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© 2013 Sunny Giken Inc. All rights reserved. © 2013 Sunny Giken Inc. All rights reserved.
株式会社サニー技研 名古屋事業部開発課
渡辺 雅之
レアアースレスモータ制御のための ソフトウェア実装技術の開発事例
2013/10/10
次世代ものづくり基盤技術産業展 TECH Biz EXPO 2013
© 2013 Sunny Giken Inc. All rights reserved. © 2013 Sunny Giken Inc. All rights reserved.
会社概要
• TOPPERS(正会員)
• ASIF(幹事会員) 車載組込みシステムフォーラム
• JASPAR(正会員)
• AUTOSAR (アソシエートメンバー)
加盟団体
•本社/伊丹開発センター 兵庫県伊丹市
•名古屋事業所/技術センター 名古屋市中区
•熊本技術センター 熊本県熊本市
•東京オフィス 東京都中央区
事業所
• 社名 株式会社サニー技研
• 所在地 本社 兵庫県伊丹市
• 代表者 代表取締役社長 中村和彦
• 設立 1974年7月
基本情報
• 【電子機器の開発、製造、販売】
• マイクロコンピュータを応用した各種機器の開発・製造・販売
• 車載LANに関するツール開発・販売・適合試験
• 各種工場のFAシステム開発
• 情報通信機器のソフトウエアの開発
• 半導体試験装置の開発
事業内容
レアアースレスモータ制御のためのソフトウェア実装技術の開発事例
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車載ネットワーク応用制御 (地域新生コンソーシアム研究事業「自動車統合制御用組込みOS」実証実験より)
車載組込みソフトウェア開発支援装置 (車載ネットワーク評価ボード(S810-CLG3)、CAN/LINバスアナライザ、RAMモニタ(MicroPecker))
車載組込みソフトウェア・開発支援装置から、
モータ制御の開発支援システムへの取り組みへ
MGマイコン評価システム
ET-2011におけるモータ開発支援システムの展示
モータ制御開発への取組み
EV/HV制御応用へ
EV/HV用開発ツールへ
モータ制御マイコンを応用したソリューションの提供
サニー技研のモータへの取り組み
レアアースレスモータ制御のためのソフトウェア実装技術の開発事例
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レアアースレスモータとは?
制御用電子回路
現状のEV/HVモータ及びその制御 レアアースモータ
(従来モータ:永久磁石同期モータ)
汎用ハードウェア
レアアース
モータ制御ソフトウェア (大規模)
制御電子回路・コンピュータの構成の見直し必要
新制御ソフトウェアの開発が必要
研究開発
次世代EV/HVモータ及びその制御 レアアースレスモータ
(巻線界磁形フラックススイッチングモータ)
レアアース削減
モータ制御ハードウェア
モータ制御IP
モータ制御ソフトウェア 本研究成果
新方式制御用電子回路
現在 新技術
ネオジムやジスプロシウムなどの希土類を使わないモータ。
レアアースレスモータ制御のためのソフトウェア実装技術の開発事例
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巻線界磁形フラックススイッチングモータ
研究に用いたレアアースレスモータの紹介
• ステータ側に三相電機子巻線、界磁巻線を配置. • ロータは電磁鋼板(レアアースモータは永久磁石). • 希土類元素などの特殊な材料は使用しない.
ロータ:電磁鋼板 ステータ
モータの構造
永久磁石を使用しない、脱レアアースモータ 従来からある三相ブラシレスモータの制御【三相電機子巻線制御】 に加えて、界磁巻線制御がプラス。
界磁巻線 三相電機子巻線
レアアースレスモータ制御のためのソフトウェア実装技術の開発事例
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レアアースレスモータ制御の課題
・制御電子回路・コンピュータ の構成の見直しが必要
・新制御ソフトウェアの開発が必要
・実機は世界に1台のみ・・・。 (制御の評価が困難) (誤った制御だと破損する恐れがある)
レアアースレスモータ制御のためのソフトウェア実装技術の開発事例
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課題の解決 -シミュレータツール導入の経緯-
レアアースレスモータ制御のためのソフトウェア実装技術の開発事例
課題解決の為に、シミュレータツールの導入を決定!
制御基板の新規設計・製造と並行し、かつ安全に 新制御ソフトウェアの開発・評価を実施したい・・・。
モデルベース開発を実施しよう! HILSも作りたい。 モデル開発ツールで、マイコンの周辺モデルを作成した実績と資産がある!!
各シミュレータツールを利用。 Virtualizer, SPW, HDS(Synopsys社)
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研究開発に使用したツール その1
Virtualizer
• バーチャル・プロトタイプの作成、配布(共有)、活用のためのツール
• 今までのソフトウェアの評価では、基板とICE及び制御対象の実機が必要。
• Virtualizerを使うと、実機が無くてもソフトウェアの検証が可能。また、モデル化したハードウェアのコードに対してブレークを仕掛けることも可能。
レアアースレスモータ制御のためのソフトウェア実装技術の開発事例
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研究開発に使用したツール その2
SPW(Signal Processing Worksystem)
• DSPシステムのコンセプトからインプリメンテーションまでの期間を最短化するためのツール
• モータモデルの実装に使用。
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なぜ、SPWを使用したのか?
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• Simulinkとの違い 計算模型が異なる。 Simulink:連続時間信号を取り扱える タイム・ベース・ソルバー SPW:離散信号を取り扱うデータフロー型 ⇒より高速な計算処理を期待できる。
• 後述のHDSで、Simulink同様RTLに落とし込める。
検討したソリューション
Simulinkは「標準」と言われていますが... なぜ、SPWを使用したのか?
レアアースレスモータ制御のためのソフトウェア実装技術の開発事例
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研究開発に使用したツール その3
HDS(Hardware Design System)
• SPWと連携することで、FPGAにモータモデルを落とし込むことが可能。
• HDSを用いるとSPWと、Verilog間で、コードの一貫性を保持することが可能。
FPGA搭載 モータ模擬基板 レアアースレスモータ制御のためのソフトウェア実装技術の開発事例
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プロジェクトの流れとツールの利用シーン
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制御基板 模擬基板
巻線界磁形同期モータ + モータベンチ
仮想基板
制御システム
安全を考慮したシステムのため大規模
プロジェクトの流れ
レアアースレスモータ制御のためのソフトウェア実装技術の開発事例
等価
等価
等価
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制御コントローラとモータのモデル化
iq
ωLd
-
id
+ id
*
iq*
vq*
vd*
vq
vd
id
iq
vd*’ vd
’
vq’ vq
*’
vd*
vq*
if*
Kpf
Kif
S +
if
Kpq
Kiq
S +
Kpd
Kid
S +
ωKE(if)
ωLq
ˆdi
ˆqi
current
estimation
1
Rf + sLf
1
Ra + sLq
1
Ra + sLd
ωLq
ωLd
+
+
-
-
-
-
-
+
+
+ +
+
T*
ω
lookup
table
+
dq/uvw
DC chopper
Harmonic
suppressio
n
+
+
+
+
ω ω
INV
Harmonic ωKE(if)
ω ω
+
+
-
-
-
θ
third
-harmonic
injection
method
dq/uvw
uvw/dq
vu*
vv*
vw*
vu
vv
vw
uvw/dq
iu
iv
iw
θ θ θ
ω
ω
ω
ω
iq
モータ コントローラ 三相モータ
界磁巻線
インバータ ベクトル制御・PI制御
界磁巻線直流電力制御
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モータのモデル化
このモータモデルをSPWで実装。
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Inverter
DC chopper
Harmonic
UVW / DQ
DQ / UVW WFFSMotor
Resolver
モータパラメータ
sub
sub
delay delay
delay
Inverter電圧
DC chopper電圧
負荷トルク入力
delay
ツール上のモータモデル
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制御コントローラのモデル化
この制御コントローラをソフトウェアで実装し、 Virtualizerでモータモデルと接続し検証を実施。
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仮想デバッグ環境
仮想PF実行画面(GUI起動時、GUIを起動しない設定も可能)
◎シミュレーションアウトプット画面を搭載しており、周辺機能モデルがダンプする情報、エラー情報が表示される。 ◎VPAから周辺機能モデルが持つデバッグI/Fへコマンドを送信し、モデルの挙動の変更/ステータスの表示が可能。
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仮想デバッグ環境
Cソース(アセンブリ)
Cソース(DDD)
モータ回転数表示
トルク指令制御ボタン
オシロスコープ(緑:Vd 青:Vq)
オシロスコープ(緑:If) オシロスコープ(緑:Iu 青:Iv)
仮想基板 実行時の画面
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モデルと実物:等価性の検証方法
実機制御波形
仮想環境及びモータ模擬基板で、実機の制御波形と比較し、モデルと実物の等価性を検証。
モータ模擬基板 制御波形
=
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成果
1. 過去の資産を用いて、モータ制御に必要な周辺機能モデルを備えた、マイコンモデルを準備。
2. 巻線界磁形同期モータを、理論式ベースでモデル化。
3. 上記、2種のモデルを結合し、仮想モータ制御環境を構築。モータ制御ソフトウェアをロードし、PC上でモータモデルと制御ソフトウェアの挙動を確認。
4. モータモデルをFPGAに搭載し、モータ模擬基板を作成。制御基板との接続により、実モータレスでの検証を実施。
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成果
•検証効果 –例)相順がズレた制御の場合
黄:U相電流 青:V相電流 紫:W相電流 緑:レゾルバ信号 500mV/div 機械回転速度 500rpm
正しい制御 U相V相入れ替え
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今後の方針
•仮想基板
モータモデルがどの程度、実機を模擬できているのか、評価が不足している。
•モータベンチの付加
モータ制御検証の際、モータ回転数を固定しておくことで、検証が容易になる。
現在、回転数は単純に値を固定しており、モータの負荷を制御することで速度を固定する機構(PI制御)を付加する。
•トルク情報出力
モータ内部で、モータが作り出すトルクを表示する。
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まとめ
レアアースレスモータ制御のためのソフトウェア実装技術の開発事例
モータ制御ソフトウェアの実装には時間制約やリソース制約を解決する必要がある。 【仮想開発環境】でモータ制御を検証すること 実制御に使用するマイコンモデルと、モータモデルとを結合し、フルシミュレータ環境で検証を進めることを可能とした。 【模擬開発環境】でモータ制御を検証すること 実制御に使用するマイコン搭載ボードと、モータモデルを活用したFPGAボードとを結合し、モータHILS環境で検証を進めることを可能とした。
代替えのない研究開発中の次世代モータを短期間で制御を確立するまでに至るには、実機レスのモデルベース開発が有効である。
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© 2013 Sunny Giken Inc. All rights reserved. © 2013 Sunny Giken Inc. All rights reserved.
~ ご清聴ありがとうございました ~
株式会社サニー技研
URL http://www.sunnygiken.jp E-mail [email protected]
Fin
超小型オールインワン統合開発ツール MICRO PECKER
モータ制御用マイコン評価基板 S810-MGS
レアアースレスモータ制御のためのソフトウェア実装技術の開発事例
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