146
Title 溶融鉄合金による固体酸化物の濡れ性と溶鋼の脱酸過 程の界面化学的研究 Author(s) 野城, 清 Citation Issue Date Text Version ETD URL http://hdl.handle.net/11094/946 DOI rights Note Osaka University Knowledge Archive : OUKA Osaka University Knowledge Archive : OUKA https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/ Osaka University

Osaka University Knowledge Archive : OUKA...ても製鋼プロセスにおける脱酸現象、複合桐料の開発、研琴等にも濡れの現象は 密接卒開係を締ラている。

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Title 溶融鉄合金による固体酸化物の濡れ性と溶鋼の脱酸過程の界面化学的研究

Author(s) 野城, 清

Citation

Issue Date

Text Version ETD

URL http://hdl.handle.net/11094/946

DOI

rights

Note

Osaka University Knowledge Archive : OUKAOsaka University Knowledge Archive : OUKA

https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/

Osaka University

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溶融鉄合金による固体酸化物の濡れ性

と溶鋼の脱酸過程の界面化学的研究

昭和58年

野 城 清

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目次

第工童

1一ユ

正一2

ユー3

正一4

序論

緒言

”濡れ}の一般自勺概念

濡れの測定原理

従来の研究の機要

文献

1

4

6

i0

第2童 溶融縄金属による固体酸fヒ物の濡れ牲

2-1 ・緒香

2-2 実験

2}2.一ユ …式料

一2-2-2 装置および方法

2-3 詰菓

2-3-1 溶融鈍全庸の密度

2-3-2 溶融純金属の表面張力

2-3-3 溶融純金属と固体酸化物との接触芦

2‘3-4 溶融純金属と固体酸化物との付香の仕事

字一4 考察

2‘4’1 溶融鈍金属の密度

2-4-2 溶融純金属の表面張力

2-4一一3 溶融鈍金属と固体酸化物との篶融角

2・4-4 溶融純金属と固体酸化物との付着の仕事

2-5 緒言

文献

ユ2

12

12

i2

13

14

15

17

ユ9

2ユ

23

23

24

25

27

30

3王

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第3童. 溶融純鉄による固体酸化物の濡れ性 33

3-1 幸老……’ 33

3-2 笑覧棄 34

3-2一試料 . 34 3-2-2 装置および方法 34

3-3 結集 35

3’3i1 溶融純鉄による固体酸化物の濡れ性におよぼす表面粗さの影響

35

3-3-2 溶融純姜実辛こよる固体酸化物の濡れ性におよぼす温度の影響

36

3-3-3 溶融純鉄と種々の固体酸化物との接触角 38

3-3-4 溶融鈍銭と種々の固体醸化物とめ付着の仕事 38

3-4 考察 39

3’4-1 溶融純套夫による固体酸化物の濡れ性におよぼす表面糧さの影響

39

3一一4-2 溶融鈍銭による固体酸イビ物の濡れ性におよぼす温度の影響

42

3-4-3 ;容融純毒美と種々の固体酸化物との子妻融.角 44

3-4-4 溶融純鉄と種々の固体醸化物との付着の仕望」 44

.3-5 緒言 47 支駄 48

第4童 溶融鉄合金による固体酸化物の濡れ性 50

4一王 裏書’言 50

4-2 実験 51⊃

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4-2-1

4-2-2

4-3 結果

4-3-1

4-3-2

4-3-3

4-4 考察

4-4一工

4-4-2

4・4-3

4-5 ‘上二竈口三

叉瓢

…式料 50

装置および方法 51

51

溶訣の表面張力におよぼすマンガン、シリコンの影響 51

溶訣と固体酸化物との接触角におよばすマンガン、シリコンの影響

53

溶姜芙と固体酸fヒ物との界面言由エネルギー、付蕃の仕事におよぼす

マンガン、シリコンの影響 53

57

溶鉄の表面張力におよぼすマンガン、シリコンの影響 57

溶銑と固体酸化物との接角宝角におよぼすマン赤ン、シリニ1ンの影響

60

溶銑と固体酸化物との界面自由エネルギー、付香の仕事におよぼす

マンガン、シリコンの影響 60

66

67

第5董 溶銭による固体酸化物の濡れ性におよぼすW-b旗元素の影響 68

5-1 幸書言 68

5-2 婁…秀美 68

5-2-1 …式料 68

5-2-2 装置および方法 一 69

5-3 嘉吉果 7ユ

5-3-1 溶鉄の表面需力におよぼす酸素、硫董、セレン、テルルの影響

7ユ

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5-3-2

5-3-3

5-3-4

5-4 考察

5-4-i

5-4-2

5-4-3

5-4-4

5-5 結奮

文献

溶銭の表面張力におよぼす酸素、硫董共喜の影響 72

溶銑と固体酸fヒ物との接触角におよぼす酸素、硫黄、セレン、テル

,レの最多響 73

溶…夫と固体酸化物との付香の仕事、界面目由エネルギーにおよぼす

酸素、硫黄、セレン、テルルの影響 75

77

溶鉄の表面張力におよぼすの影響 77

溶義夫の表面張力におよぼす酸素、硬黄共存の影響 80

溶銑と固体酬ヒ物との接触角におよぼすの影響 87

溶銑と固体酸化物との付香の仕事、界面自由エネルギーにおよぼす

酸素、硬費、セレン、テルルの影響 88

93

94

男6重 減圧下における溶融鉄合金による固体酸化物の濡れ姓

6一王 緒言

6-2 実験

6-2一王 …式宗斗

6・2-2 装置および方法

6-3 結果

6-3-1 高周波炉による測定

6-3-2 タ.ソマン炉による測定

6-4 考察

6-4-! 高清;漉炉による1則定

6-4-2 タンマン炉による測定

96

96

95

96

97

99

99

101

!04

104

105

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6-5 緒言

文献

旦12

114

票7童 溶鋼の月熊養過程における界面現象の投書11

7-1 鋳言

7-2 実験

7-2‘1 …式料

7-2-2 装置および方法

7-3 結果

7-4 考察

7-4-1 脱酸生成物の核生成

7-4-2 核の成長と凝裏

7-4-3 脱酸生成物の浮上

7-4-4 脱酸生成物の溶鋼からの分離

7-5 緒言

文献

115

王i5

王16

116

i16

118

i24

125

127

i30

133

王34

i35

男8章 総括 !3ら

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婁葦1葦姜 膚;ξ論

1-1 籍 言

冶金字の分野において溶融金属と固体酸化物との界面が関与する現象は数多く

喜在する。 たとえば複合材料の開発、金属と固体酸化物との接合、製鋼時の脱

酸現象などはいずれも溶融金属と固体酸化物との界面が重要な役割を演じている。

また溶融金属と固体酸化物とはそれぞれの錯合様式がまったく異なったもので

あり、これら界面の性質を把握することは界面化学的にも非常に興味がありまた

重要であると考えられる。しかしこの分野における研究で系統的に行なわれたも

のは著者の知る限りでは皆無である.これば1つには溶融金唐と固体酸化物との

界面性質を表わす尺度として考えられる接触角、付著の仕事、界面エネルギー等

には固体酸化物の表面性質あるいは溶融金属や固体酸化物中の不鈍物が著しい影

饗を与えることまた気相の酸素分圧によって接触角、付蟹の仕事、界面エネルギ

一等の濡れの藷童がおおきく副ヒすることによる測定の困難さ、さらにはこのよ

うな界面性質の測定の重要性の軽視などによるものと考えられる。

本石塀究においては溶鋼による圏体酸化物の濡れ牲におよぼす種々の因子だとえ

ば、固体酸化物の表面粗さ、組成、合金元素等について測定・検討を行なうとと

もに実際に溶鋼の脱酸を行ない脱酸過程における界面性質(濡れ性)の童霊性に

ついても検討を行なう。

1-2 ‘‘濡れ”の一般的概念

固体と液体とが接触すると濡れの現象が生ずる。我々はE喘生活においてもこ

の現象を身近に経験している。たとえば洗浄、染色、接着、印刷などの分野にお

いてはその基礎的な現象として童霊である。さらに冶金学、金属学の分野におい

ても製鋼プロセスにおける脱酸現象、複合桐料の開発、研琴等にも濡れの現象は

密接卒開係を締ラている。

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また固体と液体との相互作用の現象が濡れであり、このような分子間相互作用

を考えることは界面化学的にも興味のある藺題である。

一般に濡れはF i g.1・1に示すように3つの型に大別される〔ユ〕。

一男θ=09 spreoding wetHng

○く9ポ immerSiOnOl We川ng

幽 一 〇く180’odhesionol we川ng

Fig. 1 .1 3 Types of りett i ng

接書、印刷、水蒸気の結露などに関係する濡れが付蕃篇れである。 まだる紙

や窪誰などを液体が浸透していく時あるいは粉末などを液体申に浸漬したりする

晴の濤れは浸漬濡れであり、またハンダ付け、金属鏡台、塗装、:]一テ.{シダな

どの濡れは拡張濡れである。このような濡れの現象がみられる場合には系の冒由

エネルギーの減少フ)べ生ずる。いま濡れによる自由エネルギーの変化、W、を濡れ

の型によって単位面積当たりの付着をWad .拡張仕事をWsρ ,浸漬仕畢を

Wim とすると

Wad =1 γsv一プsL+・プLv (1・1)

Wsρ ニ プsv一γsL-7Lv (1・2)

Wim ≡ プ。。一プ。。 (1・一3)

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と書くことができる。ただしプ。V.γLV はそれぞれ固体および液体の表面富由

エネルギー、プSし は固体と液体との闇の界面自由エネルギーである。

一方、濡れの現象に関連する重要な量に接触角、∂、がある。たとえば

F iき.1・2の∂がそれで7sv,ブLv,ブsLと∂との闇にはyoun8-Duprの式

(工・4)が成りたつ。

γ帥雪γ。。十γLvcos6 (い4)

γLV

γSV γSL

Fi8.1・2 Sessi le DroP on So1三d P1ane

一般に固体の表面目白エネルギー、プ帥、の測定の精度は蓬く信頼性も高くな

い。従って式(!・4)を式(1・1)、(!・2)、 (1・3)に代入し、そ

れぞれの冒由エネルギー変化を液体の表面張力と液体と固体との芋葵触角で表わし

ている。・

Wad = プしv(1+cos3) (1・5)

Wsρ = ア}(cosθ一1) (1・6)

Wim = プしv cosθ (1・7)

本論文の対象となる濡れは空として付蕾濡れであり、本論文における濡れの尺

度としては付着の仕事の値を用いる。

3

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1-3 濡れの測定原理

1・2節でも述べたように、どのような型の濡れにおいても対象となる液体の

表面張力、液体と固体との接触角が得られてはじめて液体と固体面との親和力す

なわち付著の仕事ワド求められる。

表面張力の測定法は古くから数多く知られており代表白勺なものとしては次のよ

うな方法があげられる。

王.毛管法

2.懸漕法

3.責争溝,去

4、最大泡圧法

5、液溝;法

6、輪環法

一方、接触角の測定についても以下のものがあげられる。

工 1 青事’属,去

2.頓板、法

3.回転円筒法

4.毛育法

5.圧力変位法

6. 浸透速度ラ去

これらの測定法のうち高温の測定で一表面張力、緩触角を同時に精度よく求めら

れる方法は静矯法が唯一のものである。静漕法は水平な支持台上に静止している

液滴の形状から表面張力、接触角を求める方法でありその形状を連続自勺に測定す

ることにより表面張力、接触角の時間変fヒの測定も可能である。

固俸支持台上の液滴の形状は一般にF i言.1・3に示すようにZ肇自に対して

回覧対称形をなす。

4

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F(工。.乙)

フ/・1・φ

Fig. ユ・ 3 Sessile Droρon SoIid P!ane

F i g.1・3において任意の点(x,z)における全曲率半径をR(径親方

向)・およびX/Sinφ(早に支1して垂直な方向)とすると{u・n千一

L a p l a c eの式から式(王・8)が侮られる。

γ(1/R、・1/R、).一ρ… C (1一二ε)

ここでρ;液体の密度‘g/c吊)、g:重力加速度(980cm/sec「)

R・=R.R2=x/sinφであるから式(1・8)は式(王・9)に書き換

えることができる。

1/R+・iηφ/・:(ρ9・十C)/プ・.(い9)

溝の丁蔓点O,すはわちφ=0。(x:z;0).においては式(1・9)は式

(1エ・10)で表わされる。

2/〆=2/b (1二10)

ここでb:x=z=0における主曲率半径

式(1・10)を式(1・9)に代人すれば式(いユ1)が得られる。

1/R + sinφ/x = 2/b + ρgz/ア (1・1工)

Ba s h f o r t hとAd amsは1つの黒衣乖婁を導入することによって、一

式(1・工1)をさらに展開した.この無次元量は式(1・12)で表わされる。

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β = ρgb2/γ (1・12)

式(1・11)と式(1・12)から式(1・13)が得られる。

1/(R/b)十sinφ/(x/b)=2+β(z/b) (1・i3)

Ba s h f o r t hとAd ams〔2〕は数個言十真によって種々のβとφに対

する (x/b). (z/b)の値を表にした。本輪文では彼らの表を用いて液

体の表面張力および繧触角を算出した。また液体の密度についても彼らの表を用

いることによつて同時に求めた。

P h o t◎.1・1に固体酸化物板(アルミナ)上の溶誤漕の形状の一例を示

す。

Phot◎ 1 ・1 ShaPes of I ron DroPs on Sol id Oxi des

左の写真のような形状をとる場合には濡れない系、右の写真のような形状をと

る場合には漏れる系と呼ばれている。

1-4 従来の研究の概要

現在までに溶銑、溶銑合金と固体酸化物との接触角、付着の仕事などについて

多くの研究書によって報告されてきた〔3~24〕。

T a b l e l・工に現在までに報告されている溶銑と種々の固体酸化物との

付替の仕事を示す。

6

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Tab-e 一 ・1 Values of 凹。rk of^dhesion betHee一・l Ho-ten Ir◎n

and So-i d Ox i de

0xide Wadi飢8/叫

肘m◎SPhere Ref.

^1203 696 亘2 ・3

540 He 3

1290 O.5at掘.He 4

。225 He 4

485 Ar 4

660 He 5

150 H2..Ar 6

380 Ar 7

670 He 8

M80 460 He 3

780 .5T・IO㎜H8 9

Zr02 890 H2 3

1020 亘e 3

Th02 ・900 H2 3

1080 He 3

3eO 190一 H2 3

505 He 3

805 H2 10

Ti02 900 H2 3

700 He 3

Si02 1480 亘e 8

7

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Ta b l e 1・1からわかるように同一の系においても測定者が異なれば付

言の仕事の値にいちじるしい相違がみられる。この原因としては溶銑申の表面活

性元素、特に酸素や碕董、の影響、雰囲気中の酸素分圧の影響、固体酸化物の表

面の清浄あるいは純度の影響などが考えられる。このうちで溶銑中の酸素が接触

角、付香の仕事におよぼす影響についてはP o p e lら〔11〕による溶銑/ア

ルミナ系の測定、およびM i k i a s c h i bリiら〔12〕による溶融縄妻夫

、溶…夫(0,023%O)/アルミナ、シリカ系の測定があるが、いずれの測定に

おいても溶銑中のOはその表面張.力を洞:少させるのみではなく溶銑/固体酸化物

閤の接触角、界面張力をも減少さ甘ると報告されている。

またT a b l e1・2に示すように溶銑とアルミナとの接融角についても多く

の研究者によって報告されているがその差異は大きい。

Tab1e 1・2 Contact An8正e of H〇三ten 工ron on Alumiηa

Te㎜pera.ture(oC) Atm. Co口tact Ref.

Ang1e(.)

Va.c. 141

1550 H王 124.4 3

He !28 7

1550 He 128 15

1550 Ar 141 13

1600 He 130 14

1600 He 132 15

1550 Ar 118 !6

溶…夫/アルミナ系以外では溶義夫とペリリァ、ライム、マグネシア、ジルコニア、

クロフイトとの接触角の報告がある〔!7~土9〕。

一方、溶融鈍決と2元系酬ヒ物との接触角あ測定は前述の測定の他に

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E r e m e n k◎ら〔20〕、新谷ら〔21〕による溶銑とアルミナークロマイ

ト系との接触角の測定がある。

また溶融鉄合金による固体酬ヒ物の濡れ性についてはK1n g e r y〔4〕に

よる溶融F e-S i合金とアルミナとの接触角の測定、戸i l i p p o vら

〔22〕による溶融F e-C合金とジルコニア、ベリリア、アルミナとの接触角

の測定、P o p e!ら〔11〕による溶融戸e一(C,S i.Mn,N i)合金

とアルミナとの濡れ性の測定がある。

以上の測定以外にもE f i m◎vら〔23〕による溶銑とアルミナ、シリカと

の濡れ性の測定などがあるが溶鉄あるいは溶銑合金による国体酸化物の濡れ性の

研究のうちで濡れ性と凝国後の試料の界面状況の観察とを関連づけた報告はわず

かにA r職s t r o n3ら〔24〕による溶銑とマグネシアとの測定以外には2

3の報告がみられるのみである。

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1)

2)

3)

4)

5)

6)

7)

8)

9)

10)

11)

12)

13)

14)

15)

16)

17)

第1童の文献

たとえば佐々木 恒孝 他:I’表面工学講座 3 界面現象の基礎”、 (工9

τ3)観念書店p.204

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10

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P.14

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24) 一 同.^rmstI・on8 ミ…■ D,J P◎se ’Trans.Het Soc.^I同正三,227 (王9直3) ρ.1109

11

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第2童 溶融純金.属による固体酸化.物 の濡れ性

2-1 竈 言

現在までに溶融金篤による固体酸fヒ物の濡れ性の研究は多くの研究者によって

なされてきたが測定条件が異なるために単純にこれらの測定幅を比較することは

できず、また測定費俸に問題を含んでいる報告もみられる.したがって溶融金属

による圏外醒fヒ物の濡れ性を界面fヒ学的に検討するためには系統自勺な精度のよい

郵究が必要である。

本量での研究においては溶融純金属としてP b,S n,Ag.Au,Cu、固

体酸化物としてアルミナ、マグネシア、ライム、シリカ、ジルコニアを用い、喜

金属の融点近債から国体酸化物との反応が生じないと思われる温度範圏で測定を

行なった。

得られた詰桑より罵れ性と固体酸化物の生成日亀エネルギー翼{ヒとの鰐廉につ

いて看察を行なった。

2-2 婁 購

2一:≡1一三 試 料

玉童における研究に用いた金属…式料のうちAざ.Aじについては、99.99%

のもの雇用い、S nについては…式料中の不鈍物重がP b〈0,01完,

Cu<0.G05%.Feく0,005%、Sb〈0.01%.B〈0.0003%,

Asく0.00王%のものを用いた。Cuについては電解錫を星鉛ルツボ中で真空

駕したものを用いた。一方、固体酸化物…式料の不純物については

Taら呈e2.1にまとめて示す。各々の固俸酸化物…京料は表面を入念に研磨後

測定.に供した。

工2

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Table 2・・ユ ComPositi◎η cf SQl id Oxide

(ωt%)

MgO S102 BeO他◎ 98.93 Si02 9ヨ.98 BeO 98.5CaO O.25 A1203 口.008 SiO 2 0.5戸e.O ’■

3 O.12 戸e203 口.O05 阯2◎3 0.5

阯203 O.21 K20 0.001 他O 0.3

Si02 O.18

Zr02 A1203Zr0 宝

ヨ4.口 ^1.03 98.8CaO 4.O SiO 2 O.3SiO 2 O.8 戸e20。 O.8

2-2-2 装置および方法

本量における測定に用い北炉はF i g.2・工に示すようなM◎円筒(38φ,

120名)を発熱体とし溶融金属漕の形状撮影のための霞察窓を有している。炉

の熱効率向上のために発熱体の外部にはMoのシールドおよびアルミナ製の円筒

を竈き、発熱体の上部にもM oの円板を設置した。固体酸化物板はアルミナ製の

支持台によラて炉の均熱部に保持される。温度の測定は固体酸{ヒ物板直下のW・

5R e/W一・26R e熱電対によって行なう。一方、金属試料は測定温度に到達

前に固怯酸化物板と接融し反応することを避けるために、F i g.2・1に示す

滴下装寧に装入し炉の芦温部に俣特する。

測定はまずあらかじめ表面を研磨した固体酸化物板をアルミナ支持台上にセッ

トし水準器によって娠の水平を調整する。金属…式料は滴下装置に装人後炉の上部

にセットする。づいて炉内を排気し10一㎜H9.以下に到達したことを確認後浄

fヒしたH。ガスを導入する。H。ガス導人後約1時闇経過してから昇温を開始す

る。所定温魔に到達後滴下箏言を固体酸fヒ物板直上まで降ろし約5分藺保持する。

13

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金属漕を滴下後所定の時間間隔で滴の形状を爆影する。撮影後フィルム上の清の

形状を万能投影機で1/1000㎜の謂廣で読み取り、B a s h f o r t h と

Ad ams〔1〕の表と式から表面張力、接触角の値を求める。なお表面張力の

算出の際に必要な試料の密度の幅は測定嘉冬了後の…式料の重量とフィルム上の滴の

捧橿とから求めた。

「坦

I

9 !

.一 烽h‘ ’ 1。.… …・.’

o

1

7\瞳 呈

1’

3

:I

≡.=’. I一七≡

1

坦5

6’

F…宮. 2・1 ^PParatus for Heasurement

1)同etalDroPPi㎎^ssembly2)AluminaRadiati㎝Sh1e1d

3)囚indow4)Leveller5)εlectr◎de6)ThermocouPle

7) Oxi d‘… Plate 8) Ho Heater 9) 同。 Rad i at ion Sh i e…d

2-3 ■士 国ヨ茜ロ フ【

14

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2-3一王

F i9

溶融Au,

溶融純金属の密度

2・2~F i g.2・6にそれぞれ溶融Pb.溶融Sn.

溶融Cuの密度の測定結果を従来の結集とともに示す。

ε108 o

目110.6

10.4

=ω1O.2

o

1〕

(2

1,

o

l。

o o

l l.^o Al,Oコ

・MヨO

・SiO,

,m.p、(3270C)

3〕

o

400 500 600 700

TemPerature(℃)

円g.2・2 口ensity◎fHo1tenPure Lead

1)Klrshenba㎜eta1〔2〕2)Thresheta1〔3〕

7.b

ベ ミ

U

、6.6

ωζ①

Q

6,2

一{”203 →』z・o~ 一』”90

200

Fig..2・3

溶融Ag.

3)Preseηtl“ork

。400 600 600 ∫OOO ∫200 μ00

刀帥ρ師チ〃eいCl

Density of 同。iten Pure Tin

1) GebhaFdt et aI 〔 4〕 2) Frohber客 et a1

3)SerPan.et引〔・S〕 4)Prese植~◎rk

∫600

〔5〕

15

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h一 ∈

U

b

ω に ΦQ

9.4

9.O

θ.6

900

Fi9.2・4

イドs~02

一ト カ宅一^一”gO

_』Ca0

1)

3)

\^

.\\ 〃OO ’300 ’500

刀e”ρerafore【oC,

Densityof同。i辛enPureSilveF

Lucasetal〔8〕 2)Hatsuyameta1〔10〕

K i rschenbau㎜ et a I 〔 9〕 4) Present Work

18り∈

\一

o

一75

1則

165

1\1耐ρ・(i063’c〕

戸iS.2・5

11C0

1)

o AllO.

a MgO

。(1)

{2) k 1200 1300 14C0 1…C0

1= o n、 日 ∈ r 3 ミ u 1 ∈ (℃)

Dens i ty oデ 同。-ten Pure Gol d

Geb卜ardt et a一 〔王1〕 2 ) Preseηt 冒。rk

∂.2

り一 ε

Uθ.0

3ミ7ε

1く.、

Q7.6

74∫OOO

〔9.2・6

1)

3)

’200 ∫400 ’600

陀仰ρe r∂オαre{ 。C ,

Deηsity of 同。lten Pure CoPPer

Eレ回ehairy112〕 2)細胴ietal〔ユ3〕

Ki rschenbaum et a! 〔 2〕 4 ) Prese11t り。rk

16

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本量における実験で得られた密度の測定値には若干のばらつきがみられるが測

定誤差を考慮すれぱいずれの金属についても密度の値は温度の上鼻とともに直

線 自勺に減少しているといえる。そこで最小二乗法によって測定結果を処理し、

以下に示すような密度と温度との関係が得られた。

_3 ρP』 昌 10.92-1.88×10 〔t(℃)一327〕 (g/c粛)

(2・1)

一年 ρs。 = 6.99-4.57x10 〔t(℃)一232〕 (g/c粛)

(2・2)

一合 亭A9 昌 9,3 1-7.80x10 〔t (℃) 一960〕 (g/cホ)

(2・3)

’; 一 ρ札1 = 17.52-2.49×10 〔t (℃)一1063〕 (g/c需)

(2・4)

一千 ρcu = 8・05-1.14x10 〔t (℃) 一1083〕 (g/c后)

(2・5)

2-3-2 溶融純金属の表面張力

式(2・1)~式(2・5)の密度の値を用いて客金属()表面張力の値を求め

た結異壱従来の結桑とともに豆i g.2・7~F i g.2・土1に示す。

§.。。。・

竃 oロー■

Io o A』01ε

妻ムOO 州gO .SiO。

さ1凧舳〕i (1〕 l

○口

\ o』 5〕

㈹ ㌔一一

ムO0 500 600 フ00

丁目㎜D.or●tur6(℃)

戸i冨. 2.7 Surface Tension of 同。-ten Pure しead

1)舳kaieta1〔14〕2)Kas柵aetal 〔14〕3)いhite〔15〕

4)H◎gness〔i?〕 5〕Bircumsh舳〔18〕 6)Present喝。rk

17

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旦5アOさ;≡

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岨520⊆

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→’S’02 }〔’O

{■’ミ03 ’←zr9~

一’^lgo

鳶、・ミ. 、 ■o心 ’、、・ “・、 1 ‘チ

Fi8.

~oo

2・日

400 600 θOO ’OOO ’2CO μOO ’600

rεπ1ρεraf〃rε ‘ ・C,

Surface Tension of H◎一ten Pure Tii1

1)kauf㎜a㎜eta1〔i9〕2)Kasa胴etal〔15〕

3)Lauemametal〔20〕4)舳1te〔16〕5)

ε

奇g50ミ

§

.お

s』θ503~……

750

ミ量ト1~ L

中5’o~.

}箏03+物。‘一。’o

\ ’\ 6

9σO ”OO ’300 ’500

rを伽βe r占f〃r e ■.C 一

戸i8. 2.9 Surデace Tensio確 ◎f Nolterl Pure Si lveF

1) Gebhardt et a1 〔21〕 2) Lauermann et a三 〔19〕 3)

4)Rasamaetaい15〕5)Hetzgereta1123〕 6〕

2\

1200 1300 14C0 1500

Tom口。,,tu5ε(℃)

F i9. 2.10 Surface Tensi on of Hol ten Pure G〇三d

1)K…岬・t・1115〕2)B・・di3)K剛・・t・1/22〕

4)Kaufma㎜eta!〔ユ9〕5)Presentり。rk

18

lI i i 1

1150一ノ

10(3)I

liOO

1o ω

10;OoAl,O,

10 州gO o

汀o

τlm.P 0063℃〕 ,‘5〕

11∞ i200 130n 1ムno 1戸∩n

Present は◎rk

Kraus〔22〕

Preserlt Work

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〃。o

π山。。。てj 一

. 1.1 向舳”川∈ ・ I

三 」ミ1・。・ 1\∴、

昌。

…≡1

各一 、ミ\δ \ ・ ・

6

〃。o

’OOO l~OO μOO ’600 .伽ρ舳~州’C1

戸iS.2・11 S・・f・・eT帥・i… 川。lt6・P・・eC榊。。

1) Naidich et a一 〔23〕 2) Kasama et al 〔15〕 3) Gans 〔24〕

4) ^IIe11 〔25〕 5) Borre1 〔26〕 6) Rhee 〔27〕 7) Preseηt }ork

溶融純金属の表面張力の幅は若干のぱらつきはみられるがそれぞれの図からあ

きらかなように溶融純金属の表面張力は温度の上異にともない直線的に減少して

いる。そこで本量の砥究で得られた測定値を最小二乗法により処理した箔果、以

下に示す値が得られた。

’P』 量 441‘0.10× 〔t (℃) 一327〕 ((iyne/cm) (2 ・6)

アsn = 551-0.09× 〔t (℃)一232〕 (dyne/cm) (2・7)

プA白 昌. 91110-0.17x 〔t (℃) 一961〕 (dyne/cm) (2 ・8)

プAu 目1105-0.28x 〔t (℃) 一1063〕 (dyne/c㎜) (2・9)

ア。u ;1320-0.28x’〔t(℃)一1083〕 (dyne/cm) (2・王0)

2-3-3 溶融純金属と固体酸fヒ物との接触角

F i9.2・12~F i9.2・16に溶融純金属と種々の固体酸fヒ物との接

触角と温度との関係を従来の結果とともに示す。

19

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①ol

ou

i

I

一06

1

dAl-03口

一0.7 ・MgO口Si0言

一08

一09 口

o!

ン o ^1 一.・/I ド

一.O5∞ 600 7005∞

Te榊胴tu爬(℃)

Pig.2・12 Contact (ngIe of Ho1ten Pure Lead on So i id Oxide

Φ

岬。U

一〇.5

一/.O

一〇一S’◎2

」 一・一助03

一・一”90

一トC∂O-o-Zr02

〒一!。l l

レー’. ・I 」’’’

o l

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/ !^

/†

1伽‘w

200

円冨.2・13

400 600 θ00 ’000 ’200 μ00 !600

remρerafαre 一・C,

Contact 具n81e of H〇三tei1 Pur虐 τ…n on SoI id Ox三d‘…

① 一〇.5吻◎

U

iトs102一・・ カOS一』”90・‘・Ca0 二七寸■二7

’ノ‘ ‘4

Fiε.

イ.0

900

2・14

’300 ・’5◎O

【e”ρerθfore!・C】

Contact ^n竃1e of 同。l ten P一.lre S i-ver on So l i d Ox i de

〃OO

20

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1 o

n㎝一α5oU -1.O

I1凧pΩ063’C〕

I

0^』α

EMgo1

1

o

。/ 。

1100 1200 1300 14 O0 1500

戸ig.2・15

1100 1200 1300 1400 1500

庁π,ρεrθfUrε‘・C,

Contact ^ng I e of Ho l ten Pure Go I d on So1i d Ox i de

Φ

ω◎u

→一 カ03

黶x”o◎

O

|O,5

黶轣DO

。/ o

●Y 1

∫OOO ’200 μOO ∫6

戸i9.2・i6

’200 μOO ∫600 【emρerafリre.{ ・C i

Contact ^ngle of H◎lt暮η Pure CoPPer oη Soi主d O×ide

2-3-4 溶融純金庸と固体酸化物との付着の仕事

溶融純金属の表面張力および固体酸化物との接角型角が既知であれば付香の.仕率

、Wadこは式(1・5)を用いることによって求めることができる。式(1・5

)を用いて付着の仕事、「Wad、を求めた結集をF i g.2・!7

~F iζ、2・21に示す。

21

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ε

150

100

50

r。Al:O,

・MgOo SiO一 ∵

円8,2・17

300~

旦200ミ

、〈

さ’00ミ

o≧

O

500 600 700

TOm0“at口N(℃)

uork o f ^dhes i on betωeen H◎1ten Pure しead

and So旦id Oxi de

一一5’02

中生03}o’o中2r02

o

o/ /!

’一“

ノク7。 !!’

200

月昌.2・蝸

Fi8.

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8王4ooミ…

’δ

占…;

400 600 θOO ∫OOO アビ伽ρε砲チ〃rε !・C1

’200 μ 00 ’600

}ork of 角d11esion bet}εelr Hol ten P一.一re τi n

and Soi三d Ox…de

6◎O

→一5’02一・一^凶3

}’ ィ。’’・c^o

4oo

m・クノノ一

200■

O900 ’’oo ∫300 ’500

ro伽ρe〃〃el・cl

2・19

rOπ1ρer〃口re一・C一

一。。kofAdh。。i。。b.t舵。。H.it。。P。。。Sil。。。

and So i id Oxide

22

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日500

暮400

書300ち

‘200一

1;m・P一(1063℃)

Ci

∠二」l 1 1

o Al,O,

EMqO!一一

500

S00

R00

Q00

1

・o

1一.一

1100 1200 1300 1400 1500

Fig.2.20

1100 1200

TEmO05目tur・o(℃)

”ork of 昌dhes ion bet”een Hol ten Pure Go-d

and So亘id Oxide

~ ミ U400 言 を

.2 3

く 、200 〈

さ §

’OOO !200 ’600

刀e例ρeraチure {・C l

F1昌.2・2i 容。rkoξ11昌曲esi叩be亡㈱ηHo!t帥PureCoρρer

and So l.i d Ox i de

。L’一・一 カ03黶x。”90 l 1 .

400

Q00

@0

I

’OOO !200 ・ ∫000 一 ’600

溶融純金属と固体酸化物との付言の仕事は温度の上昇にともなって増大しいず

れの金属に対しても固体酸化物板がシリカの場合が墨も大きい付替の仕事を示し

た。

2-4 考 察

2・4・1 一 溶融純金属の密度

23

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静薄法や最大泡圧法などによって表面張力を求める際に必要な密度の値を他の

測定者の値を用いている報告が多くみられるが、このような処壬璽は非常に重大な

問題を含んでいる。本来静滴法や最大泡圧法は表面張力の測定法としてだけでは

なく密度の測定法としても確立された方法でもある。もちろん表面張力、密度の

測定における最適案件(たとえば静漕法における滴の大きさ、最大泡圧法におけ

る吹込管の後あるいは渓さ)に相異はあるが、対象とする金属の特性(表面張力

、密度の値の大小、支持合、吹込管との濡れ牲)を十分に考慮することによって

同一の測定で表面張力、密度を同鯖に求めることができる。またこのようにして

求められた密度の値を用いることによって静漕法によって生ずる誤差のうちで墨

も表面張力に大きな景i響をおよぼす滴の拡大率による誤差を少なくすることが可

能である。さらに得られた密度の個を他の文献侮と比衰することによって滴の回

転対称性をも考慮することも可能である。

このような理由から本堂で対象とする溶融金属の表面張力の募出にあたつては

2・3・1項で得られた密度の値を用いた。

本量で求められた溶融金属の密度の値はいずれの金属についても従来の報告と

良い一致を示していることがわかる。

2・4・2 溶融純金属の’表面張力

‡童における研究の対象とした溶融純金庫(P b,S n.A冬,A口、C u)

の表面張力は現在までに多くの研究書によって測定されており、本研究結異のう

ちC u以外の金属の表面張力は従来の測定結果のいずれともかなり良い一致を示

している。

図中に示した各測定点はそれぞれ独立の実験から律られたものである.一般に

表面張力の温度係数を求めるにあたっては一回の測定で温度を適宜変えて求めて

いるが、そのようにして表面張力の温度係数を求めようとすれば他の測定者の密

度の値を用いることは避けられずそれだけに誤葦を多く含む可能性がある。例え

24

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ば融点が低く,蒸気圧も小さく比較的密度を精度よく求めることができると患わ

れるS nの密度においてすら、800℃における測定値〔1~4〕は6.58~.

6.7工の闇にあり2%もの相異ホある。このような密度の値の相異はそのまま表

面張力の値に反映し、S nの表面張力にも絶対値に対して2%の誤差を与えるこ

とになる。ところが大部分の測定者は低融点金属の表面張力の測定における測定

嚢菱は±1~2%の範圏内にあるとしており、これに密度の値の相異を考慮する

と報告されている表面張力の値の信籟性はさらに低くなる。このように表面張力

や粘性のように密度の値がそのままそれらの値の信籟性に反映される場合にはよ

り.以上の注意を払うぷ要があると肴えられる。

本量における表面張力の温度係数の算出は測定回数が多くなり確かに面倒では

あるが、少なくともそれぞれの温度における密度の傭も同時に求めることができ

るためその信箱性も高いといえよう。

2-4-3 溶融純金属と固体酸化物との接触角

F i g.2・12~F i g.2・16からあきらかなようヒ溶融純金属と固体

蟄fヒ物との接触角の余弦(COS8)はいずれの系についても温度の上昇にとも

なって大きくなる(すなわち接勲角は小さくなる)。また温度が一定の下では測

足したすべての金属についてシリカと¢)接触角が墨も小さく、一般自勺な傾向とし

ては低温域(i300℃以下)ではシリカ、アルミナ、 (ジルコニア)、マグネ

シアの順に大きく一なる。高温域(1300℃以上)ではアルミナとの接触角の方

がマグネシアとのそれよりも大きくなる。また溶融鈍金属とマグネシア、ライム

との窪触角の余弦は温度に対して直線自勺に要化するのではなく、マグネシアにつ

いては1130℃前後、ライムについては1430℃前後で屈曲点をもつ。

F i g.2・22に酸化物の糠準生成自由エネルギー変化と温度との関係を示

す。F i g.2・12~F iζ.2・王6の詰纂と戸1音.2・22とを生ヒ籔す

れぱあきらかなように酸fヒ物が安定であるほど溶融純金属との書散角は大きくな

25

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る。

一100

一150

8-200三

㌔く

・250

!5・Oユ

エ1O

一神し

一Lト

ノ州 。C・O

’3000 500 1000 1500

TemPerolure{■C〕2000

戸i8.2・22 Standard Free εnergy of Form3t l◎n of Var l ous Oxides

fr◎m 1…1e冊ents as a Functlon of Tempe.ature 〔28〕

Yu. V.Naldich 〔29〕は溶融純金属と固体誰{ヒ物との接触角に験

する従来の報告を整理し、溶融純金薦の酸化物の標準生成富由エネルギー、△GI

、と固体雪委{ヒ物の標準生成冒由エネルギー、△G呵、 の暮、△G、と接触角との

関係を得た。その鋳果を本量で求めた結果とともにF i冬, 2・23に示す。

^150

竺120胃

〕〇

一60仁

U

1ε0

P50

P20D 90 60 30 0

ノニLl。1 1

1 。8

・ o

@ o

o’

一20 0 20 40.60 80 100 120 .14一20 20

△“』ξ一△引

140

(Kco11g・otomO・)

戸1言.2・23 Relation betweeη Contact Ang1e and Surface

Pree蔓鵬r9ソCha㎎書

26

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図中でOは他の研究者によって測定された値を示し、9は本量で求められた値

を示している。F i9.2・23からあきらかなように大まかな傾向として△G

が大きくなれば接触角も大きい個をとることがわかる。しかし本量で求められた

値はいずれも120。よりも大きく全般的な傾向について述べるためには接角虫色

が90。以下になるような系の測定も行なう必要があろう。またこのような整理

の仕方では固体酸化物の結晶構造の違いなどについての考磨がなされておらずこ

の貞についても闇題を含んでいる。

これらの点を解決するには今後さらに多くの測定を行なってデータの蓄積を必

妻とするであろう。

2-4-4 溶融純金属と固体酸化物との付着の仕事

F iぎ二2・17~F i g.2・21からあきらかなようにいずれの系について

も溶融純金属と固体繁化物との付着の仕事は温度の上昇にともない増加の傾向を

示す。

第4室、第5童でも述べているが一般には酸化物の表面はP i gl,2・24に示

すように酸素で覆われていると考えられている〔30〕。・

Fig. 2.24. I11u……tration of Surface of Soいd Ox三de

このような表面と溶融金属とが醤角虫した場合には溶融金属と表面の酸素との親

和力が濡れ性を左右すると考えられる。溶融金属と酸素との親和カは溶融金属と

固体酸{ヒ物との界面での結合の強さをあらわす尺度として評価され、これには物

王量的な力と化学的な力が含まれていると考えられる。

27

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今、1モルの物質が原子(分子)の厚さに拡がるときの表面自由エネルギー変

fヒをW辻㎜しとすると、付着の仕事との関係は式(2・ユ1)で与えられる〔

29〕。・、需。ト(。。、)%.。え.f.は乱一。4-19xユ山、1。、。I)(2.11)

ここでH:分子量=(g/mC1)、ρ:密度(8/C需)、N:アボガドロ数

コ3(6×10 /mol)、f:充握係数

式(2・i1).を本研究結果に適用する際にfの値をどのように…平価するかが

闇題となってくる。このfの値は当然結晶拍造、結晶の方位によってことなるが

本研究で用いたいずれの固体酸化物も蟻錯体であるため表面における結晶の方位

の同定はできない。したがってここではfの値を1と仮定し式(2・i1)から

表面昌由エネルギー変fヒの値を求めた結果のうちS n、’A8についてF i9,2

・25に示す。他の全層についても同様の領内を示したが測定の対象とした固体

酸{ヒ物の種類が少なくここでは省略する。

60 、 . 、 a’ ’∫OO.C ÷ 、 、 、 、 、 こ一 ・・ \ §40 1\一\ ミ ~ \ \ ▲ 8 婁 \、∵ ・二…一 さ 、_。 ・. 、 、 ’ さ \ ’・ ・:

ミ、。 \}1 八!レ争

到 ・、1/ 一 込’ ・ N ・ o 』 o d ∵ 9 0 一!40 一/θO ・ r220

△G {κca’.,

円g.2・25 Pelationbet鵬en△GandW

28

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F i g12・25からあきらかなようにS n,Aきとも同様の傾向を示してお

り、ライムを除いては酸化物の標準生成自由エネルギーの貫の値が大きいほど、

すなわち酸化物が安定であるほど表面自由エネルギー更化は小さく、溶融金属と

国体酸化物との闇では弱い結合力を示すことがわかる。

ライムについては例外であり、これは次のように考えられる。

一般に、酸{ヒ物はF i g,2・24に示すように鋳晶表面には酸素イオン(ア

ニオン)が露出し、金属イオン(カチオン).は酸素イオンより内部に存在してい

る。一般的にアニオンはカチオンよりイオン半径は大きく、し牟がってアニオン

はカチオンより分極されやすい一 Bこの分極作角のためアニオンのタド側(酸化物の

表面)では電子が内部に移動して電場は弱まる。この分極の程度はカチー Iンのイ

オン半径に依存し、カチオンのイオン半径が小さいほど分極の程度は大きくなる

と考えられている。本章で用いた酸化物を摘成する金属イオンのイオン半径は

Ta b l e2-2に示すようにかなりの相異がある。

Tabk2・2Io・1cRadiu・ofHet・いi・I㎝a・dO・yge・工。η

王。n Radius (A) Ion Radius (A)

S i0.41 ^1 0,50

H暮 0.85 zr 口、30

Ca O.9ヨ o 1,40

T a b i e2・2からあきらかなようにC aのイオン半径が墨も大きく、ライ

ム表面の酸素イオンが最も分極作用が小さい。その結果ライムの表面のイオン性

は轟も大きいと考えられる。したがってそのような酸化物の表面に溶融金属赤繧

触した場合には溶融金属と酸{ヒ物の界面では溶融金腐厚手の電手が酬ヒ物表面の

酸素イオンによって強くひきつけられる。その結集、詰合力が大きくなり付着の

29

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仕事(表面自由エネルギー変化)も大きくなると考えられる。

このように溶融金層と酸化物との付着の仕事は単に酸化物の標準生成自由エネ

ルギー変fヒに依存するだけではなく、酸fヒ物表面のイオン性(酸化物を構成する

金露のイオン半径)にも依存すると言える。

2-5 結 言

溶融純金属の表面張力および固体酸化物との接触角をm.p.から広い温度範

圏にわたって測定した。

1)溶融縄金属の表面張力は以下の式で表すことができる。

ア。」 宮1320-0.28 (T(℃)一10倉3) (dyne/cm)

ア魚書 =9i0-0.工7(T(℃)一96王) (dyηe!ノ。m)

γε帆 ;551-0.09(T(℃)一232) (dyne/cm)

ア^〕 =1105-0.28(T(℃)一i063) (dyne/cm)

プ秒 =441-0.10(T(℃)一327) (dyne/c耐)

2)溶融純金属と固体酸化物との接触角、付着の仕事は酸化物の榛準生成自由

エネルギーと密接な開係を持ち、一部の系で温度更fヒに対して屈曲点を持つが、

その温度は酸{ヒ物の標準生成自由エネルギーの屈曲点に対応する。

3)溶融純金属と固体酸fヒ物との付蕃の仕事をより良く理解するためには酸化

物の標準生成自由エネルギーのみではなく、酸{ヒ物をキ毒成する金属元素のイ.オン

半径をも考魔する.必要がある。

30

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1)

2)

3)

4)

5)

6)

7)

8)

9)

i口)

11)

12)

13)

工4)

15)

ユ6)

17)

18)

1ヨ)

20)

21)

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22)

23)

24)

25)

26)

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32

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第3重 溶融純鉄による固体酸fヒ物の ヲ需れ11’生

3・1 鰭 言

低融点金属や酸素との親和力の小さい金属による匿〕体酸化物の濡れは金驚と固

体酸化物との闇に働く力が分子間力のみであり化学的な相互作用を考慮する必要

はほとんどないといえる。

しかし鉄のように融点が高くしかも一酸素との親和力の大きい金属による.固体酸

化物の濡れ性は分子間力のみではなく化学的な相互作用の程度によっても大きく

影響されるためその濡れ挙動を解明することは界面化学自勺にも興味がある。

さらに実捜索においても溶銅と脱酸生成物との相互作用に関する研究は脱酸生

成物の生成、浮上、分離の闇頚を解明するためにも童蔓である。

このような観点から溶鉄による固体酸化物の濡れ性は多くの研究者享こよって研

究されている〔1~工2〕。しかし高温での測定の困難さにくわえて微量の不純

物あるいは固体酸化物の表面糧さなどが濡れ性に大きく影響するために、一これら

測定値闇には大きな相違がみられる.また同一の研究書による系統的な研究もほ

どんど行なわれていない。

本量においては、溶妻夫と固体酸化物との相互作用に関する情報を得るため、静

漕法を用いてまず種々の表面糧さをもつ.たアルミナ板上の溶鉄の接触角を測定し

接触角におよばす固体酸化物の表面粗さの影響をもとめた.さらに喜種固体酸

化物板上の溶融純鉄の表面張力、接触角を測定し界面での付香の仕事を求め、溶

鉄と固体酸化物との界面状況を遼固試料果面の光学頭徽鏡およびEPMAによる

観察より考察を行なった。

33

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3-2 実 験

3-2-i …式*斗

本量での実験に用いた純鉄試料は、義夫鋼基礎協同研究会溶鋼港津部会の共通試

料でその組成をT a b l e 3・1に示す.

Table3・1 ImPuritiesinIr㎝

C Si “伍 白 S c{

O.O01% O.O03% O.O02% O.Oq1系 O.OO=L弟 O.O06ラ毛

Cr Ti v A1 Co N

Ni

O.OOユ≠

O.O〇二L名くO.O05鳴くO.OOユラる O.O02ラζ O.O07ヲる O.O02?ξ

また使用一した固体酸化物はアルミナ、マグネシア、ジルコニア、シリカおよび

ライムで、ライム以外は市販の成品で、これら酸化物の組成はTabl e 2・

1に示している。

ライムについては次の手順により作成した。まず市販の特級炭酸石灰(

Ca C03)を呈鉛ルツボ中で100Q℃,1h rの仮饒を行なったのち粉砕し

、i600℃で仮饒錯を行なった。これをメノウ乳鉢中で錨かく砕き、

1000㎏/c話で板状ドブレス成形した後酸素一アセチレンガス炉中で1800

~2000℃.6b rの焼結を行ない、試料板とした。

3-2-2 装置および方法

測定はF iき、3・王に示すようなMo線(1.2㎜¢)を発熱体とする調型水

素炉を用いて行なった。この炉は潟の対称性9確認が可能なように互いに直交し

同時に2方向からの滴の形状撮影が可能な2個の観察窓を有している。さらに溶

鉄漕と固体酸化物板とが測定開始前に反応するのを避けるため俣譲菅の先端の小

孔(王.5㎜φ)から溶銭試料を押し出すことが可能な滴下装置を備えている。

測定捜作としてはまず固体酸化物を炉の中央の支時台に竃き水準器によって表

面が水平になるように調整する。炉内を水素ガスで慶凄後身潟し、測定温鷹に到

34

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遺してから純鉄試料(約39)を…式料滴下装置に装入し、溶解後数分間保持して

から、試料の一部(約2.0g)を酸化物板上に静かに滴下する。漕下直後から数

分間隔でその形状を撮影する。

(1〕 ㌧t21

’一’一

(3、

●●o

OCC・

kc’隻

. 18j 14●

” ’ o

=’

o3…

・;三 oo,o

言言

oOo

o

‘ (6〕

I (〕

17

(〕l

Fi9. 3.1 ^ρρaratus for HeasuFement

1)O-Rin暮・2)則。CヨPiρe&SiO.P佃3)細ter

Jacket4)Pt/Pt・冒hThe㎝ocouple5)Ho一いire

ε) Rubber Packing 7) Leve1-er 8) HetaI !〕rop 9) Soi id Oxide

3二3 緒 果

3-3一且 溶融純鉄による固体酬ヒ物の濡れ性におよぼす表面粗さの影響

亘19.3・2に1600℃、H2雰囲気申の種々の裏面糧さをもったアルミ

ナ板上の溶毒矢の接触角と表面粗さとの関係を示す。

35

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一α5

刈、\、

一〇.7

ω一Q80U -Q9

戸i8,3・2

一1.O

\、、 ◎\\I

◎モ、、

、@、揩P、掾A、O

1.O l.2 1ム 1.6 Sur予Qce r◎ughness foctor,R

Re1at i◎n bet”een cos6 and Surface Roughηess

FaCt◎r,R, Of AIu嗣ina

F i g.3・2からあきらかなように、溶富夫とアルミナとの接触角は表面の粗さ

が大きくなるほど大きくなる。ここで用いた表面粗さ係数は立体的な幾何学自勺モ

デルをもとにアルミナの表面の温度を直接に角虫針法によって求めた結果から算出

した。この…手細については(3-4)節で検…寸。を行なっている。

3i3-2 溶融純鉄による固体酸化物の濡れ性におよぼす温度の影響

F j g.3・き,F i g.3・4にそれぞれA r-H、雰囲気中における溶銑

の表面張力および単結晶アルミナとの接触角におよぼす温度の影響を示す。溶…美

表面張力は温犀の上鼻にともない減少の傾向を示し、式(3・1)で表わすこと

ができる。一

7:エ7エ8-0.29(T(℃)一王534)±30(dyne/c冊) (3・1)

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ε U1750 、 三 31.フOO

言 ’而

⊂ ①1650 ←

8

ε1600 ……

ω

1550 1550 1600 1650 1700

Temperαture(oC)

Flg. 3 .3 Temperature Dependeηce of Hol ten Pure I ron

一。?

OOO_OO

nO

72岬

㌧①

辿暮

マ 〃5~oo~ミ。

o

η0 755η 7600 」’650 7700

F三8, 3 .4 Te胴peFature 】〕ependence ◎デ Contact ^n81e of

HoI ten Pure 工r◎n on A1umi na (S i ng l e Crysta l l)

OO

6◎

1 0 000、\

@ ◎

一方戸i g.3・4からあきらかなように溶訣と単結晶アルミナとの接触角は

温度の上昇にともないほぼ直観的に減少する。接触角と温度との闘係は式.(3・

2)で表わすことができる。

3マ

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8 :121-0,023(T(℃)一1534)±1.5 (degree) (3・2)

3-3-3 溶融純鉄と種々の固体酸化物との接触角

F iき.3・5に1600℃、H。雰囲気中における溶銑鈍蔓夫と種々の固体酸

{ヒ靭との接触角の圓壽闇変化を示す。溶銭純鉄と固体酸化物との接触角は用いた国

体酸化物の種類によつてその要1化の傾向は異なるが、いずれの場合においても溶

鉄漕を固体酸化物板上に滴下後30分後にはほぼ一定の値となる。

一j0

8

縦110

0 10 !O 】O

τ…}1祠i【。l

Fi9. 3 .5 Change iη Coηtact ^n富1e ◎f Ho l ten Pure ]=ron

◎n.So11dOx-ides出hTimeat1500℃

E‘0I

● 1い艶?B111

;㎜,lll lll ’1

50

P0

X0

!.

mi 柵,11・ ■一■■

』1 ‘

II ‘‘’b㍉1

ll

■榊;1。 10 !o 】o

3-3-4 溶融純鉄と固体酸{ヒ物との付香の仕事

T a b l e 3・2に式(2一・5)を用いて溶融純鉄と種々の固体酸化物との

付香の仕事を計算レた結果を示す一寸看の仕事の算出に必要な表面張力・接触角

の値は、溶訣漕を漕了後30分経過したときの値を採用した。

Ta b l e 3・2からあきらかなように溶融純…夫と固体嚢化物との付着の仕事

38

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は固体観fヒ物の種類によって大きく異なっている。

Tabie3・2 Va~es of Wad

So-id oxide 同etal lW・d(… /Cm! )

川 一0

3 840Ca0 1 106Be0 595

1 Pure ironH80 1 400Si02 860Zrg・ 1 1 40

3-4 考 察

3i4・ユ 溶融純鉄による固体酸化物の濡れ檀≡におよ汝す表面粗さの影響

接触角と固体の表面糧さとの開係についてはWe n z e1の式が成立するどさ

れている。

! cos 6 = R c◎s θ (3・3)

ここで R:表面粗さ係数(粗い表面をもった…式料の表面積/平滑な表面をも

った…麦料の表面藩)、9:真の接触角、5’:見掛けの接簸角

固体表面の形状から表面糧さ係数を求める方法に?いては以下のように行なっ

た。

表面の形状がF i冬.3・6に示すように水平面とαをな†角度であり,さら

に等方自勺であるとすると

R = Sr/Ss宮 i/(co-s武)

冶 : 〔 (AH) 2 + (B月1) 2 〕 / (AH) (3… 4)

ここで Sr:粗い表面をもった試料の表面積(c舗)、Ss;平滑な表面をも

った試料の表面橿(C話)

となり戸i9.3・5の(b)と(c)の表面粗さ係数は等しい幅となる。

39

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(α)

P Q

8(b)

4A H

(C)

Fi箒. 3.6 ReIatioη betωeen Roughness Factor and Angie of Slope

一般にはF i g.3・7,F i g.3・8に示すように水平面となす角度がi定

ではなくA iとA jは同一面上にはない。F i g.3・7に示すような形状につ

いての表面粗さ係数は式(3・5)で表わすことができる。

蔓干Aτ蔓、/L・1(A、暮、) /(A1頁1) 〕十Hl A2/L・

〔(Bi A2)’/(Bl A2) 〕十....... (3・5)

ここで L:測定した水平距離(c m1)

戸1g.3・8の場合についても同様に式(3.6)で表わすことができる.

買欄ピ{い1~選{)令(引い、十((二1精一令HHH

___一一一骨一令(lB.A。)) l1ポ6)

Bl、 一 82 I ・ Iα・ 吻 一

8。一 B4

I ;. 11 Il ,

A. H. A2H2 A3H3

Fi9.3・7

B5

A4 H.A5 H5 A6

Relation betωeen Roughness 戸act◎r and Angle of Slope

40

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8.B3 11 B。副、・ P191 I l l I

寿‘

・・一f1

Y

Al .H・A2A,A4A5H・ A5 H; Aる H‘ A7

L

Fi g. 3・8 Pe三at ion betはeen R◎u8hness Fact◎r and ^ng1e of S1oρe

F i g.3・9に1例として本量で用いた固体酸化物の表面粗さを触針法で測

定した詰果を示す。

1 ε.’ ε ‘

‘ ε’ .. 1 X 、αlmm

X:x5go

Y1xloo R=1.28 L:2.61mm

戸i竃. 3.9 Shaρe of β!umi na Surface

図中に示した・印は式(3・6)を適用する際のB l:C iの害点辛表わして

41

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いる。 式(亨・6)を用いてFiζ.3・gから表面粗さ係数をもとめると

R=1.28となる。

このようにして求めた表面粗さ係数、R、と綾触角、8、との関係を求めたの

がF i g,3・2である.亘i g.3・2の実親は測定点を最小日桑法で処理し

て求めたものであり、点線は式(3・3)によって求めたものである。

F iぎ.3・2からもあきらかなように本量で算出した表圃粗さ係数の値は接触

角ξ)測定値とかなり良い直線牲を示し、定性自勺にはWe n z e lの考え方の妥当

性を支持できる。またWenze lの式から得られる接融角の値よりも測定によ

って求めた接触角の方が大きい値を示している。これは本量でのように触針法で

表面の粗さを測定した場合、用いた針の径(3μ)より.も小さい凹部は測定でき

ないため固体酸化物表面の粗さが裏際よりも低く見積ξれたことによるものと思

われる。高温での接触角と表面組さとの関係をあきらかにした報告は見当たらず

比藪はできないか、今後衰面粗さの測定の矯度を向上させることによってさらに

適確な帽報が得られるものと考えられる。

3・4・2 溶融純…美の表面張力におよぼす温度の影響

戸1g.3・3からあきらかなように溶妻実の表面張力は温度の上昇とともに混

小の傾向を示す。溶鉄の表面張力の温度依存性についてほ現在までに多くの研究

看によって報告されている〔王0114~18〕。F19.3・10にこれら研

究者による値を本量で得られた錯臭とともに示す。

溶…夫の表面張力の温度係数については套夫の融点が高く広い温度範囲にわたる測

定が国難なこともありかなりの相異がみられる。F1書3・10の結果から表面

張力の値が低い測定ではその温度係数は小さく、表面張力の値が高い測定ではそ

の温度係数は大きい傾向にあることがわかる、

42

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へ q ① 、.

㌧\ こ :董ミ

U ミ⊆06 8 ○き ①芒04 き

も 」 ①㌧0」2 、」 ∈の 辿 0 ア300 7500 ’700 ’900

5口r∫ocε アさη5∫oη‘qンnε1/cη1/ 1

戸ig 3.工〔l Re-atIon bet~een Temρerature Depeηdeηce of Surface

Tension

③Other工nvestigators〔10、ユ4~工3〕OPresent~◎rk

、J・

ォ工0~き0θ

セ㌧1⊆0.6.ミーき芒0.41き一ミ0」2=§・の一0

●}

宸hOI

溶融縄金属に第2成分(不鈍物)が含まれる場合の表面張力の温度係数は式(

3・7)で表すことができるとされている。

一d〆/dT;〔(Ss/A)一rlsSl-r2sSl〕 十

1r.s一(N・r・量/N1)〕8μ・/8Nパ8N・/8T(3・7)

1ユ ここで τ:表面張力(dyne/㎝)、S:表面エントロピー(帥g㎝deg)、

A:表面積(c塙)、rこ :i成分の吸着量( m◎1/c蒜)、Nこ:i成分のモル

分率、μ :i成分の化学ポテンシャル、T:絶対温度(K)

遺常の表面活性な物質についてはD.Mc L e a n〔工9〕がエントロピー項

にくらべてμ項は無視できることを示した。しかし表面汚牲性の高い物資につい

ては貫のμ項が適用されるために式(3・7)によって表される表面張力の温度

係数、一d7/d T、は小さくなり極端な場合には正の温度係数をもとりうる。

すなわち戸19.3・10に示されている表面張力の低い測定では溶銑申に酸

素、爾黄などの表面活栓元素が存在することが考えられ、その場合には当然その

温度係数は小さくなる。

43

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本量で用いた鉄試料の測定後の酸素量は0.0035洲t%,硫黄童は0,001航

%であり、その表面張力の温度係数、一0.29dyne!㎝℃、は他の測定者の値と

比較しても妥当な値であると考えられる。

F1g.3・4からあきらかなように、溶銑と固体酸化物との接触角は温度の

上異にともなって減少する。

3-4-3 溶融純鉄と種々の固体酸化物との接触角

F i8.3・5からあきらかなように溶融純鉄と固体酸化物板との接触角の時

闇変化は支持台として用いた固体酸化物板の種類によってかなりの相異ワドみられ

る。この原因としては、固体酸化物を練成する全層一酸素闇の結合力の違いから

生ずる表面エネルギーの相違、結晶粒の大きさの相違、結晶構造の相違、焼結の

程度の相違、不鈍物の最多響などが考えられる。

本宣の研究においてはTa b l e 2.1にも示したように酸化物板の純度も

94,d~9qg8%の閉にあり、また焼結度も同じであるとはいえないから固体

酸{ヒ物板の種類を変えた場合の接勲角の値や時間経過による更fヒを単純に固体繁

化物の表面エネルギーや結晶檎造と直接に結びつけて考えることはできないがい

ずれの場合も時間の経過にともなって接角曳角の値は減少するが、すべての系につ

いて投融角の値は?ねに90。より大きいことから、これらの系の濡れは付香濡

れ以外は起こらないと考えられる.

3-4-4 溶融純鉄と固体酸fヒ物との付香の仕率

今、1モルの物質が原子(分子)の厚さに拡がるときの表面自由エネルギーの

変fヒ、Wa molと付蕃の仕事、Wad、との関係は式(2・11)で与えられてい

る〔20,21〕o

本量の研究においてはf=1とし式(2・11)にTa b l e3・2から表面

自由エネルギー変fヒの値、Wa mol、を求めた結果をT a b l e3・3に示す。

44

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Tab!e 3 ・3 Values of Wa mol

Solid OXide Hetal W帥。し(K・ヨ1/固。L)

^1 2 0 3 15.8

CaO 14.5

Beo 4. 9Pure iron

Hgo 14.8

Si0。 15.6

ZrO! 18.5

分子闇力による詰合エネルギーが5~10Kcal/mol 〔22〕、化学杓な詰合

エネルギーが~100Kcal/moI 〔22〕であることを考えるとTa b l e3・

4の値からあきらかなように、本量の実験条件下では溶銑/固体重菱化物の界面に

おいては分子間力による錆合が支配的であり、一部が化学自勺相互作用によるもの

と思われる。

以上の結果をより詳鯉に検討するため凝固後の…式料について鉄/酸化物呆面の

光学頭徴錬およびEPMAによる観察を行なった。

「.’

m二

1 1■ 26p{AトK‘

Ii

’’一,4a一’

『1

I

I1

1

ll

A■一

」一⊥MET糺→ 一P1 一 ■ ■ ■ 1 一 一〇X-0ε’

.i

丁。。=奏、 111 11

;l li 一一 1.1 I

I

! 1 . ll

Fi9,3・u X-ray 工ntensity Curves at Interfacε between

h◎lt釧Pwe工ronand~um1na(O:25Pρm)

45

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光学頭徽鏡による観察からは界面での化学的相互作用についてははっきりとは

確認しえなかつたが瓦PMAによる観察によって界面状況に関する若干の情報が

得られた。

F i g.3・1!に鉄/アルミナ界面に百魯な方向に走査したX線強度曲線を

しめす。

戸i g.3・王1フ)・らあきらかなようにアルミナ中に鉄の若干の濃度勾配がみ

られる。この鉄が金属鉄の状態で存在するのか酸化鉄として存在するのかについ

ての情報は得られなかったが、この鉄のアルミナ中への拡散のためにWa mo1の

値が分子間力のみの場合よりも大きくなっているものと思われる。比較のために

F i g,3・12にH。/亘20雰囲気申で行なった試料の凝固後のEP雌Aに

よる露察結果をしめす。

1.

仁⊥二_

二 1

し㌔

、Pi9.3・一 P2X一・・y1・t…ityCユ。。。。。。t1ηt。。f。。。b伽。。。

HolteηPwe工ronand肌1m1na(O;2日5陣m)

46

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.溶銑中の酸素量の増大にともない付替の仕事の値は大きくなり(この点に関して

は第5童で述べている。)、F i9.3・12の場台の溶銑中の酸素量は285

p pm、付書の仕事は1250er昌/c示、表面自由エネルギー要手ヒの値は27.5

Kcal/胴。1であった。この値はH。ガス雰囲気中で行なった測定詰果のいずれよ

りも大きい。

F i g.3.12からあきらかなように鉄とアルミナとの界面はH。中での結

果とはいちじるしい相異を示している。 F i g.3・.12ではアルミナ中へ鉄

が優人しているのがあきらかに確認でき、その優入唐の厚さは190~200μ

である。さらに優入届においては鉄の濃度勾配が生.じている。この磨はX線回折

の詰果、ハーシナイト(F eO・A1203)であることが確認された。これが

溶銑とアルミナとの界面において表面自由エネィレギー変fヒを大きくしているもめ

と思われる。

3-5 結 言

溶融純鉄による国体酸化物の濡れ性におよぼす表面相さ、温度の影響について

検…寸を行なうとともに種々の固体酸化物の濡れ性を測定した。

1)溶融純鉄と固体酸化物との接触角におよぼす表面粗さの影響は定性的には

Wenτelの考え方の妥当性を支芋寺した。

2)A r-H。雰囲気中での溶融純鉄の表面張力および固体酸化物(単結晶ア

ルミナ)との接触角はそれぞれ以下の式で表すことができる。

7 =1718-0.29(T(℃)一1534) (dyηe/c㎜)

θ =121-0,023(T(℃)一1534) (degree)

3)H=雰囲気中での溶融純鉄による種々の固体酸化物の濡れは付着濡れであ

り・溶妻美と固体酸{ヒ物との界面における結合は分子間力によ事ものが支配的であ

り、i部がfヒ学的相互作用によるものと思われる。

47

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第4董 溶融鉄合金による固体酸化物 の濡れ1性

4-i 繕 言

鋼中のマンガン、シリコンは鋼の合金元素として重要であるだけでなく、溶鋼

の脱酸剤としても広く用いられているがいずれの元素も炉壁の耐火物を侵食する

ことがよく知られている。

これらマンガン、シリコンを含む溶;実による固体酸{ヒ物の濡れ性の研究は脱酸

機構の解明や溶銅による討火物の優良横槍の解日月のための基礎自勺なデータを与え

るにもかかわらずほとんど行なわれていないのが現状である。これは1つには高

温における物性測定の困難さにくわえて、マンガン、一シリコンは酸素との親和力

が強く気相の酸素分圧の影響を受けやすく再現性の一良い勘定を行なうのが困難で

あることによると考えられる。

本量においてはマンガン、シリコンを含む溶銭による固体酸化物(アルミナ、

ムライト)の濡れ性を異なる酸素分圧のもとで測定し、さらに凝固後の試料界面

を亘P鮎Aによって饅察するとともに…式料の化学分析を行ない検討を加えた。

4-2 実 験

4-2-1 試料

本量で用いた鉄合金試料は電解妻夫、炭素飽和毒芙、電解マンガン、シリコンを所

定量配合し真空溶解して作成した。客試料申の炭素量はF e-M n合金について

は0.i w t%前後、F e-S i合金については0,005w t%前後であった。

また国体酸fヒ物として用いたアルミナは第2養に示したものとおなじ縄成のも

のであり、ムライトについてはT a b1e4・1に示す絹成の焼錯体である。

Table4・1 Comoposition◎fmuuite(■t%)

^一203 Si◎2

55.1 仙.3

τiO.2

D.2

Fe203

0.5

CaO

O.7

賄20

O.5

K20

1.5

50

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4-2-2 装置および方法

溶融F e-Mn合金/固体酸化物系の測定には第3量で用いた櫓型の水素炉を

使用し、また溶融F e-S i合金/固体酸化物系の測定には第2章で用いた縦型

の水素炉を便用した。それぞれの炉の特性については第2重、第3童で述べてい

る。 測定はArあるいは貰。ガス雰囲気中で、1600℃で行なった。

4-3 詰 果

4-3一至 溶鉄の表面張力におよぼすマンガン、シリコンの影響

静漕法による表面張力の測定では溝iの形状と重量とから密度の値も精度よく求

めることができるが、溶融F e-M n系では凝固鉄合金試料が酸化物と反応付蕾

する場合が多く試料重重の正確な測定が因婁喜であった。したがって溶融Fe一

一Mn合全の密度の値はD z h em11 e vの幅〔工〕を採用して表面張力を算出

した。 溶融F e-S i系については本量の測定で探られた密度の福を用いて表

面…長方を算出した。本量で得られた溶融F e-S i合金の密度の値を従来の報告

値〔2,3〕とともにF i g.4・1に示す。

7.2

モ7.O \ 凹 ) 68

、 一 66

ω 8 6.4 o Q 6.2

6.O 0 5 10

Si ContEnt ( wt% )

…=i冨. 4 ・王 1…ffect oξ Siい。on Content on Density of H(IIten 工ron

1

I ユ〕 ■ウ. 1“州舳;い㌧

_、r11淋三㌦@ ふ

\.^

51

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F i9.4・2に1600℃における溶融F e一蝸n合金の表面張力の結果を

従来の報告値〔4,5〕とともに示す。溶融F e一触n合金字表面張力は溶銑中

のM n含有量の増加にともない減少の傾向を示す。またH。ガス雰囲気中での値

の方がA rガス雰團気中での値よりも全体自勺に高い値を示している。

1900

_ τミミ…

⊂1600>で

o‘颪

二1300£

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● ●

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Fi嘗.司・2

10 20

^イη COnCeηfr0”0nC Wf%ノ

30

Effect of 同aη9anese or1Surface Tξnsioη of Ho工ten 王ron

ユ)Tsarevskii〔4〕 2)Preseηt}ork(inH.atm)

3)冒ud馴ko〔5〕 4)PFesent伽rk(in^ratm)

F i g.4・3に!600℃における溶融F e-S i合金の表面弓長力の結集を

従栗の報告値〔6,7〕とともに示す。溶融F e-S i合金の表面張力はいずれ

の結果も溶銑中のシリニ1ン含有量の増加にともない減少の傾向を示す。

52

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ミ1800U\① ・

1八岬ミ史

①幅00U㊦㌧」、

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一 I■ ■ I ‘一 ■ I ■ 1 一 ’. 一 ■

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・ρrεseηf WOr片

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0 , 5 10 S! coηc6ηケ∂オ!oηい〃オ。/。〕

戸i暮・い3 附ect◎fSi1ico・㎝SurfaceT・η・ioη◎fHo1teηIr◎n

O:Ka胴1etal〔6〕△:Dzhemilevetal〔7〕

○:P舵sent榊。戊

4-3-2 溶銑と固体醐ヒ物との接触角におよぼすマンガン、シリコンの影響

F i g.4・4,F i g.4・5にそれぞれ溶銑と固体酸化物との接触角にお

よぽすマンガン、シリコンの影響を従来の報告値ととともに示す。

F i琴、4・4からあきらホなように溶融頁e-M n合金と固体酸化物との接

融角は固体酸{ヒ物としてアルミナを用いた場合の方がムライトを用いた場合より

も大きい値を示す。この傾向はH。ガス雰囲気、Arガス雰囲気のいずれにおい

てもおなじである。F i9.4・5に示した溶融Fe-S i合金とアルミナとの

捧触角は溶融Fe一服Ω/固体酸fヒ物系とは異なり、単調な減少を示さずジリコ

ン含有量が0.6いt%近傍で極小値を示した。

53

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150

^i30

二1104

2

∈908

70

円814・4

o

o

○仁

U何

’◎一.x’、、■。\一マ.㌻、 \

0 10 20 30 M∩ Content(wt’’.〕

Chan8e in Contact ^n8-e of Ho-ten 1=ron on Soユ=d Oxide

凹i th Hanganese Contgnt in HoI tεn 工ron

O1㎝Al㎝i胴.inH;a前.6:㎝舳川te,1nH2at冊. △:㎝州u冊ina-n鮒at衙.△lonMlite,in^rat㎜.

… :τSヨrき・Skii et aけ8〕

0 5 . 1O

SiliCO・㏄n蜆・けaliOn(Wピん)

戸i8. 4・5 Chan8e in Contact ^n81e of HoIt畠n Iron on ^一口mir1a 』■ith

Concentr…11=ion of Sいi con i n Ho-ten I ron

△:Tsarevskii〔8〕 ○:Kin客erソζ9〕○:P㈱釧t糾。rk

4-3-3 溶妻夫と国体重菱化物との界.面自由エネルギー、付審の仕事におよぼす

シ1jコン、マンガンの影響

百i g.4・2~F i g.4・5の錯果をもとに式(2-4)を用いて界面白

史エネルギI一の値を求めた結果をF1g.4・6,F i g.4・7に示す。

また式(2・5)を用いて付著の仕事の値を求めた結果一をF i g.4・8,

F i官.4‘9に示す。

140ド I

I

\ I 1

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\ユ 1

1

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i

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一 一

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54

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2000

E

・1000ミ…

o

\1

\。・\↓\。\ ’\. 、

00 10 20 30Mn Con-or■一 {W、・’.,

Fi暮. 4.5 Chan8e iη Interfacia1 1三nergy bet帥een Ho!te口 Fe-Hn

則1oyandSolidOxide凶ithHn.C㎝tent ○:㎝^lumiηa,inH.atm ○:on舳川te,ihH.atm △;On^1㎜im,in^ratm ▲:◎nHu川te,iη鮒atm

Fi9.

E

】一800

i i600

o

o

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20000一 L ■ ■ 一 一

I 一’■ユ ■ 」⊥I■

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1

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o 5 一05ilioon :ono吉n㍑舳ion ’W一 ・}・ 、

4・7

:OnO吉n㍑舳10n{Wl・!・1

ChangeinIηterfacialEner冨ybet■eenHoはenIF0n and 兵1umina ■ith S{ Co-1tent

○:Ki㎎e÷y lヨ〕○:Pres・ntい。・k

55

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∈1200こ

110007

■コ800

16。。c

婁工/

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.9

400 0

\o

〔暮.い8

O:△:

lO・ 20 30Mn Content (’wt .∫.)

C卜ai18e 三n 同◎rk of ^d11esion りith Hn Content in

HO1teη Ir01・l

on ^l um i na, in H2 atm

on Aiu胴iηa, in ^r atm

o△

:◎n Hu11i te, i n ト12 at㎜

:On HuI1ite, in ^r atm

\o

一言700皇

ム500嵩

5 10 ;nioon oo冊En㍑川io。{“・.’.〕

Fi9. 4 ・9 Chaη8e i n 蝪0rk of ^dhesi oη w i th S i Conteηt i n

HoIt2n Iron

O:民i㎎ery19〕 ⑧:Pres帥twork界面自由エネルギーを算出する際に必要なアルミナ、ムライトの表面目由エネ

戸900 f二 ・

●L 一 一 ’

o●

プOO

● ’

_一.!/

500/

o。。。1

○ 弓 1〔

ルギーの値はそれぞれ750er暮/c喬 、 500帥g/c高を用いた。

56

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4-4 考 察

4-4-1 溶鉄の表面張力におよぼすマンガン、シリうンの影響

F i g.4・2からあきら赤なように溶鉄の表面張力は恥ガス雰團気中、

A rガス雰團気中のいずれにおいてもマンガン含有量の増加にともない減少する。

またH。ガス雰囲気中での値の方がA rガス雰囲気中での値よりも全体に商い値

I旦『 を示している。これは亘2ガス雰囲気の酸素分圧が2.6x i O a t mであるの

・工合 に対し、A rガス雰囲気の酸素分圧が1.7×10 a t mと高くこの影響がでた

ものと考えられる。酸素の影響が少ないH。ガス雰囲気中での溶融F e iMn合

金の表圃張力の値を従来の鋳異と比較すると、本量での結桑ほ

B.V.Ts a revsk iら〔4〕の1550℃での錆臭と類似の傾向を示し

た。

またF iき.4・3からあき一らかなようにシリコンも溶…笑の表面張力を減少さ

せる。本量で得られた結果は従来の結果と比較するとややシリーコンの影響が大き

いようである。

このように溶銑中のマンガン、シリコンは魏秦や硬奮ほどいちじるしくはない

が溶銭の表面張力を減少させる。これは定性的には以下のように考えることがで

きる。

親マンガン、シリコンの表面張力( 泌n;1080dy爬/㎝ at㎜.ρ. 〔10〕

、S i:865dyne/c㎜ at m.p. 〔11〕)が溶鉄の会面張力(1720dyηe/c胴

atユ500℃)よりも低く、溶銑中のマンガン、シリコンはバルク中に存在するよ

りも表面に存在する方が系の全体のエネルギー.を下げるととになり系は安定にな

多ことによる。

さて融体の表面張力に関してはこれまでに熱力学的なあるいは統…十熱力学的

な露点から種々の.壬里論的検討がなされている。とくにG1b b竃〔王2〕二

G u99e n h e i m〔13〕、B e i七〇n・〔土4〕らの研究がよく知られて

57

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いる。ここでは2成分融体の表面張力を統計熱力学的な観点から考察した

Gu9きe nh e i mの式をもとに溶融F e-Mn,F e-S i合金の表面張力

について検討を行なう。

Guぎge nhe imは2元系理想融体の表面…長カは式(4・ユ)、2元系正

則融体の表面張力は式(4・2)で表されることを示した。

e x p(一プA/RT)=X三ex p(一フニA/RT)

十Xノ・・P(i㌃A/RT)(4.1)

ここで γ:2元融体の表面張力(dyne/㎝)、A:融体1モルを同一平

面上に広げた時に占める面積(c希)、X己、X6:成分三。ノのモル分率

s ユ 皇 工 1 γ= プこ 十 RT/^ .Ln X~/X一一 m μXこ/^ 十 1W (Xζ一X) //^

S ユ S 工一 =η十RT/いL・Xノ/Xジ・いXノ/^十月(Xグ砂/^ (い2)

ここで 1,㎜:配位数に関する定数、H:混合のエネルギー

式(4・2)における1,mおよびXL-Xノについてはその…平価が難しくこ

れらの値の取り方次第で求められる表面張力の値は大きく異なる。本宣で対象と

している溶融F e-M n,F e-S i系のいずれも(特にF e-S i系)が理想

融体としてみなすことはできないことは混合熱の測定からあきらかになっている

が上述のように式(4・2)における」m.XいXチの…平価が園妻養であるた

め式(4・ユー)を用いて測定値との比較を行なった。

F l g.4・10、亘i g.4・11にその結果を示す。

…十算に必要な溶融鈍マンガン、シリコンの1600℃における表面張力の植は文

献の値を用いた〔10,12〕。

F i9.4・10からあきらかなように溶融F e-Mn系の表面張力の測定値

はGu99enhe imの理想融体に関する式(4・王)から求めた曲線とかな

り良い一致を示していることがわかる。一方、F i8,4・11からあきらかな

ように溶融F e-S i系の表面張力の測定値は式(4一)から求めた曲線から

はかなり隔たっている。

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④1800 」⊂ 、 ℃

⊂1εoo .9 ω = ④ ←

o U ε 』1200 =1 ω

1000 0 20 40 60 80 100 Mn Co・tε・〕.oド∫.)

戸ig, 4.10 Surface Tensioη ◎f Ho-ten.Fe-hn ^l ioy

一 : Caicu lated by eq. ( 4. 1)

2000

1800

1εoo.L1400 o

o o

1200

1000

ε1600ど害

音1ム。〇

三◎

.腕1200仁

β

山1000U○

ω

2000

1800へ

1600oo

o

1ム。o

1200

1000「

800

600

020406Ω月n1∩〔F三9. 4.1王

40 60 80 100

Si Cont呂nt {ot叩.〕

S・rfaceT帥・i㎝of岡。lten芦e-S1角U◎y

一:Car剛atedbyeq、(ザ玉)

混合熱の測定から溶融只e-Mn系はほぼ理想融体として挙動するが、溶融

F e-S1系は理想融体のみか正則融体からもいちじるしくはずれていることが

あきらかにされており、G u9きe n h e i mの理想融体の表面張力に対する式

(4・1)が正しいとすれぱこれら融体の性質は本測定結集からも裏付ける一こと

ができる。一

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4-4-2 溶訣と固体酸fヒ物との接触角におよぼすマンガン、シリコンの影響

F i9,4・4からあきらかなように溶銑と固体酸化物との接角虫色におよぼす

マシガンの影響は雰囲気、固体酸化物の種類によって異なる。固体酸{ヒ物として

ムライトを用いた場合にはマンガン濃度が10%より高いと溶銑/ムライト間の

反応がいちじるしく表面張力、接触勇の測定はできなかった。これはムライト中

のシリカと溶銑中のマンガンとの闇に式(4・3)の反応が生じたことによるも

のと考えられる。

2Mn +(S102); 2MnO + Si (4・3)

F i g.4・・5からあきらかなように溶銑と固体酸化物との接触角におよぱす

S iの影響はMnの場合とはいちじるしく異なっている。溶融F e-Mn合金と

アルミナ、ムライトとの窪触角はいずれの雰囲気中においても単調に減少するの

に対し、溶融F e-S i合金とアルミナとの接触角はシリコン濃度が0.6wセ%

付近で極小値をとる。溶融F e-S i合金とアルミナとの接触角は以前に

K三n g e r yら〔9〕によって渡I1足されているが、溶銭とアルミナとの接角臭角

はシリコン濃度の増加にともない単…馴こ減少するとしている。第1室でも述べた

ように溶銑と固体酸化物との接触角は測定看による相異が大きく、彼らの測定条

件が註紬にはわからないので本堂で擦られた結果と彼らの鋳桑とを単純には比較

できないが、4-4-3項でも検討するが、本研究においては気相の酸素分圧が

低く支持台として用いたアルミナの解離の影響によることも考えられる二この点

に関しては以下の項でさらに検…寸する。

4・4-3 溶銑と固体嚢菱{ヒ物との界面自由エネルギー、付着の仕事におよ

ぽ すマンガン、シリコンの影響

溶融F e-Mn合金と固体酸fヒ物との界面自由エネルギー、付書の仕事は測定

雰囲気、固体酸fヒ物の種類によりかなりの相異がみられ、界面の状況も異なって

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いるものと、霞、われる。

Fi8. 4・i2、 F i9. 4・13に凝固後の…式料果面をEPMAによって観

察した結果を示す。

LLL」_、。、 寸.竹

‡←O刈DE

{舳“

Fi8.4・12 X-ray Scaηηin8 Profi}e at Interface (in H。)

戸i9.4・王3 X-ray Scann i ng Prof i ie at Interface (1n H。)

61

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F i9.4・王2は亘2雰囲気中で測定した亘e-4.8w t%Mn合金とアル

ミナとの界面におけるX線強度曲線である。酸化物がアルミナである場合には界

面は明瞭に区別できることはあきらかである。F i9.4・13はH2雰囲気中

で測定したF e-4.8wt%Mnとムライトとの界面におけるX線強度曲線であ

る。Fig.4・王2のアルミナの場合とは異なり酸化物(ムライト)中にかな

りのマンガンの存在が認められ、また鉄中にはシリコンの存在が…轟められる。

F i g=.4・13を詳細に検言立すると酸化物中ではMnのKα線とS iのKα線

の極大値はA lのKα線の極小値とほぱ対応し、亙nのKα線とS iのKα観の

掻小値はA lのKα線の極大値とほぼ対応していることがわかる。.

これは本量で用いたムライト試料がTa b l e4・王に示したようにアルミナ

とシリカがそれぞれ55w t%、41w亡%である饒錯体であるために酸化物中

においてアルミナ粒子とシリカ粒子が未反応のまま存在し、このシリカ粒子と溶

銑中のマンガンとが反応したことを示していると考えられる。=

Ta b l e4・2にH2およびArガス雰園気中でムライトを用いて行なった

測定の凝固後のF e-Mn合金申のシリコン含有量を分析した結果を示す。

Tab!e 4・2 Siい。on Content in Fe一ト1n ^亘ioy aデter 巨xperiment

Si I ic◎n (ut%)

in ^r in H 2

Fe-4.8軌%Hn O.03 O.2i

Fe-6.2〕t%Hn O.03 O.36

Fe一ユ3.6Ht%Hn O.09 D.55

戸㌻27.O砒%Hn 1.1O 3.80

Ta b l e4・2からあきらかなようにFe一触n合金申のシリコン嚢は、

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H。ガス雰囲気、A rガス雰囲気のいずれの場合にもマンガン含有量の増加につ

れて増大している。また同一マンガン濃度の…式料ではH。ガス雰囲気で測定した

試料の方がA rガス雰囲気の場合よりも多くのシリコンが含まれていることがわ

かる。これは前にも述べたようにH。ガス雰囲気の酸素分圧はA rガス雰囲気の

それよりもかなり低く、そのために溶融F e-M n合金中のマンガンは雰囲気に

よってはほとんど酸化されず式(4.1)によるシリカとの置換反応によって酸

化され、その結果生じたシリコンが溶融F e-Mn合金申へ溶解する。’方、

A rガス雰囲気中では式(4・i)の反応よりもむしろ雰囲気申の酸素によるマ

ンガンの酸化が優先し、メタル中のシリコンの増加が少なかったものと思われる。

ところでF i g.4・.7,F1g.4・9からあきらかなように溶融Fe-

S i合金とアルミナとの界面自由エネルギー、付着の仕事は溶融F e一雌n合金

とアルミナ、ムライトの場合とは異なった挙動を示した。また本章で習られた界

面目由エネノしギーの結果はK i nge ryらの結果=〔9〕ともかなり異なってい

る。K i nge ryらはこのような結果をもとにG i bb sの式牽適用して溶銑

とアルミナとの界面におけるS iの界面遇秦1」童をもとめている。しかし、

G i b b sの吸着式の適用に際しては以下の貞に注意を払う必要がある。

王)界面において平衡が成り立っていること

2)吸若は単分子層であること

3)界面において吸着している成分が確…忍できていること

本研究においては上記3)に関しての確…竈が現時点では不可能である。もちろ

ん、通常の系においても固体/液体の果面に吸蕃している吸着種を直接に確認す

る方法はいまだないが界面張ナ1の変化からそれを予想することはできる。しかし

溶融F e-S i/アルミナ系については溶鉄の表面においてはともブトくとして溶

銑とアルミナとの界面においてシリコンが吸若しているとは考え難い。 F i g

4・i4に凝固後の試料中のアルミニウムと酸素の分析結果と接触角、付着の

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仕事、界面自由エネルギーの値とをまとめて示す。

EU\90033混

do』

ε

o.

o.

ol

0 5 Si (wt o’o)

戸ig.4・14 亘ffect of S川。on cn Wad,θ,and O

11 1ヂ\二1 。, o一一〇! o . 一

900

V00

@0T00奄S0

P30

P20

P10

@30

@20

@0

℃プ.㍉

5.L1。τ~_L.

P .1「

0 5 10

戸1ぎ.4・!4からあきらかなようにアルミニウムと難秦の分キ斤結果、特に

酸素の分析結果と付落の仕事の値とは3月獲な対応を示していると考えられる。

溶融F e.S i合金とアルミナとが接触した場合のシリコン濃度と酸素あるい

はアルミニウム濃度との関係は以前にA.Mc L e a nら〔15〕によっても春慶

告されており、その結果をF i9.4・15に示す。彼らの鋳果も本量で得られ

た結果と同様にシリコン濃度が0.6w t%付近で酸素濃度の最大値が現れており

測定温度が異なるにもかかわらず良い一致を示している。またアルミニウム濃

度の変化も類似の傾向を示している。

第5童でも述べているが、一般に酸fヒ物の表面は酸素で覆われていると考えら

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Eo.

o.

;≡1

1200 一 凹 ’

p妙・・。・1…1亘: =一.9川。

HcLeaη 川2コ.c〕

800 et al

./400

.∠

Present

_一戸’’コ一一一’川。rkO

ξ

ε・・、\

司、。』へ、1同楓

\く.

Present

. Present

1螂。rk O0 5 1C 讐(Wt。ム)

戸i g. 4.15 C◎mpari s◎η of ^1 and O はit卜1Reported Va lues 〔15〕

れておりそのような表面が溶融合金と接触した際には表面の酸素と墨も親和力の

大きい合金元素が界面に集まると考えることは熱力学的にも妥当であると考えら

れる。鉄、シリコンおよびアルミナの解離によって溶解したアルミニウムのうち

で重窒素との親和力の最も大きいのはアルミニウムであり、アルミナがある程度遠

元されるような条件下では溶融Fe-S i舎会とアルミナとの界面には

K i n g e r yらが考えているようにシリコンが吸香するのではなくアルミニウ

ムが吸着すると考えられるが、このことをあきらかにするためにはさらに多くの

データの蓄積が必要であろう。また凝固後の…式料界面のEPMAによる観察から

は溶融F e-S i合金とアルミナとの界面における反応に関する情報は得られな

かったが、これは界面において反応が生じなかったのではなく反応層が溶融F e

-Mn合金/ムライト系のように厚いものではなく極めて薄いためにEPMAで

は確認できなかったのであろう。

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4-5 結 言

溶鉄による固体酸化物の濡れ性におよぼすマンガン、シリコンの影響について

検討を行なった。

ユ)溶融F e-M n,F e-S i合金の表面張力はマンガン、シリコンの添加

によって減少する。溶融F e-Mn合金の表面張力の測定値は

G u g=g e n h e i mの理想融体に関する式をほぼ潜足するが、溶融F e-

S i合金の場合にはかなりずれていることから、溶融F e-M n系はほぼ理想融

体としてみなすことができるが溶騨耳e-S i系は正則融体ないしは実存融体で

’あると考えられる。

2)溶銑と固体酸化物(アルミナ、ムライト)との接触角、付替の仕事、界面

目白エネルギーにおよぼすマンガンの影響は雰睡1気によって異なり、気相の酸素

分圧が重大な影響をあたえる。シリコンの影響については以前の報告とはかなり

異なったが、酸素分析の結果とは良い対応を示しこの場合も気相の酸素分圧が童

大な影響をあたえているものと考えられる。

3)凝固後の試料の亘PMAによる分析の結果溶融F e-M n合金と固体酸fヒ

物(ムライト)との界面ではムライト中のシリカとマンガンとの置換反応が観察

され、これが接触角、界、面目由エネルギーの値フトアルミナの場合よりも小さい値

となる原因であると考えられる。また溶融F e-S i合金と固体酸化物(アルミ

ナ)との界面での反応についての情報は得られなかったが、両者の闇において反

応がなかったからではなく反応が界面近傍の微小部に限られていたことによると

思われる。このことは凝固後の…式料のアルミニウム分析の結果からも予想される。

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1)

2)

3)

4)

5)

5)

7)

8)

9)

1口)

11)

12)

工3)

14)

15)

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67

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第5童 溶鉄による固体酸化物の濡れ性 におよぱすW-b族元素の影響5-1 幸者 言

液体による固体の濡れは、液体の表面張力によって大きく左右されることはよ

く知られている〔1〕。

周真舅僅表のW-b族元素である繁素、硫黄、セレン、テルルは多くの金属、た

とえぱP b,C uに対して表面汚牲元素として作用することが報告されている〔

2〕。しかし溶鉄の表面張力に対するこれら元素の影響については溶融F e-O

糸あるいは溶融F e-S系についての報告は多くみられるが、溶融P e-S e系

ではわずフ)・にK i nきe ry〔3〕,Ko z a kev i t c hら(4〕、

S c h v e s c hk o v〔5〕の報告があるのみであら、F e-T e系について

はさらに少なくK i n3e ry〔3〕.Ko z a kev i亡。 h〔4〕らの報告

のみである。

またこれら表面活性元素の2種類が溶妻美申に存在する際の表面張力については

P o p e iら〔6〕による報告が唯一のものである。

」さら!ここれら表面汚牲元素が溶鉄による固体酸化物の・濡れ性におよぼす影響に

ついては現在までに章康告されているのはわずかに酸素についてのみであり、他の

元素の影響についての報告はいまだみられない。

本量におレ)ては溶鉄の表面張力および固体酸化物の濡れ性におよぼすの影響を

測定し検…寸をおこなった。

5-2 実 験

5-2-1 …式 *斗

本章で用いた鉄合金…式料は、Fe-O,Fe-S,Fe-O-S 合金につい

ては純鉄を所定の雰囲気中で溶解し、気相と平衡させた状、態で測定した。F e一

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S e.F e-T e合金については純鉄とF e-S e,F e-T e母合金を所定の

一書11合で配合したものを高周波炉で溶解したものを測定に供した。喜試料の組成は、

T a b1e5・1に示す。

Table 5‘1 0xySerl and Nitro8en Content in Pure 工ron, 戸e-Se

and 戸e-Te Aい。ys

A11oy Se or Te contεnt@ (wt三)

0xyg帥。ontεnt@ (叩耐〕

出trOg帥COnt帥t@ (PPm)

0.O00 16 3

O.013 16 4

0,022 29 5

ee-Se O.029 19 4

O.i20 13 4

O.247 17 6

O.410 59 12

O.00

0.012 17 ア

0021 19 6

Fe-Te 0.043 i8 io

O.060 16 フ

0099 16 10

5-2-2 装置および方法 一溶融頁e-O,頁e-S,F e-O-S系の測定はそれぞれA r一夏、一

H20,A r-H2一貫。O,A r-H。一貫20rH2S雰囲気串で行なった

ため測定は雰睡1気のコントロールが可能な構型のMo巻線抵抗炉を用いた。これ

は第3童の実験に用いたものと同一でありその…羊飼については先に述べた。

溶融F e-S e.F e-T e系の測定は、…式料の急冷が可能なM◎の円筒(

35φx130石×0.15d)を発熱体とする縦型炉を用いて行なった。この炉

の…手組については第4重において述べた。さらにこれらの系についてはセレンお

よびテルルが非常に蒸発しやすい元素であるため、溶義夫中のこれら元素の濃度と

気相とが平衡に達しているかどうかが問題となる。そのためセレンあるいはテル

ル粒を適当な温度に保つことによって雰囲気申に所定のセレン,テルル蒸気の分

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圧を与えることができるような炉を用いて実験を行なった。この炉の概略を

F1g.5・1に示す。

191

けO〕

1ハ

12〕

ぱj

13〕

14〕

151

61

7〕

181

Fig5・1 ^PParatusforHeasurement 1)Th・m。・。・Pl・2)S… T・Sh・t・3)~・t・。J。。k.t4)A1。。i。。

R…ti。・T・b・5)X一…Fil・5)C・・b・・H・・t・。7川。。i。。PiP。 甲)τト師・・o・Pl・9)H・t・1D・・P1O)X-myS。。。。ε

測定はまずアルミナ板を水平に置き、その上に約2gの鈍銭試料を置く。つい

でセレンあるいはテルル粒を管内上部にあるアルミナ製の皿の中に入れた後、

A rガスで約3h r炉内雰囲気の言換を行なう。言換後昇温を開始し、測定温度

に到達後溶銑漕とセレンあるいはテルル蒸気とが平衡に達するように310~40

m iΩ闇保持したのち、滴の形状をX線揚影する。

気相中のセレンあるいはテルルの蒸気圧はセレン、テルル粒を入れたアルミナ

の皿を上下に移動しセレン、テルルの温度を変fヒさせることによって調整した。

70

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5-3

5-3一王

F i9、

結 .果

溶鉄の表面張力におよぼす繁秦、硫黄、セレン、テルルの影響

5・2~Fi官. 5・5にそれぞれ溶鉄の表面張力におよぼす酸素、

撮黄、セレン、テルルの影響を測定した結果を示す。

1〃00~

㌧7600ζ○

岬⊆

o

ouμ0」0ミ…

’200

s-o.ool、リ:・’●

‘〃

t’

o’

‘2’

月8.5・2000’002σ03 0〃9帥 Cσ月C帥∫閉〃Oηr〃’%」

附ectofOxygenonSwfac台丁帥s- 援p◎f舳te・Ir㎝王) Ha!den et aI 〔8〕 2) Kozakevi tch et al 〔1 1〕

3)1…scheetal 〔10〕 4)Present囚。rk

ど2000Φ⊂

>で

oω⊂

①1500

U○

ω

O αl Q2 Q3 S・Iph・… ピ州y、α,

円g.5・3 巨ffectofSulPhur◎nSurfaceTensi㎝ofHo1tenIronO:Ha!d釧eta1(15?O℃)〔8〕 △:Kozakevitch(1550℃)一11!〕△:Dy・o・(1550℃)116〕 ○:P…。・tり。。k(16口O℃)

2000

豆・

1500

iOOO

矢㌧ ト ≒

o

n (1 〔r ^ ^

7王

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∈1800{Φ⊆

、9⊂ 1400.9

u1⊂

10000’

U○

ω60%

o underト12Atm。

・under Ar Atm⊂◎nセ。nng Se vQρor

O.1

Sden1umO.2 0.3 0.4

Concentroセion(wセ.。!。)

O.5

F二9- 5.4 一…ffect of Se…eη=um on Surface Teηsion of Mo1teη Iroη

∠㌧ :1く。zakevi tch (1550℃) 〔 4〕 〈>:Kingery (1570℃) 〔 3〕

○、⑤:Present目。rk(1600℃)

Fi9、

ε1800ど①

>ユ⊂1400.9

㎜⊂

⑭lOO08

コし∩

0

1800

o Under H2Atm.

1400 、 o under Ar Atm.

COntdning了e一I VoPor

O O1000 i O

一J

・600O O.05 0j〔

5・5

Teuurium O.05

ConcentrQtion(wt?∫o)

010

Effect of Te I1ur ium on Surface Tens…◎n ◎f Ho1ten

工ron

5-3-2 溶鉄の表面張力におよぱす酸藁、硫黄共存の影響

T a b l e5・2に溶融F e-O-S合金の表面弓長力を測定した結果をまとめ

て.示す。

72

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Table 5・2S。。佃。。Te。。i㎝ofHolt帥F・一〇一SAい・y

Concentration (日t%) Surface tension

idyn9/c㎜・)OXy8en SulPhur

口・10025 O.OOl 1?2035 O.O01 1700

0.口05口 口、口01 15400.O口34 O.ロロ3 ユ6工。

O.O口22 口003 i5500.OOコロ 口.ロロ日 151口

O.0025 O.口11 15000.O口53 O.O口6 1430.o.口”2 O.O口i 1-50O.O口27 O.012 145口O.01口O 0ロロ2 1ヨ3口

口。口目5 口.o口6

口.D口58 0.口15

O,口169 0.OO1 126口。’ロロ34 0.032 1240

5-3-3 溶銑と固体酸{ヒ物との接触角におよぼす酸素、硫黄、セレン、テル

ルの影響

F i g.5・6~F iε.5・9に溶銑とアルミナとの接触角におよぼす酸

素、硫黄、セレン、テルの影響を示す。F i g.5・10に溶融F e i S合金と

アルミナ,ライムとの接触角におよぼすSの影響を、戸i g,5・1ユに溶融

F e-T e合金と種々の固体酸化物との濠触角を示す。

150

戸i9、

)100王

び⊂」一

三・

一….50

8

O

O O.02 0,04 0,06 0,08

0xygen C◎ncentrQtlon(wt 。ω

5・6 巨ffect of Oxy8en on Contact^n91e of Hoiterl Ircn Oη ^Iuπlina

O:Tsarevskii〔7〕 ○:Presentは。rk

〇一

●\・

A\●

\6

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N

73

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〕1コO山

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Fi8.5・τ

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Su-Phur Concenこro-lon{w一.’.〕

盲ffe.t.fS・lPh・ro・Contact^・91“fHoltenIronOn ^lu固i11ヨ

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Se’en~、冊 Conζε月’rε〃。^{w’ツ・l

Effect o{ Seleniu掘 on Contact ^n81e of Holten Iron

on ^iu面ina

1+/~

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Fi9.5・ヨ

’70

@ ノ@ /!i∫50 ; I

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VO l@ O O.05. 一 〇. o

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Eff・・いfτ州・・i・“・C。・t・・t^・gl。。川。lt。。I。。。

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11O

戸て〕一〇一

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Fig.5・1口

01 αユ O〕 S・1・・wC。・仁舳。・。。τ州二∫.〕

Eff2ctofSu1的uronC㎝tact^n31eofHolt帥。Ironon So l id0#i de6

74

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18g

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⑦ξ

■140ε

ε

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120

中州0 23 o’二貼・…、/

ニイ◎ ! !・

! ’

O α05 一 α10

Te Content(wt%)

P i g. 5.1ユ 亘ffect of TeUuriu㎜ on Contact ^nミ≡≡le of 同。Iten

Iron on So1id Oxides

5-3-4 溶義夫と固体酸化物との付着の仕事、界面自由エネルギーにおよぼす

酸素、硫黄、セレン、テルルの影響

亘i g.5・2~F i g.5・王1の値をもとに式(1・5)牽用いて付着の

仕事を求め触異舳・…!・・Fi・二・・.13に赤ダ・また式(1.

4)を用いて界面目由エネルギーを求めた結臭をF i g.5・14,F i g.5

・15に示す。界面目由エネルギーを算出する際に必要な固体酸化物の表面目由

エネルギーの値はアルミナ,ムライト、マグネシア.ジルコニアについてそれぞ

れ750 er9./c霜,500erg./c話,7王0er含./c喬,620er8./c高を用い

た。

75

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Pi8.

’200

^ 十戸ト05y5“伽1

o

~SlOOO {芦トs sパ’冊、o、 巾礼一晶Sy市”』~800一 一恥一π5刈冊旦。

■、}6◎◎o

{、可 400“o

さ200ミ .1二.1

o、0o’ 002 ○り4 006 O.Oθ O.一

じOncεnt F籏中i nn ∩ヂ ^11(v{ト。 F1色mρ11・ O’O

じ。nc§nt耐ionof^U◎yi㎎Elemeηt(at%)5 ・12 亘ffect of A U oy i ng EIements ◎n uork of ^dhesion

betNeen 同。 l ten Iroη and ^一u111i na at 160口 ℃

N ε U 中A1203言800「二二貼。.。、

.26003毛

く400ち

よ旨200

……1

F19.

Pi9、

O O.05 α10

Te Content(wt。!。)

5・王3 Effect of TelIurium on-ork of ^dhesion betNeen 同。l ten Iron and So1id Oxides at 16口0 ‘C

2500ヘ

ミ…

~2000竺

㌧、

5山

⊆1500~

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{iOOOき

500

’φ一 戸。・O Sy;’oo

{ Fさ一s s」’躰,冊

5・i4

0002004006008010{a~・ん〕C。η・・加物舳〃ψgε/ε肌〃

Effect◎f^lI◎ying調ementonInte「faciaI戸「ee£ne「9ybetωeen Holten Iron and ^1umina at 1600 {C

76

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2100

ε

31903書

£170石

i150三

130 O O幻5 0jO Te Con-en三(、^叩。)

F三8. 5 .15 εffect of Teいuri um on 】:ηterfacia I Free Energy betいeeη

No I ten I ron and So I i d Ox i des at i600 ℃

5-4 考 察

5・4一工 溶鉄の表面張力におよぼす酸素、硫董、セレン、テルルの影響

亘i g.5・2,F i g.5・3からあきらかなように溶融F e-O系の表面

張力の方が溶融F e-S系の表面張力よりも測定看による相違が大きい。これは、

溶融F e-O系の方が雰囲気などの測定条件による影響を受けやすいことが原因

の一つとして考えられる。・

溶融Fe-O系の表面張力はF i g.5・2に示した以外にも多くの研究者一に

よフて報告されているが、F.A.亘a l d e nら〔8.〕

P.K02a kev i t c hら〔4〕の錯稟は多くの文誠で引用されており、そ

の信籟牲も評価されているようである。本量で求めた詰菓は彼らの報告よりも

酸素の影響が大きく、特に酸素濃度の高い領域での椙違がいちじるしい。このよ

うな相運がみられる原因としては主に次の2点が考えられる。

1)雰囲気ρ酸素分圧と溶銑中の酸素量との闇の平衡が達成されそいない。

2).凝固試料の酸素分析値が溶銑申の酸素量を適切に表わしていない。

戸・.A・H a l d e・nら〔8〕は浄{ヒした不活†生ガス雰囲気中でしかも0・5

atm.の減圧下で測定を行なったために溶姜案内部から表面に吸蕃した酸素が離競

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していく過程で表面張力を求めた可能性が考えられる。この場合に得られる表面

張力の値は平衡状態におけるよりも高くなる。 (この点に関しては第7童で秦細

に検…寸している)またK o z a k e v i t c hら〔4〕は不活性ガス翼囲気中、

亘。/H.O雰囲気中のいずれにおいても測定を行ない両者の闇に相違はみられ

なかったとしているが、彼らのデータをみる限りにおいては H2/H20雰囲

気中での値の方が不活性ガス雰囲気中での情より低い傾向にある。

本量で行なった測定では上記 1)、2)に起因する誤差を可能な限り除去す

るために測定は 亘。/H20雰囲気中で行ない、測定鋒了後は炉の降温を迅速

に行ない凝固試料の酸素分析を行なフた。

F iζ.5・4,F i g.5・5の溶融F e-S-e,F e-Te系の表面張力

を求めた結果のうちO印は亙。雰囲気中でアルミナ板上に溶融F e-S e.

F e-T e合金試料を漕化した直後に得た結果から求めた値であり、0印はセレ

ンあるいはテルル蒸気を含んだA r雰囲気中で! n解した純鉄試料が気相のセレン

あるいはテルル蒸気と平衡したものについて得られた個である。いずれの値も同

一曲線上にあることから、亘。雰團気中で得られた表面張力の値も溶…実中のセレ

ンあるいはテルル量に対応していると考えられる。

F i9.5・ユ6に本量で得られた表面張プつの結果をまとめて示す。 1800

E く き1560 言

ε 刈 2 ・引200

ξ 1ド1 ω \○

蔓gO。 \、 03 コ の 600 0 002 0.Oそ α06 0,08 0.10

C㎝・餉t・舳・o川1・yl・呂El・而・・t(ot%)

戸iεI 5.16 Effect of Alloying E!emeηt orl SuFface Tensioηof

H◎lten工ronat180D℃ 1-o・一 Fe_O Sソ5に掘 2 + Fo-S Sソsto耐

3 巾 F∈・So Sy5to耐 4{ Fe-To Sy5一書簡

78

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F i9.5・16からあきらかなように同一のat%では酸素の影響が轟も小さ

くその影響は原子番号の順に大きくなる。 (O < S 〈 S e く T e)

F i9.5・2~F i3.5・5の結果に、G i b b sの吸書式(5・1)を

適用して書添加元素の表面過剰重、表面における占有面積を求めた結果を

T a b l e 5・3に示す。

「し:一1/RT・dア/dlna二 (5・工)

ここで、「ピ表面活性元素iの表面過剰量(mOl/C命)、プ:表面張力(

dyηe/c冊)、一 ァ:iの活量

Tab1e 5 . 3 Excess Surface Conceηtratlon of ^一1oyl ng 亘!emeηt

and AFea Per ^t◎m ^dsorbed at 同eta1 Surface

F…而・一 一’ 一 . 一 ’ 1・ ・ 一 I. 一 一. 一 . 一 1 一 一 ‘ ’ 一 ’ 一 一 ■ 一 ’

EXCeSS OOnCentraj=iO口 Aroa per ato皿 Calou1ユted area 2 10(而。l/o㎜x1o ) ’2(^〕 ’2

(^〕

[’1 -1斤e-O

23-O 712 2’

U,O c1osed p■ckin冨 of O

8.2p1ine(ユ11)of 亘eO

Fe-S 14.9 11.2 z’PO.6 01o昌ed paoking of S

10.3 p1ユne(010) of Fe_S

互e-Se 12.8 12.9 2.P2.6c1oミ;ed paokiI1gof Se

11.5 p1里ne(O1O〕 of Fo-S直

1戸e1T「 ’O.4 15.O 1::lt::::。ll:kl:普」

Tab!e 5・3カ・らあきらかなように、表面における吸着占有面積は酸素

の72Aからテルルの王5-0A まで順次増加している。溶誤表面において、

これら元素が中性原子の形で吸著していると仮定して言十算した詰菓は酸素、硫黄

、セレン、テルルについてそれぞれ王.王A,3.4A,4.3A,5.9Aとなる.‘

方、これら元素が陰イオンとして表面に吸覆しているとすれば,それぞれ6.0A

,10.6A,i2.6A,15.4Aとなる。また表面層がそれぞれF e-O,F e

-S,F e-Se,亘e-Te構造の繍密面で形成されているとすれぱ,8.2ゑ

79

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10.3A.1i.5A,12,6Aとなる。本量で求めた詰果とこれらの計算値と

を比較すると溶鉄の表面ではこれら添加元素が中1性原手として存在していると考

えるよりはむしろイオンとして存在していると考えることができる。しかしこれ

らの占有面積を計算するもとになる表面過剰重の算出の際の誤差はかなり大きく

,たとえば表面張力の値の橋度(±25dyne/㎝ ),添加元素の分析精度等に

よって大きな影響を受けると考えられるから断言はできない。

5i4-2 溶鉄の表面張力におよぼす酸素、硫黄共存の影響

単一の表面活性成分を含む溶鉄の表面張力の低下は、式(5・2)で表わされ

る〔9〕。

プP一ア6=RT「ピ坦。g(1+k6a6) (5・2)

ここでアp:溶融純鉄の表面張力(dyne/㎝)、176;表面活性成分三を合む

溶善美の表面張力(dyne/㎝)、r’;成分’の溶銑表面における飽和吸着童

(m◎1/C霜)、k6:成分6の虫香係数、a6:溶銑中の成分6の活量

式(5・2)はSzyszkowskiの式として表面活性物質の希薄水溶

液の表面張力をよく記述することが知られており、近年多くの研究者〔ユ0〕に

よって溶融鉄合金系にも適用され、その表面張力をよく表わすことがあきらブトに

されている。

・工。 酸素および硫黄の飽和吸着童はT a b1e5・3からそれぞれ23.0×10

-10 呵。正e/c蒜,14.9x10 m◎le/cr亮である、aビニ航%どとし、F i g.5・

ξ、F i暮.5・3の結集から式(5・2)におけるγp,k’の値を求めると

溶一融F e-O系については式(5・3)、溶融F e-S系については式(5.4

)で表わされる。

プ:187ロー825五〇8(1+21〔1はt960) (dyne/cm) (5.3)

て=176ロー540Zog(1+135wt%S) (dyne/cm) (5・4)

式(5・3)、式(5・4)からあきらかなように溶融F e-O系から求めら

80

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れ.た溶融純鉄の表面張力の値と溶融F e-S系から求められた溶融純鉄の表面張

力の値には相違がみられる。これは式(5・3)で示されるF e-O合金申には

いずれの酸素濃度の…式料中にも0.00工ut%の磧黄が不鈍物として含まれ、式(

5・4)で示されるF e-S合金中には0.0025~0.0034航%の酸素が不

純物として含まれていたことによる。

式(5・1)は単一の表面汚牲成分とを含む場合の表面張力を表す式であり複

数の表面汚牲成分6.よを含む溶液の表面張力を溝是に表わす式は現在のところ

与えられていない。

今、2種類の表面活性成分一,jを含む場合の表面張力は式(5・5)で表わ

されると仮定する.

ア言7p-RTr6209(1+k’a’)一RTr二βo9(1一←k4aよ)

(dyne/cm) (5・5)

溶融F e-O-S系のパの値は百e-O合金申に含まれるS(0,001脱%

),F e-S合金中に含まれるO(0.0025~0.0034ωt%)の溶鉄の表面

張力への容与を式(5・5)によつてそれぞれ40dy爬/㎝,150~190

dyne/cm と見積もると娠責を含まないF e-O合金から求めた溶融純鉄の表面

張力は式(5・2)のバに40dyneノ㎝ を加算した19工0 dyne/㎝.酸

素を含まないF e-S合金から求めた溶融純鉄の表面張力は式(5・3)のプp

に150~190dyne/cm を加算した1910~195ρdyηe/cmとなる。し

たがって酸素、破萱を含まない溶融純鉄の表面張力の値として1910dyne/㎝

を採用すると溶融Fe-O-S系の表面張力は式(5・6)で表わすことができ

る。

プ:1810-8254cg(1+210ωt%O)一5仙Z◎g(五十王85はt%S)

(dyne/cm) (5.6)

表面層がたとえぱ酸素で飽和しているとすると」硫黄が添加されたとして喜)張賛

81

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の表面層への吸着は不可能であ.る。硫黄が表面に吸着するためにはそれに対応す

る量の酸素がバルク中へ戻らなければならない。 したがって式(5・6)は表

面が酸素と硫黄の両者で飽和するまでの濃度で成立する。すなわち

0≦(酸素の吸着率)十(硫黄の吸着率)≦1(ただし吸着率=吸蕃量/飽和

吸着量)が式(5・6)の適用範匿1と考えられる。バルク濃度と吸蕃量とがほぼ直

線闘係を溝足するのは酸素、硫黄濃度がそれぞれ0.0160Nt%,0.0300wt

%までであったので溶銭中の酸素、頂黄濃度の関数として式(5・6)の適用範

囲を考えると式(5・7)で表わすのが妥当であろう.

0≦ ωt%O/0.0160+ Nt%S/0.0300 ≦1 (5・7)

式(5・6)を用いて各々の酸素、硫黄濃度に対応する表面張力を計算した結

果をT a b l e 5・4,F i8.5・17に示す。未童で測定した表面張力の

誤差が±30dyne/cmであることを考慮すると、式(5・6)による計算値は実

測値をよく表わしでいると考えることができる。

Table 5.4 Surface Teηsion of 同。1ten 戸e-O-S 角1王。y

Concen1二r^=ion (、w1;%〕 S…’~ce[ension‘dyne/cnリ

。“ygen su1phur 眺per三me皿ユ1 c皿1cu1乱tion

0.0025 O.001 1720 ! 1719

Ω.0035 O.0Ωユ ユ70Ω 。 1673

0.0050 o.oo1 16“0 1613

0,003{ O.00コ 1610 1613

0.0056 0.001 i610 1592

0.0022 O.008 1560 一561

0.0030 O.O08 ユ5-0 1522

0.0025 0.O11 1500 1{99

Ω.005コ 0.006 〕80 I-67

0.0092 O.OΩ1 H50 い85

O.0027 O.O12 H5Ω 1{75

O.0100 01002 1380 1431

0.0085 O.006 1360 一コ6S.

0.0058 O.O15 1コ2Ω 131斗

O.0正69 0.001 1260 1328

0・oo㍗ 0.q32 12{O 126斗

82

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ミ.き

ミ1600史~

.£

}⊆

1400書

ミき

1200 1200 1400 1600

5・〃口・ε亡ξ・此・一ら。lr伽θ!・ml

Fi9. 5.王τ Co㎜Parison ◎f ExPerimentai Values with Ca…cu-ated

Values of Sur手ace Tension ◎f Ho-te11 戸e一◎一S ^U◎y

本登で測定した表面張力の誤差が±一30d州e/㎝であることを考慮すると、式

(5・6)による計算値は実測値をよく表わしていると考えることができる。

式(5・6)の妥当性を確かめるために他の研究者による報告値に対して一通用

を試みた。

溶融純鉄の表面張力については現在までに多くの翻究者によって奉嚢告されてい

るが、報告されている値の差異は大きい。T a b1e5・5に現在までに報告さ

れている溶融純鉄の表面張力の値のうち試料中の酸素、硫黄濃度が与えられてい

るものについて式(5・6)を適用した結集を示す。

Ta b l e 5・5に示した測定の多くは1550℃で行なわれており、式(

5・6)は1600℃における表面張力を表わす式であるが、溶鉄の表面張力の

温度係数は一0.02~0.50dyne/cm℃であるとされており、50℃の温度菱は

表面張力の値に1~25dyηe/㎝の相違を生ずるのみである.したがって

W・Es c heら〔工1〕。S.I.P,o pe1ら〔14〕の結集を除げば・

Ta b!e5・5の測定値と式(5・6)から求めた計算値とは良い一致を示し

83

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ている。

Tab Ie 5“5 SuFface Tens i on of Ho1teη Pure I roη

支・川

】nvビsしi芭^or Yビ川・丁舳p.

@{’C〕

Oxyge11.@1山完)

Sulphlll’@ lWし‘二1

γe・μ.

撃р凾獅?^ulリ

rωし撃пC川嘗!U刊〕

蜆e上一.

F.^.舳Men肌趾】 1955 1350 O.0006 0.O05 】717 171司 ぎ

W Esch白e正 阯1 1956 1550’ 0.007 O.00{ 159i :45b1、

P.I{OZ,ke)1しCh ビt 世】

k.Bo蟹d舳口y肌田1

1957

奄X58

1550

P550O.OO08

O.001

1二1.、

n.O05

8 :

P6?O

Pbdb

2

hl.;

S.1.Po昨1飢阯1 1961 16ΩO O.Ω042 u.OOそ 1710 i553 咋

B.C.貞u山一 上963 〕5州 0.00006 しI’. lddu 1910 9

V.H.εI・eIIlヒ11ku ヒ【 血工 」1り6一 ほ50 O,0008 O.002 18JΩ 17引 山6

D「一 ’

8-F-Dy舳“ 1963 1600 o.ool U.oo! 175そ 176→ I

K.阯ukHj eし。1 1967 1560 0.0014@ !

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O.OOい 16d(」 】72司

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18

山.三.F川50r一 ^】 ]971 1600 (O.OOl (O.001 1813 1801 .1『

K.阯。rj eユ一1 1975 16ΩO 1o.ool 』.OOl 1733 …501 必

支・川 1979 1600 O.0025 o.Ωol 1720 17]9

W.宣s c h eら〔!ユ〕.S.王.P o p e lら〔14〕の値と本義で求め

た値との相違の原因としては酸素、破養の分析精度が考えられる。

P.K o z a k e v i t c h〔21〕はこれら元素の分析誤差は20%にも達

するとしている。今、W.Escheらの分析値(0:O.07ωt%,

S:0,004帆%)が20%高く…平価されているとすると、1600℃における

表面張力の…十算値は!530dyηe/㎝(O:0.0056}t%.S;0.0032航

%)となる。表面張力の温度係数を考慮すれば、1550℃における表面張力は

153ユ~1555dy爬/cmとなり、測定値1591dyηe/㎝とは測定誤差を考

魔すれば良い一致を示していると考えることができる.またS.I.戸。 P e旦

らの分析は測定前の…式料についてなされたものであり、分析誤差以外に測定日寺に

おける酸素、硫黄量の変千ヒをも考慮しなければならず、ここでは…平価できない。

このように溶銑申の酸素、硫重量の正確は幅が与えられたならぱ、溶鉄の表面

張力は式(5・6)で表わすことが可能である.ただし溶義夫中の酸藁、硫黄髪に

84

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ついては式(5・6)でははt%を濃度規準として採用しているが他の元素、特

に鉄中に通常含まれる炭素の硫黄の活量におよぼす影響は大きく、その表面張力

も炭素量によって大きく変化する。したがってこのような場合には式(5・6)

は酸素、硫黄の活量で表わさなければならないことは言うまでもない.

さて、溶融F e-O-S系の表面張力については以前にS.工.P o p e1ら

〔6〕によって報告されている。彼らは酸素濃度(at%)と硫黄濃度(at%)の

和が一定の条件では潭…夫の表面張力は O/(O+S)の濃度比に対して曲線的

に変化し、O/(O+S)=0.5、すなわち O/S:1、において表面張力の

極小値が存在することを見出している。

Ta b l e 5・6に彼らの結果のうち式(5・6)の適用範囲を溝足するも

のについて表面張力を算出した結果を示す.

Tab le 『 .后 Surface Tension of Ho l ten 戸e-O-S A三1oy

Oxソ9en - SuIPhur

iωt%) (阯t%)

Surface te11sion (dy-1e/c冊)

7eXP アC引 害 プCa1警一

0.OOユτ O,O02口 181び 1?5口 1τ27

O.O口59 O.口130 1360 1340 1334

0.0050 O、口2口O 135口 1375 ユ290

0.0082 O.0110 128ロ チ

i3ひO 1290

讐:・・1・岬…一・・・…1 一テ㌻・:・・1・・1・・…川(1・・)

式(5・6)による一結果は彼らの測定詰異ともかなり良い一致を示しているこ

とがわかる。

F i g.5・1-8に武(5・6)を用いて求めた等表面張力曲線と本量で測定

した結果とをまキめて示す。

F i g.5・18においてwt%S/Nt%O:0.5を表わしている。

F i g.5・18からあきらかなように溶鉄の表面張力はNt%S+~t%○が

一定であれば”t%S/いt%O≒0.5で極小値をとることがわかる。これは裏

85

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、〃.

ざ々メ竺4∴lO0

560

一、レ

16 3普 レ箒、dΩ三,. 。・・

050∫OO∫50200 0〃geη一→ 1ρρmj

戸ig. 5’18 Iso-Surface Teηsion Cur〉es of Ho1ten 戸e-O-S Syste耐

面層におけるSとOとの相互作用を示唆しているとも考えられる。

式(5・6)を適用してS/O=一定のもとでの吸着量と占有面積を求めた結

果をP i g.5・19に示す。ただし式(5・6)は表面層が酸素と硫黄で飽和

するまで成立する式であるので式(5・6)の適用限界におけるdプ/d l n C

から得られる吸着量を飽和吸香嚢1として占有面積を求めた。実際の飽和吸着量は

ここで求めた幅よりも幾分大きく,したがってその占有面積もここでの値よりも

小さくなると考えられるがその傾向はかわらない。

86

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.<

o

o

O 1.O

○ぺO・S)

F i8. 5・19 Ca lcu lated Curves of OccuP1ed Area ◎f Surface ^ctive

】…!eme11t (◎,S ) at S/O =constant

10

T0

1_ 一

■一1

o

F i g=.5・19からあきらかなようにFe-O-S系の占有面積は下に凸な

傾向を示している。表面層において酸素と硫奮が占有している割合についてはあ

きらかではないが、両者が共存する際の占有面積は酸素と硫黄が単独に存在する

際の占有面積よりも小さい幅であることは酸素と硬董との闇の相互作用があるこ

とを示しているものと考えられる。

5・4-3 溶義夫と固体酸化物との接触角におよぼす酸素、硫養、セレン、テル

ルの影響

F i g.5-20に溶義夫とア㍗ミナとの接触角におよぼす酸素、硬黄、セレン、

テルルの影響をまとめて示す。.

F19.5・20からあきらかなように溶…夫とアルミナとの接触角は溶訪中に

酸素を添加した場合を除き、硫吉、セレン、テルルのいずれの添加によっても増

加の嶺向を示す。特にテルルを0.04at%するだけで接触角は136。から

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180

)150

α⊂120く

U〇一.90⊂

oU 60

1一/・ ’◆パ○

O^

Fi8.

レO’ ・

三三≒三’ 一i“一一Fe‘S System

{Fe-Se Sy s t e m \ 一一Fe・Te Sy…にm

0 Q02 α04 0C6 Q08 Ql O

Concentrotion of Alloying Element

‘oピ∫。)

5.2口 亘ffect of ^11◎yiηg EIement on Contact Angl e of

”Ol ten 工rOn ◎n Alumi na

工73.にまで増大す・る。硫黄、セレン、テルルのいずれの添加によっても凝固

後の鉄合金とアルミナとの界面は明瞭に区別でき二相闇の反応は観察されなかっ

た。一方、酸素の添加による接触角の減少は溶…夫とアルミナとの界面での反応を

示していると考えられる。 この点に関しては、5-4-4項でさらに検討を行

なう。

溶融F e-T e合金と種々の国体酸fヒ物との凄触角はF i g.5・王!に示す

ように用いた固体酸化物の幸重類によらず増加の傾向を示した。

5-4-4 溶銑と固俸酸{ヒ物闇の界面自由エネルギー、付蕃の仕事におよぼす

酸素、硫黄セレン、テルルの影響一

戸i9.5・14からあきらかなように溶銑とアルミナとの素面冒由エネルギ

一は溶銑中への酸素、硬黄、セレン、テルルいずれの添加によっても滋少し、そ

の影響は同一濃度(at%)では溶融F e-O合金/アルミナ系を別にすれば、表

面張力の場合と同様にS<S e<T eの順に大きくなっている.溶離P e-O台

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金/アルミナ系については溶銑申の酸素量の増加により、式(5・7)の反応が

生じ、溶銑とアルミナとの界面でハーシナイト(頁eO・A幻O。)が生成す

るため地の系とは異なった挙動を示すものと思われる。

Fe〇十A㌧03=FeO・A互203 (5・7)

このことは溶融F e-O台金/アルミナ系の凝固後の試料界面をX繰回析によ

つて調べた結果、ハーシナイトが確認されたことからもあきらかである。

F i g.5・14の界面自由エネルギーの値にG i b b sの喚番式(5・1)

を適用してそれぞれの最大の界面過柔1履、界面における占有面積を求めた詰果を

T a b l e 5・7に示す.

Tabie 5・7 亘xcess Intさrface Coηcentratioη of ^I1oying E互ement

and ^rea Per ^to而 Ads0Fbed at Hetal /^Iu冊iηa Interface

System ^rea Per ato㎜≠р唐盾窒b??(A 2 )

巨XCeSS COi1CeηtFatiOni・o!/。蒜。工0記)

戸e-S 1Z1 13.7

戸e-Se 18.0 9.3

戸e-Te 23,2 7.2

溶融Fe-O合金/アルミナ系については式(5・7)の反応が生じ、

G i b bsの吸香式の適用条件を溝足しないため…十算は行なわなかった。

Tab!e 5・3とTab亘e 5・7との比籔からあきらかなように遇乗.j童

は界面におけるよりも表面の方が大きく、また1原子当たりの占有面積は界面に

おけるよりも表面における方が小さい。

一般に酸化物の表面はF i9.2・24に示したように酸素イオンで覆われて

いると考えられており、本量における吸蕾種であ’る硫黄、セレン、テルルも陰イ

オンになりやす’い元素であるため、界面においてはこれら吸着種と表面酸素イオ

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ンとの闇に斥力が働くことが考えられる。このことが界面過剰童の方が表面過剰

量よりも小さい値をとる原因とも考えられるが…羊紬な検討を行なうためにはさら

に多くのデータの蓄積が必要である。

一方、溶銑含金とアルミナとの付言の仕率はF1g.5・12からあきらかな

ようにF e-O合金/アルミナ系を除いては溶銑中の覆董、セレン、テルル量の

増加にともなって減少する。特にテルル量が0,086眈%に達すると付着の仕事

は7er8/c希一にまで減少する。

酸化物と溶融F e-X(X;S,S e,T e)合金とが接触すれば接触界面の構

造は〔A l-O〕一Feあるいは〔Al-O〕一Xとなっているものと思われる。

亘i9.5・14からあきらかなように溶銑申の硫黄、セレン、テルルのいずれ

も溶銑とアルミナとの界面自由エネルギーを減少させ界面活性な性質をもつ。し

たがって溶銑とアルミナとの界面は溶銑中の硬董、セレン、テルル濃度の増加に

ともない、 〔Al-O〕一Feから〔A1-O〕一Xへと急激に変化していくも

のと思われる。

E b e r h a r tら〔22〕は溶融純金属とアルミナとの付着の仕事と酸化物

の生成畠山エネルギー変化との関係を求め、式(5・8)に示すような直繰開係

を得た。

W=一a△G。十b (5・8) ここでa,bは正の定数

本量での測定は溶融F e-X二元合金とアルミナとの付著の仕事であり、

E b e r h a r tらの報告は溶融純金属とアルミナとの付言の仕事の関係を求め

たものであるために直接には彼らの章良告を本量での結果には適用できない。

鉄、硫黄、セレン、テルルの酸化物の生成自由エネルギー変化は式(5・9)

~式(5・王2)で表わされる。

Fe(1)十垢02結);FeO(1) (5・9 )

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△GF2o 。=一35,3 ( …く。al/moI)at1600℃ (5・9’)

S陰〕 十陸02(9〕=SO〔9〕 (5・10 )

△Gso。 =一28.8 ( Kcal/m◎1)at16口0℃ (5・10’)

Se(g)十垢02(g〕=SeO〔g〕 (5・11 )

△Gs2o 。=一19.5 ( Kca!/’moI)at1600℃ (5・11’)

Te(g)十陸02㈲=Te0㈲ (5・工2 )

△GT2o 。=一11.9 ( Kca1/n1o…)at160口℃ (5・12’)

(ここで採用した△G。の値は〔23,24,25〕によった。)

本量においては系は平衡状態であるとブトんがえるられるので界面汚牲元素X(X

:S,Se,Te)は界面と液相とで平衡している、すなわちXの化学ポテンシ

ャルは界面と液相内吾匿でひとしく、この際のXOの生成反応の自由エネルギー翠

化は式(5・13’)で表わすことができる。

X+0 = XO(s or 4) (5・王3 )■

△Gxo。=μxo 一( μ丞十 μQ ) (5・13’)

今、△G。の相対自勺な比雲のために0:喝○。1割と竃き擦えると式(5・工3

)と式(5・13’)は以下のように表わすことができる。

X++%O:㈲=XO(s or 五) (5・王4 )

△Gxo吐 ;μ附 一(μ三 ÷κμoユ ) (5・14’)

i万、μxと純液体Xの{ヒ学ポテンジャルノ、ωとはその成分ごとに相違の程

度が異なる。式(5・9’)~式(5・工2’)の△G.3の値は式(5・ユ5’

)で表わされる。

△G・ぺ一μ刈1二,ガー(μ・心十舳二13) )(5.15’)

ここで μ66は成.分との繧準状態での化学ポテンシャル

本琶ではX≦O.4航%でありヘンリーの法則が成立すると仮定するとこの際の

自由エネルギー質化は次式で表わすことができる。

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△G。讐 =μxoδ、a) 一( μ三。讐 十%μθ:(畠) )

=μ・・(ち、al一(μパ十伽3ム・2〕).RT伽バ

=△G。一RTルnプx。 (5・工6)

ここでプ。は、無限希薄状態での成分Xの活量係数

たとえば1600℃においてはプx。二0.1とするとRT”nプx。は一8.6

( KCa1/mOl)たもなる。しかも本量で対象となる酸化物で液体状態での

△G。が与えられているのはF e Oのみであり他の酸fヒ物、SO,S e O,

T e Oはこの温度では気体状態である。したがって液体と気体状態との自由エネ

ルギーの相違についても着魔されていないことになるが、式(5・9’)~式(

5・ユ2’)の値をそのまま用いると酸{ヒ物生成自由エネルギー変化と付蕃の仕

事との関係はF iき.5・21で与えられる。

~、500 ……

言 5400

ミ ;300 呈 、 マ200 ミ

モ ○ ミ

0 ’0 20 3θ 40 50

一△Go rκcσ’/mo’ノ

F三g. 5 .21 Re王at ion between 目。rk of ^dhes ion and Standard Pree

亘nergy ◎f Oxide Formation

oFe1

500

S00

R00

Q00

f00

o

庄一5

@,

11

I@ l

@ ○序一Se

@{1V一r

I ’ ’ ’ 1 ‘ 1 ’ ^ ’

酸化物生成自由エネルギー理fヒの算出に際して前述のような闇題点があるため

に愚密なことはいえないがF iぎ.5・21はほぼ直線関係を溝足しているとい

える。

すでに述べたように付着の仕事に対しては溶銑中の酸素がいちじるしい最多響を

およぽし、さらに用いたアルミナの性質も影響するために本量で求めた鋳果と

92

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亘b e r h a r tらの結果とを単純には比較できないが頚黄、セレン、テルル

の添加による付着の仕事の減少を定性自勺に…見明することができる。

5-5 詰 言

溶繁の表面張力および固体酸fヒ物の濡れ牲におよぼす恢一b族元素(O,S.

S e,T e)の影響を測定した。

1)溶…夫の表面張力は酸素、硫黄、セレン、テルルのいずれの添加によっても

いちじるしく減少し、同一at%で比較するとT e〉S e〉S>O の順になる。

2)溶融F e-O-S系の表面張力は次式で表わすことができる。

プ=191ロー825 Iog (1+210 Nt960 ) 一54口 I◎g (1+185 ωt96S ) (dyne/cm)

ただしOくwt%O/O.口160+”t%S/O.03口O≦1

3)溶銑とアルミナとの接1触角はセレン、テルルのいずれの添加によっても増

火しその影響はテルルのほうが大きい。一方、磧黄はわずかに接触角を増大させ

るが酸素は接角曳角を減少させる。

4)溶銑中のテルルは本章で用いたいずれの固体酸化物との接触角も増大させ

る。

5)溶銑とアルミナとの付着の仕事は硫黄、セーレン、テルルの添加…こよって減

少し、同一at%ではTe>Se>Sの順になる。一方、酸素は付書の仕事を増大

させる。

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1)

2)

3)

4)

5)

6)

7)

B)

8)

1口)

11)

且2)

13)

14)

ユ5)

15)

1?)

5章 の 文 献

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94

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95

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第6童 減圧下における溶融鉄合金 による固体酸化物の濡れ性

6-1 籍 言

溶鋼の真空処理は最近の十数年闇に急速に発展し高簸鋼の製造時にはもちろん

替通鋼の製造時にも採用されてきている。実際の真空処理の際には溶鋼への耐火

物あるいは一次介在物からの酸素の供鎗を考慮しなければならず、減圧下におけ

る酸化物の挙動を知る必要がある。溶銅と酸化物との反応は酸化物の種類により

異なり、酸化物を編成する金属が溶鋼に溶解度をもつ場合と溶解度が極めて小さ

くかつ蒸気圧が大きい場合とでその反応の形態にいちじるしい相異がある。また

実際の真空処理の場合溶鋼の炭素減少量から書十算される酸素の減少量よりも実際

の溶銅中の酸素の減少童のほうが小さいことも認められている〔1〕。しかし渥

圧下における溶鋼と酸化物との相互作用に関する研究は少なく、いまだ十分な解

明がなされていない。

本量においては減圧下における溶鋼と固体酸化物との相互作用を濡れ性の観点

から検討するために溶融F e-C合金による種々の固体酸化物の濡れ性を減」三下

において測定し、さらに凝固後の試料果面の状況のEPMAによる観察および化

学分析を行なって検討を行なった。

6-2 実 験

6‘2-1 …式*斗

測定に用いた鉄合金試料はF e-O,F e-C合金でその期成をT a b l e

6-1に示す。

国体酸化物…式料は高純度のアルミナ、マグネシア、ジルコニアを用いた。

これらの酸{ヒ物の組成は第2,3重に示した。

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τable 5.1 Chemica1 Composition of Samp-e

0(PPm) C(w側 A1(wt剛

135 0,01 0.O07

44o O.01 0.O05Fe-O@ a11oy

1500 O.01 ,

O.008

49一 O.2章 O.004

29 0.76 O.117Fe-C

@ a11oy20 1.14 0.069

6-2-2 装置およヴ方法

本量の測定において用い炉はMo管を発熱体とする高層波炉(10.5mmH9

~ 10‘2mmH9)および黒鉛を発熱体とするタンマン炉.(三~10㎜H9)

である。それぞれの炉の概略をF i g.6・1、頁i g.6・2に示す。

高層波炉による測定ではまずアルミナ琶(25φx22φx120β)内にお

いた固体酸化物板(182×30Z×2d)上に円筒状の鉄合金試料(約2g)

を饅き炉内を減圧しながら、あらかじめ水平にセットした望遠レンズを装蕾した

カメラを用いて酸化物板を水平になるように調整し昇温する。…式料を1400℃

に約10分惑保持した後測定温度まで急速に昇温する。測定温度に到達後溶銑合

金漕の形状を所定の目寺闇間隔で撮影する。撮影後急冷(約30分で室温になる)

し凝.国後試料を切断し界面の状況をEPMAによって観察した。

■方、.タンマン炉による測定は固体酸化物(25φx4d)を水準器を用いて

永平にセットした後約29の鉄合金試料を縄鉄線(0.2¢)で…式料滴下装置にと

りつける。炉内を減圧した後浄化したArガスを導人し旱温を開始する。測定温

度に到達後約30分間俣持し再度炉内を減圧した後鉄合金試料を酸化物板上に置

き溶解後の滴の形状の変化を所定の時間間隔で渥影する。

97

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。 ・可 1。。。。。。。。。1。。/。

竈 ’ξ碍 ・“,’・

3

◎C,C■O◎C■O ・‘〕(,(;◎O O◎

『 2

Fig.

工diffusion pump

6 .1 ^PParatus for Heasurement

l Cu Coi1 2 Si0? 3 Si8htin8H.indo■4 0 5 Zr02 S hots l… Ho Heater τ ^I20 3 8

9 SO i三d Oxide

Rin8Heta l DroP

戸i8.

24

〃坪7

9

7言

’ ’

35

一68

’0

72

后・2 APParatus-f0FNeasure㎜entunderCO(tmosPhere l Heta- dro29i n8 asse掘bly 2 Ful・nace body 3 GrヨPhite

heat i ng 6!e冊畠nt 4 Heta l droρp-n8 guid8 5 Piston I■od

6 Sample 7 0xide pI ate 3 Pt -Pt .Ph1396 ther簡。couP■e

9 ^11』ninaセub6 -0 ・^1u歴ina r3diation shield

11 0pti o a- pyro㎜6ter !2 Ca而era

98

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6-3 結 集

6-3-1 高周波炉による測定

一5 F i8.6・3に1600℃、4x10㎜Hg=の減圧下での溶融Fe-440

p pmO合金の表面張力、アルミナとの接触角去よび付著の仕事の時間変化を示

す。

’5σO /5σ 6

£■

ε言 寄\\ 3豊婁 。 、3 3Iσσ0一 “ /20 ・

㌧ 。焔d 二毛 . \。 。事ε 二、・ \ .ぐ 。童ξ・σ。\ け・・一ミ書 \J 二…; 1\ρ 1一 。 0 6σo /0 2σ 3σ

r!η7e (∫η!η.}

戸ig. 6.:l Change i n Surface Tens三〇n,Contact Ang-e,and

〕ork oデ Adhesi01r wi th Ti me

貝ミざ.6・4に溶融F e-440p pmO合金とアルミナとの接触角におよ

ぼす冥窒度の影響を示す。

P iξ.6・5,F i9.6・6にそれぞれ1600℃、10■5㎜貫9のもと

での溶融F e-0.22%C合金の表面張力およびアルミナあるいはマグネシアと

の投融角、・付着の仕事の時間要化を示す。

99

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72D

一;、

㌧g0④

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0 70・ 20ηmεrm}η.ノ

30

Fi8.6・4Cha㎎eiηC◎ntact^㎎ieofP岬エト。non^1・mina “ith Time at 1600 ‘C

(1)’1・炉m・・(2)τ・10一ユ商(3).5・岬㍉商

㌧、^∈1500⊂ど.9①ω⊂ε訓OOO←)ω

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165

①^ ⑭ Φ’警

140石3 ξ3

1158 … 890

Fi8.6・5 Chan8e i n Contact (n91e,Sur face Tens i on of 同。 l ten 戸e-C

^11◎y on A1umina and 目。rk of ^dhesion むnder 5 x iO m而H9

100

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^ 1600 1‘0

』∈ 三之 ①? 2き 120・讐 蜆 、 2 α E O O,O ■ 〕 1000 100 ⊆ 3 く Φ 三 ・〇三 』 E コ o ω 400 60U

・o“^1600 o E 峯{ ざ91300 .9 o 山 ) ゆ f lOCO 口 く o ?oo

○ き 400 0 10 20 30 Tirne〔min〕

一:i8. 6.6 Chan88 in Conセact ^n818, Surfac9 τonsion of 掘。-ten F6-C ^11oy

㎝H80州d舳esionHorkbet舵馴Nolten Fo-C^い。yandH80 under7x10.5m商at1600℃

F iε.6・5,F iぎ一.6二さの比較からあきらかなように固体酸化物とし

てアルミナとマグネシアを用いた場合とではその傾向はいちじるしく異なってい

る。表面張力の値はいずれの酸{ヒ物の場合でも初冥月に増加する傾向がみられ、5

~7分後に極大値を示したのち減少するがその減少重は固体酸化物としてマグネ

シアを用いた場合の方がいちじるしい。また接触角、付着の仕事のいずれもアル

ミナとマグネシアとではいちじるしい福異がみられる。アルミナの場合には王0

分後に接角曳角の最小値および付着の仕事の最大値がみられ、以後接触角は増大し

付蕃の仕事は減少する。マグネシアの場合には付着の仕率は初期に最小値をとり

以後増加する。接触角は最大値を示した後減少する。

6-3-2 タンマン炉による測定

Pho to.6・1に6㎜H9の減圧下でのアルミナ板上での溶融Fe-O合金漕の

形状の経時変化を示す。

」一o

●『

1600

P300

P000

V00

S00

θ

〆」

,・!

’@ 1・ 1

O l0 20 30

101

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序σ07%O

片一ω5%0

帰一α76%C

PhOt0. 6.1

0π,’π 5m伽. 20m肋. 30m’π

ShaPe of Ho I ten I ron DroP 011 ^1u㎜i l1a at・1600℃ under

CO of 6”而H8

溶秩申の酸素量が135p pmよりも少ない試料では漕が正常な形状をとらず

表醐力、授昨の値を求めることはできなかった・

F1g.6・7に溶融F e一工500p pmO合金の表面張力の時間変{ヒを示

す。表面張力は漕下直後には1530dyne/㎝であラたものが30分後には

1680dy11e/cmに増加した。

、ε

く…≡…

ε

西

ouo㌧』=,

2000

o

o’500

’000 0

戸i8.6・7

O

0297ρρmρ閧T00ρρmρ@ I

6・o o1o ▲

^ ■^ ^ ^

’0 ・ 20 30 ηmε’m’η.ノ

Chan8e i n Surface Tensi on ◎f Hol ten I=e-O ^!1oy はi th Ti而e

102

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F i9.6・8,F i9.6・9に6㎜亘9の減圧下における溶融F e-C合

金の表面張力の時間変{ヒを示す。固体酸化物としてアルミナを用いた場合には清

下直後の表面張力が1430dyne/㎝であったものが時間の経過につれて増加し、

15分後にはほぼ一定の値となった。また固体酸化物としてマグネシアを用いた

場合の表面張力はいずれの炭素量の試料に?いても極大値を示した後減少した。

、ミ2000{さ

ミ§

竃1500塁

8迎sの ∫000 0

旦 ^、

/10 0

0

022%口σ76%C

・〃4%C

Fi9.6・8

竜ミ

童s

一ら

…≡;

8{s一

2θθo

5ア0’5202530 ηme rm仇ノ

Variation in Surface Tens三〇η of Holten 戸e-C ^1-oy on

(Iu㎜iηa }itト■Time at 王600 ’C uηder CO of 6mmHg

15θoへ

’θθoo

oσ22%ε

oO,76%C

・〃4%c

I,1.1〉く\・

!二!\ o

Fi9.6・9

5 ’O ’5 20 25 jO j5 ‘O

πmεf痂加.2

Variation in Surface ↑en……;ion of Holten Fe-C ^11oy on

Hagnesia N i th T i me at 160口℃ under CO of 8≡m耐HgC0

103

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6-4 考 察

6-4-i 高周波炉による測定

F i8.6・3における表面張力、繧触角の減少および付着の仕事の増加はい

ずれも溶銑申の酸素慧の変化に対応していると考えられる。所定の目寺簡経過後に

急冷凝固させた試料中の酸素量は10分後では837ppm,30分後では

土113 pp㎜と増加の傾向を示した。第5童ですでに述べたように溶銑中の酸

素は溶鉄の表面張力、アルミナとの接触角のいずれをも減少させる。F i8.6

・3の測定は平衡状態におけるものではなく、一方、第5童の測定は平衡状態の

ものであるため厳密な比較は困難であるが、定性的には第5童の詰果と矛盾しな

い。

凝固後の試料界面をEPMAによって観察した結果を亘i g.6・10に示す。

鉄山

一nセe『doe用伽1州O㌔p・〕

Meto一(Fe〕

αU

Al・K・(舳Icps〕

Fig,6・iO S6a㎜i㎎Pro川eatInterfacebetωe帥honand^lumina

F19.6・10からあきらかなように鉄/アルミナ界面において界面層の形

成がみられ、これが付着の仕事の帽大(接角史角の減少)の原因であると考えられ

104

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る。

戸三ξ. 5・4歩ξ島きξかなように繕憂婁亘。-4・塁夢畔弼。合金とアルミナ

との接触角は圧力の低下にともなって減少の傾向をしめす。

T a b l e6・2に所定の日寺間毎に急冷凝固させた試料中の酸素童を示す。溶

銑φの酸素量は同一時闇では圧力が低いほど、また同一圧力では暁闇の経過にと

もない増加している一 フがわかる。このことも定性自勺には第5章の結果と矛盾しな

い。

Table 6.2 Variati01r of Oxy8en C◎ntent in Fe-440ppmO 角I ioy

(ρρ冊)

Start 10 min. 20 min. 30 旧、n.

837

440 1085

1224

1028

1385

1475

一51113 under 4x10 mnlHq

一31680 undヒr 7x1O mm目9

1593 under 5x1O mmHg

F iざ.6・5,F i g.6・6に示したように溶融Fe-C合金の表面張力

、固体酸{ヒ物との接触角、付言の仕事は用いた固体酸化物の種類によっていちじ

るしい相妻があった。このような相異は式(5・1)、式(6・2)の反応が

溶融F e-C合金と国体酬ヒ物との闇で生じたことによると考えられる.

A120書 十 3C = 2Al + 3C○↑ (6・工)

MきO + C = Mg↑ 十 CO↑ ’ (6・2>

式(6・1)、式(6・2)の反応の結集生じたアルミニウムとマグネシウム

は、アルミニウムが溶銑申に溶解するのに対し、マグネシウムはほとんど溶銑中

に溶解しない。したがってアルミナを固体酸{ヒ物として用いた場合には溶銑中に

溶解したアルミニウムによって溶妻失中への酸素の溶熊が妨げられる。Ta b l e

6・3に所定時間経過後急冷凝固させた…式料の酸素分析の結果を示す。

!05

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Table 6・3 ◎xygen Content iη戸e-0,226C^11oy (Pρm)

Cxido Start 8 min. 15 min. 30 =コin.

A1!03 24 74 52

49M90 43 116 403

溶銑中の酸素量はアルミナ、マグネシアのいずれの場合でも初期酸素量が49

p叩から8分後にはそれぞれ24ppm,43pρmに減少し以後増加している。こ

の増加の傾向はマグネシアの方がいちじるしい。T a b1e6・3の酸素分析の

鋳果はF i8.6・5、戸i g.6・6の表面張力、接触角、付着の仕事の変化

の傾向を良くあらわしている。

このように用いた固体酸化物によって接触角、付着あ仕事のいずれもかなり異

なった挙動を示す。特に付着の仕事はアルミナの場合には20分後に380

ers’/c帝、30分後には230erg/c粛と低い値を示すめに対しマグネシアの場

合には20分後に1540er8/c高となり30分後には溶銑/気相/酸{ヒ物の3

相果面にいちじるしい界面唐が形成された。このような界面層の形成は

W.A.A rm s t r o n怠ら〔2〕によっても報告されている。

凝固後の試料界面をEPMAによラて観察した結果、溶銑/アルミナ界面では

界面層の形成は確認されなかったが、溶銑/マグネシア果面では界面届の形成が

みられた。このような界面層の形成の有無が付春の仕事の大小を決定しているも

のと思われる。

6-4-2 タンマン炉による測定

タンマン炉による測定はAr秀麗気中で昇温後減圧したため、Arガス中の飽

量の酸素や炉内耐火物の解離による酸素が発熱体である炭素と反応し、炉内の雰

囲気はCOの減圧になっているものと思われる。

Ph◎to.6・工に示したように初期酸素量の低い試料では滴の形状がいひ

ユ06

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つであった。これは6㎜亘g COに相当する雰囲気中の酸素分圧は1600℃で

は10’20a tmと非常に低く、支持台として用いたアルミナの急速な解離が生

じ、アルミニウムが溶鋼申に溶解することによるものと思われる。このことは凝

固後の試料のアルミニウム分析およびE PMAによる観察から確認できる。凝国

後の…式料のアルミニウム分析の結果をT a b l e6・4に示す。

Tabl e 后.4 ^1umi num Coηtent iη SamP-e

~Content (吠%)A l l o y

initial final (30冊in)

戸e-135p叩0 0.007 1.420

戸e-1500PPm0. O.008 0.O l O

T a b l e6・4からあきらかなようにF.e-135p pmO合金中のアルミ

ニウム量は測定前0,007%であったものが測定後には1,420%に増加してい

るのに対し、P e-1500p p mO合金中のアルミニウム童は測定前後でほと

んど変化がみられなかった。またP h o t◎、6・2に示すように凝国後の鉄/

ガス界面において約50μの厚さでアルミニウムの濃化しているのが霞察され、

このことが正常な形状の清を形成しなかった理由であると思われる。一方、アル

ミニウムの分析詰巣からも予想されるように、F e-1500p pm合金の表面

のEP逝Aによる観察ではアルミニウムの濃{ヒは確認されなかった。

今、発熱体として用いた婁鉛と気相との平衡を考えると式(6・3)が成り立

つ。

C(s〕 十 垢02㈲ 二 CO陰) (6・3)

o △G = 26700-20.95T(Rca1/mo1) (6・3I)

P.o=6㎜亘g(7.9x10i2a tm.)、0-c=1としてPo。を求める

とP o。=2.5x10’20a t m.となる〔3〕。この酸素分圧に相当する溶

銑申の酸素量は1600℃でユ85x1σ目%と言十算されほとんど零になる。し

107

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Photo. 6■2

Comρosκわη 〃ησgθ

X一町伽age0!尉κノ’クη∫材erわ。e

X-raノ〃ηage07ム〃κJ

加∫肘er危。e

ComP◎si t iOn Image and X-ray Ima8e at Surface of

戸e-135ρpmO ^I1oy

たがってこのような条件の下では本量で用いた試料申の酸素量はいずれも平担i酸

素量よりも多く測定時においては溶銑中から気相申への酸素の移行が考えられる

.20。またアルミナの解離酸素圧は1600℃では2.3x10 a tm.であり溶銑

申の酸素蟹の減少にともなって溶銑/アルミナ界面でアルミナの解離が生ずるも

108

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のと思われる。

F i g.6・7からあきらかなように溶融F e-1500p pmO合金の表面

張力は滴下直後には1530dyηe/㎝であったものワド、30分後には

1680dyne/㎝に増加した。第5童でも述べたように溶鉄の表面書長力におよぼ

す酸素の影響については現在までに多くの研究者によって測定され、その程度に

差異はあるがいずれも酸素は溶鉄の表面張力を減少させる表面活性元素であるこ

とがあきらかになっている。第5重の測定結果から本量で得られた慣、1530

dyne/cm、’1680dyne/cmに対応する溶銑中の酸素量はそれぞれ75p prn,

34PPmとなり、初期酸素量(1500PPm)とはいちじるしい差がある。

G i b b sの吸着式(5・1)から求められるように溶融F e-O合金と気相と

が平衡している場合の溶銑表面の酸素濃度は溶銑内部の酸素濃度よりもいちじる

しく高くなる。しかし気相の酸分圧が溶…夫との平衡酸素分圧よりも低い場合には

溶銑表面から気相申への酸素の離脱が生ずる。このさいに溶銑中の酸素の移動速

度よりも溶銑表面での酸素の離脱速度の方が遠ければ溶…実の表面酸素濃度は平衡

状態での表面酸素濃度よりも低くなり、その結果表面張力は高くなる。このこと

が溶銑申の酸素量が1500p p mであるにもかかわ李ず高い表面張力の値(1

530~1680dy爬/㎝)を示;す理由であると考えられる。このことは測定後

の試料の酸素濃度が240p pmに減少していることからもあきらかである。

またF i g.6・8,F l g.6・9に示した溶融Fe-C合金の表面張力の

経目寺変化も支持台として用いた固体酸化物の種類によっていちじるしい相異がみ

られる。アルミナを用いた場合には滴下直後の値が1430dyηe/㎝程度であっ

たものが時間の経過にともなって増大し15分経過後にはほぼ一定の値とな季。

初期炭素量が1.14%の試料ではその表面張力はほほ2000dyne/㎝にも達す

る。本量での研究においては表面張力の算出の際に必要な溶銭全会の密度の値は

いずれの試料についても第3童で求めた溶融純謀の密度の値、7179/c高、を

工09

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用いた。これは溶銭合金漕と気相あるいは固体酸化物との反応により溶銑含金の

組成、特に炭素量、の経目寺要fヒがあることおよび減圧下での測定であるため蒸発

による滴の童童の変fヒがあるために正確な密度の決定が国難であったことによる。

溶融F e-C合金の密度については現在までに多くの研究者によって報告されて

いるがその相異は大きい。初期炭素量がユ.14%の試料の30分経過後の炭素重

はアルミナを用いた場合には0.60%であり、この炭素量に対応する溶融F e-

C合金の密度は測定看によって絶対値に相異はあるが、溶融鈍妻夫の密度の幅より

約1%程度低いとされている。さらに炭素量の減少が式(6・ユ)によるものと

して溶銑中へのアルミニウムの溶解を考慮してもこの結果生ずる密度の減少は約

工.3%程度である。したがって溶融F e-C合金の表面張力の書十算の際に溶融純

鉄の密度を用いることによる影響はたかだか2.3%程度であり2000dyne/㎝

の表面張力の値を約50dyηe/㎝下げることになる。この値、1950dyne/㎝、

は測定誤差を者震すれば第5章で求めた溶融鈍妻夫の表面張力の値、王9i O

dyne/cm、と一良い対応を示していると考えられる。

’500

ぐ ε

{ ~

{1000 s ’ら

① 毛

{ ◎ 500 モ

05’0’52230 ηmθCm∫η.ノ

Fig, 6.1王 Change in Nork of Adhesion berwεen 同。lten 戸e-C (!1oy

and Alumina Ni1=h Time under CO of 信mmH貝

‘I

・一 P

o、二↓_・o

一〇回

o 一

oσ22ツκ‘

o ●0.76%C

‘λμツ.C

O

O’0Wノ! 〇一〇’On ‘ ’n ’5 2 2 30

王10

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一方、溶融F e-C合金とアルミナとの付言の仕事はF i g.6・11からあ

きらかなように溶銑中の炭素量の増加にともない増大している。とくに炭素量が

1-14%の試料では30分後にはほぱ1500erg/c話.手こも達しており、これ

は式(2・11)から求められる表面畠山エネルギー変fヒの値に換算するとほぼ

2SK c a l/mo lに相当し{ヒ学的な相互作用がかなり関与していると考えら

れる。凝固後の…式料の化学分析の結果をT a b1e6・5に示す。

Tab1e, 6.…ミ ^l um i nu㎜ Content i n So l i d i f i ed Sa而p l e

,.一eta1 A1u耐inum 6◎ncεntrati◎n (wt弟)

工nitia1 Fina1(30皿in.)

Fe-O.2㌶C O.O04 O.103

Fe-O.76弟C O.11 O・.5司O

re-1.ユ秘C O.069 O.689

T a b l e6・5からあきらかなように30分後の試料中のアルミニウム量の

増加は初期炭素量の争い試料ほどいちじるしく、式一〔6・1)の反応を裏付けて

いるものと考えられる。第4童でも述べているように、このようなアルミニウム

の.溶解がある場合には溶善美とアルミナとの界面にはアルミニウムが吸香し、その

結果付香の仕事の増大があるものと思われるがこの点に関しては今後さらに検討

する余地があろう。

またF i8.6・6に示したように、固体酸化物としてマグネシアをもちいた

場台の溶融亘e-C合金の表面張力の幅はいずれの炭素量の…式料についても極大

値を示した後減少の傾向がある。 この極大値をとるにいたるまでの時間は溶鉄

甲の炭素嚢によってことなり、炭素量の少ない試料ほど短目寺闇で極大値に到達す

る。このことは式(6・2)の反応によって溶銑中の炭素が消費され、その結果

生じたマグネシウムとCOが溶銭の表面近傍に存在している闇は表面近傍の酸素

分j王は低く押さえられているが、溶銑申の炭素が完全に消竃されつくした後は溶

111

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鉄の表面近傍の酸素分圧の上昇があることによると考えられる。

溶融F e-C合金とマグネシアとの付着の仕事はいずれの炭素量についても

アルミナとの付書の仕事よりも小さく、30分経過後の付着の仕事の値から計算

される表面自由エネルギー変{ヒの値も最も大きい0.76%Cの場合ですらq7

K c a1/m◎1でありアルミナの場合の約1/3程度であり、このことからだ

けではfヒ学自勺な相互作用もほとんどないものと考えられる。しかし実際には溶諜

中の炭素の減少量はアルミナの場合よりも大きく、いずれの・炭素量の場合も測定

後の試料申には炭素はほとんど含まれておらず溶融F e-C合金とマグネシアと

の反応はかなり大きい耳ずである。それにもかかわらず付着の仕事の値がアルミ

ナの場合よりも小さいのは溶銑中に炭素が存在している限り式(6・2)の反応

が生じ、常に界面においてCOの生成があるために溶銑とマグネシアとの接触が

妨げられることによると考えられる。炭素が消冒された後(多分、F i g.6・

9の極大幅に対応すると思われる)は表面張力の値がほぼ一定であることから溶

鉄の組成にもほとんど翼{ヒがなくマグネシアとの相互作用も少なくなっているも

のと考えられる。

6・5 結 言

減圧下における溶融鉄合金による固体酸化物くアルミナ、マグネシア)の濡れ

性の測定を行なった。

1)同一の系であってもモリブデンを発熱体とする炉と裏鉛を発熱体とする炉

とではその表面張力あるいは接触角の時閣変fヒは大きく異なった。これはモリブ

デンを発熱体とする炉では測定圧力がそのままほぼ酸素分圧に対応していたのに

対し、婁鉛を発熱体とする炉ではCO分圧に対応していたことによる。

2)気相の酸素分圧がいちじるしく低いタンマン炉による測定では溶銑中の酸

素量が高い場合でも得られる表面張力の値は非富に高いことから本章の実験条件

112

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では溶銑表面から気相への酸素の脱離速度は遠く、その際の溶義夫の表面張力は溶

銑申の酸素量によって規制されるのではなく気相の酸素分圧よって規制されても・

るものと考えられる。

3)溶融鉄合金によるアルミナ、マグネシアの濡れ性の相異は解離したアルミ

ニウムは溶銑中へ溶解するのに対し、マグネシウムは溶解度がほとんどないこと

一による。

113

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ユ)

2)

3)

第6童の文献

たとえばG.H.Bemett:JIS工,ユ95 (1960)P.工?4

目.H.^mstrong&D.J.Rose:Tmns.Het.Soc.AI肥,227

G,J.H.Ki nsman :J IS工,204 (1969) ρ、1463

(1863)p.1109

114

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第7童 溶鋼の脱酸過程における 界面現象の役割

7-1 緒 言

溶鏑の脱酸は製鋼過程において不可欠なブ1コセスであり、その可否ワド最婁冬的な

製品の品質を左右すると言っても過言ではない。したがって溶鋼の脱酸に関する

研究は古くから行なわれてきており願蕾養生成物の生成、浮上、分離の間観につい

ても現象的にはかなり醐月されてきているが、その機構が十分解日月されたとは言

い難い。溶鋼の脱酸過程は溶鋼と固相あるいは液相の介在物との異相閤現象であ

り、当然界面化学自勺な現象として取り上げることができるが現在この立場からの

検討はほとんどなされていない。

溶鋼の脱酸の効果を左右するのは主として脱酸剤の添加によって生成する脱酸

生成物がいかに速やかに溶鋼中から分離除去されるかにかかっている。この脱酸

生成物の分離速度を求めるために古くはF.H a r t m a n n〔1〕,

G.R a nぎu e〔2〕らによってS七◎k e s則によるとりあつかいが導入さ

れた。 しかしS t o k e sの法則による限り脱酸生成物の浮上速度はrと△d

(r;脱酉養生成物の半径,△d;溶鋼と脱酸生成物の密度差)に比例し、脱酸生

成物の大きさが同じであれば當度麦の大きい、すなわち脱酸生成物の密度か小さ

い、ほど浮上しやすいことになる。 しかしE.王)l o c k l ng e rら〔31〕

は種々め脱酸斉リを用いて溶銅の脱酸を行ない、アルミニウムによる脱酸とシリニコ

ンおよびCa-S1合金による脱酸との比較を行なった結果、生成した脱酸生成

物の大きさはほほひとしく、アルミナの比重がシリカあるいは珪酸塩の比重より

も大きいにもかかわらずアルミナの方があきらかに浮上・分離しやすいとしてい

る。彼らはこのような箔桑は溶鋼とアルミナ、シリカあるいは珪酸塩との濡れの

相異によるとしているがこのような考え方は現在のところかならすしも支持され

ているとはいえない。

王ユら

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またアルミニウム脱酸の際に溶鋼中にテルルを添加することによって脱酸生成

物の排出が助長されるという報告〔4~6〕もあるがその理由については何ら明

確な説明はなされていない。

本量では溶鉄の表面張力をいちじるしく減少させ固体酸化物との接触角を大きく

するテルルに注目し、アルミニウム.A1-S i合金,ジルコニウムによる脱酸

の際にテルルを添加し鋼塊の清浄度と濡れの諸量との関係について検…寸を行なっ

た。

7-2 実 験

7-2一ユ …式*斗

脱酸斉Ijとして用いたアルミニウム、シリコン、ジルコ子ウムの純度はそれぞれ

99.99%,99,999%,99.8%であり、鉄試料としてはT a b1e

7・iに示す組成の電解鉄を用いた。

Tab1e τ・1 ChemicalComρosit1onofεlectr◎iytic’工r㎝(・t%)

C S i Mn P O

0.008 0.007 0.002 0.003 0.0350

7-2-2 装置および方法

不重で用いた炉の概略をF iき、7・!に示す。

炉は臭鉛の円筒(70φx80φ×200乏)を発熱体とする高周波炉である。

測定は浄化したA〔ガス雰囲気中、1600℃で行なった。

実験はまず電1解鉄800ζを高純度アルミナルッボ(63φx55φ×100

タ)中に装入し、脱酸剤およびテルル試料は鉄製の容器(約20g)中に入れ炉

の上部にセットした。

脱酸斉リはアルミニウムによる月寅酸の場台、電解誌試料の0.2}t%.ジル:コニウ

ムによる脱酸の場合,O.4ωt%、A l-S i合金による脱酸の場合,S l:0,8

ユ16

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航%、A l10.02州t%とし、テルルの添加重はいずれの場合も0.02wt%とな

るように配合した。

炉内を浄化したA rガスで約5目寺閤置換した後黒温を開始し所定の温度に到達

後約5分間保持した後酸素分析に供するため内径3㎜の石英管で溶銑約59を吸

引渓取する。その後ただちに脱酸剤およびテルル試料を装入した鉄製の容器を溶

銭中心部に挿入する。所定時馴果持した後、亘eガスを溶鉄の自由表面に吹きつ

けて鉄試料を急冷凝固した。

急冷凝固試料はまずその上部表面の状況を肉目臭で観察したのち、内部の脱酸生

成物の分布、形態、大きさ等を光学頭微鏡および走査型電手順鮫鏡で観察した。

また酸案分寺戸も同時に行なった。F iき7・2;こその際の分析位置をしめす。

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7-3 結 果

P h o t o.7・1に溶鉄をアルミニウムで脱酸した試料の凝固後の上部表面

の状況を示す。

Photo.

lc

Ni thout Te treatment

一.!・・、

ω一th Te treat而1ent

7.1 Appearence of Surface of I ng◎t at 5m i n. after ^! add i t i on

118

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溶銑にテルルを添加した場合、肉目良譲察の結果鋼塊の表面は白色の粉末で覆わ

れていることが確認された。この白色粉末は鋼塊とは完全に分離しており静かに

息を吹きかけるだけで飛散した。この白色粉末はX線回折によって同定した結果

α一A1203であることが確認された。排出されたα一A1203の童は約

0,391で初期酸素童の約60%が除去されたことになる。一方、テルル無添加の

試料表面についてはテルル添加の際に観察されたα一A120。はみられなかっ

た。表面を電解研磨後走査型電顕によって観察した詰菓、テルル無添加の鋼塊表

面近傍は板状の大きなクラスターで覆われていたのに対し、テルル添加の鋼塊表

面にはほとんど介在物は春在しなかった。ジルコニウムによる脱酸の錯黒もテル

ルの影響についてはアルミニウムによる脱酸の場合と類似の傾向を示し、テルル

添加の際にはアルミニウムによる脱酸の場合よりも少ないが鋼塊表面にかなりの

量の脱酸生成物の排出が観察された。アルミニウムによる脱酸と異なる点はジル

コニウムによる脱酸ではテルルの添加により鋼塊の側面部(ルツボとの界面)に

も相当量の脱匿萎生成物の排出がみられたことである。

S i^A1合金による脱酸の際にもその表面状況はアルミニウムによる脱酸や

ジルコニウムによる脱酸ほどいちじるしくはなかったが、テルルを添加した…式料

では表面に薄い逐日月な脱謹生成物が排出され。これはX銀回折の詰異ムライト(

m口1いt e)であることが確認された。

P h o t o.7・2にS i-A1合金による脱酸を行なフた鋼塊表面近傍を走

査型電手顕微籟で観察した結果を示す。

テルルを添加した…式料では鋼塊表面から脱璽生成物が排出されたため表面近債

にはほとんど脱酸生成物は讃察されないがテルル無添加の試料では多重の脱酸生

成物が排出されずに残存しているのがわかる。

1ユ9

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←50戸

リ1thout Te treatmeηt ”1t1’、’I-e treat㎜e11t

Photo7・2 Sca㎜ln8ElectroηH1crograPhatI㎜ed1ateV1clmtyof Surface ◎f In8ot Deox i d i zed 阯i tト ^!一S i

F iε.7・3~F i g.7・6に脱酸剤としてアルミニウムを添加後それぞ

れ5分、10分後に急冷凝固した鋼塊中央部および銅塊側面部における脱離生成

物の面積百分率と酸素分析の詰果を示す。

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Distribution of 五nclus…on in th亀sur{aceΣoηe of

i㎎Ot(ingOt/C㎜CibleinterfaCe)atiOmiη.aft鮒^l addi tion

121

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脱酸生成物の面積百分率はJ工S G0555に定められた格子を用い、400

倍の倍率で30視野観察した結集を算術平均し求めた。酸素分析については同一

の部位を各2回分析した結果を平均した。

F i g.7・3とF i g,7・4に示すように5分後に急冷凝固させた試料の

脱酸生成物の面積百分率は鋼塊頂部から底部にいたるまでテルルを添加した鏑壊

の方が小さい。またこの傾向は頂高号においていちじるしい。この結果は先に述べ

た銅塊表面の肉目良観察および表面直下の走査型電顕による観察結果と矛盾しない。

また鋼塊中央部と側面部とでは中央部の方が腺酔生碑物の総量は少ない。

F iζ.7・5と亘i g.7・6のアルミニウム添加後王0分の試料では

P1き.7・3とF i g.7・4の5分後の…式料ほどテルルの効果は頭書ではな

いが頂部においては明瞭な差がみられる。

亘i g.7・7とF i g.7・8にZ r脱酸を行なった試料の脱酸生成物の面

積百分率と酸素分析の錯果を示す。一

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o30と ( ざQ06

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Fi冨、 7・7 Distribution of Inc-usion in Center-of 工ngot at 5min

after ;三r Addition

22

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仁 o u30 015 9 ? LL ト

920 こOlO く

ε10 gO05 ω コ U ∫ O O . 1 toP b◎ttom toP bottom Roti◎ of DistQnce fr◎m Sur{αce

Fig. 7.8 Distribution of Ii1clusion iηSurface Z◎ne◎f InS◎t (工ηgot /CFuc ible Interface) at 5m i n after Zr Add三tion

■Withou二Te Treotmenlo With Te TreOt ment

3.O1

2.O1 1

i

1P一 一

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1

ジルニ1ニウムよる脱酸の場合もアルミニウムによる脱酸と同様にテルルを添加

した銅塊の方が中央部、側面部のいずれにおいても脱酸生成物の重は少ない。

F i g.7・3とF1g.7・4のアルミニウムによる脱酸と異なる点はジルコ

ニウムによる脱酸では鋼塊中央部より鋼塊側面部の方が脱酸生成物の量が少ない

ことであり、このことはジルコニウムによる脱酸ではテルルを添加した際に鋼塊

側面部において多量の脱酸生成物の排出がみられたことに対応する。

F i g.7・9と百一g.7・10にS一一A!合牽によって脱酸を行なった

…式料の脱酸生成物の面積百分率と酸素分析の結果を示す;

S i^A1合金による脱酸におけるテルルあ効果はアルミニウムによる脱酸や

ジルコ三ウムによる脱酸の場合ほど覇薯な・ものではなく、S i rA1合金を添加

後6分益由した試料ではテルルの動臭はほとんどみられなかった。3分後の試料

ではF i g.7・9とF lぎ.7・王0からわかるように鋼塊中央部の頂部およ

び鋼塊の側面部においてテルル添加の効果がみられた。

ユ2.

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(I㎎ot/C川。ib1eInterface)at5岬inafterS卜A川dditi㎝

7-4 着 察

本量で行なったいずれの脱酸においてもテルルの添加は程度の麦はあるが効果

自勺でありこの貞に関して界面fヒ学白勺な立場から検…寸を行うg

溶鋼の,貌酉菱過程を速度論的な観点、から考えると脱酸機繍は次のような素過程に

124

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分けることができる〔7〕。

1)脱酸元素の溶銅中への溶解と酸素との反応

2)脱酸生成物の核生成

3)核の成長と凝集

4)脱酸生成物の浮上

5)脱酸生成物の溶鋼からの分離

実際の脱酸過程は上記の客乗過程が段階自勺に生ずるのではなく、

L1nd bu r9ら〔7〕が述べているように各素過程が並行して生じていると

考えられる。溶鋼と固体酸化物との闇の界面自由エネルギー、付若の仕事、接触

角の値が影響をおよぼす緊過程ほ2).3),4),5)であり、ここでは第5

童で得られたこれらの値をもとにこれら素過程についそ検…寸を行なう。

7-4’1 脱酸生成物の核生成

均質核生成の理論によれば、半径r(C m)の球形の脱酸生成物が生成する場

合の熱力学的自由エネルギー変fヒ△G(erg/nucleus)は溶銑と酸化物との闇

で界面を形成するのに必要なエネルギーと酸化物の生成による自由エネルギー変

fヒの項で表わされる。

△G = 4πr2 ア 一 4/3・πr3△Gγ (7・1)

ここでr:酸化物粒子の半径(C m).プ:溶銑と酸{ヒ物との闇の界面自由エ

ネルギー(erg/c后)、△Gヅ:酸化物の生成による体積自由エネルギー変{ヒ(

e㎎/C吊)

生成した核が安定に存在しうるためにはその半径がある臨界半径r讐 (㎝)よ

りも大きくなることが必要であり、ビは式(7・2)で表される。

r‘= i2プ/△G 一一 (7・2)

したがって臨界核の生成に要するエネル・ギーは式(7・3)で表わきれる。

}25

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△G普: 16πγ /3(△Gレ)2 」 (7・3)

核生成が生ずる溶鋼申の過飽和度Sは式(7・4)で表わされる。

S=K・/K・ (7・4)

ここでKs:過飽和溶調中の酸化物の溶解度積.Ke:析出反応の平衡足数

過飽和廣Sと脱酸生成物の生成による体積自由エネルギー変化△Gγとの闇に

は式(7・5)が成立する。

S 畠 exp(△Gr・ ソノRT) (7・5)

ここでガ:脱酸生成物のモル体積(C品/mOl)

したがつて式(7・4), (7・5)より次のGi bbs-Tho満sonの

式を得ることができる。

r讐: 2γγ/RTlnS (7・6)

式(7・さ)より臨界半径ビは過飽和度が大きく界面自由エネルギーが小さ

いほど小さくなる。

・方、脱酸生成物の核生成速度Iは式(7・7)で表わされる。

工;Aexp(一△G讐/KT) (7・7)

ここでI:核生成速度(n u c1e i/c高・sec),K;ボルツマン定数

・16(1 381x10 er8/℃),A頻度因十

式(7・7)における頻度因手Aは式(7・8)で与えられる。

A富n讐(aプ/9πKT)・n(KT/h) (7・8) イ 式(7・7)において鴫の値が通常102s~王028であり〔8〕、 Iの値を

31としても10 としても核生成の過飽和度の値にはほとんど影響しない〔8〕

ためここではI=1として式(7・7)に式(7・3)を代人することによって

式(7・9)が得られる。

△Gγ=2-7(プs/KT五〇9A)灼 .(7・9)

したがってI=1に対応する臨界過飽和度Sは、式(7・9)を式(7・4)

126

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に代人することによって得られる。

S讐: exP〔Z7ぴ1/RT・(r3/kT五◎9A)I幼〕 (7・10)

式(7・10)を用いて、テルルを添加した場台とテルル無添加の場合の臨累

過飽和度を比較した結集をT a b l e(7・2)に示す。T a b l e(7・2)

からあきらかなように溶銑中にテルルを添加することによって 尼n S讐/

エnSTe癸の値はいずれの酸fヒ物についても1.27~i.37の範囲にあり、テ

ルルは核生成が生ずる臨界過飽和度を大きく減少させることが予想される。

↑ab l e 7 .2 Cr-t!ca l Supersaturat1on for Hom◎8ene◎1』s Nuc l eat l oη

oxide 一n ^

r/ln ’rτ』

^!20;. 1.27

3^L203・2Si02 1.37Zr02 1.30

7-4-2 核の成長と凝集

脱酸生成物の成長については比数的童鈍な仮定にもとづいた考え方が多く提出

されているが、実際の脱酸生成物の成長は種々の機精によって生ずると考えられ

る。現在までに報告されている脱酸生成物の成長に関する理論には以下のような

ものがある。

1)ブラウン運動による凝集成長〔9〕

2)拡散による成長〔10〕

3)粒子藺の相互作用による成長〔7〕

4)浮上途上での凝集と成長〔11〕

この他にも2)と4)とが組合わさったとする考え方〔11〕や強請11的ながく

はん下での凝集と成長〔12〕などがある。

本章においてはこれらのうちで溶鋼と脱酸生成物との界面の牲貿がその成長に

127

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かなり鋭敏な影響を与えると考えられる3)、4)について検討を加える。

L hd b u r gl To r s s e,は脱酸生成物の成長速度は式(7・リ)

で表すことができることを示した〔7〕。

d r/d亡=2アsLVmCoD/RT(CP-Co)/r2 (r/r,r1)

ここでγS。:溶鋼と脱酸生成物との闇の界面自由エネルギー(erg/C蒜)、

Vm:脱酸生成物のモル容積(c蒜/ml)、C◎:溶銅と脱酸生成物との界面に

おける溶鋼中の脱酸生成物の構成成分の濃度、C p:脱酸生成物中の構成成分の

濃度、D:溶鋼申における脱酸生成物の構成成分の拡散係数

またrcrは脱酸生成物の平均半径であり式(7・12)で表すことができる。

「c「3;4/9・2アsしVm Co D/RT(Cp-Co)t (7・12)

式(7・12)からあきらかなように脱酸生成物の大きさは溶鋼と脱酸生成物

との界面自由エネルギーの値が大きいほど大きくなることがわかる。

盲i g.5・i5からあきらかなように溶銑中にテルルを添加することによっ

て溶銑と固体酸化物(脱酸生成物)との界面自由エネルギーはいちじるしく減少

しT eを添加しない場合には溶銑/アルミナ、溶銑/ジルコニア、溶銑/ムライ

トの素面自由エネルギーはそれぞれ2030帥g/c話、1610町g/c話、

ユ740erg/c請であったのに対し、0.05%のテルルの添加によってそれぞれ

の界面自由エネルギーは1650erg/c霜、1370erg/c蒜、1340

erg/c吊にまで減少する。

式(7・12)において界面自由エネルギーの値以外の定数(CoCP,D)

はテルルの添加によって影響を受けないと考えられるのでテルルの添加の有無に

よる脱酸生成物の半径の比は式(7・13)で表わされる。

(「ごr/ノrcrTε)3;γsL/プsしτ色 (7・13)

式(7・13)に各々の界面目由エネルギーの個を代人することによってアル

ミナ、ムライト,ジルニ1ニアのr〔r!「〔・τ言 はそれぞれユ.07,1.06、

王28

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ユ.09となる。一方、走査型電子顕微観による観察から志られた結果によればア

ルミナ、ジルコニアの比はそれぞれ1.75,Z00となりいずれもテルルの添加

によって粒子径は小さくなり式(7・13)の結果と定性的には一致するものの

その差異はおおきい。この原因の一つとして7・4・1項で述べたようにテルル

の添加による臨界過飽和度の減少が考えられるが現時点では定量自勺な解釈はでき

ない。

一方、溶鋼中の脱酸生成物の凝集が浮上途上における体積拡散による規結に要

する時間tは式(7・14)で表わきれる〔12〕。

t = X-5RT/r2KアsしVD . (7・14)

ここでX:粒子結合部の半径(p m).r:粒子の半径(c m),K:幾何’学

的形状国字(10~100).γ・し:溶銑と脱酸生成物との界面自由エネルギー

2V:脱酸生成物の分子容(㎝/m◎1)、D :体積拡散係数(㎝/sec)

塩原は式(7・14)を用いて2μの脱酸生成物の焼結に要する時間tを求め

た結果158秒を得た〔13〕。彼の実験条件下ではアルミナ系脱酸生成物は浮

ト途上で凝集焼結できると述べている。本堂の研究結果では溶銑内部の脱酸生成

物の平均粒子径はムライトの場合を除き、アルミナ、ジルコニアのいずれも2μ

よりも小さくまたテルルを添加した場合の方がテルル無添加の場合よりも小さい

今、式(7-14)の界面自由エネルギーの値としてFiき.(5・15)の

傭を用い、DvについてはKuc zynsk iの値口斗〕㌧4,4Xユ0.工2

C喬/SeCを採用し、豆た走査型電子顕微鏡による観察結果から粒子径としてアル

ミナについては0.7μ(テルル無添加)、0.4μ(テルル添加)を、ジルコニア

については1.0μ(テルル禦添カロ)、0.5μ(テルル添加)としX=r/3と仮

定することによってtの値を求めるとアルミナについては7-8s e c‘テルル黒

添加)1.7s e c(テルル添加)、ジルコニアについては38.0s e c(テルル

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無添加)8.5s e c(テルル添加)となる。したがっていずれの脱酸においても

テルルを添加することによって凝桑焼結の進行が容易になると考えられる。

一方、溶銑申の脱酸生成物の凝集にともな.う自由エネルギー聖化、△G.o』

は式(7・15)で表わされる〔15〕。

△Gcoト : 2(アs…… 一プs」) (7・i5)

ここでア書S :脱酸生成物闇の界面自由エネルギー(er8/C話)

・般に、プss ≦ア。vであるが、プss ≒プ訓 とおくことによって式(7・

15)が得られる。

△Gooh = 2アLvcosθ (7・16)

式(7・16)にFig.5・5,Fig.5・11のア1,θの値を代人

することによフてそれぞれの△Gc。トを求めた結果をTab1-e 7・3に示す。

TabIe 7・3 Valuesof△Gcoh

△G coh (8r8/c畠)oxide

Hithoutτe tr. Hi thτe tr.

^1203 i2600 一2000Zr02 一1950 一1450

T a b l e 7・一3からあきらかなように熱力学自勺にはT e無添加の方が脱酸

生成物の凝集には有利である。しかし現実にはテルルを添カロすることによって凝

集が進行している。これはTa b l e 7・2に示したようにテルルの添加によ

って核生成の段階で臨界過飽和度が小さな値をとることおよび凝集焼結が短時闇

で進行することによるものと考えられる。

7-4-3 脱酸生成物の浮上

静止洛中の脱酸生成物は溶鋼と脱酸生成物との密度差によフて浮上し、その際

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の浮上遠度はS t o k e s則にもとづいて式(7・17)によって与えられると

されている〔15〕。

、「=2gr2 ・△d/9η (7・17)

ここでぴ:脱酸生成物の浮上速度(㎝/sec)、g 重力加速度(980

cm/sec )。η:溶鉄の粘性(p o i s e).△d:溶銑と脱酸集成物との密

度差(9/C吊)

式(7・17)が成立するためには以下の条件を溢足しなければならない。

(1)溶銑は無限に拡がった非圧縮性流体である。

(2)脱酸生成物は球状である。

(3)溶銑と脱酸生成物との間にはすぺりがない。

(4)R e y n o l d s数は1以下である。

宮下ら〔8〕は静止状態に保った溶銑中の酸化物粒手の浮上遠度を求めた結果

1次脱酸生成物の浮上速度は式(7・17)から計算される値の1~1.5倍で

あると報告している。

式(7・17)に溶銑と脱酸生成物との界面性質の寄与を考慮すると脱酸生成

物の浮上遠度は式(7・17)に式(7・王8)に相当する係数を乗じた式(7

・19)で表される。

k=(3η十βr)/(2η十βr) (7・18)

ここでβ:摩擦抵瓶係数(0≦β≦・。)

1∫宮28r2/9η・ (3η十βr)/(2η十βr) (7・19)

宮下らの報告による1.5倍という値は式(7・ユ9)においてβ=○、すなわ

ち完全に滑る場合(濡れない)、に相当する。

またP r o k h o r e n k oは溶銅と脱酸生成物との濡れ性が静止浴申での浮上

速度におよぼす影響を考慮し式(7・20)を導いた〔王7〕。

ソ’:2/3η・1〔r2g△d/3一(Wad-2プsv)/π〕 (7・20)

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式(7・20)のもつ物理自勺意味に疑問はあるがアルミナが浮上する場合を考

え、η=5.3(c.p.) 〔18〕,△d=3-13(g/c高).γ馴=750(

‘3erg/c高),r=10 (㎝)とするとテルルの添加によって浮上遠度は1.42倍

となる。ここでη、△d、γの個としてどのような測定値を採用しても結果には

大差はない。

式(7・19)、式(7・20)からわかるように溶銑にテルルを添加するこ

とによって脱酸生成物の浮上は促進される。

ところで凝固後の銅塊内部の脱酸生成物の走査型電子頭徹套童による観察結果か

らいずれの脱酸においてもクラスター状の脱酸生成物が観察され、この傾向は同

一の脱酸剤による脱酸ではテルルを添加した場合においてより頭薯であった。

脱酸生成物がクラスター状であればその見掛けの半径は大きくなり、この場合

には式(7・17)からあきらかなように浮上遠度は大きくなる。

このようなクラスター状の脱酸生成物の浮上に関しては以前にK n q p p e l

ら〔19〕によワて報告されている。彼らによれば溶窮との濡れが暑い固体の脱

酸生成物(アルミナ)同志が接触した際にはその接融点の周圏に空隙が生じ、こ

の空隙が生ずることによって脱西養生成物の見掛け密度が減少し、浮上速度の増大

がもたらされるとしている。

このように本量の結集からあきらかなようにテルルの添加によってより大きな

クラスター状の脱酸生成物か生成された場合には見掛けの半径が増大するのみで

なく見掛けの密度の減少も肴えられ、その浮上速度はテルルを添加しない場合よ

りもいちじるしく大きくなることが期待できる。

しかし本研究においては高周波炉を用いたため溶湯が激しく誘導かくはんされ

、脱酸生成物の浮上速度にはこの影響の方が大きく、テルル添加の効異について

ははっきりと判断できないと考えるのが妥当であると.思われる。

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7-4-4 脱酸生成物の溶鋼からの分離

Pho to.7・1に示したようにテルル添加の効果が最も顕著であったのは

この過程であるが、この過程に聞して速度論的に取り扱った報告は皆無でありわ

ずかに熱力学的に検討したK◎z a k e v i t c hら〔14〕、銃言十力学的モテ

ルを用いて解析したM aセh e wら〔20〕の報告があるにすぎない。

K o z a k e v i t c hら〔14〕によれば溶誤表面にから脱酸生成物が排

出される際の自由エネルギー変化、△Grem,は式(7・21)で表わされる。

△Grem = 2γsv +プしv 一(プ帥 十γ冒し)=W種 (7・21)

したがって脱酸生成物がアルミナの場合の△Gr§mは500erg/c后(テルル

無添加)、80er8/c請(テルル添加)、ジルコニアq場合は820erg/c話

(テルル無添加)、380erg/c粛(テルル添加)となり、テルルの添加によ

って著しく減少する。しかしテルルの添加によっても△Gr帥>0であり熱力学

的には排出が生ずることはない。実際にはいずれの脱酸においても排出効果がみ

られ、この原因としては次のことが考えられる。

1)溶鉄の対流による

2)溶銑表面の脱酸生成物があとから浮上してきた脱酸生成物によって挿しあ

げられる

Ma t h ewら〔20〕によれば溶鋼に循環流があり、脱酸生成物が活発に蓮

勅している場合には濡れにくい介在物ほど小さい活性{ヒエネルギーで循王婁流の外

側つまりルツボ壁、溶鋼の表面への移行が可能になるとしている。

本量での研究では高居波の…秀導かくはんによる溶鉄の激しい対流があり溶…失表

面に浮上した脱酸生成物が再度溶銑申へ巻き込まれる可能性があるが、溶銑と脱

酸生成物の付着の仕事が小さい場合には溶誤表面に脱酸生成物がとりのこされる

ものと思われる。

脱酸生成物の順次の押し上げ効果については目寺闇の経過にともなって排出され

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る脱酸生成物の量は多くなりこれを手甲し上げるほどのエネルギーをあとから浮上

してきた脱酸生成物が有しているとは考えられないためこの効果はほとんど期待

でまない。

7・5 結 言

アルミニウム、S i-A1合会、ジルコニウムによる溶鉄の脱酸を行ない界面

化学自勺な立場から検討を加えた。

1)いずれの脱酸においてもテルルを添加することによって鋼の清浄度の向上

がみられる。

2)脱酸機構の素通程において特に5)の溶銅からの脱酸生成物の分離の過程

が鋼の清浄度を左右し、脱酸生成物の分離性はテールルの添加による付着の

仕事の減少で説日月できる。

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1)

2)

3)

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9)

工。)

1王)

ユ2)

13)

14)

王5.)

18)

17)

18)

・19)

20)

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王35

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第8章 総 括

本論文は冶金反応において重要な役割を演じている界面、特に気一液、固一液

界面、の性質をあきらかにするため溶鋼の表面張力および溶銅一による固体酸化物

の濡れ性について測定し考察を行なった。

本論文によって鐸られた結果の概要は次の通りである6

第1章は序論で、高温冶金プロセスにおける濡れ性の測定の重要性を述べると

ともにその測定の原理、従来の研究の概要および問題点を指濾した。

第2章では溶融純金属による固体酸化物の濡れ性を測定し、これら両者の間に

反応がない場合には濡れ性は酸化物の標準生成自由エネルギーと国体酸化物を寺賛

成する金属のイオン半径によって概ね決定されることを示した。

第3章では溶融純鉄による固体酸化物の濡れ姓を測定し、濡れ牲にお一よばす圃

体酸化物の表面の粗さ、測定温度の影響を求め、さらに溶融綿鉄と国体酸化物と

の闇には一部fヒ学的な相互作用が働いていることをあきらかにした。

第4章では溶鉄による固体駿化物の濡れ性におよぼす合金元素(マンガン、シ

リコン)の影響を測定し、これら元素を含む場合の濡れ性を考える際には気椙の

酸素分圧が重要な因子となることを示した。

第5童では溶融金属に対して表面活性元素として作用するW‘b族元素(O.

S,S e,T e)に注目し、溶銭の表面張力および固体酸化物の濡れ性におよぽ

すこれら元素の影響について測定し、溶鉄の表面張力におよぼすこれら元素の影

奪は周期律表の原子番号の順に大きくなることをあきらかにするとともに溶毒夫に

セレン、テルルを添加することによって回年酸化物は濡れ難くなることをあきら

かにした。

さらに界面{ヒ学自勺に興味があるだけでなく実擢菜においても重要であると肴え

られる複数の表面汚1性元素を含む場台の溶鉄の表面張力につも.・て検討するために

溶融F e-O-S系の表面張力を測定し、その表面張力は次式で表すことができ

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ることを示した。

プ ニ19ユ0-825109(工十210ut%O)一540109(1+185ωt%S)

ただし 0くNt%O/0,016+いt%S/O.0300≦1 一(at1600℃)

またこの式を用いることにより従来の溶融純鉄の表面張力における測定の大き

な相異は試料中の不鈍物としての酸素、琉董によるものであることをあきらかに

した。

第6章では減圧下での捜索において問題となる耐火物の安定性を検討するため

溶融鉄含金による固体酸化物の濡れ性を減圧下で測定し、その挙動が大気圧下と

は大きく異なることをあきらかにした。

第7童では製鋼反応において墨も重要なプロセスである脱酸過程に本研究の結

果を適用し、従来目月白な説明がなされていなかったアルミナクラスターの携出に

およぼすテルルの効果についてその原因を解明するとともに、テルルがアルミニ

ウムによる脱酸以外のA1-S j合金による脱酸、ジルコニウムによる脱酸にも

有効に作用することを見出し、これら現象が溶鋼による固体酸化物の濡れ性で説

明できることを示した。

137

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謝 辞

本研究を遂行するにあたり、常に適切な御指導を賜りました大阪大学教授荻野

和巳先生に心より御礼車しあげます。また本研究の初期において御指導を賜りま

した大阪大学名誉教授足立彰先生に厚く御礼申しあげます。

本論文を作成するにあたり、有益なる御助言と御教示を賜りました大阪大学教

授岩本信也先生、幸塚書作先生、森田書一郎先生に渓く感謝いたします。

また本研究の計画、実行にあたり日頃から御援助を戴いた大阪大学助手西脇醇

先生、原茂太先生、また技術的な働援助を戴いた同技官中井正雄氏に厚く御礼申

しあげます。

さらに共同研究者として研究にあたり多大なる御協力を頂いた大阪大学工学部

冶金学教室秋野研究室の卒棄生、在学生の皆様に心より御礼申しあげます。

本研究の遂行にあたり、大阪大学⊥学部冶金工学科・金属材料工学科の教職員

の皆様には日頃より御指導、卸硬達哉きました。ここに厚く御礼申しあげます。

本研究の春用の一部は文部省科学研究冒によるものであり、ここに記して感謝

の意を表します。

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美き暴毫竃翁二支

本論文に関する発表論文は次の通りである。

王)溶融純鉄による固体酸fヒ物の濡れ性 毒矢と鋼 59(1973)p.i237

2)溶鉄による固体酸化物の濡れ性におよぼす酸素の影響 毒矢と蓑圏 59(1873)ρ.i38〔;

3)溶鉄の表面張力および国体酸化物の濡れ性におよぼすS e,T eの影響 …夫と鋼 68(198〔1)ρ.1τ9

4)溶融F e-O-S系の表面張力 .鉄と鏑 (投稿中 昭和57年エユ月ユエ日受理)

5) Role of 工nterfaci al P11enomena in De◎x idat ion Process of Ho1teη 工r◎η

Iηtern. Sympo. on the Ro1e of Ii1terface iη

同etaI正urgica- React ions, Hami1ton,Canada (王98i)

(Canad.朽et.Q.;22(ユ983)No.ユ (inPress))

6) The 1≡ffect of SeIenium alrd Te11urium on tトle Surface Teηsion of

Ho…eη Iroη and Wettability of So王id Oxide 王S工J 23 (1983) No.3 (iη ρress)

7) Ne1二tab iいty of So1i d Oxides by Li qu i d’I roη

T§chno王. Reρt. of Osaka Univ.20 (1970) p.509

8)’Su rface Chem i ca三 Study σn H〇三ten 旦ron -So-i d Ox宣de System under

VaCuum

Proceediη8s of tトe 4th I旧ternationa- Conference on

VacuumHetaいurgy p.4マ

ヨ)蜘ttab川tyof則㎝i胴byIr㎝Aい。ys柵dDissolllti㎝of則u㎜inaiη Sla9

τ卜e舳JaPaη一USS京JointSymP.㎝Pトンs.Chem,of

トletaU山9icalProcess(197τ)Tokyc.切洲P.i

王0)溶銑合会による固体酬ヒ物の濡.れ性 学振19委 製鋼.反.応協議.会I昭和50年9月

!1)溶謀の脱酸におよぼすTeの影響 学帽15委 製鋼.反応協議会 昭和54年5月

!2ハ、風圧下における溶融詳合金による固体重引ヒ物の濡れ性 謀と鋼 (投手葛予定)