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ペンタを使用する 応用スウィープ・フレーズ 実は、このメイン・フレーズはオーソドックス なトライアドではなく、E マイナー・ペンタによっ て構成している。この変則的なスウィープ・プ レイはもともとフランク・ギャンバレ【 註 】 が行 なっていたもので、おそらくジョン・ペトルーシ も彼のプレイから学んだのではないかと思う。 ポジションは 1 弦スタートも 2 弦スタートも同じ で、スタート弦が 2 音、その次の弦が 1 音、最 後の弦が 2 音という形になる(図1)。実際の 演奏時には、スタートした弦で 1 音弾いて、そ のままスウィープの斜め移動で 3 音を鳴らし、 到達した弦でもう1 音弾くというイメージを持 つと良いだろう。複雑そうに見えるが、ポジ ションはシンプルなので、頭と指にしっかり叩 き込んでみてほしい。 スウィープのみの練習は NG! 切り返しとセットで弾こう このメイン・フレーズを演奏する際には、ス ウィープ後のピッキングの切り返しがポイント になる。1小節目1&2 拍目を例に挙げて解説 すると(写真①)、1弦からアップ・スウィー プを弾いて 3 弦に到達したら、すぐにピッキン グの向きを切り返して再び 3 弦をダウンで弾こ う( ダウン・スウィープの場合は、瞬時にアップ に切り返して 1 弦を弾く)。このピックの切り返 しが遅れてしまうと、フレーズの流れが崩れる ので注意してほしい。特にビギナーは、このよ うなスウィープ・フレーズではスウィープ箇所の みを重点的に練習しがちになるので、スウィー プとピックの切り返しをセットで練習すること が大切だ。 ~コラム 24 ~ ジョン・ペトルーシと言ったら、やはりプロ グレとメタルが融合したギター・ヒーローになる だろう。スティーヴ・モーズを筆頭に、スティー ヴ・ハウやアレックス・ライフソンなどのプログ レ系、さらにスティーヴ・ヴァイやメタリカな ど、彼のルーツとなるギタリストはかなり多岐 に渡っている。そういった数多くのスタイルを ブレンドして、ドリーム・シアターにおける圧倒 的な超絶ギターへと昇華させたところに、彼 のセンスの良さを感じ取ることができるだろう。 現在でも毎日相当練習を行なっているそうで、 常に大きな探求心を持ってギターに向かって いる姿勢も見習いたいところだ。 著者・小林信一、かく語りき ジョン・ペトルーシ編 ドリーム・シアター 『 イメージズ・アンド・ワーズ』 緻密に構築した楽曲と多彩なサ ウンドを聴かせるプログレ・メタル の名作。ペトルーシのハイ・センス なギターも満載だ。 ドリーム・シアター 『ア・チェンジ・オブ・シーズンズ』 20 分以上にも及ぶ大作を収録 した強力作。7 弦ギターを駆使し た、ヘヴィでありながらも表現力 豊かなプレイは必聴! 1 小節目1 拍目。1 弦 15f をアップで弾き…… そのまま 2 弦をアップ・スウィープ。 さらに 3 弦をアップ・スウィープしたら…… ピックをすぐに切り返して、3 弦をダウンで弾こう! 【フランク・ギャンバレ】スウィープ(エコノミー)・ピッキングの元祖で、ポール・ギルバートなどの多くの超絶系ギタリストに多大な影響を与えた。ソロはもちろんのこと、チック・コリアのサポートとしても活躍している。

地獄 入隊編 051-110 再々ペンタを使用する 応用スウィープ・フレーズ 実は、このメイン・フレーズはオーソドックス なトライアドではなく、Eマイナー・ペンタによっ

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ペンタを使用する応用スウィープ・フレーズ 実は、このメイン・フレーズはオーソドックスなトライアドではなく、Eマイナー・ペンタによって構成している。この変則的なスウィープ・プレイはもともとフランク・ギャンバレ【註】が行なっていたもので、おそらくジョン・ペトルーシも彼のプレイから学んだのではないかと思う。ポジションは1弦スタートも2弦スタートも同じで、スタート弦が2音、その次の弦が1音、最後の弦が2音という形になる(図1)。実際の演奏時には、スタートした弦で1音弾いて、そのままスウィープの斜め移動で3音を鳴らし、到達した弦でもう1音弾くというイメージを持つと良いだろう。複雑そうに見えるが、ポジションはシンプルなので、頭と指にしっかり叩き込んでみてほしい。

スウィープのみの練習はNG!切り返しとセットで弾こう このメイン・フレーズを演奏する際には、スウィープ後のピッキングの切り返しがポイントになる。1小節目1&2拍目を例に挙げて解説すると(写真①~④)、1弦からアップ・スウィープを弾いて3弦に到達したら、すぐにピッキングの向きを切り返して再び3弦をダウンで弾こう(ダウン・スウィープの場合は、瞬時にアップに切り返して1弦を弾く)。このピックの切り返しが遅れてしまうと、フレーズの流れが崩れるので注意してほしい。特にビギナーは、このようなスウィープ・フレーズではスウィープ箇所のみを重点的に練習しがちになるので、スウィープとピックの切り返しをセットで練習することが大切だ。

~コラム24~

 ジョン・ペトルーシと言ったら、やはりプログレとメタルが融合したギター・ヒーローになるだろう。スティーヴ・モーズを筆頭に、スティーヴ・ハウやアレックス・ライフソンなどのプログレ系、さらにスティーヴ・ヴァイやメタリカなど、彼のルーツとなるギタリストはかなり多岐に渡っている。そういった数多くのスタイルをブレンドして、ドリーム・シアターにおける圧倒的な超絶ギターへと昇華させたところに、彼のセンスの良さを感じ取ることができるだろう。現在でも毎日相当練習を行なっているそうで、常に大きな探求心を持ってギターに向かっている姿勢も見習いたいところだ。

著者・小林信一、かく語りきジョン・ペトルーシ編

ドリーム・シアター『イメージズ・アンド・ワーズ』 緻密に構築した楽曲と多彩なサウンドを聴かせるプログレ・メタルの名作。ペトルーシのハイ・センスなギターも満載だ。

ドリーム・シアター『ア・チェンジ・オブ・シーズンズ』 20分以上にも及ぶ大作を収録した強力作。7弦ギターを駆使した、ヘヴィでありながらも表現力豊かなプレイは必聴!

1小節目1拍目。1弦15fをアップで弾き…… そのまま2弦をアップ・スウィープ。

さらに3弦をアップ・スウィープしたら…… ピックをすぐに切り返して、3弦をダウンで弾こう!

【フランク・ギャンバレ】 スウィープ(エコノミー)・ピッキングの元祖で、ポール・ギルバートなどの多くの超絶系ギタリストに多大な影響を与えた。ソロはもちろんのこと、チック・コリアのサポートとしても活躍している。