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-1- 札幌天文同好会会報 No.174 2014年 2014年総会 後列左から 工 藤 ・廣 鰭 ・藤谷 ・上田 ・生田 ・西 野・越 後・見 学者 ・平井 前列左から 春木・後藤・伊東・中山・大畑・柴田・小西・安味・川又・小笠原 (* 了 解 が 得 られ な い た め 処 理 して い ます ) 1.札幌天文同好会 2013年度活動報告 ・・・・・・・・・・・・・・・・・中山 2 2.会則変更について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・工藤 高広 2 3.札幌天文同好会 2013年度月別活動記録・・・・・・・・・・・・・・・ 中山 3 4.札幌天文同好会 2013年度会計報告・・・・・・・・・・・・・・・・・ 工藤 高広 4 5.2013年度ホームページアクセス状況・・・・・・・・・・ ・・・・・・ 工藤 高広 5 6.ムーンライトウオッチング活動の変遷・・・・・・・・・・・・・・・・中山 6 7.2013年秋から冬にかけて、夜空を賑わした彗星・・・・・・・・・・・・柴田 健一 9 8.15cm反射望遠鏡の製作・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・廣鰭 10 9.上田さんと愉快な仲間たち・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・工藤 高広 13 10.天体写真趣味を初めて、最初の1年を振り返って・・・・・・・・・・・ 藤谷 直樹 14 11.ニュートン式鏡筒の光軸調整について・・・・・・・・・・・・・・・・春木 勇人 16 12.JAXA相模原キャンパス見学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・柴田 健一 18 13.2014年 北海道星ウオッチング発表会・・・・・・・・・・・・・・・・ 柴田 健一 20 14.編 記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22

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札幌天文同好会会報 No.174 2014年

2014年総 会

後 列 左 から 工 藤 ・廣 鰭 ・藤谷 ・上田 ・生田 ・西 野・越 後・見 学者*・平 井

前 列 左 か ら 春 木・後 藤・伊 東・中 山 ・大 畑 ・柴 田 ・小 西 ・安 味 ・川 又 ・小 笠 原

(* 了 解 が 得 られ ないため処理 しています)

目 次

1.札幌天文同好会 2013年度活動報告 ・・・・・・・・・・・・・・・・・中山 正 2

2.会則変更について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・工藤 高広 2

3.札幌天文同好会 2013年度月別活動記録・・・・・・・・・・・・・・・ 中山 正 3

4.札幌天文同好会 2013年度会計報告・・・・・・・・・・・・・・・・・ 工藤 高広 4

5.2013年度ホームページアクセス状況・・・・・・・・・・ ・・・・・・ 工藤 高広 5

6.ムーンライトウオッチング活動の変遷・・・・・・・・・・・・・・・・中山 正 6

7.2013年秋から冬にかけて、夜空を賑わした彗星・・・・・・・・・・・・柴田 健一 9

8.15cm反射望遠鏡の製作・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・廣鰭 力 10

9.上田さんと愉快な仲間たち・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・工藤 高広 13

10.天体写真趣味を初めて、最初の1年を振り返って・・・・・・・・・・・ 藤谷 直樹 14

11.ニュートン式鏡筒の光軸調整について・・・・・・・・・・・・・・・・春木 勇人 16

12.JAXA相模原キャンパス見学・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・柴田 健一 18

13.2014年 北海道星ウオッチング発表会・・・・・・・・・・・・・・・・ 柴田 健一 20

14.編 集 後 記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 編 集 局 22

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札幌 天 文 同好 会 2 01 3 年度 活 動 報告

事務局 中山 正

今 年 は「世 紀 の大 彗 星 現 る? 」で幕 を開 けましたが、期 待 す るほど明 るくなりませ んでし

た。その他 の天 文 現 象 も、珍 しさとしては少 し物 足 りない一 年 となりました。

一 方 、当 会 としては認 知 度 が上 がる一 年 となりました。北 海 道 文 化 放 送 の番 組 『さあ トー

クだよ』で 8月 12日 午 前 に石 狩 市 厚 田 区 嶺 泊 で開 催 したペ ル セウス座 流 星 群 観 察 会 の日

程 とH Pアドレスの案 内 が流 れ ました。この前 後 、H Pのアクセス数 が急 増 し、ツィッター へ 投

稿 したことも重 なり、会 場 は 市 民 で観 察 会 は 盛 況 でした。10日 は雨 の中 H Pでイベ ントを知

り南 区 から、12・13日 は夜 半 までツィッター を見 て来 場 されていました。

里 塚 ・美 しが丘 地 区 センター や 手 稲 区 前 田 森 林 公 園 の観 察 会 でもH Pを見 ての参 加 者 があ

りP R効 果 を感 じました。

例 会 の見 学 や 取 材 の問 い合 わせ 数 も増 えてお ります 。

近 年 は 天 文 普 及 活 動 の一 環 としてH Pの充 実 に努 めてきました。結 果 として会 員 数 の増 加傾 向 にも繋 がったと思 われます 。

今 年 度 は 、総 会 1回 、例 会 を12回 開 催 しました。例 会 12回 出 席 者 は 4名 でした。また、1回以 上 の出 席 者 は 22名 となり、平 均 例 会 出 席 者 数 は 2年 連 続 10名 を超 えました。新 入 会 員 が6名 あり会 員 数 は 30名 となり、1995年 の会 員 数 まで回 復 しました。残 念 ながら会 員 1名 がお亡 くなりになっています 。

「ムー ンライトウオッチ ング」は 7回 開 催 。大 通 公 園 4回 の他 、会 場 を変 え里 塚 ・美 しが丘 地区 センター 、石 狩 市 望 来 嶺 泊 、手 稲 区 前 田 森 林 公 園 (札 幌 星 まつ りに協 力 )にてそれ ぞれ1回 開 催 しました。宿 泊 観 測 会 は陸 別 天 文 台 で1回 、天 体 観 測 会 は随 時 有 志 が参 加 の形 で開 催 しました。会 報 プレアデ スは2回 発 行 しました。本 年 度 の活 動 計 画 案 は天 気 に恵 まれ、ほぼ達 成 できました。

動 作 が不 調 で印 刷 に時 間 とコストが掛 かっていた会 報 印 刷 用 プリンター は、購 入 費 と修 理費 が同 等 程 度 だったため、新 規 購 入 しました。既 刊 会 報 P L E IA D E Sの在 庫 リストを作 成 ・配 布 しました。希 望 の方 に無 料 で贈 呈 します 。

個 人 活 動 として、ニュー ジー ランド星 空 観 測 へ 1名 遠 征 。「反 射 鏡 製 作 研 修 会 」に2名 、「北海 道 星 ウォッチング発 表 会 」に7名 、カル チャー ナイト協 賛 北 海 道 総 合 博 物 館 主 催 「夏 の星座 観 望 会 」に5名 、「北 海 道 星 見 人 の会 in名 寄 」に3名 が参 加 しました。星 ナビ10月 号 に会 報 P L E IA D E S N o173の記 事 からから生 田 会 員 のニュー ジー ランドでの観測 報 告 が紹 介 されました。

会 員 数 は 30名 まで回 復 し、会 の活 動 に参 加 す る会 員 は 24名 と増 えてきました。個 々 の会 員 も活 発 に活 動 し、新 体 制 造 りの時 期 にきていると考 えられます 。

会則変更について会計担当 工藤高広

当会の金融機関 変更に伴い、以下のとおり会則変更 が総 会で承認されました。

(1)第 2条 に「本 会 の所 在 地 は、事 務 局 長 宅 とす る」とし、従 来 の第 2条 以 降 の条 項 を繰 り

下げる。

(2)附 則 の第 1項 を「本 会 の設 立 日 を1956年 7月 7日 とす る」とし、従 来 から記 載 している適

用開始日 条項を第 2項とする。詳細 はHPにてご確 認ください。

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札 幌天 文 同 好会 2 0 13 年 度月 別 活動 記 録

事務局 中山 正

月 日 会の行事 ・活動及び会員の動向 摘 要

1 5 総会、例会、新年会 を三川屋で開催 14名

2 例会 15名。(見学者 3名)

2 23 「北海道星ウオッチング発表会」に開催協力 (会員7名・個別活動) 札幌市社会福祉総合センター

会報No172 PREIAD ES2013年 冬号発行

上西会員が逝去(享年86歳)

2 例会 9名

7~15 藤谷さん・春木さん入会

3 16~17 ニュージーランド星空観察遠征 (会員1名、個別活動) 陸別銀河の森天文台

パンスターズ彗星宿泊観測会開催(会員8名)

6 例会 12名

4 20 ムーンライトウオッチング開催(会員6名・一般70名) 大通公園

廣鰭さん・島田さん入会

11 例会 12名

5 18 ムーンライトウオッチング開催(会員8名・一般50名参加) 大通公園

1 例会 13名出席

6 15 ムーンライトウオッチング開催(、会員7名・一般70名) 大通公園

会報No173 PREIAD ES2013年 パンスターズ彗星特集号発行

既刊会報PLEIADES在庫リスト作成・配布

6 例会 13名

19 北海道大学総合博物館主催「夏の星座観望会」(カルチャーナイト協賛) 北海道大学

7 (会員8名、個別活動)

20 ムーンライトウオッチング開催(会員10名・一般 56名参加) 里塚・美しが丘地区センター

3 例会 12名

ムーンライトウオッチング開催 「ペルセウス座流星群観察会in嶺泊」 カシオペアの丘

8 10 会員4名・一般 4名

12 会員6名・一般 100名

13 会員8名・一般 70名

北海道文化放送「さあ!トークだよ」に事務局長がビデオ出演(8/12放送)

7 例会 15名

14 元由さん入会

9 ムーンライトウオッチング開催「第12回さっぽろ星まつり」開催に協力 前田森林公園

下旬 (会員14名・一般2,500名)

飯沢能布子主催「88星座七宝展」鑑賞(会員4名)

5 例会 13名

10 13 ムーンライトウオッチング開催(大通公園、会員4名・一般35名)

「北海道星見人の会in名寄」 (会員3名、個別活動)

星ナビ10月号に会報PLEIAD ESが紹介される

9 例会 14名(見学者1名)

11 藤井さん入会

幹事会開催

30 12月例会 14名(見学者 1名)

12 廣鰭会員写真展出展(10日~15日) さいとうGallery

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札 幌 天 文同 好 会 2 0 13 年 度 会計 報 告

( 2013年 1月 1日 ~ 2013年 12月 31日 )

会計担当 工藤 高広

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2013年度 ホームページアクセス状況報告

ホームページ担当 工藤 高広

年 間 ア ク セ ス 概 要

平成25年12月末時点でのアクセスカウンターは40,937件で、昨年1年間に19,627件(1日平均約

53.8件)のアクセスがありました。アクセス数推移は下図の通りです。

ペルセウス座流星群を境に1日当たり30~40件程度だったアクセス数が50~80件に増加しました。

以 下 省 略

2 01 4 年 度 札 幌 天文 同 好 会 活 動 計画

事務局 中山 正

一 般 向 け天 体 観 察 会 「ムー ンライトウオッチング」を、天 文 普 及 活 動 の主 たる行 事 と位 置づ けて継 続 していきます 。

1 . 毎 月 1 回 例 会 を 開 催 し ま す 。2 . 4月 か ら 10月 に ム ー ン ラ イ ト ウ オ ッ チ ン グ を 大 通 公 園 等 で 開 催 し ま す 。3 . 札 幌 天 文 同 好 会 事 務 局 だ よ り を 月 1回 E メ ー ル に て 発 行 し ま す 。

( E メ ー ル ア ド レ ス を お 持 ち で な い 会 員 に は 、 葉 書 に て 発 行 )4 . 宿 泊 観 測 会 を 開 催 し ま す 。5 . 会 報 プ レ ア デ ス を 発 行 し ま す 。6 . H P を 活 用 し て 天 文 情 報 等 普 及 に 努 め ま す 。7 . 天 文 関 連 イ ベ ン ト 等 の 開 催 に 参 加 ・ 協 力 し ま す 。8 . 会 の 更 な る 活 性 化 の た め の 検 討 行 う 。

20 1 4 年度 役員

事務局 中山 正互 選 に よ り以 下 の とお り 決 まり ま し た 。

会 長 柴田 健一

事務局長 中山 正

会計監査 安味 春幸

幹事 会報編集 柴田 健一

会報印刷 生田 盛

啓蒙普及 西野 浩

会 計 工藤 高広

例会司会 中山 正

Web 工藤 高広

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ムー ン ラ イト ウ オ ッチ ン グ活 動 の 変遷

中山 正

一般向け天体観察会「ムーンライトウオッチング」は、1990年頃、会員有志が大通公園で

月 の観 察 会 を始 めたのが最 初 です 。

1995年 「ムー ンライトウオッチ ング」と命 名 し、会 の活 動 として継 続 し、現 在 では 札 幌 天 文

同 好 会 の主 要 な活 動 の一 つ となりました。

これまでの、活 動 を振 り返 り、今 後 に向 けて、私 の希 望 を纏 めてみ ました。

最 初 の 1 5年

1990年 会 員 有 志 が不 定 期 に開 催

1995年 会 の活 動 として実 施

1998年 宮 内 製 10㎝ 「早 川 双 眼 鏡 」参 加

1999年 「観 望 会 の旗 」を使 用

2003年 火 星 大 接 近 、市 内 の公 園 で観 察 会 を実 施

石 山 地 区 では町 内 会 の協 力 を得 て、実 施

2004年 大 通 公 園 でM 31を参 加 者 と観 察

次 の 10年

2006年 札 幌 市 に公 園 使 用 許 可 を得 て、公 式 に実 施 。

2007年 頃 大 通 公 園 以 外 でも開 催 を開 始

里 塚 ・美 しが丘 地 区センター(2008年 ~ )

2008年 頃 ムー ンライトウオッチング実 施 状 況

会 場 大 通 公 園 西 4もしくは 5丁 目

時 間 19時 ~ 21時 頃

参 加 人 数 平 均 約 70名

使 用 機 材 20㎝ 反 射 望 遠 鏡 、15㎝ 屈 折 望 遠 鏡 、10㎝ 早 川 双 眼 鏡 ほか

2009年 頃 マスメデ ィアの取 材 を受 ける

H T B 、A IR -G (2009年 )UHB(2012・2013年 )

2010年 レー ザー ポインター 使 用 開 始

ヒルトンニセコビレッジ(2010年 )

神 恵 内 村 ゆうなぎ荘 (2011年 )

2013年 ペ ルセウス座 流 星 群 一 般 向 け観 察 会 を石 狩 市 で開 催

問 題 点

● 参 加 者 の多 くが外 国 人 などの旅 行 客 、札 幌 市 民 は少 数 。

● 公 園 の使 用 規 則 が厳 しくなり、使 用 期 間 の短 縮 、看 板 ・旗 ・チラシ・声 かけができなく

なった。

● スタッフが不 足 す る場 合 があった。

● 南 側 に高 いビルが増 え、月 の高 度 が低 い時 期 は、よく見 えないことが多 くなった。

● 光 害 が一 層 激 しく、夜 空 が明 るくなった。

対 策

● 「見 せ る観 察 会 」から「参 加 す る観 察 会 」へ 。

● 月 面 撮 影 を取 り入 れ(参 加 者 持 参 カメラと早 川 双 眼 鏡 にて)。

● 月 面 散 策 を取 り入 れ。

(ズー ムアイピー スと微 動 装 置 を操 作 し、月 面 を散 歩 )。

● リクエスト観 察 の取 り入 れ(「あの星 が見 たい」に応 える)。

● 星 ナビソフトとレー ザー ポインター で星 空 説 明 。

● 当 会 HPの内 容 の充 実 に努 めた。

● 大 通 公 園 以 外 の会 場 を模 索 (里 塚 ・美 しが丘 地 区 センター 開 催 は継 続 を検 討 )。

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結 果

● リピー ター が確 認 された。

● 参 加 者 の滞 在 時 間 が長 くなった。(開 始 から最 後 まで参 加 される参 加 者 が出 現 )。

● 札 幌 在 住 外 国 人 留 学 生 や 、日 本 人 の参 加 割 合 が増 加 した。

● 里 塚 ・美 しが丘 地 区 センター での実 施 は継 続 とした。

● H Pを見 て、問 い合 わせ が来 るようになった。

● 参 加 者 が当 会 へ 入 会 し、スタッフとして活 動 。

2013年 度 の ム ー ン ラ イ ト ウ オ ッ チ ン グ の 進 め 方 と 実 績

● 里 塚 ・美 しが丘 地 区 センター 、石 狩 市 厚 田 区 嶺 泊 、手 稲 区 前 田 森 林 公 園 で実 施 す

るなど、開 催 場 所 を増 や した。

● HP上 で計 画 を公 表 す る

● ライブ中 継 の実 施

● 望 遠 鏡 のバリエー ションを充 実 させ 多 様 な観 察 要 望 に対 応

● 望 遠 鏡 を直 接 覗 く他 、モニター ・プロジェクター を活 用 し説 明 の方 法 の多 様 化 を図

った。

● 札 幌 市 民 の参 加 が増 えた

● H Pのアクセス数 が急 増 し、ペ ルセウス座 流 星 群 の時 期 には1日 1000件 を越 えた。

● H Pを見 て観 察 会 に参 加 す る方 が現 れた。

● 大 通 会 場 以 外 でもリピー ター が確 認 された

● モニター 等 の活 用 で天 体 観 察 のバリアフリー に貢 献

2013年 度実 施 状 況

回 月 日 参加者人数 備 考

1 4月20日 70 大通公園

2 5月18日 50 大通公園

3 6月15日 70 大通公園

4 7月20日 56 里塚・美しが丘地区センター主催「月面観測会」

5 8月10~13日 174 石狩市厚田区嶺泊(カシオペアの丘)ペルセウス座流星群

6 9月14日 2,500 札幌市青少年科学館主催「さっぽろ星まつり」前田森林公園

7 10月13日 35 大通公園

合計 2,955 ※2012年参加者 715名

天 候 に恵 まれ予 定 通 り開 催 できました。

多 くの市 民の方 々 と天体 を楽 しむ ことができました。

2014年 度 のム ー ンラ イ ト ウオ ッ チン グ 計画

当 会 の天 文 普 及 活 動 の柱 を「ムー ンライトウオッチ ング」と位 置 づ け、以 下 のイベ ント

を実 施 す る。

● 北 大 総 合 博 物 館 主 催 「カルチャー ナイト(夏 の星 座 観 望 会 )」は、会 の行 事 とし参 加

す る。

● 大 通 公 園 は交 通 の便 が良 いため、3回 程 度 を計 画 。

● 石 狩 市 での開 催 を計 画 。

● 市 内 小 中 学 校 から依 頼 があれば 、受 諾 を検 討 。

● 星 を見 る場 所 と説 明 の場 所 を分 けて設 けるなど、より解 りや す い工 夫 を行 う。

● ス タ ッ フ が 充 実 し て き た 事 と 相 ま っ て 、 望 遠 鏡 が 多 様 化 し て き た の で、

そ れ らを 生 かせ る 内 容を 検 討。

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ま と め

当 初 は 2名 の会 員 が望 遠 鏡 を持 ち寄 り、ゲリラ的 に開 催 していましたが、現 在 の役 員

体 制(2006年 )となり、本 格的 なスタートをきりました。

2008年 頃 からスタッフが増 え(現 在 は 10名 前 後 )望 遠 鏡 の種 類 も増 え、安 定 して

開 催 できる様 になりました。ムー ンライトウオッチングが現 在 まで継 続 しているのは、

スタッフす なわち会員 の増 加 によることが大 きいと言えます 。

これ からの 10年 は充 実 してきたスタッフとその所 有 機 材 を有 効 活 用 す る時 期 に入 っ

てきたと感 じています 。

「ムーンライトウオッチング」は、「天 体 を見 せる」という一方 通 行から、

「天 体を見 る・記 憶 に残 す」能 動 的なイベ ントを目 指したいと思います 。

札 幌 市 のイ ベ ン ト 開 催 で 使 用制 限 が 多 い が 、 賑 やか な 大 通 公 園 5丁 目の 様 子

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2013年実 施 の 石 狩 市厚 田 区 嶺 泊 (カシオペアの 丘 )

2008年 か ら実 施 の 里塚 ・美しが丘 地 区 センター

「月 面 観 測 会 」準 備 中 の 屋 上の 様 子

2013年秋から冬にか けて、夜空 を賑わした彗 星柴田 健一

アイソン彗星(C /2012 S 1)

大 彗 星 へ の 願 い も 空 し く 、 マ イ ナ ス 等 級 に

な ら ず 、 1 1月 2 9日 太 陽 へ 接 近 し 崩 壊 し ま し

た 。 そ の 瞬 間 は 「 SO H O」 の 「 LA S C O C 3」 の

画 面で多く の人が 見まし た。

2013年 11月 16日 撮影

ラブジョイ彗星 (C /2013 R 1)

同 じ頃、

見 え 難 い ア イ ソ ン 彗 星 の 代 わ り に 、 突 然

現 れ 、 最 大 4等 級 ま で 明 る く な り 、 天 文

フ ァンを 楽しま せてく れました 。

2013年 12月 7日 撮影

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15 c m 反射 望 遠鏡 の 製 作

廣 鰭 力ひ ろ は た つとむ

星 に 興 味 を 持 っ て 以 来 、 い つ か は 自 分 で 作 っ た 望 遠 鏡 で 空 を 眺 め て み た い と 思 っ て

い た 。 過 去に 幾 度 か自 力 で 反射 鏡 研 磨 に挑 戦 し た が悉 く 失 敗 に終 わ っ てし ま っ た 。

こ の 度 、 東 京 都 北 区 王 子 の 駿 台 学 園 高 校 に て 毎 年 7 月 下 旬 に 反 射 鏡 研 磨 講 習 会 が 開 催

さ れ て い るこ と を 知り 、 仕 事の 都 合 を つけ て 参 加 した 。 全 国 から 30名 程が 集 ま り 、

私 を 含 め 10名 が 初 め て の 参 加 者 だ っ た 。 な お 、 講 師 は 彗 星 発 見 者 で 知 ら れ る 池 谷 薫 先

生 で あ る 。

以 下 、 講 習 会 に お け る 鏡 面 研 磨 の 実 際 と 完 成 し た 鏡 を セ ッ ト す る 鏡 筒 の 製 作 に つ い

て 書 く こ とと し た い。

15cm反 射 鏡 の 製 作

反 射 鏡 研 磨 に は 2枚 の カ ラ゙ ス を使 用 す る。

この 2枚 の カ ラ゙ ス の間 に水 を混 ぜ た研 磨 剤 を

入 れ て研 磨 して行 くの で ある。2枚 の カ ゙ラ ス

のうち下 に置 く方 を「盤 」上 に置 く方 を「鏡 」

とい う。つ まり、上 の カ ゙ラ ス が 研 磨 作 業 に よ

って凹 面 鏡 になるのである。

写 真 1

写 真 1では 、青 い カ ラ゙ ス が「盤 」、白 い カ ラ゙ ス が「鏡 」である。「盤 」は 普 通 の カ ラ゙ ス (青 板 カ ラ゙ス )厚 さ20 m m 「鏡 」は ハ イ゚ レ ッ ク ス (耐 熱 カ ラ゙ ス )厚さ2 2 m m で ある。「盤 」の 上 に は 研 磨 剤 (カ ーホ ゙ラ ン タ ゙ム 8 0番 )を小 さじで 1杯 載 せ てある。この 上 に「鏡 」を乗 せ 「鏡 」を前 後 に ス トロ ー クさせ ることで 凹 面 とな るの で あるが 、凹 面に 偏 りが 出 ない ように 1ス トロ ー ク毎 に 「鏡 」を中 心 か ら3 0 ° 程 度 右 に 回 転 しなが ら行 う。

写 真 2

写 真 2は 、研 磨 の 途 中 経 過 で ある。目 的 と

す る焦 点 距 離 の 9割 程 に なるまで この 作 業

を行 う。なお 、球 面 計 を使 用 す ることに より

現 時 点 の 焦 点 距 離 を計 算 で 求 め ることが

で きる。従 って、目 的 とす る焦 点 距 離 が 短

い ほ ど (短 焦 点 ほ ど )曲 率 が 大 きくな るの

で 、より研 磨 時 間 を要 す ることに な る。今

回 の焦 点 距 離 は 1200m m (F 8)とした。

目 的 の 焦 点 距 離 に 近 づ い たら、研 磨 剤 を

80番 か ら順 次 細 か くして行 く。今 回 の 研 磨

剤 は 、80番 ・15 0番 ・32 0番 ・80 0番 ・200 0番

の 5種 類 であった。

写 真 3

写 真 3は 、20 0 0番 で 研 磨 した「鏡 」で ある。

鏡 面 は 細 か なス リカ ラ゙ ス 状 で 水 に 濡 らす とぼ

ん や りで は あるが 遠 景 が 見 える。また新 聞

紙 の 上 に 置 くと小 さな活 字 も読 む ことが で

きる。ここまで で 研 磨 作 業 は 終 了 、所 要 時

間 は約 8時 間 であった。

次 に 「み が き」と鏡 面 製 作 で 一 番 の 難 関

である「整 形 」作 業 に進 む 。

ス リカ ラ゙ ス 状 の 鏡 面 をツ ル ツ ル の カ ラ゙ ス 面 に す る

作 業 を「み が き」と言 い 、更 に 鏡 面 を放 物

面 に す る作 業 を「整 形 」と言 う。研 磨 作 業

が 終 わ った面 は 概 ね 球 面 に 近 い 形 状 で あ

るが 、この 状 態 で は 球 面 収 差 の 影 響 に より

無 限 遠 か ら来 る星 の 光 を1点 に 結 像 す るこ

とは で きない 。放 物 面 とは 、鏡 の 中 心 部 分

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と周 辺 部 の焦 点 距 離 を微 妙 に変 えることに

よって球 面 収 差 を除 去 し、光 を1点 に 結 像

させ るものである。

作 業 は 、光 沢 の 鏡 面 に す るた め の 「み が

き」か ら行 うが 、両 者 は 基 本 的 に 同 様 の 動

作 で あるため 、明 確 な区 別 は 無 く、「み が

き」の延 長 線 上 に「整 形 」があると考 えてい

いだろう。

作業は、まず ヒ ッ゚ チ 盤を作る所からス タ ー トする。

この 、ヒ ゚ッ チ 盤 の 出 来 、不 出 来 が 鏡 面 の 精

度 に大 きく影 響 す ることになる。

写 真 4

ヒ ッ゚ チ とは 道 路 の 舗 装 などに 使 わ れ るア ス フ ァ

ル トのことである。ア ス フ ァ ル トを熱 してト ロ゙ ト ロ゙ に

なったところで、「盤 」の上 に流 し「鏡 」を押

し当 てて曲 率 を合 わ せ た もの が ヒ ゚ッ チ 盤 で

ある。ヒ ゚ッ チ 盤 は 外 気 温 に 影 響 され 易 い た

め 、暑 い 時 期 とそうでは ない 時 期 では 冷 め

たときの硬 さが異 なってしまう。ロ シ ン゙ (松 ヤ ニ )

や 機 械 油 を入 れ ることで、その時 の 外 気 温

に 合 った硬 さの 調 節 を行 う。この 調 節 が 非

常 に難しく、以後の作業にも大きく響いてくる。

写 真 4は 、曲 率 が合 ったヒ ッ゚ チ 盤 に碁 盤 の目

に 溝 を刻 ん だ ところ。これ で ヒ ッ゚ チ 盤 の 完 成

である。

写 真 5

「み が き」作 業 は 、酸 化 セ リウ ム とい う微 細 な粉 末 の 磨 き剤 を水 で 解 い て 使 用 す る。写真 5は 、「み が き」開 始 間 もな い 時 の もので 、画 面 上 の 絵 筆 で酸 化 セ リウ ム をヒ ッ゚ チ 盤 の

碁 盤 の 目 に 沿 って塗 り、「鏡 」を重 ね て研磨 作 業 と同 じように 回 転 を加 えた前 後 ス トロー クで磨 いて行 く。「鏡 」には 作 業 し易 いように 円 筒 形 の 木 製 ハ ン ト ル゙ を貼 り付 けてある。写 真 5を見 て解 るように 「鏡 」を通 してヒ ッ゚ チ盤 の碁 盤 の目 がくっきり判 別 できる。なお 、部 分 的 に 目 が 判 別 で きない 場 合 は 、ヒ ッ゚ チ盤 と「鏡 」の曲 率 が合 っていないという事 になるの で 、ヒ ゚ッ チ 盤 の 表 面 を温 め て 再 度 型合 わ せ を行 うか、その 範 囲 が 広 い場 合 は 、面 倒 だ が ヒ ゚ッ チ 盤 自 体 を作 り直 す ことに なる。比 較 的 状 態 の 良 い ヒ ッ゚ チ 盤 で は 3~ 4時間 位 磨 くと砂 目 が 完 全 に 取 れ て 美 しい 光沢 のある鏡 面 となる。写 真 6は 砂 目 の 取 れ た鏡 面 。「鏡 」の 外 周は ス リカ ラ゙ ス の ままなの で 、酸 化 セ リウ ム が 淵 に沿 って付 着 している。

写 真 6

ここまで 来 ると残 す は 「整 形 」とい う事 に なる。理 想 的 には この段 階 での鏡 面 形 状 は 、球 面 に なってい ることが 望 まれ るが 、ほ ぼ1 0 0 %あり得 ない とい う。ヒ ッ゚ チ 盤 の 硬 さや 、密 着 度 、作 業 の 力 加 減 等 で 色 々 な形 状 が入 り混 じる面 となっているのが普 通 である。「整 形 」で は 、現 在 の 鏡 面 が どの ような形状 なの か を視 覚 的 に 見 ることの で きる「フ ーコー テ ス ト」を行いながら放物面に近づけて行く。「フ ー コ ー テ ス ト」は 、鏡 面 に 光 を当 て、反 射 して戻 って来 た光 を鋭 い ナ イ フ の 刃 で 切 ることにより鏡 面 の微 妙 な形 状 が影 として鏡 面 に映 し出 され る。「放 物 面 」の 鏡 面 形 状 は 決まっているので如 何 にそれ に近 づ けるかが「整 形 」の作 業 である。

写 真 7

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「放 物 面 」は 前 述 したように 、焦 点 距 離 が

鏡 面 の 部 分 で 微 妙 に 異 なるた め 、今 まで

の「み がき」作 業 と異 なり、ヒ ッ゚ チ 盤 と「鏡 」の

中 心 を故 意 に 外 して磨 くオ ー ハ ゙ー ハ ン ク ゙法 を

行 う。但 し、外 す 量 や 磨 き時 間 に よって、

「双 曲 面 」や 「編 球 面 」、或 い は 「左 右 非 対

称 」とい った本 来 の 目 的 と異 なる鏡 面 に な

ってしまう事 が ある。こまめ に 「フ ー コ ー テ ス ト」

を行 い 、鏡 面 状 態 を確 認 しなが らの作 業 と

なる。

写 真 7は 整 形 終 了 時 の 実 際 の 「フ ー コ ー テ ス ト」

像 で 、概 ね 「放 物 面 」に なって い る。池 谷

先 生 か らは 、「良 く見 える鏡 で す 。」と言 っ

てい ただ い た。しか し、難 点 もあり、「鏡 の

完 成 とは 言 えませ ん 。」との ご指 摘 もい た

だいた。ヒ ッ゚ チ 盤 の作 成 からの所 要 時 間 は 、

約 1 5時 間 。今 回 の 作 業 は ここまで とし、専

門 業 者 に 依 頼 して ア ル ミ蒸 着 を施 してもらう

ことにした。

写 真 8

写 真 8は、ア ル ミ蒸 着 され た「鏡 」。

実 際 の焦 点 距 離 は 、1200 m m の計 画 に対 し

て1185m m 、有 口 径 が 150m m なので、F値 は

7.9である。

鏡 筒 の 製 作

鏡 筒 の 製 作 は 、初 め か ら剛 性 の 良 い しっ

か りした もの を作 ろうと考 え て い た 。しか

し、残 念 ながら部 品 の多 くが既 に入 手 困 難

な状 況 にあることが判 明 した。

30年 程 前 であれ ば 、自 作 用 の部 品 を扱 うメ

ー カ ー が 複 数 あって、希 望 す る部 品 が 比 較

的 簡 単 に 入 手 で きたが 、社 会 情 勢 の 変 化

に より、その 殆 どが 倒 産 や 廃 業 に 追 い 込 ま

れ 、現 在 では 極 めて限 られ たものしか入 手

で きない の が 現 状 で ある。そこで 、鏡 筒 本

体 は 鉄 工 所 に 依 頼 し、厚 さ1 m m の 鉄 板 を

丸 めて作 ることにした。

写 真 9

写 真 9は 鉄 工 所 で完 成 した鏡 筒 本 体 。前 方

の 丸 穴 は 接 眼 部 、後 方 の 四 角 い 穴 は 主 鏡

メ ン テ ナ ン ス と筒 内 気 流 軽 減 用 の 開 口 部 、一

回 り大 きな蓋 も作 ってもらった。つ い で に

鏡 筒 外 部 は 白 、内 部 は 艶 消 し黒 の 焼 き付

け塗 装 も依 頼 した。

さて、他 の 部 品 は 前 述 の ように 希 望 の もの

が 入 手 困 難 の た め 、㈱ 笠 井 トレ ー テ ゙ィ ン ク ゙の

G IN JI- 1 5 0 F N とい う1 5 c m 反 射 望 遠 鏡 を別

途 購 入 して、そこから部 品 取 りす ることにし

た 。この 望 遠 鏡 は 焦 点 距 離 6 0 0 m m と短 焦

点 で あるが 、主 鏡 セ ル ・鏡 筒 トッ フ リ゚ン ク ゙・接 眼

部 は そのまま使 用 可 能 。また、斜 鏡 ス ハ イ゚ タ ゙

ー は 使 用 可 能 だ が 、斜 鏡 は 主 鏡 の 焦 点 距

離 が異 なるので、短 径 63m m から41m m へ の

変 更 が必 要 であり、斜 鏡 セ ル は 短 径 41m m 用

を自 作 す ることとした。

写 真 10

写 真 10は 部 品 取 りした G IN JI- 1 5 0 F N 。丸

印 の 部 分 と鏡 筒 内 部 の 斜 鏡 ス ハ ゚イ タ ゙ー を使

用 。また、鏡 筒 は この望 遠 鏡 の鏡 筒 外 径 に

合 わ せ て製 作 したの で 、鏡 筒 ハ ゙ン ドも使 用

できた。

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写 真 11

写 真 1 1 は 、ほ ぼ 完 成 した 1 5 c m 反 射 望 遠

鏡 。部 品 の 流 用 で 簡 単 か と思 って い た 作

業 も、細 か な点 で 改 造 が 必 要 となり、意 外

に 時 間 を要 してしまった。だ が 、当 初 の 目

論見通り、しっかりとした鏡筒に仕上がった。

写 真 12

鏡 面 研 磨 か ら鏡 筒 まで 自 作 した望 遠 鏡 で

星 を観 ることは 、長 年 の 夢 で あり本 当 に 感

無 量 で ある。また、観 望 会 などで 、一 般 の

方 々 が この 望 遠 鏡 で 観 る宇 宙 の 姿 に 感 動

してくれ ることは 、更 に 嬉 しい ことで ある。

上田 さ ん と愉 快 な仲 間 た ち

工藤高広

札 幌 天 文 同 好 会 に 入 っ て 、 今 年 の 2月

で 3年 が 過 ぎ ま し た 。「 同 好 会 に 入 っ て

何 か 変 わ っ た ?」 と 聞 か れ た ら 、 す か さ

ず 「 仲 間 が 増 え た 」 と 答 え ま す 。

入 会 す る ま で 、 天 体 観 測 と い う と 人 の

来 な い よ う な 暗 い 場 所 に 行 っ て 、 望 遠 鏡

を 目 標 の 天 体 に 向 け な が ら 一 人 黙 々 と 星

を 見 て い ま し た 。 時 に は 天 文 年 間 を 片 手

に 恒 星 食 の 隠 蔽 時 間 を 観 測 し た り 、 時 に

は 木 星 の 衛 星 が 木 星 の 陰 に 潜 入 し て か ら

出 現 す る ま で 時 間 差 を 観 測 し て 光 速 を 計

算 し た り し ま し た 。 私 に と っ て 静 か な 夜

に 一 人 星 空 の 下 で 心 ゆ く ま で 星 を 見 る こ

と は 、 何 と も 言 え な い 至 福 の ひ と 時 で す

が 、 一 般 の 人 か ら 見 る と と て も 気 持 ち 悪

く 根 暗 な 趣 味 の よ う で す 。

一 方 、 天 文 を 趣 味 に す る 人 は 、 意 外 に

根 暗 な 人 よ り 陽 気 な 人 が 多 い と い う 見 方

も あ り ま す 。 確 か 20年 以 上 前 、 天 文 ガ イ

ド か 何 か 雑 誌 に そ の よ う な こ と が 載 っ て

い ま し た 。「 あ ぁ 。 一 人 で 黙 々 と 星 を 見

て い る 自 分 は や っ ぱ り 根 暗 な の か な ?」

と 当 時 は 思 っ た も の で す 。

で も 同 好 会 に 入 会 し 、 仲 間 が 増 え た こ

と で 少 し 分 か っ た よ う な 気 が し ま す 。 一

晩 中 天 体 観 測 を し て い る と 疲 れ き っ て ド

ー パ ミ ン が 驚 く く ら い 出 て い る の か 、 時

間 が 経 つ に し た が い 徐 々 に み ん な 気 分 が

ハ イ に な っ て い く の で す 。

上 田 さ ん と は 3年 来 の 付 き 合 い で 、 晴

れ た 週 末 に は 、 お 互 い 連 絡 を 取 り 合 い な

が ら よ く 一 緒 に 星 を 見 に 行 き ま す 。 そ こ

に 昨 年 入 会 し た 藤 谷 さ ん が 加 わ り 、「 ち

ょ い 悪 天 文 お や じ 」 の 結 成 と な っ た わ け

で す 。 (藤 谷 さ ん は 「 ち ょ い 悪 お や じ 」

で は な い と 主 張 し て い ま す が ・ ・ ・ )

ど う 見 た っ て 一 晩 中 外 で 遊 び 呆 け 、 朝

帰 り な の だ か ら や っ ぱ り 「 ち ょ い 悪 」 で

す よ ね 。

最 近 で は 小 笠 原 さ ん が 「 ち ょ い 悪 天 文

お や じ 」 に 仲 間 入 り し ま し た 。 回 数 は 少

な い の で す が 、 昨 年 は 別 狩 で 一 緒 に 「 星

を 見 ま し た 」・ ・ ・ と い う か 小 笠 原 さ ん

の 場 合 は 「 赤 道 儀 を 診 ま し た 」 と い う 表

現 が 適 切 か も 知 れ ま せ ん 。

2月 例 会 終 了 後 、追 分 町 に4人 が 集 合

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さ ら に こ こ だ け の 話 で す が 、 柴 田 会 長

も 「 ち ょ い 悪 天 文 お や じ 」 入 り た い よ

う な 素 振 り を 見 せ て い ま す 。 今 年 2月 1日

の 例 会 後 、 私 と 上 田 さ ん が 目 を 合 わ せ な

が ら 人 差 し 指 を 空 に 向 け て「 見 に 行 く ?」

と 合 図 す る と 、 な ぜ か ニ ヤ ニ ヤ し な が ら

背 後 か ら 柴 田 会 長 が 寄 っ て 来 て 、「 見 に

行 く の ?」 と 一 緒 に 行 く 気 満 々 で し た 。

一 人 で 星 を 見 る の も い い け れ ど 、 仲 間

と と も に 見 る 星 ほ ど 楽 し く 感 じ る こ と は

あ り ま せ ん 。 こ れ が 入 会 3年 目 の 私 が 感

じ て い る 素 直 な 感 想 で す 。

こ こ か ら は 余 談 で す が 、 上 田 さ ん と 星

を 見 に 行 く と な ぜ か 非 常 に 高 い 確 率 で 藤

谷 さ ん が い ま す 。 ま た 何 度 か 小 笠 原 さ ん

や 柴 田 会 長 と も ご 一 緒 さ せ て も ら い ま し

た が 、 み ん な に 共 通 す る こ と は 天 体 写 真

を 撮 り な が ら 冗 談 を 言 い 合 っ て ワ イ ワ イ

楽 し く や っ て い る こ と で す 。 こ の よ う な

大 量 の ド ー パ ミ ン を 放 出 す る 愉 快 な 仲 間

が 周 り に い て く れ て 、 私 は と て も 楽 し く

充 実 し た 天 文 ラ イ フ を 送 れ て い ま す 。

み ん な に 感 謝 !

仲間の「ちょい悪天文おやじ」たち

別狩にて

天体 写 真 趣味 を 始め て 、最 初 の 1年 を振 り 返 って

藤谷直樹

中 学 生 の 頃 に 木 星 の ガ リ レ オ 衛 星 を 望

遠 鏡 ( D6 0 m m , F L 1 0 0 0 m m) で 観 察 し 、 そ

の 場 所 を プ ロ ッ ト し て 軌 道 計 算 し て い た

時 か ら 早 25年 、 将 来 は や り た い と 思 っ て

い た 天 体 写 真 撮 影 を つ い に 始 め る こ と が

出 来 た 2013年 で し た 。 い つ も 即 決 で 物 を

購 入 す る 私 で す が 、 望 遠 鏡 購 入 に 際 し て

は 熟 慮 に 熟 慮 を 重 ね ま し た 。 ザ イ デ ル 収

差 と 色 収 差 に 関 し て 勉 強 し 、 撮 り た い 写

真 を イ メ ー ジ し た 結 果 、「 明 る く 、短 く 、

色 収 差 が 小 さ い 」 鏡 筒 を 選 び D85 m m , F L

4 50mmの 鏡 筒 を 購 入 し た の は 2013年 の 3月

で し た 。 ち ょ う ど そ の 頃 、 札 幌 天 文 同 好

会 に 入 会 さ せ て 頂 き 、 撮 影 に 適 し た 場 所

や マ ナ ー 、 撮 影 方 法 、 ま た 会 員 の 最 近 の

活 動 を 共 有 さ せ て 頂 く こ と と な り ま し

た 。 写 真 だ け で は な く 大 通 り 公 園 で 開 催

さ れ る 「 ム ー ン ラ イ ト ウ ォ ッ チ ン グ 」 や

ペ ル セ ウ ス 流 星 群 観 望 会 、 札 幌 星 ま つ り

に も 参 加 さ せ て 頂 き 、 多 く の 方 々 と 交 流

を 持 て た こ と も 大 き な 収 穫 で し た 。 子 供

に 望 遠 鏡 を 覗 い て も ら い 、「 写 真 を 撮 る

と こ う い う 風 に 写 る ん だ よ 」 と 、 撮 影 し

た 写 真 を 見 せ て 「 す ご ー い 」「 き れ い 」

と 感 想 を 頂 い た と き は 喜 び も 一 入 で し

た 。

最 初 は パ ン ス タ ー ズ 彗 星 (C/ 2 0 1 1 L 4 )を

追 い か け る 日 々 が 続 き ま し た が 、 そ の 姿

を ど う し て も 収 め る こ と が 出 来 ず 苦 戦 し

ま し た 。 確 か 8連 敗 く ら い し た と 記 憶 し

て い ま す 。 た だ 、 そ の 日 々 も 無 駄 で は 無

く 、 赤 道 儀 や 鏡 筒 の 設 置 、 極 軸 合 わ せ 等

を 繰 り 返 し 行 う こ と が 、 要 領 よ く 精 度 が

い い 設 営 方 法 習 得 の た め の い い 練 習 に な

り ま し た 。 や っ と 彗 星 の 姿 を 捕 え る こ と

が 出 来 た 時 の 感 動 は 今 も 鮮 明 に 憶 え て い

ま す 。

パ ン ス タ ー ズ 彗 星

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そ の 後 、 ノ ー タ ッ チ ガ イ ド で ど こ ま で 撮

れ る か に 挑 戦 し 赤 道 儀 を 使 い こ な す こ と

を 意 識 し て 様 々 な 星 雲 星 団 の 撮 影 を 続 け

ま し た 。 ノ ー タ ッ チ ガ イ ド で 10分 間 露 光

に よ り 満 足 を 得 ら れ る 写 真 が 撮 れ た 頃 、

オ ー ト ガ イ ド を 導 入 し て メ ジ ャ ー な 対 象

を 中 心 に 撮 影 活 動 を 継 続 し 、 20対 象 を 写

真 に 収 め る こ と が 出 来 ま し た 。 中 で も お

気 に 入 り は「 魔 女 の 横 顔 星 雲 」( IC2118)

で す 。 積 雪 期 以 外 は 、「 晴 れ て い る 日 に

札 天 会 員 で あ る 上 田 さ ん と 工 藤 さ ん の 顔

を 見 な い 日 は 無 い 」 と い う ほ ど 、 多 く の

回 数 を ご 一 緒 さ せ て 頂 き ま し た 。

魔 女 の 横 顔

2 013年 の 活 動 内 容 に 関 し て 札 天 会 長 よ り

「 頑 張 っ た で 賞 」 を 頂 き 、 さ ら に 撮 影 し

た 勾 玉 星 雲 ( IC 4 0 5) が ビ ク セ ン ギ ャ ラ

リ ー ( http://www.vixen.co.jp/stk/gal

ler y_top.htm) の 銅 賞 に 選 出 し て 頂 い た

こ と は 大 き な 励 み に な り ま し た 。

勾 玉 星 雲

1年 を 費 や し て 赤 道 儀 を 使 い こ な す こ と

は ほ ぼ 習 得 で き た よ う に 思 え ま す が 、 鏡

筒 の 性 能 を 完 全 に 発 揮 さ せ る の は 非 常 に

難 し く 、 現 在 も 格 闘 中 で す 。 私 は 、 写 真

撮 影 に お け る 鏡 筒 の 性 能 は 画 像 処 理 技 術

と 密 接 な 関 係 に あ る と 考 え ま す 。 そ こ で

天 気 の 悪 い 日 や 忙 し く て 出 か け ら れ な い

日 は 画 像 処 理 技 術 の 習 得 に 時 間 を 費 や し

ま し た 。 こ ち ら も 非 常 に 奥 が 深 い 領 域 で

勉 強 の 日 々 で す 。

最 後 に 、 鑑 賞 に 堪 え る 写 真 を 目 指 し て

活 動 を し て き ま し た の で 、 こ の 1年 間 の

結 果 を 少 し で も 自 己 満 足 の 域 か ら 脱 却 さ

せ る た め に 、 札 幌 天 文 同 好 会 の 他 、 ご 協

力 い た だ い た 方 の 名 前 を 記 し た 小 さ な 図

鑑 を 作 成 し ま し た 。

図 鑑 表 紙

こ の 図 鑑 は 、 闘 病 生 活 を 余 儀 な く さ れ て

い る 子 供 た ち が い る 医 療 機 関 や 福 祉 施 設

に 寄 贈 さ せ て 頂 く 予 定 で す 。

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ニュ ー ト ン式 鏡 筒 の光 軸 調整 に つ いて

春 木 勇 人

去 年 の 夏 に 、 笠 井 ト レ ー デ ィ ン グ の 「 ginji150fn」 と い う ニ ュ ー ト ン 反 射 式 鏡 筒 を

購 入 し ま した 。

購 入 早 々 、 光 軸 ず れ が 発 覚 し て し ま っ た た め 修 正 を し な け れ ば な ら な く な り ま し た 。

そ の と き に勉 強 し た内 容 を 紹介 さ せ て いた だ き ま す。

修 正 後 、 定 期 的 に ず れ を チ ェ ッ ク し て い ま す が 、 ち ょ っ と や そ っ と の こ と で は ず れ な

い と い う こと が わ かり ま し た。

私 は ま だ 、 反 射 式 鏡 筒 し か 所 有 し た こ と が あ り ま せ ん が 、 メ カ ニ カ ル な 外 観 の ニ ュ ー

ト ン 式 鏡 筒は 、 機 能美 満 点 です 。

自 分 で 、 調整 が で きる よ う にな る と 愛 着も 湧 い て くる も の で す。

こ れ か ら もこ の 鏡 筒で 、 い ろい ろ な 天 体を 観 察 、 撮影 し て い きた い で す。

み な さ ん もニ ュ ー トン 式 鏡 筒、 い か が です か ?

準 備 す る 物 光軸 修 正 用ア イ ピ ー ス

光軸 修 整 補助 治 具

準 備 す る こと 主鏡 に セ ンタ ー マ ー クが な い 場 合、 マ ー ク を付 け る

調 整 方 法

① 鏡 筒 の 接眼 部 を 真上 に し て、 台 の 上 に鏡 筒 を 乗 せる 。

筒 先 側 に、 電 気 スタ ン ド 等の 、 明 る い照 明 で 、 内部 を 照 ら す。

② 斜 鏡 の 前後 位 置 調整

主 鏡 へ 寄せ る に は、「引 き ね じを ゆ る め、 押 し ね じ 3本 を均 等 に 締め る 。

筒 先 側 へ寄 せ る には 、「 押 し ねじ 3本を 均 等 に 緩め 、 引 きね じ を 締め る 。

正 しい斜鏡 位置

斜 鏡 の 端

光 軸 修 正 用 アイピースの 端

オフセット斜 鏡 通 常 型

③ 斜 鏡 の 傾斜 角 、 回転 角 調 整

光 軸 調 整 用 ア イ ピ ー ス を 接 眼 部 に さ し て 、 覗 い た と き に 、 光 軸 調 整 用 ア イ ピ ー ス の

十 字 線 と、 主 鏡 の中 心 点 マー ク が 一 致す る よ う に、 斜 鏡 の 押し ね じ を調 整 す る 。

( 押 し ね じ は 、 き つ く 締 め す ぎ る と 、 鏡 面 が ゆ が ん で し ま う の で 、 締 め す ぎ な い よ

う に しま す )

アンドロメダ大 銀河 (M31)

鏡筒 ginji150fn ISO1600 480秒 × 8枚

ス テ ラ イ メ ー ジ 6と 、 Canon Digital Photo Professonal

で 画 像 処 理 撮 影 : 201 3年 10月

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傾斜 角 、回 転角 の 合 った状 態

主 鏡 の 中 心 点 マーク

主 鏡 の 端

オフセット斜 鏡 通 常 型

上 の 図 のよ う な 状態 に な れば 、 斜 鏡 の調 整 は 完 了で す 。し か し 、下 の 図 のよ う な 状態 で あ れ ば、 斜 鏡 の 回転 角 が 狂 って い ま す。

上 方 向 ○

下 方 向 ×

こ の よ うな 場 合 は、 引 き ねじ を 緩 め て、 斜 鏡 の セル ご と 回 転さ せ ま す。上 図 の 場 合 は 、 下 の 方 が 、 す き ま が 空 い て い る の で 、 下 方 向 に 回 転 さ せ た く な り ます が 、 逆の 上 方 向に 回 転 させ ま す 。そ し て 、 さ ら に ず れ を 大 き く し て か ら 、 先 ほ ど し た の と 同 じ よ う に 、 斜 鏡 の 押 し ねじ を 調 整 し て 、 主 鏡 の 中 心 点 に 十 字 線 を あ わ せ ま す 。 す る と 、 不 思 議 な こ と に 先 ほど よ り も、 斜 鏡 の位 置 も 、き ち ん と 中心 側 に 近 づい て い る はず で す 。そ れ で も ま だ ず れ て い る 場 合 は 、 も う 一 度 、 引 き ね じ を 緩 め て 、 斜 鏡 の 回 転 角 調 整→ 押 し ね じ を 調 整 し て 、 傾 斜 角 調 整 と い う よ う に 、 何 度 も 繰 り 返 し て 、 正 し い 位 置に 追 い 込ん で い きま す 。以 上 で 、斜 鏡 の 調整 の 説 明は 終 了 で す。

な お 、 機 種 に よ っ て は 、 光 軸 修 正 用 ア イ ピ ー ス の 端 よ り も 、 斜 鏡 の 端 の 方 が 外 に はみ 出 て しま う 場 合が あ り ます 。そ の よ うな 場 合 は、光 軸 修正 補 助 治 具を 使 っ て、斜 鏡 か ら眼 ま で の 間隔 を 縮 める と 、斜 鏡 の 端が 、 ア イピ ー ス の端 に 収 ま りま す 。

④ 主 鏡 の 傾斜 角 調 整最 後 は 、主 鏡 の 傾斜 角 を 調整 し て 光 軸調 整 は す べて 完 了 で す。主 鏡 の 調整 ね じ は 2つ のタ イ プ に 分か れ ま す。ひ と つ は 、 押 し ね じ と 引 き ね じ が 3対 ず つ 設 置 さ れ て お り 、 大 き い 方 が 引 き ね じ にな っ て いる タ イ プと 、も う ひ と つ は 、 押 し 引 き 兼 用 の ね じ が 3対 と 、 そ の 間 に 同 じ よ う に ス ト ッ パ ー ね じが 、 3対 着 いて い る タ イプ で す 。ス ト ッ パ ー ね じ が 着 い て い る タ イ プ の 場 合 は 、 最 初 に ス ト ッ パ ー ね じ を 完 全 に 緩 めて か ら 、押 し 引 き兼 用 ね じを 回 し て 調整 し ま す 。下 図 が 、主 鏡 、 斜鏡 と も 光軸 が 合 っ てい る 状 態 です 。

オフセット斜 鏡 通 常 型

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図 の 中 心 付 近 の 、 黒 く 塗 り つ ぶ さ れ て い る 部 分 は 、 斜 鏡 に 写 っ た 接 眼 筒 部 分 で す 。

そ の 中 の 白 く 丸 い 部 分 は 、 光 軸 修 正 用 ア イ ピ ー ス の 反 射 板 が 写 っ て い る も の で 、 こ

の 反 射 板の 中 心 と、 主 鏡 の中 心 と を ぴっ た り と 合わ せ る よ うに し ま す。

一 番 中 心の 丸 が 、主 鏡 の 中心 マ ー ク です 。

な お 、 オフ セ ッ ト斜 鏡 の 場合 は 、 斜 鏡が 中 心 か らず れ て 設 置し て あ る分 、 斜 鏡 に

写 っ た 接眼 筒 部 分が 、 や や主 鏡 側 へ ずれ て い ま す。

最 後 に 、主 鏡 の ねじ を 締 める と き も 、斜 鏡 の と きと 同 様 に 、あ ま り 固く 締 め す ぎ

な い よ うに し ま す。(圧 迫 で 、鏡 面 が ゆが ま な い よう に 気 を つけ ま す。)

以 上 で 、す べ て の工 程 が 終了 で す 。

星 像 実 視 検査 による光 軸 ずれの 判 別 法

最 後 に 、実 際 の 星を 使 っ ての 光 軸 ず れの 判 別 法 を解 説 い た しま す 。

ま ず 、 鏡筒 を 外 気温 に 慣 らし ま す 。

次 に 、 高 倍 率 の ア イ ピ ー ス を 使 っ て ( 100倍 以 上 等 ) 2~ 3等 星 程 度 の 恒 星 を 視 野 の

中 心 に 導入 し ま す。

そ し て ピン ト を あわ せ た 後、 ピ ン ト を前 後 に 動 かし ま す 。

そ の と き 、 焦 点 内 外 の 星 像 が 真 円 で 、 中 心 に 映 っ た 斜 鏡 の 影 が 星 像 の 中 心 に 来 て い

れ ば 、 光軸 が 合 って い る とい え ま す 。

( オ フ セッ ト 斜 鏡の 場 合 は、 斜 鏡 の 影が わ ず か に左 右 方 向 にず れ て 見え ま す。)

こ の 解 説 書 の 内 容 は 、 笠 井 ト レ ー デ ィ ン グ の 「 光 軸 修 正 読 本 」 の 内 容 を 参 考 に 作 成 い

た し ま し た。

本 書 の 内 容で 、 ま だ理 解 で きな か っ た 方や 、 も っ と詳 し く 知 りた い 方 は、

「 光 軸 修 正読 本 」 を読 ま れ るこ と を お すす め い た しま す 。

JAXA相模 原 キャンパス見 学(独立行政法人 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所)

柴田健一

2月 17日 から20日 まで、実 弟 のいる神 奈 川 県 橋 本 市 に行 ってきました。折 しもの大 雪 でド

ライブ観 光 ができなく時 間 が余 りました。ふ と、JAXAの事 を思 い出 し、ダメ元 で電 車 に乗

って行 ってみ ました。場 所 はJR横浜 線 淵 野 辺 駅から2km。年 中 無休 で見 学できます 。ふち の べ

偶 然 、十 数 人 の団 体 の見 学 があり、後 尾について説 明 を受けることができましたた。

(10人 以 上 は、予 め申 し込 めば説 明 してくれます )

「はや ぶ さ」をオー ストラリアまで回 収 に行 った先 生 の説 明 は面白 かったです 。

食 堂 があるので昼 食 の心 配 はいりません。機会 があれば ぜ ひ どうぞ。

1.「は や ぶ さ」

①「はやぶさ」は4基のイオンエンジンだが、当初

の設計は3基。完成した時点で重量に余裕が

できたので、4基搭載出来た、とのこと。エンジ

ンの見た目は、小さかった。

は や ぶ さ 中 央 が 本 体 で左 右 は 太 陽 電 池 パ ネル

イオンエンジン

「1万 時 間 くらいは 壊 れ ませ ん」

という説 明 文 が ついている

② 打 ち上 げロケットは、

M - Ⅴ - 2ロケット。

(ミュー ・ファイブと読 む )

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人 と較 べ るとロケットの 大 きさが 分 か る

③ 弾 丸 が発 射 され なかったの は 、プログ

ラムミス。しかし、小 さな塵 が回 収 された。

④ 制 作 費 は 130億 円 (JAXAで開 発 )。

アメリカがつ くったら、500億 円 くらい。

(メー カー が開 発 す るため)

2.「おおすみ 」

① 日本初の人工衛星「おおすみ」は、ラムダ

4S5号 機 にて1970年 2月 11日 打 ち上 げ 。

ソ連 ・アメリカ・フランスに次 い で 4番 目 。

直 ちに 、200 3年 の 落 下 までアメリカが 追

跡 。「凄 い です ね ー 、アメリカの 国 力 は 」

と説 明 の先 生 。・・・確 かに。

② 「お お す み 」のキックロケットは 燃 焼 実 験

に 使 用 した実 物 。その 他 は 1/ 2の 模 型 。

手 前 (球 )が キック用 ロケット。奥 が 、衛 星 本 体

3.気 球 について

① 2013年 9月 20日 大 樹 町 から打 ち上 げ られ

た。51.7kmに達 し、51.0kmの自 らの記

録 を更 新 した。

② このフィルムは 0.0028mmで世 界 一 。

2番 目 では ダメである。0.0 0 2 5mmのフィ

ルムが開発されて、記録は更新される予定。

説 明 用 ポスターとフイル ムを持 って解 説

4.ペンシル ロケット

① 有 名 な「ペ ンシル ロケット」の実 験 に使 っ

た実 物 を見 学 。ペ ンほどでは ないが、確

か に 小 さい 。これ を横 向 きに 発 射 し、基

礎 実 験 を行 った。

5.屋 外 展 示 場

① M - 3SⅡ 原 寸 模 型 全 長 27.8m。

S60年 試 験 探 査 衛 星 「さきがけ」

(138kg)を太 陽 周 回 軌 道 に投 入 。

② M - Ⅴ (ミユー ファイブ)ロケット。

世 界 最 大 の固 体 燃 料 ロケット。

全 長 30.7m

運 用 を終 了 し、次 期 ロケットを開 発 中 。

打 ち上 げ能 力 1.8トン。

2003年 5月 7日 「は や ぶ さ」(510kg)を

打 ち上 げた。

本 ページ左 上 の 写 真 を反 対 側 か ら見 たところ

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6.その 他

① ロケット保 護 用 アル ミ箔 は 、脱 着 が

容 易 なマジックテー プで固 定 。

② 食 堂 11:30~ 13;30

安 くて美 味 しい。喫 茶 13:30~ 16:00

大 盛 りカレー 390円 を食 べ ました

③ 淵 野 辺 駅 に あ る 案 内 図 で す 。

2014年 北 海 道 星ウオッチング発表 会

柴田健一

標 記 集 会は 、2014年( 平 成 26年)3月 21日( 金) 午 後 0時 40分 ~午 後 5時 30分 ま で、

札 幌 市 中 央 区 大 通 り 西 19丁 目 札 幌 市 社 会 福 祉 総 合 セ ン タ ー 4階 視 聴 覚 兼 会 議 室 で

開 催 さ れ 、 24名 が 参加 し て 盛会 で し た 。

懇 親 会 も 19名 。 深 夜の 二 次 会は 17名 が 、す し づ め で状 態 で 発 表を 継 続 しま し た 。

参 加 者 に 感 想 を い た だ い た と こ ろ 、「 幅 が 広 い ・ バ ラ イ テ ィ ー 豊 か ・ 親 し み が あ る テ

ー マ ・ 様 々な 方 面 ・北 海 道 の熱 気 」 な どの お 言 葉 をい た だ き まし た 。

初 め て 会 った 人 が 直ぐ に F Bで 友 達 に なる な ど 、 交流 も 盛 ん でし た 。

発 表 の 内 容は 以 下 のと お り です 。

No. 発 表 テ ー マ 氏 名

1 私 の 天 文普 及 活 動 安 味 春 幸

2 「 ム ー ンラ イ ト ウ オッ チ ン グ」 の 変 遷 中 山 正

3 大 雪 山 にお け る 天 文普 及 活 動の 試 み 菅 原 章 介

4 深 遠 な 世界 を 見 た くて 工 藤 高 広

5 ガ リ レ オ衛 星 の 観 望 平 井 諭

6 「 NAOKO☆ア サ ガ オ 」栽 培 の 感想 柴 田 健 一

7 15c m 反射 望 遠 鏡 の製 作 廣 鰭 力

8 短 時 間 露出 多 数 枚 合成 の ス スメ 中 島 克 仁

9 天 体 写 真趣 味 を 始 めて 、 最 初の 1年を 振 り 返 って 藤 谷 直 樹

1 0 光 害 地 にあ る ベ ラ ンダ 観 測 所 中 原 邦 久

1 1 新 望 遠 鏡の 導 入 に つい て 藤 井 哲 也

1 2 微 光 流 星の 活 発 な 出現 の 報 告 殿 村 泰 弘

1 3 ニ ュ ー ジー ラ ン ド 撮影 旅 行 記 生 田 盛

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なお、春木さんが悪天候で参加できなかったため、発表原稿を16ページに掲載しました。

来 年 は 、 3月 28日 ( 土)、 札幌 天 文 同 好会 が 母 体 とな り 開 催い た し ます 。

発 表 会 終 了 直 後 の集 合 写 真

写 真の 21人 中 、12人 が 札 幌 天文 同 好 会 の 会 員

柴 田 実 行 委 員 長 挨拶 人 気 の あった黒 岳 山 小 屋で見 る星 空 の 菅 原 さん 発 表 する平 井 さん

15cm反 射 望遠 鏡 の 製 作 を発 表 する廣 鰭 さん(10ページ参 照)ひろは た

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すしづめで続 行 した深 夜 の 二次 会

前回編集後記からの引用、『年末に向けて、アイソン彗星が明るくな

ることが期待されています。今回の、ウエルカムキャンプもそうでした

が、アイソン彗星についてもキャンプを計画し、独断で陸別天文台のコ

テージを確保しました。定員は一〇人ですが、寝具を持参すれば十五人

位までは大丈夫です。現在のところ四名の参加の希望(予定)がありま

す。観望は、十二月八日(日)の早朝になります。前日、早めに到着し

て、食事を済ませて休む予定です。大宴会を開けないのが、ちょっと

残念です。』

長々と引用しましたが、それくらい張り切っていたの

ですが、当初予想されたより明るくならず、悪い情報ばかりでした。

それでも、「太陽にに近づけば大彗星に!」は、儚く消えました。

アイソン彗星が大彗星になっていれば、この会報はもっと早く発行

できたかも知れません。

一方で、当会は会員が増加し、新しいニーズが高まっているよう

です。このようなことにも的確に対処して行かなければ、創立六十

周年を迎えることはできないと考えています。伝統を守りながら常

に新しい体制で臨むことが当会の発展と会員の天文ライフの充実に

繋がるのではないでしょうか。これまで、十八時から始まる例会は

三十分以上遅れて開かれています。これは過去から幾度も早く集ま

るように決めても早まることはないのです。しかし、会場は十七時

から使用できるので可能な会員はこの時間を利用し、会の活動につ

いて意見交換をすることにしました。また、例会の司会担当を平井

さんにお願いし、新しい雰囲気で例会を進めていくことになりまし

た。見学者や新会員が安心して参加できる例会になると良いと考え

ています。

さらに、最近はホームページからの問い合わせが増加しています。

新聞や放送の取材はある程度公共的な観点からの記事になり、当会

にとっても宣伝効果があり、適宜対応していますが、それ以外の営

業活動に対し如何に対応するか?会のあり方についてこれからも模

索していかなければならないでしょう。

発行:2014(平成26)年 6月1日 札幌天文同好会 Sapporo A stronom y C lub

事務局:〒007-0845 札幌市東区北45条東9丁目2-33

中山 正

会報編集 柴田健一 / 印刷:生田 盛 / 印刷部数:30

http://

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