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LHC-ATLAS 実験における チャンネルを用いた ヒッグス粒子の探索. 東京大学大学院 理学系研究科物理学専攻 川本研究室 黒崎龍平. 平成 25 年 1 月 30 日. Outline. 序論 本研究の目的 LHC 加速器と ATLAS 検出器 探索について 解析 事象選択 背景事象の見積もり 結果と 考察 まとめ. 本研究の目的. 2012 年、 LHC 実験において、 ZZ/W + W - / γγ へ崩壊する、 質量約 125GeV の 新粒子 が発見された W/Z ボソンと結合、 top quark とも結合? - PowerPoint PPT Presentation
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LHC-ATLAS 実験における チャンネルを用いたヒッグス粒子の探索東京大学大学院理学系研究科物理学専攻川本研究室黒崎龍平
1
平成 25 年 1 月 30 日
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Outline
• 序論– 本研究の目的– LHC 加速器と ATLAS 検出器– 探索について
• 解析– 事象選択– 背景事象の見積もり
• 結果と考察• まとめ
3本研究の目的
• 2012 年、 LHC 実験において、 ZZ/W+W-/γγ へ崩壊する、質量約 125GeV の新粒子が発見された– W/Z ボソンと結合、 top quark とも結合?– いまのところ、” Higgs-like particle”
• フェルミオンとの結合 ( 湯川結合 ) の直接測定が重要– H -> bb, , , など
• ボトムクォーク対へ崩壊するヒッグス粒子の探索を行った
H->gg 探索 H->ZZ 探索
4LHC 加速器と ATLAS 検出器
• ATLAS 検出器– 内部飛跡検出器– カロリメータ– ミューオン検出器
• LHC 加速器– 全長約 27km– 最大で√ s=14TeV の陽子陽子衝突が可能– 使用した実験データは• √s=7TeV, 積算ルミノシティ 4.7fb-1
• √s=8TeV, 積算ルミノシティ 13.0fb-1
5LHC 実験での 探索• =8TeV の 衝突における、 125GeV のヒッグ
ス粒子の生成断面積は– ggF : 20pb– VBF : 1.6pb– WH : 0.7pb / ZH : 0.4pb
• への崩壊比 : 58%• ggF/VBF, は終状態がジェットのみ。背
景事象が多く、探索に不向き• VH 随伴生成であれば、レプトンが出るため、
背景事象の大幅な抑制ができる– : 本研究で使用した解析チャンネル– –
ヒッグス粒子の生成断面積
ヒッグス粒子の崩壊比 過程
6信号事象と背景事象
• 主要な背景事象– W+jets– ttbar– Diboson(WZ)– Singletop– Multijet
• 信号事象の特徴– エレクトロン / ミューオン 1 個– ニュートリノ 1 個 -> Missing ET– Transverse mass peak– ボトムジェット 2 個– Dijet mass peak :これを見る– W と H が Back to back に出やすい
W+bb
ttbar
WZ
single top
7事象選択 ( 側 )• エレクトロン / ミューオンの選択
– pT>25GeV– Isolation– Exact 1 electron or 1 muon
• Missing ET cut• Transverse Mass cut
– Lower cut : Multijet 背景事象の抑制– Upper cut : ttbar 背景事象の抑制
Missing ET 分布 Transverse mass 分布
8事象選択 ( 側 )• ジェットの選択
– pT>45GeV + pT>20GeV– Exact 2 jets
• DR(bb) cut– DR : 2 本のジェットの距離 – 信号事象は、 W ボソンが高い pT を持つとき、 Higgs も高い pT を持つため、 DR(bb) が小さくなる– <200GeV では Lower Cut, >150GeV では Upper Cut
DR(bb) 分布 (Low pT(W)) DR(bb) 分布 (High pT(W))
9事象選択 (B タグ )
• ボトムクォークは寿命が長い→特徴的な飛跡を残す• 飛跡の情報から b-jet らしさを数値化して識別• b-jet に対する効率 70% に対して
– c-jet 効率: 20% 程度– light-jet 効率: 1% 程度
• 2本のジェット両方に適用
10事象選択 ( カテゴリ分け )
① ② ③
④ ⑤
• W ボソンが高い pT を持つような領域は、事象数は少ないものの、 S/N 比が良い
• W ボソンの pT に応じて 5 つのカテゴリに分割して解析を行った
• 期待される発見感度は、カテゴリ分けしない場合と比較して、 40% 程度向上
信号事象と主要な背景事象の 分布
11背景事象の見積もり ( 概要 )
• 本解析チャンネルは、背景事象の量や種類が多い。背景事象の見積もりは慎重に行う必要がある• 主に MC シミュレーションを利用して見積もったが、より正しく見積もるために、必要に応じてデータを利用した
– Multijet 背景事象は、統計量の問題でシミュレーションから見積もることが困難なため、データから見積もった– MC とデータとの間にずれがある場合は、データを利用して MC の形を補正した– 断面積や k-factor など、規格化に関する不定性を抑えるため、できるだけ
Control Region のデータを利用して規格化を行った
BG Process MC GeneratorW+light jets AlpgenW+c jets AlpgenW+b jets Powhegttbar MC@NLOSingle top MC@NLODiboson HerwigMultijet (Data Driven)
12背景事象の見積もり (Multijet)• Multijet 背景事象は、実験データから見積もった• 左: Lepton の Isolation条件を逆にして解析した分布
– Jet が Lepton に Fake した事象がエンハンスされる– これが Multijet 背景事象分布を再現していると考える
• 中央:通常の Isolation条件での分布– Multijet 背景事象分布(桃色)は、左の分布をスケールすることで得た
• 右: Multijet 背景事象の CR(Control Region) の分布– MET<25GeV, MT<40GeV を要求– Dijet mass 分布の形はよくデータを再現している
13背景事象の見積もり (ttbar の補正 )• ttbar の MC は、データを上手く再現していない
– 特に、 MET や のずれとして表れる– でのカテゴリ分けを行うため、 が正しく Modeling されて
いることが重要• ttbar の CR(4jet) を利用して、 MC の形を補正した• 別の CR(3jet) で、補正が正しく行われていることを確認し
たttbar CR (4jet)
pT(W) SF
0-50GeV 1.13 +- 0.02
50-100GeV 1.14 +- 0.02
100-150GeV 1.04 +- 0.02
150-200GeV 0.90 +- 0.06
200-GeV 0.73 +- 0.08
ttbar MC に対して適用した補正係数
14背景事象の見積もり (W+jets の補正 )• W+light/W+c jets も、 CR におけるデータと
MC にずれ• DR(jj) 分布を補正することで、他の分布もよく一致するようになった
DR(jj)
m(jj) pT(W) DR(jj) 1tag
15背景事象の見積もり ( フィットによる規格化 )• W+jets およびttbar 背景事象は、 CR のデータにフィットすることで規格化を行った• W+b については、 や DRbb への補正を行っていないため、 <150GeV と >150GeV とで別々に規格化している
W+light CR
背景事象 SF
W+light 1.04 +- 0.01
W+c 1.05 +- 0.01
W+b (LowpT) 0.91 +- 0.13
W+b (HighpT) 0.88 +- 0.16
ttbar 1.07 +- 0.07
W+c CR
W+b(LowpT), tt CR W+b(HighpT), tt CR
16結果
: 0-50GeV : 50-100GeV : 100-150GeV : 150-200GeV
: 200GeV以上• 見積もった背景事象は、– ヒッグス粒子の信号が期待されない領域で、観測データとよく一致– 信号が期待される領域に、明らかなデータの超過は見られなかった
Expected BG
17生成断面積に対する制限• 観測された事象から、標準模型ヒッグス粒子の生成断面積に対する制限をつけた• 125GeV に対して、 CLs による信頼度 95% で、標準模型の生成断面積の 2.8倍以下
– 実際に観測された事象から得られた制限– 背景事象のみを仮定した場合に期待される制限– 背景事象+mH=125GeV のヒッ
グスを仮定した場合に期待される制限
• ヒッグス粒子がいたとしても、期待される Excess は 1σ 程度
18CMS との比較• CMS : ATLAS と同様に、 LHC に設置された検出器– エネルギー / ルミノシティほぼ同じ
• VH,H->bb 探索の結果を比較すると、 CMS の方が発見感度が高い– MVA 、 Dijet mass の補正などが効果的– 背景事象の見積もりの正確さには疑問?
VH,H->bb の結果 (ATLAS) VH,H->bb の結果 (CMS)
19まとめ• LHC-ATLAS 実験で得られた、√ s=7TeV, /Ldt=4.7fb-1 および√ s=8TeV, /Ldt=13.0fb-1 のデータを使用して、 WH -> lvbb チャンネルにおけるヒッグス粒子を探索した• 事象のカテゴリ分けを行うことで、発見感度を約 40% 上昇させた• 実験データを使用して MC の補正や規格化を行うことで、より
正確な背景事象の見積もりを行った• ヒッグス粒子の発見/棄却に必要な発見感度には届かなかった• 125GeV のヒッグス粒子に対して、生成断面積が標準模型の 2.8倍以下という制限をつけることができた• MVA などの利用により、改善の余地がある
20
21
• Backup
22背景事象の見積もり ( 系統誤差 )• B タグ効率やエネルギースケールなどには不定性がある。それらを変化させた場合の、分布の形状の変化を系統誤差として導入した– 信号事象や Diboson 事象は、理論計算の不定性 ( 約 10%) や、 B
タグ効率の不定性 ( 約 10%) が主な系統誤差– W+jets/ttbar/Multijet は、規格化因子のフィットの不定性が主
な系統誤差
Jet Energy Scale の不定性に対する信号事象分布の変化
Event Display (WH Candidate) 23
24B タグ• SV1– Secondary vertex based
• IP3D– Impact parameter based
• JetFitter– 多段崩壊
• MV1–3つを統合した指標
25Multijet 補足• Multijet の分布を決めるための Template• B タグ後の Template は統計量が少ない。• B タグ前の Template を、 B タグ後の
Multijet 背景事象の見積もりに使用した。• ただし、 30% の系統誤差をつけた。
26系統誤差
27結果 : mbb(7TeV)
pTW : 150-200GeV pTW : 200-GeVpTW : 100-150GeV
pTW : 0-50GeV pTW : 50-100GeVAll
28
7TeV/8TeV単体の Exclusion Limit
29背景事象の断面積と k-factor
Xsec(pb) k-factor
W+bb 45.26 *3 1.2
W+light 10274.6 *3 1.2
W+ccW+c
384.191170.1
1.21.52
tt 112.94 1.1446
singletop 0.56*3 (s)20.66 (Wt)8.60*3 (t)
1.0741.0831.1
WW 12.42 1.48
ZZ 0.993 1.3
WZ 3.668 1.6
30Profile Likelihood• 系統誤差を Nuisance Parameter として、測定されたデータに対してフィットする。
31
Detector Performance
• だいたいこれくらい