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29 A 会場(孔雀) 13:40~14:05 MEMS 技術を活用した構造物の維持保全 モニタリングシステムの開発 広島大学 大学院工学研究院 建築学専攻 助教 松本慎也 ● プレゼン技術の概要 本研究は MEMS 技術を活用した構造物の維持保全モニタリングシステムの構築を目 指すものである。これまでに MEMS 高感度無線加速度センサーを開発することで, これまで計測が困難であった小規模な建築物などにおける振動特性を詳細に解析する ことが可能となった。本プレゼンテーションでは本計測システムによる実構造物の計 測事例や,構造物の有する振動挙動について説明する。 ● 従来技術・競合技術との比較 従来の常時微動計測システムの多くは有線式センサーを使用した大規模な計測システ ムであるのに対し,本研究課題は,無線通信情報技術による計測システムを構築して おり,従来の有線式システムでは計測が困難な場所にもセンサーを容易に配置するこ とができる利点を活用し,建物の鉛直構面及び水平構面の同時分析が容易にできる点 に優位性がある。 ● プレゼン技術の特徴 ・無線による多地点同時計測システム ・軽量・コンパクトな高感度加速度計測システム ・構造物の新しい維持保全技術 ● 想定される用途 ・構造物の振動モニタリング ・構造安全性の非破壊検査

MEMS技術を活用した構造物の維持保全 モニタリングシステ …...MEMS技術を活用した構造物の維持保全 モニタリングシステムの開発 広島大学

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29

A会場(孔雀)

建築構造

13:40~14:05

MEMS技術を活用した構造物の維持保全モニタリングシステムの開発

広島大学

大学院工学研究院 建築学専攻

助教 松本慎也

● プレゼン技術の概要本研究はMEMS技術を活用した構造物の維持保全モニタリングシステムの構築を目指すものである。これまでにMEMS高感度無線加速度センサーを開発することで,これまで計測が困難であった小規模な建築物などにおける振動特性を詳細に解析することが可能となった。本プレゼンテーションでは本計測システムによる実構造物の計測事例や,構造物の有する振動挙動について説明する。

● 従来技術・競合技術との比較従来の常時微動計測システムの多くは有線式センサーを使用した大規模な計測システムであるのに対し,本研究課題は,無線通信情報技術による計測システムを構築しており,従来の有線式システムでは計測が困難な場所にもセンサーを容易に配置することができる利点を活用し,建物の鉛直構面及び水平構面の同時分析が容易にできる点に優位性がある。

● プレゼン技術の特徴・無線による多地点同時計測システム・軽量・コンパクトな高感度加速度計測システム・構造物の新しい維持保全技術

● 想定される用途・構造物の振動モニタリング・構造安全性の非破壊検査

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姿勢バランス評価と指導のための装置・用具の開発

渡部 和彦(広島大学名誉教授)(広島大学名誉教授)

ポスポーツ健康科学研究所 (LLP)

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はじめに

・ バランス機能には、さまざまな感覚器官や神経・筋群が複雑に関与している。

• 姿勢バランスは、一般に「静的バランス」と「動的バランス」にわけて考える。「静的バランス」は,姿勢動揺を少なくして、一定の姿勢を保つ能力が関係する(平均台での静止演技など)。

• この説明会では、主として、「動的バランス」を取り上げる。多くのスポーツ場面や日常の身体運動や安全な歩行運動等に関係する全な歩行運動等に関係する。

• 「動的バランス」の評価と訓練方法は、古くて新しい課題である 転倒回避 予防の視点から取り組む課題である。転倒回避、予防の視点から取り組む。

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研究の背景 1研究の背景

動的姿勢バランスと競技成績 (転倒は禁物!)

0 から10 の区間でみると 凸の地点で飛ばされ 姿勢バランスの乱れが大きい選手ほど平均速度が低い 姿0 から10 の区間でみると、凸の地点で飛ばされ、姿勢バランスの乱れが大きい選手ほど平均速度が低い。姿勢バランスと競技成績の関係。姿勢の乱れを少なくする方法は? (Ikai M,  K. Watanabe, T.Fukunaga 1972)

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研究の背景 2研究の背景 2

動的姿勢バランスと競技成績

ジャンプ空中姿勢の比較と飛距離をみると、姿勢バランスを崩すとよい結果は得られない。予測的姿勢制御の重要性。

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加齢とバランス機能の推移加齢とバランス機能の推移

体力項目の中で、平衡機能の低下は、最も著しい。高齢者の歩行機能、転倒に関係する。この平衡機能を取り戻すには、いかにすべきか?

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「人体移動装置」の開発体移動装置」 開発

• 水平外乱を与える装置

台の移動は、圧縮空気によるが、その後油圧式とした。現在の装置は電動式であり、コンピ タ 「移動速度 「位置 等をプ グラム化し制御 きるシ テム ある (渡部)ピュータで「移動速度」・「位置」等をプログラム化し制御できるシステムである (渡部)。

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水平移動刺激と反射的姿勢バランス保持機構

水平外乱に対して、脊髄文節レベルに関係なく、ほぼ同時に興奮する。 横軸:時間(msec). 各関節(足、膝、腰、頸の関節)は その部位(位置)に応じて刺激時点から 順次上部ほど変化の開始時点が遅れる(渡部 1975)頸の関節)は、その部位(位置)に応じて刺激時点から、順次上部ほど変化の開始時点が遅れる(渡部 1975)

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水平外乱に対する 若者と高齢者の姿勢バランス対応の比較 移動距離 50㎜ 移動速水平外乱に対する、若者と高齢者の姿勢バランス対応の比較。移動距離:50㎜, 移動速度:100mm/sec.  青線が若者。COP は、前後動揺を示す。下の時間軸:0‐0.5 (単位:sec)は、前方への移動開始の時点と停止を示す。高齢者の筋電図に表れたCo‐contractionおよびCOPの動揺の大きさに注目(3回目の試行記録)。 (Watanabe K .,  Wang Y. 2011)

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予測制御(フィードフォワード)の考え方を取り入れた新しい人体移動装置の開発

特 徴:特 徴:

・ コンピューター制御による移動条件のプログラム設定が可能

・ 圧力板を移動台に搭載し、COPなど力学情報の解析が可能圧力板を移動台に搭載し、COPなど力学情報の解析が可能

・ 筋電図の同時記録と分析が可能

・ 視覚(映像)刺激・音刺激等の外部信号の活用が可能

・ 被験者自らが移動を操作でき、「予測制御」の訓練が可能

・ 刺激条件(強度等)を変えることにより、高齢者または、スポー

ツ選手においても、Ankle strategy , Hip strategy, Step strategy  を発現させることが可能

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新しい人体移動装置による実験室での知見ステップ・ストラテジー発現の検証

• 外乱に対する応答様式の変容• 外乱に対する応答様式の変容

1 高齢者を被験者として人体移動装置による水平移動を伴う実験を行った。台移動に伴う反射的関節固定(Co‐contraction )またはを行った。台移動に伴う反射的関節固定(Co contraction )または、移動試行の初期には、不規則な反射的ステップ動作の発現を見た。

2 「ステップ・ストラテジー」学習後は、水平移動に対する姿勢応答2 ステップ ストラテジ 」学習後は、水平移動に対する姿勢応答の変容を認めた。すなわち、随意的ステップ・ストラテジーの作用による安定した姿勢バランスの保持が示された。

3 水平移動を伴う外乱条件を与える際に、「適切な運動学習」により、姿勢バランスの回復にステップ・ストラテジーを用いる傾向が顕著に示された すなわち 転倒回避戦略としての効果が示された著に示された。すなわち、転倒回避戦略としての効果が示された。

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簡便な訓練装置の開発簡便な訓練装置の開発

1 外乱条件を与えることに対する、ステップ・ストラテジーによる姿勢バランス応答を発現させるための簡便な装置の開発を考えた。

装置 原理は 滑りを利用 た「自 外乱 条件を作る と装置の原理は、滑りを利用した「自己外乱」条件を作ることにより、被験者自らが、姿勢バランスを崩し、ステップ動作を行うものである 木製が基本であり 両腕で身体を支える条行うものである。木製が基本であり、両腕で身体を支える条件で行う。

2 姿勢バランス機能を測定できる簡便な装置であり 遊戯性を2 姿勢バランス機能を測定できる簡便な装置であり、遊戯性を有し、一定時間(30秒、60秒)内の動的安定性を定量的にコ

ンピューターで演算・評価できる。結果はデイスプレー画面で表示し、記録保存および記録紙に印刷できる。高齢者から青少年・スポーツ選手にも適用できる。

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お問い合わせ

広島大学 産学・地域連携センター

TEL:082‐421‐3631 FAX:082‐421‐3639E il t h d@hi hi jE‐mail:techrd@hiroshima‐u.ac.jp

スポーツ健康科学研究所(LLP)

〒730-0046

東広島市鏡山3丁目10-31

広島大学産学・地域連携センター

新産業創出教育部門内・研究開発1号室新産業創出教育部門内 研究開発1号室

TEL:082-421-3743 FAX:082-421-3639

E-mail: kazuwp@hiroshima-u ac jpE mail: kazuwp@hiroshima u.ac.jp

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