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慶應義塾大学SFC大学院授業「デザインセオリー」第9回の講義資料です
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Design Theory
村松 充政策・メディア研究科 後期博士課程3年目X-Design Program 山中デザイン研究室
第9回 2012 6/13
Lecture Theme
CAXD -Computer Aided X-Design-
■3DCG基礎 ー3次元表現のための数学基礎■滑らかな形の科学 ー3D CAD による形状表現■自然、物理学と形■コンピューターによるX-Design ー動きのデザイン、シミュレーション ーアルゴリズムによる形状生成
Lecture Theme
CAXD -Computer Aided X-Design-
■3DCG基礎 ー3次元表現のための数学基礎■滑らかな形の科学 ー3D CAD による形状表現■自然、物理学と形■コンピューターによるX-Design ー動きのデザイン、シミュレーション ーアルゴリズムによる形状生成
Lecture 2
滑らかな形の科学滑らかな形状をCADでモデリングするために必要な曲線の性質、理論、数学を学ぶ
Lecture 2
「滑らかさ」は数学的に定義することが出来る美しい形の作り方を教える事は難しい
「滑らか」な形を作るための理論を知る事は美しい形を作るための助けになる。(と思っています)
CAD ーコンピューター支援設計ーComputer Aided Design
製品の形状、その他の属性データからなるモデルを、
コンピュータの内部に作成し解析・処理することに
よって進める設計JIS(日本工業規格) における定義
CAD ーコンピューター支援設計ーComputer Aided Design
ex) 車、製品筐体、機械、建築、電子回路
主にハードウェアを対象として、設計対象に合わせた様々なソフトウェアが開発されている。
主なモデリングのシステムComputer Aided Design
サーフェスモデリング
ソリッドモデリング
ポリゴンモデリング
ワイヤーフレームに面を張っていくことで形状を生成- Rhinoceros, Autodesk Alias, ...etc
塊(ソリッド)のモデルに操作を加える事で形状を生成- Solidworks, Autodesk Inventor, ...etc
ポリゴンを操作して形状を生成(CADでは使われない)- Blender, Autodesk Maya, modo ...etc
※上に挙げたのはそのソフトが得意とするモデリング手法ですが ほとんどのソフトが複数のモデリング手法に対応しています
主なモデリングのシステムComputer Aided Design
サーフェスモデリングワイヤーフレームに面を張っていくことで形状を生成複雑な曲面を作成出来るため、主に車のボディや工業製品の外装等の意匠面の設計に用いられる
主なモデリングのシステムComputer Aided Design
モデリングの履歴を保持出来るため、後から設計パラメーターを変更する機械部品の設計等に用いられる
ソリッドモデリング塊(ソリッド)のモデルに操作を加える事で形状を生成
主なモデリングのシステムComputer Aided Design
複雑な曲面ー滑らかな線、面ーのモデリングには主にサーフェスモデリングが用いられる。
サーフェスモデリングにおいて重要な「滑らか」な曲線、曲面の概念を理解する
「滑らか」とは?
Computer Aided Design
Smooth Curve
Computer Aided Design
「滑らか」な曲線は?Smooth Curve
「滑らか」な曲線は?Computer Aided Design
Smooth Curve
Computer Aided Design
直線
円弧
直線
Computer Aided Design
直線
円弧
直線
Computer Aided Design
車の動きとステアリングの角度の関係
動く前の車の向きからθだけ回転した方向にLの距離進む
θ
L
Smooth Curve
Computer Aided Design
ステアリングを一定角度に保っていると、一定の半径の円弧を描くように動く
θ
車の動きの軌跡は、ハンドルの角度に反比例する半径の大きさの円弧の集合になる
Computer Aided Design
θΦ
ー車体の向きをΦーステアリングの向きをθー単位時間に移動可能な距離をLとすると
一定時間後の車の位置はX = L*cos(Φ+θ) Y = L*sin(Φ+θ)
Computer Aided Design
Smooth Curve
Computer Aided Design
Smooth Curve
クロソイド曲線
Computer Aided Design
直線
直線
滑らかなカーブ
Smooth Curve
Computer Aided Design
Smooth Curve
ハンドルの傾きを徐々に変化させて曲がることが出来るカーブが「滑らか」なカーブ
CAD、工業製品の曲線/曲面において「滑らかさ」はどのような意味を持つか?
Computer Aided Design
Smooth Curve
Computer Graphics Basic
映り込みの表現前回説明した拡散反射光、鏡面反射光に加えて、金属や磨かれた樹脂表面では、周りの景色が映り込む
Environmental Mapping
Computer Graphics Basic
映り込みを表現するために物体の外側の球面に景色等のテクスチャを張りつけ、反射して見える景色を近似的に計算し、映り込みを表現する。
Environmental Mapping ー環境マッピングー
Computer Graphics Basic
視点
物体
反射
Environmental Mapping
Computer Graphics Basic
θ
nV
eV
refEV
|eV
|*co
s(θ)*
nV
R
n * refEV
P(x,y)
eV
Environmental Mapping
Computer Graphics Basic
ーサンプルプログラムーhttp://www.openprocessing.org/sketch/63980
Environmental Mapping
Computer Graphics Basic
ーCADソフト上で確認ーEnvironmental Mapping
Computer Graphics Basic
ーCADソフト上で確認ーEnvironmental Mapping
Computer Graphics Basic
ーCADソフト上で確認ーEnvironmental Mapping
Computer Aided Design
Smooth Curve
ハンドルの傾きを徐々に変えながら走る車の軌跡のような「滑らか」な曲線を使用する事は曲面上の綺麗な映り込みを実現するために重要である
Computer Aided Design
Smooth Curve
「ハンドルの傾きが徐々に変わる」
曲面の性質としてはどのように定義することが出来るか?
Computer Aided Design
Smooth Curve
ステアリングを一定角度に保っていると、一定の半径の円弧を描くように動く
θ
車の動きの軌跡は、ハンドルの角度に反比例する半径の大きさの円弧の集合になる
Computer Aided Design
Smooth Curve
曲線Sを、ハンドルの角度θで微小な時間 Δt 走った時の軌道である円弧ΔS の集合と定義
ステアリングを一定角度に保っていると、一定の半径の円弧を描くように動く
車の動きの軌跡は、ハンドルの角度に反比例する半径の大きさの円弧の集合になる
※実際の車ではハンドルの角度と車の向き(タイヤの傾き)は一致しませんが、ここでは簡略化のためこのようなモデルとして定義します。
Computer Aided Design
Smooth Curve
曲線Sを、ハンドルの角度θで微小な時間 Δt 走った時の軌道である円弧ΔS の集合と定義
「ハンドルの角度θが徐々に変化する」ということは「θによって決まる円弧ΔS の曲がり具合が徐々に変化する」ことである。
曲がり具合がなだらかに変化する→曲線が滑らかである
Computer Aided Design
Smooth Curve
曲がり具合の定義
角度θによって決まる微小な円弧の曲がり具合(カーブの急さ)はその円弧の半径に反比例する。
R1 R2
R1>R2
Computer Aided Design
Smooth Curve
曲がり具合の定義
曲線を細かくわけた時に出来る微小な円弧の半径を「曲率半径」
曲率半径に反比例する曲がり具合を表すパラメーターを「曲率」
と定義
Computer Aided Design
Smooth Curve
曲率半径を求める
Φ Φ+Δθ
Δθ
(曲率半径) RΔS
Δθ
Computer Aided Design
Smooth Curve
曲率半径を求める
Δθ
(曲率半径) RΔS
Δθ
ΔS = R*ΔθR = ΔS / Δθ
Computer Aided Design
Smooth Curve
曲率半径を求める
C(t)
C(t+Δt)
[x,y]
[x+Δx,y+Δy]
ΔS
Computer Aided Design
Smooth Curve
曲率半径を求める
v
v+Δv
v
v+Δv Δv
Δθ|v| = |v+Δv|=1 とする
Δvは微小なので |Δv| = |v|*Δθ
Δθの求め方は少しややこしいので割愛します。Δv(接線の変化率)で表せる事に着目
Computer Aided Design
Smooth Curve
曲率の定義
曲率(曲線上のある点における曲がり具合)
(曲率半径の逆数)C = ー
R
1
C = ーΔS
Δθ
Computer Aided Design
Smooth Curve
曲率半径を求める曲率半径を求めるには、曲線の接線の変化率を用いる
接線:曲線の傾き、曲線の変化率→曲線の一階微分
曲率:曲線の曲がり具合、接線の変化率→曲線の二階微分
Computer Aided Design
Smooth Curve
滑らかな曲線
→曲線の二階微分が連続している曲率が連続している曲線
Computer Aided Design
Curve Continuity
曲線の連続性
接線(一階微分)が連続している曲線
曲率 (二階微分) が連続している曲線
C1連続 (接線連続)
C2連続 (接線連続)
位置が連続している曲線C0連続 (位置連続)
…
n階微分 が連続している曲線Cn連続
Computer Aided Design
Curve Continuity
Gn連続
CADのソフトウェア上では、 Cn連続性ではなく、Gn連続性が用いられる。Gn連続性は「許容される範囲内で」n階の連続性が保たれる、という意味で、数学的に厳密でないプログラム上ではGn連続性が用いられる。
Computer Aided Design
Bezier Curve
ベジェ曲線の連続性
Computer Aided Design
Bezier Curve
3次のベジェ曲線
Computer Aided Design
Bezier Curve
3次のベジェ曲線
Computer Aided Design
Bezier Curve
3次のベジェ曲線
Computer Aided Design
Bezier Curve
3次のベジェ曲線一階微分
二階微分
Computer Aided Design
Bezier Curve
3次のベジェ曲線3次のベジェ曲線は、曲線上すべての点で曲率が連続している。(G2連続である)
n次のベジェ曲線n次のベジェ曲線は、曲線上すべての点でG(n-1)連続になる。
Computer Aided Design
Bezier Curve
3次のベジェ曲線の接続 PA0
PA1 PA2
PA3PB0
PB1
PB2
PB3
PA3 = PB0
であれば、位置連続(曲線は接続されている)
Computer Aided Design
Bezier Curve
3次のベジェ曲線の接続接線連続で接続する条件Ba(1)と Bb(0) での接線(微分)が等しければ、2曲線は接線連続になる。
Computer Aided Design
Bezier Curve
3次のベジェ曲線の接続接線連続で接続する条件
Computer Aided Design
Bezier Curve
3次のベジェ曲線の接続接線連続で接続する条件
PA3 - PA2
PB1 - PB0
Computer Aided Design
Bezier Curve
3次のベジェ曲線の接続曲率連続で接続する条件Ba(1)と Bb(0) での曲率(二階微分)が等しければ、2曲線は曲率連続になる。
Computer Aided Design
Bezier Curve
3次のベジェ曲線の接続曲率連続で接続する条件
Computer Aided Design
Bezier Curve
3次のベジェ曲線の接続曲率連続で接続する条件