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群馬県立自然史博物館研究報告 19): Bull.Gunma Mus.Natu.Hist. 19): 63 67, 2015 63 67, 2015 受付:20141225, 受理:201536短 報 群馬サファリパークで産出したサメ類の歯化石 On a shark tooth remain, collected in the Gunma Safari Park, Tomioka City, Gunma Prefecture, central Japan. TAKAKUWA Yuji Gunma Museum of Natural History: 1674-1, Kamikuroiwa, Tomioka, Gunma 370-2345, Japan ([email protected]) Abstract: A new fossil record of shark tooth in Gunma Prefecture was found from an outcrop in the Gunma Safari Park, Tomioka City, Gunma Prefecture. The specimen (GSP-00001) is derived from the late Early Miocene Obata Formation, Tomioka Group. The specimen is only the coronal part of the crown, though the apex is lost. The crown is large and robust. Its shape is almost triangular. The preserved cutting edge is all serrated. The mesial and distal edge show slightly expansion to outside in lingual (or labial) view. And the labial surface of the crown is slightly curved opposite to lingual side. Distal prole slightly shows sigmoid curve in labial view. These characteristics of the specimen and comparison with the natural tooth set of C. megalodon from Saitama (Kawamoto specimen) suggest that the specimen found at the Gunma Safari Park is a lower third or fourth tooth of fossil megatooth shark, Carcharodon megalodon. This specimen is recognized as the rst specimen of the species from the Obata Formation, and marks the oldest record of the species in Gunma Prefecture. Key Words: Gunma Safari Park, shark, fossil, Tomioka Group, Obata Formation, Miocene, Tomioka City, Gunma Prefecture 髙桒祐司 群馬県立自然史博物館: 370-2345 群馬県富岡市上黒岩1674-1 [email protected]キーワード:群馬サファリパーク,サメ,化石,富岡層群,小幡層,中新世,富岡市,群馬県 はじめに 群馬県富岡市南東部の丘陵地に 1979 5 月にオープン した群馬サファリパークは,東日本初の本格的サファリ パークである.同パークの一部では,造園工事の際に土壌 の下から露出した地層をそのまま展示用の崖の造作として 使用することで,天然の断崖の雰囲気を醸し出す効果的な 工夫がなされている. 今回,群馬サファリパークからの情報提供により,この 地層からサメ類化石の産出が確認され,当該標本観察の機 会を得たので,本報告では標本を記載し,その意義につい て述べる. 標本産地の地質 化石は,群馬サファリパーク内の北側に位置するアフリ カゾーンと南側のアメリカゾーンの境界部として構築され ている人工崖の周辺で産出した.この崖は,同パークの造 園工事の際に土壌の下から露出した地層をそのまま展示用 造作として転用した人工的な露頭である.ここに見られる 地層は,砂岩優勢の砂岩・シルト岩互層と厚い粗粒砂岩か らなり,ほぼ東西方向の走向を持ち,北に 50°程度の角度 で傾斜している.この露頭の位置を地形図上で読み取り, 高橋・林(2004)の地質図と比較すると,これらの地層は 富岡層群小幡層の一部であり,中でも同層下部に相当し, かつ森凝灰岩よりも下位の層準にあたると推定される.上 述の岩相も,小幡層下部の岩相記載と概ね一致している. 同パークの川上茂久園長によると,化石はこの露頭から 直接産出したものではなく,露頭の下に化石だけの状態で 落ちていたとのことである.しかしながら,これらのゾー ンでは草食獣が常時放し飼いにされていて,飼育スタッフ を除いて一般は立ち入ることができない場所で,外部から 化石が持ち込まれた可能性は極めて低いと考えられること から,化石はこの露頭から産出したものであると判断した. 小幡層は層厚 1400m を有し,下位の牛伏層に整合で重 63

On a shark tooth remain, collected in the Gunma …profile slightly shows sigmoid curve in labial view. These characteristics of the specimen and comparison with the natural tooth

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Page 1: On a shark tooth remain, collected in the Gunma …profile slightly shows sigmoid curve in labial view. These characteristics of the specimen and comparison with the natural tooth

群馬県立自然史博物館研究報告(19):Bull.Gunma Mus.Natu.Hist.(19):

63-67,201563-67,2015

受付:2014年12月25日, 受理:2015年3月6日

短 報

群馬サファリパークで産出したサメ類の歯化石

On a shark tooth remain, collected in the Gunma Safari Park, Tomioka City, Gunma Prefecture, central Japan.

TAKAKUWA YujiGunma Museum of Natural History: 1674-1, Kamikuroiwa, Tomioka, Gunma 370-2345, Japan

([email protected])

Abstract: A new fossil record of shark tooth in Gunma Prefecture was found from an outcrop in the Gunma Safari Park, Tomioka City, Gunma Prefecture. The specimen (GSP-00001) is derived from the late Early Miocene Obata Formation, Tomioka Group. The specimen is only the coronal part of the crown, though the apex is lost. The crown is large and robust. Its shape is almost triangular. The preserved cutting edge is all serrated. The mesial and distal edge show slightly expansion to outside in lingual (or labial) view. And the labial surface of the crown is slightly curved opposite to lingual side. Distal profile slightly shows sigmoid curve in labial view.  These characteristics of the specimen and comparison with the natural tooth set of C. megalodon from Saitama (Kawamoto specimen) suggest that the specimen found at the Gunma Safari Park is a lower third or fourth tooth of fossil megatooth shark, Carcharodon megalodon. This specimen is recognized as the first specimen of the species from the Obata Formation, and marks the oldest record of the species in Gunma Prefecture.

Key Words: Gunma Safari Park, shark, fossil, Tomioka Group, Obata Formation, Miocene, Tomioka City, Gunma Prefecture

髙桒祐司

群馬県立自然史博物館: 〒370-2345 群馬県富岡市上黒岩1674-1

[email protected]

キーワード: 群馬サファリパーク,サメ,化石,富岡層群,小幡層,中新世,富岡市,群馬県

はじめに

群馬県富岡市南東部の丘陵地に 1979年 5月にオープン

した群馬サファリパークは,東日本初の本格的サファリ

パークである.同パークの一部では,造園工事の際に土壌

の下から露出した地層をそのまま展示用の崖の造作として

使用することで,天然の断崖の雰囲気を醸し出す効果的な

工夫がなされている.

今回,群馬サファリパークからの情報提供により,この

地層からサメ類化石の産出が確認され,当該標本観察の機

会を得たので,本報告では標本を記載し,その意義につい

て述べる.

標本産地の地質

化石は,群馬サファリパーク内の北側に位置するアフリ

カゾーンと南側のアメリカゾーンの境界部として構築され

ている人工崖の周辺で産出した.この崖は,同パークの造

園工事の際に土壌の下から露出した地層をそのまま展示用

造作として転用した人工的な露頭である.ここに見られる

地層は,砂岩優勢の砂岩・シルト岩互層と厚い粗粒砂岩か

らなり,ほぼ東西方向の走向を持ち,北に 50°程度の角度

で傾斜している.この露頭の位置を地形図上で読み取り,

高橋・林(2004)の地質図と比較すると,これらの地層は

富岡層群小幡層の一部であり,中でも同層下部に相当し,

かつ森凝灰岩よりも下位の層準にあたると推定される.上

述の岩相も,小幡層下部の岩相記載と概ね一致している.

同パークの川上茂久園長によると,化石はこの露頭から

直接産出したものではなく,露頭の下に化石だけの状態で

落ちていたとのことである.しかしながら,これらのゾー

ンでは草食獣が常時放し飼いにされていて,飼育スタッフ

を除いて一般は立ち入ることができない場所で,外部から

化石が持ち込まれた可能性は極めて低いと考えられること

から,化石はこの露頭から産出したものであると判断した.

小幡層は層厚 1400mを有し,下位の牛伏層に整合で重

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髙桒祐司

なり,上位の原田篠層とも整合の関係にある.ただし,富

岡地域の南西端では牛伏層を欠いて,小幡層が先中新統基

盤にアバットしている(高橋・林,2004).化石の産地で

も観察される砂岩・シルト岩互層はタービダイトであると

解釈されている.同層の堆積は当初海底扇状地であったと

考えられるが,上位になるほど挟在する砂岩の割合が減少

することから,後にさらに沖合の堆積盆底へと堆積場が深

海化したと推定されている(高橋,2008).小幡層の年代

は,同層最下部から浮遊性有孔虫化石帯(Blow, 1969)の N.8

帯下限を規定する Praeorbulina sicanaの初産出が確認され

ており,それよりわずかに上位の同層下部からは P. curva

(16.3Ma)の初産出が知られている.これらの初産出のう

ち,P. sicanaの初産出は,下位の牛伏層から浮遊性有孔虫

が産出しないことによる見かけの初産出であると考えられ

るため,小幡層最下部の年代は N.8帯の下限年代(16.4Ma;

Berggren et al., 1995)より若いと考えられる(高橋・林 ,

2004).一方,小幡層上部(大石・高橋,1990の井戸沢層)

からは P. glomerosaの初産出(16.1Ma)が知られている.

こうした化石記録に基づく浮遊性有孔虫生層序のほか,珪

藻化石と石灰質ナンノ化石の生層序,ならびに絶対年代に

基づく複合年代層序(高橋・林,2004)から判断すると,

サメ類化石の年代は,概ね 16.3Maの前期中新世後半であ

ると推定され,この年代は「中新世熱帯海中気候事件」の

時期に相当する.

小幡層産化石に関する報告は少ないが,「中新世熱帯海

中気候事件」の温暖な海洋環境であったことを示すネフロ

レピディナ属,ミオギプシナ属,オパキュリナ属などの

大型有孔虫(松丸,1977ほか)をはじめ,小幡層が基本

的に深海であったことを示す介形虫などの微化石も報告さ

れている(田中ほか,2013;Tanaka and Hasegawa,2013).

大型化石としては,貝類(星野,1952;Matsumaru, 1967;

平山,1981),硬骨魚類のキグチ属(昆,2000),深海性サ

メ類(髙桒ほか,2001;髙桒,2007;髙桒・鈴木,2009),

ハクジラ類の交連骨格(長谷川ほか,2005)などが知られ

ている.

化石の記載

標本の記載にあたり , 高次分類については Cappetta

(2012)に,科以下の分類については Applegate and Espinosa-

Arrubarrena(1996),Gottfried et al.(1996),Purdy(1996)

に従った.また板鰓類の歯の形態に関する用語は矢部・後

藤(1999)に従い,歯の計測部位は , 上野ほか(1989)を

参考として , 市販のデジタルノギスで計測した .

SYSTEMATIC PALEONTOLOGY

軟骨魚綱 Class Chondrichthyes Huxley, 1880

板鰓亜綱 Subclass Elasmobranchii Bonaparte, 1838

ネズミザメ上目 Superorder Galeomorphii Compagno, 1973

ネズミザメ目 Order Lamniformes Berg, 1958

ネズミザメ科 Famly Lamnidae Müller et Henle, 1838

ホホジロザメ属 Genus Carcharodon Müller et Henle, 1838

Carcharodon megalodon Agassiz, 1843

(Figs. 2 and 3)

Fig. 1. Locality map of the specimen (Gunma Safari Park specimen; GSP-00001).

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群馬サファリパークで産出したサメ類の歯化石

資料番号:群馬サファリパーク(Gunma Safari Park)

    所蔵標本 GSP-00001

産出地点:群馬県富岡市岡本 1,

    群馬サファリパーク内の露頭

産 出 層:富岡層群,小幡層下部

    (Lower part of the Obata Formation, Tomioka Group)

年  代:新第三紀,前期中新世の後半

    (Neogene, late Early Miocene; 16.3Ma)

記  載:歯冠冠側の大部分からなる標本で,歯根は残っ

ていない.歯冠の中央部で大きく,厚い.咬頭尖ならびに

近心側・遠心側部分は破損しているものの,歯冠は三角形

であったと推測される.残存する近心と遠心の切縁には細

かい鋸歯が形成され,10mmあたりの鋸歯数は 12である.

また舌側面観では,歯冠はわずかに遠心側へ傾き,近・遠

心縁共に外側にわずかに膨らむ.歯冠唇側面は唇側に向

かってわずかに反る.遠心縁を唇側面から見ると,S字状

のカーブを描く.歯冠の破断面は比較的新しい.

計 測 値:標本最大保存高 53.38mm,同最大保存幅(近

遠心幅)32.20mm,同最大保存厚(唇舌径)16.57mm,歯

冠舌側面最大保存高(歯冠の冠側端から歯冠舌側面の根側

で最も残存している箇所の間の高さ)24.76mm+,歯冠唇

側面最大保存高(歯冠の冠側端から歯冠唇側面の根側で最

も残存している箇所の間の高さ)25.81mm+,近心縁と遠

心縁のなす角度 62°.

同  定:切縁に細かい鋸歯を伴う大型で厚い歯冠を有す

る特徴から,群馬サファリパーク産標本(以下,群馬サファ

リ産標本)はネズミザメ科の Carcharodon megalodonに同

定される.産出年代も前期中新世であることから本種の既

知の化石記録と整合する.ここで,埼玉県から産出した歯

群化石(川本標本)の各歯の形態(上野ほか,1989)と群

馬サファリ産標本の形態(特に大きさ,ならびに近心縁と

遠心縁のなす角度)を比較すると,群馬サファリ産標本の

大きさと厚みは,川本標本の右下顎の第 2歯とほぼ一致す

る.しかしながら,川本標本の右下顎第 2歯と比べ,群馬

サファリ産標本の方が歯冠の遠心側への傾きがわずかに大

きい.このことから,群馬サファリ産標本は右下顎でも第

3もしくは第 4歯であると同定した.破断面が新鮮に見え

ることから,この破断面は地層表面に露出後に形成された

ものであると推定される.

なお本種の分類については , ネズミザメ目の中でも絶滅

したオトドゥス科のカルカロクレス属(Carcharocles; 例

えば Cappetta, 1987; Kent, 1994),あるいは同科のオトドゥ

ス属メガセラクス亜属(Otodus (Megaselachus); 例えば

Cappetta, 2012)に含める見解もあるが,本報告ではネズ

ミザメ科のホホジロザメ属(Carcharodon)に含める見解

(例えば Applegate and Espinosa-Arrubarrena, 1996; Gottfried

et al., 1996; Purdy, 1996など)に従った .

群馬サファリパーク産標本の意義

髙桒(2005)は,群馬県南西部に分布する海成中新統か

ら産出する本種の標本とその産出層準を整理し,高橋・林

(2004)の層序で富岡層群の最上部層となる原田篠層(中

期中新世の前半)から庭谷不整合を挟んでその上位にあた

る安中層群庭谷層,原市層を経て板鼻層の下部までを安中

-富岡地域における C.megalodonの産出レンジとした.今

回新たに群馬サファリパーク内に分布する小幡層の露頭か

ら産出が確認されたが,これは小幡層からの本種の初記録

であり,富岡地域における本種の産出レンジが富岡層群の

小幡層の下部(前期中新世の後半)まで下がる(古くなる)

Fig.2. Gunma Safari Park specimen (GSP-00001), Carcharodon megalodon; Lower Right third or fourth tooth; A: lingual view; B: distal view; C: labial view; and D: mesial view. Scale bar indicates 10mm.

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髙桒祐司

ことを示唆する.国内における小幡層とほぼ同年代の本種

の標本としては,関東地域では茨城県北茨城市から歯群が

確認されている(国府田ほか,2007).

小幡層から産出する板鰓類化石群は,深海性サメ類 8

種が図示を伴って報告されたのが初であった(髙桒ほ

か,2001;髙桒,2007;髙桒・鈴木,2009).これに対

し,浅海性(ないしは表層性)のサメ類については,シ

ロワニ科の Carcharias cuspidata,ならびにネズミザメ科の

“Isurus” hastalisが報告されたことがある(星野,1952;

Matsumaru, 1967).しかしながら,どちらも論文に図示を

伴っておらず,さらに証拠標本の存在が確認できず,再検

討できない状況であることから,本報告が小幡層産の板鰓

類化石群に関する図示を伴う二例目の報告となる.ところ

が,近年になって富岡市に隣接する下仁田ジオパークが実

施する普及活動を通じて,富岡市南西部の小幡層分布地か

ら新たにシロワニ科サメ類が確認され(下仁田町自然史館,

関谷友彦氏からの私信),また同一地点で実施された自然

史博物館の高校生学芸員の調査活動でもネズミザメ科サメ

類が改めて確認された(植原・髙桒,未公表資料).小幡

層の板鰓類化石群の解明ならびに北西太平洋域における中

新世以降の板鰓類相の変遷に関する理解をさらに深めるた

めにも,今後これらの 2種についても検討を進めたい.

謝辞

本報告の執筆にあたり,標本所蔵機関である群馬サファ

リパーク園長の川上茂久博士には,標本の観察と公表につ

いて快く了承して頂いた.下仁田自然史館の関谷友彦氏,

ならびに群馬県立自然史博物館の 2011年度高校生学芸員

参加者である,植原美友希,吉沢真里奈の両氏には小幡層

産化石の調査にあたって御協力いただいた.また,後藤仁

敏博士による査読により,本稿は改善された.ここに記し

て厚く御礼申し上げる.

引用文献

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Fig. 4. Stratigraphical range of Carcharodon megalodon in the Miocene Tomioka and Annnaka Groups. Stratigraphical data; after Takahashi and Hayashi (2004).

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群馬サファリパークで産出したサメ類の歯化石

Gustav Fischer Verlag, Stuttgart – New York, 193pp.Cappetta , H.(2012): Handbook of Paleoichthyology, Vol. 3E:

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