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Please refer to important disclosures and certifications located in Appendix A of this report. 中国:マクロ経済-経済の構造転換 エクイティリサーチ部 シニアエコノミスト 智雄 03-6627-5234 [email protected] 20181

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中国:マクロ経済-経済の構造転換

エクイティリサーチ部

シニアエコノミスト

李 智雄

03-6627-5234

[email protected]

2018年1月

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1 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved.

中国:マクロ経済-経済の構造転換

需要から考えるべきではないか

中国経済の二桁成長は何故終わったのか?日本を参考に

供給側から見た中国経済の鈍化

需要側から見た中国経済の鈍化:特に需要の飽和に関して

需要飽和後の中国経済の帰結:消費の鈍化、企業の淘汰

生じる問題:不良債権、シャドーバンキング問題

生き残りをかけた競争:FA化の誤解

勝ち残る中国企業を考える

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2 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved.

どの国を見るにしても、他国の経験は参考になる

中国は日本のどの時代と似ているのか

「我が国の社会・経済は,今や一つの大きな転機に差し掛かつている」とした上で「環境問題など高度成長のひずみを早急に解消し、国民福祉の向上を図ることが必要とされている」 出典:日本1975年「科学技術白書」より

「原子力開発、宇宙開発、海洋開発等の巨大科学技術も順調に発達を遂げた」 出典:日本1980年の「科学技術白書」より

日本は当時、1971年(昭和46年)に科学技術会議が答申を行った「1970年代における総合的科学技術政策の基本について」を中心に科学技術振興政策を進めていた。

「当時の日本は経済発展の前期。われわれの発展の現段階に似ており、経験を参考にできる」と表明。-温家宝2007年来日時

出所:外務省、各種報道、Yahoo映画より

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3 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved.

何故二桁台の成長は終わったのか?

-4.0%

-2.0%

0.0%

2.0%

4.0%

6.0%

8.0%

10.0%

12.0%

14.0%

16.0%1

99

7 1

95

5

19

99 1

95

7

20

01 1

95

9

20

03 1

96

1

20

05 1

96

3

20

07 1

96

5

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09 1

96

7

20

11 1

96

9

20

13 1

97

1

20

15 1

97

3

20

17 1

97

5

20

19 1

97

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20

21 1

97

9

20

23 1

98

1

20

25 1

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3

20

27 1

98

5

19

87

19

89

19

91

19

93

19

95

19

97

19

99

日本

中国

米国コンファレンスボード見通し

IMF見通し

実質GDP成長率の比較

3.8%→3.3%4.0%程度

出所:内閣府、中国国家統計局、米コンファレンスボード、IMFよりMUMSS作成

(前年比)

日本の経験が参考になるのではないか

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4 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved.

経済成長率、供給側の分析

何故、成長率は鈍化するのか?

そもそも、経済はどうやって成長しているのか。

経済成長は・・・

① 人: いわゆる「労働」

② 機械: あるいは「資本」

③ 生産性: つまりは「技術」

のいずれかを増やすしかない。

いわゆるソローの成長会計。

日本の高度成長の終焉には、

すべての要素の伸び率が低下。

技術, 0.9%

資本, 0.2%

労働, -0.3%

実質GDP成長率,

4.0%前後

-2.0%

0.0%

2.0%

4.0%

6.0%

8.0%

10.0%

1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代

労働

資本

技術

実質GDP成長率

成長会計:日本の場合

出所:Feenstra, Robert C., Robert Inklaar and Marcel P. Timmer (2015)(www.ggdc.net/pwtよりダウンロード可能)

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5 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved.

経済成長率、供給側の分析、中国はどうか

成長会計:中国の予想

出所:Feenstra, Robert C., Robert Inklaar and Marcel P. Timmer (2015)(www.ggdc.net/pwtよりダウンロード可能)、MUMSS試算

技術, 1.8%

資本, 2.5%

労働, -0.3%

実質GDP成長率,

4.0%前後

-2.0%

0.0%

2.0%

4.0%

6.0%

8.0%

10.0%

12.0%

1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代

労働

資本

技術

実質GDP成長率

予想

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6 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved.

供給側の分析:日本(1)労働

労働投入、特に労働時間の低下に注目

-4%

-2%

0%

2%

4%

6%

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010

就業時間

就業率

労働参加率(=労働力人口/15歳以上の人口)

15歳以上人口の変化率

総労働投入時間

日本:労働投入の要素別分解の推移

出所:総務省統計局『日本の長期統計系列』第19章19-4労働力状態,男女別15歳以上人口より筆者計算

85

90

95

100

105

110

1950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010

労働時間

就業率

労働参加率(=労働力人口/15歳以上の人口)

→高度成長期以降

(1970=100)

日本:労働時間、就業率、労働参加率の推移

出所:総務省統計局『日本の長期統計系列』第19章19-4労働力状態,男女別15歳以上人口より筆者計算

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7 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved.

供給側の分析:中国(1)労働

0

2

4

6

8

10

12

14

16

1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050

65歳以上

0~14歳

15~64歳

(億人)

働き手のピークは2015-2020年

中国の生産年齢人口の推移

出所:国連「World Population Prospects - Population Division」 (https://esa.un.org/unpd/wpp/よりデータのダウンロード可能(2017年8月31日閲覧))

各国労働時間の推移

出所:国際労働機関(ILO)データベースILOSTATよりダウンロード http://www.ilo.org/global/statistics-and-databases/lang--en/index.htm(2017年8月31日閲覧)

一人当たり所得と年平均労働時間の関係

注:OECD諸国を含む34ヵ国、2012年時点。出所:OECDデータベース、IMFデータベースより IMFはhttp://www.imf.org/en/Data(2017年8月31日閲覧) OECDはhttps://data.oecd.org/emp/hours-worked.htm(2017年8月31日閲覧)

裕福になるほど平均労働時間は縮小? 余暇の上昇:所得効果が代替効果を上回っている? ⇒実は個人ベースの労働時間は賃金上昇に伴って延びる (黒田祥子(2009)、「日本人の労働時間は減少したか?」、ISS Discussion Paper Series J-174、Keane P. M. (2011), “ Labor Supply and Taxes: A Survey,” Journal of Economic Literature, 49(4), 961-1075など)

⇒そうではなくて、高齢化、少子化、高学歴化という人口構成の変化が経済全体としての一人当たり労働時間の縮小をもたらす

画像出所:丸善石油のTV CM(http://akbnoseb.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/oh-tv-cm-971f.html)

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8 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved.

供給側の分析:中国(2)資本、稼働率低下=過剰

日本:稼働率と設備投資の関係

出所:総務省よりMUMSS作成

90.0

95.0

100.0

105.0

110.0

115.0

120.0

125.0

130.0

1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010

-40.0

-20.0

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

稼働率

設備投資:右軸

(2000=100) (前年比)

30

35

40

45

50

55

1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016

5000企業設備稼働率レベルDI

中立水準

出所:中国人民銀行統計季報「5000戸企業景気拡散指数」のうち「企業設備稼働率レベルDI(設備能力利用水平)」(例えば2016年第84期は89項)

中国:5000企業設備稼働率レベルDIの推移

-10.0%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

消費

投資

純輸出

実質GDP成長率の需要項目別寄与率

出所:中華人民共和国国家統計局『中国統計年鑑』(2016年版)3-19項「三大需求対国内生産総値増長的貢献率和拉動」より筆者計算

17.0

21.6

9.6

29.8

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

19

96

19

97

19

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19

99

20

00

20

01

20

02

20

03

20

04

20

05

20

06

20

07

20

08

20

09

20

10

20

11

20

12

20

13

20

14

20

15

全体 外資系企業

民間企業 国有企業

(%)

出所: 中国国家統計サイトデータベースの「Industry」のうち、Number of Loss-making Industrial Enterprisesより筆者計算 http://data.stats.gov.cn/easyquery.htm?cn=C01(2017年8月31日閲覧)

所有形態別赤字企業の割合

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9 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved.

供給側の分析:日本(3)技術、キャッチアップ型の終焉

技術, 0.9%

資本, 0.2%

労働, -0.3%

実質GDP成長率,

4.0%前後

-2.0%

0.0%

2.0%

4.0%

6.0%

8.0%

10.0%

1960年代 1970年代 1980年代 1990年代 2000年代

労働

資本

技術

実質GDP成長率

(再掲)成長会計:日本

出所:Feenstra, Robert C., Robert Inklaar and Marcel P. Timmer (2015)(www.ggdc.net/pwtよりダウンロード可能)

「新しい技術」が、目新しく無くなった

出所:1967年版科学技術白書第6-21図

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10 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved.

供給側の分析:中国(3)技術、三つの波か

-2%

0%

2%

4%

6%

8%

10%

12%

14%

1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010

GDP

労働投入の伸び率

資本投入の伸び率

TFPの伸び率

(前年比%ポイント、前後2年移動平均)

中国GDP各要素の寄与トレンド

注:トレンドをわかりやすくするため、前後2年移動平均を用いている。 出所:Feenstra, Robert C., Robert Inklaar and Marcel P. Timmer (2015)

-4

-2

0

2

4

6

8

10

12

1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010

籾殻つきの米

生鮮野菜

小麦

鶏卵

前年比(前後2年平均)80年代

農業生産性の上昇

中国農業部門生産性の推移

出所:FAO Statistics Database

1980 年代: 中国の技術進歩をもたらした要因の一つは農業部門の生産性上昇であったと考えられる。1979 年の農業改革、1982 年の人民公社の解体などが寄与か。1 ヘクタール当たりの生産量上昇を見ると農業部門の生産性が上昇した可能性が示唆されている。例えば1979 年から90 年まで1 ヘクタールあたりの生産量を見てみると、小麦が1.5 倍(2.1 トンから3.2 トン)、籾殻つきの米が1.3 倍(4.2 トンから5.7 トン)、生鮮野菜が1.2 倍(16.4 トンから19.4 トン)と生産性が大幅に伸びた。生産量に至っては小麦1.7 倍、籾殻つきの米1.3 倍、生鮮野菜は特に大きく4.1 倍となっている(FAO Statistics Database)。

TFP の動きを眺めてみると、大きく(1)80 年代、(2)90 年代、そして(3)2000年代という三つの波

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11 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved.

供給側の分析:中国(3)技術、三つの波か

0

100

200

300

400

500

600

700

800

19

80

19

81

19

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90

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19

94

19

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96

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19

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19

99

20

00

海外技術輸入経費支出

R&D支出

(億元)

R&D経費支出と海外技術輸入経費支出

出所:中華人民共和国国家統計局『中国統計年鑑』各年版うち「規模以上工業企業的科技活動基本状況」より(各年で項目番号が異なるが、例えば2016年版中国統計年鑑では項目20-4、641ページ)

0

2000

4000

6000

8000

10000

12000

19

90

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93

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96

19

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20

00

20

01

20

02

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20

09

20

10

20

11

20

12

技術改造経費支出

R&D経費支出

(億元)

技術関連投資の推移

出所:中華人民共和国国家統計局『中国統計年鑑』各年版うち「規模以上工業企業的科技活動基本状況」より(各年で項目番号が異なるが、例えば2016年版中国統計年鑑では項目20-4、641ページ)

1990年代: 海外技術輸入経費支出の動きである。海外技術輸入経費支出は1991 年の90.2 億元から大きく上昇、1995 年には単年に過ぎないとは言え、360.9億ドルと国内全体のR&D 支出額である302.36 億ドルを上回るまでとなった。それ以降海外技術輸入経費支出額は低下、R&D 支出額が再び海外技術輸入経費支出額を上回るようになる。 2000年代: 進んだのは、既に輸入した技術の国内での吸収・普及であった。一定規模以上工業企業の科学技術活動基本状況統計のうち、2000 年代に特徴的なのは、技術改造経費支出であろう。データは中国人民共和国国家統計局の編纂している中国統計年鑑から取得可能な、2004 年、2006~2015 年しかないものの、2004 年の技術改造経費支出額は2953.5億ドルと、同年のR&D 経費支出額1966.3 億ドルを既に超えており、2006 年は3019.6 億ドル(R&D 経費支出額は3003.1 億ドル)、2008 年も4672.7 億ドル(R&D 経費支出額は4616億ドル)とR&D 経費支出額額を超える額が使用されていた。同統計には、国内技術の改造か、海外技術の改造かの区分けはないが、これまで輸入・開発された技術の応用としての改造が、2000 年代の技術革新に一つの役割を果たした可能性を示唆している。

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12 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved.

技術発展 - 日本と中国の違いは何か

高度成長期の終焉時点における技術進歩の進み具合は日本と中国で異なる。ではその差異を生み出したものは何か。

一つ目は、(1)技術導入の方式で

ある。日本は当時、投資先としての魅力のなさ(戦後日本の一人当たりGDPは他国に比べて大幅

に低かった)、地政学リスクの大きさ(1950~1953年まで朝鮮戦

争があったことが大きく影響していると考えられる) から、海外か

ら国内への対内直接投資はほぼ行われなかった。よって、技術を特許などの形で輸入し、自ら設備投資を行いつつ導入するしかなかった。その導入の過程で自前技術・現場の力が大きく進んだ可能性が高い。一方で中国の技術導入は、海外からの対内投資によってなされた部分が大きい。

もう一つは、(2)技術導入に対して輸出制限がかけられていたことである。1961年の時点で技術導入に伴う輸出市場制限条項のついた契約件数は全体の53%で、商品別には金属製品(約90%)、機械(約85%)、輸送用機械(約85%)などが特に厳しかった。

つまり輸出をするためには、自前の技術を開発するしかなかったのである。より切迫感があったことは想像に難くない。輸出をするための独自技術を中心に開発が進んだ。一方で中国のこれまでの技術導入は海外輸出を前提とした例えば進料加工や来料加工のための対内直接投資に支えられてきており、日本ほどには制限がなく、輸出をするためのより高位技術の開発と言うインセンティブは相対的に働きにくかったのではなかろうか。

日本の技術輸入には輸出制限があった【日本】

日本への対内投資の推移【日本】

出所:総務省「日本の長期統計系列」、財務省「国際収支状況」、財務総合政策研究所「財政金融統計月報ダウンロード(国際収支特集)」より筆者作成

中国への対内投資の推移

出所:世界銀行より総固定資本形成、中華人民共和国国家統計局『中国統計年鑑』2016年版3-1項目よりGDP、11-2項目より輸出、筆者計算

-2

0

2

4

6

8

10

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010

-10

0

10

20

30

40

50対内直接投資/GDP比率

純輸出/GDP比率

GFCF/GDP比率(右目盛)

(%) (%)

*対内直接投資は1966年より

-2

0

2

4

6

8

10

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010

-10

0

10

20

30

40

50

対内直接投資/GDP比率

純輸出/GDP比率

GFCF/GDP比率(右目盛)

(%) (%)

*対内直接投資は1983年より、輸出比率は1982年より

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

1968 1970 1972 1973 1974 1975 1976

制限なし 制限あり(日本のみ)

制限あり(アジア地域までのみ) 制限あり(その他)

(%)

出所:科学技術庁1977年版『外国技術導入年次報告』第1-2-9図「技術導入に伴う輸出市場の制限状況の推移」

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13 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved.

需要側の分析:日本、高度成長の終焉は需要の飽和ではないか

だが、実は経済の成長率鈍化には、より重要な要因がある。

それは

「需要」

ではないか?

「吉川理論」

(吉川洋

『高度成長』

読売新聞社、

1997年)

-2.0%

0.0%

2.0%

4.0%

6.0%

8.0%

10.0%

12.0%

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000

日本

1955~70: 8.5%

1971~94: 4.4%

(前年比)

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000

白黒テレビ

カラーテレビ

洗濯機

冷蔵庫

(世帯当たり、%)

『三種の神器』

耐久消費財の普及率が

100%に近づくのに伴い、

消費の伸び率は減速

出所:画像はAmazon.co.jpより

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14 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved.

需要側の分析:中国の耐久消費財の普及はほぼ完了

日本の経験、都市部への人口流入は

高度成長終焉時にストップ、賃金上昇

出所:総務省よりMUMSS作成

2.8

2.9

3

3.1

3.2

3.3

3.4

3.5

3.6

3.7

3.8

-4%

-2%

0%

2%

4%

6%

8%

10%

1987 1992 1997 2002 2007 2012

人口成長率

世帯増加率

世帯当たり人数:右軸

(前年比%) (世帯当たり人数)

世帯あたり人数は2.9人を割っ

たあたりから世帯増加率は伸び

率が大きく低下。今後、核家族

化による耐久消費財需要の増加

率加速は見込みがたい。

中国:世帯増加率は大きく低下

出所:CEIC、国家統計局よりMUMSS作成

-5%

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5%

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900

55 60 65 70 75 80 85 90 95

近畿圏

中京圏

首都圏

雇用者所得:右軸

(千人、流入マイナス流出)

…②それに伴い過剰労働力の

枯渇、つまり「ルイスの転換

点」を迎えた日本の雇用者所

得は高い上昇率を継続。

①1970年に都市部への人口流入はストップ。「3ちゃん農業」で農村部の過剰労働力は枯渇…

耐久消費財の普及率 「世帯当たり」であることを考慮すれば核家族化が進んでいる中国においてその普及の速度が速かったことがわかるがわかる

22.7 20.4

36.9 42.2

81.5 86.4 89.0

119.9

224.8

0

50

100

150

200

250

自動

カメ

電子

レン

オー

トバ

エア

コン

洗濯

冷蔵

カラ

ーテ

ビセ

ット

移動

電話

日本 (1975年)

中国 (2015年)

(100世帯当たり普及率)

出所:中華人民共和国国家統計局『中国統計年鑑』(2016年版)6-22項、

総務省統計局『日本の長期統計系列』20-14-a項目「主要耐久消費財の普及率」

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15 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved.

需要側の分析:需要の飽和がもたらす競争の激化

出所:MUMSS作成

需要の飽和と経済構造の変化、競争激化からくるFA化と高品質化という流れの説明

• 消費の飽和は企業側にも構造調整を促す。これまで単純な「組み立て」によりコスト重視で作っていたモノは売れず、そのような企業は数多くつぶれる。それによる金融コスト上昇もあり、それまでの過剰投資を支えていた企業が激減する。それが投資の伸び率低下につながる。「組み立て」技術のみが必要で参入が容易であった企業が過剰設備の要因のひとつであったのが、需要側の構造変化に伴い、整理を余儀なくされる。これが投資を押し下げる。消費も需要の飽和から伸びが鈍化するが、一方で必需品ばかり買っていた消費者は、その購買力上昇に伴い消費を多様化。多様化に伴う幅の広がりから消費の伸び率は、投資より鈍化しにくい。消費の伸び率の鈍化よりも投資の伸び率鈍化の幅が大きいため、両者の伸び率は逆転してくる。今はちょうどその境目にあると言えそうだ。

耐久消費財普及前

耐久消費財飽和以降

需要:「新規」 需要:「買い替え」低価格 価格は一定程度許容 消費の伸び率低下

最低機能 ほどほどの機能では買い替えせず 需要側から見た成長率の鈍化

=「低価格・低機能品」 =「中価格・高機能品」需要

上昇 【中賃金】 人件費増加

顧客:新規メイン 顧客:既存の顧客も重視 倒産の増加低価格戦略 ほどほどの価格 ↓

機能よりコスト 高品質戦略・差別化戦略 金融コストの上昇製造:低賃金で組み立て 製造:模倣の難しい技術・付加価値の開発 ↓

低競争=参入容易 競争の激化 投資の伸び率低下

ロボットやNC工作機械導入によるFA化「生き残った」企業による

高品質化の進展

【低賃金】

供給者

消費者

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16 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved.

需要側の分析:競争の激化がもたらす淘汰の進展

本田靖春「インタビュー:本田 宗一郎 作る人は輝いていた」 ―いよいよ東京に進出されたのが昭和25年でしたか。(中略)そのころはやはり二輪車の分野でも、外国製が主流だったんでしょ。(中略)国産のメーカーは何十社もあったそうですが。これはほとんどコピーですか。 本田:約200社ありまして、欧州物とかアメリカ物とか、全部、方々のコピーでやっていたんです。私もコピーでやろうと思うときもあったけど、人のまねするのは死んでもいやだというわけで、うちはうちだけでやったんです。だから苦労しましたね。まねしなかったから。 ―まねしたメーカーで、本家と肩を並べるくらいの性能のものをつくっていたところはあったんですか。 本田:ないですね。今残っていません。

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17 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved.

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伸び率の差:右軸

固定資産投資

小売売上高

(前年比%) (bp)

*2017/11

消費と投資の

伸び率が逆転

消費主導型経済の実態とは何か:投資も、消費も減速する

出所:国家統計局よりMUMSS作成

投資と消費の伸び率の逆転

• 中国で生じている減速の主因の一つは同じく消費の飽和。それに伴い、消費の全体の伸び率は低下するが、必需品の飽和に伴う消費の多様化も進むため、消費の伸び率は「下がりにくい」。

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18 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved.

下がりにくい消費:多様化する消費、かつ要求水準の高い消費者

出所:MUMSS作成

中国人の消費傾向は「中価格・高機能品」

• 反腐敗運動により、これまで高額商品を買っていた共産党員は大分減った。

• 一方で中国における中間所得者層の拡大により、これまでは必要最低限の需要を満たすためだった消費が、徐々にアップグレード、一定程度の金額を払っても高い満足度を得られるものを購入するという需要に変わりつつある。それが「中価格、高機能品」の消費。中機能ではないところがポイントだ。

• 消費者によるフィードバック効果も無視できない。

衣料品 化粧品 時計 旅行 携帯電話

高価格 高機能品 (共産党員)

シャネル、プラダ

ドゥ・ラ・メール、資生堂

Ω 米欧旅行 iPhone

中価格 高機能品 (爆中国人)

ユニクロ、無印

DHC、ファンケル

Seiko、Citizen、Casio

ベトナム、韓国旅行

華為、小米, Oppo

低価格 低機能品 (旧中国人)

服 水 クオーツ時計

国内旅行 ゲリラ携帯

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19 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved.

1)中国の商業銀行がストックとして抱える不良債権比率を様々な方法で推計すると、公式に発表されている2%以下より大幅に高いと推測される。「関注」つまり「当面、債務者は借り入れの元利の返済能力があるが、幾つか返済に不利な影響を及ばす要素が存在する債権」までを不良債権として組み込めば、「関注」含む不良債権額は4.7兆元、不良債権比率は5%台と高い。 2) 「直接」償却によって債権を、簿価を下回る価格で不良債権処理会社など外部に売却してバランスシートから切り離した場合、不良債権比率は上昇しない。政府が2014年以降、直接償却の基準を緩めるなどして、積極的にオフバランス化を指導していることから「直接」償却は進展。 3)どのような形であれ、償却は収益上マイナス。

銀行の収益状況は悪化

出所:中国銀行業監督管理委員会よりMUMSS作成

「関注」含む:不良債権比率と不良債権額

出所: 中国銀行業監督管理委員会、WINDよりMUMSS作成

出所: 各行資料よりMUMSS作成

不良債権の「間接」・「直接」償却動向

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2012 2013 2014 2015 2016 2017上半期

不良債権増加額 (前年差)

「間接」償却=貸倒引当金増加分

「直接」償却

(十億元) 直接償却が拡大していることが不良債権の増加を抑えているが、これは景気の下押し圧力ともいえる

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2010

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2010

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2011

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2016

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2017

「関注」債権

商業銀行不良債権額

「関注」債権含めた比率 (右軸)

商業銀行不良債権率 (右軸)

(兆元) (%)

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2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

純金利マージン

銀行ROE:右軸

(%)

処理方法 説明 バランスシート上の扱い 注釈

間接償却

貸し出した資金のうち、回収

できなくなると見込まれる金

額を会計帳簿において明らか

にする

負債項目に繰り入れる

融資先企業の経営悪化が深刻

化、担保価値の低下時など、引

当金追加の必要性

直接償却

会計帳簿から不良債権となっ

た貸し出し額を切り離してオ

フバランスにする

直接貸借対照表の資産項目

から切り離す融資先企業の破綻可能性上昇

生じる問題、不良債権:銀行は売却、経済への下押し圧力にも

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20 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved.

出所: MUMSS作成

生じる問題、地方政府債務問題:クレジットリスクの転移

地方政府の「暗黙」保証による、シャドーバンキングの発達

(1)高い金融コスト 1994年に原則禁止

資金リターン

.    「城投債」

(2)過剰投資、リターン低下 (3)問題の複雑化

投資 保証

プロジェクト 融資平台 地方政府

市場

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21 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved.

モラルハザードの可能性地方債発行による借換 中央銀行による担保受け入れ

資金リターン 借換債 地方債

.    「城投債」

投資 保証 既存債務解消 担保付貸出

中央銀行からは低金利企業へはそれよりも高い金利で利鞘

プロジェクト 融資平台 地方政府 金融機関 中央銀行

市場

企業

出所: WIND統計データベースよりMUMSS作成

生じる問題、地方政府債務問題:クレジットリスクの転移

地方政府の「暗黙」保証による、シャドーバンキングの発達

国債の保有構造

出所: MUMSS作成

出所:Eng.gov.cn

中国の保険業の管理当局(China Insurance Regulatory Commission, CIRC)が資産・負債デュレーションのミスマッチを監視し、場合によっては資産・負債の運用・売却について規制を行う。▼今後、資産・負債デュレーションのミスマッチを是正するということは、資産側のデュレーションを長期化する必要があるということだ。そのためには現在運用全体の35%を占める債券の割合を高めていかなければならない。逆に考えれば中央・地方政府は債券発行を増やしても買い手がいるということだ。

特殊決済メン

バー, 13.9%

商業銀行, 67.2%

信用組合,

0.7%

非銀行金融機

関, 0.2%

証券会社, 0.5%

保険, 2.1%

ファンド, 5.9%

非金融企業,

0.0%個人投資家,

0.0%

取引所,

4.7%海外機構, 4.8% その他, 0.0%

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22 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved.

勝ち残りをかけた投資:FA化投資の誤解

生産に占めるNC比率の推移:日中比較

出所: 日本工作機械工業会、China Machinery Industry FederationよりMUMSS作成

製造業労働者1万人あたりロボット台数

出所: IFRよりMUMSS作成

4969

176

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中国 世界平均 米国 ドイツ 日本 韓国

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(労働者1万人あたりロボット数)

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日本(1970年~)

中国(2006年~)

(工作機械のNC化比率)

中国へのロボット供給台数の推移

出所:IFRよりMUMSS作成

種類 指標 2013年 2015年 2020年 2025年一定規模以上の製造業開発経費の内部支出が主要事業収入に占める割合 (%)

0.88 0.095 1.26 1.68

一定規模以上の製造業の主要事業収入億元当たりの有効発明特許件数

0.36 0.44 0.7 1.1

製造業質量競争力指数 83.1 83.5 84.5 85.5

製造業付加価値率引き上げ - -2015年より

2%ポイント上昇

2015年より4%ポイント上

製造業全員労働生産性増加率 - -平均7.5%

(2016-20年)

平均6.5%(2021-25年)

ブロードバンド普及率 (%) 37 50 70 82デジタル開発設計ツール普及率(%)

52 58 72 84

主要工程デジタル制御化率 (%) 27 33 50 64

一定規模以上企業の工業付加価値単位当たりエネルギー消費削減幅

- -2015年よりも18%ポイント

上昇

2015年よりも34%ポイント

上昇

工業付加価値単位当たり二酸化炭素排出量削減幅

- -2015年よりも22%ポイント

上昇

2015年よりも40%ポイント

上昇

工業付加価値単位当たり用水量削減幅

- -2015年よりも23%ポイント

上昇

2015年よりも41%ポイント

上昇

工業固体廃棄物総合利用率 (%) 62 65 73 79

イノベーション能力

品質効率

情報化と工業化の融合

グリーン関連発展

「中国製造2025」における2020年及び2025年製造業主要目標

出所:国務院よりMUMSS作成

進むFA化、その恩恵者

は実は中国の国内ロボットメーカー。

更に「中国製造2025」という政策サポートも。

日本側ではロボットメーカーもそうだが、中国FA化のテーマでは、

どちらかというと部品メーカーの方が息が長いか。

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2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016

海外からの供給台数

中国国内からの供給台数

(中国へのロボット供給台数)

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23 Mitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. All rights reserved.

勝ち残る企業、一例:EV?その前に内燃機関車ではないか

中国内燃機関車市場の勢力図変化に眼をむけよ

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新エネ車

従来車

(万台) 従来車は小幅ながらプラス成長

出所: 中国汽車工業協会、省エネルギー・新エネルギー車技術ロードマップ、中国信息情報化部HPより三菱UFJモルガン・スタンレー証券(MUMSS)作成

(実績)

2016年 2020年 2025年 2030年

中国生産販売 2,803万台 3,000万台 3,500万台 3,800万台

新エネルギー車の割合 2% 7% 20% 40%

新エネルギー車市場規模 51万台 210万台 700万台 1,520万台

従来車市場規模 2,752万台 2,790万台 2,800万台 2,280万台

目標

中国新エネ車普及台数目標

出所: 中国汽車工業協会、省エネルギー・新エネルギー車技術ロードマップ、中国信息情報化部HPよりMUMSS作成

中国普及台数目標に基づいた市場規模推計 中国乗用車、国籍別シェアの推移

注:2017年は11月までの伸び率を用いて2017年全体に適用。 出所: 中国汽車工業協会よりMUMSS作成

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2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

中国車

ドイツ車

日本車

米国車

韓国車

中国の自動車保有台数は100人当たり9.9台(2015年、OICAよりMUMSS計算)である。これは、過去の日本の経験と照らし合わせて低い。具体的には、中国の一人当たりGDPは2016年時点で8,123ドル(IMF)であるが、日本の一人当たりGDPが同じ水準であった1978~79年(1978年の9,177ドル~1979年の8,017ドル)の時、日本の自動車保有台数は100人当たり16.8~17.8台であった。それと比べて中国の9.9台は確かに低い。

何故中国の自動車保有台数は低いのか。それは、中国国内の国産自動車産業のプレゼンスが低かったからではないかと考えられる。中国国産車の国内における乗用車シェアは2014年まで低下していた。中国全体

の所得上昇に伴い、シェアが低下していたことを考えれば、それまでの中国国産車は所得が上昇すればその需要が相対的に低下するという意味で、他の自動車と比べて劣等財的な性格を持っていた可能性がある。

しかし2015年以降、少し話が変わってきた。中国人にとって、「安かろう悪かろう」であった中国国産車への評

価が、「安いがそれにしては性能が良い」というコストパフォーマンスが良いものとされ、売上を伸ばしてきたのである。例えば、長城自動車のH6というモデルは、特にコストパフォーマンス(中国語では「性价比」)に優れているとされ、「神車」という言葉を生み出した(https://asianews.cc/article/246724681370329513など各種報道)。

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ご参考:高度成長のメカニズムー日本と中国の違い、試論

出所:吉川洋(1997)、『高度成長―日本を変えた6000日 (20世紀の日本)』読売新聞社、137ページ図9を参考に筆者加筆

中国の高度成長(1990~2010年ごろ)メカニズムと終焉、日中差異の記述

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李 智雄 / Chiwoong LEE (エコノミクス / Economics )

独自のマクロ経済/市場分析の問題意識

歴史は繰り返される。ひとつの国の辿ってきた道は、やや形を変えて他国も辿る。歴史、特に戦後の日本経済の歩みに学ぶことは多い。

マクロ経済の先行きについての判断は、国内外の街角調査を通じたミクロ情報収集を重視している。

今後、日本が徐々に先進国の中で購買力、世界経済への影響力を全体として落としていく中で、アジア経済とのつながり、そこからの日本経済の影響を注視していきたい。円の占める位置の変化に伴い、「¥」という記号の意味も大きく変わっていくだろう。

略歴

2014年MUMSS入社。それ以前は2006年から2014年までゴールドマンサックス東京オフィス及びソウルオフィスにて、日本経済エコノミスト、韓国経済エコノミスト兼韓国ストラテジストを歴任。

2011年度、東京大学大学院総合文化研究科にて客員准教授。地域文化研究講義を担当。

2011年10月~3月経済産業省「グローバル化と国際分業の中での産業構造に関する研究会」委員。

2013年~現在、新潟国際大学(英国エコノミスト誌MBAランキング日本1位、2015年)講師。Financial Markets and Globalization担当。

李 智雄 (り ちうん) Chiwoong LEE [email protected] 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 エクイティリサーチ部 エクイティリサーチ課 tel. 03- 6627-5234 fax. 03-6627-5344 〒100-8127 東京都千代田区大手町1-9-2 Assistant: Kaoru IWANO [email protected]

出典:AmazonよりMUMSS作成

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アナリストによる証明

本レポート表紙に記載されたアナリストは、本レポートで述べられている内容(複数のアナリストが関与している場合は、それぞれのアナリストが本レポートにおいて分析している銘柄にかかる内容)が、分析対象

銘柄の発行企業及びその証券に関するアナリスト個人の見解を正確に反映したものであることをここに証明いたします。また、当該アナリストは、過去・現在・将来にわたり、本レポート内で特定の判断もしくは見解

を表明する見返りとして、直接又は間接的に報酬を一切受領しておらず、受領する予定もないことをここに証明いたします。

重要な開示事項

三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社(以下「MUMSS」)及びその関連会社等は、次の会社の発行済み普通株式等総数の1%以上を保有しています:資生堂、ファンケル、カシオ計算機、良品計画、シチズ

ン時計、セイコーホールディングス、ファーストリテイリング

MUMSS及びその関連会社等は、次の会社の発行済み普通株式等総数の0.5%超を保有しています:資生堂、ファンケル、カシオ計算機、良品計画、シチズン時計、セイコーホールディングス、ファーストリテイリ

ング

上記保有開示について、上場から1 ヵ月以内の会社については有価証券募集要綱(Offering Memorandum)の記載によります。また、保有割合は米国の適用法令に基づく計算方式により計算します。

MUMSS及びその関連会社等は今後3 ヵ月以内に、次の会社に提供した投資銀行業務の対価として、当該企業から報酬を受領することを見込んでいるか、もしくは得ようとすることを予定しています:資生堂、ファ

ンケル、カシオ計算機、良品計画、シチズン時計、セイコーホールディングス、ファーストリテイリング

Appendix A

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三菱UFJモルガン・スタンレー証券レーティングシステム:

個別銘柄に対するレーティングの定義

Overweight (OW) 当社が定めるサブセクター内において、当該銘柄の投資成果が上位であるとアナリストが予想する場合

Neutral (N) 当社が定めるサブセクター内において、当該銘柄の投資成果が中位であるとアナリストが予想する場合

Underweight (UW) 当社が定めるサブセクター内において、当該銘柄の投資成果が下位であるとアナリストが予想する場合

NR レーティング及び目標株価を付与しない

RS 一時的にレーティング及び目標株価を付与しない

中小型に分類された銘柄に対するレーティングの定義

Buy 絶対株価が上昇するとアナリストが予想する場合

Hold 絶対株価の変化が小さいとアナリストが予想する場合

Sell 絶対株価が下落するとアナリストが予想する場合

NR レーティング及び目標株価を付与しない

RS 一時的にレーティング及び目標株価を付与しない

本レポートに目標株価が記載されている場合、特に断りがない限り、その達成の予測期間は今後12ヵ月間です。

当該レーティング項目において、「Buy」は「Overweight」(個別銘柄)と「Buy」(中小型株)の合計、「Hold」は「Neutral」(個別銘柄)と「Hold」(中小型株)の合計、「Sell」は「Underweight」(個別銘柄)と「Sell」(中小型株)の合計に該当します。

*投資銀行部門顧客は過去12ヵ月間のデータに基づいて抽出され、レーティング項目ごとの投資銀行部門顧客比率を計算して表示しています。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券のレーティング分布(2018年1月5日付)

MUMSSは、MUMSSのリサーチ部門・他部門間の活動及び/又は情報の伝達、並びにリサーチレポート作成に関与する社員の通信・個人証券口座を監視するための適切な基本方針と手順等、組織上・管理

上の制度を整備しています。

MUMSSの方針では、アナリスト、アナリスト監督下の社員、及びそれらの家族は、当該アナリストの担当カバレッジに属するいずれの企業の証券を保有することも、当該企業の、取締役、執行役又は顧問等の

任務を担うことも禁じられています。また、リサーチレポート作成に関与し未公表レポートの公表日時・内容を知っている者は、当該リサーチレポートの受領対象者が当該リサーチレポートの内容に基づいて行動

を起こす合理的な機会を得るまで、当該リサーチに関連する金融商品(又は全金融商品)を個人的に取引することを禁じられています。

アナリストの報酬の一部は、投資銀行業務収入を含むMUMSSの収益に基づき支払われます。

その他開示事項

レーティング項目 全対象銘柄 投資銀行部門顧客*

Buy (Overweight, Buy) 35.6% 37.4%

Hold (Neutral, Hold) 58.5% 29.9%

Sell (Underweight, Sell) 3.5% 18.8%

その他 2.4% 18.2%

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MUMSS及びその関連会社等は、本レポートに記載された会社が発行したその他の経済的持分又はその他の商品を保有することがあります。MUMSS及びその関連会社等は、それらの経済的持分又は商品につ

いての売り又は買いのポジションを有することがあります。

MUMSSの役員(以下、会社法(平成17年法律第86号)に規定する取締役、執行役、又は監査役又はこれらに準ずる者をいう)は、次の会社の役員を兼任しています:三菱UFJフィナンシャル・グループ, カブドットコ

ム証券、三菱倉庫

MUMSSのリサーチ関連部署に在籍する職員は株式会社デンソーの社外監査役を兼任しています。当該社員は株式会社デンソー並びに同社の同業他社・仕入先・販売先企業等のレポートの作成には関与しませ

ん。

本レポートの開示情報は以下のリンクにあるWEBディスクロージャーよりご参照ください。

https://mu-st2-pt.ifis.co.jp/disclosure/disclosure.php

本レポートは、MUMSSが、本レポートを受領されるMUMSS及びその関連会社等のお客様への情報提供のみを目的として作成したものであり、特定の証券又は金融商品の売買の推奨、勧誘又は申込みを目的としたものではありません。

本レポート内でMUMSSに言及した全ての記述は、公的に入手可能な情報のみに基づいたものです。本レポートの作成者は、インサイダー情報を使用することはもとより、当該情報を入手することも禁じられています。MUMSSは株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下「MUFG」)の子会社等であり、MUMSSの方針に基づき、MUFGについては投資判断の対象としておりません。

本レポートは、MUMSSが公的に入手可能な情報のみに基づき作成されたものです。本レポートに含まれる情報は、正確かつ信頼できると考えられていますが、その正確性、信頼性が客観的に検証されているものではありません。本レポートはお客様が必要とする全ての情報を含むことを意図したものではありません。また、MUMSS及びその関連会社等は本レポートに掲載された情報の正確性・信頼性・完全性・妥当性・適合性について、いかなる表明・保証をするものではなく、一切の責任又は義務を負わないものとします。本レポートに含まれる情報は、金融市場や経済環境の変化等のために、最新のものでない可能性があります。本レポート内で示す見解は予告なしに変更されることがあり、また、MUMSSは本レポート内に含まれる情報及び見解を更新する義務を負うものではありません。MUMSSは関連会社等と完全に独立してレポートを作成しています。そのため、本レポート中の意見、見解、見通し、評価及び目標株価は、異なる情報源及び方法に基づき関連会社等が別途作成するレポートに示されるものと乖離する場合があります。

本レポート内で直接又は間接的に取り上げられている株式は、株価の変動や発行体の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化、金利・為替の変動等の要因により、投資元本を割り込むリスクがあります。

本レポートは、お客様に対し税金・法律・投資上のアドバイスとして提供する目的で作成されたものではありません。本レポートは、特定の個人のための投資判断に向けられたものではなく、本レポートを受領される個々のお客様の財務状況、ニーズもしくは投資目的を考慮して作成されているものではありません。本レポートで言及されている証券・関連投資は、全ての投資家にとって適切とは限りません。お客様は、独自に特定の投資及び戦略を評価し、本レポートに記載されている証券に関して投資・取引を行う際には、専門家及びファイナンシャル・アドバイザーに法律・ビジネス・金融・税金その他についてご相談ください。

MUMSS及びその関連会社等は、お客様が本レポートを利用したこと又は本レポートに依拠したことによる結果のいかなるもの(直接・間接の損失、逸失利益及び損害を含むがこれらに限られない)についても一切責任を負わないと共に、本レポートを直接・間接的に受領するいかなる投資家に対しても法的責任を負うものではありません。最終投資判断はお客様自身においてなされなければならず、投資に対する一切の責任はお客様にあります。

過去のパフォーマンスは将来のパフォーマンスを示唆し、又は保証するものではありません。特に記載のない限り、将来のパフォーマンスの予想はアナリストが適切と判断した材料に基づくアナリストの予想であり、実際のパフォーマンスとは異なることがあります。従って、将来のパフォーマンスについては明示又は黙示を問わずこれを保証するものではありません。

MUMSS・その他MUFG関連会社、又はこれらの役員、提携者、関係者及び社員は、本レポートに言及された証券、同証券の派生商品及び本レポートに記載された企業によって発行されたその他証券を、自己の勘定もしくは他人の勘定で取

引もしくは保有したり、本レポートで示された投資判断に反する取引を行ったり、マーケットメーカーとなったり、又は当該証券の発行体やその関連会社に幅広い金融サービスを提供しもしくは同サービスの提供を図ることがあります。本レポートの利用に際しては、上記の一つ又は全ての要因あるいはその他の要因により現実的もしくは潜在的な利益相反が起こりうることをご認識ください。なお、MUMSSは、会社法第135条の規定により自己の勘定でMUFG株式の売買を行うことを禁止されています。

本レポートで言及されている証券等は、いかなる地域においても、またいかなる投資家層に対しても販売可能とは限りません。本レポートの配布及び使用は、レポートの配布・発行・入手可能性・使用が法令又は規則に反する、地方・州・国やその他地域の市民・国民、居住者又はこれらの地域に所在する者もしくは法人を、対象とするものではありません。

英国及び欧州経済地域: 本レポートが英国において配布される場合、本レポートはMUFGのグループ会社であるMUFG Securities EMEA plc. (以下「MUS(EMEA)」。電話番号:+44-207-628-5555)により配布されます。MUS(EMEA)は、英国で登録されており、Prudential Regulation Authority(プルーデンス規制機構、「PRA」)の認可及びFinancial Conduct Authority(金融行動監視機構、以下「FCA」)とPRAの規制を受けています(FS Registration Number 124512)。本レポートは、professional client(プロ投資家)又はeligible counterparty(適格カウンターパーティー)向けに作成されたものであり、FCA規則に定義されたretail clients(リテール投資家)を対象としたものではありませんので、誤解を回避するため、同定義に該当する顧客に交付されてはならないものです。MUS(EMEA)は、本レポートを英国以外の欧州連合加盟国においてもprofessional investors(若しくはこれと同等の投資家)に配布する場合があります。本レポートは、MUS(EMEA)の

組織上・管理上の利益相反管理制度に基づいて作成されています。同制度には投資リサーチに関わる利益相反を回避する目的で、情報の遮断や個人的な取引・勧誘の制限等のガイドラインが含まれています。本レポートはルクセンブルク向けに配布することを意図したものではありません。

免責事項

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米国: 本レポートはMitsubishi UFJ Morgan Stanley Securities Co., Ltd. (以下「MUMSS」)によって作成されたものです。MUMSSは日本で証券業務の認可を取得しております。本レポートが米国において配布される場合、本レポートはMUFGのグループ会社であるMUFG Securities Americas Inc. (以下「MUSA」。電話番号:+1-212-405-7000) により配布されます。MUSAは、United States Securities and Exchange Commission(米国証券取引委員会)に登録されたbroker-dealer(ブローカー・ディーラー)であり、Financial Industry Regulatory Authority(金融取引業規制機構、「FINRA」)による規制を受けています(SEC# 8-43026; CRD# 19685)。本レポートがMUSAの米国外の関連会社等により米国内へ配布される場合、本レポートの配布対象者は、1934年米国証券取引所法の規則15a-6に基づくmajor U.S. institutional investors(主要米国機関投資家)に限定されております。MUSA及びその関連会社等は本レポートに言及されてい

る証券の引受業務を行っている場合があります。本レポートは証券の売買及びその他金融商品への投資等の勧誘を目的としたものではありません。また、いかなる投資・取引についてもいかなる約束をもするものでもありません。本レポートが米国で大手機関投資家以外の個人に配布される限りにおいて、MUSA は以下の条件のもとでその内容について責任を負っています。本レポートの執筆者であるアナリストは、リサーチアナリストとしてFINRAへの登録ないしFINRAの資格取得を行っておらず、MUSAの関係者ではない場合があります。したがって、調査対象企業とのコミュニケーション、パブリックアピアランス、アナリスト本人の売買口座に関するFINRAの規制に該当しない場合があります。FLOESはMUSAの登録商標です。

IRS Circular 230 Disclosure(米国内国歳入庁 回示230 に基づく開示):MUSAは税金に関するアドバイスの提供は行っておりません。本レポート内(添付文書を含む)の税金に関する記述はMUSA及び関連会社以外の個人・法人が本レポートにおいて研究する事項に関する勧誘・推奨を行う目的、又は米国納税義務違反による処罰を回避する目的で使用することを意図したものではなく、これらを目的とした使用を認めておりません。

日本: 本レポートが日本において配布される場合、その配布はMUFGのグループ会社であり、金融庁に登録された金融商品取引業者であるMUMSS(電話番号:03-6627-5340)が行います。

シンガポール: 本レポートがシンガポールにおいて配布される場合、本レポートはMUFGのグループ会社であるMUFG Securities Asia (Singapore) Limited (以下「MUS(SPR)」。電話番号:+65-6232-7784)とのアレンジに基づき配布されます。MUS(SPR)はシンガポール政府の承認を受けたmerchant bankであり、Monetary Authority of Singapore(シンガポール金融管理局)の規制を受けています。本レポートの配布対象者は、Financial Advisers RegulationのRegulation 2

に規定される institutional investors、 accredited investors、 expert investors に限定されます。本レポートは、これらの投資家のみによる使用を目的としており、それ以外の者に対して配布、転送、交付、頒布されてはなりません。本レポートが accredited investors 及び expert investors に配布される場合、MUS(SPR)はFinancial Advisers Actの次の事項を含む一定の事項の遵守義務を免除されます。第25条:一定の投資商品に関してファイナンシャル・アドバイザーが全ての重要情報を開示する義務、第27条:ファイナンシャル・アドバイザーが合理的な根拠に基づいて投資の推奨を行う義務、第36条:ファイナンシャル・アドバイザーが投資の推奨を行う証券に対して保有する権利等について開示する義務。本レポートを受領されたお客様で、本レポートから又は本レポートに関連して生じた問題にお気づきの方は、MUS(SPR)にご連絡ください。

香港: 本レポートが香港において配布される場合、本レポートはMUFGのグループ会社であるMUFG Securities Asia Limited (以下「MUS(ASIA)」。電話番号:+852-2860-1500)とのアレンジに基づき配布されます。MUS(ASIA)はHong

Kong Securities and Futures Ordinance に基づいた認可、及びSecurities and Futures Commission(香港証券先物取引委員会;Central Entity Number AAA889)の規制を受けています。本レポートはSecurities and Futures Ordinance

により定義されるprofessional investorを配布対象として作成されたものであり、この定義に該当しない顧客に配布されてはならないものです。

その他の地域: 本レポートがオーストラリアにおいて配布される場合、MUS(ASIA)又はMUS(SPR)により配布されています。MUS(ASIA)はAustralian Securities and Investment Commission (ASIC) Class Order Exemption CO 03/1103

に基づき、Corporations Act 2001が定める金融サービスの提供者によるオーストラリア金融業免許の保有義務を免除されています。MUS(SPR)はASIC Class Order Exemption CO 03/1102により同様に義務を免除されています。本レポートはオーストラリアのCorporations Act 2001に定義されるwholesale clientのみを配布対象としております。本レポートがカナダにおいて配布される場合、本レポートはMUS(EMEA)又はMUSAにより配布されます。MUSAはinternational

dealer exemptionの措置により次の各州、準州において金融取引業者としての登録を免除されています:アルバータ州、ケベック州、オンタリオ州、ブリティッシュ・コロンビア州、マニトバ州、ニュー・ブランズウィック州、ニューファンドランド・ラブラドール州、ノースウエスト準州、ノバ・スコシア州、ヌナブト準州、プリンス・エドワード・アイランド州、サスカチュワン州、ユーコン準州。 MUS(EMEA) はinternational dealer exemptionの措置により次の各州において金融取引業者としての登録を免除されています:アルバータ州、ケベック州、オンタリオ州、ブリティッシュ・コロンビア州、マニトバ州。本レポートはカナダにおけるNational Instrument 31-103によって定義されたpermitted clientのみを配布対象としております。本レ

ポートに含まれる情報は、いかなる場合においても、カナダの州、準州において、目論見書、広告、公募又は特定の証券の売買の勧誘若しくは申込みを目的としたものではありません。また、いかなる場合においても、本レポートに含まれる情報は、カナダの州、準州において投資上のアドバイスとして解釈されるものではなく、また顧客のニーズを考慮して作成されているものではありません。

又は本レポートは、インドネシアにおいて複製・発行・配布されてはなりません。また中国(中華人民共和国「PRC」を意味し、PRCの香港特別行政区・マカオ特別行政区、及び台湾を除く)において、複製・発行・配布されてはなりません(ただし、PRCの適用法令に準拠する場合を除きます)。

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国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大1.404%(税込み)(ただし約定代金193,000円以下の場合は最大2,700円(税込み))の手数料が必要となります。

本レポートはMUMSSの著作物であり、著作権法により保護されております。MUMSSの書面による事前の承諾なく、本レポートの全部もしくは一部を変更、複製・再配布し、もしくは直接的又は間接的に第三者に交付することはできません。

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Tel.03-6627-5340 Fax.03-6627-5344

本レポートの内容に関する追加・補足情報はご希望に応じて提供いたします。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2336号

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