2
1 ポンプ選定のしおり 60 40 80 100 120 140 20 0 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 50Hz (L/min) (kPa) 圧力 Pressure 排気速度 Pumping Speed DA-20D DA-60D DAT-50D DA-30D DA-121D example 1 50リットルの容器を大気圧から10,000Paまで5分で減圧したい。どのポンプを選べばいいでしょうか? 図の通り、10,000Pa で23L/min 以上 の排気速度が必要ですから、DA-30D 以上のポンプをお選びください。ただ し、配管コンダクタンスや漏れ等を考 慮して、実際には安全率を見込んでお 選びください。 S= S ≒ 23 L /min (at 10,000Pa) t 5 V 50 P2 10,000 P1 100,000 × 2.303 log t = t0= t1 + t2 + t3 + …… S V P2 P1 × 2.303 log タンク容積 (L) 初期圧力 (Pa) 最終圧力 (Pa) 排気時間 (min) ポンプ排気速度 (L/min) 1.排気時間、排気速度の計算式 下記の計算式と機種別排気速度曲線により、使用目的によるポンプが選定できます。 圧力表記は絶対圧表記となります。 example 2 80 リットルのタンクを、大気圧から13kPa まで減圧するのに要する時間は? ポンプは DA-121D を使用する。 0 20 0 40 60 80 100 120 140 20 40 60 80 100 (kPa) 50Hz (L/min) 排気速度 Pumping Speed 圧力 Pressure S= ×2.303Log v t P1 初期圧力 P2 最終圧力 90kPa S1=124L/min t1= 80 124 2.303 log 101325 90000 =0.08 90kPa × 80kPa S2=123L/min t2= 80 123 2.303 log 90000 80000 =0.08 80kPa × 70kPa S3=122L/min t3= 80 122 2.303 log 80000 70000 =0.09 70kPa × 60kPa S4=120L/min t4= 80 120 2.303 log 70000 60000 =0.10 60kPa × 50kPa S5=116L/min t5= 80 116 2.303 log 60000 50000 =0.13 50kPa × 40kPa S6=111L/min t6= 80 111 2.303 log 50000 40000 =0.16 40kPa × 30kPa S7=108L/min t7= 80 108 2.303 log 40000 30000 =0.21 30kPa × 20kPa S8=96L/min t8= 80 96 2.303 log 30000 20000 =0.34 20kPa × 13kPa t0 = t1 + t2 ~ + t 9 = 1.59min S9=86L/min t9= 80 86 2.303 log 20000 13000 =0.40 大気圧 2.真空により、吸着する場合の計算式 真空吸着とは、真空と大気圧との差圧を利用して物体を真空側に吸い付ける ことです。大気圧は1 kg/cm 2 です。したがって差圧による力は、絶対真空(真 空圧力0)の場合は1 kg/cm 2 、真空圧力50,662Pa(1/2気圧)の場合は0.5kg/ cm 2 となります。 真空吸着 真空吸着の力は、真空ポンプの性能と吸着パットや吸着ブロックの吸着面積により決まります。 実際の吸着 吸着パッドの場合の吸着面積Aの考え方 吸着前はA=πd 2 /4 実際に吸着するとA=πD 2 /4 φd φd φD 多孔ブロックの場合の吸着面積Aの考え方 A=πd 2 /4×n(n:穴の数)となる φd 真空ポンプへ 真空ポンプへ 吸着パッド 真空ポンプへ 吸着用ブロック 真空ポンプへ 吸着用ブロック 工作機械テーブル 加工物 刃物 実際に吸着する際は、一般的に吸着パット、吸着ブロックが利用されます。 パイプ 漏れが無いこと 真空状態 大気の圧力

V P S P ポンプ選定のしおり - 真空ポンプ・排気装 …¼大気圧による力(1kg/cm2 ) 安全率 計算式では次の通りです。真空 大気圧-大気圧=0<起動トルク

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Page 1: V P S P ポンプ選定のしおり - 真空ポンプ・排気装 …¼大気圧による力(1kg/cm2 ) 安全率 計算式では次の通りです。真空 大気圧-大気圧=0<起動トルク

1

■ポンプ選定のしおり

60

40

80

100

120

140

20

00 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

50Hz(L/min)

(kPa)圧力

Pressure

排気

速度

Pum

ping

Spe

ed

DA-20D

DA-60DDAT-50D

DA-30D

DA-121D

example 1 50リットルの容器を大気圧から10,000Paまで5分で減圧したい。どのポンプを選べばいいでしょうか?

図の通り、10,000Pa で23L/min 以上の排気速度が必要ですから、DA-30D以上のポンプをお選びください。ただし、配管コンダクタンスや漏れ等を考慮して、実際には安全率を見込んでお選びください。

S=

S ≒ 23 L/min (at 10,000Pa)

t 5V 50

P2 10,000P1 100,000

× 2.303 log

t =

t0= t1 + t2 + t3 + ……SV

P2

P1× 2.303 log

タンク容積(L)

初期圧力(Pa)

最終圧力(Pa)排気時間

(min)

ポンプ排気速度(L/min)

t = t0= t1 + t2 + t3 + ……SV

P2

P1× 2.303 log

タンク容積(L)

初期圧力(Pa)

最終圧力(Pa)排気時間

(min)

ポンプ排気速度(L/min)

1.排気時間、排気速度の計算式

下記の計算式と機種別排気速度曲線により、使用目的によるポンプが選定できます。

※圧力表記は絶対圧表記となります。

example 2 80リットルのタンクを、大気圧から13kPaまで減圧するのに要する時間は?ポンプはDA-121Dを使用する。

0

20

0

40

60

80

100

120

140

20 40 60 80 100(kPa)

50Hz(L/min)

排気

速度

Pum

ping

Spe

ed

圧力Pressure

S= ×2.303Logvt

P1 初期圧力P2 最終圧力

90kPa S1=124L/min t1= 80124 2.303 log101325

90000 =0.08

90kPa × 80kPa S2=123L/min t2= 80123 2.303 log 90000

80000 =0.08

80kPa × 70kPa S3=122L/min t3= 80122 2.303 log 80000

70000 =0.09

70kPa × 60kPa S4=120L/min t4= 80120 2.303 log 70000

60000 =0.10

60kPa × 50kPa S5=116L/min t5= 80116 2.303 log 60000

50000 =0.13

50kPa × 40kPa S6=111L/min t6= 80111 2.303 log 50000

40000 =0.16

40kPa × 30kPa S7=108L/min t7= 80108 2.303 log 40000

30000 =0.21

30kPa × 20kPa S8=96L/min t8= 8096 2.303 log 30000

20000 =0.34

20kPa × 13kPa

t0 = t1 + t2 ~ + t9 = 1.59min

S9=86L/min t9= 8086 2.303 log 20000

13000 =0.40

大気圧

2.真空により、吸着する場合の計算式

 真空吸着とは、真空と大気圧との差圧を利用して物体を真空側に吸い付けることです。大気圧は1kg/cm2です。したがって差圧による力は、絶対真空(真空圧力0)の場合は1kg/cm2、真空圧力50,662Pa(1/2気圧)の場合は0.5kg/cm2となります。

●真空吸着

 真空吸着の力は、真空ポンプの性能と吸着パットや吸着ブロックの吸着面積により決まります。

●実際の吸着

吸着パッドの場合の吸着面積Aの考え方

吸着前はA=πd2/4 実際に吸着するとA=πD2/4

φd φdφD

多孔ブロックの場合の吸着面積Aの考え方

A=πd2/4×n(n:穴の数)となる

φd

真空ポンプへ

真空ポンプへ

吸着パッド

真空ポンプへ

吸着用ブロック真空ポンプへ

吸着用ブロック

工作機械テーブル

加工物

刃物 実際に吸着する際は、一般的に吸着パット、吸着ブロックが利用されます。

パイプ

漏れが無いこと真空状態

大気の圧力

Page 2: V P S P ポンプ選定のしおり - 真空ポンプ・排気装 …¼大気圧による力(1kg/cm2 ) 安全率 計算式では次の通りです。真空 大気圧-大気圧=0<起動トルク

2

example 3

ワーク上面より吸着する場合理論計算値×3

ワーク側面より吸着する場合理論計算値×6

W=(Po-P)Po

×A×T

W=理論の吸着力(kg)Po=大気圧(101,325Pa)P=吸着パットの圧力(Pa)A=吸着パットの面積(cm2)T=大気圧による力(1kg/cm2)

W=(Po-P)Po

×A×T

W=理論の吸着力(kg)Po=大気圧(101,325Pa)P=吸着パットの圧力(Pa)A=吸着パットの面積(cm2)T=大気圧による力(1kg/cm2)

●安全率

 計算式では次の通りです。

真空

大気圧-大気圧=0<起動トルク

アンローダーバルブ作動図

大気圧 大気圧 大気圧

真空

真空 真空

大気圧 大気圧 大気圧

大気圧 大気圧

真空

大気圧-大気圧=0<起動トルク

アンローダーバルブ作動図

大気圧 大気圧 大気圧

真空

真空 真空

大気圧 大気圧 大気圧

大気圧 大気圧

■アンローダーバルブ アンローダーバルブは、ダイアフラム型ドライ真空ポンプを止めた際、ポンプヘッド内部に大気をすばやく導入し、ポンプヘッド内部と外部の差圧をなくし、ポンプの起動特性を改善するものです。

Tips

A= = =Po×W

(Po-P)×T101,325×0.5

(101,325-40,000)×1

0.5kgのワークを上面より吸着する場合、吸着パットの面積は?吸着パットの圧力を40,000Paとする。

ワークを上面より吸着しているので、0.83×3=2.49cm2 となります。

0.83(cm2)

※圧力表記は絶対圧表記となります。

●実際の計算式

0.5kgのワークを上面より吸着する場合、吸着パットの面積は? 吸着パットの圧力を40,000Paとする。