17
平成 18年5月 29日に食品に残留する農薬等のポジティ ブリスト制度が施行され,新たに多くの農薬について基準 値が設定された.一方,平成 22年 12月には,「食品 中 に残留する農薬等に関する試験法の妥当性評価ガイドライ ンについて」(以下ガイドラインとする)が改正され,食 品衛生法に定められている規格基準への適合判断を行う試 験法については,試験法を適用する食品ごとに対象農薬の 添加回収試験を行い,選択性,真度及び精度等を評価する 「妥当性評価」を実施することが求められた.これらの ことから,食品中の残留農薬試験では,より多くの農薬を, 少ない試験法を用いて,簡便かつ迅速に分析するための効 率的な一斉試験法の開発が必要となった. 農薬は,その物性からガスクロマトグラフ(GC)また は液体高速クロマトグラフ(LC)で測定するものに区別 さ れ る.当 所 に は 高 感 度 か つ 高 選 択 性 を 有 す る LC- MS/MSが整備されており,本機器を用いた一斉試験法 の確立は,検査精度の向上,迅速化及び効率化が可能とな ることから極めて重要であると考えられた.厚生労働省か らは一斉試験法が通知されている(以下通知一斉試験法 とする)が,今回は,Anastassiades らにより開発され た QuEChERS 法を参考に通知一斉試験法の塩析条件を改 変することで,より汎用性の高い試験法の開発を検討した. また,開発した試験法の妥当性評価を行い,妥当性評価さ れた試験法を用いて残留農薬実態調査を行った. 1.試 アスパラガス水煮缶詰,甘ぐり,スイートコーン缶詰 (ホールカーネルスタイル),トマト缶詰(ホール),パイ ナップル缶詰,パスタ,はるさめ,マッシュルーム水煮缶 詰,みかん缶詰,桃缶詰は,道内小売店で販売されている ものを用いた. 2.対象化合物 分析対象とした農薬 98品目 102化合物を表 1に示した. 3.試薬等 農薬混合標準原液:和光純薬工業㈱製農薬混合標準液 PL-7-2,PL-14-2,PL-15-2及び PL-17-2を農薬混合標 準原液とした. 農薬標準品及び農薬標準原液:上記の和光純薬工業㈱各 農薬混合標準液に含まれていない農薬の標準品は,関東化 学㈱,林純薬工業㈱,和光純薬工業㈱,Dr.Ehrenstorfer GmbH 社及び Riedel de Hae n社製残留農薬試験用を用い た.また,各農薬標準品 10mg または 25mg を精ひょう し,アセトニトリルに溶解して 500mg/L としたものを農 薬標準原液とした. 農薬標準溶液:農薬混合標準原液及び農薬標準原液を混 合し,アセトニトリルで 0.2mg/L としたものを添加用農 薬標準溶液とした.添加用標準溶液をメタノールで適宜希 釈 し,0.01,0.015,0.02,0.025及 び 0.03mg/L と し た ものを検量線作成用農薬標準溶液とした. 試薬及び溶媒:LC-MS/MS に使用したメタノールは関 東化学㈱または和光純薬工業㈱製 LC/MS用を,水は関 東化学㈱製 LC/MS用を,酢酸アンモニウムは和光純薬 工業㈱製特級を用いた.試験溶液調製に用いた有機溶媒及 び硫酸ナトリウム(無水)は関東化学㈱または和光純薬工 業㈱製残留農薬試験用を,水は関東化学㈱または和光純薬 29 道衛研所報 Rep. Hokkaido Inst. Pub. Health, 66 , 29-45(2016) LC - MS / MS を用いた農産加工食品中の残留農薬一斉試験法の 検討と妥当性評価 Development and Validation of M ultiresidue M ethod for the Determination of Pesticide in Processed Agricultural Foods by LC - MS / MS 青栁 光敏 柿本洋一郎 岡部 千葉 真弘 橋本 西村 一彦 小島 弘幸 M itsutoshi AOYAGI , Youichiro KAKIM OTO , Ryo O KABE, M asahiro C HIBA, Satoshi HASHIM OTO , Kazuhiko NISHIM URA and Hiroyuki KOJIM A Key words :pesticide (農薬);multiresidue method (残留一斉試験法);processed agricultural food (農産加工食品);validation (妥当性評価);LC-M S/M S (液体クロマトグラフ-タンデム 質量分析計)

LC-MS/MSを用いた農産加工食品中の残留農薬一斉 …...29 クロリダゾン クロリダゾン 222 104 25 77 34 30 クロロクスロン クロロクスロン 291 72

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Page 1: LC-MS/MSを用いた農産加工食品中の残留農薬一斉 …...29 クロリダゾン クロリダゾン 222 104 25 77 34 30 クロロクスロン クロロクスロン 291 72

平成18年5月29日に食品に残留する農薬等のポジティ

ブリスト制度が施行され,新たに多くの農薬について基準

値が設定された .一方,平成22年12月には,「食品中

に残留する農薬等に関する試験法の妥当性評価ガイドライ

ンについて」(以下ガイドラインとする)が改正され,食

品衛生法に定められている規格基準への適合判断を行う試

験法については,試験法を適用する食品ごとに対象農薬の

添加回収試験を行い,選択性,真度及び精度等を評価する

「妥当性評価」を実施することが求められた .これらの

ことから,食品中の残留農薬試験では,より多くの農薬を,

少ない試験法を用いて,簡便かつ迅速に分析するための効

率的な一斉試験法の開発が必要となった.

農薬は,その物性からガスクロマトグラフ(GC)また

は液体高速クロマトグラフ(LC)で測定するものに区別

される.当所には高感度かつ高選択性を有するLC-

MS/MSが整備されており,本機器を用いた一斉試験法

の確立は,検査精度の向上,迅速化及び効率化が可能とな

ることから極めて重要であると考えられた.厚生労働省か

らは一斉試験法が通知されている (以下通知一斉試験法

とする)が,今回は,Anastassiadesら により開発され

たQuEChERS法を参考に通知一斉試験法の塩析条件を改

変することで,より汎用性の高い試験法の開発を検討した.

また,開発した試験法の妥当性評価を行い,妥当性評価さ

れた試験法を用いて残留農薬実態調査を行った.

方 法

1.試 料

アスパラガス水煮缶詰,甘ぐり,スイートコーン缶詰

(ホールカーネルスタイル),トマト缶詰(ホール),パイ

ナップル缶詰,パスタ,はるさめ,マッシュルーム水煮缶

詰,みかん缶詰,桃缶詰は,道内小売店で販売されている

ものを用いた.

2.対象化合物

分析対象とした農薬98品目102化合物を表1に示した.

3.試薬等

農薬混合標準原液:和光純薬工業㈱製農薬混合標準液

PL-7-2,PL-14-2,PL-15-2及びPL-17-2を農薬混合標

準原液とした.

農薬標準品及び農薬標準原液:上記の和光純薬工業㈱各

農薬混合標準液に含まれていない農薬の標準品は,関東化

学㈱,林純薬工業㈱,和光純薬工業㈱,Dr.Ehrenstorfer

GmbH社及びRiedel de Haen社製残留農薬試験用を用い

た.また,各農薬標準品10mgまたは25mgを精ひょう

し,アセトニトリルに溶解して500mg/Lとしたものを農

薬標準原液とした.

農薬標準溶液:農薬混合標準原液及び農薬標準原液を混

合し,アセトニトリルで0.2mg/Lとしたものを添加用農

薬標準溶液とした.添加用標準溶液をメタノールで適宜希

釈し,0.01,0.015,0.02,0.025及び0.03mg/Lとした

ものを検量線作成用農薬標準溶液とした.

試薬及び溶媒:LC-MS/MSに使用したメタノールは関

東化学㈱または和光純薬工業㈱製LC/MS用を,水は関

東化学㈱製LC/MS用を,酢酸アンモニウムは和光純薬

工業㈱製特級を用いた.試験溶液調製に用いた有機溶媒及

び硫酸ナトリウム(無水)は関東化学㈱または和光純薬工

業㈱製残留農薬試験用を,水は関東化学㈱または和光純薬

― ―29

道衛研所報 Rep.Hokkaido Inst.Pub.Health,66,29-45(2016)

LC-MS/MSを用いた農産加工食品中の残留農薬一斉試験法の検討と妥当性評価

Development and Validation of Multiresidue Method for the Determination of Pesticide

in Processed Agricultural Foods by LC-MS/MS

青栁 光敏 柿本洋一郎 岡部 亮 千葉 真弘

橋本 諭 西村 一彦 小島 弘幸

Mitsutoshi AOYAGI,Youichiro KAKIMOTO,Ryo OKABE,Masahiro CHIBA,

Satoshi HASHIMOTO,Kazuhiko NISHIMURA and Hiroyuki KOJIMA

Key words:pesticide (農薬);multiresidue method (残留一斉試験法);processed agricultural food(農産加工食品);validation (妥当性評価);LC-MS/MS (液体クロマトグラフ-タンデム質量分析計)

Page 2: LC-MS/MSを用いた農産加工食品中の残留農薬一斉 …...29 クロリダゾン クロリダゾン 222 104 25 77 34 30 クロロクスロン クロロクスロン 291 72

表1 分析対象化合物とMS/MS測定条件

定量イオン 確認イオンNo. 品目名 分析対象化合物名 Q1

Q3 CE Q3 CE

1 アザメチホス アザメチホス 325 183 17 112 39

2 アジンホスメチル アジンホスメチル 318 132 18 125 18

3 アセフェート アセフェート 184 143 9 95 24

4 アゾキシストロビン アゾキシストロビン 404 372 16 344 26

5 アニロホス アニロホス 368 125 33 199 15

6 アメトリン アメトリン 228 186 20 96 28

7 イソプロカルブ イソプロカルブ 194 95 18 137 11

8 イプロバリカルブ イプロバリカルブ 321 119 21 116 23

9 イマザリル イマザリル 297 159 22 255 19

10 イミダクロプリド イミダクロプリド 256 175 19 209 18

11 インダノファン インダノファン 341 175 20 187 10

12 インドキサカルブ インドキサカルブ 528 150 24 203 37

13 エトキサゾール エトキサゾール 360 141 31 304 20

14 エポキシコナゾール エポキシコナゾール 330 121 21 101 40

15 オキサジクロメホン オキサジクロメホン 376 190 15 161 31

16 オキサミル オキサミル 237 72 12 90 10

17 オキシカルボキシン オキシカルボキシン 268 175 14 147 27

18 オメトエート オメトエート 214 183 12 125 22

19 カルバリル カルバリル 202 145 11 127 31

20 カルプロパミド カルプロパミド 336 139 22 - -

21 カルベタミド カルベタミド 237 118 15 72 29

22 キザロホップエチル キザロホップエチル 373 299 19 255 38

23 クミルロン クミルロン 303 185 13 125 35

24 クロキントセットメチル クロキントセットメチル 336 238 18 179 34

25 クロジナホッププロパギル クロジナホッププロパギル 350 266 17 238 27

26 クロチアニジン クロチアニジン 250 132 15 169 13

27 クロフェンテジン クロフェンテジン 303 138 15 102 40

28 クロマフェノジド クロマフェノジド 395 175 15 147 40

29 クロリダゾン クロリダゾン 222 104 25 77 34

30 クロロクスロン クロロクスロン 291 72 21 164 16

31 シアゾファミド シアゾファミド 325 108 16 261 10

32 ジノテフラン ジノテフラン 203 129 13 113 12

33 シフルフェナミド シフルフェナミド 413 295 17 241 24

34 シプロジニル シプロジニル 226 93 37 108 29

35 シメコナゾール シメコナゾール 294 70 21 135 23

36 ジメチリモール ジメチリモール 210 71 32 140 23

37 ジメトモルフ ジメトモルフ 388 301 21 165 35

38 シモキサニル シモキサニル 199 74 17 128 10

39 スピノサド スピノシンA 733 142 34 98 40

スピノシンD 747 142 36 98 40

40 ダイムロン ダイムロン 269 151 12 119 22

41 チアクロプリド チアクロプリド 253 126 22 90 38

42 チアベンダゾール チアベンダゾール 202 175 26 131 35

43 チアメトキサム チアメトキサム 292 211 13 181 24

44 テトラクロロビンホス テトラクロロビンホス 367 127 21 206 37

45 テブチウロン テブチウロン 229 172 18 116 28

46 トリチコナゾール トリチコナゾール 318 70 21 125 29

47 トリフルミゾール トリフルミゾール 346 73 18 278 15

トリフルミゾール代謝物 295 73 21 215 24

48 トリフルムロン トリフルムロン 359 156 18 139 33

Q1:Precursor Ion

Q3:Product Ion

CE:Collision Energy

― ―30

Page 3: LC-MS/MSを用いた農産加工食品中の残留農薬一斉 …...29 クロリダゾン クロリダゾン 222 104 25 77 34 30 クロロクスロン クロロクスロン 291 72

表1 分析対象化合物とMS/MS測定条件(続き)

定量イオン 確認イオンNo. 品目名 分析対象化合物名 Q1

Q3 CE Q3 CE

49 トリフロキシストロビン トリフロキシストロビン 409 186 18 145 45

50 トリホリン トリホリン 435 390 12 98 36

51 ナプロアミリド ナプロアミリド 292 171 14 120 28

52 ピメトロジン ピメトロジン 218 105 21 79 45

53 ピラクロストロビン ピラクロストロビン 390 194 15 163 27

54 ピラゾキシフェン ピラゾキシフェン 403 91 37 105 21

55 ピラゾホス ピラゾホス 374 222 24 194 36

56 ピラゾリネート ピラゾリネート 439 173 22 155 23

57 ピリフタリド ピリフタリド 319 139 31 179 32

58 ピリミカルブ ピリミカルブ 239 72 21 182 16

59 ピリメタニル ピリメタニル 200 107 26 82 28

60 フェナミドン フェナミドン 312 92 27 236 15

61 フェノキシカルブ フェノキシカルブ 302 116 12 88 21

62 フェノブカルブ フェノブカルブ 208 95 14 152 9

63 フェンプロキシメート フェンプロキシメート(E) 422 366 15 214 31

64 フェンプロピモルフ フェンプロピモルフ 304 147 32 132 44

65 ブタフェナシル ブタフェナシル 492 331 25 180 40

66 フラムプロップメチル フラムプロップメチル 336 105 16 77 45

67 フラメトピル フラメトピル 334 157 32 290 18

68 フルアズロン フルアズロン 506 158 22 141 45

69 フルオピコリド フルオピコリド 383 173 23 145 50

70 フルオメツロン フルオメツロン 233 72 22 46 18

71 フルフェノクスロン フルフェノクスロン 489 158 21 141 39

72 フルベンジアミド フルベンジアミド 683 408 10 274 40

73 フルミクロラックペンチル フルミクロラックペンチル 441 308 23 354 15

74 フルリドン フルリドン 330 309 37 294 40

75 プロパキザホップ プロパキザホップ 444 100 21 299 24

76 プロパクロール プロパクロール 212 170 15 94 28

77 プロポキスル プロポキスル 210 111 15 168 9

78 ブロマシル ブロマシル 261 205 17 188 34

79 プロメトリン プロメトリン 242 158 25 200 20

80 ヘキサジノン ヘキサジノン 253 171 16 71 32

81 ベナラキシル ベナラキシル 326 148 22 91 36

82 ペンシクロン ペンシクロン 329 125 24 89 40

83 ベンゾフェナップ ベンゾフェナップ 431 105 38 119 23

84 ベンダイオカルブ ベンダイオカルブ 224 109 21 167 11

85 ベンチアバリカルブイソプロピル ベンチアバリカルブイソプロピル 382 180 31 116 23

86 ホキシム ホキシム 299 129 15 97 23

87 ボスカリド ボスカリド 343 307 20 140 21

88 ホスチアゼート ホスチアゼート 284 228 10 104 23

89 メタベンズチアズロン メタベンズチアズロン 222 165 17 150 34

90 メタミドホス メタミドホス 142 94 15 125 16

91 メタラキシル メタラキシル 280 220 14 192 19

92 メチオカルブ メチオカルブ 226 169 10 121 18

メチオカルブスルホキシド 242 185 12 122 29

メチオカルブスルホン 275 122 22 201 13

93 メトキシフェノジド メトキシフェノジド 369 149 17 91 40

94 メトコナゾール メトコナゾール 320 270 24 125 40

95 メビンホス メビンホス 225 127 16 193 8

96 メフェンピルジエチル メフェンピルジエチル 373 327 16 160 33

97 モノクロトホス モノクロトホス 224 127 16 99 22

98 モノリニュロン モノリニュロン 215 126 17 148 14

Q1:Precursor Ion

Q3:Product Ion

CE:Collision Energy

― ―31

Page 4: LC-MS/MSを用いた農産加工食品中の残留農薬一斉 …...29 クロリダゾン クロリダゾン 222 104 25 77 34 30 クロロクスロン クロロクスロン 291 72

工業㈱製高速液体クロマトグラフ用を,塩化ナトリウム,

硫酸マグネシウム(無水)及び硫酸マグネシウム七水和物

は和光純薬工業㈱製特級を,炭酸水素ナトリウムはナカラ

イテスク㈱製特級を用いた.セライトは関東化学㈱または

和光純薬工業㈱製セライト545を用いた.

固相抽出用ミニカラム:Agilent Technologies社製

Mega BE-C18(1g,6mL)(以下C18ミニカラムとす

る)をあらかじめアセトニトリル10mLでコンディショ

ニングした後,用いた.SUPELCO社製ENVI-Carb/

LC-NH (500mg/500mg,6mL)(以下GC/NH ミニ

カラムとする)をあらかじめアセトニトリル及びトルエン

(3:1)混液10mLでコンディショニングした後,用い

た.

ろ紙:アドバンテック東洋㈱製ろ紙5Aを用いた.

4.分析装置及び測定条件

1)装 置

ホモジナイザーは㈱日本精機製作所製エースホモジナイ

ザーAM-7を,液体クロマトグラフ/質量分析計は㈱島

津製作所製LCMS-8040を使用した.

2)液体クロマトグラフ条件

分析カラム:GLサイエンス社製 Inertsil ODS-4(3μm,

2.1mm i.d.×150mm)

カラム温度:40℃

移動相:5mmol/L酢酸アンモニウム溶液(A液),

5mmol/L酢酸アンモニウム・メタノール溶液

(B液)

移動相流量:0.2mL/min

グラジエント条件:B液 10%(0分)→99%(20分)→99%

(30分)

注入量:2μL

3)質量分析計条件

イオン化法:ESI(ポジティブモード)

測定モード:MRM(Multiple Reaction Monitoring)

脱溶媒管(DL)温度:250℃

ヒートブロック温度:400℃

ネブライザーガス流量:3.0L/min

ドライガス流量:15.0L/min

各農薬のモニターイオンは,表1に示した.

5.試験溶液調製法

試験溶液調製法を図1に示した.甘ぐりは細切試料

10.0gに水15.5gを,パスタは粉砕試料10.0gに水

20.0gを加え,よく混和した後,30分間放置した.はる

さめは粉砕試料10.0gにセライト545を10g加え,よく

混和した.その他の含水率の高い食品については細切試料

20.0gを量り採った.これにアセトニトリル50mL(は

るさめはアセトニトリル及び水(7:3)混液70mL)

を加えホモジナイズした後,減圧ろ過した.ろ紙上の残留

物にアセトニトリル(はるさめはアセトニトリル及び水

(7:3)混液)15mLを加えよく攪拌し,減圧ろ過した

後,ろ液を合わせアセトニトリルで100mLに定容した

(アセトニトリル抽出液).アセトニトリル抽出液40mL

を硫酸マグネシウム七水和物4g,塩化ナトリウム3g及

び炭酸水素ナトリウム0.5gの入った遠沈管に採り,5分

間激しく振とうした後,遠心分離(3,000rpm,5分間)

した.C18ミニカラムにアセトニトリル層,次いでアセ

トニトリル5mLを注入し,負荷液を含む全溶出液を採っ

た.これに適量の硫酸ナトリウム(無水)を加え脱水し,

硫酸ナトリウム(無水)をろ別した後,減圧濃縮し,窒素

気流下で溶媒を除去した.残留物にアセトニトリル及びト

ルエン(3:1)混液3mLを加え溶解した後,GC/NH

ミニカラムに負荷し,次いでアセトニトリル及びトルエン

(3:1)混液20mLを注入し,負荷液を含む全溶出液を

採った.減圧濃縮した後,窒素気流下で溶媒を除去し,得

られた残留物にメタノールを加え,甘ぐり,パスタ及びは

るさめは2mL,その他の試料は4mLとしたものを試験

図1 試験溶液調製法

― ―32

Page 5: LC-MS/MSを用いた農産加工食品中の残留農薬一斉 …...29 クロリダゾン クロリダゾン 222 104 25 77 34 30 クロロクスロン クロロクスロン 291 72

溶液とした.

6.定 量

検量線は,各濃度の検量線作成用農薬標準溶液2μLを

LC-MS/MSに注入し,ピーク面積により作成した.試験

溶液についても同様に操作し,得られたピーク面積を用い

て絶対検量線法により各農薬の回収率を算出した.

7.添加回収試験(妥当性評価)

残留基準値の設定のない加工食品については,一律基準

による規制の対象となるのが原則であることから ,試料

に対し農薬98品目102化合物を一律基準濃度(0.01

mg/kg)で添加した.回収試験は,実施者1名で2併行

5日間行い,ガイドラインに従い,選択性,真度及び精度

(併行精度及び室内精度)を評価した .

結果及び考察

通知一斉試験法では,水溶性の高いアセフェート,オメ

トエート及びメタミドホスは適用外となっている .これ

は,塩析時にこれらの農薬が水層にとどまり,有機層に移

行しないことが原因と考えられた.そこで,これら農薬の

回収率向上を目的として塩析条件を検討した.水20mL

にアセフェート,オメトエート及びメタミドホスの農薬標

準原液各40μL(農薬量として20μg)を添加し,アセト

ニトリルを加え100mLに定容した後,40mLを採り,

QuEChERS法の塩析条件である硫酸マグネシウム(無

水)4g及び塩化ナトリウム1gを加え ,激しく5分間

振とうし,遠心分離後アセトニトリル層を採り,各農薬の

回収率を求めた.検討は試行数2で行った.その結果,各

農薬の回収率は,アセフェート88.1%,オメトエート

95.9%及びメタミドホス86.6%であり良好であった.し

かし,この塩析条件では,水に不溶の硫酸マグネシウム

(無水)及び塩化ナトリウムが多量に認められ,アセトニ

トリル層と水層の界面が不明瞭であり,アセトニトリル層

を分取するのが困難であった.Anastassiadesらは,硫酸

マグネシウム(無水)は,検討した他の塩に比べ塩析効果

が高かったと報告している .硫酸マグネシウム(無水)

は,アセトニトリル溶液中の水分を脱水する作用があるた

め,溶液中の水分量を変化させることなく硫酸マグネシウ

ムの塩析効果を検討可能な硫酸マグネシウム七水和物4g

を用いて同様に回収率を検討した.その結果,アセフェー

ト87.1%,オメトエート92.1%及びメタミドホス87.5%

と両者の回収率に差はほとんど認められなかったが,アセ

トニトリル層と水層の界面は明瞭であり,アセトニトリル

層を分取する操作が容易であったことから,塩析剤として

硫酸マグネシウム七水和物を用いることとした.また,

Anastassiadesらは,塩析操作時に添加する塩化ナトリウ

ムは糖類や有機酸などの試料由来夾雑物質を減少させると

報告している ことから,塩化ナトリウムの添加量につい

ても検討した.

りんごジュース20.0gにアセフェート,オメトエート

及びメタミドホスの農薬標準原液各40μL(農薬量として

20μg)を添加した後,アセトニトリルを加え100mLに

定容した.このうちの40mLを採り,硫酸マグネシウム

七水和物及び塩化ナトリウムを加え,振とうした後,遠心

分離し,アセトニトリル層を採り,各農薬の回収率を算出

した.検討は試行数2で行った.結果を表2に示した.硫

酸ナトリウム七水和物を4gとし,塩化ナトリウムを

1~4gと変化させたところ,アセフェートは87.2~

91.5%,オメトエートは90.4~92.7%及びメタミドホス

は86.5~90.1%の回収率を示した.各条件間に大きな差

は認められなかったが,塩化ナトリウム3gを添加した場

合がいずれの農薬においても最も高い回収率であった.次

に塩化ナトリウム添加量を3gとし,硫酸マグネシウム七

水和物を2~5gと変化させたところ,アセフェートは

85.9~91.1%,オメトエートは87.5~92.6%及びメタミ

ドホスは82.8~88.4%の回収率が得られた.硫酸マグネ

シウム七水和物添加量が2g~4gと増えるに従い各農薬

の回収率も向上したが,4gと5gの間にはほとんど差が

認められなかったことから,硫酸マグネシウム七水和物の

添加量を4gとした.また,りんごジュースでは,アセト

ニトリル溶液の液性がpH試験紙でpH4を示していたが,

表2 りんごジュースのアセトニトリル溶液を用いた塩析剤の添加量の違いによる水溶性農薬の回収

検討結果

塩析剤添加量(g) 回収率(%)

MgSO・7H2O NaCl アセフェート オメトエート メタミドホス

1 87.2 90.4 86.5

2 90.3 91.3 88.74

3 91.5 92.7 90.1

4 90.4 92.2 89.7

2 85.9 87.5 82.8

3 89.2 89.8 87.33

4 91.0 92.6 88.3

5 91.1 89.7 88.4

りんごジュース20gにアセトニトリルを加え100mLに定容した溶液40mLを使用.

n=2の平均値

― ―33

Page 6: LC-MS/MSを用いた農産加工食品中の残留農薬一斉 …...29 クロリダゾン クロリダゾン 222 104 25 77 34 30 クロロクスロン クロロクスロン 291 72

アセトニトリル溶液のpHが低いと,塩析操作時に塩基性

化合物の回収率低下が予想された ことから,添加剤とし

て炭酸水素ナトリウムを加え,中和することとした.炭酸

水素ナトリウム0.5gを添加した結果,りんごジュースの

アセトニトリル溶液は概ねpH7を示した.また,今回検

討した10試料についてもpHを確認したところ,pH6~8

を示していた.以上の結果より,塩析操作における添加剤

は,試料のアセトニトリル抽出液40mLに対し,硫酸マ

グネシウム七水和物4g,塩化ナトリウム3g及び炭酸水

素ナトリウム0.5gとすることとした.

また,通知一斉試験法では,穀類,豆類及び種実類につ

いてはC18ミニカラム精製を行っているが,果実及び野

菜では行っていない .しかし,本精製を行うことで,極

性の低い植物成分及び高級脂肪酸などが除去可能とされて

いる ことから,すべての試料においてC18ミニカラム

による精製を行うこととした.

HPLC条件については,分析カラム及び移動相を通知

一斉試験法で用いられているオクタデシルシリル化シリカ

ゲルカラム及び5mmol/L酢酸アンモニウム溶液-

5mmol/L酢酸アンモニウム・メタノール溶液とし ,注

入量2μLのグラジエント分析とした.この条件で検量線

用農薬標準溶液を測定し,定量限界が試料中0.01mg/kg

相当以下及び検量線の相関係数が0.99以上であった農薬

98品目102農薬について妥当性評価試験を実施した.

方法の7.添加回収試験(妥当性評価)に従って妥当性

評価試験を行った結果を表3に示した.甘ぐりのピラゾキ

シネート,スイートコーン缶詰及びはるさめのインドキサ

カルブ,シプロジニル及びピロゾリネートについては,感

度不良のため検量線が作成できず,定量不能であった.ガ

イドラインで規定された各評価パラメータは,選択性につ

いては定量を妨害するピークが0.01mg/kg相当ピークの

1/3未満,真度は70~120%の範囲内,併行精度は25%未

満及び室内精度は30%未満である .選択性については,

チアベンダゾール以外はすべてガイドラインの要件を満た

していた.チアベンダゾールについては,すべての試料で

妨害ピークが認められたことから,試薬由来のピークと考

えられた.真度については,クロフェンテジンがすべての

試料において目標値を満たさなかった.また,アザメチホ

ス,ピメトロジン及びピラゾリネートが10試料中5試料

以上で目標値を満たさなかった.併行精度については,チ

アベンダゾールが6試料で目標値を満たさなかったほか,

甘ぐりのインダノファン及びピメトロジン,スイートコー

ン缶詰のアザメチホス,はるさめのフェノキシカルブが目

標値を満たさなかった.室内精度については,チアベンダ

ゾールが8試料で目標値を満たさなかったほか,甘ぐりの

インダノファン及びピメトロジン,はるさめのアザメチホ

スが目標値を満たさなかった.以上の結果より,ガイドラ

インの目標値を満たした品目は,アスパラガス水煮缶詰

95品目99化合物,甘ぐり91品目95化合物,スイート

コーン缶詰91品目93化合物,トマト缶詰92品目96化合

物,パイナップル缶詰95品目99化合物,パスタ92品目

96化合物,はるさめ89品目91化合物,マッシュルーム

水煮缶詰93品目97化合物,みかん缶詰94品目98化合物

及び桃缶詰94品目98化合物であった.

最後に,今回妥当性評価を実施した加工食品中の残留農

薬実体調査を行った.測定対象農薬は,妥当性評価試験に

おいて目標値を満たした品目,検体は,平成26年9月~

平成27年11月に道内で市販されていた計40検体とした.

検体数内訳は表4に示した.調査の結果,すべての検体か

ら測定対象化合物は検出されなかった.

今回開発した試験法は食品中の残留農薬一斉試験法とし

て有用であるため,本試験法の適用拡大を目指し,今後も

継続して妥当性評価を実施していく予定である.

文 献

1)厚生労働省ホームページ:食品に残留する農薬等に関する

新しい制度(ポジティブリスト制度)について,http://

www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/

zanryu2/dl/060516-1.pdf(確認:2016年5月30日)

2)厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知食安発1224第1

号「食品中に残留する農薬等に関する試験法の妥当性評価

ガイドラインの一部改正について」,平成22年12月24日

3)厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知食安発第0124001

号「食品中に残留する農薬,飼料添加物又は動物用医薬品

の成分である物質の試験法について」,平成17年1月24

4)Anastassiades M, Lehotay SJ, S)tajnbaher D, Schenck

FJ:Fast and easy multiresidue method employing

acetonitrile extraction/partitioning and “dispersive

solid-phase extraction” for the determination of

pesticide residue in produce.J.AOAC Int.,86(2),412-431

(2003)5)厚生労働省ホームページ:ポジティブリスト制について

(Q&A)加工食品についての質問,http://www.mhlw.

go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/zanryu2/dl/

060329-1g.pdf(確認:2016年5月30日)

6)秋山由美,矢野美穂,三橋隆夫,武田信幸,辻 正彦:固

相抽出法を用いた農産物中残留農薬のGC/MSによる多

成分一斉分析.食衛誌,37(6),351-362(1996)

7)Cairns T, Luke MA, Chiu KS, Navarro D, Siegmund

EG:Multiresidue pesticide analysis by ion-trap

technology:a clean-up approach for mass spectral

analysis.Rapid Commun.Mass Spectrom.,7(12),1070-

1076(1993)8)Lee SM, Papathakis ML, Feng HC, Hunter GF, Carr

JE:Multipesticide residue method for fruits and

vegetables:California department of food and

agriculture. Fresenius J. Anal. Chem., 339(6), 376-383

(1991)

― ―34

Page 7: LC-MS/MSを用いた農産加工食品中の残留農薬一斉 …...29 クロリダゾン クロリダゾン 222 104 25 77 34 30 クロロクスロン クロロクスロン 291 72

表3 妥当性評価結果

アスパラガス水煮缶詰 甘ぐり

No. 品目名 分析対象化合物名 真度(%)

併行精度(RSD%)

室内精度(RSD%)

真度(%)

併行精度(RSD%)

室内精度(RSD%)

1 アザメチホス アザメチホス 79.8 16.9 13.0 67.2 7.4 12.4

2 アジンホスメチル アジンホスメチル 101.8 4.4 5.1 97.5 6.4 5.9

3 アセフェート アセフェート 89.9 7.2 7.6 89.4 3.3 3.2

4 アゾキシストロビン アゾキシストロビン 105.6 4.4 7.1 93.9 6.5 6.4

5 アニロホス アニロホス 97.5 3.7 6.0 92.2 4.7 4.7

6 アメトリン アメトリン 92.1 3.4 2.7 99.5 4.7 4.4

7 イソプロカルブ イソプロカルブ 92.9 4.6 4.1 81.9 12.3 22.1

8 イプロバリカルブ イプロバリカルブ 103.4 3.6 4.6 96.6 3.1 3.0

9 イマザリル イマザリル 93.2 2.1 4.2 91.2 4.8 3.9

10 イミダクロプリド イミダクロプリド 99.5 2.5 6.0 90.4 3.5 3.0

11 インダノファン インダノファン 97.0 2.4 3.7 77.9 45.4 39.4

12 インドキサカルブ インドキサカルブ 92.1 3.9 7.7 78.2 6.2 6.7

13 エトキサゾール エトキサゾール 102.0 2.5 4.5 96.4 8.0 8.7

14 エポキシコナゾール エポキシコナゾール 93.0 1.9 6.0 89.8 2.5 3.1

15 オキサジクロメホン オキサジクロメホン 103.8 3.6 7.9 114.0 4.9 6.2

16 オキサミル オキサミル 100.1 2.5 4.5 98.4 4.1 5.3

17 オキシカルボキシン オキシカルボキシン 88.6 9.8 7.6 82.4 1.4 4.2

18 オメトエート オメトエート 96.0 2.2 4.7 90.5 2.4 3.4

19 カルバリル カルバリル 103.2 2.1 4.5 99.7 3.0 4.8

20 カルプロパミド カルプロパミド 93.0 3.8 5.1 92.0 5.5 6.2

21 カルベタミド カルベタミド 101.2 3.2 4.5 96.8 4.1 3.3

22 キザロホップエチル キザロホップエチル 100.1 4.7 7.8 102.3 8.0 8.0

23 クミルロン クミルロン 102.2 3.0 5.4 100.4 3.4 3.9

24 クロキントセットメチル クロキントセットメチル 100.3 2.4 5.8 102.2 6.9 8.6

25 クロジナホッププロパギル クロジナホッププロパギル 106.2 2.1 7.6 95.9 3.8 3.3

26 クロチアニジン クロチアニジン 98.5 2.1 4.8 85.2 4.4 3.7

27 クロフェンテジン クロフェンテジン 55.2 6.0 14.8 54.6 7.2 12.5

28 クロマフェノジド クロマフェノジド 101.2 1.8 4.0 94.8 5.9 4.8

29 クロリダゾン クロリダゾン 102.1 3.9 4.4 96.9 3.1 2.8

30 クロロクスロン クロロクスロン 102.4 4.1 5.1 107.4 1.9 2.2

31 シアゾファミド シアゾファミド 90.3 3.3 5.6 86.1 4.8 4.9

32 ジノテフラン ジノテフラン 100.1 1.9 4.8 97.1 2.7 2.5

33 シフルフェナミド シフルフェナミド 98.8 3.3 7.4 78.2 8.1 8.4

34 シプロジニル シプロジニル 96.9 2.7 4.8 96.9 7.2 6.1

35 シメコナゾール シメコナゾール 100.2 4.4 5.1 94.1 3.5 3.8

36 ジメチリモール ジメチリモール 93.4 2.0 4.6 99.2 5.3 7.0

37 ジメトモルフ ジメトモルフ 99.2 3.9 6.1 92.8 3.9 3.2

38 シモキサニル シモキサニル 93.4 5.7 8.5 80.4 3.0 6.0

39 スピノサド スピノシンA 110.0 3.1 5.8 93.7 11.0 12.9

スピノシンD 106.5 2.3 4.6 95.6 10.4 10.5

40 ダイムロン ダイムロン 93.8 2.3 6.0 98.5 3.0 3.0

41 チアクロプリド チアクロプリド 100.8 2.2 5.1 94.9 4.7 5.7

42 チアベンダゾール チアベンダゾール 93.5 19.9 34.3 24.3 81.2 267.2

43 チアメトキサム チアメトキサム 101.1 1.6 4.9 97.8 1.3 3.2

44 テトラクロロビンホス テトラクロロビンホス 102.2 6.9 6.8 88.3 4.6 7.8

45 テブチウロン テブチウロン 101.5 2.7 4.0 97.3 4.6 5.9

46 トリチコナゾール トリチコナゾール 97.5 4.3 6.2 94.1 3.2 3.8

47 トリフルミゾール トリフルミゾール 97.0 2.1 6.3 86.0 5.6 7.2

トリフルミゾール代謝物 98.2 4.3 5.4 90.1 1.8 5.0

48 トリフルムロン トリフルムロン 102.7 4.6 9.4 64.6 8.8 8.2

* :42 チアベンダゾールは選択性がすべての試料において許容範囲外- :感度不良のため定量不能

:ガイドラインの目標値を満足しないもの

― ―35

Page 8: LC-MS/MSを用いた農産加工食品中の残留農薬一斉 …...29 クロリダゾン クロリダゾン 222 104 25 77 34 30 クロロクスロン クロロクスロン 291 72

表3 妥当性評価結果(続き)

アスパラガス水煮缶詰 甘ぐり

No. 品目名 分析対象化合物名 真度(%)

併行精度(RSD%)

室内精度(RSD%)

真度(%)

併行精度(RSD%)

室内精度(RSD%)

49 トリフロキシストロビン トリフロキシストロビン 98.9 2.2 5.4 86.6 4.7 8.3

50 トリホリン トリホリン 98.9 1.9 4.4 93.6 3.7 3.4

51 ナプロアミリド ナプロアミリド 101.7 2.2 3.4 91.3 3.8 4.1

52 ピメトロジン ピメトロジン 76.6 5.8 9.2 14.2 89.0 107.9

53 ピラクロストロビン ピラクロストロビン 96.2 2.7 2.1 91.7 5.9 5.6

54 ピラゾキシフェン ピラゾキシフェン 99.6 1.5 5.6 89.3 5.1 5.0

55 ピラゾホス ピラゾホス 89.7 3.3 6.1 74.0 7.8 10.2

56 ピラゾリネート ピラゾリネート 68.1 16.3 12.1 - - -

57 ピリフタリド ピリフタリド 101.8 3.1 6.9 96.1 8.4 7.6

58 ピリミカルブ ピリミカルブ 98.4 2.3 5.0 96.4 5.8 4.9

59 ピリメタニル ピリメタニル 101.6 5.8 5.4 101.9 2.7 8.7

60 フェナミドン フェナミドン 102.8 3.4 5.7 96.4 4.6 4.6

61 フェノキシカルブ フェノキシカルブ 101.1 2.9 6.1 89.6 3.0 5.5

62 フェノブカルブ フェノブカルブ 96.8 5.2 4.5 85.7 14.5 21.2

63 フェンプロキシメート フェンプロキシメート(E) 100.9 5.3 6.0 86.9 8.0 9.3

64 フェンプロピモルフ フェンプロピモルフ 102.8 2.9 5.9 111.1 6.7 13.5

65 ブタフェナシル ブタフェナシル 100.5 3.5 6.1 93.2 4.9 4.0

66 フラムプロップメチル フラムプロップメチル 88.5 1.9 4.1 98.1 3.5 2.7

67 フラメトピル フラメトピル 91.9 2.6 4.6 97.2 3.8 3.6

68 フルアズロン フルアズロン 91.3 3.4 7.8 72.7 13.0 12.7

69 フルオピコリド フルオピコリド 86.9 2.5 3.0 94.5 2.0 4.2

70 フルオメツロン フルオメツロン 100.9 4.2 4.7 101.3 2.6 2.9

71 フルフェノクスロン フルフェノクスロン 93.4 4.5 5.2 68.6 12.6 13.7

72 フルベンジアミド フルベンジアミド 92.9 5.0 8.2 95.4 9.6 7.9

73 フルミクロラックペンチル フルミクロラックペンチル 103.4 4.3 5.8 102.4 10.9 8.7

74 フルリドン フルリドン 101.6 2.9 4.9 97.4 2.3 4.2

75 プロパキザホップ プロパキザホップ 96.3 3.2 8.3 88.0 8.0 12.8

76 プロパクロール プロパクロール 96.5 4.9 6.9 97.1 2.8 2.9

77 プロポキスル プロポキスル 94.6 2.8 4.1 97.8 3.1 3.1

78 ブロマシル ブロマシル 95.0 3.0 3.9 88.6 2.7 3.9

79 プロメトリン プロメトリン 98.7 1.3 5.8 96.4 2.2 3.1

80 ヘキサジノン ヘキサジノン 101.6 2.5 3.7 97.6 5.2 7.0

81 ベナラキシル ベナラキシル 102.0 1.7 5.9 92.8 2.8 4.2

82 ペンシクロン ペンシクロン 96.5 2.6 7.0 111.9 5.0 4.8

83 ベンゾフェナップ ベンゾフェナップ 97.4 4.0 5.0 104.0 5.1 9.2

84 ベンダイオカルブ ベンダイオカルブ 97.8 2.3 4.8 95.2 4.2 5.2

85 ベンチアバリカルブイソプロピル ベンチアバリカルブイソプロピル 86.0 2.1 3.0 99.6 2.7 2.8

86 ホキシム ホキシム 91.9 3.9 6.6 82.7 6.6 7.5

87 ボスカリド ボスカリド 102.1 3.1 9.0 87.5 6.4 4.8

88 ホスチアゼート ホスチアゼート 107.5 5.4 6.4 97.2 12.6 19.6

89 メタベンズチアズロン メタベンズチアズロン 101.8 2.1 5.2 101.5 3.1 4.2

90 メタミドホス メタミドホス 79.6 7.2 5.2 75.8 2.3 4.0

91 メタラキシル メタラキシル 101.2 2.4 4.7 99.5 1.6 3.5

92 メチオカルブ メチオカルブ 105.5 3.4 3.7 95.8 13.5 19.7

メチオカルブスルホキシド 105.6 3.7 4.3 95.2 11.2 19.8

メチオカルブスルホン 94.8 4.0 4.5 95.1 11.0 21.8

93 メトキシフェノジド メトキシフェノジド 83.3 3.4 4.0 96.9 5.6 5.0

94 メトコナゾール メトコナゾール 98.7 4.5 4.3 91.1 5.0 5.1

95 メビンホス メビンホス 95.8 3.1 4.2 96.9 3.5 4.7

96 メフェンピルジエチル メフェンピルジエチル 96.2 6.4 5.6 89.5 6.6 7.4

97 モノクロトホス モノクロトホス 106.5 3.8 3.4 96.2 12.8 18.2

98 モノリニュロン モノリニュロン 96.4 1.9 3.2 98.7 2.5 2.4

- :感度不良のため定量不能:ガイドラインの目標値を満足しないもの

― ―36

Page 9: LC-MS/MSを用いた農産加工食品中の残留農薬一斉 …...29 クロリダゾン クロリダゾン 222 104 25 77 34 30 クロロクスロン クロロクスロン 291 72

表3 妥当性評価結果(続き)

スイートコーン缶詰(ホールカーネルスタイル)

トマト缶詰

No. 品目名 分析対象化合物名真度(%)

併行精度(RSD%)

室内精度(RSD%)

真度(%)

併行精度(RSD%)

室内精度(RSD%)

1 アザメチホス アザメチホス 57.8 26.9 25.0 53.9 5.6 12.1

2 アジンホスメチル アジンホスメチル 100.4 6.6 6.4 97.8 3.2 3.1

3 アセフェート アセフェート 82.3 4.8 10.1 93.2 4.1 3.8

4 アゾキシストロビン アゾキシストロビン 104.4 4.7 6.7 99.3 5.2 5.2

5 アニロホス アニロホス 96.2 8.4 8.1 100.2 2.4 4.4

6 アメトリン アメトリン 105.1 7.4 7.0 98.4 5.4 4.3

7 イソプロカルブ イソプロカルブ 86.4 10.7 9.8 98.1 3.5 4.0

8 イプロバリカルブ イプロバリカルブ 104.0 9.6 8.2 100.1 4.4 3.4

9 イマザリル イマザリル 98.5 5.6 8.0 99.0 4.3 3.2

10 イミダクロプリド イミダクロプリド 93.7 6.4 5.6 55.2 3.7 4.0

11 インダノファン インダノファン 91.2 12.6 12.0 98.8 5.5 4.5

12 インドキサカルブ インドキサカルブ - - - 91.9 2.8 3.8

13 エトキサゾール エトキサゾール 104.5 8.2 12.0 86.1 4.4 3.8

14 エポキシコナゾール エポキシコナゾール 92.5 9.6 10.5 97.8 5.4 6.5

15 オキサジクロメホン オキサジクロメホン 117.2 3.9 8.5 96.7 4.3 5.1

16 オキサミル オキサミル 99.3 5.9 6.1 100.1 3.4 2.8

17 オキシカルボキシン オキシカルボキシン 88.5 4.8 7.4 76.3 3.6 5.3

18 オメトエート オメトエート 95.5 4.4 6.6 92.4 3.8 3.8

19 カルバリル カルバリル 89.5 7.7 11.0 99.9 3.9 3.7

20 カルプロパミド カルプロパミド 94.0 6.1 8.3 98.7 3.1 4.2

21 カルベタミド カルベタミド 102.8 4.7 4.8 98.7 4.1 4.0

22 キザロホップエチル キザロホップエチル 116.1 6.4 9.3 87.6 4.3 4.5

23 クミルロン クミルロン 104.3 10.7 9.1 100.5 2.6 4.8

24 クロキントセットメチル クロキントセットメチル 112.0 6.2 7.8 88.4 5.6 5.0

25 クロジナホッププロパギル クロジナホッププロパギル 101.4 10.3 9.8 99.5 4.1 3.4

26 クロチアニジン クロチアニジン 90.6 3.9 5.6 49.8 2.0 2.4

27 クロフェンテジン クロフェンテジン 58.7 8.0 20.8 54.6 9.5 10.8

28 クロマフェノジド クロマフェノジド 105.4 11.9 9.5 99.2 3.6 5.1

29 クロリダゾン クロリダゾン 95.4 5.7 5.7 90.6 4.6 4.2

30 クロロクスロン クロロクスロン 110.5 12.9 12.6 102.2 3.0 5.2

31 シアゾファミド シアゾファミド 88.6 10.1 11.8 96.8 5.9 5.7

32 ジノテフラン ジノテフラン 99.2 6.2 7.3 97.9 3.5 3.5

33 シフルフェナミド シフルフェナミド 97.3 15.6 12.9 96.4 4.6 5.8

34 シプロジニル シプロジニル - - - 102.4 4.4 4.4

35 シメコナゾール シメコナゾール 101.6 13.2 9.6 98.5 3.4 3.7

36 ジメチリモール ジメチリモール 102.1 6.2 7.4 100.8 3.9 3.9

37 ジメトモルフ ジメトモルフ 99.6 4.5 6.9 96.9 2.8 3.7

38 シモキサニル シモキサニル 87.1 7.2 8.2 81.0 5.0 4.7

39 スピノサド スピノシンA 119.8 7.0 8.0 101.8 4.5 5.3

スピノシンD 107.9 5.9 8.6 98.5 3.6 4.4

40 ダイムロン ダイムロン 104.8 10.5 9.8 101.0 3.2 3.4

41 チアクロプリド チアクロプリド 102.0 4.3 6.1 97.9 2.7 3.7

42 チアベンダゾール チアベンダゾール 79.4 15.0 58.8 106.7 47.6 55.3

43 チアメトキサム チアメトキサム 97.9 4.4 5.8 99.3 2.6 3.1

44 テトラクロロビンホス テトラクロロビンホス 94.7 11.6 14.0 97.6 8.8 6.9

45 テブチウロン テブチウロン 96.4 6.7 11.6 100.5 4.3 3.9

46 トリチコナゾール トリチコナゾール 101.6 11.2 9.0 96.6 3.2 5.1

47 トリフルミゾール トリフルミゾール 84.5 5.9 9.8 86.4 5.2 7.8

トリフルミゾール代謝物 102.6 10.0 9.7 94.3 4.8 3.6

48 トリフルムロン トリフルムロン 81.2 9.2 15.7 88.4 7.3 6.6

* :42 チアベンダゾールは選択性がすべての試料において許容範囲外- :感度不良のため定量不能

:ガイドラインの目標値を満足しないもの

― ―37

Page 10: LC-MS/MSを用いた農産加工食品中の残留農薬一斉 …...29 クロリダゾン クロリダゾン 222 104 25 77 34 30 クロロクスロン クロロクスロン 291 72

表3 妥当性評価結果(続き)

スイートコーン缶詰(ホールカーネルスタイル)

トマト缶詰

No. 品目名 分析対象化合物名真度(%)

併行精度(RSD%)

室内精度(RSD%)

真度(%)

併行精度(RSD%)

室内精度(RSD%)

49 トリフロキシストロビン トリフロキシストロビン 89.4 5.6 8.9 89.0 6.2 6.7

50 トリホリン トリホリン 97.0 7.1 10.4 94.8 2.2 3.2

51 ナプロアミリド ナプロアミリド 99.3 9.4 9.0 96.2 3.0 3.7

52 ピメトロジン ピメトロジン 75.1 5.7 8.8 75.9 4.3 7.2

53 ピラクロストロビン ピラクロストロビン 102.3 13.3 10.8 94.4 6.0 7.6

54 ピラゾキシフェン ピラゾキシフェン 95.9 7.3 8.0 97.6 6.5 6.1

55 ピラゾホス ピラゾホス 94.6 3.6 7.7 82.8 4.5 5.3

56 ピラゾリネート ピラゾリネート - - - 55.2 7.3 17.2

57 ピリフタリド ピリフタリド 102.0 5.2 5.5 99.2 3.0 3.9

58 ピリミカルブ ピリミカルブ 103.3 5.7 7.1 99.8 3.6 3.8

59 ピリメタニル ピリメタニル 106.7 13.2 10.8 96.2 6.0 7.2

60 フェナミドン フェナミドン 102.5 2.7 4.8 100.3 3.0 3.0

61 フェノキシカルブ フェノキシカルブ 93.1 12.9 11.3 96.8 4.1 4.3

62 フェノブカルブ フェノブカルブ 91.4 9.1 9.0 100.8 3.3 3.5

63 フェンプロキシメート フェンプロキシメート(E) 109.2 8.9 8.9 84.2 2.2 2.9

64 フェンプロピモルフ フェンプロピモルフ 117.3 4.8 10.0 94.1 3.0 3.1

65 ブタフェナシル ブタフェナシル 103.0 9.6 8.3 98.3 6.1 4.8

66 フラムプロップメチル フラムプロップメチル 105.2 10.9 9.4 99.5 3.6 4.1

67 フラメトピル フラメトピル 97.6 8.5 8.9 99.0 4.2 3.9

68 フルアズロン フルアズロン 89.2 8.9 10.7 86.3 12.6 10.7

69 フルオピコリド フルオピコリド 103.7 11.9 8.8 97.0 3.1 3.8

70 フルオメツロン フルオメツロン 102.4 7.3 8.3 92.3 18.4 18.5

71 フルフェノクスロン フルフェノクスロン 93.6 16.8 17.1 78.0 4.9 5.2

72 フルベンジアミド フルベンジアミド 96.2 13.5 10.7 95.0 6.9 7.7

73 フルミクロラックペンチル フルミクロラックペンチル 118.5 7.0 9.7 87.4 4.8 5.5

74 フルリドン フルリドン 105.1 5.5 6.5 100.7 4.0 4.4

75 プロパキザホップ プロパキザホップ 107.4 6.1 6.1 89.6 4.4 4.9

76 プロパクロール プロパクロール 109.7 5.2 6.6 96.1 3.4 2.5

77 プロポキスル プロポキスル 105.6 6.8 6.0 98.0 4.2 3.6

78 ブロマシル ブロマシル 87.6 6.4 6.1 90.0 4.1 5.1

79 プロメトリン プロメトリン 101.2 9.5 7.9 100.2 3.7 6.2

80 ヘキサジノン ヘキサジノン 101.6 10.2 7.4 100.8 3.2 3.1

81 ベナラキシル ベナラキシル 99.8 8.7 7.3 98.7 3.6 4.2

82 ペンシクロン ペンシクロン 119.7 12.7 12.9 92.9 4.1 4.0

83 ベンゾフェナップ ベンゾフェナップ 118.3 4.3 6.9 90.5 3.8 4.3

84 ベンダイオカルブ ベンダイオカルブ 101.8 7.8 9.2 97.6 2.6 3.8

85 ベンチアバリカルブイソプロピル ベンチアバリカルブイソプロピル 104.3 5.7 6.1 97.4 4.1 4.0

86 ホキシム ホキシム 91.0 12.3 11.5 93.3 1.6 6.7

87 ボスカリド ボスカリド 94.5 4.3 10.8 92.8 4.7 4.9

88 ホスチアゼート ホスチアゼート 100.0 5.4 8.3 106.4 3.6 3.6

89 メタベンズチアズロン メタベンズチアズロン 104.4 9.1 10.8 101.4 4.0 4.1

90 メタミドホス メタミドホス 82.1 4.6 8.5 74.1 4.9 6.8

91 メタラキシル メタラキシル 102.9 3.2 5.7 102.0 2.4 2.7

92 メチオカルブ メチオカルブ 99.9 7.3 7.3 106.9 4.8 4.8

メチオカルブスルホキシド 91.7 4.8 8.5 103.6 2.3 2.2

メチオカルブスルホン 66.9 6.2 16.4 107.9 4.7 7.2

93 メトキシフェノジド メトキシフェノジド 105.8 7.1 8.1 99.5 3.9 4.1

94 メトコナゾール メトコナゾール 91.4 5.8 6.7 97.1 3.8 3.4

95 メビンホス メビンホス 108.5 4.3 6.6 95.1 4.8 4.2

96 メフェンピルジエチル メフェンピルジエチル 99.2 12.4 9.0 98.4 3.7 3.7

97 モノクロトホス モノクロトホス 98.3 9.2 9.0 107.6 2.7 3.0

98 モノリニュロン モノリニュロン 103.8 7.8 8.3 99.9 6.0 5.6

- :感度不良のため定量不能:ガイドラインの目標値を満足しないもの

― ―38

Page 11: LC-MS/MSを用いた農産加工食品中の残留農薬一斉 …...29 クロリダゾン クロリダゾン 222 104 25 77 34 30 クロロクスロン クロロクスロン 291 72

表3 妥当性評価結果(続き)

パイナップル缶詰 パスタ

No. 品目名 分析対象化合物名 真度(%)

併行精度(RSD%)

室内精度(RSD%)

真度(%)

併行精度(RSD%)

室内精度(RSD%)

1 アザメチホス アザメチホス 74.1 8.8 9.8 77.6 11.4 10.2

2 アジンホスメチル アジンホスメチル 98.7 3.6 3.2 94.6 5.7 4.9

3 アセフェート アセフェート 92.1 4.4 5.1 74.9 11.9 15.7

4 アゾキシストロビン アゾキシストロビン 101.2 2.8 3.8 101.4 4.0 4.4

5 アニロホス アニロホス 98.5 1.4 3.7 94.5 3.7 3.7

6 アメトリン アメトリン 101.5 1.9 1.8 96.7 5.5 5.0

7 イソプロカルブ イソプロカルブ 91.4 6.6 6.0 92.0 7.9 13.8

8 イプロバリカルブ イプロバリカルブ 102.2 1.3 1.8 98.1 6.3 5.5

9 イマザリル イマザリル 91.3 4.8 5.3 90.8 9.6 9.3

10 イミダクロプリド イミダクロプリド 71.9 3.9 4.6 84.6 4.6 4.3

11 インダノファン インダノファン 97.5 6.2 6.4 93.6 6.5 6.6

12 インドキサカルブ インドキサカルブ 93.0 6.0 6.8 57.9 5.4 6.3

13 エトキサゾール エトキサゾール 84.4 3.6 3.1 94.1 1.5 2.2

14 エポキシコナゾール エポキシコナゾール 98.5 3.1 2.8 85.3 6.8 4.9

15 オキサジクロメホン オキサジクロメホン 91.4 3.3 3.9 88.8 3.0 7.1

16 オキサミル オキサミル 99.8 1.8 2.0 97.7 4.8 4.3

17 オキシカルボキシン オキシカルボキシン 88.8 3.0 3.1 84.9 6.8 6.3

18 オメトエート オメトエート 93.7 1.6 3.1 91.3 4.6 4.5

19 カルバリル カルバリル 101.4 1.5 2.4 97.8 4.7 4.0

20 カルプロパミド カルプロパミド 98.3 4.4 4.1 93.0 6.6 5.7

21 カルベタミド カルベタミド 97.8 0.7 2.7 97.3 3.8 5.4

22 キザロホップエチル キザロホップエチル 85.8 5.5 6.3 85.3 1.9 4.8

23 クミルロン クミルロン 102.6 2.5 2.5 98.3 5.5 5.8

24 クロキントセットメチル クロキントセットメチル 86.5 2.0 2.0 99.7 3.8 3.5

25 クロジナホッププロパギル クロジナホッププロパギル 97.2 3.6 2.6 98.4 5.0 4.0

26 クロチアニジン クロチアニジン 67.7 4.2 4.0 88.0 3.8 4.2

27 クロフェンテジン クロフェンテジン 37.4 11.6 22.4 37.2 14.1 29.9

28 クロマフェノジド クロマフェノジド 102.6 3.7 3.8 95.5 4.9 3.8

29 クロリダゾン クロリダゾン 100.5 3.2 2.4 96.9 3.8 5.0

30 クロロクスロン クロロクスロン 104.7 3.5 2.8 91.0 9.8 8.2

31 シアゾファミド シアゾファミド 97.5 3.1 3.8 89.6 4.2 4.0

32 ジノテフラン ジノテフラン 97.6 1.0 1.6 95.8 3.7 4.0

33 シフルフェナミド シフルフェナミド 95.1 4.4 3.8 88.3 5.5 6.2

34 シプロジニル シプロジニル 98.5 1.8 3.3 92.2 3.7 6.0

35 シメコナゾール シメコナゾール 101.9 4.0 4.6 87.5 7.6 6.3

36 ジメチリモール ジメチリモール 96.3 2.7 4.8 92.9 4.9 4.3

37 ジメトモルフ ジメトモルフ 98.7 1.4 2.9 91.4 5.1 5.3

38 シモキサニル シモキサニル 89.0 3.7 6.4 75.8 5.7 5.5

39 スピノサド スピノシンA 93.8 3.0 4.1 94.0 1.9 4.4

スピノシンD 90.2 1.1 3.0 88.4 2.2 4.8

40 ダイムロン ダイムロン 102.7 2.5 3.1 97.8 7.4 7.6

41 チアクロプリド チアクロプリド 98.1 2.1 2.0 95.7 4.5 6.0

42 チアベンダゾール チアベンダゾール 85.7 9.9 25.9 166.9 55.0 84.7

43 チアメトキサム チアメトキサム 101.9 1.0 1.1 96.3 4.2 4.4

44 テトラクロロビンホス テトラクロロビンホス 98.7 4.7 4.3 94.2 7.3 6.0

45 テブチウロン テブチウロン 100.8 2.0 2.0 97.2 4.8 5.9

46 トリチコナゾール トリチコナゾール 98.5 2.6 2.6 80.7 6.9 6.7

47 トリフルミゾール トリフルミゾール 80.1 5.1 18.0 82.7 4.8 3.7

トリフルミゾール代謝物 84.7 4.9 19.2 85.9 11.7 10.5

48 トリフルムロン トリフルムロン 88.9 5.3 5.3 61.7 9.2 10.3

* :42 チアベンダゾールは選択性がすべての試料において許容範囲外- :感度不良のため定量不能

:ガイドラインの目標値を満足しないもの

― ―39

Page 12: LC-MS/MSを用いた農産加工食品中の残留農薬一斉 …...29 クロリダゾン クロリダゾン 222 104 25 77 34 30 クロロクスロン クロロクスロン 291 72

表3 妥当性評価結果(続き)

パイナップル缶詰 パスタ

No. 品目名 分析対象化合物名 真度(%)

併行精度(RSD%)

室内精度(RSD%)

真度(%)

併行精度(RSD%)

室内精度(RSD%)

49 トリフロキシストロビン トリフロキシストロビン 91.6 5.6 5.2 91.7 3.1 3.0

50 トリホリン トリホリン 95.5 2.1 3.2 78.4 6.3 5.1

51 ナプロアミリド ナプロアミリド 96.6 4.6 4.5 91.8 5.1 5.0

52 ピメトロジン ピメトロジン 64.6 7.3 9.5 50.4 16.7 15.5

53 ピラクロストロビン ピラクロストロビン 93.7 2.8 3.8 94.2 6.3 5.5

54 ピラゾキシフェン ピラゾキシフェン 98.4 3.5 4.2 77.0 2.8 5.5

55 ピラゾホス ピラゾホス 87.4 6.7 7.6 76.3 4.1 6.8

56 ピラゾリネート ピラゾリネート 76.0 11.5 11.5 56.1 18.1 17.4

57 ピリフタリド ピリフタリド 100.6 2.2 2.6 99.0 4.1 5.9

58 ピリミカルブ ピリミカルブ 100.2 2.4 2.4 95.8 5.0 5.3

59 ピリメタニル ピリメタニル 102.6 6.6 5.2 98.1 8.4 9.4

60 フェナミドン フェナミドン 99.0 1.8 3.1 92.4 6.2 6.4

61 フェノキシカルブ フェノキシカルブ 94.9 2.8 4.2 82.5 6.7 4.9

62 フェノブカルブ フェノブカルブ 95.3 4.8 7.0 94.9 8.3 13.4

63 フェンプロキシメート フェンプロキシメート(E) 84.1 3.9 3.6 84.9 4.5 4.0

64 フェンプロピモルフ フェンプロピモルフ 88.5 3.0 2.5 96.6 2.9 3.2

65 ブタフェナシル ブタフェナシル 101.0 3.0 3.9 95.0 4.2 7.0

66 フラムプロップメチル フラムプロップメチル 100.4 2.1 2.5 95.0 5.3 5.1

67 フラメトピル フラメトピル 99.6 2.3 2.6 95.2 5.4 4.3

68 フルアズロン フルアズロン 82.6 5.4 5.5 67.0 2.8 7.9

69 フルオピコリド フルオピコリド 102.6 2.7 2.4 94.4 6.5 4.9

70 フルオメツロン フルオメツロン 94.1 19.8 20.8 95.3 5.9 5.4

71 フルフェノクスロン フルフェノクスロン 78.1 7.3 7.3 75.3 5.8 7.6

72 フルベンジアミド フルベンジアミド 96.3 5.3 5.2 90.7 5.5 6.0

73 フルミクロラックペンチル フルミクロラックペンチル 89.3 4.1 8.0 85.3 3.1 3.7

74 フルリドン フルリドン 99.3 5.1 4.6 97.2 4.6 5.9

75 プロパキザホップ プロパキザホップ 85.1 3.5 4.3 90.6 1.6 3.4

76 プロパクロール プロパクロール 91.2 2.4 2.8 92.1 4.8 6.6

77 プロポキスル プロポキスル 98.8 1.6 2.1 96.8 3.2 4.2

78 ブロマシル ブロマシル 94.3 3.1 2.9 89.7 5.6 5.3

79 プロメトリン プロメトリン 99.0 1.9 1.5 96.2 6.7 6.4

80 ヘキサジノン ヘキサジノン 102.5 2.2 2.0 96.5 4.0 4.4

81 ベナラキシル ベナラキシル 100.4 1.6 3.1 93.5 4.6 4.6

82 ペンシクロン ペンシクロン 94.4 5.0 3.9 88.2 4.6 4.1

83 ベンゾフェナップ ベンゾフェナップ 91.7 3.2 4.4 80.7 1.8 4.8

84 ベンダイオカルブ ベンダイオカルブ 98.7 0.9 1.5 96.6 3.5 4.3

85 ベンチアバリカルブイソプロピル ベンチアバリカルブイソプロピル 100.5 2.3 3.0 97.6 5.2 4.0

86 ホキシム ホキシム 91.1 5.3 4.6 91.5 3.0 3.3

87 ボスカリド ボスカリド 96.0 5.9 5.7 86.0 5.5 4.9

88 ホスチアゼート ホスチアゼート 101.7 3.9 6.4 100.8 9.0 12.9

89 メタベンズチアズロン メタベンズチアズロン 101.5 3.7 2.8 96.7 6.1 6.3

90 メタミドホス メタミドホス 70.5 4.2 3.6 76.8 6.5 6.2

91 メタラキシル メタラキシル 100.8 1.9 2.1 98.0 6.3 6.2

92 メチオカルブ メチオカルブ 103.0 4.6 6.8 95.3 8.1 13.7

メチオカルブスルホキシド 99.8 4.7 6.4 97.3 8.8 14.5

メチオカルブスルホン 107.7 7.2 13.7 82.3 9.0 18.0

93 メトキシフェノジド メトキシフェノジド 100.8 0.8 1.9 96.7 6.1 4.9

94 メトコナゾール メトコナゾール 98.3 2.6 3.2 75.9 7.4 5.5

95 メビンホス メビンホス 93.3 1.9 1.8 93.4 3.0 3.8

96 メフェンピルジエチル メフェンピルジエチル 97.9 2.7 4.8 92.7 5.7 4.6

97 モノクロトホス モノクロトホス 101.9 4.5 6.2 98.1 8.4 14.4

98 モノリニュロン モノリニュロン 99.6 2.4 2.4 96.8 4.8 6.2

- :感度不良のため定量不能:ガイドラインの目標値を満足しないもの

― ―40

Page 13: LC-MS/MSを用いた農産加工食品中の残留農薬一斉 …...29 クロリダゾン クロリダゾン 222 104 25 77 34 30 クロロクスロン クロロクスロン 291 72

表3 妥当性評価結果(続き)

はるさめ マッシュルーム水煮缶詰

No. 品目名 分析対象化合物名 真度(%)

併行精度(RSD%)

室内精度(RSD%)

真度(%)

併行精度(RSD%)

室内精度(RSD%)

1 アザメチホス アザメチホス 43.5 9.4 31.0 66.8 9.6 17.8

2 アジンホスメチル アジンホスメチル 97.4 10.0 10.4 84.9 4.7 15.0

3 アセフェート アセフェート 84.7 1.6 4.3 81.8 2.8 14.4

4 アゾキシストロビン アゾキシストロビン 103.6 10.6 12.7 88.0 4.2 13.3

5 アニロホス アニロホス 92.9 9.0 9.2 88.2 5.1 14.4

6 アメトリン アメトリン 97.8 9.1 9.1 90.4 4.2 11.7

7 イソプロカルブ イソプロカルブ 93.6 6.2 10.8 94.7 2.9 4.7

8 イプロバリカルブ イプロバリカルブ 97.4 9.3 11.1 89.1 1.5 14.8

9 イマザリル イマザリル 89.4 5.8 9.7 89.7 3.3 17.8

10 イミダクロプリド イミダクロプリド 96.4 2.3 6.8 86.6 2.6 12.9

11 インダノファン インダノファン 89.3 11.6 9.2 84.6 6.5 13.1

12 インドキサカルブ インドキサカルブ - - - 79.1 7.0 14.7

13 エトキサゾール エトキサゾール 98.4 9.1 9.5 87.5 0.8 12.0

14 エポキシコナゾール エポキシコナゾール 88.8 11.2 13.2 83.9 2.5 13.3

15 オキサジクロメホン オキサジクロメホン 108.1 4.4 9.9 90.3 4.7 15.3

16 オキサミル オキサミル 94.7 3.0 4.9 85.7 4.0 15.0

17 オキシカルボキシン オキシカルボキシン 82.2 3.1 11.9 75.2 7.1 15.2

18 オメトエート オメトエート 84.9 2.8 3.5 83.3 4.3 12.8

19 カルバリル カルバリル 95.2 3.5 4.9 90.1 3.2 12.7

20 カルプロパミド カルプロパミド 91.8 14.3 13.2 90.1 3.9 16.5

21 カルベタミド カルベタミド 98.1 9.0 12.5 88.0 3.2 13.4

22 キザロホップエチル キザロホップエチル 106.1 7.0 13.7 87.9 5.2 15.7

23 クミルロン クミルロン 96.8 6.7 10.6 87.4 2.5 13.3

24 クロキントセットメチル クロキントセットメチル 106.1 7.1 6.5 90.2 6.1 13.2

25 クロジナホッププロパギル クロジナホッププロパギル 91.5 12.4 11.4 89.5 4.5 15.6

26 クロチアニジン クロチアニジン 97.2 3.8 8.4 87.1 1.6 12.1

27 クロフェンテジン クロフェンテジン 55.5 12.6 16.2 57.0 5.7 15.5

28 クロマフェノジド クロマフェノジド 97.4 10.8 13.3 87.0 0.8 14.0

29 クロリダゾン クロリダゾン 93.6 2.9 9.4 71.1 3.1 11.8

30 クロロクスロン クロロクスロン 99.2 9.9 12.9 89.0 4.0 15.2

31 シアゾファミド シアゾファミド 78.6 7.0 5.6 82.4 1.5 15.6

32 ジノテフラン ジノテフラン 92.9 1.7 5.8 88.1 2.7 11.3

33 シフルフェナミド シフルフェナミド 88.3 14.7 12.9 85.4 5.5 13.3

34 シプロジニル シプロジニル - - - 92.3 4.7 16.6

35 シメコナゾール シメコナゾール 95.5 10.5 14.7 84.4 0.7 14.2

36 ジメチリモール ジメチリモール 90.4 6.8 13.7 89.3 2.7 12.1

37 ジメトモルフ ジメトモルフ 96.3 8.6 11.8 85.5 2.6 13.2

38 シモキサニル シモキサニル 88.0 2.6 4.0 79.8 2.5 13.6

39 スピノサド スピノシンA 93.9 8.9 19.7 91.5 3.3 14.3

スピノシンD 91.4 7.2 13.6 92.7 3.4 14.7

40 ダイムロン ダイムロン 98.0 8.6 11.4 87.4 4.8 14.2

41 チアクロプリド チアクロプリド 97.6 2.4 11.7 84.7 3.0 12.7

42 チアベンダゾール チアベンダゾール 121.5 73.2 74.9 107.0 41.5 38.7

43 チアメトキサム チアメトキサム 98.5 2.5 9.0 86.7 3.1 11.8

44 テトラクロロビンホス テトラクロロビンホス 91.5 10.1 12.0 89.8 2.7 14.1

45 テブチウロン テブチウロン 97.9 8.4 9.1 89.9 3.1 13.2

46 トリチコナゾール トリチコナゾール 92.3 9.7 13.6 85.2 1.9 14.1

47 トリフルミゾール トリフルミゾール 91.4 4.1 8.0 81.8 4.3 17.7

トリフルミゾール代謝物 92.3 9.7 11.2 85.8 2.2 14.3

48 トリフルムロン トリフルムロン 83.0 9.6 11.1 85.9 7.6 14.5

* :42 チアベンダゾールは選択性がすべての試料において許容範囲外- :感度不良のため定量不能

:ガイドラインの目標値を満足しないもの

― ―41

Page 14: LC-MS/MSを用いた農産加工食品中の残留農薬一斉 …...29 クロリダゾン クロリダゾン 222 104 25 77 34 30 クロロクスロン クロロクスロン 291 72

表3 妥当性評価結果(続き)

はるさめ マッシュルーム水煮缶詰

No. 品目名 分析対象化合物名 真度(%)

併行精度(RSD%)

室内精度(RSD%)

真度(%)

併行精度(RSD%)

室内精度(RSD%)

49 トリフロキシストロビン トリフロキシストロビン 95.4 4.1 7.2 85.4 4.0 12.3

50 トリホリン トリホリン 101.4 6.4 9.8 79.7 3.8 12.6

51 ナプロアミリド ナプロアミリド 97.3 15.1 15.8 85.2 4.9 14.7

52 ピメトロジン ピメトロジン 63.9 6.2 12.5 56.0 8.2 24.0

53 ピラクロストロビン ピラクロストロビン 97.1 15.6 15.4 89.2 5.7 15.2

54 ピラゾキシフェン ピラゾキシフェン 92.0 6.3 7.6 87.4 3.7 14.8

55 ピラゾホス ピラゾホス 88.8 19.2 15.1 78.9 4.3 12.8

56 ピラゾリネート ピラゾリネート - - - 40.9 9.8 23.0

57 ピリフタリド ピリフタリド 98.0 7.1 13.1 89.0 3.0 13.4

58 ピリミカルブ ピリミカルブ 96.1 5.3 9.9 88.8 3.7 13.5

59 ピリメタニル ピリメタニル 100.4 14.3 13.6 89.8 4.4 13.2

60 フェナミドン フェナミドン 100.2 10.9 16.8 84.6 3.6 14.1

61 フェノキシカルブ フェノキシカルブ 96.9 25.6 21.0 88.1 4.5 13.7

62 フェノブカルブ フェノブカルブ 100.3 6.1 11.1 98.0 3.0 4.7

63 フェンプロキシメート フェンプロキシメート(E) 98.8 12.0 11.4 84.6 4.6 15.0

64 フェンプロピモルフ フェンプロピモルフ 110.3 13.2 15.9 89.9 3.6 12.8

65 ブタフェナシル ブタフェナシル 96.4 7.2 12.5 85.1 2.6 15.0

66 フラムプロップメチル フラムプロップメチル 94.7 8.8 12.7 87.2 3.5 15.5

67 フラメトピル フラメトピル 98.4 7.0 9.4 88.7 3.1 12.9

68 フルアズロン フルアズロン 88.0 17.7 18.2 76.7 7.3 16.3

69 フルオピコリド フルオピコリド 96.9 13.7 14.9 85.3 4.1 12.8

70 フルオメツロン フルオメツロン 98.6 5.4 7.4 88.9 2.4 13.2

71 フルフェノクスロン フルフェノクスロン 86.9 21.1 17.1 77.2 10.8 17.0

72 フルベンジアミド フルベンジアミド 90.5 9.1 11.1 82.3 3.4 14.3

73 フルミクロラックペンチル フルミクロラックペンチル 107.6 4.8 8.3 83.3 4.6 14.3

74 フルリドン フルリドン 101.3 7.5 12.2 86.2 4.0 15.0

75 プロパキザホップ プロパキザホップ 104.1 8.3 9.6 89.1 1.9 12.8

76 プロパクロール プロパクロール 93.2 4.9 7.9 84.0 2.9 13.4

77 プロポキスル プロポキスル 96.5 7.2 10.4 88.6 2.6 12.3

78 ブロマシル ブロマシル 92.0 5.5 6.7 83.1 3.8 12.8

79 プロメトリン プロメトリン 93.2 5.5 6.6 88.3 3.4 12.0

80 ヘキサジノン ヘキサジノン 95.9 5.0 9.8 90.2 2.1 12.5

81 ベナラキシル ベナラキシル 96.4 9.1 8.2 91.1 1.4 14.5

82 ペンシクロン ペンシクロン 107.7 11.0 11.3 85.2 4.7 12.6

83 ベンゾフェナップ ベンゾフェナップ 108.8 7.2 9.7 85.1 5.2 13.3

84 ベンダイオカルブ ベンダイオカルブ 83.4 8.4 10.5 88.2 2.8 11.3

85 ベンチアバリカルブイソプロピル ベンチアバリカルブイソプロピル 98.3 6.6 10.2 87.7 3.3 15.1

86 ホキシム ホキシム 80.6 10.6 10.8 82.8 3.6 15.1

87 ボスカリド ボスカリド 95.3 9.0 13.3 79.9 5.4 15.7

88 ホスチアゼート ホスチアゼート 102.7 8.1 18.8 102.5 4.0 7.8

89 メタベンズチアズロン メタベンズチアズロン 99.6 10.1 14.7 87.1 3.4 13.5

90 メタミドホス メタミドホス 72.8 1.9 5.6 70.9 6.5 12.4

91 メタラキシル メタラキシル 97.8 5.6 10.5 88.0 2.3 13.5

92 メチオカルブ メチオカルブ 113.2 6.2 11.6 102.0 2.3 4.1

メチオカルブスルホキシド 97.7 6.5 14.0 101.6 3.6 4.6

メチオカルブスルホン 69.6 15.5 32.3 88.5 3.5 5.0

93 メトキシフェノジド メトキシフェノジド 97.9 7.6 10.3 89.9 3.6 14.6

94 メトコナゾール メトコナゾール 89.2 10.5 10.9 85.5 5.6 17.7

95 メビンホス メビンホス 87.4 3.5 4.0 84.0 1.9 11.7

96 メフェンピルジエチル メフェンピルジエチル 91.1 8.1 9.1 92.3 4.7 15.8

97 モノクロトホス モノクロトホス 112.9 5.7 13.3 103.3 3.1 5.4

98 モノリニュロン モノリニュロン 95.7 5.2 7.6 87.4 2.5 11.6

- :感度不良のため定量不能:ガイドラインの目標値を満足しないもの

― ―42

Page 15: LC-MS/MSを用いた農産加工食品中の残留農薬一斉 …...29 クロリダゾン クロリダゾン 222 104 25 77 34 30 クロロクスロン クロロクスロン 291 72

表3 妥当性評価結果(続き)

みかん缶詰 桃缶詰

No. 品目名 分析対象化合物名 真度(%)

併行精度(RSD%)

室内精度(RSD%)

真度(%)

併行精度(RSD%)

室内精度(RSD%)

1 アザメチホス アザメチホス 74.5 4.3 12.4 66.9 7.1 27.0

2 アジンホスメチル アジンホスメチル 102.9 3.1 3.1 100.6 2.9 4.4

3 アセフェート アセフェート 89.4 2.6 4.5 85.1 1.3 5.4

4 アゾキシストロビン アゾキシストロビン 103.7 3.1 4.3 103.8 3.1 5.2

5 アニロホス アニロホス 104.5 2.6 3.5 101.2 5.7 6.9

6 アメトリン アメトリン 104.2 2.9 2.3 100.5 5.3 5.1

7 イソプロカルブ イソプロカルブ 96.0 3.6 3.8 94.4 4.1 5.0

8 イプロバリカルブ イプロバリカルブ 104.6 2.8 3.3 99.7 2.5 2.5

9 イマザリル イマザリル 93.2 5.1 5.3 93.7 4.8 5.3

10 イミダクロプリド イミダクロプリド 101.6 2.6 3.6 94.2 2.6 3.1

11 インダノファン インダノファン 101.5 3.7 3.1 95.8 2.8 6.4

12 インドキサカルブ インドキサカルブ 99.5 2.3 4.8 94.8 4.0 7.0

13 エトキサゾール エトキサゾール 100.7 3.1 4.0 95.5 5.1 10.2

14 エポキシコナゾール エポキシコナゾール 101.2 4.5 8.3 84.1 8.2 10.0

15 オキサジクロメホン オキサジクロメホン 103.3 3.0 5.1 99.1 4.1 5.1

16 オキサミル オキサミル 101.4 3.3 3.5 97.6 2.7 3.2

17 オキシカルボキシン オキシカルボキシン 86.9 2.9 5.5 78.2 2.6 14.3

18 オメトエート オメトエート 94.0 1.8 2.3 87.9 2.1 5.2

19 カルバリル カルバリル 102.3 2.2 4.6 99.1 2.9 3.1

20 カルプロパミド カルプロパミド 103.8 3.1 3.0 100.4 4.4 5.7

21 カルベタミド カルベタミド 103.8 4.1 4.0 99.6 2.8 3.4

22 キザロホップエチル キザロホップエチル 100.8 1.9 2.8 98.5 3.8 8.5

23 クミルロン クミルロン 103.8 1.5 3.5 99.3 3.3 2.9

24 クロキントセットメチル クロキントセットメチル 102.8 4.2 3.8 101.9 5.0 7.2

25 クロジナホッププロパギル クロジナホッププロパギル 105.5 1.4 3.3 100.5 3.6 3.5

26 クロチアニジン クロチアニジン 102.3 2.4 3.2 94.3 2.8 4.5

27 クロフェンテジン クロフェンテジン 58.0 13.8 12.1 61.9 4.5 16.6

28 クロマフェノジド クロマフェノジド 102.8 3.3 3.5 102.5 4.3 7.3

29 クロリダゾン クロリダゾン 102.3 2.2 3.8 97.1 3.8 3.7

30 クロロクスロン クロロクスロン 105.9 2.9 3.2 103.8 1.8 4.5

31 シアゾファミド シアゾファミド 99.4 5.1 5.3 85.7 6.0 7.6

32 ジノテフラン ジノテフラン 101.7 2.4 2.4 96.3 2.3 2.5

33 シフルフェナミド シフルフェナミド 102.9 3.2 3.7 95.1 3.2 5.8

34 シプロジニル シプロジニル 105.3 4.1 3.6 104.0 4.5 4.6

35 シメコナゾール シメコナゾール 102.1 2.5 3.6 99.9 1.3 5.1

36 ジメチリモール ジメチリモール 98.8 2.5 4.0 95.3 2.2 4.8

37 ジメトモルフ ジメトモルフ 102.9 1.4 3.7 101.2 3.7 6.1

38 シモキサニル シモキサニル 96.9 4.1 4.2 88.2 4.8 4.9

39 スピノサド スピノシンA 118.5 3.1 3.8 109.1 2.4 3.5

スピノシンD 118.1 1.8 1.9 109.3 1.5 4.3

40 ダイムロン ダイムロン 104.9 3.9 4.5 101.1 3.7 5.0

41 チアクロプリド チアクロプリド 102.7 3.0 4.0 99.0 2.8 3.0

42 チアベンダゾール チアベンダゾール 109.9 25.0 32.4 96.8 13.8 17.1

43 チアメトキサム チアメトキサム 102.0 1.7 2.9 99.4 3.0 3.1

44 テトラクロロビンホス テトラクロロビンホス 103.3 3.8 6.2 97.8 4.1 5.6

45 テブチウロン テブチウロン 103.6 4.2 4.9 100.9 5.5 4.7

46 トリチコナゾール トリチコナゾール 102.4 2.9 2.7 96.6 1.4 2.1

47 トリフルミゾール トリフルミゾール 96.2 2.5 5.2 94.5 3.2 3.4

トリフルミゾール代謝物 100.1 3.8 4.4 94.2 3.3 6.6

48 トリフルムロン トリフルムロン 105.0 4.8 5.6 97.3 6.2 7.5

* :42 チアベンダゾールは選択性がすべての試料において許容範囲外- :感度不良のため定量不能

:ガイドラインの目標値を満足しないもの

― ―43

Page 16: LC-MS/MSを用いた農産加工食品中の残留農薬一斉 …...29 クロリダゾン クロリダゾン 222 104 25 77 34 30 クロロクスロン クロロクスロン 291 72

表3 妥当性評価結果(続き)

みかん缶詰 桃缶詰

No. 品目名 分析対象化合物名 真度(%)

併行精度(RSD%)

室内精度(RSD%)

真度(%)

併行精度(RSD%)

室内精度(RSD%)

49 トリフロキシストロビン トリフロキシストロビン 101.8 1.4 3.0 96.5 4.1 4.9

50 トリホリン トリホリン 99.2 2.4 4.7 99.0 2.5 3.7

51 ナプロアミリド ナプロアミリド 101.4 3.0 5.2 97.4 1.6 2.9

52 ピメトロジン ピメトロジン 47.2 8.2 13.7 41.5 16.7 15.2

53 ピラクロストロビン ピラクロストロビン 106.3 2.2 3.6 99.5 7.7 8.0

54 ピラゾキシフェン ピラゾキシフェン 103.1 2.7 4.5 99.1 5.1 5.2

55 ピラゾホス ピラゾホス 91.2 4.2 4.6 86.4 5.6 5.6

56 ピラゾリネート ピラゾリネート 64.8 3.6 6.6 53.1 10.8 32.7

57 ピリフタリド ピリフタリド 104.4 5.1 4.6 102.7 3.0 7.6

58 ピリミカルブ ピリミカルブ 100.4 2.2 4.1 98.4 2.3 3.6

59 ピリメタニル ピリメタニル 101.5 2.6 3.5 98.8 1.4 3.2

60 フェナミドン フェナミドン 102.5 2.5 3.4 100.2 2.7 5.3

61 フェノキシカルブ フェノキシカルブ 106.1 3.1 3.4 98.2 1.6 3.5

62 フェノブカルブ フェノブカルブ 99.2 3.4 3.4 97.9 2.4 4.1

63 フェンプロキシメート フェンプロキシメート(E) 103.2 3.0 2.8 98.5 3.0 6.2

64 フェンプロピモルフ フェンプロピモルフ 100.9 3.8 3.0 101.3 1.5 5.0

65 ブタフェナシル ブタフェナシル 104.1 2.4 2.6 100.5 3.7 4.7

66 フラムプロップメチル フラムプロップメチル 103.9 1.6 3.4 103.1 6.2 5.4

67 フラメトピル フラメトピル 102.6 1.9 2.4 98.8 2.7 3.5

68 フルアズロン フルアズロン 99.0 4.8 5.1 89.7 3.0 6.6

69 フルオピコリド フルオピコリド 104.6 4.9 6.2 101.2 2.9 4.0

70 フルオメツロン フルオメツロン 103.2 2.3 3.5 100.4 1.7 3.2

71 フルフェノクスロン フルフェノクスロン 100.5 4.2 4.7 86.7 1.8 4.0

72 フルベンジアミド フルベンジアミド 101.3 2.4 4.4 95.4 3.5 5.9

73 フルミクロラックペンチル フルミクロラックペンチル 102.0 4.3 4.5 95.8 2.9 4.1

74 フルリドン フルリドン 103.5 3.8 5.9 99.4 4.7 4.3

75 プロパキザホップ プロパキザホップ 104.4 3.2 3.2 102.7 2.8 7.7

76 プロパクロール プロパクロール 95.3 3.2 5.2 95.8 3.8 3.9

77 プロポキスル プロポキスル 100.6 3.6 4.1 98.9 2.7 3.3

78 ブロマシル ブロマシル 71.0 1.7 4.1 88.0 2.1 4.9

79 プロメトリン プロメトリン 105.1 1.9 5.6 99.1 2.0 4.3

80 ヘキサジノン ヘキサジノン 103.1 3.1 4.7 100.3 2.6 3.0

81 ベナラキシル ベナラキシル 105.9 2.5 3.5 101.5 6.0 5.3

82 ペンシクロン ペンシクロン 101.4 2.1 4.7 97.8 2.5 5.3

83 ベンゾフェナップ ベンゾフェナップ 100.2 2.3 4.2 96.4 3.6 5.7

84 ベンダイオカルブ ベンダイオカルブ 101.8 2.3 3.3 99.1 1.9 3.6

85 ベンチアバリカルブイソプロピル ベンチアバリカルブイソプロピル 104.5 4.8 7.6 103.0 3.5 3.9

86 ホキシム ホキシム 94.6 3.4 6.1 87.5 3.1 4.8

87 ボスカリド ボスカリド 100.4 3.8 5.6 100.4 4.2 5.9

88 ホスチアゼート ホスチアゼート 108.1 1.9 4.1 111.1 3.4 3.9

89 メタベンズチアズロン メタベンズチアズロン 103.3 1.4 2.6 100.7 2.3 2.7

90 メタミドホス メタミドホス 77.2 3.1 4.1 75.5 1.4 9.8

91 メタラキシル メタラキシル 102.7 2.6 3.4 100.0 2.0 3.0

92 メチオカルブ メチオカルブ 107.9 1.7 3.6 107.1 4.5 4.2

メチオカルブスルホキシド 101.3 3.3 3.8 104.7 4.6 3.8

メチオカルブスルホン 96.4 5.8 6.5 103.0 5.3 4.4

93 メトキシフェノジド メトキシフェノジド 104.1 3.1 3.1 101.5 5.7 6.0

94 メトコナゾール メトコナゾール 102.4 1.4 3.9 97.8 5.5 4.8

95 メビンホス メビンホス 93.1 4.2 4.2 99.9 9.9 12.9

96 メフェンピルジエチル メフェンピルジエチル 102.2 2.7 2.1 99.6 5.4 4.6

97 モノクロトホス モノクロトホス 107.0 4.0 4.8 105.8 4.6 5.3

98 モノリニュロン モノリニュロン 102.2 4.2 4.2 99.3 2.5 3.2

- :感度不良のため定量不能:ガイドラインの目標値を満足しないもの

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Page 17: LC-MS/MSを用いた農産加工食品中の残留農薬一斉 …...29 クロリダゾン クロリダゾン 222 104 25 77 34 30 クロロクスロン クロロクスロン 291 72

表4 残留農薬実態調査の検体数内訳

検体数加工食品名

妥当性評価の目標値を

満たした農薬数 H26 H27 計

アスパラガス水煮缶詰 95品目99化合物 3 1 4

甘ぐり 91品目95化合物 - 2 2

スイートコーン缶詰 91品目93化合物 - 1 1

トマト缶詰 92品目96化合物 - 2 2

パイナップル缶詰 95品目99化合物 - 2 2

パスタ 92品目96化合物 10 5 15

はるさめ 89品目91化合物 - 3 3

マッシュルーム水煮缶詰 93品目97化合物 2 1 3

みかん缶詰 94品目98化合物 2 - 2

桃缶詰 94品目98化合物 3 3 6

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