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→H25年度 農林水産省「欧米の農業・食品業界及び流通業界におけるウォーターフットプリントの国際規格の活用戦略の調査分析(一般社団法人産業環境管理協会)
関税に代わる参入障壁にならないのか(ISO化の動き)?
来年夏頃を目途にWFの国際規格が承認される見込み 欧米では商品の生産プロセスにおける環境配慮の状況に関心が高い 欧米の食品事業者の中には、既に商品の生産プロセスにおける水の利用量等を算定
欧州委員会ではWFを含む総合的環境情報表示(環境フットプリント)の導入を目指し試行事業の開始
アジアでの導入の有無とその影響は?
農業製品(1次品や2次品)のフットプリントの整合的な算出の確立は?
LCAにおける不確実なデータの扱いや評価パスの整理が必要ではないのか?
図 CFPの比較(大井隆史,東京理科大学理工学部経営工学科卒業論文 (2014))
【評価方法の違いに伴う不確実性】(積み上げ法による算出)
積み上げ法…固有の技術のみを反映することができる。 但し、パスや条件の設定の仕方により、数値が異なり、一般データとしての扱いが難しい。
1.504 1.506
1.580
1.4501.555
1.260
1.0
1.1
1.2
1.3
1.4
1.5
1.6
1.7
0 2 4 6 8 10 12 14 16
GH
G排出量
kg-C
O2e
q/k
g
haその他カーボンフット 鉄コーティング湛水直播 移植栽培
※各生産者のデータの管理も重要である(日本では、この種のデータの管理は未整備である。)
生産条件の明示をしなければならない? 産業連関分析による結果との比較も必要?
【評価方法の違いに伴う不確実性①】(ご飯のCO2原単位の違い)
ケース1:CFP(宮城県産ひとめぼれ(タカラ米穀)5kg) 店頭までのCO2原単位:2.30kg-CO2/kg
ケース2:CFP(千葉県産コシヒカリ(安藤2011))1kg) 店頭までのCO2原単位:1.68kg-CO2/kg
図 炊飯時のCO2原単位の比較
ケースA:1.0L 0.5~5.5合 電子ジャー炊飯器 SR-NF101(3合調理)
ケースB:0.54L 0.5~3合 電子ジャー炊飯器 SR-MZ051(3合調理)
同じデータベースによるシナリオ分析のみ有効? 他のデータベースでも同じような傾向があるのか→他のコミュニケーションラベルの明示化?
【評価方法の違いに伴う不確実性②】(産業連関分析との比較)
産業連関分析での懸念 平均財としての扱い 1等米や2等米といったグレードによる価格決定→生産者の努力が反
映されない? 技術の消失の懸念(林ら,第9回日本LCA学会研究発表会(2014))
図 炊飯時のCO2原単位の比較
積み上げ:1×Bのケース,産業連関:精米(味の素データベース)×ケースB
【これまでのCFPの考え方】
これまでのCFPは、ある仮定に基づいてロスを内生的に考慮し、そのあとの製品は100%消費されるという仮定
ロスの概念にも、ある程度、特定されるものとそうでないものとがありそう(冷凍食品のように品質が固定されているものは扱いやすい。)
事例分析(小柳津,第9回日本LCA学会研究発表会(2014))
図 フードロスの概念図(農林水産省)
各部分での対応策や不確実性、及びロスの影響をどのようにLCAに反映させるのか?
【内食(品質の特定が難しい)におけるロスの考え方】 1. 考慮すべき事項 家族構成(年齢,人数)→調理量に影響 メニューサイクルを考慮し、メニューベースで考える 等
対策 不確実な要因1.収穫高の把握 天候による被害予測2.サプライチェーンのデータベース化 提供されるデータの精度による。3.需給バランスの調整のシステム(just-in-time) 植物工場等では対応が可能でないか。露地物は困難?1.買い過ぎ(使い忘れ)による廃棄 メニューサイクルと調理素材の関係が必要?
2.味が良くないための廃棄各家庭に依存するものであり、予測は困難?但し、レシピによる食育(インセンティブとして健康)による調理の失敗をなくすことはできるかもしれない。
3.作り過ぎによる廃棄適正な分量の把握が必要。但し、家族構成による部分が大きいかもしれない?
4.作り置き(保存)の消費しない場合の廃棄特に、高齢者で多いかもしれない。これは、製品のロットが大きく、一旦、調理し保存するが、消費し忘れるということがある。
減耗量
食品使用量
表 想定される要因(私案)
時間的な要素 ダイナミックな機能単位の導入
食することができる品質の定義
【ロスを考慮したLCAとは】 1. 考慮すべき事項 ロスの概念は、各家庭あるいは個人
が、ある効用を満たすまで食の行動が続くと考えるべき。
メニューで考える場合は、「他の料理で補う」ことを前提とする。
この場合、効用とは、“カロリー”、“栄養価”、“分量”などであり、時間的に変化するものをどのように組み入れるかが課題である。
代替される料理は、1:1だとは限らないことも視野に入れる。
図 カロリーベースのLCI比較 (西本圭佑,東京理科大学理工学部経営工学科卒業論文 (2014))
0
25.000
50.000
75.000
100.000
125.000
150.000
175.000
200.000
225.000
250.000
275.000
300.000
不足分(廃棄)
不足分(調理)
不足分(生産)
食べ残し(廃棄)
食べ残し(調理)
食べ残し(生産)
廃棄
調理
生産
黒枠が廃棄段階
100kcal摂取する時のCO2排出量
100kcal摂取する時のCO2排出量(半分残した場合)
CO2排出量[g-CO2]
左側:食品廃棄CO2原単位0.162g-CO2/g (国際資源活用協会 (産業連関ベース)) 右側:摂取カロリーを満たすために追加分のメニューを新たに調理及び素材のCO2を追加する。
<事例分析>
1. 当面は、シナリオ分析がメインになろう。 2. 原則は、同じ土俵のデータベースの使用が望ましい。 3. 技術消失の防止の観点から、積み上げによる方法が良
いが、一方で、代表値でないことをどのように考えるのか議論が必要である。
4. ロスを反映したLCIは重要であるが、どのカテゴリーで何を制約とするのか、いくつかの定義が必要である。
5. 食の好みが多様であることを鑑みれば、指標もひくつか合っても良いかもしれない。但し、この場合、コミュニケションとして数値ではなくて、色ラベルのようなものが便利になるかもしれない。
6. ロスに係る行動が、時間経過とともに、品質劣化に伴うものであるため、品質の時間的変化を検討することが必要である。