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2015 12 1 日 第 223 号) 【発行元】株式会社グローバルニュートリショングループ 171-0021 東京都豊島区西池袋 5-17-11 ルート西池袋ビル 8F Tel 03-5944-9813 Fax 03-5944-9814 ※コメント部分の無断転用はご遠慮ください HOT NEWS OF JAPANESE NUTRITION/HEALTH INDUSTRY Nov.16-30, 2015 大前研一氏は、ウィンドウズが販売された 1985 年以前を「Before ゲイツ(BG)」、以降を「After ゲイツ (AG)」と呼び、1985 年を「BG から AG へのシフト」として新しい時代へ向けて大きな変化の出発点と位置付 けている。 健康食品業界にとって 2015 年は機能性表示食品制度の導入に伴い、新しい時代へ向けて大きな変化 が始まったといえる。これを BG、AG に倣って「Before FFC」「After FFC」と呼んでも良いくらい、後に振り返 った時にそのインパクトの大きさに驚くのでは、と思われる(FFC=Foods with Functional Claims)。GNG は、 いろいろなところで、機能性表示食品制度導入後に想定される「10 のシナリオ」を紹介してきた。 1. 売り場が変わる、売れ筋が変わる 2. 消費者の知識が向上 3. コモディティ化が進む 4. 小売りの台頭、受託企業の変化 5. カテゴリーマネジメント、チャネルマネジメント 6. プレミアム原料、原料のブランディング 7. 異業種からの参入増加(特に製薬企業) 8. M&A による企業規模拡大 9. 垂直統合、水平統合 10. 市場のグローバル化(海外企業参入、海外進出) 今号では、「3.コモディティ化が進む」「6.プレミアム原料、原料のブランディング」について、米国事例を基 に考えてみたい。 After FFC 時代に求められる要件として、次の4点が特に重要になるのではないかと考えている。 機能性表示開発 脱コモディティ 機能性以外の価値伝達 チャネルマネジメント 11 月 30 日現在の届出情報を整理してみると、届出受理件数 149 件(サプリメント形状 82、一般加工食 品 65、生鮮 2)となっており、成分別に見てみると、 ・難消化性デキストリン 17 件 ・ヒアルロン酸 Na 10 件 ・ルテイン 10 件 ・葛の花由来イソフラボン 8件 ・EPA・DHA(魚油) 7件 となっており、一部の成分の届出件数が突出して多い事がわかる(酢酸、ビフィズス菌(ロンガム種)は同一 企業のみの届出の為除く)。 これは原料企業等の努力の結果として、多くの商品が受理されている結果であるが、商品のコモディティ

HOT NEWS OF JAPANESE NUTRITION/HEALTH INDUSTRY … · 今号では、「3.コモディティ化が進む」「6.プレミアム原料、原料のブランディング」について、米国事例を基

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Page 1: HOT NEWS OF JAPANESE NUTRITION/HEALTH INDUSTRY … · 今号では、「3.コモディティ化が進む」「6.プレミアム原料、原料のブランディング」について、米国事例を基

(2015 年 12 月 1 日 第 223 号)

【発行元】株式会社グローバルニュートリショングループ

〒1 7 1 -0 0 21 東京都豊島区西池袋 5-17-11 ルート西池袋ビル 8F

Tel 03-5944-9813 Fax 03-5944-9814

※コメント部分の無断転用はご遠慮ください

HOT NEWS OF JAPANESE NUTRITION/HEALTH INDUSTRY

Nov.16-30, 2015

大前研一氏は、ウィンドウズが販売された 1985 年以前を「Before ゲイツ(BG)」、以降を「After ゲイツ

(AG)」と呼び、1985年を「BGから AGへのシフト」として新しい時代へ向けて大きな変化の出発点と位置付

けている。

健康食品業界にとって 2015 年は機能性表示食品制度の導入に伴い、新しい時代へ向けて大きな変化

が始まったといえる。これを BG、AGに倣って「Before FFC」「After FFC」と呼んでも良いくらい、後に振り返

った時にそのインパクトの大きさに驚くのでは、と思われる(FFC=Foods with Functional Claims)。GNGは、

いろいろなところで、機能性表示食品制度導入後に想定される「10のシナリオ」を紹介してきた。

1. 売り場が変わる、売れ筋が変わる

2. 消費者の知識が向上

3. コモディティ化が進む

4. 小売りの台頭、受託企業の変化

5. カテゴリーマネジメント、チャネルマネジメント

6. プレミアム原料、原料のブランディング

7. 異業種からの参入増加(特に製薬企業)

8. M&Aによる企業規模拡大

9. 垂直統合、水平統合

10. 市場のグローバル化(海外企業参入、海外進出)

今号では、「3.コモディティ化が進む」「6.プレミアム原料、原料のブランディング」について、米国事例を基

に考えてみたい。

After FFC時代に求められる要件として、次の4点が特に重要になるのではないかと考えている。

機能性表示開発

脱コモディティ

機能性以外の価値伝達

チャネルマネジメント

11 月 30 日現在の届出情報を整理してみると、届出受理件数 149 件(サプリメント形状 82、一般加工食

品 65、生鮮 2)となっており、成分別に見てみると、

・難消化性デキストリン 17件

・ヒアルロン酸 Na 10件

・ルテイン 10件

・葛の花由来イソフラボン 8件

・EPA・DHA(魚油) 7件

となっており、一部の成分の届出件数が突出して多い事がわかる(酢酸、ビフィズス菌(ロンガム種)は同一

企業のみの届出の為除く)。

これは原料企業等の努力の結果として、多くの商品が受理されている結果であるが、商品のコモディティ

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化が進むことは避けられない。同じような科学的根拠を基に機能性表示をしているため、同じヘルスベネフ

ィットを訴求する事となり、「科学的根拠情報に基づかない容器包装への表示事項は食品表示法違反、科

学的根拠情報の範囲を超えた表示事項や広告・宣伝は、不当景品類及び不当表示防止法(昭和 37 年法

律第 134 号)の不当表示又は健康増進法の虚偽誇大広告に該当するおそれがあることに留意する必要が

ある」とガイドラインに示されている限り、同質的競争となることは避けられないであろう。その結果、広告出

稿や店頭プロモーションによる露出や企業ブランド力による競争となり、消費者から選ばれるためには多額

の費用が必要となる。

機能性表示が出来なかった Before FFC 時代は、素材・成分のヘルスベネフィットを伝えるために様々な

努力がなされてきた。代表的な手法が素材・成分広告や、戦略 PR を用いた素材・成分のマーケティングで

ある。これらの手法を通じて素材・成分の認知度と効能理解を高める事でその素材・成分を用いた商品の

機能を伝え、市場創造を目指してきた。しかし、素材名や原料名が普及すると共にコモディティ化すること

は避けられず、継続的な情報発信をするための費用捻出が難しかった。その結果、一過性のブームで終わ

った素材・成分も少なくない。

一方、米国サプリメント市場をみると、原料のブランディングによる差別化戦略が進んでいることに気付く。

DSHEA 後の米国サプリメント市場には、低価格の原料が押し寄せてきたが、NB 企業のプレミアム価格を後

押しする差別化可能な高付加価値原料が必要となった。大手流通業者のプライベートラベルによる価格低

下圧力に対抗する NB 企業にとって、ブランド原料による差別化は魅力的であった。現在の米国サプリメン

ト市場に参入しようとする原料企業にとって、原料のブランディングは不可欠である。原料のブランディング

とは、単にロゴマークを作ることではなく、独自のエビデンスと知的財産に基づく継続的な情報発信が可能

な全体戦略のことをいう。米国の店舗に行ってみるとわかることだが、棚一面に同じヘルスベネフィットを訴

求する商品が並んでおり、その中から選ばれることがいかに難しいことか、想像するのはたやすい。NB企業

は自社ブランドのマーケティング活動をするだけでは不十分で、各ヘルスベネフィット内での競争優位性を

築く必要がある。そこでブランド原料を使用し、コ・ブランドにより差別化をし、プレミアム価格の受容性を高

めるのである。コ・ブランドが機能するためには、原料企業による消費者啓発が必要となる。

After FFCでは、これまで以上に原料企業の戦略性が問われるであろう。そのヒントは米国にある。

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NEW PRODUCTS

大塚製薬、「ネイチャーメイド イチョウ葉」認知機能分野で初の機能性表示食品として発売

大塚製薬株式会社は、機能性表示食品の認知機能分野で初めての商品、「ネイチャーメ

イド イチョウ葉」(税抜 1,780円/90日分、90粒)を、12月 3日より全国のドラッグストア等の

店頭および大塚製薬の通信販売で発売する。同社はイチョウ葉に含まれるイチョウ葉フラボ

ノイド配糖体とイチョウ葉テルペンラクトンの 2 成分に関する研究報告のシステマティックレビ

ューにより、同商品を機能性表示食品として届出をした。“認知機能の一部である記憶(知

覚・認識した物事の想起)の精度を高める” 旨の製品表示で受理された。

関連リンク:http://www.otsuka.co.jp/company/release/detail.php?id=3025&date=2015-11-16

(2015年 11月 16日 大塚製薬株式会社 ニュースリリース)

オルビス、注目のスーパーフードが手軽に摂れる『ココナッツオイルパウダー』を数量限定発売

オルビス株式会社は、今月 24 日に、ココナッツオイルを手軽に摂取できる「ココナッツ

オイルパウダー」(税抜 1,600 円/90g)を数量限定発売した。同品は中鎖脂肪酸を主成

分とし、ラウリン酸を豊富に含むことから「命のオイル」と呼ばれるココナッツオイルを、成

分を損なわぬよう非加熱、未精製の状態で配合し、さらにココナッツミルクと合わせたオリ

ジナル処方により、高濃度パウダー化した。クリーミーで甘い香りを毎日手軽に楽しめる

商品となっている。

関連リンク:file:///C:/Users/thatayama/Downloads/d2061-20151113-2397.pdf

(2015年 11月 17日 オルビス株式会社 ニュースリリース)

ポーラ、美容と健康のための贅沢な発酵飲料「グランチャージキレイの酵素」を発売

株式会社ポーラは、372 種の素材から作られた植物発酵液に加え、独自にブレンドした

10 種の植物エキスを配合した、美容と健康のための贅沢な発酵飲料『グランチャージ キレ

イの酵素』(税抜¥10,000/500ml)を 2016 年 1 月 6 日に発売する。野菜、果物、ハーブ、

和漢素材、穀物・海藻類など、日常ではなかなか摂取できない 372 種もの素材から作られ

た植物発酵液に加え、独自にブレンドした 10 種の植物エキスを配合。植物の力を詰め込

んだ美容サポート発酵飲料となっている。

関連リンク:http://www.pola.co.jp/company/pressrelease/pdf/2015/po20151117.pdf

(2015年 11月 17日 株式会社ポーラ ニュースリリース)

雪印メグミルク、脂肪ゼロヨーグルト「My Standard Yogurt ベリーミックス」(100g)を発売

雪印メグミルク株式会社は、脂肪ゼロタイプで 1 個当たり 63kcal の「My Standard

Yogurt ベリーミックス」(税抜 100円/100g)を 12月 8日に発売する。同品は、贅沢志向

と節約志向という消費の二極化が進む中、手軽においしく食べられるというコンセプトで

発売されたシリーズで、ベリー系フルーツを中心に 5 種類のフルーツ(果肉:いちご、白

桃 果汁:ラズベリー、ブラックベリー、ブルーベリー)を組み合わせた、華やかで甘酸っ

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ぱい味わいを特長としている。

関連リンク:http://www.meg-snow.com/news/2015/pdf/20151119-1141.pdf

(2015年 11月 19日 雪印メグミルク株式会社 ニュースリリース)

わかさ生活、「ブルーベリーアイ ドリンク」を全国で 2015年 11月より販売開始

株式会社わかさ生活は、主力製品のブルーベリーサプリメント『ブルーベリーアイ』の研究成

果を活かし、目の健康習慣として手軽に摂取できる飲料『ブルーベリーアイ ドリンク』(税抜 200

円/100ml)を開発。同品は 1 日 1 本の目の健康習慣としてブルーベリー160mg を配合した飲

料で、今月より発売されている。「長時間の運転でハッキリしない」「パソコンの細かい文字を見

すぎて、チカチカする」といった時に、どこでも手軽に摂取できる商品となっている。

関連リンク:http://www.wakasa.jp/drink/

(2015年 11月 19日 株式会社わかさ生活 ニュースリリース)

サタケ、ギャバが豊富なパックご飯・GABA楽メシ「大盛り白飯」を発売

株式会社サタケは、ギャバが豊富なパックご飯・GABA楽メシ®「大盛り白飯」を 12月 1

日より新売する。同品は 9 月に発売された GABA 楽メシ®「白飯」よりも 90g 増量してい

る。調理方法も簡単な上、どのようなおかずにも合う美味しい仕上がりとなっていて、料理

をする時間がないときや白飯が急に必要なとき、また 1 パックを分けて食べたい人にもお

すすめとしている。

関連リンク:http://www.satake-japan.co.jp/ja/news/2015/news151119-1.html

(2015年 11月 19日 株式会社サタケ ニュースリリース)

SBIアラプロモ、初の ALA(5-アミノレブリン酸)含有 機能性表示食品「アラプラス 糖ダウン」新発売

SBI ホールディングス株式会社の子会社で 5-アミノレブリン酸(ALA)を利用した健

康食品、化粧品の製造・販売等を行っている SBI アラプロモ株式会社は、ALA(5-ア

ミノレブリン酸)含有した初の機能性表示食品「アラプラス 糖ダウン」(税抜 4,900円/

30日分、30カプセル)を 12月に発売する。5-アミノレブリン酸(ALA)は体内のミトコン

ドリアで作られるアミノ酸。ヘムやシトクロムと呼ばれるエネルギー生産に関与する機

能分子の原料となる重要な物質である。高めの空腹時血糖値を正常に近づけることをサポートし、 食後血

糖値の上昇を穏やかにする機能があるとしている。

関連リンク:http://www.sbi-alapromo.co.jp/20151124/index.html

(2015年 11月 24日 SBI アラプロモ株式会社 ニュースリリース)

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ファンケルヘルスサイエンス、ケール・ココア・豆乳の栄養が摂れる“ホットでおいしい青汁” 「本搾り青汁

リッチココア」数量限定発売

株式会社ファンケルヘルスサイエンスは、国内産の「ケール」とココアパウダーを使用した

「本搾り青汁 リッチココア(税込 772円/6袋入り)」を、2015年 12月 18日より通信販売お

よび直営店舗にて数量限定発売する。同製品は、栄養価の高い国内産「ケール」を 100%

使用し、ミネラルの吸収を高める同社独自成分「植物性ツイントース®」を配合した青汁に、

「ココアパウダー」と、「豆乳パウダー」を配合。「ケール×ココア×豆乳」の組み合わせで、

より飲みやすく“おいしい青汁”となっている。

関連リンク:http://www.fancl.jp/news/pdf/2015.11.25_honshiboriaojirurichcocoa.pdf

(2015年 11月 25日 株式会社ファンケルヘルスサイエンス ニュースリリース)

マルハニチロ、機能性表示初の缶詰「さば水煮」来春上市

マルハニチロ株式会社は、先月 27 日に缶詰食品では初めて機能性表示食品として受理

された「さば水煮」の商品化を決定、来春から発売する。同品は中性脂肪を低下させる機能

がある魚由来の栄養素、DHA(ドコサヘキサエン酸)と EPA(エイコサペンタエン酸)を含有、

「中性脂肪が気になる方に」お勧めの製品である。同社からは続けて、同じく DHA・EPA を含

有する缶詰食品、「さけフレーク」「油そのままツナフレークまぐろ油漬オリーブオイル仕立て」

の 2品を機能性表示食品として届出をおこない、今月 4日に受理されている。

関連リンク:http://www.maruha-nichiro.co.jp/news_center/release/2015/001557.html

(2015年 11月 25日 マルハニチロ株式会社 ニュースリリース)

COMPANY NEWS

味の素、「アミノバイタル(R)」シリーズ 3製品を台湾で販売開始

味の素株式会社の連結子会社である台灣味之素股份有限公司(台湾

味の素社)は、運動により不足しがちなアミノ酸を効率的に補給できるスポ

ーツサプリメント「アミノバイタル® GOLD」、「アミノバイタル® アミノプロテイ

ン」および「アミノバイタル® パーフェクトエネルギー」の 3 製品(計 9 品種)

を今月 16 日より台湾で販売開始した。台湾の健康食品市場は 2008 年より

年率約 10%で成長し、2014 年には 4,500 億円規模に到達した(出所:

2014-2015 Food Industry Research and Development Institute (FIRDI))。行政をあげてスポーツ振興活動が

盛んに行われ、マラソンや自転車が国民的なスポーツになるとともに、定期的にスポーツを楽しむ人は人口

の 30%を(出所:2014 Sports City Investigations, Sports Affairs Council of the Executive Yuan)超えており、

スポーツをする人向けサプリメントの需要拡大が見込めるとされる。トップアスリートを食と栄養面からサポー

トするなどの支援活動を行ってきた同社は、このたび発売する 3 製品を通して、同国のスポーツをする人を

総合的に支援するとコメントしている。

関連リンク: http://www.ajinomoto.com/jp/presscenter/press/detail/2015_11_16.html

(2015年 11月 16日 味の素株式会社 プレスリリース)

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ファミリーマート、糖尿、腎臓病向け「療養食」17年度までに 200店

ファミリーマートは、塩分やたんぱく質など食事に制限が必要な消費者向け「療養食」の販売を始める。

糖尿病や腎臓病などの患者用に約 90 品目をそろえた専用コーナーを設置し、2017 年度までに 200 店に

広げる。12 月 1 日から、大阪市立総合医療センターの店舗など、14 店で取扱いを開始する。糖尿病や腎

臓病などと診断された患者が、医師や管理栄養士から指導をうけ、それぞれの利用者にあった商品を示し

た「注文票」をもらう。その内容にしたがって、コンビニに売り場で購入する。専用売り場では、弁当や飲料

など約 90 品目を常に用意する。例えば、冷凍食品では、腎臓病でたんぱく質の摂取制限が必要な人向け

に、たんぱく調整米を使用した巻きずし(800 円)や鶏煮込み丼(788 円)などを販売する。加工食品では、

たんぱく質を抑えたハウス食品のレトルトカレー「まろやかカレー」(224 円)、塩分をカットした日清オイリオ

グループのカップ麺「レナケアー しょうゆラーメン」(190円)のほか、糖尿病の患者向けに砂糖代替甘味料

を使った商品などをそろえる。

(2015年 11月 26日 日本経済新聞 朝刊)

RESEARCH NEWS

ユーグレナ、微細藻類ユーグレナの継続摂取により関節リウマチの症状緩和を示唆する研究結果を確認

株式会社ユーグレナは、細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)

の粉末や、特有成分であるパラミロンの継続摂取により、関節リ

ウマチの症状が緩和されることを示唆する研究結果を確認し

た。実験では、関節リウマチを発症したマウスにユーグレナ粉

末、パラミロンおよびアモルファスパラミロンを入れたエサを経口

摂取させ、関節炎スコアを測定し、通常のエサのみを摂取させ

たマウス(コントロール群)の関節炎スコアと比較した。その結

果、ユーグレナ粉末、パラミロンおよびアモルファスパラミロンを

入れたエサを摂取したマウスにおいて、コントロール群と比較して関節炎スコアの有意な減少が確認された。

同社は、ユーグレナ粉末、パラミロンおよびアモルファスパラミロンの継続摂取が関節リウマチの症状の緩

和効果を持つ可能性があり、すなわち自己の組織に対して免疫が過剰に反応することを抑制する可能性

が示唆されたとしている。

関連リンク: http://www.euglena.jp/updates/news/20151116/

(2015年 11月 16日 株式会社ユーグレナ ニュースリリース)

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カルピス、「L-92乳酸菌」の摂取により唾液中の抗ウィルス物質(IgA抗体)が増えることを確認

カルピス株式会社発酵応用研究所は、「ラクトバチルス・アシドフィルス

L-92 株」(以下、「L-92 乳酸菌」)を含む飲料の継続的な摂取により、ウィ

ルスの体内への侵入を阻止する IgA 抗体の分泌量が増えることをヒト試

験で確認した。試験は、30~65歳の健康な男女 300人の被験者の中で、

免疫力が低め(NK細胞の活性が低い)の人 115名を 2グループに分け、

一方のグループには「L-92乳酸菌」を含む飲料を、もう一方のグループに

は「L-92乳酸菌」を含まない飲料を1日1本(200ml)、3か月間飲ませる試

験を実施。摂取前と摂取期間中 1 か月毎に、唾液を採取し、唾液中の

IgA抗体濃度を調べた。その結果、「L-92乳酸菌」を含む飲料を摂取した

グループ(以下、「L-92乳酸菌」群)は「L-92乳酸菌」を含まない飲料を摂取したグループ(プラセボ群)と比

較して、摂取から 4週目に唾液中の IgA抗体濃度が有意に高い値を示した。 これまでに、「L-92乳酸菌」

がNK細胞を活性化することも動物試験で確認されていることから、「L-92乳酸菌」は、ウィルスの侵入阻止

と、さらに、感染した場合の、体内への増殖・拡散阻止という 2つの感染防御メカニズムに寄与することが示

唆された、としている。同社はこの研究成果を年 10 月 15~16 日に開催された第 11 回日本食品免疫学会

(東京)にて発表した。

関連リンク: http://www.calpis.co.jp/corporate/press/nr_00795.html

(2015年 11月 17日 カルピス株式会社 プレスリリース)

MARKET NEWS

インテージ、『健康食品・サプリメント市場実態把握レポート 2015年度版』11月 30日に発行

株式会社インテージは、生活者視点での健康食品・サプリメント市場の実態把握を目的にした調査を、2015

年 9 月 3 日~14 日にインテージ・ネットモニター「マイティモニター」を対象に実施し、その結果をまとめた『健康

食品・サプリメント市場実態把握レポート 2015年度版』を 11月 30日に発行した。同レポートによると、2015年の

健康食品、サプリメントの使用者は 5,758 万人で対前年比 1.6%の増加となり、1 人当たりの年間平均購入金額

も、27,414 円で対前年比 337 円の微増となった。健康食品サプリメントの推定市場規模は 1 兆 5,785 億円で対

前年比2.9%増となった。ヘルスベネフィット別にみると「美肌、肌ケア」が1,432億円と最も高く、「健康維持増進」

が 1,307 億円、「疲労回復」が 1,063 億円と続いた。全国 6 万人のスクリーニング調査、健食使用者 1.2 万人を

対象に本調査を実施している。 同レポートには、健康食品の利用目的(ヘルスベネフィット)を分類し、49 の分

類(カテゴリー)ごとのユーザー層や購入理由・使用実態、顕在・潜在市場規模、65 種類の機能性原料(素材・

成分)について生活者の認知度・効能理解度をみる「原料ブランディング」などの視点も盛り込まれている。同社

では、健康食品・サプリメント市場の可視化に向けて、2012 年から生活者・利用者視点からのネット調査を国内

最大規模で実施し、毎年秋に定点観測データの提供している。

関連リンク: http://www.intage.co.jp/topics/news/20151125

(2015年 11月 25日 株式会社インテージ ニュースリリース)

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10月のドラッグストア「健康食品」の売上高、 前年比 11.7%増に

経済産業省が 30 日に公表した商業動態統計速報によると、10 月のドラッグストア

(DgS)による「健康食品」の売上高は、前年比 11.7%増の 147 億 6,600 万円となった。

2015 年 8 月は 157 億円(同 13.8%増)、9 月は 144 億円(同 8.8%増)と、「健康食品」

の売上高は、3か月連続の上昇となった。

関連リンク: http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syoudou/result/pdf/201510S.pdf

(2015年 11月 30日 経済産業省 商業動態統計 統計表一覧 速報)

消費者庁、新たに 13品の機能性表示食品届出を受理

消費者庁は、11 月 17 日に 4 件、20 日に 1 件、24 日に 5 件、27 日に 3 件の新たな機能性表示食品の

届出情報を公開した。11月 30日時点の受理件数の合計は 60社 149商品となった。新たに追加された商

品は、小林製薬(株)、味覚糖(株)、(株)全日本通教、(株)ファンケル、アサヒビール(株)、SBI アラプロモ(株)、

幸南食糧(株)、オリヒロプランデュ(株)より 1品、甲陽ケミカル(株) より 2品、(株)わかさ生活より 3品の計 13

商品である。

関連リンク:http://www.caa.go.jp/foods/todoke_101-125.html, http://www.caa.go.jp/foods/todoke_126-50.html

(2015年 11月 30日 消費者庁 HP内機能性表示食品の届出情報)

追加 10品