28
LT3089 1 3089f 詳細:www.linear-tech.co.jp/LT3089 標準的応用例 特長 概要 モニタ機能を備えた 単一抵抗型の 堅牢な 800mA リニア・レギュレータ LT ® 3089 は、堅牢な産業用アプリケーション向けに設計され 800mA 低ドロップアウト・リニア・レギュレータです。このデ バイスの主な特長は、広い安全動作領域(SOA)、出力電流 モニタ、温度モニタ、およびプログラム可能な電流制限です。 LT3089 は並列接続して出力電流値や放熱特性を向上させる ことができます。このデバイスは逆入力電圧および入出力間 逆電圧に耐えられ、逆電流が流れることはありません。 LT3089 50μAリファレンス電流源は高精度なので、 1 本の 抵抗で0V 34.5V の任意の出力電圧を設定できます。電流 リファレンス・アーキテクチャにより、出力電圧に依存しない負 荷レギュレーションが可能です。 LT3089 は、入力コンデンサ および出力コンデンサの有無にかかわらず安定しています。 出力電 流モニタ(I OUT /5000)およびダイ接 合 部 温 度 出力 1μA/ °C)により、システムのモニタ機能とデバッグ機能を実 現します。さらに、 1 本の抵抗で電流制限値が設定されます。 内部保護回路には、バッテリ逆接続保護回路、逆電流保護 回路、電流制限回路、熱制限回路があります。 LT3089 は、 12 ピン4mm×4mm DFN および 16ピンTSSOP パッケージ(両方 とも熱性能を改善するための露出パッド付き)、ならびに7DD-PAK パワー・パッケージで供給されます。 広い安全動作領域の電源 アプリケーション n 広い安全動作領域 n 最大出力電流: 800mA n 入力コンデンサ/ 出力コンデンサの有無にかかわらず安定 n 広い入力電圧範囲: 1.2V 36V n 1 本の抵抗で出力電圧を設定 n 出力電流モニタ: I MON = I OUT /5000 n 接合部温度モニタ: 1μA/°C n 出力を0V に調整可能 n 50μA SET ピン電流:初期精度 1% n 出力電圧ノイズ: 27μV RMS n 複数デバイスの並列接続により出力電流値や放熱特性を 向上 n プログラム可能な電流制限 n バッテリ逆接続保護および逆電流保護 n 出力電圧に依存しない負荷レギュレーション: < 1mV (標準) n 入力レギュレーション: <0.001%/V (標準) n 熱特性が改善された12 ピン(4mm×4mmDFN16 ピン TSSOP、および 7 ピンDD-PAK パッケージで供給可能 n 全表面実装型電源 n 堅牢な産業用電源 n スイッチング電源のポスト・レギュレータ n 低出力電圧電源 n 本質的安全アプリケーション LLTLTCLTMLinear Technology およびLinear のロゴは、リニアテクノロジー社の登録商 標です。その他の商標の所有権は、いずれもそれぞれの所有者に帰属します。 SET ピンの電流 3089 TA01a IN 1k 4.12k 10μF* *OPTIONAL I MON I LIM OUT + LT3089 I LOAD /5000 I OUT 1.5V 0.75A V IN 499Ω* 1k 1μA/°C SET 30.1k TEMP 50μA I LOAD = 3mA TEMPERATURE (°C) –75 –50 –25 0 25 50 75 100 125 150 175 49.5 49.6 49.7 49.8 49.9 50.0 50.1 50.2 50.3 50.4 50.5 SET PIN CURRENT (μA) 3089 TA01b

LT3089 - モニタ機能を備えた単一抵抗型の 堅牢な800mAリニア ... · 2018. 3. 20. · LT®3089 は、堅牢な ... 0.001 nA/V mV/V Minimum Load Current (Note 3) 2V

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LT3089

13089f

詳細: www.linear-tech.co.jp/LT3089

標準的応用例

特長 概要

モニタ機能を備えた 単一抵抗型の 堅牢な

800mAリニア・レギュレータ

LT®3089は、堅牢な産業用アプリケーション向けに設計された800mA低ドロップアウト・リニア・レギュレータです。このデバイスの主な特長は、広い安全動作領域(SOA)、出力電流モニタ、温度モニタ、およびプログラム可能な電流制限です。LT3089は並列接続して出力電流値や放熱特性を向上させることができます。このデバイスは逆入力電圧および入出力間逆電圧に耐えられ、逆電流が流れることはありません。

LT3089の50μAリファレンス電流源は高精度なので、1本の抵抗で0V~34.5Vの任意の出力電圧を設定できます。電流リファレンス・アーキテクチャにより、出力電圧に依存しない負荷レギュレーションが可能です。LT3089は、入力コンデンサおよび出力コンデンサの有無にかかわらず安定しています。

出力電流モニタ(IOUT/5000)およびダイ接合部温度出力(1μA/°C)により、システムのモニタ機能とデバッグ機能を実現します。さらに、1本の抵抗で電流制限値が設定されます。

内部保護回路には、バッテリ逆接続保護回路、逆電流保護回路、電流制限回路、熱制限回路があります。LT3089は、12

ピン4mm×4mm DFNおよび16ピンTSSOPパッケージ(両方とも熱性能を改善するための露出パッド付き)、ならびに7ピンDD-PAKパワー・パッケージで供給されます。

広い安全動作領域の電源

アプリケーション

n 広い安全動作領域n 最大出力電流:800mAn 入力コンデンサ/出力コンデンサの有無にかかわらず安定 n 広い入力電圧範囲:1.2V~36Vn 1本の抵抗で出力電圧を設定n 出力電流モニタ:IMON = IOUT/5000n 接合部温度モニタ:1µA/°Cn 出力を0Vに調整可能n 50µAのSETピン電流:初期精度1%n 出力電圧ノイズ:27μVRMSn 複数デバイスの並列接続により出力電流値や放熱特性を向上

n プログラム可能な電流制限n バッテリ逆接続保護および逆電流保護n 出力電圧に依存しない負荷レギュレーション:< 1mV(標準)n 入力レギュレーション:<0.001%/V(標準)n 熱特性が改善された12ピン(4mm×4mm)DFN、16ピン

TSSOP、および7ピンDD-PAKパッケージで供給可能

n 全表面実装型電源n 堅牢な産業用電源n スイッチング電源のポスト・レギュレータn 低出力電圧電源n 本質的安全アプリケーション

L、LT、LTC、LTM、Linear TechnologyおよびLinearのロゴは、リニアテクノロジー社の登録商標です。その他の商標の所有権は、いずれもそれぞれの所有者に帰属します。

SETピンの電流

3089 TA01a

IN

1k 4.12k

10µF*

*OPTIONAL

IMON ILIM

OUT

+–

LT3089

ILOAD/5000

IOUT1.5V0.75A

VIN

499Ω*

1k

1µA/°C

SET

30.1k

TEMP

50µA

ILOAD = 3mA

TEMPERATURE (°C)–75 –50 –25 0 25 50 75 100 125 150 175

49.5

49.6

49.7

49.8

49.9

50.0

50.1

50.2

50.3

50.4

50.5

SET

PIN

CURR

ENT

(µA)

3089 TA01b

Page 2: LT3089 - モニタ機能を備えた単一抵抗型の 堅牢な800mAリニア ... · 2018. 3. 20. · LT®3089 は、堅牢な ... 0.001 nA/V mV/V Minimum Load Current (Note 3) 2V

LT3089

23089f

詳細: www.linear-tech.co.jp/LT3089

絶対最大定格INピンとOUTピン間の電圧差 ......................................... ±40VSETピンの電流(Note 6)................................................ ±25mASETピンの電圧(OUTを基準とする、Note 6) .................. ±10VTEMPピンの電圧(OUTを基準とする) ...................... 1V、–40VILIMピンの電圧(OUTを基準とする) .............................. ±0.2VIMONピンの電圧(OUTを基準とする) ........................ 1V、–40V出力短絡時間 ................................................................ 無期限

(Note 1)全ての電圧はVOUTを基準にしている

TOP VIEW

13OUT

DF PACKAGE12-LEAD (4mm × 4mm) PLASTIC DFN

12

11

8

9

104

5

3

2

1 IN

IN

IN

IN

TEMP

IMON

OUT

OUT

OUT

OUT

ILIM

SET 6 7

TJMAX = 125°C, θJA = 41°C/W, θJC = 1.6°C/W EXPOSED PAD (PIN 13) IS OUT, MUST BE SOLDERED TO

PCBFE PACKAGE

16-LEAD PLASTIC TSSOP

1

2

3

4

5

6

7

8

TOP VIEW

16

15

14

13

12

11

10

9

OUT

OUT

OUT

OUT

OUT

ILIM

SET

OUT

OUT

IN

IN

IN

IN

TEMP

IMON

OUT

17OUT

TJMAX = 125°C, θJA = 35°C/W, θJC = 2.3°C/W EXPOSED PAD (PIN 17) IS OUT, MUST BE SOLDERED TO PCB

R PACKAGE7-LEAD PLASTIC DD

FRONT VIEW

TAB ISOUT

NCINTEMPOUTIMONSETILIM

7654321

TJMAX =125°C, θJA = 34°C/W, θJC = 3°C/W

ピン配置

発注情報

鉛フリー仕様 テープ・アンド・リール 製品マーキング* パッケージ 温度範囲LT3089EDF#PBF LT3089EDF#TRPBF 3089 12-Lead (4mm×4mm) Plastic DFN –40°C to 125°CLT3089IDF#PBF LT3089IDF#TRPBF 3089 12-Lead (4mm×4mm) Plastic DFN –40°C to 125°CLT3089EFE#PBF LT3089EFE#TRPBF 3089FE 16-Lead Plastic TSSOP –40°C to 125°CLT3089IFE#PBF LT3089IFE#TRPBF 3089FE 16-Lead Plastic TSSOP –40°C to 125°CLT3089ER#PBF LT3089ER#TRPBF LT3089R 7-Lead Plastic DD-Pak –40°C to 125°CLT3089IR#PBF LT3089IR#TRPBF LT3089R 7-Lead Plastic DD-Pak –40°C to 125°Cより広い動作温度範囲で規定されるデバイスについては、弊社へお問い合わせください。*温度等級は出荷時のコンテナのラベルで識別されます。 鉛フリー仕様の製品マーキングの詳細については、http://www.linear-tech.co.jp/leadfree/をご覧ください。 テープ・アンド・リールの仕様の詳細については、http://www.linear-tech.co.jp/tapeandreel/をご覧ください。 一部のパッケージは、指定販売チャネルを通じて、#TRMPBFの接尾辞付きで500単位のリールで供給されます。

動作接合部温度範囲(Note 2) Eグレードおよび Iグレード .......................... –40°C~125°C保存温度範囲................................................... –65°C~150°Cリード温度(半田付け、10秒) FE、Rパッケージのみ ..................................................300°C

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LT3089

33089f

詳細: www.linear-tech.co.jp/LT3089

l は全動作温度範囲での規格値を意味する。それ以外は TJ = 25°Cでの値(Note 2)。電気的特性

PARAMETER CONDITIONS MIN TYP MAX UNITS

SET Pin Current ISET VIN = 2V, ILOAD = 3mA 2V ≤ VIN ≤ 36V, 3mA ≤ ILOAD ≤ 800mA

l

49.5 48.75

50 50

50.5 51.25

µA µA

Offset Voltage VOS (VOUT – VSET)

VIN = 2V, ILOAD = 3mA VIN = 2V, ILOAD = 3mA

l

–1.5 –3.5

0 0

1.5 3.5

mV mV

ISET Load Regulation ∆ILOAD = 3mA to 800mA –0.1 nA

VOS Load Regulation ∆ILOAD = 3mA to 800mA (Note 7)

DF, FE Packages l –0.5 –3 mV

R Package l –1.5 –4 mV

Line Regulation ∆ISET ∆VOS

∆VIN = 2V to 36V, ILOAD = 3mA ∆VIN = 2V to 36V, ILOAD = 3mA

1.5 0.001

nA/V mV/V

Minimum Load Current (Note 3) 2V ≤ VIN ≤ 36V l 1.1 3 mA

Dropout Voltage (Note 4) ILOAD = 100mA ILOAD = 800mA

l

1.21 1.47

1.65

V V

Internal Current Limit VIN = 5V, VSET = 0V, VOUT = –0.1V l 0.8 1 A

ILIM Programming Ratio l 155 175 210 mA/kΩ

ILIM Minimum Output Current Resistance 300 Ω

IMON Full-Scale Output Current ILOAD = 800mA l 130 160 190 µA

IMON Scale Factor 100mA ≤ ILOAD ≤ 800mA 200 µA/A

IMON Operating Range l VOUT – 40V VOUT + 0.4V V

TEMP Output Current (Note 9) TJ > 5°C 1 µA/°CTEMP Output Current Absolute Error (Note 9) 0°C <TJ ≤ 125°C

125°C <TJ ≤ 150°C–10 –15

10 15

µA µA

Reference Current RMS Output Noise (Note 5) 10Hz ≤ f ≤ 100kHz 5.7 nARMS

Error Amplifier RMS Output Noise (Note 5) ILOAD = 800mA, 10Hz ≤ f ≤ 100kHz, COUT =10µF, CSET = 0.1µF

27 µVRMS

Ripple Rejection VRIPPLE = 0.5VP-P, ILOAD = 0.1A, CSET = 0.1µF, COUT=10µF, VIN = VOUT(NOMINAL) + 3V

f = 120Hz f = 10kHz f = 1MHz

75 90 75 20

dB dB dB

Thermal Regulation, ISET 10ms Pulse 0.003 %/W

Note 1:絶対最大定格に記載された値を超えるストレスはデバイスに回復不可能な損傷を与える可能性がある。また、長期にわたって絶対最大定格条件に曝すと、デバイスの信頼性と寿命に悪影響を与えるおそれがある。Note 2:注記がない限り、全ての電圧はVOUTを基準にしている。LT3089はTJがTAにほぼ等しくなるようなパルス負荷条件でテストされ、仕様が規定されている。LT3089EはTA = 25°Cでテストされ、性能は0°C~125°Cで保証されている。–40°C~125°Cの全動作温度範囲での性能は設計、特性評価および統計学的なプロセス・コントロールとの相関で保証されている。LT3089Iは、−40°C~125°Cの全動作接合部温度範囲で動作することが保証されている。接合部温度が高いと、動作寿命は短くなる。125°Cを超える接合部温度では動作寿命が短くなる。Note 3:最小負荷電流はデバイスの静止電流に相当する。全ての静止電流とドライブ電流はデバイスの出力に供給されるので、最小負荷電流はレギュレーションを維持するのに必要な最小電流である。Note 4:LT3089の場合、ドロップアウト電圧は所定の出力電流を供給するのに必要な入力-出力間の最小電圧差として規定されている。

Note 5:出力ノイズは、リファレンス電流抵抗の両端に小さなコンデンサを追加することによって減少する。このコンデンサの追加により、リファレンス電流抵抗のショット・ノイズとリファレンス電流ノイズがバイパスされ、出力ノイズはエラーアンプのノイズに等しくなる(「アプリケーション情報」のセクションを参照)。Note 6:SETピンは400Ω抵抗に直列接続されたダイオードによってOUTピンにクランプされる。これらのダイオードと抵抗には、過渡的な過負荷状態のときだけ電流が流れる。Note 7:負荷レギュレーションは、パッケージのケルビン接続で検出されるNote 8:このデバイスは短時間の過負荷状態の間デバイスを保護するための過熱保護機能を備えている。過熱保護がアクティブなとき、接合部温度は最大動作接合部温度を超える。規定された最大動作接合部温度を超えた動作が継続すると、デバイスの信頼性を損なうおそれがある。Note 9:TEMPピンの出力電流は、平均ダイ接合部温度を表す。デバイスの電力損失とダイ両端間の温度勾配があるため、TEMPピンの出力電流を測定しても、絶対最大接合部温度を超えないことが保証されるわけではない。

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LT3089

43089f

詳細: www.linear-tech.co.jp/LT3089

標準的性能特性

オフセット電圧 オフセット電圧(VOUT – VSET) オフセット電圧(VOUT – VSET)

負荷レギュレーション 最小負荷電流 ドロップアウト電圧

SETピンの電流 SETピンの電流

注記がない限り、TJ = 25°C。

オフセット電圧(VOUT – VSET)

ILOAD = 3mA

TEMPERATURE (°C)–75 –50 –25 0 25 50 75 100 125 150 175

49.5

49.6

49.7

49.8

49.9

50.0

50.1

50.2

50.3

50.4

50.5

SET

PIN

CURR

ENT

(µA)

3089 G01

ILOAD = 3mA

TEMPERATURE (°C)–75 –50 –25 0 25 50 75 100 125 150 175

–2.0

–1.5

–1.0

–0.5

0

0.5

1.0

1.5

2.0

OFFS

ET V

OLTA

GE (m

V)

OUT SET

3089 G03

ILOAD = 3mA

INPUT–TO–OUTPUT DIFFERENTIAL (V)0 6 12 18 24 30 36

–1.0

–0.8

–0.6

–0.4

–0.2

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

OFFS

ET V

OLTA

GE (m

V)

OUT SET

3089 G05

TJ = 25°C

TJ = 125°C

LOAD CURRENT (A)0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8

–1.6

–1.2

–0.8

–0.4

0.0

0.4

OFFS

ET V

OLTA

GE (m

V)

OUT SET

3089 G06

∆ILOAD = 3mA to 800mA

TEMPERATURE (°C)–75 –50 –25 0 25 50 75 100 125 150 175

–3.0

–2.5

–2.0

–1.5

–1.0

–0.5

0

–150

–125

–100

–75

–50

–25

0

OFFS

ET V

OLTA

GE L

OAD

REGU

LATI

ON (m

V)

SET PIN CURRENT LOAD REGULATION (nA)

3089 G07

VIN – VOUT = 36V

VIN – VOUT = 2V

TEMPERATURE (°C)–75 –50 –25 0 25 50 75 100 125 150 175

0

0.25

0.50

0.75

1.00

1.25

1.50

MIN

IMUM

LOA

D CU

RREN

T (m

A)

Minimum Load Current

3089 G08

TJ = –50°CTJ = 25°CTJ = 125°C

LOAD CURRENT (A)0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8

1.0

1.1

1.2

1.3

1.4

1.5

1.6

1.7

DROP

OUT

VOLT

AGE

(V)

3089 G09

N = 1297

SET PIN CURRENT DISTRIBUTION (µA)49 49.5 50 50.5 51

SET Pin Current

3089 G02

N = 1297

VOS DISTRIBUTION (mV)–2 –1 0 1 2

3089 G04

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LT3089

53089f

詳細: www.linear-tech.co.jp/LT3089

プログラム可能な電流制限 プログラム可能な電流制限 プログラム可能な電流制限

TEMPピンの電流 IMONピンの電流

ドロップアウト電圧 内部電流制限 内部電流制限

標準的性能特性 注記がない限り、TJ = 25°C。

IMONピンの入力レギュレーション

ILOAD = 3mA

ILOAD = 800mA

TEMPERATURE (°C)–75 –50 –25 0 25 50 75 100 125 150 175

1.0

1.1

1.2

1.3

1.4

1.5

1.6

1.7

DROP

OUT

VOLT

AGE

(V)

3089 G10

VIN = 7VVOUT = 0V

TEMPERATURE (°C)–75 –50 –25 0 25 50 75 100 125 150 175

0

0.25

0.50

0.75

1.00

1.25

1.50

CURR

ENT

LIM

IT (A

)

Internal Current Limit

3089 G11

INPUT–TO–OUTPUT DIFFERENTIAL (V)0 6 12 18 24 30 36

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

CURR

ENT

LIM

IT (A

)

Internal Current Limit

3089 G12

RILIM = 4.53k

RILIM = 3.01k

RILIM = 1.50k

VIN = 7VVOUT = 0V

TEMPERATURE (°C)–75 –50 –25 0 25 50 75 100 125 150 175

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

PROG

RAM

MED

CUR

RENT

LIM

IT (A

)

Programmable Current Limit

3089 G13

TJ = 25°CVIN = 7VVOUT = 0V

RILIM (kΩ)0 1 2 3 4 5 6

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

PROG

RAM

MED

CUR

RENT

LIM

IT (A

)

Programmable Current Limit

3089 G14

RILIM1.50k

RILIM3.01k

RSET = 20kTJ = 25°C

RILIM4.53k

OUTPUT CURRENT (A)0 0.25 0.50 0.75 1

0

0.2

0.4

0.95

1.00

1.05

OUTP

UT V

OLTA

GE (V

)

Programmable Current Limit

3089 G15

TEMPERATURE (°C)–75 –50 –25 0 25 50 75 100 125 150 175

0

20

40

60

80

100

120

140

160

TEM

P PI

N CU

RREN

T (µ

A)

TEMP Pin Current

3089 G16

LOAD CURRENT (A)0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

200

I MON

PIN

CUR

RENT

(µA)

MON

3089 G17

ILOAD = 100mA

INPUT–TO–OUTPUT DIFFERENTIAL VOLTAGE (V)0 6 12 18 24 30 36

0

5

10

15

20

25

I MON

PIN

CUR

RENT

(µA)

IMON Pin Line Regulation

3089 G18

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LT3089

63089f

詳細: www.linear-tech.co.jp/LT3089

リニア・レギュレータの 負荷トランジェント応答

電流ソースの入力トランジェント応答

電流ソースの入力トランジェント応答

リニア・レギュレータの 入力トランジェント応答

リニア・レギュレータのターンオン応答

リニア・レギュレータの 負荷トランジェント応答

リニア・レギュレータの 負荷トランジェント応答

リニア・レギュレータの 負荷トランジェント応答

標準的性能特性 注記がない限り、TJ = 25°C。

リニア・レギュレータのターンオン応答

VIN = 3VVOUT = 1VCOUT = 2.2µFCSET = 0.1µF

∆ILOAD = 5mA TO 100mA

TIME (µs)0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200

–100

0

100

–100

–50

0

50

100

LOAD

CU

RREN

T (m

A)

Load Transient Response

3089 G19

OUTP

UT V

OLTA

GE

DEVI

ATIO

N (m

V) VIN = 3VVOUT = 1VCOUT = 2.2µFCSET = 0.1µF

∆ILOAD = 100mA TO 800mA

TIME (µs)0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200

0

0.5

1.0

–200

–100

0

100

200

300Load Transient Response

3089 G20

OUTP

UT V

OLTA

GE

DEVI

ATIO

N (m

V)LO

AD

CURR

ENT

(mA)

VIN = 3VVOUT = 1VCOUT = 0CSET = 30pF

∆ILOAD = 5mA TO 100mA

tr = tf = 1µs

TIME (µs)0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

–100

0

100

–200

–100

0

100

200Load Transient Response

3089 G21

OUTP

UT V

OLTA

GE

DEVI

ATIO

N (m

V)LO

AD

CURR

ENT

(mA)

VIN = 3VVOUT = 1VCOUT = 0CSET = 30pF

∆ILOAD = 100mA TO 800mA

tr = tf = 1µs

TIME (µs)0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

0

0.5

1.0

–400

–200

0

200

400

600Load Transient Response

3089 G22

OUTP

UT V

OLTA

GE

DEVI

ATIO

N (m

V)LO

AD

CURR

ENT

(mA)

RSET = 20kRLOAD = 1.25ΩCOUT = 2.2µFCSET = 0.1µF

TIME (µs)0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50

–40

–20

0

20

3

4

5

6

INPU

T V

OLTA

GE (V

)OU

TPUT

VOL

TAGE

DE

VIAT

ION

(mV)

Line Transient Response

3089 G23

RSET = 6.04kROUT = 3.01ΩCOUT = 0CSET = 30pF

100mA CURRENT SOURCE CONFIGURATION

TIME (µs)0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

90

95

100

105

3

4

5

6

INPU

T VO

LTAG

E (V

)OU

TPUT

CU

RREN

T (m

A)

Line Transient Response

3089 G24

RSET = 6.04kROUT = 0.6ΩCOUT = 0CSET = 30pF

500mA CURRENT SOURCE CONFIGURATION

TIME (µs)0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

480

490

500

510

520

3

4

5

6

INPU

T VO

LTAG

E (V

)OU

TPUT

CU

RREN

T (m

A)

3089 G25

RSET = 20kRLOAD = 1.25ΩCOUT = 2.2µF CERAMICCSET = 0

TIME (µs)0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50

–0.5

0

0.5

1.0

0

1

2

3

4

INPU

T VO

LTAG

E (V

)OU

TPUT

VO

LTAG

E (V

)

Turn–On Response

3089 G26

RSET = 20kRLOAD = 1.25ΩCOUT = 2.2µF CERAMICCSET = 0.1µF

TIME (ms)0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

–0.5

0

0.5

1.0

0

1

2

3

4Turn–On Response

3089 G27

OUTP

UT

VOLT

AGE

(V)

INPU

T V

OLTA

GE (V

)

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LT3089

73089f

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リップル除去リップル除去 出力インピーダンス

リップル除去(120Hz)

最小負荷より小さい負荷の 残留出力電圧電流源のターンオン応答電流源のターンオン応答

標準的性能特性 注記がない限り、TJ = 25°C。

リップル除去(10kHz)

RSET = 6.04kROUT = 3.01ΩCOUT = 0CSET = 30pF

100mA CURRENT SOURCE CONFIGURATION

TIME (µs)0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

0

50

100

0

1

2

3

4Turn–On Response

3089 G28

OUTP

UT

CURR

ENT

(mA)

INPU

T V

OLTA

GE (V

)

RSET = 6.04kROUT = 0.6ΩCOUT = 0CSET = 30pF

500mA CURRENT SOURCE CONFIGURATION

TIME (µs)0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

0

200

400

600

0

1

2

3

4

INPU

T V

OLTA

GE (V

)OU

TPUT

CU

RREN

T (m

A)

Turn–On Response

3089 G29

VIN = 5VVIN = 36V

RTEST (kΩ)0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

OUTP

UT V

OLTA

GE (m

V)

Less Than Minimum Load

3089 G30

VOUT

SET PIN = 0V

RTEST

VIN

COUT = 2.2µF CERAMICCSET = 0.1µFVIN = VOUT(NOMINAL) + 2V

ILOAD = 100mAILOAD = 500mAILOAD = 800mA

FREQUENCY (Hz)10 100 1k 10k 100k 1M 10M

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

RIPP

LE R

EJEC

TION

(dB)

3089 G31

COUT = 2.2µF CERAMICCSET = 0.1µFILOAD = 100mA

VIN = VOUT + 5VVIN = VOUT + 2VVIN = VOUT + 1.5V

FREQUENCY (Hz)10 100 1k 10k 100k 1M 10M

0

20

40

60

80

100

120

RIPP

LE R

EJEC

TION

(dB)

Ripple Rejection

3089 G32

VIN = VOUT(NOMINAL) + 2VRIPPLE = 500mVP–Pf = 120HzILOAD = 100mACOUT = 2.2µFCSET = 0.1µF

TEMPERATURE (°C)–75 –50 –25 0 25 50 75 100 125 150 175

65

70

75

80

85

90

95

RIPP

LE R

EJEC

TION

(dB)

3089 G34

VIN = VOUT(NOMINAL) + 2VRIPPLE = 500mVP–Pf = 10kHzILOAD = 100mACOUT = 2.2µFCSET = 0.1µF

TEMPERATURE (°C)–75 –50 –25 0 25 50 75 100 125 150 175

50

55

60

65

70

RIPP

LE R

EJEC

TION

(dB)

3089 G35

FREQUENCY (Hz)10

1

OUTP

UT IM

PEDA

NCE

(Ω)

10

100

1k

10k

100k

1M

10M

100 1k 10k 100k 1M 10M

3089 G33

ISOURCE = 10mAISOURCE = 100mAISOURCE = 500mA

CURRENT SOURCE CONFIGURATION

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LT3089

83089f

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ノイズ・スペクトラム密度10Hz~100kHz出力電圧ノイズ

リップル除去(1MHz)

標準的性能特性 注記がない限り、TJ = 25°C。

リップル除去

VIN = VOUT(NOMINAL) + 2VRIPPLE = 500mVP–Pf = 1MHzILOAD = 100mACOUT = 2.2µFCSET = 0.1µF

TEMPERATURE (°C)–75 –50 –25 0 25 50 75 100 125 150 175

35

37

39

41

43

45

RIPP

LE R

EJEC

TION

(dB)

Ripple Rejection (1MHz)

3089 G36

ILOAD = 800mACLOAD = 2.2µF

10kHz100kHz1MHz

INPUT–TO–OUTPUT DIFFERENTIAL VOLTAGE (V)1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5

10

20

30

40

50

60

70

80

90

RIPP

LE R

EJEC

TION

(dB)

3089 G37

FREQUENCY (Hz) 10

10

ERRO

R AM

PLIF

IER

NOIS

ESP

ECTR

AL D

ENSI

TY (n

V/√H

z)

REFERENCE CURRENT NOISESPECTRAL DENSITY (pA/√Hz)

100

1000

1

10

100

1k100 10k 100k

3089 G38

CSET = 0.1µFCOUT = 4.7µFILOAD = 800mA

NOISE INDEPENDENTOF OUTPUT VOLTAGE

1ms/DIV

VOUT100µV/DIV

3089 G39

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LT3089

93089f

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ブロック図

+50µA

IN

IMON

TEMPERATUREDEPENDENTCURRENT SOURCE1µA/°C

SET ILIM OUT 3089 BD

PROGRAMMABLECURRENT LIMIT

CURRENTMONITORIMON = ILOAD/5000

TEMP

ピン機能IN:入力ピン。このピンは、内部回路をレギュレーションし、出力負荷電流を供給するための電力を供給します。デバイスが適切に動作し安定化するには、このピンの電圧は、(出力負荷電流に応じて)ドロップアウト電圧とOUTピンより36V高い電圧の間でなければなりません(「電気的特性」の表のドロップアウト電圧の仕様を参照)。

OUT:出力ピン。このピンはデバイスの電力出力です。LT3089

の出力の適切なレギュレーションに必要な負荷電流は最小3mAです。

TEMP:温度出力。このピンは内部平均接合部温度に比例した電流を出力します。電流出力は、5°Cを超える温度では1μA/°Cになります。TEMPピンの出力電流は、標準で25μA

が25°Cに相当します。TEMPピンの出力は、VOUT+0.4V~VOUT – 40Vの範囲の電圧で有効です。使用しない場合、このピンはOUTに接続してください。

ILIM:電流制限の設定。このピンとOUTの間の抵抗は、出力電流制限を、抵抗値に比例するレベルに設定します。この抵抗は、パッケージのピンの位置で直接OUTに接続してください。電流制限と抵抗値の比は、標準で300Ωのオフセット付きで175mA/kΩになります。設定可能な電流制限を使用しない場合は、このピンをオープン状態のままにします。この場合もLT3089の内部電流制限機能は有効であり、デバイスを安全動作制限の範囲内に保ちます。電流制限抵抗とVOUTの間に生じる外部電圧降下は、電源制限に影響を与えます。電圧降下は1mV未満に維持してください。

IMON:出力電流モニタ。IMONピンは、標準でILOAD/5000(または出力電流1A当たり200μA)に相当する電流をソースします。GNDへの抵抗でこのピンを終端すると、ILOADに比例する電圧が発生します。例えば、ILOAD = 800mAでは、IMONは標準で160μAをソースします。GNDへの1k抵抗を使用すると、160mVが発生します。IMONピンの出力は、VOUT+0.4V~VOUT – 40Vの範囲の電圧で有効です。使用しない場合、このピンはOUTに接続してください。

SET:設定。このピンはエラーアンプの非反転入力であり、回路の動作バイアス・ポイントの設定も行います。このピンから50μAの固定電流源が供給されます。1本の外付け抵抗でVOUTを設定します。出力電圧範囲は0V~34.5Vです。

露出パッド/タブ:出力。DFおよびFEパッケージの露出パッドとRパッケージのタブは、内部でOUTに接続されています。したがって、これらのパッドとタブはPCBの位置でOUT(ピン1~4/ピン1~5、8、9、16/ピン4)に直接接続します。OUTに接続される銅箔面積とプレーンの大きさにより、パッケージの実効熱抵抗が決まります。

NC:接続なし。NCピンは内部回路に接続されておらず、IN、OUT、GNDに接続するか、フロート状態にすることができます。

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LT3089

103089f

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アプリケーション情報はじめにLT3089レギュレータは使いやすく、高性能レギュレータに期待される全ての保護機能を備えています。短絡保護、逆入力電圧保護、および安全動作範囲保護に加えて、ヒステリシス付きサーマル・シャットダウンを搭載しています。LT3089は安全動作範囲(SOA)が拡張されており、入力電圧の突然のスパイクによって大きな電力損失が生じる苛酷な産業用機器および自動車用機器環境で使用できます。

LT3089は複数のレールを必要とするアプリケーションに適しています。この新しいアーキテクチャにより、簡単な並列接続動作とヒートシンクなしの熱管理が可能になるだけでなく、1

個の抵抗で出力電圧をゼロまで調節可能なので、最新の低電圧デジタルICを扱えます。ゼロ出力への調節により、給電される回路をオフすることができます。

温度係数(TC)が0の高精度50μAリファレンス電流源がパワー・オペアンプの非反転入力に接続されています。パワー・オペアンプは低インピーダンスのバッファされた出力を非反転入力の電圧に提供します。非反転入力からグランドに接続される1個の抵抗で、出力電圧を設定します。この抵抗が0Ωに設定されると、出力電圧がゼロになります。したがって、ゼロと、入力電源によって定まる最大電圧の間で、任意の出力電圧を得ることができます。

従来のレギュレータのブートストラップされたリファレンスと比べたときの、真の内部電流源をリファレンスとして使用する利点は、このアーキテクチャではそれほど明らかではありません。真のリファレンス電流源により、レギュレータは正入力のインピーダンスに依存しない利得と周波数応答を得ることができます。LT1086のような従来の可変レギュレータでは、出力電圧によってループの利得が変化し、調節ピンがグランドにバイパスされていると帯域幅が変化します。LT3089では、ループの利得は出力電圧の変化やバイパスによって変化しません。出力のレギュレーションは、出力電圧に対する一定の比率ではなく、mV単位の固定値で表されます。真の電流源の使用により、バッファ・アンプの全利得をレギュレーションのために使うことができ、リファレンスをもっと高い出力電圧に増幅するために利得を使う必要は全くありません。

LT3089は、モニタと制御を容易に行うための多くの追加機能を備えています。電流制限は、ILIMピンとOUTの間に接続される1個の抵抗によって外部で設定可能です。この抵抗を短絡させると、負荷への全出力電流がオフになり、バイアス電流だけが残ります。

IMONピンは、負荷電流に比例した電流出力を発生します。IMONピンは、負荷電流100mAにつき20μAの電流をソースします。外付け抵抗を使ってこの電流を検知することで、負荷要件をモニタし、フォルトを検出できます。IMONピンはOUTより高い電圧で動作できるため、短絡状態でも動作します。

もう1つのモニタ機能はTEMPピンで、このピンは平均ダイ温度に比例する電流源です。ダイ温度が0°Cを超える場合、TEMPピンは1μA/°Cに相当する電流をソースします。このピンは出力短絡状態でも正常に動作します。

リニア・レギュレータの出力電圧の設定LT3089は、SETピンから流れ出す50μAのリファレンス電流を発生します。SETからグランドに抵抗を接続すると、エラーアンプの基準点になる電圧を発生します(図1を参照)。このリファレンス電圧は50μAにSETピンの抵抗の値を掛けた値に等しくなります。このレギュレータは任意の電圧を発生できるので、最小出力電圧はありません。

3089 F01

IN

SET OUT

+–

LT3089

50µA

RLOADCSET RSET

CIN

VOUT = 50µA • RSET

COUT

図1.基本的な可変レギュレータ

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LT3089

113089f

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アプリケーション情報表1に、一般的な出力電圧と、各出力電圧を発生させるのに使われる最も近い標準1%抵抗値を示します。

出力電圧のレギュレーションには最小3mAの負荷電流が必要です。真のゼロ電圧出力の動作では、この3mAの負荷電流を負の出力電圧に戻します。

表1.一般的な出力電圧の1%抵抗VOUT(V) RSET(kΩ)

1 20

1.2 24.3

1.5 30.1

1.8 35.7

2.5 49.9

3.3 66.5

5 100

50μA電流源を使ってリファレンス電圧を発生させる場合、SETピンとの間のリーク経路によって、リファレンス電圧と出力電圧の誤差が生じることがあります。テフロンやKel-Fなど、高品質の絶縁を施す必要があります。絶縁体の表面を洗浄して、溶剤などの残留物を除去してください。湿度の高い環境では、湿気を防ぐため表面をコーティングする必要があるかもしれません。

SETピンと回路を、それ自体に近い電位で動作するガードリングで取り囲んで、基板の漏れ電流を最小限に抑えます。ガードリングをOUTピンに接続します。回路基板の両側をガードする必要があります。バルク漏れ電流の減少はガードリングの幅に依存します。SETピンおよびそれに関連した回路との間に流れる50nAの漏れ電流により、リファレンス電圧に0.1%

の誤差が生じます。この大きさの漏れ電流は、他の漏れ電流源と結合して、特に可能な動作温度範囲にわたってオフセット電圧とリファレンスにかなりのドリフトを生じさせることがあります。ガードリングのレイアウトの例を図2に示します。

ガードリングの手法を用いると、SETピンの浮遊容量が増大します。SETピンは、高インピーダンス・ノードです。そのため、不要な信号がSETピンに結合し、不規則な動作を引き起こす場合があります。これは最小出力コンデンサを使って最大負荷電流で動作しているときに最も顕著になります。これを改善する最も簡単な方法は、小容量のコンデンサ(10pF~20pFで十分)をSETからグランドに接続してSETピンをバイパスすることです。

LT3089を電流源として使用する構成LT3089が2端子電流源として動作するように設定するのは簡単です。SETピンからの50μAのリファレンス電流を使用して、1本の抵抗に低い電圧を発生させます。この電圧は通常は100mV~1Vの範囲です(オフセット電圧や入力レギュレーションなどの誤差を除去できる適度な電圧レベルは200mV

です)。この電圧は、OUTピンから最初の抵抗に接続される2

本目の抵抗の両端に印加されます。基本的な電流源構成の接続と計算式を図3に示します。

この構成でも、LT3089で使用される電流レベルは低いため、誤差の発生源としての基板の漏れ電流に注意する必要があります(「リニア・レギュレータの出力電圧の設定」のセクションを参照)。

3089 F02SET PINGND

OUT

図2.DFパッケージのガードリングのレイアウト例 図3.LT3089を電流源として使用する構成

IOUT ≥ 3mA

VSET = 50µA •RSET

IOUT = VSETROUT

= 50µA •RSETROUT

IN

SET OUT

+–

LT3089

50µA

IOUT

VSET RSET

3089 F03+

–ROUT

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LT3089

123089f

詳細: www.linear-tech.co.jp/LT3089

アプリケーション情報電流源構成では、設定可能な電流制限機能と電流モニタ機能は通常は使用されません。これらの機能を使用しない場合は、IMONをOUTに接続し、ILIMをオープン状態のままにします。この場合もTEMPピンは使用可能ですが、使用しない場合はTEMPをOUTに接続します。

電流源アプリケーションでのRSETとROUTの選択図3では、RSETとROUTの両方の抵抗によって出力電流の値が設定されます。ここで、これらの抵抗の比は分かっていますが、各抵抗の値はいくらにすればいいでしょうか。

最初に選択する抵抗はRSETです。選択する値は、SETピンとOUTピンの間のオフセットに起因する誤差を最小限に抑えるのに十分な電圧を生じる値にします。RSET両端の電圧の妥当な初期レベルは約200mVです(RSETは4.02kに等しい)。オフセット電圧によって生じる誤差は数パーセントです。RSET両端の電圧が低くなるに従って、オフセットによる誤差の割合が大きくなります。

この点から、ROUTはRSETから直接計算されるので、ROUTは簡単に選択できます。ただし、抵抗の誤差も見込む必要があることに注意してください。RSET両端の大きな電圧降下はオフセットによる誤差を最小限に抑えますが、必要な動作ヘッドルームを増大させます。

最高の温度係数を得るのに、低ppmの温度係数を備えた高価な抵抗を使用する必要はありません。その代わり、LT3089

の出力電流はRSETとROUTの比率によって決まるので、これらの抵抗の温度特性を一致させる必要があります。同じ素材で作られた安価な抵抗で、一致した温度係数が得られます。詳細については、抵抗の製造元のデータシートを参照してください。

出力電流が大きい場合は、ROUTに高電力の抵抗を使用する必要があります。ROUTに使用する抵抗とRSETに使用する抵抗に違いがあってもかまいません。抵抗の一貫性を維持するために、複数の抵抗を並列で接続してROUTを作成し、抵抗の電力とタイプをRSETと同じにすることを推奨します。

外部電流制限の設定LT3089のILIMとOUTの間に抵抗を接続し、内部電流制限よりも低いレベルに外部電流制限を設定できます。この抵抗をOUTピンに直接接続すると、最高の精度が得られます。この抵抗の値は、次のように計算されます。

RILIM = ILIMIT/175mA/kΩ+300Ω

0.5Aの電流制限の場合、抵抗は、RILIM = 0.5A/175mA/kΩ+300Ω = 3.16kになります。温度に対する許容誤差は±15%

なので、電流制限は通常は最大負荷電流より20%大きい値に設定されます。設定可能な電流制限に組み込まれる300Ωのオフセット抵抗により、外部スイッチを使用して、最大出力電流をバイアス電流のみに引き下げることができます(「標準的性能特性」の「最小負荷電流」のグラフを参照)。

パワー・トランジスタ内の入出力間の電圧差が大きすぎる場合は、LT3089の内部電流制限が外部で設定された電流制限を無効にします。出力電圧それ自体ではなく入出力間の電圧差に依存するフォールドバック特性により、内部電流制限は約1Aになります。(「標準的性能特性」を参照)。

安定性と入力容量LT3089は、安定性の維持に入力コンデンサを必要としません。リニア・レギュレータ構成では、LT3089に低インピーダンスの入力ソースを提供するために、入力コンデンサの使用を推奨します。入力コンデンサを使用する場合、入力に長いリード線を使わないアプリケーションには、低ESRのセラミック入力バイパス・コンデンサを使うことができます。ただし、長い入力ワイヤと低ESRのセラミック入力コンデンサを使ってLT3089回路のINピンとGNDピンに電源を接続するアプリケーションは、電圧スパイクやアプリケーション固有の基板の発振を生じやすく、信頼性が懸念されます。多くのバッテリ駆動アプリケーションで見られる入力ワイヤのインダクタンスは、低ESRのセラミック入力コンデンサと組み合わされると、Qの高いLC共振タンク回路を形成します。場合によっては、この共振周波数が出力電流に依存するLDOの帯域幅とぶつかり、正常な動作に干渉することがあります。この場合、簡単な回路の修正 /解決策が必要になります。この現象はLT3089の不安定さを示すものではなく、セラミック入力バイパス・コンデンサを使うアプリケーションに共通の問題です。

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LT3089

133089f

詳細: www.linear-tech.co.jp/LT3089

アプリケーション情報導線の自己インダクタンス(単独のインダクタンス)は、導線の長さに正比例します。ワイヤの直径はワイヤの自己インダクタンスの主要因ではありません。例えば、単独の2-AWGワイヤ(直径 = 0.26インチ)の自己インダクタンスは、30-AWGワイヤ(直径 = 0.01インチ)の自己インダクタンスの約1/2です。1フィートの30-AWGワイヤの自己インダクタンスは約465nHです。

次の2つの方法でワイヤの自己インダクタンスを抑えることができます。1つの方法は、LT3089に流れ込む電流を2つの並列な導体に分割することです。この場合、ワイヤが互いに遠く離れているほど自己インダクタンスが減少し、数インチ離すと最大50%減少します。ワイヤの分割は基本的に2個の等しいインダクタを並列に接続することに相当しますが、それらを近接させると、ワイヤの相互インダクタンスが自己インダクタンスに加わります。全体のインダクタンスを減らす2番目の(最も効果的な)方法は、電流の往路と復路の両方の導体(入力のワイヤとGNDのワイヤ)を非常に近づけて配置することです。往路と復路の電流の導体に、0.02インチ離した2本の30-AWG

ワイヤを使用すると、1本の独立したワイヤを使用した場合に比べて全体の自己インダクタンスは約1/5に減少します。

配線の変更が許されないアプリケーションでは、電源とLT3089の入力の間に直列抵抗を使うことでアプリケーションを安定化できます。わずか0.1Ω~0.5Ω(多くの場合はそれ以下)でLC共振を減衰させる効果があります。電源と入力の間に追加のインピーダンスを許容できない場合、入力コンデンサのESRを増やしてもLC共振が減衰します。ただし、必要なESRは一般に必要な直列インピーダンスより大きくなります。

リニア・レギュレータ構成での安定性と周波数補償LT3089は、安定性の維持に出力コンデンサを必要としません。リニアテクノロジーでは、リニア・レギュレータ構成でトランジェント性能を向上させるため、ESRが0.5Ω以下の10μF出力コンデンサを推奨しています。出力容量の値を大きくすると、負荷電流の大きな変化に対してピーク変動が減り、トランジェント応答が改善されます。LT3089によって電力を供給される個々の部品のデカップリングに使用されるバイパス・コンデンサにより、出力コンデンサの実効値が増加します。トランジェント性能を改善するため、電圧設定抵抗の両端にコンデンサを接続します。1μFまでのコンデンサを使用できます。このバイパス・コンデンサによって、システム・ノイズも減少しますが、起動時間は電圧設定抵抗(図1のRSET)とSETピンのバイパス・コンデンサの時定数に比例して長くなります。

電流源構成での安定性と周波数補償LT3089は、多くの電流源アプリケーションの安定化に入力コンデンサや出力コンデンサを必要としません。クリーンで密なPCBレイアウトにより、LT3089に低リアクタンスで十分に管理された動作環境が確保され、回路を周波数補償するコンデンサが不要になります。図3はLT3089を電流源として使用する回路の簡単さを示しています。

一部の電流源アプリケーションでは、SETピンの抵抗に並列に接続したコンデンサを使用して、電流源のノイズを低減します。このコンデンサは電流源のソフトスタート機能も実現します。詳細については「ノイズの抑制」のセクションを参照してください。出力コンデンサなしで動作する場合、SETピンはエラー・アンプの入力として高インピーダンスであるため、出力からの信号が結合し、トランジェントで高周波リンギングを示すことがあります。20pF~30pFの範囲のコンデンサを使ってSETピンの抵抗をバイパスすると、リンギングは減衰します。

コンデンサや(LT3089に発生する)その他の複合インピーダンスによって生じるポールによっては、安定性を得るために外部補償が必要になります。LT3089を安定化させる手法について以下に説明します。リニアテクノロジーでは、生産を開始する前に最終部品を使用した状態で安定性をテストすることを強く推奨しています。

LT3089の設計は様々な動作条件においてコンデンサなしで安定することを目指していますが、LT3089が直面する入力インピーダンスと出力インピーダンスのありうる全ての組み合わせに対してテストすることは不可能です。これらのインピーダンスには抵抗性、容量性、誘導性の成分が含まれることがあり、複雑に分布したネットワークである可能性があります。さらに、電流源の値はアプリケーション間で異なり、その接続はGNDリファレンス、電源リファレンス、または信号ライン経路でフロート状態の場合があります。リニアテクノロジーでは、LT3089のあらゆるアプリケーションで安定性をテストすることを強く推奨しています。

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LT3089

143089f

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アプリケーション情報長い配線やPCBトレースを使用したLT3089のアプリケーションでは、誘導性リアクタンスが不安定性の原因になる可能性があります。場合によっては、(図4に示すように)入力ラインと出力ラインに直列抵抗を追加することにより、これらの高いQ

になり得るラインを十分に減衰して安定性を確保することができます。ユーザーは、設計のヘッドルームの制約に対して必要な抵抗値を計算する必要があります。一般に、低出力電流レベル(<20mA)での動作では大きな値の設定抵抗が自動的に必要となるため、直列インピーダンスを追加することなく必要な減衰が得られます。

LT3089と直列接続されたライン・インピーダンスが、直列減衰抵抗では不十分なほど複雑な場合は、周波数補償ネットワークが必要になります。いくつかのオプションが考えられます。

図5に、電流源の2つの端子の間に1個のコンデンサを接続した最もシンプルな周波数補償ネットワークを示します。アプリケーションによっては、DC電圧を遮蔽するために小容量のコンデンサを使用できますが、信号線へのデータ転送は可能です。

また、アプリケーションの中には、コンデンサの純粋な容量では対応できないものや、設計に制約を与えるものがあります。これを代表する1つの回路例は、過負荷状態やフォルト状態で、コンデンサに蓄積されたエネルギーからスパークやアーク放電が生じる可能性がある「本質的安全」回路です。1個のコンデンサでは対応できないアプリケーションで、代わりに電流源の2つの端子の間に直列RCネットワークを接続した構成を図5に示します。このネットワークには、フォルト状態で生じるコンデンサの放電電流を制限し、スパークやアーク放電を防止できるという利点があります。多くの場合、アプリケーション回路を安定化する最善の対策は直列RCネットワークです。標準的な抵抗値の範囲は100Ωから5kΩです。この場合も、リニアテクノロジーでは、LT3089のあらゆるアプリケーションについて、全ての動作条件(特に電流源の入力と出力に複雑なインピーダンス・ネットワークがある場合)で安定性をテストすることを強く推奨しています。

LT3089の電流源の下側をGNDリファレンスにするアプリケーションの場合、コンデンサを使用して電流源の上側をGNDにバイパスしなければならないことがあります。場合によっては、このコンデンサは既に存在しており、容量を追加する必要はありません。例えば、LT3089が電源出力の可変電流源として使用されている場合は、この出力バイパス容量がLT3089を十分に安定化します。追加のバイパス・コンデンサを必要とするアプリケーションもあります。アプリケーションの要件によっては、必要に応じて直列RCネットワークも使用可能です。

IN

SET OUT

+–

LT3089

50µA

RSET ROUT

RSERIES

RSERIES

LONG LINEREACTANCE/INDUCTANCE

3089 F04

LONG LINEREACTANCE/INDUCTANCE

図4.直列抵抗の追加による長いライン・ リアクタンスのデカップリングと減衰

図5.電流源の入力 -出力間の補償による 安定性の確保

3089 F05

IN

SET OUT

+–

LT3089

50µA CCOMP OR

RSET ROUT

RCOMP

CCOMP

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LT3089

153089f

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アプリケーション情報極端な場合には、回路を安定させるために、LT3089の入力と出力の両方にコンデンサまたは直列RCネットワークが必要になります。図6に、入力-出力間のコンデンサではなく、入力と出力にコンデンサ・ネットワークを使用した一般的なアプリケーションを示します。電流源の入力は高インピーダンスになる傾向があるので、入力にコンデンサを接続しても、低インピーダンスの出力にコンデンサを接続するのと同じ効果はありません。通常、0.1μF~1μFの範囲のコンデンサで十分に入力をバイパスすることができ、入力容量の値は無制限に大きくすることができます。長い入力線に低ESRの入力コンデンサを使用する場合は、十分に注意する必要があります(詳細については「安定性と入力容量」のセクションを参照)。

セラミック・コンデンサの使用セラミック・コンデンサを使用する際には、特に注意が必要です。セラミック・コンデンサは様々な誘電体を使用して製造されており、それぞれ温度や印加される電圧によって動作が異なります。最も広く使われている誘電体は、Z5U、Y5V、X5R

およびX7RのEIA温度特性コードによって規定されています。Z5UとY5Vの誘電体は小型のパッケージで大きな容量を実現するのには適していますが、図7と図8に示すように、電圧係数と温度係数が大きくなる傾向があります。5Vのレギュレータに使用する場合、16V 10μFのY5Vコンデンサは、印加されたDCバイアス電圧と動作温度範囲で1μF~2μFの小さな実効値になる可能性があります。X5RとX7Rの誘電体を使用するとさらに安定した特性が得られるので、これらは出力コンデンサとして使用するのにより適しています。X7Rタイプは全温度範囲にわたって安定性が優れており、X5Rタイプは安価で大きな値のものが入手可能です。X5RやX7Rのコンデンサを使用する場合でも注意が必要です。X5RとX7Rのコードは、動作温度範囲と、温度に対する最大容量変化を規定しているだけです。X5RとX7RのコンデンサのDCバイアスによる容量変化はY5VやZ5Uのコンデンサに比べると小さいですが、それでもコンデンサの容量が適切なレベルを下回るほど変化することがあります。コンデンサのDCバイアス特性は部品のケースのサイズが大きいほど向上する傾向がありますが、動作電圧での必要な容量を検証する必要があります。

図8.セラミック・コンデンサのDCバイアス特性図7.セラミック・コンデンサの温度特性

図6.補償用に入力コンデンサや出力コンデンサを使用可能

3089 F06

IN

SET OUT

+–

LT3089

50µA

IOUT

RSET ROUT

COUT OR

VIN

COUT

ROUT

CIN

RIN

TEMPERATURE (°C)–50

40

20

0

–20

–40

–60

–80

–10025 75

3089 F07

–25 0 50 100 125

Y5V

CHAN

GE IN

VAL

UE (%

) X5R

BOTH CAPACITORS ARE 16V,1210 CASE SIZE, 10µF

DC BIAS VOLTAGE (V)

CHAN

GE IN

VAL

UE (%

)

3089 F08

20

0

–20

–40

–60

–80

–1000 4 8 102 6 12 14

X5R

Y5V

16

BOTH CAPACITORS ARE 16V,1210 CASE SIZE, 10µF

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LT3089

163089f

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アプリケーション情報電圧係数と温度係数だけが問題の原因ではありません。セラミック・コンデンサの中には圧電効果を示すものがあります。圧電素子は、機械的応力によって端子間に電圧を生じます。セラミック・コンデンサでは、システムの振動や熱過渡によって応力が生じることがあります。

デバイスの並列接続複数のLT3089を並列接続することにより、さらに高い出力電流を得ることができます。個々のSETピンと個々のINピンをそれぞれ相互接続します。小さなPCトレースをバラスト抵抗として使って出力を共通に接続し、電流分担を均等にします。PC

ボードのmΩ/インチで表したトレース抵抗を表2に示します。バラストに必要なPCボード上の面積はわずかです。

表2.PC基板のトレース抵抗重量(オンス) 幅10ミル 幅20ミル

1 54.3 27.1

2 27.1 13.6トレース抵抗はmΩ/インチで測定

ワーストケースの室温オフセット(SETピンとOUTピンの間で±1.5mV)により、非常に小さいバラスト抵抗を使用できます。

図9に示されているように、各LT3089は小さな20mΩのバラスト抵抗を備えており、これは最大出力電流で80パーセントを超える均等な電流分担を与えます。20mΩ(2 個の並列デバイスでは10mΩ)の外部抵抗を使用した場合、出力レギュレーションによる電圧降下は1.6Aの出力で約16mV増すだけです。1Vの低出力電圧でも、レギュレーションは1.6%増すだけです。もちろん、3個以上のLT3089を並列接続すれば、さらに大きな出力電流が得られます。複数のデバイスをPCボード上に分散配置すると、熱も分散されます。入力と出力の間の電圧差が大きい場合、直列入力抵抗により熱をさらに分散することができます。

バラスト抵抗による負荷レギュレーションの増加を許容できない場合は、IMON出力を使用してこれらの電圧降下を補償できます(「標準的応用例」のセクションの「IMONを使ってバラスト抵抗による電圧降下を補償する回路」を参照)。バラスト抵抗を使用しないレギュレータの並列接続は、レギュレータのIMON出力を比較することによって実現されます(「標準的応用例」のセクションの「バラスト抵抗を使用しない負荷電流分担」を参照)。

ノイズの抑制LT3089にはノイズ性能に関して多くの利点があります。どのリニア・レギュレータにもいくつかのノイズ源があります。一般に、リニア・レギュレータ回路の重要なノイズ源はリファレンスです。さらに、エラーアンプのノイズの影響と抵抗分割器のノイズ利得を考慮に入れる必要があります。

多くの従来の低ノイズ・レギュレータでは、電圧リファレンスを(通常は大きな値の抵抗を通して)外部ピンに配線してあるので、そのピンをバイパスしてノイズを減らすことができます。LT3089は他のリニア・レギュレータのような従来の電圧リファレンスを使用しません。代わりに、50μAのリファレンス電流を使います。この50μA電流源は18pA/√Hz(10Hz~100kHzの帯域幅で5.7nARMS)のノイズ電流レベルを発生します。等価電圧ノイズはRMSノイズ電流に抵抗値を掛けた電圧になります。

SETピンの抵抗は√4kTR (k = ボルツマン定数1.38 • 10–23J/°K、Tは絶対温度)に等しいスポット・ノイズを発生し、電圧ノイズにRMSの和として加わります。GNDアプリケーションがより優れたノイズ性能を必要とする場合は、GNDに接続されたコンデンサを使って電圧設定抵抗をバイパスします。なお、このノイズ低減コンデンサを使用すると、RC時定数に比例して起動時間が長くなります。

SET

+–

LT3089

50µA

20mΩ

20mΩ

INVIN4.8V TO 40V

VOUT3.3V1.6A

OUT

10µF

1µF

33k

3089 F09

SET

+–

LT3089

50µA

IN

OUT

図9.並列デバイス

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LT3089

173089f

詳細: www.linear-tech.co.jp/LT3089

LT3089はSETピンからOUTピンにユニティゲイン・フォロワを使います。したがって、(SETピンの抵抗の他に)出力電圧を設定する複数の可能性が存在します。例えば、SETピンからGND

に高精度電圧リファレンスを使うと、リファレンス電流の許容誤差と抵抗の許容誤差に起因する出力電圧の誤差が除去されます。SETピンはアクティブにドライブしてもかまいません。

リニア・レギュレータのノイズの典型的シナリオでは、特にVOUTがVREFよりはるかに大きい場合、出力電圧を設定する抵抗分割器によってリファレンスのノイズが大きく増加します。LT3089のノイズに関する利点は、ユニティゲイン・フォロワはSETピンから出力へのいかなるノイズ利得も生じないということです。したがって、ノイズ・フィギュアは増加しません。エラーアンプのノイズは標準で85nV/√Hzです(10Hz~100kHzの帯域幅で27μVRMS)。エラー・アンプのノイズと他のノイズ項とのRMS和をとると、レギュレータの最終ノイズ・フィギュアが与えられます。

レギュレータを並列接続すると、出力ノイズの低減という利点がさらに向上します。n個のレギュレータを並列に接続すると、出力ノイズは√nに比例して低下します。

「標準的性能特性」のセクションのグラフに、10Hz~100kHz

の帯域幅のリファレンス電流とエラーアンプの両方のノイズ・スペクトラム密度とピーク・トゥ・ピーク・ノイズ特性を示します。

負荷電圧のレギュレーションLT3089はフロートさせて使うデバイスです。パッケージにはグランド・ピンがありません。したがって、このデバイスは全静止電流とドライブ電流を負荷に供給します。そのため、正確なリモート負荷検出を提供することができません。レギュレータと負荷の間の接続抵抗によって、負荷レギュレーションの性能が決まります。データシートの負荷レギュレーションの仕様はパッケージのピンでケルビン検出されます。負側の検出は真のケルビン接続で、電圧設定抵抗の下側を負荷の負側に戻します(図10を参照)。

図に示すように接続すると、システムの負荷レギュレーションは、LT3089の負荷レギュレーションと、寄生ライン抵抗に出力電流を掛けた値の和になります。負荷レギュレーションを最小限に抑えるには、レギュレータと負荷の間の正の接続をできるだけ短くします。可能であれば、直径の大きなワイヤまたは幅の広いPCボードのトレースを使います。

TEMPピンの動作(ダイ温度モニタ)LT3089のTEMPピンは、平均ダイ温度に比例した電流を出力します。25°CでTEMPピンから出力される電流は25μA(勾配は1μA/°C)です。TEMPピンからの出力電流は、接合部温度が0°Cを超えると有効になります(初期オフセットを考慮に入れない場合)。0°Cを下回る温度では、TEMPピンはダイ温度を示す電流をシンクしません。TEMPピンの出力電流は、OUTピンより40V低い電圧と0.4V高い電圧の間で有効なので、短絡状態でも動作します。

TEMPピンからグランドに抵抗を接続すると、TEMPピンの電流が電圧に変換され、A/Dコンバータによるモニタが可能になります。1kΩの抵抗を使用した場合、0mV~150mVが0°C~150°Cを示します。

なお、TEMPピンの電流は平均温度を示すものであり、最大接合部温度を超えていないことを保証するために使用することはできません。瞬時の電力の他に温度勾配や時定数の要因が加わると、ダイの一部が最大定格およびサーマル・シャットダウンのしきい値を超えてしまう可能性があります。ダイ温度の上昇分は、定常状態(1分超)だけでなく、インパルス条件でも計算するようにしてください。

IMONピンの動作(電流モニタ)LT3089のIMONピンは、供給される負荷電流に比例した電流を1:5000の比率で出力します。IMONピンの電流は、OUTピンより40V低い電圧と0.4V高い電圧の間で有効なので、短絡状態でも動作します。

アプリケーション情報

図10.最高の負荷レギュレーションを得るための接続

IN

SET

+–

LT3089

50µA

3089 F10

OUT

RSET

RP

PARASITICRESISTANCE

RP

RP

LOAD

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LT3089

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詳細: www.linear-tech.co.jp/LT3089

IMONピンからグランドに抵抗を接続すると、IMONピンの電流が電圧に変換され、A/Dコンバータによるモニタが可能になります。1kΩの抵抗を使用した場合、0mV~160mVが0A~800mAの負荷電流を示します。

IMONによるケーブル電圧降下の補償IMONピンにより、LT3089と負荷の間のワイヤまたはケーブルに生じる抵抗性の電圧降下を補償できます。SETピンの抵抗を2つに分割し、負荷電流の関数として出力電圧を調整できます。ワイヤ/ケーブルの出力インピーダンスと下側の抵抗の比は1:5000にする必要があります。SETピンの2個の抵抗を合計した値により、初期出力電圧が決まります。標準的応用例と抵抗値の計算式を図11に示します。

表面実装パッケージは、PCボード、銅配線および銅プレーンの放熱能力を使って、必要なヒートシンク効果を提供します。表面実装のヒートシンク、メッキ・スルーホールおよび半田充填ビアも、パワー・デバイスが発生する熱を分散することができます。

接合部からケースへの熱抵抗は、デバイスの接合部から直接ケースの底まで、または熱経路に直接存在するピンの底部までで規定されています。これは熱流の最小熱抵抗経路です。デバイスを正しく実装してはじめて、パッケージのこの領域からヒートシンク材へ可能な限り最良の熱流が確実に流れます。

DFNおよびTSSOPパッケージの露出パッドと、DD-PAKパッケージのタブは、出力(VOUT)に電気的に接続されていることに注意してください。

一定のボード・サイズの銅箔面積に対する熱抵抗を表3と表5

に示します。全ての測定は、静止空気中で、1オンスの切れ目のない内部プレーンと2オンスの外部トレース・プレーンを有し、合計仕上げ基板厚が1.6mmの4層FR-4ボードで行いました。

表3.DFパッケージ、12ピンDFN銅箔面積

基板面積熱抵抗

(接合部 -周囲間)上面* 裏面2500mm2 2500mm2 2500mm2 21°C/W

1000mm2 2500mm2 2500mm2 24°C/W

225mm2 2500mm2 2500mm2 30°C/W

100mm2 2500mm2 2500mm2 35°C/W*デバイスは上面に実装。

表4.FEパッケージ、16ピンTSSOP銅箔面積

基板面積熱抵抗

(接合部 -周囲間)上面* 裏面2500mm2 2500mm2 2500mm2 18°C/W

1000mm2 2500mm2 2500mm2 22°C/W

225mm2 2500mm2 2500mm2 27°C/W

100mm2 2500mm2 2500mm2 32°C/W*デバイスは上面に実装。

表5.Rパッケージ、7ピンDD-Pak銅箔面積

基板面積熱抵抗

(接合部 -周囲間)上面* 裏面2500mm2 2500mm2 2500mm2 13°C/W

1000mm2 2500mm2 2500mm2 14°C/W

225mm2 2500mm2 2500mm2 16°C/W*デバイスは上面に実装。

アプリケーション情報

図11.IMONによるケーブル電圧降下の補償

熱に関する検討事項LT3089内部の電力制限回路と熱制限回路は、過負荷状態でデバイス自体を保護します。通常の連続負荷状態では、125°C(Eグレード、Iグレード)の最大接合部温度を超えないようにしてください。接合部から周囲までの全ての熱抵抗源を注意深く検討してください。これには接合部からケース、ケースからヒートシンク・インタフェース、ヒートシンク抵抗または回路基板からアプリケーションに支配される周囲温度までが含まれますが、これらに限定されません。PCボード上で近くにある他の全ての発熱源も考慮に入れてください。

LT3089

IN

CIN1µF

COUT10µF

3089 F11

OUT

SET

RSET29.8k

RCOMP = 5000 • RCABLE(TOTAL)

VOUT(LOAD) = 50µA (RSET + RCOMP)

RCABLE20.02Ω

RCABLE0.02Ω

RCOMP200Ω

IMON

LOAD

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LT3089

193089f

詳細: www.linear-tech.co.jp/LT3089

アプリケーション情報熱抵抗の詳細と熱に関する情報の利用については、JEDEC

標準規格のJESD51、特にJESD51-12を参照してください。

PCBの層数、銅箔の重量、基板レイアウトおよびサーマル・ビアが熱抵抗の値に影響を与えます。表3~表5は1オンス内部銅と2オンス外部銅を使ったベストケースの4層基板の熱抵抗値を示しています。現在の多層PCボードは、これらの表に示した値と同レベルの性能を達成できないことがあります。複数の内部VOUTプレーンと複数のサーマル・ビアを使用したデモ回路2318Aの基板レイアウトは、DFパッケージで17°C/W

の性能を達成します。

接合部温度の計算例:出力電圧が0.9V、IN電圧が2.5V ±5%、出力電流範囲が10mA~0.8A、最大周囲温度が50°Cだとすると、上面銅領域が1000mm2である2500mm2の基板上でDD-PAKパッケージの最大接合部温度は何°Cになるでしょうか。

回路内の電力は次のようになります。

PTOTAL = (VIN – VOUT)(IOUT)

SETピンに供給される電流は微少であり、無視できます。

VIN(MAX_CONTINUOUS) = 2.625V (2.5V+5%)

VOUT = 0.9V, IOUT = 0.8A, TA = 50°C

これらの条件での電力損失は次のようになります。

PTOTAL = (VIN – VOUT)(IOUT)

PTOTAL = (2.625V – 0.9V)(0.8A) = 1.38W

接合部温度は次のようになります。

TJ = TA+PTOTAL • θJA (表を使用)

TJ = 50°C+1.38W • 14°C/W = 69.3°C

この場合、接合部温度は最大定格より低く、信頼性の高い動作が保証されます。

電力損失の削減一部のアプリケーションでは、出力電流能力を犠牲にせずに、LT3089パッケージ内の電力損失を減らす必要があります。これには2つの手法を利用できます。図12に示されている最初の手法では、レギュレータの入力に直列に抵抗を接続します。RS両端の電圧降下により、LT3089のINからOUTへの電圧差が減少し、それに応じてLT3089の電力損失が減少します。

例として、VIN = 7V、VOUT = 3.3V、IOUT(MAX) = 0.8Aであるとします。「接合部温度の計算」で説明した式を使います。

直列抵抗RSを使用しない場合、LT3089の電力損失は次のようになります。

PTOTAL = (7V – 3.3V) • 0.8A = 2.96W

LT3089の両端の電圧差(VDIFF)を1.5Vとして選択すると、RSは次のようになります。

RS = 7V – 3.3V – 1.5V

0.8A= 2.8Ω

LT3089内の電力損失はこの場合次のようになります。

PTOTAL = 1.5V • 0.8A = 1.2W

LT3089の電力損失は、直列抵抗がない場合に比べて40%にまで減少します。RSは1.8Wの電力を消費します。この電力を適切に処理して消費できる適当なワット数の抵抗を選択するか、複数の抵抗を並列に使用します。

3089 F12

IN

VIN′

SET OUT

+–

LT3089

50µA

RSET

RS

VOUT

VIN

C2

C1

図12.直列抵抗を使った電力損失の削減

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LT3089

203089f

詳細: www.linear-tech.co.jp/LT3089

アプリケーション情報図13に示されている電力損失の削減の2番目の手法では、LT3089と並列に抵抗を使います。この抵抗は電流に並列経路を与え、LT3089を流れる電流を減らします。この手法は、入力電圧がほどよく一定で、出力負荷電流の変化が小さい場合にうまく機能します。また、この手法は、最小負荷の要件を代価にして、利用できる最大出力電流を増やします。

RPは0.85Wの電力を消費します。最初の手法の場合と同様、この電力を適切に処理して消費できる適当なワット数の抵抗を選択します。この構成では、LT3089は0.43Aしか供給しません。したがって、LT3089を通常の動作範囲に保ちながら、負荷電流を0.37A増やし、全出力電流を1.17Aにすることができます。

保護機能LT3089はいくつかの保護機能を搭載しているので、特に苛酷な産業用機器および自動車用機器環境のアプリケーションに最適です。LT3089は、電流制限や熱制限など、通常のモノリシック・レギュレータの保護機能を備えているほか、逆入力電圧、逆出力電圧、OUTピンからSETピンへの大きな電圧に対してもそれ自体を保護します。

電流制限保護と熱過負荷保護の機能は、出力電流の過負荷状態に対してデバイスを保護します。通常動作では、絶対最大定格接合部温度を超えないようにしてください。サーマル・シャットダウン回路の標準温度しきい値は165°Cで、約5°Cのヒステリシスがあります。

LT3089のINピンは、OUTピンとSETピンを基準にして±40V

の電圧に耐えます。逆電流(OUTピンがINピンより高い場合)は1mA未満(通常100μAを下回る)となり、LT3089と逆電流の影響を受けやすい負荷の両方を保護します。

クランプ・ダイオードと400Ωの制限抵抗により、OUTピンの電圧に対してLT3089のSETピンが保護されます。これらの保護部品には、通常は過渡的な過負荷状態のときだけ電流が流れます。これらのデバイスは、±10Vの電圧差と±25mAのクロスピン電流に問題なく対応できるサイズになっています。これらのアプリケーションに関して、次の2つのシナリオに注意してください。第1のシナリオでは、SETピンにノイズ削減用のバイパス・コンデンサを使用しているとき、OUTが瞬間的にGNDに短絡します。第2のシナリオでは、不適当なシャットダウン手法に従って、軽負荷でOUTピンの電圧が大きな出力容量によって保持されているとき、SETピンが素早くGNDにリセットされます。

3089 F13

IN

SET OUT

+–

LT3089

50µA

RSETVOUT

VIN

C2

C1

RP

図13.並列抵抗を使った電力損失の削減

例 と し て、VIN = 5V、VIN(MAX) = 5.5V、VOUT = 3.3V、VOUT(MIN) = 3.2V、IOUT(MAX) = 0.8A、IOUT(MIN) = 0.4A

であるとします。また、RPを流れる電流はIOUT(MIN)の90%

(360mA)を超えないと仮定します。RPを計算すると次のようになります。

RP = 5.5V – 3.2V

0.36A= 6.39Ω

(5%標準値 = 6.2Ω)

最大合計電力損失は次のようになります。

(5.5V – 3.2V) • 0.8A = 1.84W

ただし、LT3089は次の電流しか供給しません。

0.8A –

5.5V – 3.2V6.2Ω

= 0.43A

したがって、LT3089の電力損失は次の値に制限されます。

PDISS = (5.5V – 3.2V) • 0.43A = 0.99W

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標準的応用例レギュレータの並列接続

IMONを使ってバラスト抵抗による電圧降下を補償する回路

IN

SET

RSET30.1k

1k

TEMPIMON ILIM

20mΩOUT

+–

LT3089

ISET50µA

VOUT3V1.6A

VIN

IN

SET

1k

TEMPIMON ILIM

20mΩOUT

+–

LT3089

ISET50µA

3.01k

3089 TA02

1k

IN

SET

RSET15k

1k

TEMPIMON ILIM

OUT

+–

LT3089

ISET50µA

VOUT1.5V1.6A

VIN

IN

SET

1k

TEMPIMON ILIM

RBALLAST20mΩOUT

+–

LT3089

ISET50µA

3089 TA03

RCOMP50Ω

RBALLAST20mΩ

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標準的応用例

バラスト抵抗を使用しない負荷分担

バラスト抵抗を使用しない負荷電流分担

IN22µF

20k

OUTVIN

3V TO 18V

IMONSET

LT3089

0.1µF

22µF

1k 5.1k

IN

20k

OUT

IMONSET

LT3089

100k

0.47µF

5.1k

5.1k

0.1µF 1k

IN OUT

IMONSET

LT3089

+

20k

VOUT1V2.4A

100k

0.47µF

5.1k

0.1µF 1k

3089 TA04

+1/2 LT1638 1/2 LT1638

IN4.7µF

20k

OUTVIN

3V TO 36V

IMONSET

ILIMLT3089

0.1µF

2.2µF

VOUT1V 1.6A

0.1µF

3089 TA05

100Ω

1k1k

20k= 2N3904

OUT IN

IMON SET

ILIMLT3089

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LT3089

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標準的応用例固定出力レギュレータの昇圧

リファレンス・バッファ

ソフトスタートの追加

8.2Ω*

3.3VOUT2.3A

*4mV DROP ENSURES LT3089 IS OFF WITH NO LOAD

MULTIPLE LT3089s CAN BE USED

IN

SET TEMPIMON ILIM

20mΩ

5V

OUT

+–

LT3089

ISET50µA

3089 TA06

6.2k

10µF

LT1963-3.3

47µF

20mΩ

1k 1k*1k

LT1019

VOUT

*MIN LOAD 3mA

IN

SET TEMPIMON ILIM

OUT

+–

LT3089

ISET50µA

3089 TA071µF

OUTPUT

GND

47µF

INPUT

VIN

1k1k

VOUT3.3V0.8A

IN

SET TEMPIMON ILIM

OUT

+–

LT3089

ISET50µA

3089 TA08

0.1µF

10µF

1N4148

VIN4.8V TO 36V

66.5k

10µF

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標準的応用例値の低い設定抵抗の使用

外部リファレンス電流の使用

20k

IN

SET

1k

TEMPIMON ILIM

OUT

+–

LT3089

ISET50µA

1µF

3089 TA10

1k

IN

SET OUT

+–

LT3092

10µA

1mA

VIN

VOUT0V TO 20V

20k 215Ω

1µF

RSET2k

VOUT = 0.2V + 5mA • RSET

IN

SET

1k

TEMPIMON ILIM

OUT

+–

LT3089

ISET50µA

4.7µF

3089 TA09

1k 4.02k 40.2Ω

VIN12V

VOUT0.2V TO 10V

4.7µF

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パッケージの寸法最新のパッケージ図面については、http://www.linear-tech.co.jp/product/LT3089#packagingを参照してください。

4.00 ±0.10(4 SIDES)

注記:1. パッケージの外形は JEDEC MO-229に適合していない2. 図は実寸とは異なる3. すべての寸法はミリメートル4. パッケージ底面の露出パッドの寸法にはモールドのバリを含まない。 モールドのバリは(もしあれば)各サイドで 0.15mmを超えないこと5. 露出パッドは半田メッキとする6. 灰色の部分はパッケージの上面と底面のピン 1の位置の参考に過ぎない

PIN 1TOP MARK(NOTE 6)

0.40 ±0.10

16

127

BOTTOM VIEW—EXPOSED PAD

2.65 ±0.10

0.75 ±0.05

R = 0.115TYP

0.25 ±0.050.50 BSC

2.50 REF

3.38 ±0.10

0.200 REF

0.00 – 0.05

(DF12) DFN 1112 REV A

RECOMMENDED SOLDER PAD PITCH AND DIMENSIONSAPPLY SOLDER MASK TO AREAS THAT ARE NOT SOLDERED

0.70 ±0.05

0.25 ±0.050.50 BSC

3.10 ±0.05

4.50 ±0.05

PACKAGE OUTLINE

PIN 1 NOTCHR = 0.20 TYP OR0.35 × 45°CHAMFER

2.65 ±0.05

3.38 ±0.05

2.50 REF

DF Package12-Lead Plastic DFN (4mm × 4mm)

(Reference LTC DWG # 05-08-1733 Rev A)

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LT3089

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パッケージの寸法最新のパッケージ図面については、http://www.linear-tech.co.jp/product/LT3089#packagingを参照してください。

FE16 (BB) TSSOP REV K 0913

0.09 – 0.20(.0035 – .0079)

0° – 8°

0.25REF

0.50 – 0.75(.020 – .030)

4.30 – 4.50*(.169 – .177)

1 3 4 5 6 7 8

10 9

4.90 – 5.10*(.193 – .201)

16 1514 13 12 11

1.10(.0433)

MAX

0.05 – 0.15(.002 – .006)

0.65(.0256)

BSC

2.94(.116)

0.195 – 0.30(.0077 – .0118)

TYP

2RECOMMENDED SOLDER PAD LAYOUT

0.45 ±0.050.65 BSC

4.50 ±0.10

6.60 ±0.10

1.05 ±0.10

2.94(.116)

3.05(.120)

3.58(.141)

3.58(.141)

4.70(.185)

ミリメートル(インチ)

注記:1. 標準寸法:ミリメートル

2. 寸法は

3. 図は実寸とは異なる4. 露出パッド接着のための 推奨最小 PCBメタルサイズ

SEE NOTE 4

NOTE 5

NOTE 5

6.40(.252)BSC

FE Package16-Lead Plastic TSSOP (4.4mm)

(Reference LTC DWG # 05-08-1663 Rev K)Exposed Pad Variation BB

5. 露出パッド底面のこの部分には金属の突出部があってもよい。 PCBレイアウト上この部分には配線やビアを配置しないこと*寸法にはモールドのバリを含まない。モールドのバリは 各サイドで 0.150mm(0.006")を超えないこと

DETAIL A

DETAIL A IS THE PART OF THELEAD FRAME FEATURE FORREFERENCE ONLYNO MEASUREMENT PURPOSE

0.56(.022)REF

0.53(.021)REF

DETAIL A

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LT3089

273089f

リニアテクノロジー・コーポレーションがここで提供する情報は正確かつ信頼できるものと考えておりますが、その使用に関する責務は 一切負いません。また、ここに記載された回路結線と既存特許とのいかなる関連についても一切関知いたしません。なお、日本語の資料は あくまでも参考資料です。訂正、変更、改版に追従していない場合があります。最終的な確認は必ず最新の英語版データシートでお願いいたします。

パッケージの寸法最新のパッケージ図面については、http://www.linear-tech.co.jp/product/LT3089#packagingを参照してください。

R (DD7) 0212 REV F

.026 – .035(0.660 – 0.889)

TYP

.143 +.012–.020

( )3.632+0.305–0.508

.050(1.27)BSC

.013 – .023(0.330 – 0.584)

.095 – .115(2.413 – 2.921)

.004 +.008–.004

( )0.102+0.203–0.102

.050 ±.012(1.270 ±0.305)

.059(1.499)

TYP

.045 – .055(1.143 – 1.397)

.165 – .180(4.191 – 4.572)

.330 – .370(8.382 – 9.398)

.060(1.524)

TYP.390 – .415

(9.906 – 10.541)

15° TYP

.420

.350

.585

.090

.035.050

.325.205

.080

.585

RECOMMENDED SOLDER PAD LAYOUTFOR THICKER SOLDER PASTE APPLICATIONS

RECOMMENDED SOLDER PAD LAYOUT

.090

.035.050

.420

.276

.320

注記:1. 寸法はインチ /(ミリメートル)2. 図は実寸とは異なる

.300(7.620)

.075(1.905)

.183(4.648)

.060(1.524)

.060(1.524)

.256(6.502)

BOTTOM VIEW OF DD PAKHATCHED AREA IS SOLDER PLATED

COPPER HEAT SINK

R Package7-Lead Plastic DD Pak

(Reference LTC DWG # 05-08-1462 Rev F)

DETAIL A

DETAIL A

0° – 7° TYP0° – 7° TYP

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LT3089

283089f

LINEAR TECHNOLOGY CORPORATION 2016

LT0116 • PRINTED IN JAPANリニアテクノロジー株式会社102-0094 東京都千代田区紀尾井町3-6紀尾井町パークビル8F TEL 03-5226-7291 FAX 03-5226-0268 www.linear-tech.co.jp/LT3089

関連製品

標準的応用例高効率可変電源

製品番号 説明 注釈LT1764/ LT1764A

3A、高速過渡応答、低ノイズLDO

ドロップアウト電圧:340mV、低ノイズ:40μVRMS、VIN = 2.7V~20V、TO-220、TSSOP、およびDD-PAK、LT1764Aはセラミック・コンデンサでも安定

LT1963/ LT1963A

1.5A低ノイズ、高速過渡応答 LDO

ドロップアウト電圧:340mV、低ノイズ:40μVRMS、VIN = 2.5V~20V、LT1963Aは セラミック・コンデンサで安定、TO-220、DD、TSSOP、SOT-223およびSO-8パッケージ

LT1965 1.1A、低ノイズ、低ドロップ アウト・リニア・レギュレータ

ドロップアウト電圧:290mV、低ノイズ:40μVRMS、VIN:1.8V~20V、VOUT:1.2V~19.5V、 セラミック・コンデンサで安定、TO-220、DD-PAK、MSOP、および3mm×3mm DFNパッケージ

LT3022 1A、低電圧、VLDOリニア・ レギュレータ

VIN:0.9V~10V、ドロップアウト電圧:標準145mV、可変出力(VREF = VOUT(MIN) = 200mV)、低ESRで安定、セラミック出力コンデンサ、16ピンDFN(5mm×3mm)および 16ピンMSOPパッケージ

LT3070/LT3071

VOUTをプログラム可能な ドロップアウト電圧85mVの デジタル・マージニング 機能付き低ノイズ5Aリニア・ レギュレータ

ドロップアウト電圧:85mV、デジタル・プログラム可能なVOUT:0.8V~1.8V、 デジタル出力マージニング:±1%、±3%または±5%、低出力ノイズ:25μVRMS(10Hz~100kHz)、並列接続可能:10A出力には2個を使用、低ESRセラミック出力コンデンサで安定(最小15μF)、28ピン4mm×5mm QFNパッケージLT3071はアナログのマージニングを備えています。

LT3080/ LT3080-1

並列接続可能な1.1A、 低ノイズ、低ドロップアウト・ リニア・レギュレータ

ドロップアウト電圧:300mV(2電源動作)、低ノイズ:40μVRMS、VIN:1.2V~36V、 VOUT:0V~35.7V、電流ベースのリファレンス、抵抗1個でVOUTを設定、直接並列接続可能 (オペアンプ不要)、セラミック・コンデンサで安定、TO-220、DD-PAK、SOT-223、MS8Eおよび 8ピン3mm×3mm DFNパッケージ、LT3080-1はバラスト抵抗を内蔵

LT3081 モニタ機能を備えた 単一抵抗型の堅牢な 1.5Aリニア・レギュレータ

広い安全動作領域(SOA)。出力電流:入力コンデンサ/出力コンデンサの有無にかかわらず 1.5Aで安定VIN範囲:1.2V~36VSETピンの50μA電流:TSSOP-16、TO-220、DD-PAK、 4mm×4mm DFN-12パッケージ

LT3082 並列接続可能な単一抵抗型の200mA低ドロップアウト・ リニア・レギュレータ

高出力電流または熱放散のために出力を並列接続可能、広い入力電圧範囲:1.2V~40V、 値の低い入力 /出力コンデンサが必要:2.2μF、1個の抵抗で出力電圧を設定、8ピンSOT-23、 3ピンSOT-223、8ピン3mm×3mm DFNパッケージ

LT3085 並列接続可能、低ノイズの500mA低ドロップアウト・ リニア・レギュレータ

ドロップアウト電圧(2電源動作):275mV、低ノイズ:40μVRMS、VIN:1.2V~36V、 VOUT:0V~35.7V、電流ベースのリファレンス、1本の抵抗でVOUTを設定、直接並列接続可能 (オペアンプ不要)、セラミック・コンデンサで安定、MS8Eおよび2mm×3mmのDFN-6パッケージ

LT3092 プログラム可能な200mA 2端子電流源

プログラム可能な2端子電流源、最大出力電流 = 200mA、広い入力電圧範囲1.2V~40V、 抵抗比による出力電流設定、初期SETピン電流精度 = 1%、電流制限、サーマル・シャットダウン保護、逆電圧保護、逆電流保護、8ピンSOT-23、3ピンSOT-223、8ピン3mm×3mmの DFNパッケージ。

LT3083 単一抵抗型の可変3A 低ドロップアウト・レギュレータ

低ノイズ:40μVRMS、SETピン電流:50μA、0Vまでの可変出力、広い入力電圧範囲:1.2V~23V(DD-PAKおよびTO-220)、低ドロップアウト動作:310mV(2電源)

RUN/SS0.47µF

47µF

1µF

1µF

1000pF

VIN6.3V TO

36V

6.8µH

VIN BD

LT3680

15k 590k

1k

10k

3089 TA11

2N3904

MTD2955

CMDSH-4E

MBRA340T3

GND

BOOST

IN OUT

IMON ILIM1k

1k

VC SW

FB

63.4k

RTPG

SYNC

15k

6.04kLT3089

500k

22µF6V

VOUT0V TO 25V,0.8A

TEMP SET

0.1µF