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Isogeometric Analysis に基づいた3 次元CAD データを直接扱う
構造解析法の構築
日本大学理工学部土木工学科
長谷部 寛(研究代表者)
野村 卓史
研究の背景:CADと有限要素解析の連携に関する課題
アイソジェオメトリック解析Isogeometric Analysis(IGA)
Hughes ら 2005アイソジェオメトリック解析CAD 形状モデリング
コントロールポイント:形状と変数
• CADの形状データをメッシュとして扱い直接解析する方法 (形状誤差なし)
• CADに用いられる NURBS (Non Uniform Rational B-Splines) 曲線を基底関数に採用
(高次関数の導入が容易)
• 土木構造解析への適用事例: 僅かNURBS 曲線
CAD 形状モデリング 有限要素分割 有限要素解析有限要素解析
専用ソフト 節点:要素形状と変数(アイソパラメトリック)
• CADデータから有限要素解析メッシュ構築および CAD 修正時のメッシュ再構築に要する負荷
• 幾何形状の近似誤差
NURBS 曲線
研究の目的
• IGAに基づいた3次元CADデータ(ソリッドモデル)を直接扱う構造解析法(線形弾性解析法)の構築
課題①: 3次元CADモデルにおける内部データの欠如
解析に必要となるモデル内部のメッシュデータの補間・生成
課題②: IGAを容易に実行するためのユーザーインターフェースの整備
CADソフトと連携した形状描画から解析実行までの一連の工程を含むユーザーインターフェースの構築
NURBS (Non-Uniform Rational B-Spline) を用いた曲線表現と有限要素法の比較
【NURBS 曲線の例(3次)】
【3次有限要素】
NURBS 基底関数
有限要素基底関数(形状関数)
𝑪 𝜉 𝑅 , 𝜉 𝒙
𝑪 𝜉 𝑁 𝜉 𝒙
𝑅 , 𝜉 , 𝑝 3
𝑁 𝜉
𝒙
𝒙
𝒙
𝒙
𝒙
𝒙𝒙
𝒙
■ コントロールポイント
○ 節点
▲ ノット
𝐊𝐮 𝐟
𝐊𝐮 𝐟
IGA 要素
有限要素
重み付き残差法
マトリックス方程式
𝐮, 𝐟 節点変数
𝐮, 𝐟 コントロール ポイント変数
3次元CADモデルのデータの特徴
• モデルの内部データの欠如
• 表面の形状パラメータ*の情報は容易に取得可能
解析対象モデルの表面データから内部メッシュデータ(コントロールポイント座標値)を補うことが必要
【ソリッドモデルの一例(直方体)】
* コントロールポイント,重み,ノットベクトル
コントロールポイント
ソリッドモデル
[構成面を分解した状態]
提案する3次元CADモデルの内部パラメータ生成法
• 目的形状と基本形状の表面のコントロールポイント座標値の差を強制変位とした線形弾性解析による生成
「目的形状」の描画
「目的形状」表面のコントロールポイント抽出
「基本形状」の構築(手動)
「目的形状」と「基本形状」表面のコントロールポイント座標値の差(強制変位)の算出
「基本形状」に強制変位を与えた線形弾性解析の実施
「目的形状」の内部コントロールポイント座標値取得(メッシュ生成完了)
【基本形状】
• データに規則性を有する単純形状
• 内部データは手動作成
【目的形状】• 実際に解析を行う形状• CADで描画
解析例:先端に水平分布荷重を加えた曲がりばり
【基本形状】 【目的形状】
【基本形状のコントロールポイント
(手動生成)】
【目的形状のコントロールポイント
(提案手法による生成)】
水平変位 鉛直変位
IGA(2次) 3.88 x 10-3 m 4.89 x 10-3 m
FEM(1次) 4.84 x 10-3 m 6.23 x 10-3 m
理論値 3.39 x 10-3 m 4.75 x 10-3 m
【自由端上部の変位の比較】
【解析結果(水平変位分布)】
固定端
分布荷重x = 25 MPa
ユーザーインターフェースの構築
• ユーザーインターフェースの必要性
– 3次元CADモデルの内部メッシュデータ生成過程の簡略化
– 境界条件等の解析入力データ作成の負荷軽減
CAD上での動作が重要
• Grasshopper の活用
– CADソフト(Rhinoceros)のフリープラグインツール
– アイコンベースのグラフィカルなプログラミングが可能
CADの操作画面Grasshopperの操作画面
CAD上の形状取得
構成要素抽出
表面データ抽出・描画
【 Grasshopper】• CAD画面からデータ取得が可能
• 演算等の処理を加えたデータのCAD画面への反映も可能
構築したユーザーインターフェース
CAD上の目的形状の指定
CAD上の基本形状の指定
メッシュ生成スタートボタン
目的形状の表面データ抽出
基本形状のメッシュ構築
強制変位算出・メッシュ生成
実際の線形弾性解析の境界条件設定
生成メッシュに基づく線形弾性解析
メッシュ生成から実際の解析までの流れ
CADの操作画面
基本形状目的形状
Grasshopperの操作画面
解析結果
固定端
分布荷重x = 0.1 MPa
【解析条件】 【水平変位分布】
研究成果と今後の展開
• Isogeometric Analysis に基づいた3次元CADデータを直接扱う構造解析法の構築
課題: 3次元CADモデルにおける内部データの欠如
成果①:線形弾性解析に基づいた内部メッシュ生成法の考案
課題: IGAを容易に実行するためのユーザーインターフェースの整備
成果②:CADのプラグインツールを活用したインターフェースの構築
• 今後の展開
– トリム曲線・曲面を有する3次元CADデータへの対応
– 内部データ生成時に実施する解析の効率化