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共振に基づく関節剛性と運動パターン同時適応による 省エネルギー歩行のシミュレーションによる検討 ( 大学) A Numerical Study of Walking Robots Using an Energy Saving Control Method Based on Extended Resonance *Kosuke KIMURA, Mitsunori UEMURA and Sadao KAWAMURA (Ritsumeikan Univ.) Abstract— In this paper, we apply an energy saving control method to a simulation model that includes important dynamics of biped walking robots. The control method is based on extended resonance and generates periodic motions while adjusting motion patterns and stiffness of elastic elements installed in each joints. Extended resonance is designed to be applicable for nonlinear dynamics of robotic systems with multi degree-of-freedom. Some simulation results showed that the proposed controller reduced more than 90[%] of actuator torque while generating walking motions. Key Words: Extended Resonance, Biped Walking, Stiiffness Adjustment, Delayed Feedback Control 1. はじめに 1960 から るま 多く 2 ロボットが されてきた.しかし,こ よう ロボット 多く うために いているため, が大きく り,多く エネルギーが される. ,ロボティクス ロボット びている [4]ロボット いに かかわらずアクチュエータト ルクを いずに る.しかし,アクチュエー タトルクを いずに られる.つまり, ようにアクチュエー タトルクを って エネルギー するに だけ がある. そこ ,各 い, するこ アクチュエータト ルクを えつつ 案して きた [1][2][5][7].これら により, ラメータ いるこ く, エネ ルギー させるこ きる. するロボット において各 を運 わせて するこ アクチュエータトルクを え,4 リンク ロボットにおいて エネルギー シミュレーションによって確 するこ する. 2. 問題設定 ,多 ロボット う. 2·1 ダイナミクス こって 態における多 ロボット ダイナミクス ように せる. R (q(t))¨ q(t)+ { 1 2 ˙ R(q(t)) + S(q(t), ˙ q(t)) + D } ˙ q(t) + g(q(t)) = -K(t)(q(t) - q e )+ τ (t), (1) ただし, R(q) ∈< n×n あり n ロボット S(q(t), ˙ q(t)) ∈< n×n D =diag(d 1 ··· d n ) d 1 ··· d n < g(q) ∈< n ベクトル, K =diag(k 1 ··· k n ) k 1 ··· k n ∈< q =(q 1 ··· q n ) T ベクト ル,q e =(q e1 ··· q en ) T ベクト ル,τ =(τ 1 ··· τ n ) T アクチュエータ トルクベ クトル,そして t ある. k 1 ··· k n じて される. 2·2 衝突を含む周期運動 する き, こる. いた. 1こる. 2ある. 3替わる. 4:アクチュエータ インパルス トルク せず,アクチュエータトルク に影 ぼさ い. にインパルス し,角 τ impulse じる.また,運 より角 に変 する. ˙ R(q + q + - ˙ R(q q = τ impulse (2) ただし,q + ∈< n ロボット ベクトル あり,q ∈< n ロボット ベクトル ある. (2) ダイナミクス する. 2·3 転倒を考慮した足首関節のトルク制限 ロボットが されて いため こる.ここ Fig.1 よう モデル い,ロボット 裀衘螧螾蟦蠓螧蠲蝥螓 0螧嘖蹙鑚6523旄抵旄△)㌳抵ボ螧螾烝螾鏤螓蹙叉蹙ラ

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共振に基づく関節剛性と運動パターン同時適応による省エネルギー歩行のシミュレーションによる検討

○木村耕介 植村充典 川村貞夫 (立命館大学)

A Numerical Study of Walking Robots Using an Energy Saving Control MethodBased on Extended Resonance

*Kosuke KIMURA, Mitsunori UEMURA and Sadao KAWAMURA (Ritsumeikan Univ.)

Abstract— In this paper, we apply an energy saving control method to a simulation model that includesimportant dynamics of biped walking robots. The control method is based on extended resonance andgenerates periodic motions while adjusting motion patterns and stiffness of elastic elements installed in eachjoints. Extended resonance is designed to be applicable for nonlinear dynamics of robotic systems with multidegree-of-freedom. Some simulation results showed that the proposed controller reduced more than 90[%] ofactuator torque while generating walking motions.

Key Words: Extended Resonance, Biped Walking, Stiiffness Adjustment, Delayed Feedback Control

1. はじめに1960年代から現在に至るまで,世界中で多くの 2足

歩行ロボットが研究,開発されてきた.しかし,このようなロボットの多くは歩行を行うために減速比の高い減速機を用いているため,摩擦が大きくなり,多くのエネルギーが消費される.一方で,ロボティクスの分野では受動歩行ロボット

が注目を浴びている [4].受動歩行ロボットは,複雑な計算を必要としないにもかかわらずアクチュエータトルクを全く用いずに坂道を下る.しかし,アクチュエータトルクを用いずに歩行出来る状況は,坂道を下る場合に限られる.つまり,平地歩行のようにアクチュエータトルクを使って省エネルギーで運動を生成するには,受動歩行の概念だけでは不十分となる可能性がある.そこで,筆者らは,各関節に機械的な可変剛性機構

を用い,共振現象を利用することでアクチュエータトルクを最小に抑えつつ周期運動を行う手法を提案してきた [1][2][5][7].これらの制御法により,制御対象のパラメータや複雑な数値計算を用いることなく,省エネルギーで歩行運動を生成させることが期待できる.本論文では各関節に可変剛性機構を有するロボット

において各関節の剛性を運動に合わせて最適化することでアクチュエータトルクを最小限に抑え,4リンク機構の歩行ロボットにおいて省エネルギーでの歩行生成を数値シミュレーションによって確認することを目的とする.

2. 問題設定本章では,多関節ロボットの歩行運動の定式化を行う.

2·1 ダイナミクス

衝突が起こってない状態における多関節ロボットのダイナミクスは,次式のように表せる.

R (q(t))q(t) +{

12R(q(t)) + S(q(t), q(t)) + D

}q(t)

+ g(q(t)) = −K(t)(q(t) − qe) + τ (t), (1)

ただし,R(q) ∈ <n×nは慣性行列であり正定対称行列,n はロボットの関節数,S(q(t), q(t)) ∈ <n×n は歪対称行列,D =diag(d1 · · · dn) は粘性行列,d1 · · · dn ∈< は各関節の粘性値,g(q) ∈ <n は重力ベクトル,K =diag(k1 · · · kn)は関節剛性行列,k1 · · · kn ∈ <は各関節の剛性値,q = (q1 · · · qn)T は関節角度ベクトル,qe = (qe1 · · · qen)T は弾性要素の平衡角度ベクトル,τ = (τ1 · · · τn)T はアクチュエータの発揮トルクベクトル,そして tは時間である.関節剛性値 k1 · · · kn

は運動に応じて適応的に調節される.

2·2 衝突を含む周期運動

遊脚が地面に接触するとき,衝突が起こる.衝突には以下の仮定を用いた.

• 仮定 1:衝突は瞬間的に起こる.• 仮定 2:衝突は完全非弾性衝突である.• 仮定 3:衝突の瞬間,支持脚と遊脚は即座に入れ替わる.

• 仮定 4:アクチュエータはインパルス状のトルクは発揮せず,アクチュエータトルクは衝突に影響を及ぼさない.

衝突の瞬間,遊脚先端にインパルス状の力が発生し,角運動量 τimpulseを生じる.また,運動量保存の法則により角速度は衝突の瞬間に瞬間的に変化する.

R(q+)q+ − R(q−)q− = τimpulse, (2)

ただし,q+ ∈ <n は衝突直後のロボットの各関節の角速度ベクトルであり,q− ∈ <n は衝突直前のロボットの各関節の角速度ベクトルである.式 (2)を衝突時のダイナミクスとする.

2·3 転倒を考慮した足首関節のトルク制限

ロボットが歩行を行う際,脚先が地面に固定されていないため転倒現象が起こる.ここでは Fig.1のような足部のモデル化を行い,ロボットの足首関節の出力

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トルク制限について述べる.ロボットの支持脚の足首関節まわりのダイナミクスは Fig.1より

−Iaqa = −τ1all − ftlt + fhlh, (3)

ただし,Ia ∈ <は支持脚の足部における慣性モーメント,qa ∈ <は支持脚の足首関節角度,τ1all = τ1−d1q1−k1q1は支持脚の足首関節の発揮トルク,ft, fh ∈ <はつま先,かかとが地面から受ける床反力,lt, lh ∈ <は支持脚の足首関節中心からつま先,かかとへの長さである.支持脚の足は地面にめり込むことはないので,それが満たされるように ft, fhが発生する.ただし,床は足を引っ張る方向には力を発生させられないので,ft, fh

は負にはならない.足部の垂直方向のダイナミクスは次式で表される.

maya = ft + fh − fa, (4)

ただし,ma ∈ <は足部の質量,ya ∈ <は足部の垂直方向の変位,fa ∈ <は上体から足部にかかる力である.つま先とかかとが地面に接触しているならば,足は

地面から浮かないので,qa, yaは 0となる.式 (3),式(4)と,床反力 ft, fhが正である条件から,ロボットが転倒しないための条件は次式のようになる.

−falh < τ1all < falt (5)

faは歩行ロボットの垂直方向のダイナミクスから決まる力であり,垂直方向には床反力のみが歩行ロボットに働く.歩行ロボットの質量中心の垂直方向に関するダイナミクスは次式で与えられる.

mbody ycom = −mbodyg + fa (6)

ただし,mbody ∈ < はロボットの全質量,ycom ∈ <はロボットの質量中心の変位,g ∈ <は重力加速度である.

2·4 制御目的

本論文の制御目的は,最小のアクチュエータトルクで歩行を生成することである.

3. 拡張版共振の概念本章では拡張版共振の概念について述べる [2][3].こ

の拡張版共振の概念を利用することにより,多関節ロボットにおいて省エネルギーで周期運動を生成することが期待できる.

Ankle Foot

ftfh

lt lhfa

Ground

τ1all

Fig.1 Dynamics of Ankle of Stance Leg

3·1 評価関数

本節では,周期運動を最小のアクチュエータトルクで生成する方法について述べる.そのための評価関数J は次式で定義する.

J =1b

∫ iT+T

iT

τT A−1τdt, (7)

ただし,T ∈ <は周期,i(= 1 · · ·n)は i番目の周期,b ∈ <は正の定数,A = diag(a1 · · · an) ∈ <(n×n) は対角行列であり,その各要素 a1 · · · an ∈ <は正の定数である.

2·4 節で述べたように本論文の制御法の目的の一つは,評価関数 J を最小化することにある.

3·2 境界条件

境界条件は t = 0 のとき q(0) = qstart,q(0) =vstart,t = T のとき q(T ) = qend,q(T ) = vend

とし,周期 T は任意とする.歩行運動では,初期状態qstart,vstart は,つま先が地面に接触した瞬間の状態,終端状態 qend,vend は,かかとが地面に接触する直前の状態と表せる.

3·3 最適トルク問題

評価関数 J を最小化するアクチュエータトルク τopt

は次式のように線形状態フィードバックの形で表せる[2][3].

τopt = Aq (8)

式 (8)はエネルギーに基づく解析や,ハミルトン-ヤコビの方程式を用いて導出できる.

3·4 角速度に関する線形フィードバックの物理的意味

上記の解析の結果は,エネルギーを供給するために必要なトルク以外のトルクをアクチュエータが発揮しないことで,最小のトルクで周期運動を生成することを意味する.

4. 拡張版共振の概念に基づいた制御法本章では,多関節ロボットの関節剛性と運動パター

ンを適応的に調節することで,拡張版の共振状態を実現する制御法について述べる.

4·1 制御法

本論文では以下の制御法を用いる.

τ = −Kp∆q − Kv∆q + bAq (9)

k = ΓkQ∆q (10)˙b = −γbq

T ∆q (11)

qd(t) = (1 − α)qd(t − Ti) − αq(t − Ti) (12)

qd(t) = (1 − α)qd(t − Ti) − αq(t − Ti) (13)

ただし,Kp = diag(kp1 · · · kpn)は位置フィードバックゲイン行列,Kv = diag(kv1 · · · kvn) は速度フィードバックゲイン行列,∆q = q− qd,qd ∈ <nは目標関節角度,b ∈ <は式 (8)の bの推定値,k = (k1 · · · kn)T,Γk ∈ <(n×n) は適応ゲイン行列であり正定対称行列,Q = diag(q1 − qe1 · · · qn − qen),γb ∈ <は適応ゲイン,

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Ti ∈ <は i番目の周期の時間,α ∈ <はスカラーの定数で 0 < α < 1の値である.目標軌道 qd(t)は 1周期目だけ与え,2周期目からは,式 (12),式 (13)によって適応的に調節される.

4·2 制御法の効果

各関節の剛性は式 (10)によって目標軌道を生成しつつアクチュエータトルクを減らすように調節される [6].目標軌道は式 (12),式 (13)の遅延フィードバック制御の構造により適応的に調節される [8].遅延フィードバック制御は運動を未知の平衡周期運動に収束させる機能を持つ.よって,式 (9)の−Kp∆q −Kv∆qは 0に収束し,アクチュエータトルクは周期運動を生成しつつ式(8)の最小トルク τopt = Aqに収束すると期待できる.

5. シミュレーション

本章では,数値シミュレーションにより提案制御法が省エネルギーで歩行運動を生成できるかどうかを検証する.シミュレーションでは Fig.2のような 4リンクで構成される歩行ロボットを用いた.

5·1 条件

本シミュレーションでは,遊脚側の足部分は十分小さいとし,そのダイナミクスは無視した.ダイナミクスは式 (1)とし,衝突直後の関節角速度 qは式 (2)より導出した.支持脚の足首関節のアクチュエータトルクは式 (5)によって制限した.各物理パラメータはmj = 2.0[kg],lj = 0.5[m],lgj = 0.25[m],Ij = 0.04[Nms2/rad],dj = 2.0[Nms/rad],lt = 0.15[m],lh = 0.15[m]とした.ただし,mは各リンクの質量であり,l は各リンクの長さ,lgは各リンクの関節から重心までの距離,I

は各リンクの重心周りの慣性モーメント,dは各関節の粘性値である.添え字の j は j(= 1, 2, 3, 4)リンク目のパラメータであることを示す.制御法は式 (9)から式(13)を用いた.

5·2 目標軌道

関節角速度 q(0)の初期値は 0とした.初期の目標軌道 qd は CGA data[9]を三角関数により近似して導出した.目標軌道は qd1 = qe1 − π

9 cos( 54πt)[rad],qd2 =

qe2 − π60 cos( 5

3πt)[rad],qd3 = qe3 − 2π9 cos( 5

3πt)[rad],qd4 = qe4 − π

9 cos( 52πt)[rad]であり,その後は目標軌道

を qd(t) = qd(T )とした.

q3

q1 q4

q2

(xa,ya)

x

y

g

Ground

Fig.2 Simulation Model

5·3 パラメータ調整

省エネルギーで歩行を生成するためにいくつかのパラメータを調整した.最も難しい問題はつまずきを回避することであった.これは,遊脚の足部が支持脚よりも後ろで地面と接触することから生じる.本制御法では遅延フィードバック制御を用いているため,弾性要素 qe の平衡角度の調整が良くないとつまずきが起こってしまう.そのため,qeの調整を何度か行い,弾性要素の平衡角度は qe1 = 1.75[rad],qe2 = 6.2[rad],qe3 = 3.0[rad],qe4 = 0.87[rad]とした.提案制御法のフィードバックゲインの調整も行った.

式 (9),式 (10),式 (11)の構造は適応的制御法と同様のもので,遅延フィードバック制御の適応的ゲイン調整の方法とともに過去の研究で示している [7].そのため,ゲインの調整はそれほど困難ではなかった.これらのゲインは kp1 = 40[Nm/rad],kp2 = 20[Nm/rad],kp3 = 50[Nm/rad],kp4 = 10[Nm/rad],kv1 =40[Nm/rad],kv2 = 15[Nm/rad],kv3 = 25[Nm/rad],kv4 = 3[Nm/rad],γk1 = 25,γk2 = 10,γk3 = 5,γk4 = 3,γb = 0.2 のように設定した.以上の調整により,安定した歩行を生成することが

可能となる,いくつかのパラメータの組み合わせがあることを確認できた.今後は,バランス制御法を加えることにより,提案制御法を改善する予定である.

5·4 PD制御本論文で用いた制御法でどの程度省エネルギーで歩

行を生成できたか確認するため,PD制御のみのシミュレーションを行った.τ = −Kp∆q − Kv∆q.評価式には

∫τT τ を用いた.条件として,提案制御法と同じ

目標軌道,フィードバックゲインKp,Kv を与えた.

5·5 結果

提案制御法のシミュレーション結果は Fig.4,PD制御のみのときのシミュレーション結果はFig.3のようになった.軌道は提案制御法によりFig.4(a),(b),(c),(d)のように適応的に調節されたが,PD制御のみのときの軌道 Fig.3(a),(b),(e),(f)と振幅はあまり変わらなかった.パラメータ b,弾性の剛性は Fig.4(e),(f)に見られる

ように,ほぼ一定の値に収束していることがわかる.アクチュエータトルク τ1, τ2, τ3 は,Fig4(g),(h),(i),Fig.3(c),(d),(g)に見られるように,提案制御法のアクチュエータトルクが PD制御のみのときと比べて小さ

q1(a)

Angle

[rad]

1.5

2.0 q2(b)

Angle

[rad]

5.7

6.0

6.3

τ1(c)

0 40Time[s]

Torq

ue

[Nm

]

-40

0

40τ2(d)

0 40Time[s]

Torq

ue

[Nm

]

0

20

40

q3(e)

Angle

[rad]

2.5

3.0

3.5

4.0q4(f)

Angle

[rad]

0.0

0.4

0.8

τ3(g)

0 40Time[s]

Torq

ue

[Nm

]

-20

0

20τ4

0 40Time[s]

(h)

Torq

ue

[Nm

]

-5

0

5

Fig.3 Simulation Results of PD Controller

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q1(a)A

ngle

[rad]

1.5

2.0

q2(b)

Angle

[rad]

5.7

6.0

6.3

q3(c)

Angle

[rad]

2.5

3.0

3.5

4.0

q4(d)

Angle

[rad]

0.0

0.4

0.8

b(e)

b[-]

0.0

0.2

k1 k2 k3 k4(f)

Sti

ffness

[Nm

/ra

d]

0

40

80

τ1(g)

Torq

ue

[Nm

]

-40

0

40

τ2(h)

Torq

ue

[Nm

]

0

20

40

τ3(i)

Torq

ue

[Nm

]

-20

0

20

τ4

0 40 80 120 160 200Time[s]

(j)

Torq

ue

[Nm

]

-5

0

5

Fig.4 Simulation Results of Proposed Controller

くなっている.ただし,アクチュエータトルク τ4においては,あまり変化が見られなかった.本シミュレーション結果は式 (8)の拡張版の共振の概念の状態を満足したものになり,90[%]以上のアクチュエータトルクの削減効果が確認できた.

6. おわりに本論文では,省エネルギーの歩行ロボットを実現さ

せるための第一歩として,いくつかの重要なダイナミクスを含む 4リンクで構成される歩行ロボットに省エネルギー制御法を適用した.この制御法は筆者らによって提案されたものであり [2][6][7],拡張版の共振の概念を利用したものとなっている.いくつかのパラメータの調整を行い,シミュレーションにおいて省エネルギーで周期運動を生成した.生成した周期運動は,我々の提案してきた拡張版共振の条件を十分に満たした.その結果,PD制御のみで周期運動を生成したときと比べて 90[%]以上のアクチュエータトルクの削減効果が確認できた.

参考文献

[1] 植村 充典,川村 貞夫:“多関節ロボットの衝突を含む周期運動に対する共振の拡張”,RSJ2008,3B1-06,2008.

[2] 植村 充典,川村 貞夫:“歩行運動に対する拡張版共振概念に基づいた関節剛性と運動パターンの同時適応制御法”,SI2008,pp9-10,2008.

[3] Mitsunori Uemura, Sadao Kawamura: “AdaptiveTuning of Stiffness and Motion for Multi-JointRobot” SYROCO2009,2009(accepted).

[4] Tad McGeer:Passive Dynamic Walking, InternationalJournal of Robotics Research, vol.9, no.2, pp.62-82,1990.

[5] 植村 充典,川村貞夫:“省エネルギーを目的とした適応的剛性調節による複数周波数成分の運動実現”,日本ロボット学会誌, vol.26, no.6,2008.

[6] Mitsunori Uemura, Sadao Kawamura: “Resonance-baced Motion Control for Multi-Joint Robot throughCombining Stiffness Adaption and Iterative LearningControl” IEEE Internationa Conference on Roboticsand automation 2009,2009.

[7] Mitsunori Uemura, Lu Guangqiang, Sadao Kawa-mura, Ma Shugen: “Passive Periodic Motionsof Multi-Joint Robots by Stiffness Adaption andDFC for Energy Saving”, SICE Annual Coference2008,pp.2853-2858,20081A1-A21, 2008.

[8] K.Pyragas: “Continuous Control of Chaos bySelf-Controlling Feedback”,Physics Letters A,Vol.170,No.6,pp.412-428,1992.

[9] C.Kirtley: CGA Normative Gait Database,Hong Kong Polytechnic University,http://guardian.curtin.edu.au/cga/data/

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