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HDRI&ライトドーム チュートリアル
株式会社ソフトウェア・トゥー
HDRI(High Dynamic Range Images)HDRIとはハイダイナミックレンジ画像を指します。異なる露出で撮影した複数の画像を特殊なフォーマットで一つの画像ファイルにまとめられています。HDRIファイルは「.hdr」の拡張子を持ち、通常の画像フォーマットでは保持できない、明るさの情報を保持しています。STRATA 3D CXは、HDRIファイルと同様に、ILM社(Industrial Light & Magic)によって開発されたOpenEXRファイルフォーマットを読み込むこともできます。STRATA 3D CXでHDRIファイル、OpenEXRファイルを利用する場合、パノラマ形式を使用する必要があります。
注意)STRATA 3D CXはOpenEXRファイルのバージョン1.0に対応しています。
ライトドームとはイメージベースドライティング(イメージを基にしてシーンのライティングを行う)により、HDRIテクスチャを天球(シーン全体を囲む球体)へ貼り付け、光源(ライト)として扱います。実写の写真を基にしてシーンの照明を行うことによって、光の強さ、光の向き、シーンの色味など、非常にリアルな照明の設定を行うことが可能になります。
HDR画像とTIFF画像の比較HDRIはRGB値を浮動小数点(「指数」を追加してRGBE(Eが指数部)で1ピクセルを表現します。これにより、0.0~1.0以上の値をそれぞれのRGB成分に持たせることができます)で表現します。このため、表現できるコントラストの幅が非常に広くなり、実際に撮影した環境により近い光の情報を得ることができ、現実に近い情景を作り出すことができます。
HDR画像を使用 TIFF画像を使用
[2.961 1.836 1.039] [225 225 210]
HDRIの概要
① 非表示このチェックボックスをオンにすると、選択したディレクショナルライトをレンダリング時に非表示にします。但し、モデリング時には表示されます。このチェックボックスを使う場合、まず非表示にしたいディレクショナルライトを選択してから、非表示チェックボックスをオンにします。これはライトドームを使用する際、モデリング時にモデル内のオブジェクトの配置を調整するためにはディレクショナルライトを使い、レンダリング時にはライトドームの効果を使用してレンダリングする場合にとても有効です。
“光源”タブではライトドームの追加、調整、削除が行えます。ライトドームは、ディレクショナルライトと同じように、無限遠にある光源で、イメージを利用してシーンを照らすライトです。レイトレーシングレンダラーでもシーンを照らすことができますが、ソフトシャドウを表現するには、レイディオシティレンダラーを使用する必要があります。また、ライトドームを設定したシーンをレイディオシティでレンダリングすることによって、きわめてリアルな照明を行うことができますが、レイトレーシングに比べてレンダリング時間が長くなります。ライトドーム用に最適化されたレンダリングプリセット(ライトシャドウ)を利用することによって、ライトドームの表現を維持した上でレンダリング時間を短くすることができます。
“光源”タブのライトドームのセクションには、以下のコントロールがあります:
② ⑧
①
⑦
⑥
④ ⑤③① 非表示
② ライトドーム用の球体(背景の読み込み)
③ ライトドームの向きの調整
④ ライトドームの強さの調整
⑤ ライトドームの回転の調整
⑥ 背景(バック/映り込み)
⑦ アンビエントの有効/無効
⑧ イメージの調整(イメージマップダイアログ内)
ライトドームの機能
ディレクショナルライト(表示)+ライトドーム ディレクショナルライト(非表示)+ライトドーム ディレクショナルライト(削除)+ライトドーム
③ライトドームの向きライトドームの向きは、コントロールをドラッグして希望する方向に回転することにより調整できます。この球体はモデルを取り囲む空間を表しています。ライトドームによる照明はモデリングウインドウ内には表示されないので、ライトドームを設定しても、レンダリングするまでは照明の効果を確認することはできません。
⑤ライトドームの回転ライトドームは、“ライトドーム用の球体”を直接クリックして回転するほかに、“回転”の項目を使って、背景マップを球体自体を基準にして回転することができます。
④ライトドームの強さライトドームの強さは、スライダコントロールを使うか数値を直接入力することによって調整できます。スライダを移動すると、スライダの上のボックスに表示される数値が変化します。ボックスに数値を入力すると、100を超える数値を入力することもできます。
50 200
100° 200°
②ライトドーム用の球体(背景の読み込み)ライトドームでイメージを使うためには、まずイメージマップを背景マップとして登録しておく必要があります。背景マップは、“ライトドーム”ポップアップメニューから作成することもできますし、リソースパレットの“背景”タブを使って作成することもできます。ディレクショナルライトとは異なり、モデル内で有効にできるライトドームは1つだけです。
⑥背景(バック/映り込み)ライトドームで読み込んだイメージは、背景マップを環境パレットのバックドロップ(背景/映り込み)にそれぞれ設定することができます。また、異なる背景マップをバックドロップ(背景/映り込み)として設定することもできます。
背景マップのみ 背景マップ+バックドロップ(背景) 背景マップ+バックドロップ(背景と映り込み)
⑧イメージの調整このボタンは、ダイナミックレンジの大きなイメージ(64ビット)を読み込んだ場合にのみ利用できるようになります。ボタンをクリックするとイメージのガンマ値を調整するためのダイアログが表示され、マップを確認しながら、イメージのレンジを変更することができます。
⑦アンビエントライトアンビエントライトは、方向性のないグローバルな光で、影になっている部分も含め、モデル内全体に充満しています。これにより、光源により直接照らされていない部分でもディティールが見えるようになります。アンビエントライトを明るくしすぎると、レンダリングの結果が平坦でメリハリのないものになってしまうので、この機能は注意して使ってください。
有効チェックボックスをオンにすると、モデル内でアンビエントライトの効果が有効になります。オフにするとアンビエントライトの効果が無効になります。
アンビエントライトの色を変えるには、アンビエントボタンをクリックします。カラーピッカーダイアログが開くので、適切な色を選択します。
ガンマ補正による光度の違い
2.6
2.2
1.8
1.4
1.0
01
02
このチュートリアルでは、HDR画像を用いて環境パレットへの読み込み、ライトドームの向きや強さの調整、ディレクショナルライトの非表示など、シーンを設定しながら説明します。
シーンデータは、以下からダウンロードできます。
http://download.swtoo.com/Strata/3DCX/tutorial/001/CX_HDRI_Sample.sit
シーン内で使用されている画像などはチュートリアル用のデータとして提供されているものであり、他の目的で再利用することはできません。
ライトドームのチュートリアル
Step
シーン上にある、カメラアイコンをダブルクリックするか、または、「ウインドウ」メニュー>「カメラウインドウ」から“Camera-1”を選択し、カメラウインドウを開きます。
Step
ダウンロードした「CX_HDRI_sample.s3d」ファイルを開きます。
03 Step
光源タブのライトドームポップアップメニューから新規(球体)を選択します。
04 Step
Step3で新規(球体)を選択すると、球体形式の設定ダイアログが開きます。「マップ」ボタンをクリックすると、イメージマップダイアログが表示されます の で 、 下 部 の 「 読 み 込 み 」 ボ タ ン か ら 、「DoschHDRI-Skies.hdr」ファイルを読み込みます。
このHDRIファイルは「Strata 3D CX J」CD-ROM内の「Partner Pavilion」>「Dosch Design」フォルダに含まれています。
注:「DoschHDRI-Skies.hdr」ファイルは、あらかじめハードディスクにコピーしておいてください。またマシンスペックによっては、ファイルの読み込みに時間がかかる場合があります。
05 Step
背景タブでバック、映り込みにStep1の背景マップを読み込みます。
06 Step
ライトドームの強さの入力項目で130と入力し、強さを130%に調整します。同じように、回転には200を入力し、200°回転させます。また、光源タブのライトドーム用の球体の緑の点をドラッグして希望する方向に回転し、向きを調整することもできます。動作を確認した後は、「リセット」ボタンを押して元の位置に戻しておいてください。
07 Step
光源タブのディレクショナルライトを選択し、非表示チェックボックスをオンにします。
08 Step
レンダリングツールのプリセットから「ライトシャドウ」の「ライトドーム標準」を選択します。
09 Step
レンダリングツールでビューをクリックしてレンダリングを開始します。
ライトドームでは、上図のように異なる背景画像を使用することによって、シーン全体の雰囲気を簡単に変えることができます。