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北九州市立則松中学校 校長通信 №17 令和元7月 3日 「 旅の賞味期限 ~修学旅行記④~ 校長 【前号からの続き】バスガイドさん(以下、B)とのバトルが 続く生徒たち(以下、S)。B「トンネルを抜けると大阪府 です。3・2・1」S「ワーイ!」2日目、長距離の移動 にも全く疲れを見せない3年1組…。B「大阪で知ってる ところは?」S「道頓堀」「難波」「堺」などなど…。「大阪 と言えば?」S「粉もの。」B「どんな物知ってる?」S 「お好み」「たこ焼き」「もんじゃ」B「もんじゃって、私 あまり食べない…」S「ちゃんとした店で食べるべきです。」 Bとの会話を巧みに操り、Bの食の好みまでを変えようと する生徒たち…。 さらに、B「この辺りは古墳でも有名です。日本で一番 大きな古墳は?」S「大仙古墳(仁徳陵古墳)。」B「では、 2番目に大きな古墳は?」S「相良せんせいー!」おいお い相良先生はまだ…。B「この辺りに聖徳太子のお墓もあ ります。」S「ショウちゃーん!」君たち、いくら歴史が大 好きだからと言っても、いつから友達になった…。会話の バトルが面白過ぎて、全く眠られない私。いや、ゴメンナ サイ。少し寝たかも…。 初日の班長会議で、「ガイドさんの話をよく聞いて、会話 のキャッチボールをしよう!」との相良和孝先生の教えを きちんと守っている3年1組。2日目の班長会議では、「班 長会議で伝えたことがまた同じ反省で上がってくる。進歩があるのか。伝達能力はあるが、あとは実行力だ!」と 相良先生。この実行力を、2日目、すでに発揮していた集団がいたのだ。 3日目は、朝から雨だった。姫路城の大天守保存修理工事が完了して、私自身、初めての訪問だから、とても楽 しみにしていた。しかし雨の中、バスが渋滞に捕まり、時間との勝負になる。駐車場から城内へ。そこには、姫路 城の絶景があった。感動もつかの間、学年写真を撮影し、とにかく先を急ぐ。天守閣最上階を目指して黙々と歩く 生徒たち。急峻な階段に大行列が続く。昨日の班長会議で梶田貴則先生の「先のことを考えて行動しよう!」とい う反省にしっかり応えているというか、南京町での自由時間が気になっているというか…。「あー。」と言いたい。 最上階で私は、「もう一度、今度はゆっくり、一日かけて、姫路城を散策したい。」と決意した。 南京町の短い自由時間を駆け抜け、新神戸駅へ。B曰く。「旅の賞味期限は、誰も話さなくなった時です。だから 思い出を語ろう。」と生徒へ別れを告げた。「ジャガイモ」の修学旅行編が今回で最終号になるけれど、3年生の皆 さんにとって、この修学旅行の賞味期限は、いつまで続くのだろうか。 【学校ホームページアドレス】 www.kita9.ed.jp/norimatsu-j 【上】1・2日目の班長・室長会議の様子。第3学年という集団を、 しっかり一つにまとめようとした実行委員に心から感謝したい。

「旅の賞味期限 - kita9.ed.jp · い相良先生はまだ…。B「この辺りに聖徳太子のお墓もあ ります。」S「ショウちゃーん!」君たち、いくら歴史が大

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北九州市立則松中学校 校長通信 №17

令和元年 7月 3日

「 旅の賞味期限~修学旅行記④~ 」校長 江 口 満

【前号からの続き】バスガイドさん(以下、B)とのバトルが

続く生徒たち(以下、S)。B「トンネルを抜けると大阪府

です。3・2・1」S「ワーイ!」2日目、長距離の移動

にも全く疲れを見せない3年1組…。B「大阪で知ってる

ところは?」S「道頓堀」「難波」「堺」などなど…。「大阪

と言えば?」S「粉もの。」B「どんな物知ってる?」S

「お好み」「たこ焼き」「もんじゃ」B「もんじゃって、私

あまり食べない…」S「ちゃんとした店で食べるべきです。」

Bとの会話を巧みに操り、Bの食の好みまでを変えようと

する生徒たち…。

さらに、B「この辺りは古墳でも有名です。日本で一番

大きな古墳は?」S「大仙古墳(仁徳陵古墳)。」B「では、

2番目に大きな古墳は?」S「相良せんせいー!」おいお

い相良先生はまだ…。B「この辺りに聖徳太子のお墓もあ

ります。」S「ショウちゃーん!」君たち、いくら歴史が大

好きだからと言っても、いつから友達になった…。会話の

バトルが面白過ぎて、全く眠られない私。いや、ゴメンナ

サイ。少し寝たかも…。

初日の班長会議で、「ガイドさんの話をよく聞いて、会話

のキャッチボールをしよう!」との相良和孝先生の教えを

きちんと守っている3年1組。2日目の班長会議では、「班

長会議で伝えたことがまた同じ反省で上がってくる。進歩があるのか。伝達能力はあるが、あとは実行力だ!」と

相良先生。この実行力を、2日目、すでに発揮していた集団がいたのだ。

3日目は、朝から雨だった。姫路城の大天守保存修理工事が完了して、私自身、初めての訪問だから、とても楽

しみにしていた。しかし雨の中、バスが渋滞に捕まり、時間との勝負になる。駐車場から城内へ。そこには、姫路

城の絶景があった。感動もつかの間、学年写真を撮影し、とにかく先を急ぐ。天守閣最上階を目指して黙々と歩く

生徒たち。急峻な階段に大行列が続く。昨日の班長会議で梶田貴則先生の「先のことを考えて行動しよう!」とい

う反省にしっかり応えているというか、南京町での自由時間が気になっているというか…。「あー。」と言いたい。

最上階で私は、「もう一度、今度はゆっくり、一日かけて、姫路城を散策したい。」と決意した。

南京町の短い自由時間を駆け抜け、新神戸駅へ。B曰く。「旅の賞味期限は、誰も話さなくなった時です。だから

思い出を語ろう。」と生徒へ別れを告げた。「ジャガイモ」の修学旅行編が今回で最終号になるけれど、3年生の皆

さんにとって、この修学旅行の賞味期限は、いつまで続くのだろうか。

【学校ホームページアドレス】

www.kita9.ed.jp/norimatsu-j

【上】1・2日目の班長・室長会議の様子。第3学年という集団を、しっかり一つにまとめようとした実行委員に心から感謝したい。

「修学旅行の賞味期限は永遠に」 3年4組 Mさん「『旅の賞味期限』は、その旅のことを話さなくなるまで続く。」と校長先生

が解散式の時に、バスガイドさんが言っていたとおっしゃいました。私たちに

とって、修学旅行の賞味期限はどのくらい続くのでしょうか。

一番心に残ったのは、銀閣です。正直私は、キラキラした物が好きだから、

一ヶ月前は金閣の方が楽しみでした。でも美術で銀閣の庭園のすごさを聞いた

時に、初めて銀閣が楽しみになりました。もちろん本物は、予想をはるかに超

えてすばらしかったです。整えられた向月台と銀沙灘、自然を感じられる木や

池、全てが銀閣で楽しめて気持ちよかったです。なんだか足利義政がなぜ銀閣

を建てたかが分かりました。

また、東大寺もすごかったです。南大門には、金剛力士像がありました。大

迫力で思わず倒れそうになるくらいでした。大仏殿は、世界最大の木造建築物

であり、とてもでかかったです。これでも横幅が元の約3分の2までに縮小さ

れているのが、びっくりするくらいでした。大仏は建てられた時代ごとに色が

違って、何年もの間、たくさんの人が協力して頑張って大仏を守り、また大仏

は人々を助けてきたんだなと感じました。

京都、奈良、滋賀、兵庫は、歴史・文化をとても大切に守っていて、道を通

るだけでもたくさんの物があっておどろきました。修学旅行ではあまりゆっく

り見学することができなかったので、将来また旅行に行って、今度はガイドさ

んが教えてくれたたくさんの場所に行きたいです。この修学旅行は思い出とし

て深く心に刻まれたので、「賞味期限」は永遠に続きそうです。

「一生きれない修学旅行の賞味期限」 3年1組 Kさん私が修学旅行に行って一番思い出に残った場所は、「銀閣」です。なぜかと

いうと、「銀閣」は「金閣」と違って華美ではなかったのですが、日本人の心

を落ち着かせる効果があったと思います。特に、砂の庭が全てに手がほどこさ

れていて、これを毎日やっていると思うと、

とてもスゴイなと思いました。旅館やホテ

ルでは、12時半ぐらいまでずっと話して

いて、とても楽しくおもしろかったです。

お風呂が気持ちよかったけど、もっとゆっ

くり入りたかったです。ご飯もお腹いっぱ

い食べて、お腹がはれつしそうでした。と

てもおいしかったです。

奈良公園では、えさを持っていると鹿から追いかけられて、

とても怖かったです。逃げている途中で、う○こを踏んでしま

って、靴の裏はう○こ色。臭そうでした。ホテルのカードキー

を落として、とても迷惑をかけてしまいました。エレベーター

の中に落としたらしくて、一般客の方が拾ってくださいました。

本当にありがとうございました。南京町は、時間がなくて思う

ように食べられなかったのですが、大人になってもう一度行っ

てみたいです。

バスの中で、バスガイドさんが話してくれた色々な話。三日

目に一緒に同行してくれたバスガイドさんの言葉が思い出に残

っています。「旅の賞味期限」という言葉です。誰かがその旅の

ことを話さなくなったら、賞味期限がきれるということです。私は一生、賞味期限をきれさせたくないと思います。バスの中で

は、カラオケ大会などもしました。Eくんが意外とうまいことにビックリしました。浦田先生の「小さな恋の歌」も、とても心

に残りました。楽しくて、有意義な修学旅行でした。

【上・左】雨にも負けず、姫路城の天守閣最上階目指して、石畳を登り切った3年生の皆さん【左下】待望の南京町で、班の団結力に磨きをかける。