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SPORTS LIFE MANAGEMENT Vol.1 Sports Japan 2016年5・6月号(Vol.25)[公益財団法人 日本体育協会発行]大塚製薬情報ページ 図1 スポーツライフの3要素 図2 生活リズムの現状と改善 質の良い睡眠で 翌日に疲れを残さない 4 寝るのが遅くなる 4 夕食を早くとる (補食をうまく取り入れる) 3 夕食が遅くなる 3 集中して授業を受ける (学業との両立) 2 授業で集中力がない 2 スッキリした目覚め バランスの良い朝食をとる 1 朝食時に食欲がない 1 故障のない競技生活・ 競技力向上・文武両道 「スポーツライフ3要素」を マネジメント(管理) 生涯にわたる 豊かな人生につながる Vol. 調20 25 11 30 便調図3 スポーツライフの留意点 ○月○日 起床時刻 朝  食 昼  食 夕  食 就寝時刻 帰宅時刻 練  習 <イメージ> (早朝トレーニング) (補食) (入浴) (集中力) (集中力) (補食) (時間・内容) (余裕体力・集中力) TOPICS 栄養調整食品を上手に活用しよう 朝食などを食べる 時間がないときは 栄養バランスの とれたものを トレーニング直後の タンパク質補給などに ゼリー状のものを 運動 休養 栄養 健康・基礎体力づくり 筋肉・骨づくり 出典:ジュニア期のスポーツライフマネジメント(公益財団法人 日本体育協会) 出典:ジュニア期のスポーツライフマネジメント(公益財団法人 日本体育協会)

Pocari Sweat - SPORTS LIFE MANAGEMENT Vol.1 スポーツ ......「スポーツライフマネジメント」って 知っていますか? スポーツライフマネジメ 「運動ントとは、スポーツライフの3要素である

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    「スポーツライフマネジメント」って

    知っていますか?

    スポーツライフマネジメ

    ントとは、スポーツライフの3要素である

    「運動」「栄養」「休養」を総合的に考えて

    管理し、その効果を最適化することです。

     

    勝敗にこだわり過ぎて、無理なトレーニ

    ングを重ね、ケアを怠ると疲労が残り、故

    障しやすくなります。その結果、試合に出

    られなくなってしまうリスクがあります。

    スポーツライフをマネジメントし、コン

    ディションを整えれば、故障のない競技生

    活や競技力向上、文武両道の達成を導くこ

    とができるでしょう(図1)。

     

    ジュニアスポーツ選手の、生涯にわた

    る豊かな人生につながるスポーツライフ

    の確立のためには、スポーツライフマネ

    ジメントを実践することが不可欠です。

     

    ジュニア期の中学から高校にかけて

    は、人生で最も身長が伸び、エネルギー

    を必要とする大切な時期です。そのため

    私たちのカラダをつくる毎日の食事は、

    とても重要になります。何を、どのくら

    い食べるか、といった食事に対する意識

    を高めましょう。

     

    成長するポイントは年齢に応じて変わ

    るため、その年齢に合わせたトレーニン

    グで能力を高めることが求められます。

    たとえば「動作の習得(脳・神経系)」

    は小学生のときに伸びますし、「粘り強

    さ(呼吸・循環器系)」と「身長(筋・

    骨格系)」は中高生のときに、「力強さ

    (筋)は」高校生以上で伸びていきま

    す。全般的にこの年代は、カラダづくり

    を中心とした基礎体力づくりがポイント

    ジュニアスポーツ選手のための

     スポーツライフマネジメント

    監修

    樋口

    先生(早稲田大学スポーツ科学学術院

    教授) 

    SPORTS LIFE MANAGEMENT Vol.1

    Sports Japan 2016年5・6月号(Vol.25)[公益財団法人 日本体育協会発行]大塚製薬情報ページ

    図1 スポーツライフの3要素

    図2 生活リズムの現状と改善

    質の良い睡眠で翌日に疲れを残さない

    4寝るのが遅くなる4

    夕食を早くとる(補食をうまく取り入れる)

    3夕食が遅くなる3

    集中して授業を受ける(学業との両立)

    2授業で集中力がない2

    スッキリした目覚めバランスの良い朝食をとる

    1朝食時に食欲がない1

    故障のない競技生活・競技力向上・文武両道

    「スポーツライフ3要素」をマネジメント(管理)

    生涯にわたる豊かな人生につながる

    スポーツライフマネジメントとは

    Vol.

    になりますが、基礎体力づくりは筋トレ

    だけではなく、脳・神経系、呼吸・循環

    器系・骨格系等さまざまな部分を考慮す

    ることも忘れてはいけません。中高生の

    ときには、筋トレ以上に動作の習得や柔

    軟性を身につけることが大切です。

     

    カラダづくりは、トレーニングだけを

    すれば良いというものではありません。

    もちろんトレーニングはとても大切です

    が、それにプラスして、トレーニング

    前後の栄養補給や、トレーニング後の

    リカバリーなど、トータルでの考え方

    が必要になります。「トレーニング(運

    動)」「食事(栄養)」「睡眠(休養)」

    の3つのスポーツライフ要素が、それぞ

    れ適切におこなわれていることと、生

    活リズムからみて合理的に組み合わさ

    れることに配慮してください。スポー

    ツの現場だけでなく、日常生活のあら

    ゆる場面から工夫し、良好なコンディ

    ションが維持できるように取り組みま

    しょう。

     

    ジュニアスポーツ選手の現状をみる

    と、午後トレーニングを終えてから夕食

    までの時間が2時間以上や1〜2時間に

    なる選手が数多くいます(図2)。その

    ために、夕食を食べるのが大変遅くなっ

    てしまいます。トレーニング効果を高め

    るためには、トレーニング後できる限り

    はやく食事を摂り、休息に入る生活リズ

    ムを整えます。帰宅までに時間がかかる

    場合には、栄養調整食品などを補食とし

    て上手に取り入れると良いでしょう。 

     

    トレーニングの疲労を回復し、トレー

    ニング効果を大きくするため、また、次

    のトレーニングの内容を充実させるため

    には、睡眠も影響します。睡眠の時間を

    十分にとることや、深い質の良い睡眠を

    とること、それには早寝をすることにつ

    きますが、選手の20〜25%が夜11時30分

    を過ぎてから就寝しています。その結果、

     

    適正なスポーツライフマネジメントを

    実践して、選手生活、そして人生を豊か

    にした先輩の選手たちはたくさんいま

    す。スポーツに努力することが大きな成

    果を得ることにつながるよう、選手はも

    ちろんのこと、指導者そして保護者が一

    体となってスポーツライフの改善に努力

    することが成功につながります。

     

    トップアスリートだけでなく、意識の

    高いスポーツ選手は、みんな、自分のト

    レーニング日誌をつけています。トレー

    ニングの内容と量、食事の時間と内容、

    睡眠と起床時間、体重、排便、水分の摂

    取量、気分、そしてその日の体調などを

    記録します。記録をとり続けることで、

    自分で意識してコンディショニングがで

    きるようになり、みずから生活の質を高

    めるようになってきます。

     

    生活習慣のなかには、将来の活躍につ

    ながるヒントがたくさん隠れています。

    何をするか、何を食べるか、どんな生活

    をするかへの意識改革と、そのたゆみな

    い継続こそが、明日への大きな一歩であ

    ると言えるのです。まずは、できること

    からはじめてみましょう。

     

    ジュニアスポーツ選手が、より望まし

    いスポーツライフをおくるためには、ど

    のようなことに気をつけ、注意をしな

    ければならないかを、しっかり知るこ

    とです。

     

    それらは、トレーニング、食事、睡眠

    (休養)のスポーツライフのあり方だけ

    に限られるものではなく、それは、ジュ

    ニアスポーツ選手が知的能力を高めるた

    めの勉学にも、集中力を高めて努力でき

    るように、時間と体力のゆとりを持たな

    ければなりません。トレーニングを終え

    て帰宅し、夕食を食べた後に自主学習を

    すること、学校での授業に集中すること

    など、勉学期の過ごし方の基本をきちん

    と実行できるように、スポーツライフを

    組み立てましょう(図3)。

      

    朝は登校時間ギリギリに起床し、朝食

    を抜いてしまう選手が少なくありませ

    ん。朝起きたときには、カラダは脱水

    状態になっていて、血糖値も低くなっ

    ています。この状態で朝練習をするの

    はとても危険です。たとえ朝練習がな

    かったとしても、水分補給と、量・質

    ともにバランスの良い朝食をしっかり

    摂りましょう。また、朝食を食べない

    ことで、脳へのエネルギーが不足し、

    授業に集中できない選手も数多くいま

    す。中学生よりも高校生のほうが、そ

    して、特に女子より男子で多くみられ

    ます。朝食で集中力を高めるために

    は、おにぎりやトーストだけなどの糖

    質単体ではなく、栄養のバランスがと

    れた食事が欠かせません。

     

    「質の良い睡眠」と「バランスの良い

    食事」は、学業とスポーツ活動を両立さ

    せるための重要な要素です。

    「運動」「栄養」「休養」の

    バランスが大切

    ジュニア期は、未来のアスリートに

    なるための「土台」をつくる大切な時期

    ジュニア期の生活リズム

    トレーニング日誌をつけよう

    ジュニア期のスポーツライフ

    図3 スポーツライフの留意点

    ○月○日起床時刻

    朝  食

    昼  食

    夕  食

    就寝時刻

    帰宅時刻

    練  習

    <イメージ>

    (早朝トレーニング) (補食)(入浴)

    (集中力)

    朝 昼 夕 夜

    (集中力)(補食)

    (時間・内容)(余裕体力・集中力)

    睡眠

    睡眠

    朝食

    授業

    授業

    トレーニング

    自主学習

    昼食

    夕食

    TOPICS

    栄養調整食品を上手に活用しよう

    朝食などを食べる時間がないときは栄養バランスのとれたものを

    トレーニング直後のタンパク質補給などにゼリー状のものを

    運動 休養

    栄養

    健康・基礎体力づくり 筋肉・骨づくり

    出典:ジュニア期のスポーツライフマネジメント(公益財団法人 日本体育協会)

    出典:ジュニア期のスポーツライフマネジメント(公益財団法人 日本体育協会)