冬期労働災害統計

令和２年度版

青森労働局

本統計を利用する際の留意事項

１ 本統計は、１１月から３月までに発生した死亡及び休業４日以上

の労働災害（労働者死傷病報告の提出があったもの）のうち、労働 者死傷病報告を判読して、冬期特有の気象条件の影響を受けた労働 災害であることが明らかなもののみ集計した。

２ 本統計で使用している次の①～③の語句の意味は、下記のとおり である。

① 冬 期 ……… １１月～３月 ② 冬 期 労 働 災 害 ……… 冬期において降雪、低温、強い季節

風等の冬期特有の気象条件の影響を 受けた労働災害

③ 被 災 者 数 ……… 死亡及び休業４日以上の労働災害の 被災者数

３ 県内労働基準監督署の管轄区域は、下記のとおりである。

① 青 森 労 働 基準 監 督 署 … 青森市（弘前労働基準監督署管轄区 域を除く）、東津軽郡

② 弘 前 労 働 基準 監 督 署 … 弘前市、黒石市、平川市、青森市の うち浪岡、中津軽郡、南津軽郡

③ 八 戸 労 働 基準 監 督 署 … 八戸市、三戸郡 ④ 五所川原労働基準監督署 … 五所川原市、つがる市、北津軽郡、

西津軽郡 ⑤ 十和田労働基準監督署 … 十和田市、三沢市、上北郡（むつ労

働基準監督署管轄区域を除く） ⑥ む つ 労 働 基準 監 督 署 … むつ市、下北郡、上北郡のうち横浜

町・六ヶ所村

１　冬期労働災害発生状況の推移

平成３０年度冬期 令和元年度冬期

-1-

31.1%

68.9%

22.1%

77.9%

冬期労働災害

冬期労働災害

以外の災害

平成３０年度冬期 令和元年度冬期

89

162

112

174 169

289

227203

139151

217232

194

118

0

3

10

1

4

0 01

0

2

0 0 0

0

2

4

6

8

10

12

14

0

50

100

150

200

250

300

350

18年度19年度20年度21年度22年度23年度24年度25年度26年度27年度28年度29年度30年度元年度

死亡者数（人）

被災者数（人）

冬期労働災害

冬期労働災害

以外の災害

15

2729

4

46

9

3034

14

6

16

0

30

5

2225

0

10

20

30

40

50

60

被災者数（人）

保健衛生業

その他

建設業

製造業

運輸交通業

林業

商業

通信業

保健衛生業

その他

建設業

製造業

運輸交通業

林業

商業

通信業

２　地域別・時期別冬期労働災害発生状況と気象状況(令和元年度冬期）

（２）三八上北地方(八戸市、十和田市、三沢市、上北郡、三戸郡）　　　※平均気温・降雪量は八戸市のもの

（３）下北地方(むつ市、下北郡）　　　※平均気温・降雪量はむつ市もの

-2-

（１）津軽地方(青森市、弘前市、五所川原市、黒石市、つがる市、平川市、東西南北中津軽郡）　　　　　　　　　　　　　※平均気温・降雪量は青森市のもの

5

2

910

8

6

19

2

10

5

10

15

20

上旬

中旬

下旬

上旬

中旬

下旬

上旬

中旬

下旬

上旬

中旬

下旬

上旬

中旬

下旬

(㎝) (℃)

降雪量 平均気温

11月 12月 1月 2月 3月

(人)

3 3

7

3

11

4

11

3

6 4

0

5

10

15

20

上旬

中旬

下旬

上旬

中旬

下旬

上旬

中旬

下旬

上旬

中旬

下旬

上旬

中旬

下旬

0

10

-2.0

0

4

8

12

20

30

40

10

2

4

6

8

10

上旬

中旬

下旬

上旬

中旬

下旬

上旬

中旬

下旬

上旬

中旬

下旬

上旬

中旬

下旬

11月 12月 1月 2月 3月

11月 12月 1月 2月 3月

(人)

(人)

被災者数

被災者数

(㎝) (℃)

(㎝) (℃)

0

10

20

-3.0

3

12

降雪量 平均気温

降雪量 平均気温

9

30

0

0

平均気温 降雪量

0

20

40

60

80

-2.0

12

40

8

被災者数

4

0

0

平均気温

降雪量

3

平均気温降雪量

8.2

0

0

9.2

9.0

6.5

4.5

2.7

3.7

0.3

0.2 0.3

1.8

-1.8

2.82.3

4.34.8

5.9

0

0

8

20

38

6

27

0

11

4

0

0

5.8

2.9

1.8

3.3

-0.4

-0.10.2

1.2

-3.0

2.3

0.8

3.44.2

5.7

611

10

28

9

21

51

31

22

68

0

04

6

52

8

45

0.1

15

20

0.7

2.0

21

65

3.0 2.2

4.64.7

5.9

0

13

0

10

5-1.7

0.6

3.6

2.0

3.6

6.1

50

6

6

３　令和元年度冬期労働災害発生状況（全産業）

-3-

　　　　　　いつ発生したのか？

　　　　　　　　発生原因は何か？ 何の作業又は動作中に発生したのか？

　　　どのような災害か？ 発生した場所はどこか？

発生地の所轄労働基準監督署はどこか？

0 30

4242

40

20

40

6011月

12月

1月2月

3月

被災者数（人）

98

13

3

1

1

2

0 20 40 60 80 100 120

転倒

交通事故

墜落転落

激突

激突され

その他

被災者数(人)

26

37

23

6

22

4

0

10

20

30

40

50

青森 弘前 八戸 五所川原 十和田 むつ

被災者数(

人)

43

28

23

16

4

3

1

0 20 40 60

構内(屋外）

駐車場

集配・訪問先

道路上

建物出入口

工事現場等

屋根

被災者数(人)

歩行

85人72.0%

車両等運転

12人10.2%

除排雪等

6人, 5.1%

車両等から降りる

4人, 3.4%

荷運搬中

4人, 3.4%

はしご等昇降中

1人, 0.8% その他6人, 6.1%

凍結・圧雪

96人81.4%

自車スリップ

14人,11.9%

着雪

7人, 5.9%氷柱・雪の塊

1人, 0.8%

-4-

４ 冬期における労働災害事例（令和元年度冬期）

（１）転倒災害

《事例１》（社会福祉施設、１月、午前６時 45 分）

【概要】出勤時に職員駐車場から職員玄関へ向かって歩いていたところ、路面の凍結に気付かずに

滑って転倒した。（右橈骨遠位端関節内骨折、休業見込２か月）

《事例２》（病院、２月、午前９時 30 分）

【概要】ゴミ袋２つを両手に持って屋外にあるゴミ集積場へ向かって歩いていたところ、日陰で凍結し

ていた斜度のある通路で滑って転倒した。（右足関節三果骨折、休業見込１か月）

《事例３》（建設業、１月、午前 10 時 15 分）

【概要】建設工事現場のアスファルト舗装の坂道を下って歩いていたところ、数センチメートルの積雪

に覆われた路面の凍結に気付かずに滑って転倒した。（左骨盤骨折、休業見込３か月）

☆防止対策のポイント☆

〇通路、作業場所及び駐車場への囲いの設置、除排雪・融雪設備の設置等による積雪・凍結防止

〇屋外の傾斜した箇所、積雪・凍結した箇所等の滑りやすい箇所への滑り止めの設置、除雪等

〇滑りにくい安定した靴の着用

〇両手に物を持っての歩行の禁止

（２）墜落災害

《事例》（木造家屋建築工事業、12 月、午後３時３０分）

【概要】屋根上に仮置きしている資材を養生する作業をするため、屋根上に積もった雪をほうきで掃

いていたところ、凍結していた屋根から滑って３メートル下の土間に墜落した。（両踵骨骨折、休

業見込３か月）

☆防止対策のポイント☆

〇事前の作業場所の状況の確認

〇墜落制止用器具（安全帯）を使用するための設備の設置及び墜落制止用器具（安全帯）の使用

〇滑りにくい靴の着用

（３）交通事故

《事例》（卸売業、１月、午前８時００分）

【概要】自動車専用道路を社有車に乗車して走行していたところ、スピードの出しすぎにより凍結路面

でスリップし、対向車線にはみ出して対向車に衝突した。（額部裂傷、休業見込６日）

☆防止対策のポイント☆

〇控えめな速度による走行

〇天候及び路面状況を考慮に入れた時間的に余裕のある運行計画の策定