、試料分子をソフトにイオン化させて分子量の確認に有効な化学イオン化(CI)法、ハロゲンなど電子親和力の大きな官能基をもつ化合物を選択的かつ高感度に検出する負イオン化学イオン化(NCI)法の3つの方法が利用できます。CI法はソフトなイオン化法であり、分子イオンを多く取り入れることができます。このCI法とMRM分析を用いることで、夾雑物の多い食品中の脂肪酸を高感度に分析することが可能です。

化学イオン化法

GCMS分析では、分析で要求されるアプリケーションの種類、分析の自動化など、必要に応じた様々なシステムを構成する必要があります。GCMS-TQ8040では多彩なシステム構成により応用範囲を大幅に拡大することができます。

多彩なシステム構成

応用システム

HS-20

OPTIC-4 GC×GC

MDGC

EGA/PY-3030D TD-20

2-メトキシ-3-イソブチルピラジン(MIBP)は、ワインにほどよい香りを付け、風味を左右するものです。官能試験でのしきい値が数ng/Lと非常に低く、また、ワインには多くの成分が含まれるため、分析する上で濃縮および選択的な分離・

検出が必要になります。そこで、AOC-5000 PlusとOPTIC-4を用いたシステムでCI法によるGC-MS/MS分析を行いました。シリカモノリス捕集剤のMonoTrapを用いて捕集・濃縮し、CI法により選択的に検出することができました。

167.10>124.10167.10>135.10

(×1,000)

1.5

2.0

2.5

1.0

0.5

14.00 14.25

167.10>124.10167.10>135.10

(×1,000)

3.0

4.0

5.0

6.0

2.0

1.0

14.00 14.25

ワインに含まれるMIBPのMRMクロマトグラム(左 : Sauvignon Blanc 右 : Cabernet Sauvignon)

AOC-5000 Plus

5.0

7.5

2.5

54.50 54.75 55.00 55.25

320.30264.00

(×1,000,000)C22:1 n-9

C20:3 n-3

%EI-GC-MS

Methyl erucate; C22:1 n-9

50

75

100

125

25

050 100 150 200 250 300 350

43.0

55.069.0

236.2 264.3

320.3

352.3152.1

0.500.751.001.251.50

0.25

55.75 56.00 56.25 56.50

(×10,000)321.30>289.30321.30>271.30 C20:3 n-3

%PCI-GC-MS/MS

50 100 150 200 250 300 350 400

50

75

100

25

0

97.271.2 149.2

163.2

247.2

303.3321.3

353.3

Precursor m/z 353.3CE: 9V

5.4 ng/L 12.1 ng/L

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15

Gas Chromatograph Mass Spectrometer

直接試料導入法(DI)は、サンプルをガスクロマトグラフ(GC)に通さずイオン源に直接導入する方法です。合成品のマススペクトル測定などに有効な手法で、通常のGC-MSの構成のままDIの導入装置を装備でき、手軽に使用できます。

直接試料導入装置 DI-2010

GC-MS(/MS)を用いた分析を始めるには、分析条件の設定および解析のための化合物情報の設定が必要になり、これらの設定には多大な労力を要します。島津では、GC-MS(/MS)分析のスタートをスムーズにする、必要な情報をあらかじめ設定した各種データベースを取り揃えています。

GC/MSデータベース

アドバンストフローテクノロジーシリーズは、新しい流路制御技術(アドバンストフローテクノロジー)を用いたキャピラリ分析システムです。複雑なマトリックスから目的成分を高精度に分離、分析時間の大幅な短縮など高い分離能力と生産性をもたらします。

アドバンストフローテクノロジーシリーズ(Advanced Flow Technology)

熱分解性の成分や気化しにくい成分はGCの分析に適していませんが、DI法により容易に化合物のマススペクトルを確認することができます。Sn-phthalocyanineはGCからの導入は困難ですが、DI法によりMSスペクトルを得ることができ、Snの同位体イオンの確認によりSn原子が含まれていることがわかります。

Sn-phthalocyanineのマススペクトル

N

N

N

N

N

N

N

N

Sn

101

1000 200 300 400 500 600

124

188 248

316

632

118Sn

116Sn

120Sn

624

636

630

632

625 650

1st カラム

2nd カラム

バックフラッシュ素子

残留農薬分析 代謝成分分析 環境汚染物質分析 法薬毒物分析

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16

食品中の残留農薬分析ソリューション

13.50

1.00

0.75

0.50

0.25

279.00>222.90279.00>204.90

13.75 14.00 14.25

(×10,000)

00

25

50

75

100%

50

59

65

97

117135

162

203

223

251259

279

305 341 365397173

100 150 200 250 300 350 400

採取したMRMマスクロマトグラムとスキャンマススペクトル

Quick-DBに登録されている検量線と標準マススペクトル

(ジクロフェンチオン)定 量

2.0

1.5

1.0

0.5

0.01000

面積比

濃度比

0 50

6265

97

109133

162

205

223

251

253

279

173

100 150 200 250 300 350 400

6265

97

109133

162

205

223

251

253

279

173

100

75

50

25

0

定 性

GCMS-TQ8040を用いたソリューション

食品中の残留農薬分析は測定対象成分数が多く、すべての標準試料を準備してメソッドを作成し、分析・解析を行うには時間とコストがかかります。最適化された分析メソッドと共に、農薬サロゲートを内部標準物質として作成された検量線が登録された「Quick-DB GC/MS残留農薬分析用データベース」を用いることで、分析からおおよその定量値の算出までを迅速に行うことできます。また、スキャン/MRMの同時測定を採用しており、マススペクトルによる化合物の定性情報を同時に取得可能です。

残留農薬分析

データベースを用いた定量結果 (各農薬10 ng/mLを添加)

Compound Name

Dichlorvos

Acephate

gamma-BHC

Diazinon

Iprobenfos

Dichlofenthion

Carbaryl

Metalaxyl

11.60

9.53

10.20

10.29

10.74

8.21

10.28

9.57

Conc. (ng/mL) Compound Name

Fenitrothion

Linuron

Isoxathion

beta-Endosulfan

o,p'-DDT

EPN

Etofenprox

Azoxystrobin

8.28

9.02

9.99

8.53

9.77

11.16

10.18

10.20

Conc. (ng/mL)

(×1,000,000)

スキャンクロマトグラム

MRMクロマトグラム

QuEChERSによるキャベツ抽出液中の農薬分析結果

11.0 11.5 12.0 12.5 13.0 13.5 14.0 14.5 15.0 15.5 16.0 16.5 17.0 17.5

1.0

2.0

3.0

4.0

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17

Gas Chromatograph Mass Spectrometer

標準血清中の代謝物のMRM(左)とスキャン(右)マスクロマトグラム比較

7.5

5.0

2.5

15.0 15.5 16.0

131.10>73.00247.10>73.00

(×100,000)

2.0

1.0

15.0 15.5 16.0

247.00205.00

(×1,000)

1.5

1.0

0.5

32.0 32.5 33.0

285.10>147.10375.10>147.10

(×10,000)

5.0

2.5

0.032.0 32.5 33.0

375.00285.00

(×100)

3.0

2.0

1.0

4.0

43.5 44.0

307.10>218.10307.10>192.10

(×10,000)

7.5

5.0

2.5

0.043.5 44.0 44.5

424.10307.10

(×100)

3-Hydroxyisovaleric acid-2TMS

Aconitic acid-3TMS

Homocysteine-3TMS

Kynurenine-3TMS

代謝成分分析ソリューション血清などの生体試料には多くの夾雑物が含まれており、シングルGC-MSでは検出が困難な場合があります。MRM分析を用いれば夾雑物の影響を取り除き、ターゲット成分を正確に同定することができます。多くの代謝成分情報が登録された「GC/MS代謝成分データベースVer.2」には、Smart MRM機能を搭載したデータベースが含まれているため、代謝成分の高感度分析をサポートします。

代謝成分分析

スキャンとMRMの繰り返し分析精度(内部標準補正) 

Compound Name

3-Hydroxyisovaleric acid-2TMS

Homocysteine-3TMS

Aconitic acid-3TMS

Kynurenine-3TMS

3.99

5.04

5.98

6.48

MRM

%RSD (n=6)

14.0

23.4

N/A

24.5

Scan

30.0

0.5

1.0

1.5

30.5

(×100,000)

234.10>73.00234.10>128.10

1.0

2.0

30.0 30.5

(×1,000)

234.10219.10

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18

ターゲット化合物の定量結果(MRM)データベースを用いた定量結果(スキャン)

濃度 : 1596.3 ng/L

Ibuprofen

Nonylphenol

135.00

(×1,000,000)

5.0

4.0

3.0

2.0

1.0

6.0

21.25 21.50 21.75 22.00

濃度 : 9845.0 ng/L

161.00

(×100,000)

1.5

1.0

0.5

2.0

19.25 19.50 19.75 20.00

PCB #52 (Tetra CB)

PCB #138 & PCB #129 (Hexa CB)

濃度 : 0.080 ng/L

濃度 : 0.057 ng/L

359.90>289.90357.90>287.90

(×100)1.50

1.25

1.00

0.75

0.50

0.2528.50 28.75 29.00 29.25

289.90>219.90291.90>221.90

(×100)

3.5

3.0

2.5

2.0

1.5

1.0

0.5

24.00 24.25 24.50

環境汚染物質分析ソリューション環境汚染物質の定量分析をサポートする「環境用一斉分析データベース」を用いれば、標準試料を分析して検量線を作成することなく、スキャンデータからおおよその定量値を得ることができます。また、スキャン/MRM分析を用いれば、MRMデータからターゲット成分の定量を、スキャンデータからターゲット以外の成分の定量値をデータベースから得ることも可能です。

環境汚染物質分析

(×100,000,000)

0.25

0.50

0.75

1.00

1.25スキャン

7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 20.0 22.5 25.0 27.5 30.0 32.5 35.0 37.5 40.0

0.25

0.50

0.75

1.00

1.25MRM

5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0 40.0

(×100,000)

河川水抽出試料のスキャン/MRM同時分析結果

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19

Gas Chromatograph Mass Spectrometer

血清試料中のフェノバルビタールのマススペクトル(左)とデータベースに登録されている標準マススペクトル(右)

全血中のMRMマスクロマトグラム

Diazepam Desmethyldiazepam Flunitrazepam

312>266286>240

(×10,000)5.0

4.0

3.0

2.0

1.0

23.75 24.00 24.25 24.50

242>207242>152

(×10,000)1.5

1.0

0.5

23.00 23.25 23.50 23.75

256>221283>248

(×10,000)

1.5

1.0

0.5

22.25 22.50 22.75 23.00

5.0 7.5 10.0 12.5 15.0 17.5 20.0 22.5 25.0 27.5 30.0 32.5 35.0

2.00

1.75

1.50

1.25

1.00

0.75

0.50

0.25

(×10,000,000)

50

0

100

%

100 200 300 400 500 600 700

3977

117

161

204

232

50

0

100

%

100 200 300 400 500 600 700

146

117

5129

204

232

法薬毒物分析ソリューション生体由来の夾雑物の影響で検出が困難な化合物に、MRM分析を適用することによって精度の高い検出を実現します。また、乱用薬物や精神神経病用薬、その他医薬品など1000種以上のスペクトルが登録された「GC/MS法薬毒物データベース」を用いることで、血液や尿試料に含まれる成分同定をサポートします。

法薬毒物分析

データベースに含まれるマススペクトルライブラリは、NISTが提供するAMDISプログラムのデコンボリューション解析用ライブラリとしての使用も可能です。

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本製品は、薬事法に基づく医療機器の登録を行っておりません。トラブル解消のため補修用部品・消耗品は純正部品をご採用ください。外観および仕様は改良のため、予告なく変更することがありますのでご了承ください。

分析計測事業部 604-8511 京都市中京区西ノ京桑原町1

101-8448

530-0012

060-0807980-0021963-8877305-0031

330-0843

220-0004

422-8062

(03)3219-(官公庁担当) 5631・(大学担当) 5616・(会社担当) 5685

(06)6373-(官公庁・大学担当) 6541・(会社担当) 6556(011)700-6605(022)221-6231(024)939-3790

(029)851-(官公庁・大学担当) 8511・(会社担当) 8515

(048)646-(官公庁・大学担当) 0095・(会社担当) 0081

(045)311-(官公庁・大学担当) 4106・(会社担当) 4615(054)285-0124

7 0120-131691(075)813-1691

島津コールセンター (操作・分析に関する電話相談窓口)

450-0001

604-8445

650-0033700-0826760-0017730-0036812-0039

(052)565-(官公庁・大学担当) 7521・(会社担当) 7531

(075)823-(官公庁・大学担当) 1604・(会社担当) 1603(078)331-9665(086)221-2511(087)823-6623(082)248-4312

(092)283-(官公庁・大学担当) 3332・(会社担当) 3334

http://www.an.shimadzu.co.jp/

3218-03401-30ANS

東 京 都 千 代 田 区 神 田 錦 町 1 丁 目 3

大阪市北区芝田1丁目1-4 阪急ターミナルビル14階

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さいたま市大宮区吉敷町1-41 明治安田生命大宮吉敷町ビル8階

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