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本が変わる/製本が変わる/便利さが変わる PUR/クータ・バインディング Universal Design Book

PUR/クータ・バインディングbunsenkaku.co.jp/common/pdf/change.pdf2 こんにちは。僕は本づくりの達人「ク COOTER ータ」です。この本で「丈夫で、美しく、よく開く」

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  • 本が変わる/製本が変わる/便利さが変わる

    PUR/クータ・バインディング

    株式会社 渋谷文泉閣

                   

    PUR/クータ・バインディング           

    渋谷文泉閣

    Universal Design Book

  • Change 入門編ところで、こんな経験はありませんか? 6PUR とは 12PUR のメリット

    ①よく開く 14②丈夫で熱に強い 15③環境にやさしい 16④インキによって劣化しない 17

    クータとは 18クータのメリット

    ❶本を見ながら両手が使える 20❷読書が楽に快適に 22❸書き込みがしやすい 24❹コピーが取りやすい 26❺見開きページでの写真や図版がきれいに 28❻文庫本から美術本まで幅広く活用できる 30❼ PUR の特性をすべて備える 31

    クータの実用例教科書・参考書 32楽譜 33

    料理本 34カタログ 35写真集・美術書 36ダイアリー・家計簿 37

    クータの近未来いろいろな場面で本の利便性が向上 38本のデザイン性や機能が広がります 39

    ICタグによって出版流通が大変革 40

    Change 技術編 EVA 系ホットメルトの特徴 46 PUR の現状と展望 47 糸かがりから PUR へ 48 接着剤メーカー訪問「日立化成ポリマー㈱」 50 機械による PUR の差異 52 機械メーカー訪問「ミューラー・マルティニ社」 54 機械を使いこなす技術力 56

    クータ・バインディングの工程 58クータの開発秘話 60

     「現代の名工」と特許取得 61

    製本の基礎知識❶本の構造と部分名称 64❷本づくりのチェック項目 65❸並製本の工程 68❹上製本の工程 72❺製本用語集 76

    あとがき 80

    目次 Contents

    ●本文用紙 HS ハミング 111kg

    ●表紙用紙 HS ハミング 119.5kg

    ●印刷機  Speedmaster SM102-8PA

    ●製本機  ボレロバインダー

    ●製本仕様 クータ・バインディング

  • 2

    こんにちは。

    僕は本づくりの達人「クC O O T E R

    ータ」です。

    この本で「丈夫で、美しく、よく開く」

    新しい製本の秘密と

    その便利さについてお話します。

    ページをめくると、

    きっと本の新しい世界が

    見えてきますよ。

  • 3

  • 4

  • 5

    いやー、たくさん本があるね。

    本は硬い表紙で覆われて高級感のある

    「上製本(ハードカバー)」と、

    一般書籍をはじめ新書・文庫・雑誌などで使

    用される簡便な「並製本(ソフトカバー)」

    に分かれるんだ。

          上製本      並製本

    これから、大きな変change

    革によって誕生した、新

    しい並製本のお話が始まるよー。

  • 6

    ところで、こんな経験はありませんか?

  • 7

    厚い本がフラットに開かない

  • 8

    書き込みがしにくい

    柔軟性

    耐熱性

    強 度

    P12 P13

  • 9

    本の背が割れる

    柔軟性

    耐熱性

    強 度

    P12 P13

  • 10

    ページが抜ける

    柔軟性

    耐熱性

    強 度

    P12 P13

  • 11

    そこで登場したのが

    Pピーユーアール

    U R ちゃん     クータ君

    僕たちなのです。

    柔軟性

    耐熱性

    強 度

    P12 P13

  • 12

  • 13

    PUR とは、Poly Urethane Reactive=「反応性ポリウレタン接着剤」の略称で、ポリウレタン系の接着剤のことです。従来型接着剤に比べて柔軟性・強度・環境対応などあらゆる面で優れた接着剤です。※ 従来型接着剤とは「EVA 系ホットメルト」のことですが、以下では「ホットメルト」と表記します。

                           PUR

    PUR はもともとは自動車の内装材や電化製品の裏パネルなど、高温な場所に使用される工業用の接着剤として使用されてきました。15 年ほど前からは製本用に転用され始め、その後、トヨタ自動車の環境報告書に環境対応接着剤として謳われたことで、印刷・製本業界でも注目を集めるようになりました。

  • 14

     ホットメルトが約1ミリの塗布量に対 し て、PUR は 0.2 〜 0.5 ミ リ の 塗布量で十分な製本強度を持っています。 さらに、PUR は 1200%の伸張率を

    持ち合わせているので、製本後にノド元まで柔軟に開きます。 柔軟性と強度を合わせ持った理想的な接着剤ということができます。

    接着剤の塗布量

    従来型接着剤「ホットメルト」 新型接着剤「PUR」

    ①よく開く(柔軟性+強度)

    PUR 塗布量 0.2 ミリの紙の断面

    表紙PUR本文

  • 15

     PUR は耐熱性・耐寒性に優れます。ホットメルトの耐熱温度帯は0℃〜40℃なので、45℃を超える夏の自動車内や倉庫などで保管すると本が壊れてしまうことがありました。 PUR は温度変化に強く、耐熱温度帯は− 30℃〜 100℃です。

     PUR は加熱溶解の後、空気中の水分(湿気)と反応して硬化します。その反応を終えると皮膜を形成し、強力な接着力を発揮するのです。 PUR はどんなタイプの印刷用紙でも他の接着剤と比較して最高の強度を保ちます。

    ②丈夫で熱に強い(耐熱性+耐寒性)

  • 16

    ③環境にやさしい PUR は比較的低温で溶けるため、作業の際のエネルギー消費量を少なくすることができます。従来のホットメルトでは糊の溶解温度が 180℃前後ですが、PUR は 120℃前後。糊の溶解温度が低いと、消費電力が少なくなるのです。 強度に優れる PUR は糊の塗布量を約 0.2 ミリに抑えることも可能なので、省資源にも貢献します。 環境保護の観点からは、紙のリサイクルにも目を向けなければなりません。回収されてきた古紙は、パルパー

    と呼ばれる機械によって、インクやチリを除去して古紙パルプに生まれ変わります。 これまでは接着剤が分離しきれずにリサイクルの障害となっていまし

    印刷物資材「古紙リサイクル適性ランクリスト」

    大分類 小分類 印刷物資材 古紙リサイクル適性ランクA B C D

    ③加工資材 製本加工 製本用針金、ホッチキス等 ◯③加工資材 製本加工 製本用糸 ◯③加工資材 製本加工 EVA 系ホットメルト ◯③加工資材 製本加工 難細裂化 EVA 系ホットメルト ◯③加工資材 製本加工 PUR 系ホットメルト ◯③加工資材 製本加工 水溶性のり ◯      Aランク:紙、板紙へのリサイクルにおいて阻害にならないもの      Bランク:紙へのリサイクルには阻害となるが、板紙へのリサイクルでは阻害にならないもの

    (社)日本印刷産業連合会(平成 18 年)から「製本加工」を抜粋

    180°C

    ホットメルト

    CO2

    120°C

    PUR

    CO2

  • 17

    た が、PUR は 紙 と 分 離 し や す い ため、利用率(再生率)を向上させます。また、ホットメルトだと古紙再生の際に接着剤の破片が残りますが、PUR は 100%除去できるのです。 (社)日本印刷産業連合会等による

    「印刷物資材『古紙リサイクル適性ランクリスト』」で PUR は A ランクの評価です。 リサイクル性が評価されているPUR を使った製品は(財)日本環境協会の「エコマーク」を取得することができます。

    ④インキによって 劣化しない ホットメルトはインキ溶剤との相性が良くありません。ノド元までインキが使用されているページでは、40℃を超えるとインキ溶剤が揮発しはじめ、再溶解しはじめた接着剤を浸食し、化学変化によって劣化が始まるとされていました。 PUR はインキ溶剤で化学変化を引き起こすことがないので、基本的に劣化しない接着剤といわれています。

    PUR

    古紙の繊維をほぐす「パルパー」

    インキ溶剤の揮発(ホットメルト)

  • 18

  • 19

    「クータ・バインディング」とは、表紙に筒状の紙(クータ)を貼り付け、PUR で本文をくるんだ製本方法のことです。

    「クータ」とは、昔の上製本に用いた部材で、当初「空くうたい

    袋」と呼ばれていたものが「クータ」に変化したものといわれています。本の背の補強と開きを維持するために、クラフト紙や地券紙などで加工されていました。クラフト紙を筒状に加工し、表紙の背の部分に貼り付けてできる「クータ」は反発しようとする本文と表紙の負担を緩和して、開きやすく、読みやすく、書き込みやすい本を実現しました。

  • 20

    ➠ ➠

    料理中にレシピ本が閉じてしまう

    ❶本を見ながら両手が使える

  • 21

    ➠ ➠

    料理中もフラットに開いたまま

    ❶本を見ながら両手が使える

  • 22

    ➠ ➠

    ぶ厚い本の読書が疲れる

    ❷読書が楽に快適に

  • 23

    ➠ ➠

    ぶ厚い本でも読書が楽に

    ❷読書が楽に快適に

  • 24

    ➠ ➠

    ❸書き込みがしやすい

    平らに開かず書き込みにくい

  • 25

    平らに開いて書き込みやすい

    ➠ ➠

    ❸書き込みがしやすい

  • 26

    ➠ ➠影が出てしまう

    ❹コピーが取りやすい

    コピーが取りにくく本も傷む

  • 27

    コピーが取りやすく本も傷まない※ コピーは著作権法上、私的利用等に限られます。

    スッキリ!➠ ➠

    ❹コピーが取りやすい

  • 28

    ❺見開きページでの写真や図版 の表現がきれいに

  • 29

    ➠❺見開きページでの写真や図版 の表現がきれいに

  • 30

    ❻文庫本から大型の美術本まで 幅広く活用できる

  • 31

    ❼ PUR の特性(丈夫・熱に強い・ 環境対応)をすべて備える

    強い

  • 32

    本を開いたまま両手で作業ができる【教科書・参考書】

    小学館『10 歳までに知っておきたい世界まるごと地図ドリル』

    (財)日本漢字能力検定協会『漢字学習ステップ4級』

  • 33

    【楽譜】

    全音楽譜出版社『日本童謡名曲集』

  • 34

    【料理本】

    小学館『グッチ裕三のうまいぞおザ・ベスト』

  • 35

    【カタログ】

    コピーが取りやすい※ コピーは著作権法上、私的利用等に限られます。

    大同アミスター㈱『スター総合カタログ』

  • 36

    本を押さえる力が軽減できる【写真集・美術書】

    桂書房『鳥たちの戦略』

    TOTO 出版『YET HIROSHI HARA』

  • 37

    書き込みやすい【ダイアリー・家計簿】

    小学館『いちばんお値うち家計ノート』

    アピカ『2010 年スケジュール帳』

  • 38

    いろいろな場面で本の利便性が向上 前ページまでご覧いただいた通り、クータ・バインディングは既に多方面でご好評をいただいています。今後、さまざまな場面でその利便性が普及していくと思われます。 特に教育現場や官公庁のテキストや資料集、入院患者・高齢者・障害者など読書における身体的な負担を軽減したい方々向けの書籍など、幅広い可能性を秘めています。

  • 39

    本のデザイン性や機能が広がります クータ材料のカラー印刷(金・銀含む)も出来るなど、従来にない機能とデザイン感覚の本が可能となります。写真集や美術書、商業カタログなどの視覚的な可能性が広がります。 また、1冊の中に後で取り外せる小冊子などを綴じ込んだ

    「ブックインブック」など、本の機能も広がっていくことが予想されます。

    ブックインブック クータへの印刷によりデザイン効果が向上

  • 40

    ICタグによって出版流通が大変革

     IC タグとは、ミリ単位の IC(集積回路)チップと小型アンテナによって電波の送受信機能を付加した電子荷札のことで、現在使われているバーコードよりも情報量が飛躍的に増加します。IC チップのデータは書き込んだり読み取ることができるため、生産履歴や流通経路を記録できて、在庫管理や盗難防止にも大きな効果を発揮します。同じ商品に固有の情報を記録することもできるので、単品管理が可能となり、販売促進にも役立つものと期待されています。 近年、タグの小型化が進み、用途が急速に拡大しています。例えば生鮮食品の場合、使用された農薬の種類や散布日時、流通経路なども記録できるのです。 出版流通業界では、2000 年頃に万引き防止を主目的にコミックスへの IC タグ装着が書店有志によって提起されました。2002 年に大手出版社と周辺業界によって「日本出版インフラセンター(JPO)」が設立され、経済産業省の助成を受けて実用化実験が重ねられてきました。 書籍の場合、この IC タグは本の背の部分へ装着することを前提に実験が進められましたが、クータ・バインディングは本の開きや丈夫さを損なうことなくスムーズに装着できるので、IC タグのために生まれた技術と言っても過言ではありません。クータ・バインディング加工と IC タグ貼り込み加工を同時に行う

    ICタグ

  • 41

    ことで、正確かつスピーディーに安心して仕上げることができるのです。 消費者にとってこの IC タグが導入されると、これまで時間がかかっていた取り寄せ注文品

    (客注品)の所要日数が短縮される見込みです。また、店頭では同ジャンルや関連テーマの本がどこの棚にあるかといった情報が確認できるようになることも期待されています。 書店にとっては、入荷検品・返品業務の効率化、在庫管理や棚卸し業務の省力化、売上増進なども期待されます。長引く出版不況の打開策として期待される「責任販売制」においても、ICタグが大きな役割を果たすものと思われます。 これまではコミックスでの実験が先行しましたが、数千円〜数万円といった高額本、美術本、専門書の分野においては出版社の規模を問わず導入が進むものと予想されます。

    クータ・バインディング加工+ IC タグ貼り込み加工のワークフロー

    ❶クータ用紙をロール から送り出す

    ❷ラベル状の IC ダグ をラベルマシンで クータ用紙に貼る

    ❸❹袋状にして糊付けをしクータを表紙の天地寸法にカット

    ❺これで IC タグ入りのクータ表紙が完成

  • PUR とクータは

    このように本の使い方に

    大きな変change

    革をもたらしますが、

    その技術の秘密を

    ご紹介しましょう。

    42

  • PUR とクータは

    このように本の使い方に

    大きな変change

    革をもたらしますが、

    その技術の秘密を

    ご紹介しましょう。

  • 44

  • 45

    PUR と ク ー タ に よ

    る開きやすく丈夫な

    本がどんどん出来て

    きてすごいね。

    ところで、この PUR

    が登場する前はどん

    な接着剤を使ってい

    たの?

    P22 P23

  • 46

    EVA 系ホットメルトとは「Ethylene Vinyl Acetate(エチレン酢酸ビニール樹脂)」の略称で、エチレンビニールを主体とした接着剤です。一定の接着強度があり、作業効率が良いため、これまで製本現場で幅広く使われてきました。

    メリット デメリット① 60℃以上の熱で溶け、その後常温程度ま

    で冷却すると完全硬化するので作業効率に

    優れる。

    ②価格が安い。

    ①製本後の耐熱性に問題があり、45℃を超

    えたあたりから再溶解しはじめる。

    ②インキ溶剤に影響されやすい。インキ溶

    剤の多い本では、気温 40℃を超えると化学

    反応による劣化が始まることがある。

    ③接着剤を厚く盛っているので、本が開き

    にくい。

    EVA 系ホットメルトの特徴

    固形の接着剤を溶かして使用します

  • 47

    PUR の現状と展望

     上の表の通り、PUR はホットメルトと比較して耐熱性からリサイクル性まで優れています。現状の課題としては、原料コストとメンテナンス等の維持費がホットメルトに比べ PUR は割高となっていることです。しかし、PUR はホットメルトの3割から5割の塗布量で製本できるので、ホットメルトに比べて大幅なコスト高にはならず、今後 PUR の需要増加によって原料価格の低下も予想されます。 既に大手出版A社とB社では、事故回避のために PUR 仕様の出版物が増え始めており、A社にいたっては精力的にコミックス以外の出版物を PUR に移行しつつあります。 世界的にも、ブラジルで大半の教科書が PUR に切り替わるなど、先進国でも新興国でも急速な広がりを見せています。 PUR 製本を普及・拡大するためには、印刷物の企画・設計段階からの提案や協力が不可欠だと言えるでしょう。

    ホットメルトと PUR の比較    特性接着剤

    作業性 原料コスト 耐熱性 耐久性(対インキ溶剤)

    柔軟性 リサイクル性(分離しやすさ)

    ホットメルト ◎ ◎ △ △ △ △

    PUR △ △ ◎ ◎ ◎ ◎

  • 48

    糸かがりから PUR へ これまでの製本仕様の中で、最も耐久性があるのは「糸かがり」だといわれてきました。特に強度を求められる出版物に関しては、糸かがり並製で製本されているのが現状です。これはホットメルト接着剤のみでは耐久性に不安があり、それを補うために糸かがりの併用が必要だったからです。しかし、製本工期やコストの面において課題もあることから、近年見直しも行われています。 そこで、PUR で製本することにより、糸かがりに勝る強度と耐久性が得られることから、今後糸かがり並製本から切り替わることが期待されています。

  • 49

    製本強度テスト 無線 PUR 製本と糸かがり製本の2種の仕様を作成して、接着強度の測定テストを行いました。測定には「牽引強度測定器」を使用しています。しかし、紙の接着面積の違いにより測定結果は異なるため、ニュートンメーター方式で算出しています。 測定結果によると、本の最弱部である本文3頁目と本文中央部分のいずれにおいても、糸かがり製本に比べて無線 PUR 製本に牽引強度の高い数値が得られました。

    【仕様】版型……B5頁数……216P本文紙……上質 B/T 67.5kg表紙……DV 四六 /T 23.5kg実施日……平成 21 年 11 月 25 日実施場所……弊社柳原工場単位……N/cm

     

    本の端部分 本の中央部分3P(1折) 15P(1折) 97P(7折) 105P(7折)

    本文の外2枚目 折本の外1枚目 折本の外1枚目 折本の中央部分

    無線 PUR 10.83 8.72 11.41 9.00

    糸かがりホットメルト 3.32 11.51 16.36 1.99

    ※「ニュートンメーター」とは、紙を牽引する数値を1cm あたりの数値に置き換える計算方法。この計算方法により版型の違いによる接着強度も正確に把握することができます。

  • 50

    ●接着剤の総合メーカー 日立化成ポリマー株式会社の前身「ボスチック・ジャパン」は昭和 42 年、高度成長期に入ったわが国の産業界のニーズに応える接着剤総合メーカーとして誕生。優れた接着剤と接着技術の開発を積極的に進め、自動車・家電・電子および建築業界等わが国の代表的産業と共に発展の道を歩んできました。 昭和 59 年に社名を現在の日立化成ポリマー株式会社に変更。翌年、徳島精油株式会社を合併して新たに塗料・インキ・紙加工用合成樹脂等の製造販売を開始し、新製品および新技術の開発を推し進め、総合工業化学材料メーカーとしての体制を確立しています。 アメリカ・フランス等の海外有力メーカー

    とのテクニカル・アライアンスを推進するほか、発展著しいアジア市場においては、台湾地域および中国大陸で合成樹脂製造販売の合弁会社を設立して三極供給体制を確立しています。

    ●環境対応型の接着剤 当社では、20年程前から様々な業界に対しPUR-HM(ポリウレタン系反応型ホットメルト=Polyurethane Reactive Hot-melt)を製造販売しています。 PUR-HMは有機溶剤を含有せず、パック包装により廃棄物を低減できる「環境対応性」、湿気 との反応により接着強さが向上し、耐熱性・耐寒性に優れた「信頼性」、接着強さの発現が早く、短時間で次工程に移ることができ、1液形で自動化・ロボット化に適した「生産性」が特徴です。 製本用途においても、強度や見開き性に加えリサイクル性(環境対応)に優れることから、PUR-HMを推奨しています。 通常のEVA系ホットメルトでは、古紙再生の工程で接着剤の細片が混入し、オイルスポットの原因となり、難細裂化ホットメルトでも100%除去は不可能です。 PUR-HMは、古紙再生のフィルタリング工程で細片化せず100%除去可能です。

    接着剤メーカー訪問

    日立化成ポリマー株式会社その接着剤は100%分離除去できますか?

  • 51

    高性能

    PUR-HM

    接着強度コート紙のような難接着な紙にも良好な接着性

    印刷インキ溶剤への耐性にも優れます

    見開き性硬化皮膜の柔軟性に加え塗布層を薄くすると見開き性が向上します

    リサイクル性古紙再生時に100%除去可能リサイクル適性に優れています

    耐久性耐熱・耐寒性に優れ

    長期保存本にもご使用いただけます

    ●日立化成ポリマー株式会社本社 〒 101-0047 東京都千代田区内神田 1-13-7電話 03-3294-4503(接着材料グループ) FAX 03‐3294-5365

    ●販売元 新和電材株式会社〒 112-0004 東京都文京区後楽1-4-25 日教販ビル 6FTEL 03-5800-3021 (接着剤営業部) FAX 03-5800-3029

    接着剤

  • 52

    機械による PUR の差異 PUR の特性は耐久性と広開性に大別できます。 耐久性については、どの機械でもある程度の強度を確保することができ、ガリ(糊吸収を上げるため本文の背部を故意に傷つける加工 ) の入れ方で大きく異なってきます。 広開性は、PURの塗布量によって決まります。塗布方法にはノズルタイプとローラータイプがあります。 ノズルタイプは、本文の背にPURを噴射し塗布します。塗布量は噴射量によって調整します。このタイプは無線仕様に対してのみ塗布することが可能です。 ローラータイプは、PURを塗布した後、逆転ローラーで不要な接着剤を掻き取ります。そのため、設定した塗布量に調整することができ、コントロールしやすい特徴をもちます。このタイプは糸かがり、アジロ仕様に対しても塗布することが可能です。

    接着剤

    本 本

    接着剤

    ノズルタイプ                   ローラータイプ

  • 53

    Aタイプ Bタイプ

    耐久性

    ガリを入れた後に金属ブラシでブラッシングして用紙の繊維をむき出しにし、その繊維に PUR を塗布するため接着強度は飛躍的に向上します。

    通常無線機と同じガリの入れ方なので、ホットメルトと比較した場合、大きな接着力は期待できません。

    広開性

    ローラータイプ。PUR の塗布量は 0.2mmから設定可能。0.1mm 単位で調整できるため製本の強度、広開度を選択・調整できます。

    ノズルタイプ。塗布量設定は噴射口の目詰まり等が懸念されます。

    ファイバー・ラッファによる背加工(50 倍)      通常の背加工(50 倍)

     背加工は PUR 製本の決め手となる工程です。本の背の正確な均一性、繊維の完全な露出ができていなければ、丈夫で長持ちする本にはなりません。よく知られているように、PUR 接着剤は紙の繊維で接着力を高めています。

  • 54

    機械メーカー訪問

    ミューラー・マルティニ社

     ミューラー・マルティニ社は、無線綴機・中綴機を中心に、世界各国へ輸出している信頼と実績のある製本機械メーカーです。 当社は 1954 年から無線綴じ機の製造を開始し、PUR 製本の分野でも 20 年近い実績を誇ります。優れた PUR 製本を実現するには、接着のり、オペレーター、設備の3つに注意を向ける必要があり、設備に関しては個々の装置にいたるまで PUR に適した設計のマシーンが必要です。 堅牢で耐久性に優れる当社の設計は、何十

    年にもわたり厳しい許容基準を満たします。クランプ、クランプレール、背加工、背糊装置、プレスステーションなど、PUR 製本に不可欠なパーツの設計には特に配慮しています。

    完全自動の高さ設定で素早い切替えが可能

  • 55

     背加工は、PUR に適したハイエンドモデルの場合、ミリング、レベリング、ファイバーラファー、ループ式の横走ブラシの順にヘッドをセットアップすることを推奨します。下写真はデュアルバインディングの場合のセットアップです。 また、グルーローラーを装備するだけでアジロや糸かがりなど幅広いタイプの書籍を生産する要件が整います。独自開発の「ローラー方式 PUR グルーポット」により接着剤の塗布厚を微細に調整できます。 さらに、グルーポット、背加工ステーション、プレスステーションなどで完全自動化を実現し、小ロット化が進む PUR 製本の流れに対応。競争力を高めるため、ホットメルトと PURの両方を処理できるデュアルバインディング搭載のマシーンも開発しています。

    無線綴じ機/ボレロデュアルバインディング機能を標準装備した全自動無線綴じ機。PUR 製本はもちろんホットメルト、ガーゼ貼り、アジロなど幅広い製本に対応します。

    無線綴じ機/パンテーラアムリス自動セット替え機構(オプション)の装備により、セットアップと仕事セット替え時間をさらに削減したエントリーマシンです。

    ●ミューラー・マルティニ ジャパン株式会社本社 〒 174‐0042 東京都板橋区東坂下 2‐5‐14電話 03‐3558‐3131(代表) FAX 03‐3558-3130

    1 ミリング        2 レベリング、ファイバーラファー

    【デュアルバインディングの場合の背加工】

    3 ノッチング(ガリ)      4 ブラシ

  • 機械を使いこなす技術力

     高機能の機械設備を使用する際、人と機械の能力の総和が生産される製品の完成度に対して重要な影響力を及ぼします。ある一定レベルまでの品質は機械の能力に依存しますが、最終的には機械をオペレートする人の能力・経験に左右されるのです。 これは一点一点の本は版型・厚み・用紙が異なり、さまざまな仕様に対応していかなければならないためです。その仕様に応じて、オペレーターは自身の経験を元に判断と決定をし、機械をオペレートしているのです。クータ・バインディングも、上製本で積み重ねた経験と知識がその技術の礎となり、最良の設備により実現が可能となりました。

    56

    当社柳原事業所

  • 次にクータの技術的な特徴を

    詳しく説明しましょう。

    機械を使いこなす技術力

  • 58

     クータ貼り機は晒さらし

    クラフト紙などを筒状にしてから表紙の天地寸法にカットし、表紙にベタ貼りします。 本によって束幅が異なるので、現状では束幅7mm から 60mm まで1mm 単位でクータを作ることができます。クータは束幅の両サイド 4.5mm ずつ幅広に作りますが、これはページを開いた際、上製本のホローバックのように本文の背部分が扇形に開くような立体構造にするためです。 PUR の塗布量は 0.3mm 前後に設定しています。PUR は塗布量を多くすれば頑強になりますが、それだけ開きの良さは損なわれます。クータ・バインディングの特徴は開きの良さなので、塗布量を効果的に設定することで広開性を維持しています。

    クータ・バインディングの工程

    ❶❷

    当社柳原事業所

  • 59

    ①表紙の天地寸法、本の束幅などに合わせて作られたクータが、1枚ずつ表紙に貼られていきます。クータ貼り機1台で平均 3000 枚 / h の加工能力があります。

    ②クータ貼りされた表紙が連続して排出されていきます。クータが曲がって貼られていないか、接着不良がないかなど、オペレータによって入念に検査されます。

    ③クータ貼りされた表紙がバインダーに給紙されていきます。こうしてクータ・バインディング仕様の本が仕上がっていきます。

    ←←

  • 60

    クータの開発秘話 クータ・バインディングは「手で押さえなくても読める本がほしい」という手の不自由な友人の一言がきっかけで生まれました。 製本における基本理念とは、「丈夫で、開きやすく、美しい」ことですが、それまではまず強度を考え、読みやすさを犠牲にして丈夫に作ることを優先しがちでした。一般の方も開いた本が閉じてしまっても「しょうがない」という先入観があるためか、「手で押さえなくても読める本」といった要望はあまり聞かれませんでした。「読みやすさ」では読者に不便を強いていたのです。 「開きやすさ」と「本の丈夫さ」という相反する難問を解決するために試作を繰り返す日々が続きました。その糸口は手作業製本の時代に辞書などの背に貼ったクータ(空袋)にありました。試作してみると、本文の背と表紙の貼り合わせ部分に空洞ができて閉じる力が分散され「開いたまま閉じない」美しい出来映えとなりました。 こうして読む人に優しい製本方法を考えついたものの、製本コストを克服しなければ普及していきません。最初に機械メーカーと共に2年越しでクータ貼り機の開発に取り組み、量産機を完成させました。 次の問題は、製本の基本理念である「丈夫であること」でした。従来の接着剤で試作を

    繰り返しましたが、なかなか理想とする結果が得られません。欧米へも接着剤を探しに出向いていた頃、新型接着剤「PUR」とめぐり会いました。このPURを使用して丈夫で手で押さえなくても閉じない美しい製本がようやく実現しました。 今では、実際に使った方々から「なぜもっと早く考えられなかったの?」という声も寄せられており、あらためて利用者の立場からの「ものづくり」の大切さを実感しています。ユニバーサル・デザインの「クータ・バインディング」はこうして誕生したのです。(渋谷一男)

  • 61

    「現代の名工」と特許取得 「現代の名工」とは、厚生労働省の「卓越した技能者の表彰制度」によって厚生労働大臣に表彰された卓越した技能者の通称です。この制度は、より広く社会一般に技能尊重の気風を浸透させ、技能者の地位および技能水準の向上を図る目的で、昭和 42 年度に設けられました。金属加工、機械器具組立、大工など全 20 部門の職業分類の中から卓越した技能者が選ばれます。 平成 19 年、この「現代の名工」に「クータ・バインディング」の開発者で当社の最高技術顧問である渋谷一男が選ばれました。長年の技術的蓄積とクータ・バインディングの新技術が評価されたもので、クータの技術に社会的な価値を認めていただき、関係者一同に大きな励みとなりました。 また、平成 19 〜 20 年には日本・韓国・台湾でクータ・バインディングの特許を取得しました(特許番号=日本 4146842、韓国 10-0689781、台湾 1-285595)。特許法第 1 条に、「この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより、発明を奨励し、もって産業の発達に寄与することを目的とする」とあるように、この特許取得は当社がクータ・バインディングを占有することを真の目的とするものでなく、「利用の促進」ならびに「業界の発展」「利用者(読者)の利便性向上」を本意とするものです。 クータを導入したいという同業他社にも積極的にコンサルティングや技術移転を図っています。 クータ・バインディングを今後、文化・言語・国籍・老若男女といった違いや、障害の有無を問わずに利用することができる製品(技術)である「ユニバーサル・デザイン」として普及させていくことが当社の願いです。       「現代の名工」に選ばれた渋谷一男

  • 62

  • 64

    ❶本の構造と部分名称

     本には必要な名称が各部につけられています。この名称は、編集・製版・印刷の作業に

    も共通して使われます。これらの基本名称と関連する作業用語の一例を挙げてみます。

    ①天……本の上部(頭)に当たる部分をいいます。反対語は「地」。「天合わせ」とは印刷

    物の天と天とが向き合う形で面付けする時に使う言葉です。製本では天揃え・天袋などと

    いいます。

    ②地ち

    (罫け し た

    下)……化粧断ちした本の下部に当たる切り口をいいます。化粧断ちする前の工

    程では、ページ内の版面から下の余白部分を「罫下」と呼びます。編集・印刷でも製本と

    共通の用語として使われます。折の地袋を断ち落とすことを「罫下落とし」ともいいます。

    ③小こ ぐ ち

    口……本のとじ目以外の化粧断ちした

    部分を総称して小口三方といいます。その

    中でとじ目の反対側を特に「前小口」とい

    います。通常単に「小口」という場合は前

    小口のことをいい、ほかの小口は含まれま

    せん。三方の小口の面(束の厚さ)をコバ

    (面)といいます。

    ④喉のど

    ……本のとじ目側の 10mm 程度の幅を

    ノドといいます。レイアウトでは本のとじ

    目と版面との間にある余白をノド・ノド幅・

    ノドマージンといいます。

    束(つか) 背標

    背文字 背

    小口

    表紙

  • 65

    ❷本づくりのチェック項目

    ①適正な厚さの用紙選択がなされているか

     本の束厚を求めるあまり、内容や大きさに関係な

    く、本文用紙に必要以上の厚紙が使われることがあ

    ります。こうした本は開くと、本文用紙が強張った

    状態で開閉されますから、やがては本の背固めを破

    壊する結果を招きます。

    ②企画だけを優先した無理な設計になっていないか

     例えば切っ掛け図版や巻き折り図表など厚みのあ

    る付物を、1カ所に集中して挿入するような企画は、

    ノドや小口側にすき間が多くできるため、仕上げ断

    ちに際して、天地の小口面に裂け傷が発生します。

    ③見返・扉・口絵などの注意事項

     製本仕様上、別丁貼り込みとなる見返・扉・口絵・

    図表などで、ノド際いっぱいまで図版が及ぶ場合は、

    糊のりしろ

    代としてノド際を3mm の幅であけてレイアウト・

    製版し、白の部分を設けます。糊代を付けないと、

    印刷インキが糊をはじいて、はがれの原因となりま

    す。

    3㎜あける

    ベタ刷

    とびら

  • 66

    ④材料の加工適正に配慮しているか

     表装材料を選択する場合には、接着適正や箔は く お

    押し適正など、製本部門の意見を事前に十

    分に聞くことが大切です。

    ⑤良い本づくりの条件

     良い本づくりには、どこかで水(接着剤)と油(インキ)との関係を断ち切る手立てが

    必要となります。

    箔押し                      箔押し

    亜鉛腐蝕凸版                   真鍮金板(当社製造)

  • 67

     特に糸かがりの場合、

    折と折をつなぐのは、柱

    となるとじ糸と、壁とな

    る接着剤で構成されてい

    ます。壁のくずれを防ぐ

    ことによって、安定した

    背固めが可能となるの

    で、背の中心に当たる部

    分(1〜8、1〜 16 ペー

    ジの間)を片面1mm ず

    つ両面で2mm の印刷面

    のカットを推奨します。

     カットした背の部分に

    背丁・背標の挿入が可能

    となり、乱丁・落丁の防

    止と背固めの安定という

    ダブル効果が期待できま

    す。

     確実に実施するために

    は、編集・デザイナーは、

    レイアウトの際にカット

    部分を念頭において印刷

    絵 柄 を 想 定 し、 製 版 の

    際に絵柄の削除を行いま

    す。

  • 68

    ❸並製本の工程

    ①一部抜き

     刷本は入荷時に1部抜きし、製本見本を先

    に作ります。印刷の誤りや別丁の裁ち指定を

    確認すると同時に、貼り込み手配の段取りな

    どを計画します。

    ②突き揃え(突き揃え機)

     本文紙や付き物等の別丁を断ち割るための

    前準備として、印刷紙のくわえ側と針側を揃

    える作業です。

    ③断ち割り

     平台の本文紙は折り加工しやすいように断

    ち割り、口絵や目次などの付き物類は、裁ち

    指定どおりに断ち割りして、次の貼り込み工

    程に回します。

    ④折り加工(折り機械)

     断ち割りした刷り紙を、八つ折・四つ折な

    ど、糸かがりする折本とアジロとじする折本

    に区分けして、折り加工します。アジロとじ

    は、製本の加工内容からすると無線とじの一

    種です。折り加工するには、折機のローラー

    部位にスリッターナイフを取り付けて折り加

    工します。折りの対象となるのは、4ページ・ 折り機

    断ち割り

  • 69

    8ページ折・12 ページ折・16 ページ折・32

    ページ折の5種類があります。

     丁合いされた中身を、そのまま接着剤で固

    めとじするため、接着剤の浸透を容易にする

    スリッター部の長さと、折りの強度を保つア

    ンカット部の長さの比率が、本の強度を決め

    ることになります。アンカット部を5㎜残し、

    カットする部分を 10 〜 15 ㎜程度の間隔を

    とる必要があります(図参照)。

     また、別丁となる見返し用紙・口絵などは、

    製本仕様別に折り作業を進行します。

    ⑤別丁の貼り込み(貼り込み機)

     本文とは別に印刷された目次や口絵・折り

    込みなどを、丁合いがしやすいように、巻頭

    や巻末または本文の中間に貼り込みして、次

    の丁合い作業に回します。

    ⑥丁合い(丁合い機)

     丁合いでは、折り加工や別丁の貼り込みの

    済んだ折本などを、丁合い機前に目合わせし

    て台積みします。その折本を、丁合い機のデ

    リバリ側から1折、2折と、最終折丁までを

    丁合い機のボックスに乗せてから、丁合い機

    を稼動させます。

    支度(見返やペラの貼り込み)の機械

    ここに接着剤がしみこむ

    10�‘15mm

    5mm

    アジロとじの構造

    無線とじのように裁ち落とさない

  • 70

    ⑦表紙くるみ(バインダー)

     丁合い機からバインダー内部へ送られて

    きた中身は、ホットメルト型接着剤または

    PUR 接着剤を使って、表紙にくるまれます。

     無線とじの場合は、表紙にくるまれる前

    に、バインダーに取り付けられている円形

    カッターナイフ(鋸状のもの)によって、本

    の背を3㎜ほどカットします。カットされた

    後の本文紙の状態は、すべての紙がペラ(2

    ページ)単位になりますから、使用する本文

    紙の種類によって接着剤を替えることも必要

    です。事前にテストを行うことも一つの方法

    です。

    ⑧三方仕上げ断ち(三方断裁機)

     バインダーによって表紙くるみされた本

    は、自動搬送コンベアーの上に載せたまま、

    約 40 秒〜2分程度の冷却乾燥時間をとって

    から、三方仕上げ断ちします。断裁作業の開

    始前には、本の仕上り寸法の確認作業が必要

    です。

    表紙くるみ(バインダー)

    三方仕上げ断ち(三方断裁機)

  • 71

    ⑨カバー(ジャケット)掛け

     仕上げ断ちの済んだ本に、印刷カバーを掛

    ける作業をします。この作業は、手作業で行

    う場合と全自動カバー掛け機(トライオート)

    を用いて作業する2通りの方法があります。

    カバー・帯掛け、投げ込みの機械「トライオート」

  • 72

    ❹上製本の工程

    A . 刷本の引取りから整形・プレスまで①刷本の引取り

     刷本の入荷管理は、製本の進行を促す大切な役割をもっ

    ています。常に荷受けの元表を整理して印刷状況を把握し

    ておきます。

    ②一部抜き

     刷本の突き揃え前に、全紙1枚を個別に抜き取って保管

    し、製本見本を先に作ります。これによって印刷の誤りや

    別丁の断ち指定の違いを早期に発見します。

    ③突き揃え(突き揃え機)

     刷本を断ち割るための準備として、印刷紙のクワエ側と

    針側を正しく突き揃えする作業です。

    ④断ち割り(断裁機)

     本文紙は全判かもしくは半裁判で印刷されますから、そ

    のままでは大きすぎて次の作業ができません。突き揃えし

    た刷り紙を作業しやすいように断ち割りします。

    ⑤折り加工(折り機械)

     断ち割りした刷り紙を、八つ折り・四つ折り・二つ折り

    など、それぞれに区分けして折り加工します。

    ⑥別丁の貼り込み(貼り込み機械)

     本文とは別に印刷された2ページ、4ページ、折り表な

    どの別丁を、巻頭や巻末または本文の中間に貼り込みしま

  • 73

    す。別丁の貼り込みは、巻頭の別丁を除いて、原則として本

    文の裏側、偶数ページに貼り込みます。

    ⑦丁合い(丁合い機械)

     折り加工や別丁の貼り込みの済んだ折本などを、製本の指

    定順序に従って、丁合い機前に目合わせして台積みます。そ

    の折本を、丁合い機のデリバリ側から、1折、2折というよ

    うに、最終折丁までを丁合い機のボックスに載せてから、丁

    合い機を稼動させます。

    ⑧糸かがり(糸かがり機械)

     丁合いの済んだ折本を、巻頭の1折から2折へと順番に、

    折りの真ん中を開きながら、とじ機の鞍掛けコンベアに載せ

    ます。載せられた折本は、とじ機の中に自動的に送り込まれ

    て糸かがりします。

    ⑨背ならし(圧搾機械)

     糸かがりされた本の背は、糸と背の折り目だけが他の部分

    より高くなっています。そのままでは次の作業に差しつかえ

    るので、ならし機に本の背を挟んで圧搾し、他の部分と同じ

    高さまで圧搾してならします。

    ⑩仮固め(仮固め機械)

     背ならしの済んだ中身を、次の作業の仕上げ断ちを正確に

    断裁するために、仮固めして背を固定します。仮固めにはエ

    マルジョンタイプの酢酸ビニール系接着剤を使います。仮固

    め機には自動乾燥装置がついているので、仮固め以降の作業

    は、インラインで自動的に生産されます。

  • 74

    ⑪仕上げ断ち(三方断裁機)

     仮固めの済んだ本を、規定の寸法で小口の三方を仕上げ断

    ちします。まず、1冊の本を規定の寸法で試し断ちをした後、

    背の加工を済ませてから、表紙にくるんで小口三方のチリ(標

    準は3㎜)を確かめ、問題がなければ、そのまま本格的に仕

    上げ断ちの作業に入ります。

    ⑫丸み出し・バッキング(丸み出しバッキング機)

     断裁された本は、背に丸みを付けるために、機械の入口に

    ある2本の回転するローラーで挟みつけて丸みを出します。

    丸みの出た本は、そのままバッキング機の中に送り込まれて

    から、万力にくわえられて耳出しをします。

    ⑬背貼り・背固め(背貼り・背固め機)

     バッキングで耳出しされた本は、背固め機に自動的に送り

    込まれ、機械に取り付けられたローラーによって、本の背に

    膠にかわ

    が塗布され、最初に寒かんれいしゃ

    冷紗が貼られた後、再度膠が塗布さ

    れて、花布・背紙などを貼って補強します。

    ⑭表紙のくるみ(表紙くるみ機)

     表紙のくるみ作業は、通常はホローバック・タイトバック

    の2種類の様式で行われます。背固めされた中身の本は、自

    動的にくるみ機の中に送り込まれ、エレベーターによって持

    ち上げられながら、見返しの両側に糊付けされて、表紙にく

    るまれます。

    ⑮整形・プレス(整形・プレス機)

     表紙にくるまれた本は、自動的に整形プレス機の中に、背

    を下にして送り込まれ、入り口にある整形バーによって本の

    ←ミゾ(どぶ)

  • 75

    小口側から圧力をかけ、本の丸みを整形します。整形された

    本は、両サイドのプレス板に挟んで圧搾しながら、熱を加え

    た刃型のアイロンによって、ノド際の溝を締め付けて接着さ

    せます。

    B . 表紙作りの工程①束

    つ か み ほ ん

    見本の製作

     表紙の背開き寸法を決めるために、最初に本番用の印刷紙

    を使って、指定されたページ数で束見本を作ります。

    ②表装材料の断ち割り

     束見本によって決められた寸法をもとに、表紙のクロス類

    や芯ボールを小裁ちします。

    ③表紙の貼り加工(表紙貼り機械)

     束見本によって算出された背開き寸法をもとに、貼り機械

    をセットしてから、クロス材料に膠を塗布した後、その上に

    小裁ちした芯ボールを載せて貼り、表紙の四方を折り返して、

    貼りあげます。

    ④表紙の箔は く お

    押し加工(箔押し機械)

     貼り加工された表紙の上に、指定された図形や文字などを

    彫刻した金版に、熱を加えて箔押し加工をします。

  • 76

    ❺製本用語集

    〈あ行〉

    開あ

    き(右開き・左開き)……表紙や本文をめくる方向。右開き=右綴じ、左開き=左綴じとなる。

    上あ

    げ貼ば

    り……無線とじ製本において、のどがカットされることを避けるため、見返を数ミリ小口寄りに貼り

          こむこと。

    アジロとじ……接着剤の浸透をよくするために折丁の背にミシン目を入れて加工する製本方法。引っ張り強

           度が強い。52P 参照。

    圧あっさく

    搾(=均なら

    し)……「均し」参照

    一部抜き……本の各部位の刷り紙を一枚ずつ抜き取り、体裁・構成順にまとめたもの。特に丁合見本として

          作業上重要な役割を持つ。

    一い っ と う だ

    刀裁ち(=断ち切り)……付け合せの印刷物で、化粧断ち用のドブを設けていない状態、またはそのよう

                 な面付けのこと。

    糸い と と

    綴じ(=糸かがり)……折り丁の背を糸で綴じる製本様式。

    ウェルダー……塩化ビニールなどを高周波で溶着する機械や工法の名称で、この仕組みを併用した箔押しを

           ウエルダー箔押し、またはW押しなどと呼ぶ。

    薄うすびょうし

    表紙……一般的な上製本(厚表紙)に対し、表紙の芯紙に薄い板紙を用い、表紙が柔軟にしなるようにし

         た製本様式。

    エマルジョン……エマルジョンタイプの接着剤を指す。エマルジョンとは乳濁状態の液体のこと。

    折り……刷本をページ順になるように折りたたむこと。16 ページ折りが標準。

    折り丁ちょう

    ……刷本をページ順になるように折りたたんだもの。1台を 16 ページにするのが一般的。

    〈か行〉

    角か く せ

    背(=背角)……上製本様式のうち、表紙の背が平らに仕上がった製本様式。並製本は角背とは呼ばない。

    角かどまる

    丸……本の小口の隅を丸く切り落とす加工。本文用紙が特別に薄い場合や逆にボール紙などで特別に厚い

        場合に用いられる。

    金かなばん

    版……箔押し用凸版のうち、特に真鍮を材料としたものを指す。

    空か ら お

    押し……金などの色の付いた箔を使わずに、無色で文字や模様の型を付ける箔押し。

    仮かりがた

    固め(=下固め)……「下固め」参照

    仮かり

    フランス装そう

    ……小口折製本の別称として用いられることがある。

  • 77

    寒かんれいしゃ

    冷紗……上製本の背固めに用いる織布。

    逆ぎゃく

    バッケ……背固めの不良などにより、背が内側に湾曲した状態。

    切り替え……誤植など内容に不具合のある頁を切り取り、正しく印刷しなおした頁を貼りこむこと。

    切り裂き……折り本の袋状の部分を切り開くこと。別丁ペラの差し込みや抜き刷りのためにひとつの折を分

          断する際にこの作業をおこなう。

    切きりつけ

    付……表紙と中身を同時に仕上断ちすること。通常の並製本や中とじの仕上断ちがこれに当たる。

    クータ……元はホローバックの上製本に用いられ、強度と開きの良さを同時に向上させる機能を持つ。筒状

         の紙で、“空くうたい

    袋”が語源といわれる。

    グル……表紙または本の中身の一部が、天地が逆になっていること。

    化け し ょ う だ

    粧断ち(=仕上裁ち)……「仕上裁ち」参照

    小こ ぐ ち

    口……本の綴じ目以外の三方を指すが、一般的には綴じ目の反対側(前小口)だけを指すことが多い。

    小こ ぐ ち お り

    口折……並製本の様式のひとつ。表紙の左右だけを中身より大きく仕上げておき、その分を内側に折り込

         む製本様式。これを「フランス表紙」と呼ぶ例もあるが、別物である。

    小こ ぐ ち の り

    口糊……並製本で、見返の小口に糊入れをすること。

    〈さ行〉

    仕し あ げ だ

    上裁ち(=化粧断ち)……規定の寸法で小口の三方を断裁する作業。

    下したがた

    固め(=仮固め)……丁合い・背ならしの済んだ中身を正確に断裁するために接着剤で固定する作業。

    スピン……主に上製本の、天ののどに貼り付けて本文に垂らすしおりのこと。

    刷すりほん

    本……印刷が完了し、製本などの後加工が始まる前の印刷紙。

    背角(=角背)……「角背」参照。

    背せちょう

    丁……刷本の区分を表示するために入れる品目

    (書名)、巻数、月号、折名(折り区分数字)のこと(図

    参照)。

    背せ ば

    貼り……本の背を補強するために、地券紙や寒

         冷紗を中身の背に貼ること。

    背せひょう

    標……乱丁・落丁を防ぐために折丁の背に印刷

        したスミベタの目印。正しく丁合した場

        合は階段状に背標が並ぶ(図参照)。

    背せ ま る

    丸(=丸背)……「丸背」参照。

    背せ み ぞ

    溝(=いちょう)……上製本の表紙を開きやす

    【背丁と背標】

  • 78

                くするために、背と平の間につけた溝。

    背せ も じ

    文字……書名・著者名・発行所名など本の背に記された文字。

    センターミシンとじ(=中ミシンとじ)……のどの折り目をミシン糸で綴じる製本方法。面付けは中とじと

                         同じになる。

    〈た行〉

    タイトバック……角背・上製本様式のうち、中身が背表紙の内側に糊付けされたもの。同様な加工がされた

            丸背は、フレキシブルバックと呼ぶ。

    断た

    ち切り(=一刀断ち)……「一刀裁ち」参照

    断た

    ち割り……大きな判で印刷された刷本を、折りなどの後加工に適した大きさに断裁すること。

    丁ちょうあい

    合……折丁をページ順に1冊の本になるよう順番に揃えること。

    チリ……上製本の表紙は中身より大きく仕上がっている。これによって生じる天・地・小口のマージンのこと。

    束つか

    ……表紙を除いた本の厚さ。

    束つ か み ほ ん

    見本……事前に本の厚さを知るために作る見本。これを元に表紙などを設計する。

    突き揃え……刷本を裁ち割るための準備として印刷紙のクワエ側と針側を正しく突き揃える作業。

    付つきもの

    物……本文以外の印刷物の総称。表紙、見返、扉、カバー、スリップなど。

    扉とびら

    ……本文の冒頭にタイトルなどを印刷したページ。巻頭の場合は「本扉」、章などを区分するページを「中

       扉」という。

    共ともがみ

    紙……口絵や扉などの付物を本文と同じ紙で印刷(または加工)すること。

    取り込み……丁合の際に同じ折丁を重複して複数拾ってしまうこと。P77 図参照。

    〈な行〉

    中なか

    とじ……のどの折り目を針金で綴じる製本方法。

    中ミシンとじ(=センターミシンとじ)……「センターミシンとじ」参照

    均なら

    し(=圧あっさく

    搾)……糸かがり作業の後で、空気が入って折り丁が脹らんだり、糸で背が高くなっているもの

             を圧搾して平らにする作業。

    二に ち ょ う が

    丁掛け……上・下に同じ頁を並べて面付けをすること。印刷後の加工でも一定の工程までは上・下に並ん

          だまま加工がされる点で、「2 面付け」などとは異なる。

    のど……本のとじ目側の 10 ㎜程度の幅。64P 参照。

    〈は行〉

    箔は く お

    押し……金版などの凸版で箔を紙や布に押し付け、文字や絵柄を表現すること。66P 参照。

    バッケ(=バッキング)……上製本の背に丸みを付けるためにローラーで挟んで丸みを出す作業。

  • 79

    花はなぎれ

    布……上製本の背の上下両端に貼り付けた布地。折丁の端を補強する役目があったが、現在は装飾的なも

        のが多い。

    貼は

    り込み……見返、扉などの付物を本文に貼りつけること。

    表紙くるみ……表紙を中身に取り付けること。単に「くるみ」とも言う。

    表紙貼ば

    り……クロス、皮、印刷紙などの表装材料に芯紙を貼り、上製本用の表紙を作ること。

    ひら……表紙の背、小口以外の場所を指す。いわゆる「おもて表紙」「うら表紙」がこれにあたる。

    平ひら

    とじ……のどを巻頭から巻末に向けて針金で綴じる製本方法。地域によっては、まれに並製本を指す場合

         もある。

    フランス表紙……表紙の三方を内側に折り込み、そこへ見返を挟み込む装丁のこと。

    ベタ糊のり

    ……表紙くるみや支し た く

    度の際に、全面を糊付けすること。

    ヘッドバンド(=ヘドバン)……花布とほぼ同義語。

    ペラ……折りをしていない紙のこと。頁物では 2 頁のことを指すことになる。

    ホローバック……上製本様式のうち、中身が背表紙の内側に糊付けされていないもの。

    〈ま行〉

    巻き折り……本文などの折り方のひとつで、同じ方向に連続して 2 回以上折ること。

    丸ま る せ

    背(=背丸)……上製本様式のうち、表紙の背が丸く仕上がった製本様式。並製本にはない。

    回し折り……本文などの折り方のひとつで、1回目の折に対し2回目を直角方向に折ること。3回目は2回

          目の折に対し直角となる。

    見みかえし

    返……表紙の裏と本文のノドに接着して表紙と本文を結合させる紙。表紙の反りを防ぐ効果があり、装丁

        美にも大きく関わる。

    無線とじ……折り丁の背を接着剤だけで接合する製本方法(広義)。「アジロとじ」と「無線とじ(狭義)」 

          の 2 種類があるが、一般的には折り丁の背をカットする狭義の無線綴じを指すことが多い。

    面めんつけ

    付……折りごとに頁が正しい順番でつながるように配置したり、付物では同じものを同一の印刷面に複数

        配置したりすること。

    〈や行〉焼付け……一旦くるみ作業が終了した本の背に過熱しながら圧力を加え、さらに接着度を向上させる工法。

    ヤレ……汚れや傷の付いた印刷紙のこと。「損紙」もほぼ同義語。

    〈ら行〉 落らくちょう

    丁……一部の頁が欠落したまま製本すること。

    乱らんちょう

    丁……一部の頁が誤った順序で製本されること。正確には折り丁の順序が誤っていることを指す。

  • 80

    Change ━本が変わる/製本が変わる/便利さが変わる PUR / クータ・バインディング

                   2010 年6月 12 日発行

                   著  者 渋谷一男 

                   制  作 株式会社渋谷文泉閣/ P ネット信州

                   編集協力 有限会社川辺書林

                   印  刷 矢沢印刷株式会社

                   製  本 株式会社渋谷文泉閣(クータ・バインディング使用)

                   発 行 所 株式会社渋谷文泉閣 本社・本社工場 長野市三輪荒屋 1196-7 TEL 026-244-7185 FAX 026-243-3257 http://www.bunsenkaku.co.jp/ E-mail [email protected] 柳原事業所 長野市柳原上返町 2362-16 東京営業所 東京都千代田区一ツ橋 1-1-1       パレスサイドビル B 4F       TEL 03-6267-7020       FAX 03-6267-7090

    あとがき 出口の見えない出版不況が長期にわたって続いています。原因はいろいろ挙げられてお

    り、この窮状打開のために多くの関係者が頭を痛めつつも、日夜奮闘されていることと思

    います。

     「紙媒体から電子媒体へ」。本の電子化の波が加速されていく大きな流れの中にあって、

    出版印刷文化の一翼を担う製本人としてあらためて使う人の立場を真剣に考えながら、こ

    の PUR /クータ・バインディングの解説をダイジェストにまとめてみました。多くの方

    に幅広くご理解いただき、出版印刷文化の発展のお役に立てていただければ幸いです。

  • Change 入門編ところで、こんな経験はありませんか? 6PUR とは 12PUR のメリット ①よく開く 14 ②丈夫で熱に強い 15 ③環境にやさしい 16 ④インキによって劣化しない 17クータとは 18クータのメリット

    ❶本を見ながら両手が使える 20❷読書が楽に快適に 22❸書き込みがしやすい 24❹コピーが取りやすい 26❺見開きページでの写真や図版がきれいに 28❻文庫本から美術本まで幅広く活用できる 30❼ PUR の特性をすべて備える 31

    クータの実用例教科書・参考書 32楽譜 33

    料理本 34カタログ 35写真集・美術書 36ダイアリー・家計簿 37

    クータの近未来 いろいろな場面で本の利便性が向上 38 本のデザイン性や機能が広がります 39

     ICタグによって出版流通が大変革 40

    Change 技術編 EVA 系ホットメルトの特徴 46 PUR の現状と展望 47 糸かがりから PUR へ 48 接着剤メーカー訪問「日立化成ポリマー㈱」 50 機械による PUR の差異 52 機械メーカー訪問「ミューラー・マルティニ社」 54 機械を使いこなす技術力 56 クータ・バインディングの工程 58 クータの開発秘話 60 「現代の名工」と特許取得 61

     製本の基礎知識 ❶本の構造と部分名称 64 ❷本づくりのチェック項目 65 ❸並製本の工程 68 ❹上製本の工程 72 ❺製本用語集 76

    あとがき 80

    目次 Contents

    ●本文用紙 HS ハミング 111kg

    ●表紙用紙 HS ハミング 119.5kg

    ●印刷機  Speedmaster SM102-8PA

    ●製本機  ボレロバインダー

    ●製本仕様 クータ・バインディング

  • 本が変わる/製本が変わる/便利さが変わる

    PUR/クータ・バインディング

    株式会社 渋谷文泉閣

                   

    PUR/クータ・バインディング           

    渋谷文泉閣

    Universal Design Book