2
2011年8月第33号 地域医療支援病院 滋賀県がん診療広域中核拠点病院 救命救急センター・総合周産期母子医療センター・基幹災害医療センター 〒 520-8511 大津市長等1-1-35 TEL.077-522-4131 FAX.077-522-4385 http://www.otsu.jrc.or.jp 私たちは「人道・博愛」の赤十字精神にのっとり、患者 さまの人権と意志を尊重して、最善の医療を提供し、 地域の人々の健康増進に務めます。 本方針 患者さまと共にあゆむ医療を心がけ、プラ イバシーと権利を大切にします。 医療の質の向上に努め、安全で高度な医 療を提供します。 救急医療に積極的に取り組み、災害救護に 貢献します。 地域の中核病院として他の医療機関との 連携を推進します。 研修・研鑽を積み、次代を担う医療従事者 の育成に努めます。 2011年3月11日 に 発 災した 東日本大震災に対し、当院より派 遣されました大津赤十字病院救護 班DMATチームおよび被災地の救護所や病院で支援をおこなう 大津赤十字病院救護班の活動報告を紹介させていただきます。 5月31日の時点で当院は、DMATチーム2班、救護班7班、 石巻赤十字病院支援に事務職員2名、医師1名、看護師1名、 助産師1名を派遣しました。具体的には、3月11日14:46、発 災後直ちに病院内において対策本部が立ち上がり、それとほぼ 同時に全国の災害拠点病院に登録されているDMATチームに対 して厚生労働省から派遣待機要請がメールにて一斉に発信さ れ、直ちにDMAT隊員は、出発準備に取り掛かりました。その後、 厚生労働省から派遣要請が出たため18:10に病院長の指示のも と参集ポイントの一つである茨城県の筑波メディカルセンターに 向けて当院より救急車両にて最初のDMATチームが出発とな り、さらに翌12日4:00に、第2班のDMATチームが伊丹空港 に向けて出発しました。第1班は、翌朝8:00筑波到着、その後 福島空港へ移動し、12:30よりSCU活動(SCU・・災害現場 にて多数の重症患者が発生し、地域の医療機関のみで対応不能 となった際に、傷病者を安全確実に広域搬送する目的で空港な どに設置する医療拠点です。)を行いました。第2班も伊丹空港 から自衛隊機に乗り花巻空港に向けて移動し9:00よりSCU活動 を開始しました。今回DMATチームは2班とも震災地域の空港 にてSCU活動を行い、その後3月15日の早朝に帰院しました。 また避難所支援を主たる活動とする赤十字救護班は、日赤滋 賀県支部からの要請のもと3月13日、最初の救護班を宮城県に 派遣しました。その後は日赤京都府支部と日赤滋賀県支部の連 携のもと福島県内の避難所に対し5月末までで計6チームの救護 班を派遣しました。 なお避難所での救護班の活動は、生活習慣病のフォロー、 風邪、胃腸炎などの症状に対する投薬、こころのケア、妊産 婦の対応など多岐にわたる生活支援の中の医療支援であり、 被災者の健康を守るという視点の活動は赤十字ならではの活 動です。 今後も「DMATチーム」および「大津赤十字病院救護班」 は被災地のニーズに応じた医療支援を行なっていく所存です ので皆様のご協力とご理解をよろしくお願いいたします。 東日本大震災における 大津赤十字病院の 活動報告について 松原 峰生 大津赤十字病院 救急部部長 写真提供:今村 真治(検査部) 「夏」

ながら33 おもて - 大津赤十字病院 · 2011年8月/第33号 地域医療支援病院 滋賀県がん診療広域中核拠点病院 救命救急センター・総合周産期母子医療センター・基幹災害医療センター

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: ながら33 おもて - 大津赤十字病院 · 2011年8月/第33号 地域医療支援病院 滋賀県がん診療広域中核拠点病院 救命救急センター・総合周産期母子医療センター・基幹災害医療センター

2011年8月/第33号

地域医療支援病院滋賀県がん診療広域中核拠点病院

救命救急センター・総合周産期母子医療センター・基幹災害医療センター

大 津 赤 十 字 病 院〒520-8511 大津市長等1-1-35

TEL.077-522-4131 FAX.077-522-4385http://www.otsu.jrc.or.jp

理念私たちは「人道・博愛」の赤十字精神にのっとり、患者さまの人権と意志を尊重して、最善の医療を提供し、地域の人々の健康増進に務めます。

基本方針患者さまと共にあゆむ医療を心がけ、プライバシーと権利を大切にします。

医療の質の向上に努め、安全で高度な医療を提供します。

救急医療に積極的に取り組み、災害救護に貢献します。

地域の中核病院として他の医療機関との連携を推進します。

研修・研鑽を積み、次代を担う医療従事者の育成に努めます。

 2011年3月11日に発災した東日本大震災に対し、当院より派遣されました大津赤十字病院救護

班DMATチームおよび被災地の救護所や病院で支援をおこなう大津赤十字病院救護班の活動報告を紹介させていただきます。 5月31日の時点で当院は、DMATチーム2班、救護班7班、石巻赤十字病院支援に事務職員2名、医師1名、看護師1名、助産師1名を派遣しました。具体的には、3月11日14:46、発災後直ちに病院内において対策本部が立ち上がり、それとほぼ同時に全国の災害拠点病院に登録されているDMATチームに対して厚生労働省から派遣待機要請がメールにて一斉に発信され、直ちにDMAT隊員は、出発準備に取り掛かりました。その後、厚生労働省から派遣要請が出たため18:10に病院長の指示のもと参集ポイントの一つである茨城県の筑波メディカルセンターに向けて当院より救急車両にて最初のDMATチームが出発となり、さらに翌12日4:00に、第2班のDMATチームが伊丹空港に向けて出発しました。第1班は、翌朝8:00筑波到着、その後福島空港へ移動し、12:30よりSCU活動(SCU・・災害現場にて多数の重症患者が発生し、地域の医療機関のみで対応不能となった際に、傷病者を安全確実に広域搬送する目的で空港などに設置する医療拠点です。)を行いました。第2班も伊丹空港から自衛隊機に乗り花巻空港に向けて移動し9:00よりSCU活動を開始しました。今回DMATチームは2班とも震災地域の空港にてSCU活動を行い、その後3月15日の早朝に帰院しました。 また避難所支援を主たる活動とする赤十字救護班は、日赤滋賀県支部からの要請のもと3月13日、最初の救護班を宮城県に派遣しました。その後は日赤京都府支部と日赤滋賀県支部の連携のもと福島県内の避難所に対し5月末までで計6チームの救護班を派遣しました。

 なお避難所での救護班の活動は、生活習慣病のフォロー、風邪、胃腸炎などの症状に対する投薬、こころのケア、妊産婦の対応など多岐にわたる生活支援の中の医療支援であり、被災者の健康を守るという視点の活動は赤十字ならではの活動です。 今後も「DMATチーム」および「大津赤十字病院救護班」は被災地のニーズに応じた医療支援を行なっていく所存ですので皆様のご協力とご理解をよろしくお願いいたします。

東日本大震災における大津赤十字病院の活動報告について

松原 峰生大津赤十字病院 救急部部長

写真提供:今村 真治(検査部)「夏」

Page 2: ながら33 おもて - 大津赤十字病院 · 2011年8月/第33号 地域医療支援病院 滋賀県がん診療広域中核拠点病院 救命救急センター・総合周産期母子医療センター・基幹災害医療センター

3/11 18:10 DMAT1班 福島空港で活動 松原班:青木・友田・中下・西島・射場

3/12  4:00 DMAT2班 花巻空港で活動 吉川班:澤辺・伊富貴・岡村・辻・長谷川

3/13~3/17 救護班第1班 宮城県仙台市で活動 森川班:酒井・藤本・増尾・畑野・坂下・中江・服部

3/21~3/24 救護班第2班 福島県会津若松で活動 河南班:伊吹・鎌倉・戸谷・竹中・中村・赤井・白井

3/25~3/28 救護班第3班 福島県会津若松で活動 竹市班:奥村・佛性・山村・辻・二ノ丸・力・飯田

3/30~4/ 3 救護班第4班 福島県会津若松で活動 日高班:久田・藤村・川崎・多田・三浦

4/17~4/21 救護班第5班 福島県会津若松で活動 内堀班:馬場・吉田・山瀬・門田・森下

4/26~4/30 救護班第6班 福島県会津若松で活動 粟津班:橋添・野間・辻・南端・阪田

5/ 9~5/14 救護班第7班 岩手県下閉伊郡山田町で活動 松岡班:狩野・石田・西田・久保・坂下

石巻赤十字病院支援要員派遣3/29~4/ 5 事務職員1名 板谷4/13~4/20 助産師1名 看護師1名 上野・前田5/ 8~5/14 医師1名 事務職員1名 永田・北川

東日本大震災(大津赤十字病院DMAT・救護班活動) 平成23年6月30日現在

大津赤十字病院 社会課