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Biomedical Fuzzy Systems Association NII-Electronic Library Service Biomedioal Fuzzy Systems Assooiation イオメ カル システ 学会 Vol 14 No 1pp 89 96 2012 Copy1 ight 2012 BiomedicalFuzzy Systems Association Original article 2011 1130 Accepted 伝導 力学 準粒 リト 理論 細胞 分極 脱分極 ラリト ンの 仮説 松浦弘幸 1 根本哲也 1 , 久保 1 1 )国 長寿医 療研究 長寿医 究部 神経軸索 興 奮伝 導 や 量子干 渉 を伝 媒体 して 準粒 子 ポラリト考えた リト 神経軸索膜 活動電位 発生する 分極 量子 的波動と して や軸索問 伝搬 して 行 く を分 転と して 的分極波 ナプ 干渉 興奮 伝導 ミク から 神経 電気 クト 変動 伝播 リト 神経的電磁気現象 担体 準粒 して リト 10 251 g 1 量をして 表現 され る ポラリト 量は 質量 1 10 倍程度 6 7xlO 30Kg ある ノイ 擾乱 水和 状態 存在す 10 水分子 ポラリトせ られ て 準 粒 子 を 形成す 神経伝導 ラリ 底状 1 μ m 10 μ 06 μ m 存在す リト方程 式や クラ 方程 式に 従う Na K 内外 導原因 トを 形 果を 軸索方 向や 軸索外 伝搬す 媒介粒了 役割 ラリト 粒子 分極 神経軸索神経回路網 トリウ イオ 分極波 波動関数 i 渉 効果 電体 Quantum Nero theory onic currents and Polaritons Hypothesisof Polariton Physical Estimation of Polariton on Axo Hiroyuki MATSUURAi TetsuyaNEMOTOi Ryo KUBOTAi 1 Dep αrtment fGerontechnOlogy Nationa CJenter br Geri αtCS and GerontOtogy Abstrac P ・・ e4 ε ρ ・・ theses f neu ψ es ψ α ρ 5 ε as θ’・ 9 9 溜・・・ Th 厂・ η es and syna θnes as ep se a e ρ ・θ ρ 9 e4 ρ la it n whi h a n τ姐 les i eguanti ・・d P lariza n wa es P ia W ich hαS 1 are massive ve ρ σε∫ tnassive ρ 01 αns are connecting ehveen many nic cztren4 Na κ 1 Cfietc when neurons fi r0 η5 are cOndu 9 their excita o The Vα I currents 5 η8 z厂α η85 q czxons caZt s e κ σ 厂厂 ents to outside of αxons t 乃rough charged or non eharged quantize ρ 0arizαtion W σV8 i e ρ 01 αYarioeSS epha ρ se C etc α ’鷹 rmediate ρ 0ノ αns Those quantum σ召∫ α θσ0 n α 290 τ‘厂 neural sconditions by inter αcting with each neurone One ρ m purposes is to study qtfect of qeva 1 〃召 厂・ ・η ・・ α’ 厂・ ρ ・∫e WC ・η・ θ〃 α aCC panied with qt antum inte feren ・… K pol αriton qusaipart les polarization V80 0 50 ionie currents pota ium 0廨 currents w αvefanetion αxon neur α1net quantz η ηごL s eP ρ s e dielectrie materials HiroyukiMATSUURA 36 3 Gcngo Morioka cho Obu Aioh474 8511 Japan Phone81 562 44 5651 ext 5662 Fax 81 562 48 6668 E mail hmatsu ncgg ge jp 89 N 工工 Eleotronio Library

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Biomedical Fuzzy Systems Association

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Biomedioal  Fuzzy  Systems  Assooiation

バ イ オ メ デ ィ カ ル ・フ ァ ジ ィ ・シ ス テ ム 学会誌 Vol.14,  No ,1,  pp .89− 96 (2012)             Copy1・ight◎2012  Biomedical  Fuzzy Systems Association

[Original  article ](2011年 11月 30日  Accepted)

神経伝導の 量 子力学モ デ ルー

準粒子 ・ポ ラ リ トン 理論

神経細胞 の 分極 , 脱分極,そ し てポ ラ リ トン の 仮説

松 浦弘幸1

, 根本 哲也1, 久保 田怜

1

1) 国立長寿医療 研 究 セ ン ター

,長寿 医療工 学研 究部

要約 : 神 経軸索で 興奮伝導や量子 干渉 を伝 える媒体 と し て ,準粒子 ・ポ ラ リ トン の 存在 を

考えた.ポ ラ リ トン は神経軸索膜で 活動電位に伴 っ て 発 生す る分極が 量 子的波動 と し て, 軸

索上 や軸索問 に伝搬 して 行 く状態 を分 極ベ ク トル の 回 転 と し て 量チ モ デ ル 化 し た もの で あ

る.量子 的分極波 が エ フ ァ プ スや シ ナプ ス 干渉,興奮 の 伝導の 媒介等, ミク ロ な視点か ら の

神経電気 現象を担 い ,こ の 分 極ベ ク トル の 変動 の 伝播 ・ポ ラ リトン が神経的電磁気現象 を伝

え る情報 担体で あ る .準粒 子 と し て の ポ ラ リ トン 質 肚 は 約 10’251

〈g,ス ピ ン 1 の 質 量 を持 つ 光

子 と し て 表現 され る.裸 の ポ ラ リ トン の 質量 は , 電 子質量の 1〜 10 倍程度 (6.7xlO’30Kg

) で

あ る,通常 は,熱 ノイ ズ の 擾乱に耐 えるため に,水和 した 状態で 存在す る.高 々 ,10個程度

の 水分子が ,裸 の ポ ラ リ トン に引き寄せ られ て準粒 子 を形成する.神経伝導の ポ ラ リ トン が

持っ 基底状態 の 波長は 1 μ m を 中心 に 10 μ〜0.6 μ m に 存在す る.ポ ラ リ トン は,シ ュ レ デ ィ

ン ガー方程 式や クライン ・ゴ ル ドン 方程式 に従 う. Na +, K +の 膜 の 内外 へ の 流入 ・流出 が 伝

導原因の カ レ ン トを形成 し,そ の 効果 を軸索方向や 軸索外に伝搬す る の が,媒介粒 了ポ ラリ

トン の 役割 で ある.

キ ーワ ー ド : ポラ リ トン ,準粒 子 ,エ フ ァ ブ ス ,分極 ベ ク トル ,神経軸索,神経回路網,

ナ トリウ ム イ オ ン 流,カ リウム イオ ン 流,分極波,波動関数,量子 i渉 効果 , 誘電 体

Quantum Nero −theory,亘onic  currents  and  Polaritons

(Hypothesis of  Polariton, Physical Estimation  of  Polariton on  Axo 皿)

  Hiroyuki MATSUURAi, Tetsuya NEMOTOi ,Ryo KUBOTAi ’

1/ Dep αrtment ()fGerontechnOlogy, Nationa ! CJenter/br Geriαt〃 CS and  GerontOtogy

Abstrac’: ノ P・・脚 ∫e4 酌ε ρ・跏 ・・ 切 ・theses ・f neu ・一碑 ・ψ 欄 ・ es,ψ αρ5ε as θ’・9廨 曲 9 溜 ・齢 ・・ Th…

厂・一ガη啣 と闇 ・es and  syna 脚 θ nes  as ep 伽 se・a ・e ρ・θρ・9・’e4 加 ρ・la・it・n ・ whi ・h a 脚 た〜n ・ノ吻 τ姐 吻 ・所 ・les, i, e.

guanti・・d P ・lariza〃・n wa ・es.  P ・ia吻 醐 W んich  hα S 脚 ? 1. are  massive  ve伽 ρ副 ’σ’ε∫ 祕 tnassive 吻 嬬

ρ01α吻 ns  are  connecting わehveen  many わ nic  czt厂ren4  Na ,κ1

, Cfi etc  when  neurons , fi加 r∫ 傭 0 η 5ソare   cOndu 伽 9

their  excita 〃o榔 .  The〜Vα

I

  currents ,’伽 廊 廨 5 で〜〆”η 8 〃zか厂αη 85  qズczxons , caZt.s’e ’加 κ σ  厂厂ents to outside  of α xons

t乃rough  charged  or  non −eharged  quantizeゴρ0!arizαtion W σ V8,  i. e.ρ01α所 備 ・ YarioeSS∫惚 げ醜 毋 螂 epha ρse,

脚 曜 〜C etc .,α昭 ’鷹 rmediate ゴ 毎 ρ0 ノα漉 ・ ns .  Those quantum ど漉 吻 脚 σ召∫ α厂θ σ0 襯 脚 n ケ α伽 ∫〃’290 τ‘厂 neural

砌 幽 厂伽’sconditions  by interα cting  with  each  neurone .  One ρ〆m )

’・purposes is to study  qtfect of  qeva伽 〃1 〃召  一

厂・一’廨 吻 ・η ・・& α’吻 厂・ρ・∫e 伽 ・WC ・η・螂 吻 θ〃・α’・伽 磁 aCC 硼 panied/with  qt’antum  inte・feren・…  !

K 砂脚 鳩 ’ polα riton , qusai partたles, polarization V80 ’0凧 50ゴ’醐 ionie currents , pota ∬ ium 〜0 廨 currents ・

w α vefanetion ,αxon , neur α1 net, quantz〃所 η ’♂ヴ瞬 ηご L・s, eP 加ρs

’e, dielectrie materials

Hiroyuki MATSUURA

36−3,Gcngo . Morioka −cho , Obu, Aioh〔,474−8511,Japan

Phone: +81−562−44−5651(ext,5662), Fax :+81−562 −48−6668 . E−mail :hmatsu@ncgg .ge.jp

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神経伝導 の 量子力学モ デ ルー

準粒子 ・ポ ラ リ トン 理論

1. は じめに

 神経細胞に微小電極を差 し込んで膜電位を観察に関

する優れ た研究がなされ て, そ の 結果 , 神経の 興奮と

活動電位の伝導に関して詳細な機序が明らかに されて

きた.神経軸索の 活動電位の 伝導は , 静止膜電位か ら

の ナ トリウム イオ ン の 軸索内部に流入による脱分極過

程 と, それに引き続くカ リウム イオ ン の細胞外流出,

そ して ,イオ ン ポン プによる再分極過程 (復帰過程)

の繰 り返 しで あ る と理解 され て い る,Hodgkin と

Huxleyは,興奮の 伝導を神経軸索の ケーブル 特性によ

る局彌 充とイオ ン電流を基礎とする静止膜のケーブ

ル方程式に興奮時に見られる能動的な電流の付加項を

加 えた方程式か ら,数理的神経興奮の 伝導モ デル を発

表 した[11.他方,医学的な側面では,A エvanitaki が並べ

られた 2本の神経軸索の 間で,

・…方の 興奮が他方の 神

経軸索に伝導す る とい うエ フ ァ プ ス (Ephqpse)を発見

した,これは ,

一種の 人エ シ ナプ ス の創造と見なされ

たが, 今 日,エ フ ァ プス は脱髄や神経損傷をした病的

な軸索に観察され る現象であ り,

一般には こ の 様な干

渉効果 は 非常 に小 さく灼熱痛(causalgia)や神 経痛

(neuralgia)等の負の評価しか与え られ て い な い .

我 々 は ,こ の 微弱なエ フ ァ プス が正常な神経軸索で

も常時存在し,神経細胞 の微妙な調整や状態に影響を

及ぼ し,時にはマ ク ロ な心理現象として,発想,飛躍,

錯誤,幻覚等を引き起こ してい ると考えて い る.マ ク

ロ 的に も脳 の 電磁気学的特性を脳磁図計で観測すれが,

磁場の 変動が観察され る.物理学的には,空間的な磁

場の変動は電場を生み出す 電場の変動は,誘導起電

力や,再度,磁場を発生させ る,こ の ような脳の 中で

発生する電磁場が,場の発生源で あ りかつ ,そ の電磁

場の中に存在する神経細胞の 活動電位や静止電位な ど

に影響を及ぼさない はずはない .つ ま り,少しミク ロ

な立場で 考えれば,お互い に神経細胞が電磁場を通 し

て干渉し,互 い に,協調,離反等の活動に使用 されて

い る可能性を想定 して い る.先の エ フ ァ プス もその 1

つ で ある,神経活動が物質反応やイオ ン等の ミク ロ な

活動で維持されて い る以上,先人達の偉大な業績が マ

ク ロ な力学や電磁気学に 基礎を置 く以上,我 々 は,ミ

ク ロ な物質の相互作用の解明を期待するためには,ミ

ク ロ な力学で あ る 量子力学に そ の神経論的基礎を置く

の は当然とい える.

 こ の論文で は,先人達が光を当て なか っ た量子力学

に基づい た活動電流 ・興奮伝導の モ デル を提案する,

それ は,一連 の 伝導過程に伴 う分極 脱分極,そ して,

再分極過程を量子化する こ とで準粒子 ・ポ ラリトン の

概念を導入 し,そ のポラ リトン の伝播として軸索伝導

を記述 した後,ポラ リトン が従 う方程式を導出する.

そ の結果,ポラリ トンは偏極して 質量を伴 う光子で あ

る こ とを示 した.

2. 準粒子 としての ポラ リ トン

 神経軸索で は,分極,脱分極,そ して,再分極の と

い う一連の プ ロ セ ス が,ナ トリウム イオ ン とカ リウム

イオ ン の 出入 を通 して行われる,膜内外の 活動電位の

時問変化を分極ベ ク トル (負から正 に向か う)の 大き

さと方向の 変化を模式化 した (図 1 ).

 紙面に垂直な方向か ら見て い る人には,興奮伝達に

伴 う分極ベ ク トル の 大き さは , 図 A の よ うに見える.

しか し,軸索の 軸方向か ら分極ベ ク トル を眺める と(図

A の 太 い 矢印),図 B の 活動電位 の 変化に伴い 分極ベ

ク トル の 回転として観察され る (図 C).

聾 膳

軽蘓騨

分噸饌

蟻 粥 黼 齟

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バ イオ メ デ ィ カル ・フ ァ ジ ィ・シ ス テ ム 学会誌 Vol .14,  No ./,  pp .89 − 96 (2012)

3.ポラ リ トン 性 質

[i]再分極

分極

脱分極

軸索の 軸方向より観察

回分極 / 、

X

ユ.

青い 破線 : 活動電位

赤い 実線 :分極ベ ク トル 螺 旋運動

Fig 1  分極 ベ クトル の 軸索上 で の 変化

図 A と図 C の観察結果より, 分極ベ ク トル は軸索 Eを

回転しながら,軸方向 (シナプス 方向)に向か っ て進

む事になる.結局 , 分極ベ ク トル の 動きは , 軸索方向 ・

(Z 軸方向)に沿 う螺旋運動として モ デル 化が可能で

ある (図 D ).

 軸索を構成する膜は リン脂質が中心 で あるか の で ,

強誘電体となる.そ こで は分極ベ ク トル が容易に形成

され,そ の 回転運動は分極ベ ク トル 振動とな り伝搬す

る,この 分極子 の 振動がポラリ トン であ り,分極ベ ク

トル の回転の伝播がポラ リトン の 運動で ある.これは ,

実在の粒子 で は な く,分極 した局所に引き寄せ られた

水やイオ ン等から準粒子で ある.

 次の節で,準粒子 ・ポラ リ トン の 質量,波長等の 物

理的特陸を予測する.

 ボラリ トン は分極ベ ク トル (マ ク ロ 的には分極波)

が 量子化 され た轡  子 で あ る.こ の 牌 好 が軸索上 を

伝導 して,興奮 ・活動電位の伝播が行われる,すなわ

ち , ポラ リトン の 伝導速度は , 分極波が空間や軸索を

伝わる速度に対応する.真空中の 分極波は,電磁場 の

伝搬凍度に相当して光速だが , 軸索上 の 分極波は有髄

神経の 伝導速度に相当すると仮定する.さらに,量子

化された分極波ポラリ トン の 存在する範囲は,ラン ビ

エ の 絞輪の 幅 1 μ1n とする と,こ れ は , ポラリ トン の

基底状態の 波動関数に相当す る (図 2 ).

        ラン ビエ 絞輪

一 一

丶           !

  丶        ノ  、

    、  一ノ

Fig.2 ランビエ 絞輪に存在するポラリトン

図 2 には,ラ ン ビエ 絞輪に存在するポ ラ リ トン の波動

関数 の 状態図を描い た.実線が基底状態,破線が第 1

励起状態である.基底状態に相当する.基底状態で の

ポラリ トン の 質量を見積 もる.簡単な関係式

P ÷ mv       (1)

に興奮の 伝導速度 v =100m !s,分極子 ・ポラ リトン の

波長 λ=IO6m,プラン ク定数 とすると,ポラリ トン の

質量は約 6.7XIO’30kg

禾,

/・JR. とな り, 電子質量 の 約 10 倍

を持っ こ とになる,自由なポラ リ トン の運動エ ネル ギ

ーは ,

E・

一去  調 X 晦 ・・   (・)

程度となり,水素結合エ ネル ギーよ り 1げ倍,電子の

運動エ ネル ギー

の 10倍 ほどである.結局,質量を持つ

光了一と して の ポラリ トン は,質量は約 6.7XIO

−3°kg の ス

ピ ン 1の 準粒.f一と見做 される.

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神経伝導 の 量 子力学 モ デ ルー準粒 子 ・ボ ラ

1丿 トン 理 論

 次に常跼 で の熱エ ネル ギーがポ ラ リ トン に与える影

響を検刮す る,温度 T = 300K で の熱が持つ エ ネル ギー

量は ボル ツ マ ン定数を用い て ,

んノ 司 2 × 1σ21(J) (3)

で あるが,裸の ポラリ トン 運動エ ネル ギーは , 或 2)と

(3)より,熱エ ネル ギーよ り,lO’s倍ほ ど小 さい .こ の

ために裸の ポラ リ トン は,熱運動の 擾乱を受け熱ノイ

ズ によ り正 常の 運動や庸報を担 う事が iii1来ない .しか

し,運動エ ネル ギーは質量に比例するか ら,ポラ リト

ン の 質量 が, 逆に 105倍ほど重 くなる事が 可能であれ

ば熱 ノイズ と同程度の ) ・ネル ギーとな り,熱優乱に対

抗で きる.1 個の 水分子 の 質量 M 、」は 3.1 X 10’26Kg

,そ

して ,熱 エ ネル ギー

と等価な質量 をml とすると,

恥 繁 1Xl 噸      

で ある.水分子の 質量 との質量比は

塑 L: 6m

“,

(5)

△ρ望 → 1.・−29

   △x

程度で あ る と見積もられ る,

準粒 了 ・ポ ラ リトン

qっ。

  

 

○○

○○

 ○

り…………

b

で る.これは,裸の ポラリトン が高々 数個の 水分子 を

引き付けて準粒子を形成できるならば,熱ノ イズ と同

程度の エ ネル ギー

を獲得で きる.水分子同士 の分子間

隔は,約 2A とす ると,ラン ビエ 絞輪の長さが 1μ m

で あ る から,その 絞輪の 所に,水分子 は約 5000個ほ ど

整列で きる計算 とな る.これは,先の黄 5)を考慮すれ

ば,裸 の ポ ラ リ トンが水分子 を引き付けて準粒子を形

成するの 1分 な広 さで ある.

 裸の ポラリトン が準粒子を形成する可能1生を統計的

なゆらぎか ら考察する.統計力学に よれば‘N 個の 粒

子数が存在する場合,こ の 時の 粒了数 の ゆらぎは,NO’s,

誤 差率は,NO’S で ある”

と言われ て い る.”

ヒ トの 軸

索の長さを 1m,水分子間距難を 2.OX lO’iOm

(2A )“と

する と,軸索 ]m の [11に水分子 は 5.OX 109個も存在す

の で,粒 r一的ゆらぎは,7 .OXIO4個で ある.この粒子

数を長さに換算すれ ば、約 10’5m

とな る.こ の ゆらぎ

の 幅は,ラ ン ビエ 絞輪の 10倍以上 の大きさを有し,こ

の ために髄鞘の 内部まで統計的なゆらぎが入 り込んで

い る.こ れは,ボ ラ リトン が [一分にラン ビエ 絞輸内に

存在で き る事を保証する.

つ ま り,

(基底状態ポラリトン の存在領域) < (統刮的 ゆらぎ)

とい う関係が成立 し,不確定1生原理 よ りポラ リトン の

運動量は,せ い ぜ い

Fig.3 軸索上を伝導する準粒子 ・ポラリトン

図 3 は,裸の分極子 (裸の ポラ リトン )を中心に水分

子が酬立する.これ よ り準粒子 の ポ ラリ トン が 形成 さ

れる.我々 が実際に計測できるの は , 準粒子 として の

ポラ リ トン であり, 裸の ポラ リ トン は , 裸の 電子が計

測されない の と同様に通常は,観測にかか らない .下

の 図は,準粒子・ポラ リトン は軸索上を運動して , 興

奮の 伝導や トン ネル 効果に よ りエ フ ァ プス ,量子十渉

に関与する.この 量子的な準粒子 ・ポラ リトン の 従 う

方程式を次節で導山す る.

4.ポラ リトン の 記述

 ボラリ トン は亀磁相互作用 を担 う質量を獲得 した光

子であるか ら,ス ピ ン 1 の ベ クタ

ーフ ォ トン と考えら

れる.ボラ リ トン の 進行方向を Z 方向に取 り, R 偏光

(右偏光)した電場 ベ ク トル を x ,y 偏光状態 で表現

すると,

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バ イオ メ デ ィ カ ル ・フ ァ ジ ィ・シ ス テ ム 学会誌 Vol ,14,  No ,1,  pp ,89− 96 (2012)

E(z ,t);

E… expi (k・ 一ω り+ E

・ε

・’(ke一ω ’+ ・ /2)

(、)=Eoε

. exp  i(kz− c)t)+ iEoε

,i(たz 一ω の

ただ し, E は偏光ベ ク トル とする.

IE(z ,t)〉− 1勾 ・xp 鵬 ・ ’)・ i・

y >・xp ・i(kz− ・・t)(,)

亅勾 = E。ε

. ,  1π ,〉= E。εy

こ れを規格化すると,最終的に右偏光ポラ リトン の 表

示は ,

IE(z ,t)〉

古・・ 地 〉・呻 ・kz一切  (8’

を得る.また,ポラ リ トン の 表示或 7)を z で偏微分 ,

幣り〉一一k・1・剛 〉 

 

両辺 に一ガ/2m を掛けて ,− vIE (Z,

t)〉を加える.

∂E (z ,り〉     =h(olE (z ,

t)〉  ∂t

.卜記の ように時間微分 して,さらに,

E ・・= ht・ = ( 2

+ v

(IO)

(Il)

に留意すると, 時間 を含む シ ュ レデ ィ ンガー

方程式

ih∂1緊ラ

の一 [嘉・ ti… t)1匝 ・)〉

(12’

が導かれる.同様に式〔8)を時間と座標で微分して ,エ

ネル ギー・運動量保存則 と外部場 の ポテ ン シ ャル V を

加えると,

  1  ∂21E

(z ,t)〉

(a)2f/k2) ∂t2

−[券一畷 ・

、矧 嘲 (1・・

・ =ω2

/k2 ⇒ c2

とな り, クライ ン ・ゴ ル ドン 方程式を得る.式 (13)

は,通常はス ピ ン 0 の 相対論的なス カ ラー粒子がポ テ

ン シ ャ ル V の 下で運動を表現する.さらに,クライ ン ・

ゴ ル ドン 方程式 は 1成分波動方程式で あるが,式〔13)

は,3 成分の ベ ク トル波動方程式 で ある.電場 E(x,t)

や磁場 恥Nt)を直接的に量 子力学的な方程式持ち込む

こ とは,一般的 で はない .量チ力学的電磁気理論で は,

電場や磁揚の代わ りにベ クター

ポテ ン シ ャル AV を利

用す る.ベ ク ター

ポテ ン シ ャ ル を用 い る と箍磁 場は,

B (xit )= rotA (x ,t)

E(x ,t)一一9。卿一⊥∂A (x ,

t)    (13)           c   ∂t

・4μ= (φ(x ,t),A (x ,t))

さらに,場の 強度テ ン ソル F ” v

を導人すると,

     0  − El  − E2 − E −’

     Ei   O   − B3   B2                     (14)F /iV

     E2    B3     0    _Bt

     E3  _B2  Bl   O

と電磁場 とベ クターポテ ン シ ャ ル が関連付けられる.

ボラリ トン は質.量を獲得 した ス ピ ン 1の 光了

・で あるか

ら,ク ライ ン ・ゴ ル ドン 方程式と類似させ ると,そ の

ラグラ ン ジ ュ 密度は,ア  15)で表現され る ;

e −一

士FltyFlt・、・+9m2A/,A μ 一

ノ7

コ.,A /t

   (15)

変分すれば 相対論的なポラ リ トン の 方程式,すなわ

ちプ ロ カ方程式が得られ る.プ ロ カ方程式は,

∂ Fl’V

+ m2Av =ブ         (1   /t

ブω =(ρ(x ,t),

i(x ,t))

で あ る.ソー

ス jv=0 で あ る か,カ レ ン ト密度の 保存則

が満たされ ると自動的に ロー

レ ン ツ条件は成立す る,

(ただ し,単位系はMKS 単位系か ら自然単位系に移

行した).ロー

レ ン ツ条件 ドで式(16)は,

            つ

(∂μ∂

μ+ m

’)AV =ブ        (17)

と簡略化される,こ れ を自然単位系で 記述 した式く13)

と比較 すれば,カ レ ン トjvは,ポテ ン シ ャ ル と V

と電揚の 相互作用 の 効果で あると知れ る.自然単位系

V(z ,t)E(z の ⇔ ブ         (18)

とみな され る.神経軸索で の ナ トリウム カ レ ン ト JN、

とカ リウム カ レ ン トJK とすれば 式〔16)の ポラ リトン

の 生 じる源で あるか ら,

93

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神経伝導 の 量 子力 学 モ デ ルー

準粒 了一。ポ ラ リ トン 理 論

(∂。∂

”+ m2 )A

!i

一 ノ島+ ブ寿      (19)

である.次 に,相対論的なエ噸7)より,非相対論的な

シ ュ レディ ン ガー

方程式を導くために,MKS 単位系の

波動関数 へ,を,

蜘 蜘 ・蝋一

詞(2°’

と 2 つ の 時間依存性の部分に分離する.非相対論的極

限にで は,全 エ ネル ギーE と静止 エ ネル ギー (質量;)

m の 問の差異は小さく,エ  21)の よ うに定義される E’

  Et = E − me2,  Et << MC2             (21)

は,古典力学の運動エ ネル ギーに対応する.

i∂〆

。 E ・

の・

<< 卿・    

(22)

  ∂t

こ れ に よ り,

零1謬 ・… x ・〔一

詞∂2

/4μ

 ∂t2                 (24)

十2

礬 一・梺 ]・× ex ・〔

詞これを,式(B ),(18),(20)の 関係を用い て計算すると

÷ 「蓋祠 ・”

  、25)

  ・4μ= (φ,

A )

これが,ボラ リ トン の 非相対論的な方程式である.

こ こで ,ベ ク ターポテ ン シ ャ ル の 時間成分 で ある ス カ

ラー

ポテ ン シ ャ ル は,エ  25)よ りAO=φか ら,そ して,

非相対論的扱い で は ,静止 質量項を落とすか ら,

畷 一卜貌・・

+司・・

畷 一「知 ・南の

μ

(x )=@°

(x ,り,グ (x ,’))

と書ける.電荷を持 っ た ポ ラリ トン を考察する.

(26)

式〔17)に A.の 共役複素数を掛け,また,式の 丿L

’gtftを取

っ た後に A、を掛けて 差を取る :

∂.(Al∂

μ4 + 4 ∂/‘Avs)一ブ

宗4 一

ノ1,ゴ (2D

MKS 単位系に戻 して 4 元 カ レ ン トJ μ を定義する.

    ieh     (A

’∂

μ/4 + A ∂

/tAvs

v     μ    1 )    (28)」

μ≡

    2m

電荷 Q は,4 元カ レ ン トの 時問成分 より,

     ieh     ぱ ∂

°A。

+ A1∂°

の      (29)9 ≡

    2mc

として定義され る,ポ ラ リ トン の A μ を実部と虚部に

分解する :

      1  ・4μ =  (Aft+ ノ4う

                     (30)

  ,f’t

= ズ + 醪

実部と虚部がそれぞ濔 虫立して ,同 じ質量 m をもっ て

式〔17)を満たす とすれば , 明 らかに

回 亨〕A・ 一

・・

                     (31 )

〔・ハ 剰ボ ヂ

となる.これは,π 中問 rの 電荷と同様に考察すると,

At’

− A ”*

一 お(4 瑚                     (32)

4 尋 一

お(Af 一鰐 )

  ・48 = .4 μ; ・4μ

上から,止電荷,負電荷,そ して,中立 (無電荷)の

ポラ リ トン を表現 して い る.上記の 考察よ り,エ〈](17)

は無電荷,∫竄32)が負電荷と正電荷を持つ 相対論的な

ポプ リ 1・ン の 方程式 に対応する.式(17)〜(26)まで の 手

続きに従 うと,式〔31)に対 して も,或 25)と同じ形を持

つ 非相対論的ポラ リトン方程式が得られる.換言すれ

ば,式(25)を解き,実数解が無電荷,そ して, 複素数

解が電荷を有するポラリ トン に相当する.

5.カ レ ン トとポラ リ トン

電荷 q の ポラリトン が,ナ トリウム カ レ ン トJN、 とカ

リウム カ レ ン トJK が作る電磁場 GU の 中で運 動 した

とすれ ば,

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バ イ オ メ デ ィ カ ル ・フ ァ ジ ィ・シ ス テ ム 学会誌 Vol.14,  No ,1,  pp .89.96 (2012)

▽ → ▽ _!G,

        c

H → H − qG°

と置き換えて整理すれば

・ 筈一c蓊プ ・ ti〕〆・ 艦・〔

    1G ・▽ + 一▽

    2 〕・・

慌 ・・

詞 〆

(33)

(34)

とい 複雑な式になる.式が複雑なの は ,ポ ラ リ トン が

電荷を持つ ためであ り,もし,無電荷であれば式(33)

は式(26)に戻 り, こ の 時は , ポラ リ トン は運動量 とエ

ネル ギー

を移行するの み であ り, 電荷を運搬 しない .

また,”−ll’7Uti/を持つ ポ ラリ トン は , ポラリ トン の問で の

竃磁的な相互作用も発生するため に,さらに L記の 式

を多粒子系に拡張する必要が生 じる.この ために,非

相対論的な場の量子論の 取 り扱い 求められる,

態 の 波長は 1μ ln を中心に 10μへ0.6 μ m に存在す る.

さらに,ポラリ トン は,シ ュ レデ ィ ン ガー方程式やク

ライ ン ・ゴル ドン 方程式に従 う.厳密には , 3 種の 電

荷 (正負,ゼ ロ )とス ピ ン 1 ,そして,質量を持つ こ

とか ら寇荷 と質量を持っ ベ クタH 粒子 の 式 で あるプ ロ

カ場で記述する こ とが妥当で ある.Na+や K+の 膜の 内

外 へ の流入 ・流出が伝導原因の カ レ ン トを形成 し,そ

の 効果を軸索方向や軸索外に伝搬するの が,伝導粒子

として の ポラリ トン の役割で ある.これは,物質世界

における基本粒子が電了弋暢 子 であり,その相互作用

を媒介する の が光子やグルー

オ ン に相当する ゲー

ジ粒

子 とい う関係に似て い る.

Fig,4Na’

, K+

のカ レン トと媒介粒子ポラ リ トン

5.ま とめ と考察

「ボラリ トン モ デル の提案と媒介粒f仮 説」

 神経軸索で興奮伝導や量子干渉を起こす媒体として ,

準粒子・ポラ リ トン の存在 を考えた.ポラリトン は神

経軸索膜で活動電位に伴っ て発生する分極が量子 的波

動として,軸索上や軸索問に伝搬 して行く現象を,分

極ベ ク トル の 回転 として量子モ デル 化したもの で ある.

量子的分極波がエ フ ァ プ ス や シナプ ス 「二

渉,興奮の 伝

導の 媒介等 , ミクロ な視点か らの神経電気現象を担い,

こ の 分極ベ ク トル の 変動の 伝播 ・ポ ラリトン が神経的

電磁気現象を伝える情報担体である,準位子 と して の

ポラ リ トン質量は約 lO’2SKg

,ス ビ ン 1 の質量を持つ 光

子 として表現 され る.電荷は ,正負,そ して,ゼ ロ の

3 種類 が 可能で あり, 裸の ポラ リ トン の質量 は,電 了

質量 の 1〜10倍程度 (6.7XIO’30Kg

)である.通常は ,

熱ノイ ズ の擾乱に耐 えるために , 水和した状態で存在

する.高々 ,10個程度の 水分子が,裸の ボラ リトン に

引き寄せ られて水和 ・準粒子を形成する事が要求され,

我 々 が観測するの も水和 して 準粒子化したポラリトン

で ある.こ れは,“

分一r・ve械は,熱ゆらき程度の エ ネ

ル ギー

で効率よく動作する”

とい う事実に対する 1つ

の説明を与える.神経伝導の ポラ リトンが持つ 基底状

 通常,Na+の 流れ で,  K+の 流出が開始され るが ,こ

の 両者の 陽イオ ン 流の 問で電気的情報伝播を司るの が,

量子化された分極波 ・準粒子 ・ポラ リトン で ある.ポ

ラ リ トン は ,イオ ン流の 情報を隣接する場所や空間に

運ぶが , 電子や陰イオ ン, 陽イオ ン 等 の 実体 の 移動 と

異なり,マ クロ 的には「嫐 する場所 に“

分極現象”

引き起 こすの みであ り,高速な情報伝搬が可能である.

また,髄鞘内部で は ,ボ ラ リ トン が トン ネル 効果を生

じて トンネル 電流とな り,一層の 高速な情報伝搬が可

能で ある,さらに,つ ま り電荷を持 っ た実体的なイ オ

ン は,軸索の 膜 の 外 と内を出入 りするだけであ り, 波

を発生 させ る源で ある.その 出入 りす るときに生 じる

膜 の 誘電 体 の 分極振動 が,量 r化 され水和 し た準粒

子 ・ポラ リ トン として隣の ラン ビ エ 絞輪や軸索の隣接

部,そ して ,他 の 神経細胞に伝播など,量子効果を引

き起 こす.これが,神経回路網では常に存在 して,回

路網 の 調整や逸脱に関与 して い る ,

 我 々 が,エ フ ァ プス の一

種 と想定して い る現 象には,

Shamsが 2000年に報告した Soしr}d indし鵬 d flashとい う

錯覚がある.こ れは,光を瞬間的に 1回提示するの と

同時に短 い 音を 2回提示す ると, 光が 2 度も示 された

よ うに感 じる錯覚で ある.2 回 の 聴覚束1轍によ り2 回

の視覚刺激を提示 した の と同様の 視覚皮質に活動電位

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神経伝導 の 量 子 力学 モ デ ルー

準粒 子 ・ポ ラ リ トン 理 論

が発生する.一一般 に聴覚の 申枢は , 側頭葉 ・シル ビ ウ

ス 裂に接するヘ シ ュ ル 闘 凵 1(ブ ロー

ドマ ン の 第41,42

領野)にあ り, こ の 部分 の 刺激 で は幻聴 を生 じ, 障害

で は皮質聾や聴覚失認 となる.他方,視覚中枢 は,後

頭葉 の 内側面に,鳥距溝を挟む よ うに存在す る (第 17

領野).視中枢 の 上 下には,見た物 の 謎識や解釈に関

連する連合領野 (第 18,19)がある.この 部分が障害

を受けれ ば,物が見えて い て もそれが何か分か らない

とい う病態が発生する.上記の 知見からも明らかなよ

うに,ブ ロ ードマ ン の脳地図上で も聴覚野 と視覚野は

離れ て お り,また,機能的に も全 く関連が無い .そ れ

にも拘わ らず Sound induced刊ash が発生する.これは,

聴覚と視覚の 干渉効果,つ ま り,エ フ ァ ッ プス の 員体

的な例と思える.さらに,視覚 と聴覚の情報の伝道路

は全 く異なり脳神経的にも混在 して い ない .空間的に

は 互 い に隔離されて い るが,上記の 錯覚で 述べ たよ う

に 彑 い に干渉をして い るよ うに思われ る.

 さらに,1皴 する軸索や神経細胞 とは,イオ ン 流以

外にもポラ リ トン による量子効果が期待できて,通常

的に水面下 で の情報交換も期待で きる.

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松浦 弘幸 (まっ うら ひ ろゆき }

1992 年東京大学大学院 医学研究 科博±課

程修 了,医師,医学博士 (ナ ノ 医学)

1992 年 東京大学先 瑞科学研究所 助手

1999年政策研 究 大 判瑳大学助教授

2005年国立長寿 医療 研究 セ ン ター・研究 所

  長寿 医療工 学研究部,部長

  理学博+ (場の 理論,理論物理学)

現在の 研究分野 は広 く,人体損傷,量子場

の 理 論,医用 工 学 (マ イ ク ロ・

マ シ ン ,散

免系),内科学,言瞳 社会学な どがある。

111偽lm 瀛 on 謎編 集委員

根本 哲也 (ね も と て つ や )

2002年芝浦⊥業 人学大鄭剃 戴 鐶境シ ス

テ ム 専攻修 了

東京都立工 業専門学佼鰍 工 学科則丿丁・

2005国立長寿医療研究セ ン ター研旡所,長

寿医療工 学自醗 ;二

阯 室長.診療支援機器,

治雛 器の原理 と1粥発 に興味 がある.

博上 (」学 )

久保 田 怜 (くぼた  りょ う)

,葹 藩 磯大学卒業後,企業に就酊謝一る.社

会人大学 筅生 として埼玉 ⊥ 業大 学機 械工

学研究科博 1課 程終 rした.博士 (工 学)

現在,国 立 長寿 医療研究セ ン ター研究 所 ・

長寿 医療工 学研究部の リサーチ フ ユ ロー

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