9
Kobe University Repository : Kernel タイトル Title せん断荷重を受ける多数ボルト締結体の力学特性の評価(Finit e Element Analysis of the Mechanical Behavior of Multi-Bolted Joints Subjected to Shear Loads) 著者 Author(s) 福岡, 俊道 / 野村, 昌孝 / 簑田, 陽星 掲載誌・巻号・ページ Citation 日本機械学會論文集. A,76(768):1032-1039 刊行日 Issue date 2010-08-25 資源タイプ Resource Type Journal Article / 学術雑誌論文 版区分 Resource Version publisher 権利 Rights 本文データは学協会の許諾に基づきCiNii から複製したものである DOI JaLCDOI URL http://www.lib.kobe-u.ac.jp/handle_kernel/90001530 PDF issue: 2021-04-10

Kobe University Repository : Kernel · ドイツのVDI2230について, Blatt 1 ,こ続いて発行を 目指しているBlatt 2では,管フランジをはじめとす る諜々な多数ボルト締結体の体系的な設計手法の確立

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Kobe University Repository : Kernel

タイトルTit le

せん断荷重を受ける多数ボルト締結体の力学特性の評価(FiniteElement Analysis of the Mechanical Behavior of Mult i-Bolted JointsSubjected to Shear Loads)

著者Author(s) 福岡, 俊道 / 野村, 昌孝 / 簑田, 陽星

掲載誌・巻号・ページCitat ion 日本機械学會論文集. A編,76(768):1032-1039

刊行日Issue date 2010-08-25

資源タイプResource Type Journal Art icle / 学術雑誌論文

版区分Resource Version publisher

権利Rights 本文データは学協会の許諾に基づきCiNiiから複製したものである

DOI

JaLCDOI

URL http://www.lib.kobe-u.ac.jp/handle_kernel/90001530

PDF issue: 2021-04-10

1032

日本機械学会論文集(A編)

76巻 768号 (2010-8)論文 No.10-0035

せん軒荷重を受ける多数ボルト締結体の力学特性の評髄本

福岡後道ペ野村昌孝ペ蓑田陽星辛3

Finite Element Analysis of the l¥lechanical Behavior of

Multi-Bolted Joints Subjected to Shear Loads

Toshimichi FUKUOKA *4, Masataka KOMURA and Yousei MINODA

本 4Graduate School of Maritime Sciences, Kobε むniversity,5-1-1 Fuk記 minami-machi,Higashinad昌 ku,Kobe-shi, Hyogo, 658-0022 ]apan

When subjected to external forces, bolted joints behave in a complex manner especially in the

case of the joints being clamped with multiple bolts. Friction type joints are widelyァ usedfor the joints

subjected to shear loads. Bearing type joints, which support the shear load on the surface of bolt

body, are used less freQueロtly,since its mechanical behavior is too complicated to accurately

estimate the load capacity. In this study, mechanical behavior of multi-bolted joints subjected to

shealプloadsis comprehensively analyzed by thrεe-dimensional FEl¥1. Load distribution patterns of

the bearing type joint are compared to those of the friction type joint. It has been found that the shεar loadヲ whichis applied to the bea了iロgtype joint, distributes wIth a concave shape along the load

direction as the number of bolts is increased and a fair amount of the shear load is supported by

friction. Additionally, a simplεmethod that calculates thεshear load distribution is proposed using

elementaryせleoryof solid mechanics, which can estimatεthe shear load distribution with su市cient

accuracy for the case of small friction coef五cient.

Key T事、rds: Fixing Element, Bolted Joint, Bearing Type Joint, Shear Load, Finite Element Analysis

1. はじめに

機械構造物の締結には多数のポノレト・ナットが使用

されている.このような多数ボルト締結非の力学挙動

については,例えば弾性論を用いて被締結体のばね定

数を評缶した研究(1),せん断荷重を受けた場合;こ各ボ、

/レトが受け持つ荷重の簡易計算法仰が報告されている.

ドイツの VDI2230について, Blatt 1 ,こ続いて発行を

目指しているBlatt2では,管フランジをはじめとす

る諜々な多数ボルト締結体の体系的な設計手法の確立

を君指して長年研究が行われている,また,代表的な

多数ボルト締結体である管フランジについては,多数

のボルトを逐次締め付けた時に発生する弾'f生相互作活

等に関して多数の研究が報告されている(あべの.一方,

せん断荷重を受ける多数ボルト締結体の力学挙動につ

ネ原穣受官 2010年 1月 18E:l. 料正良ブエロペ神戸大学大学院海事科学研究科{署長658

0022袴戸市東灘区深江南町 5-1→ 1).は正員,袴戸大学大学説海事科学研究科ー

ネ3 神戸大学大学寵海事科学研究耗

E-m丘il:[email protected] u.ac.jp

- 24

いては,ねじ部を含めて締結部をモデル化し,数笹解

析により評話した研究は少ないようである.その主要

な原田は,ボノレト締結部の複雑な形状に記因する数笹

解析の国難さと推察される.そこで¥VDI2230をはじ

めとする搾系的な設計方法に対して,数値解析により

構足的な靖報を是供することは害用と考えられる.多

数のボルトで接合された締結部がせん断荷重を受ける

場合,高力ボルトを用いた摩擦接合が広く{吏用されて

いる(5),(6) 産擦接合された締結部は,接触面iこすべり

が発主主しないために一体構造物土ほぽ等しい力学特性

を示す.一方支圧接合(7)-(1めでは,ボルト円筒部を被

締結体の穴表面に接触させることによりせん断荷重を

支えるが,この場合でもせん断荷重のある割合は議触

面の摩擦によって支えられていると推察される.また

摩擦接合として設計した謎手でも,ボノレト軸力,せん

断荷重の大きさ,締結部界面の摩擦係数の桔互関評、に

より,実擦の機械帯造物では一部のボルトが支圧接合

状態となる可能性がある.以上の点から,継手に要求

される性能に芯じて適切な接合方式を選択するために

は,摩擦接合および支正宗合の力学特性に対する上記

1033

0000

0000

OOW600

2A叩11

せん断荷重を受ける多数ボルト締結体の力字特性の評栖

p

9・..pF 4舟~p

F ....

D r=, ,=, ,=, ,=, ,=, r=. D

+r ~I甘口同出Ih rー予(a) chain bolted joint

Emrmawe 暗唱...frictIon force

(a) friction type joint (b) bearing type joint

Fig. 1 Classification of bo1ted joints under shear loads according to contact conditions

F : shear .force

0

0

9

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0

0同

O

時0

0(b) zigzag bolted joint

Classification of bolted j oints under shear loads according to bolt arrangement

F 9・w

Equilibrium of normal and friction forces in b巴aringtypeJomts

ね継手がある.本研究では圏 2(a)に示した 3枚の抜か

ら構成される並弼記量の突き合わせ継手を対象とする臥

ここで,存重に平行な方向の芽IJ数を nl,垂直な方向の

列数を nで表し,前者を並亨Ijボルト"Jlj数,後者を単に

ボルト"JIJ数と呼ぶ.盟友a),(b)の併では mはいずれ

も4であるが,図 2(b)の千鳥配置における nは2列

と3"JiJの組み合わせであるので n= 2&3と表示してい

る.m とnを比較すると,力学的な観点からはボルト

列数nが変化した場合に護雑な挙動を示すと推察され

る.ポ、ノレト列数nに関して,nが大きくなると中央部

に比べて端部のボ/レトが受け持つ荷重が大きくなるは1)

という報告があるが,定量的な評価には至っていない.

したがって,多数のボルトで締結された継手がせん軒

荷重を受ける場合を対象として,各ボソレトが受け持っ

せん断荷重の割合を三次元有理要素解析により定量的

に明らかにすることは,安全で、かっ効率的なボルト継

手の設計手法を確立する上で重要と考えられる.

2.2 多数ボルト締結体における“せん断蕎重分担率"

摩擦接合と支圧接合を比較すると,前者はせん断荷重

を摩擦力のみで受け持ち,後者はポノレト円借部の支圧

25 -

Fig.2

一一品一山首ナ

F

γ一一γm

b

d

JstlhF

A一一一一一一一明戸

一三i

3

1

2

g

下血

の冨子の景三響を明らかにする必要がある.

そこで本研究では,多数のボルトで締結された“多

数ボノレト締結体"がせん断荷重を受ける場合を対象と

して,各ポノレトが受け持っせん断蕎重の割合を“せん

断荷重分担率"と定義して,その値に対するボルト軸

力,せん断荷重,譲触冨摩擦係数の相互の影響を三次

元有張要素解析により明らかにすることを目的として

いる.継手形状については突き合わせ継手を対象とし,

接触面摩擦孫数とせん断斉重の大きさを変化させるこ

とにより,接合形態を産擦接合から支圧接合まで変化

させる.さらに支圧接合を対象として,接触面壁諜の

効果を考憲しない場合についてせん断存重分担率を求

めることができる簡易計算手法を提案する.その結果,

せん断荷重を支圧力と産察力で、受け持つ割合,ならび

に者重方向に並んだ各ボルトのせん断荷重分担率を定

量的に求めることにより,多数ポノレト締結体の特徴的

な力学特性を明らかにした.

2・1 せん断提重の伝達メカニズムとポIレト記章

多数のボノレトで締結された構造物がせん断荷重を受

ける場合,接触面iこ発生する摩擦力によりせん軒斉重

を伝達する“摩接接合"主主広く使屈されているー例え

ば建築講造物に使用されている高力ボルトは基本的に

摩擦接合を語、定している.これに対して,接触面のす

べりを許容してボルト円笥部に発生する反力によって

せん断荷重を伝える方式は“支圧接合"と呼ばれてい

る.国 1は,上記の2つの接合静態を模式的iこ示した

ものである.いずれの接合形態になるかはボルト軸力,

せん断荷重,接触面摩擦係数の相互の大きさによって

決まる.支圧接合については,ボ、ノレト円需蔀とボノレト

穴表面の接触による支圧力に加えて,継手部界面の摩

擦力の効果も明らかにする必要があると考えられる.

多数ボルト締結体のボルト配霊に辻,函 2(a),(b)'こ

示した並列記置と子島配量がある.また継手の形態に

リベット継手と同様に突き合わせ継手と重

せん翫荷重を受けるボルト締結体2.

ついては,

1034 せん断荷重を受ける多数ボルト綜結体の力学特性の評錨

No. of Nodes = 23127 No型 ofElements = 15863 (a) m::::l, n=5

No. of Nodes = 38325 No. of Elements ::= 51300

(b) m=3,n=5

Fig.4 Finit巴elementmodels of multi-bolted joints

力により受け持つと仮定して継手を設計する,しかし

ながら実際の支圧接合では,接触面の牽捺力もせん断

荷重の一部を支えていると考えられる. したがって,

車捺の効果を定量的に明らか;こすることにより,従来

;こ詑べて支圧接合のせん断荷重負詩語力を高い精度で

評伍することが可能となり,継手の設計に対して存益

なデータを提供することが期待できる,図 3は,ボノレ

トヂIJ数 n=4の4本のボルトで構成された支庄譲合に

おける力の釣り合いを示しているボルト番号 iは継

手中央からせん断荷重を受ける継手端部iこ向かつて付

している.タト力として与えられたせん断斉重 Fは,ボ

ルト円笥部の支圧力と接触雷の翠擦力として伝達され

る.簡単のために並列ボノレト列数mが 1の場合を対象

として 9 ボルト iが受け持つ支圧力と寧擦力をそれぞ

れ FiNとF/1 とすると需者の総和は Fに等しくなる.

エ(Fi N + F/) = F ........................ (1)

つぎに,FiN とF/'をFでi悲した笹をそれぞれ RtNと

R/とする,

h.N h.μ

RF=:す R/l こす一 ・ (2)

上式において, R/Yを支EE力によるせん断荷重分担率,

R/lを産擦方によるせん断荷重分担率?両者の和Riを

単にボルト iのせん断荷重分担率と呼ぶ.

Ri = R;N + R/l ・・・・・・・・・・・・・・・・ー・・・・・・圃・・・・・ (3)

当然のことながら n本のボルトのせん断荷重分担率Ri

の和は iとなる.

L:Ri = I(RiN +R小

締結部iこは被締結体界面 3 ナット窪語,示、/レト頭部座

面,ねじ匿の 4つの接触面が存在するーこのうち最も

一一 26

面槙が法い被締結体界面がせん断帯重分担率に対して

支菌己的な影響を持っと考えられる.従来の支EE接合に

対する設計方法では F/l= 0と坂定している電これに

対して,牽擦接合の場合は F/=0と袈定する.なお,

密 2のように並列ボルト列数 m が 2以上の場合,奇

重方向に並んだ n本のボルトを一極としてせん断荷重

分担率を評錨することとする匹以下の章では,せん断

荷重分担率に対するボルト本数と配置,せん断荷重 F

と護触面摩擦保、数μの影響,ならびに牽擦接含ど支圧

接舎が発生する条件について三次元有限要素解析によ

り明らかにする.

3. 多数ポjレト締結体モデルによる害援要素解析

3・1 解軒モデんの設定と解析条件 解析の対象と

した継手形状は,図 2(a)に示したボルトが並列記置さ

れた突き合わせ継手である.ボルトの呼びはお116の並

目ねじとし,ボルト穴径は 17.5mm,締結部を講成す

る3枚の較の厚さ;ますべて 12悶隠する a ボノレト列数 n

i土2から 5,主主列ボノレト列数m は1, 3と変化させる.

ボ/レト配置に関して,せん断荷重方向の罰痛であるボ

ノレトピッチpと奇重に直角な方向の需隔gはいずれも

65mm,援の端部に配置されたボルト穴の中心から板

時面までの詫離である縁端距離は28mmとする(5) 実

諜のまi岩手ではボ、/レトとボノレト穴表面のクリアランスの

iまらつきラボルト配置の誤差等の影響辻無視できない

と考えられるが,本研究ではねじ部を考議した有限要

素モデルを用いて,支圧接合の基本的な力学特性の解

暁iこ重点を置いているため,すべてのボルトがボルト

穴の中央に配置された理想的な境界条件に対して解析

を実殖することとする署

継手形状以外に,せん断荷重を受ける継手の力学挙

動に彰響を及ぼす因子は 3 ボノレト軸力 Fb,せん断荷

重 F,接触酉の摩察保、数μである,そこで解析条件と

しては,ボルト軸応力のを一定として,せん断荷重

Fと摩擦係数μを変化させる.せん斯荷重 Fはボルト

の 1せん断面当たりの平均せん断応力 Tを基準;こ決め

る. 3枚の複を締結する経手ではせん断面が 2つ存在

するので,ボルト列数が n,並亨iJボノレトヂIJ数 mが lの

場合,継手にかかるせん断荷重F'まボルトの呼び径を

dとして次式から計算できる.

F=2h2×刃伺

標準解析条件は,支圧接合状態となる内=100MPa,

T = 30MPa,μこ 0.07とするョ冨 41土有摂要素モデル

の売を示している.留ヰ(a)は並要IJボルト列数 m が

1,ポノレト37IJ数 nが5の場合,密 4(却は m= 3, n = 5

1035 せん酷荷重を受ける多数ボルト締結体の力学特性の評倍

25

20

15

10

(誌)£吉区隠居』雲母

-Ecd』健一ω同自由

n 12 3 4 5

ぐfo.iムロ v.

m=:l 50

n

u

n

d

ν

(求)三吉出向言玄司丘四宮呂、同』酬訳出回罰

20

5 J

=4

10

μ=0.05 n=コ

5 4

BoltNo.

E宵ectof friction coefficient on Shear Load Bearing Ratio

3 2

Fig.6

5 4

r

0

0一

W

4十

d

L

山市一

m

2 O

bearing type joint .J歩 Crictiontype joint

0.5 Ql 02 03 0.4

Coefficient of friction J.l

Ratio of shear loads supported by nonnal and friction forces

m = 1, n=5 A

60

40

(求)

C明言回路五』き償問】園芸、同』喜岡山田

n 12 3 4 5

ぐ [0本口。一一

Rf A • • • 、,L一一一

n

{liajj!

U

ハり

ζ

J

A

30

(曲。

)2苫話回叫宮市』圃HGM

困問】調。、同』君困問司

n=2

20

10

20

O

G

5

(b)μ=0.2

Effect of the number of bolts in the load direction on Shear Load Bearing Ratio

4 3

Bolt No.

2 O

Fig.5

Fig.7

接合の場合,各示、ノレトが等しくせん断荷重を受け持つ

という従来の考え方と一致している.以上の結果,せ

ん軒荷重分担率 Riの特徴的な分布形状はボルト丹筒

部の支圧力の影響によるといえるョ密 5(b)は,寧擦係

数μのみ 0.2と変化させた場合の結果を示している.

すべての場合について, μ=0.07に対する結果に比べ

てRfの割合が増加しているが,RiN の分布パターン

は図 5(a)と迂ぽ同乙である.

3.3 せん目安荷重分担率に対する摩擦係数の影響

車擦の影響をより詳細に検討するために,図 6では

ボノレト列数 nを5として摩擁係数μのみ 0.05,0.07,

0.10と変化させている.函 5と間諜,荷重方向に並ん

だ各ボ、ノレトに対して摩擦力によるせん断葎重分担率R/l

は迂ぽ一定である.図 7は,支圧力と牽察力によりせ

ん断苛重を受け持つ割合に対する寧擦採数μの影響を

27

の並列ボルト継手の解析モテツレで、ある.数檀解析には

汎吊講造解析ソフト ABAQUSVer.6.9を使用した.

せん断詩重分担率に対するボIレト弼数の影響

醤 5(a)は並亨!Jボルト列数 m を lとして,意擦謀数μ

が0.07の標準条件の場合について,示、ノレト列数 nを

2, 3, 4, 5と変化させた場合の解析結果を示している.

縦軸は支正力と摩擦力によるせん断荷重分担率RλR/" 横軸辻ボルト番号である署式 (3)に示したように,

各ボルトに対して R/とRij.lの和をとるとせん断荷重

分担率Riとなる.国より,せん断荷重分担率Riは再

端のポ、ノレトで大きく,中央のボルトで小さくなってお

り,文献 11の結果と一致している.両端のボノレトを

比較すると,対称面積Ijに比べて碕重張1)のボルトの分担

率が高くなっている.つぎにRiに対する RiN とRij.lの

寄与震を比較する.R1J1の笹は各ボルトに対しでほぼ

等しい.この結果は,ボルト丹笥部が接触しない摩擦

3・2

せん法行再重を受ける多数ボルト締結体の力学特性の評髄

30

20

Av l

25

15

5

(求)

C明言区間四回岡宮徳川》埠電信

cd』

euwa∞

1036

50

>,

三~ 40 5ぷ.. 孟g2-宮Z き 30~∞ きさ

J 明戸四 』

』電

dS.::: 20 S 下、"1 U 己主=門書

;~由

星 10

5 3

BoltNo.

Shear Load Bearing Ratio in case of multi-row chain

bo!ted joints

4 2

Fig.9

5 3

Bolt No.

Ratio of shear loads supported by bolt cylindrical

surface

4 2

Fig.8

50

F

20

μEf

Conditions for generating bearing or friction type

Jomts

.一一ー

40 30

(おIPa)

日リー

Fig.10

70

60

20

nu l

50

40

30

(需《困層昌)い由臨む』世田』おむ占的

gao甲乙

?寄重方i向に垂直に配聾された 2本のボルトの開の締結

部界面では圧縮力が足し合わされるために,車擦力に

よるせん断荷重分担率Rfが大きくなったためと考え

られる. しかしながら m = 1とm = 3に対するせん

断荷重分担率の差はさほど大きなものではない.また

m=3の並列配置について,継手の中央慌と端部{JlIJIこ

配聾された各ボノレト亨IJが受け持つせん断存重の和はほ

ぼ等しい.以上の結果 並列ポノレト列数mが2以上の

場合,各列が受け持つせん断荷重の大きさは等しく,

さらに荷重方自に並んだ各ボルトが受け持つせん断荷

重の嵩合は m=lの場合にほぼ等しいと考えて差し支

えないー

3・5 摩擦接合から支圧接合へお移行条件 継手

形状が決まっている場合,竪擦接合と支圧接合のいず

れの状態になるかはせん断荷重 ボ、/レト轄力,接触面

の状態に依存する.本節では並列ボルトタj数 m が 1,

28

示している. {吏男した解析モデ〉レは m = 1,η=5で

あり,それぞれ 5本のボノレトに対するせん断斉重分担

率 R;N,KJ.lの和で表している.陸中の実線は標準条件

の T= 30担Paに対してμを変化させた結果であり, μ

が0.3以上になると完全に寧擦接合状態となっている.

ここで,高者の割合を示す議は縦轄の 1009もと横軸の

μ= 0.3を結んだ直線とほぼ一致している.この結果

;土 μがIJ、さくなると支圧力で受け持つ割合が急激に

増加することを意味している.また陸中の 2本の破線

は,後述の図 10の結果を用いて T= 10MPa, 50MPa

の場合に対して近{法的に撞いた宣線である.ところで,

支圧接合におけるせん断荷重分担率Riは,図 5,6 (こ

示すように特徴的な四聖の分布形状を呈している.そ

の現象をより詳細に検討するために,支圧力によるせ

ん断荷重分担率R/!こ注呂する.図 6において, 5本の

ポノレト;こ対する RzNの和を 100%として,各ボルトが

支圧力で受け持つせん断荷重の分担率を求めると密 8

のようになる.この図から,各ボノレトが支圧力により

受け持つ割合は摩擦係数μにかかわらずほぽ等しいこ

とがわかる.

3.4 せん断荷重分担率iこ対するボルト配霊の影響

本節では?ボルト配置がせん断荷重分担率に及ぼす彰

響を検討する.解析は m = 3の並列配置を対象とし

て諜準条件に対して実施する.せん軒荷重分担率につ

いては, 2.2節で述べたように荷重方向;こ並んだ n本

のボノレトを一組として評値する.函 9に解析結果を示

す.罰中に,圏 5(a)のm=l,n=5に対する結果を

破線で示しているー荷重方向に並んだポノレトのせん断

荷重分担率は m= 1の場合と間接の分布形状となって

いる.m = 1の場合に比べて支圧力によるせん断奇重

分担率RFがやや低くなっているのは,m= 3の場合,

せん軒荷重を受ける多数ボルト締結体の力学持性の評{iffi 1037

M諸国 5紅白地 Mises stress

(c)詳=0.07 C¥l0.5 bolt) (d) 11 =な20(No.5註011)

Fig. 11 ~ぜise55t陀55 di5tributions in bearing type joints

ボルト英数nが5の継手を対象として,摩擦接合と支

圧接合が発生する条件について考察する.せん断荷重

の大きさ辻 1せん断面あたりの平均せん軒応力 T,ボ

ノレト軸力についてはボルト軸志力 σb,接触語の状態

は摩擦保数μで表すこととする.図 101土縦軸に T,

撰轄にμ とσbとの積をとって摩擦接合と支圧接合の

発生状語を示したものである.一定の Tに対してμ内

が大きくなると摩擦接合状態となる.再者の境呂を表

す函中右舗の車線の傾きは約1.1である.それに対し

て,Tが相対的に大きくなるかμη が小さくなると継

手にすべりが発生する.本研究で対象とした 3救援の

継手では,まず最初に上下の板に対して中央の援がす

べることにより,図の中央に示したようにボルトの左

側面と坂のボルト穴表面が接触する.さらに Tが増加

あるいはμ円が誠少すると,上下の板に対してボルト

がすべることにより,各ボルトの右fWJ雇の上下部分が

上下の板のボルト穴ど接触する.両者はいずれも支圧

接合状謹であるが,図では前者を“partialslip",後者

を“completeslip" .!:::表記して区別している.罰者の壇

目を表す甚線の額きは約 2.8である.

以上の点より,支圧接合への移行は2段階で進むこ

とがわかる.実諜の継手では,せん断子育重とボ、ノレト軸

力は設定可能であるが,接触面の状態については不確

定要素が多し¥したがって 前述のいずれの支正接合

状態になるかは摩擦係数μの大きさによって変化する.

また留 10を用いると,与えられたせん断荷重の大き

さを表す T~こ対して,摩擦接合から“pa汎ial slip刊に移

行する μ の値を求めることができる.示、/レト軸~力内

は lOOMPa一定としているので,例えiまTが 10MPa

F ..;;;...,...や2

F ..;;;...""← 2

(邑)Analytica1 model

(b) Spring modeJ

F

~酔

CD ...@) EIεm叫 No

1...... s N臼deNo

F

F マ norrnalforce exerted on bolt i

Fig. 12 Spring models for calculating Shear Load Bearing Ratio of bearing type joints

と50MPaの時,傾きが1.1の宜線どの交点の値より,

μはそれぞれ約 0.09,0.45となる.揺出の函 7中の破

線は,これらの植に基づいて描いたものである.

3・6 応力分布 図 ll(a),(b)にせん断荷重を受け

た時のポノレトまわりのミーゼス応力分布を示す.並列

ボソレト亨IJ数 mが 1,ボルト亨IJ数 nが5の継手iこ対して,

ボノレト鞍応力向を lOOMPa, 1せん断面あたりの平

均せん断応力 Tを30MPaとして,接触吾の摩擦保数μ

のみ 0.07,0.2と変化させている.接舷亜の状態は前

者が“completeslip",後者が“partialslip"である.い

ずれの場合も,最大応力は中央の読が奇重側の NO.5

のポノレト左側面と接触している部分で発生している.

この接触屈の端部は応力の特異点、である. 2つの留を

比較すると, μが大きくなると最大応力が顕著に抵下

していることがわかる.このことは,支圧接合におい

ても一部の接触冨ですべりが発生しない状聾の場合,

すなわち~1Oにおける“partial slip"の範囲で泣かな

りの継手強度が期待できることを示している.

4. ぱねモデルによるせん断蕎重分担率の解析

4.1 せん断蕎重卦担率の分布脅性とボルト記量

前章までは,様々な条件の継手に対して三次元有設

要素解析によりせん断荷重分担率 Riを求めた.その

結果,並列ボノレト列数mが2より大きい並列配置につ

いても, m= 1の場合の結果を用いて,実用的な精度

でせん断荷重分担率九を評価できることが明らかと

なった.さらに R;を構成する支圧力と摩擦力による

せん断荷重分担率Rλ R/'~こ関して,前者について

は摩擦係数に関保なく各ボルトが分担する比率がほ可

等しく,後者については各ボルトの値が時ーとみなせ

ることを示した.以上の結果より, nlが iでポノレト列

数 nのみが変化した場合のせん断帯重分担率 Rjの笹

が実用上重要と考えて,本章では締結体各部の詞IJ性を

- 29-

せん断荷重を受ける多数ボルト締結体の力学特性の評価

40

30

(de)C明言盛時ロ官き昌吉事、同』圃富岡山市山

20

10

50

p

〆守¥axl手lforce

、、す〆

1: plate thickness

--.L.一一一/

(b) platεstiffness between bolt holes kp1c

axialforce

8 A

1038

n i 3 4 5

限 10.6ロ

Springl 1- ....竃畏lodell

(a) bolt bending stiffness kb蹴

Evaluation of bolt bending stiffness and plate stiffness

Fig.13

『4

BoJtNo.

Comparison of SLBR obtained by FEM and elementary theory

3 2 l

nu

Fig.14

ている.板梧を W,ボルト穴の直径とピッチをそれぞ

れ Diとp圭する z 一撲な主張力を受けると仮窓する

と,中央の板のばね定数 kplcは2つの部分のliね定数

kplc 1, kp1c 2から求められる.

一一 +~・・・・・・・・・ 2 ・・・ョ e ・・ a ・・・ (7) kplc kp1c 1 kp1c

( JrD~ '¥ |現'D;---' It

唱 i 4 I kp1c' 、 D ノ

弓 WtxE W kp1cL. =一一一=Et--

p-Di p-D,

式中の Eは板材料のヤング率を表すz 主plc1とkplc2

は,軸方向荷重を受ける一次元ばねと考えて冨積と E

の積を長さで捺して求めている z なお kp1c1について

は,穴を徐いた体積を Diで除すことにより荷重方向

の見かけの面詰を算出している.また中央の板と上下

の板は形状が等しいので 上下 2枚の板に対するiまね

定数 kp1e'土,詞IJ性が kplcのはねが 2本並列に配聾され

ていると考えて次式で計算する e

/Di=叫

iまねモデ、/レで、表すことにより,界面の摩擦採数が零の

場合についてせん断膏重分担率を求めることができる

需易解析手法を提案する.

4・2 Iまねモデんによる締結体罰1)性の評僅 図 12(a)

は,思 3lこ対応してボノレトを鞍部のみの丹柱構造物と

してモデルfとい接触面の摩擦を考意、しない場合の締

結部モデ/レを示している.ここで主bm,kpic> kp1e'ま,

それぞれボルト軸部 lピッチ当たりの中央の板雲南

端の板の剛性を表すばね定数である.~はボルト列数

n=4のモデ、ノレを示しており,上記の 3撞類の;まねで

締結部全体を表すと図 12(めのようになる.以下;こ各

ばね定数の評錨方法を示す.

ポjレト軸部の曲iず詞11性を表すiまね定数 kbm

菌 13(a)はポノレト車車部罵辺を摸式的;こ示したものであ

る.宮中に beamと書いたボルト中央部のたわみは,

左右の抜により支えられた部分の変形を無視すると 9

"一様分布荷重を受ける南端国芝lまり"として求めるこ

とができる.さらに,両端の cantilεverと表示した部

分のたわみも無視で、きない.そこで cantilever部分の

たわみは“一様分布荷重を受ける片持ちiまり門として

求め,これらのたわみの和を支正力によるボルト全体

の曲げ変形と考えると,ばね定数 kbmは次式から計算

できる.

4・2・1

kp1e = 2kp1c . . .・・・ a ・e ・・・・・・・・・・ z ・・・・・・・・ E ・・・・ (8)

以上の 3っぱね定数 kbm,kpic> kp1cの笹を患いて,

図 12に示した一次元有限要素モデルに対して蔀点力

を求めることにより,各ボルトにかかるせん断力 Fiと

せん断奇重分担率 Riが計算できる.

4・3 壱隈要素解析によるせん断荷重分担率との比較

ボルト列数 nを3"-'5と変化させた場合のせん断荷重

分担率Riの計算結果を函 14に示す.圏中にμ=0.001

とした場合の有隈要素解析による結果も示しており,

両者の値はかなりよく一致している.したがって,章

擦係数μが小さい場合の支圧接合におけるせん断荷重

FAU

Ft-

E一3

m一万

一一パι

一E

ww

一泊

w一

f

42

一正w一五

kb部 ご

上式において,分母の第 1項と第2項がそれぞれ前述

のはりのたわみを表している • wlません断荷重 Fによ

りボノレトに発生する分布荷重である .tf土継手部を構

成する援の厚さであり,はりのスパンに相当する.3・1

節で述べたように,継手部を構成する 3牧の援の厚さ

は等しいと仮定している.

板各部のiまね定数 kp1c • kp1e 罰 13(b)は,

毘 12に示した帯重方向 1ピッチ分の中央の薮を示し

30

4・2・2

せん断荷重を受ける多数ボ、ルト締結斧の力学特性の評{iffi 1039

分担率は,上述の構易計算;去を用いて計算が可龍と考

えられる.さらに,留はを函 7とともに荊いると,摩

擦保数μが変化した場合についてせん断荷重分担率Ri

を求めることができる.すなわち,図 7においてμの

大きさが与えられると,タト力として与えられたせん断

苛重を支圧力と摩擦力で受け持つ比率が求められる.

支圧力は各ボルトが函 14に示した割合で、受け持ちE 摩

擦力はほぼ等しく分担されることに注意すると,摩擦

力の髭響を考慮したせん断荷重分担率Riを計算する

ことが可能となる.

5. 幸喜 r:::I

( 1 ) 多数のボルトで、締結された突き合わせ継手を

対象として,タト力として与えちれたせん断荷重を支圧

譲合と摩擦接合で受ける場合について,“せん麿荷重

分担率"を定義することにより各ボルトが受け持つせ

ん断帯重の割合を三次元有強要素解析により明らかに

した.

( 2 ) せん断荷重の方向に治ってボルトが配置され

た支圧譲合の場合,せん断荷重分担率は回型の分布と

t~ り,荷重傍jのボノレトが受け持つ割合がもっとも大き

くなる.

( 3 ) 支圧接合において,せん新奇重はボルト軸部

の支圧力に加えて締結部界面の牽擦力として伝達され,

後者が受け持つ富合はせん断荷重の負荷能力として有

効に作用する程度の大きさで島ることを示した.

(4 ) 継手にかかるせん断帯重,ボルト軸力,接触

面摩擦捺数の大きさを用いて,支圧接合と摩擦接合が

発生する条件を示した.

( 5 ) 継手各部の陣j性を一次元ばねモデルで表し,

牽擦孫数が零の場合についてせん断荷重分担率を計算

できる手法を提案し,有摂要素解析iこよる結果と比較

することにより有効性を確認した.さらに,その結果

を用いて摩擦力の影響も含めたせん断荷重分担率を求

める手法を示した.

本研究は,これまでボルト軸部に作詞する支圧力を

基準として設計していた支正接合について,支圧力と

摩捺力の効果を定量的に示すことにより,せん断荷重

を受ける継手の設計方法の克直しに対するひとつの可

能性を示したもので島る.今後の課題として,体系的

な設計手法確立の一助となることを自的として,実際

の締結部で認定されるレベルの継手の寸法誤差および

曲げ荷重の影響,より複雑な力学挙動を示す千鳥継手

の特註等を数値解析により暁らかにすることが望まれ

る,おわりに,本研究を進めるにあたりご協力をいた

だいた金田愛介氏(富士通テンテクノロジー(株))に

深甚の謡意を表する次第である.

文 蘇

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