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VN5610/VN5610A Ethernet/CANインターフェイスマニュアル
第2.2版 | 日本語
会社情報 /著作権情報
ベクター・ジャパン株式会社
140-0002 東京都品川区東品川2-3-12シーフォートスクエア センタービル
本ユーザーマニュアルに記載される情報およびデータは、予告なく変更されることがあります。このマニュアルのいかなる部分も、方法や電子的
または機械的手段にかかわらず、発行者からの書面による許可なく、いかなるかたちでも複製することはできません。技術的情報、図面など
はすべて著作権保護法の対象です。
© Copyright 2018, ベクター・ジャパン株式会社All rights reserved.
Contents
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 3
目次
1 はじめに 51.1 このユーザーマニュアルについて 61.1.1 認証 71.1.2 保証 71.1.3 登録商標 7
1.2 重要注記 81.2.1 安全上の注意事項と危険警告 81.2.1.1適切な使い方と用途 81.2.1.2危険 91.2.1.3免責条項 9
2 デバイスの説明 102.1 製品に含まれるもの 11
2.2 はじめに 11
2.3 アクセサリー 12
2.4 使用例 132.4.1 スタンドアローンメディアコンバーター 132.4.2 透過的なEthernetモニタリング 132.4.3 ネットワークシミュレーション 172.4.4 DoIP 182.4.5 AFDX(Avionics Full Duplex Switched Ethernet) 19
2.5 VN5610 202.5.1 コネクター (Ethernet側 ) 202.5.2 コネクター (USB側 ) 212.5.3 LED 232.5.4 仕様 24
2.6 VN5610A 262.6.1 コネクター (Ethernet側 ) 262.6.2 コネクター (USB側 ) 272.6.3 LED 292.6.4 仕様 30
3 はじめよう 323.1 ドライバーのインストール 33
3.2 デバイスの設定 35
3.3 ループテスト 37
3.4 Ethernet 37
Contents
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 4
4 Vector Hardware Configuration 384.1 一般情報 39
4.2 ツールの説明 404.2.1 はじめに 404.2.2 ツリービュー 41
5 時間同期 445.1 一般情報 45
5.2 ソフトウェア同期 47
5.3 ハードウェア同期 48
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 5
1 はじめに
この章は、次の内容について記載されています。
1.1 このユーザーマニュアルについて 61.1.1 認証 71.1.2 保証 71.1.3 登録商標 7
1.2 重要注記 81.2.1 安全上の注意事項と危険警告 8
1.1 このユーザーマニュアルについて
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 6
1.1 このユーザーマニュアルについて
表記規則 以下の2つの表では、このユーザーマニュアルで使用されるスタイルと記号の表記規則
について説明します。
スタイル 使用方法
太字 ブロック、表面的な要素、ソフトウェアのWindow名とダイアログ名。
警告やアドバイスの強調。
[OK][ファイル] – [保存 ]
ボタンは角かっこで囲まれる。メニューおよびメニュー項目を指す。
Microsoft 法律で保護された正式名称および注記。
Source Code ファイル名およびソースコード。
ハイパーリンク ハイパーリンクおよび参照先。
<Ctrl>+<S> ショートカットキー。
記号 使用方法
データを破損する可能性のある危険な操作について警告します。
補足情報が記載されています。
ヒントや追加情報が記載されています。
例を示しています。
段階を追って説明しています。
ファイルの編集に関する説明を記載しています。
このマークは、特定のファイルを編集しないように警告しています。
1.1 このユーザーマニュアルについて
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 7
1.1.1 認証
認定品質
管理システム
Vベクター・ジャパン株式会社は、 ISO 9001:2008認証を取得しています。 ISO標準規
格は、世界的に認められている規格です。
1.1.2 保証
制限事項 ベクター (ベクター・ジャパン株式会社およびVector Informatik GmbH)は、文書やソフト
ウェアの内容を予告なしに変更する権利を有します。ベクターは、本文書に記載され
る内容に間違いがないこと、また、本文書を使用することによって生じる損害に対して
は、全く責任を負いません。ベクターは、間違いのご指摘や改良のご提案に感謝し、
今後、お客様により効率的な製品をご提供できるようにいたします。
1.1.3 登録商標
登録商標 本文書で使用されるすべての商標および必要に応じてサードパーティが登録したすべ
ての商標は、各有効な商標権および登録された特定の所有者の権利の条件に帰
属します。すべての商標、商標名、会社名は、それらの特定の所有者の商標または
登録商標です。明示的に許可されないすべての権利は留保されます。本文書で使
用される商標が明示的に掲示されていない場合でも、名前にサードパーティの権利
がないということを示すものではありません。
Windows、Windows 7、Windows 8.1、Windows 10は、
Microsoft Corporationの商標です。
1.2 重要注記
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 8
1.2 重要注記
1.2.1 安全上の注意事項と危険警告
注意 !人身傷害や物的損害を回避するために、このインターフェイスを設置して使用する
前に、下記の安全上の注意事項と危険に関する警告に目を通し、十分に内容を
把握しておく必要があります。本書 (マニュアル)は必ず、このインターフェイスのすぐ近
くに保管しておいてください。
1.2.1.1適切な使い方と用途
注意 !このインターフェイスは、制御システムとECU間の通信を解析し、制御ならびに影響
を与えるための設計になっています。具体例として、CAN、LIN、K-Line、MOST、FlexRay、Ethernet、BroadR-Reach、ARINC 429などのバスシステムがこの対象にな
ります。
このインターフェイスを分解した状態で使用しないでください。具体的に言うと、プリン
ト配線が見える状態であってはなりません。このインターフェイスを操作できるのは、こ
のインターフェイスが以下の条件を満たしている場合に限ります。(i)本書に記載され
た指示および説明に準拠していること。(ii)このインターフェイス用に設計された電源
(USB給電型の電源など)が装備されていること。(iii)ベクターが製造または承認した
付属品が装備されていること。
このインターフェイスは、経験豊富な作業員だけが使用できる設計になっています。
それ以外の作業員が操作すると、重大な人身傷害や物的損害を招くおそれがあり
ます。したがって、以下の条件を満たしている作業員に限り、このインターフェイスを
操作することができます。(i)このインターフェイスによって引き起こされる作用の考えら
れる影響を把握していること。(ii)このインターフェイス、バスシステム、作用の対象に
なるシステムの取り扱いに関して専用の訓練を受けていること。(iii)このインターフェイ
スを安全に使用する方法を十分に心得ていること。
このインターフェイスの操作に必要な知識は、ベクターが開催している研修会、社内
セミナー、社外セミナーで習得できます。追加情報とインターフェイス固有の情報 (既知の問題など)は、ベクターのWebサイト (www.vector.com)にある「VectorKnowledgeBase」から入手できます。このインターフェイスの操作を開始する前に、
「Vector KnowledgeBase」にアクセスして、更新情報がないかを確認してください。
1.2 重要注記
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 9
1.2.1.2危険
注意 !このインターフェイスは、制御システムおよびECUの動作を制御したり、動作に影響
を及ぼすことがあります。特に、安全関連システムに介入する場合 (エンジン管理、
ステアリング、エアバッグ、ブレーキ装置を操作または停止させる場合など)やこのイン
ターフェイスを公共の場 (公共輸送や空域など)で操作する場合には (これらに限定
されません)、生命、人体、および財産に重大な危険が及ぶおそれがあります。した
がって、いかなる場合でも、このインターフェイスを安全な方法で使用する必要があり
ます。具体例として、操作の誤りや危険な状況 (これらに限定されません)が発生し
ても、このインターフェイスが使用されているシステムを安全な状態のまま維持する機
能 (緊急停止など)が有効な方法になります。
対象システムの操作に関連するすべての安全規格と公的規制を遵守してください。
対象システムを公共の場で操作する前に、危険が及ばないように、一般人の立ち
入りが禁止され、テストドライブを動作させるためだけに用意された場所で、対象シ
ステムのテストを実施しておく必要があります。
1.2.1.3免責条項
注意 !ベクターでは、このインターフェイスの間違った使い方や用途に合っていない使い方が
原因で生じた損害または不具合である限り、瑕疵に基づく請求や賠償請求を受け
付けないものとします。これは、このインターフェイスを使用する作業員の訓練不足や
経験不足が原因で生じた損害または不具合にも当てはまります。
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 10
2 デバイスの説明
この章は、次の内容について記載されています。
2.1 製品に含まれるもの 11
2.2 はじめに 11
2.3 アクセサリー 12
2.4 使用例 132.4.1 スタンドアローンメディアコンバーター 132.4.2 透過的なEthernetモニタリング 132.4.3 ネットワークシミュレーション 172.4.4 DoIP 182.4.5 AFDX(Avionics Full Duplex Switched Ethernet) 19
2.5 VN5610 202.5.1 コネクター (Ethernet側 ) 202.5.2 コネクター (USB側 ) 212.5.3 LED 232.5.4 仕様 24
2.6 VN5610A 262.6.1 コネクター (Ethernet側 ) 262.6.2 コネクター (USB側 ) 272.6.3 LED 292.6.4 仕様 30
2.1 製品に含まれるもの
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 11
2.1 製品に含まれるもの
内容 本製品には次のものが含まれます。
VN5610(A) Ethernet/CANインターフェイス
電源装置 12 V USB2.0ケーブル (製品番号05011)
2.2 はじめにVN5610(A)について VN5610(A)は、Ethernet物理層の10BASE-T、100BASE-T1 (OPEN Alliance BroadR-
Reach)、100BASE-TX、1000BASE-Tをサポートするベクター製ネットワークインターフェ
イスです。100BASE-T1は車載エレクトロニクスで特に使用される物理層です。
図 1: VN5610 Ethernet/CANインターフェイス
図 2: VN5610AEthernet/CANインターフェイス
VN5610(A)では、最小の遅延時間と高分解能のタイムスタンプを用いて、EthernetデータストリームとCANイベントを透過的にモニタリングしてログを記録できます。そのた
め、VN5610(A)は、シンプルなバス解析、複雑なネットワークシミュレーション、診断、
キャリブレーションなどのさまざまな用途に使用できます。
特徴 VN5610とVN5610Aには以下の共通の機能があります。
独立した2つのEthernetポートをサポート
RJ45コネクター(2個 )またはD-SUB9コネクターを使用
標準のEthernetをサポート (10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T)
独立した2つのCAN/CAN FDチャンネルをサポート
D-SUB9コネクターを使用
Ethernetフレームの高分解能タイムスタンプ
CAN/CAN FDフレームの高分解能タイムスタンプ
2.3 アクセサリー
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 12
複数のベクター製ネットワークインターフェイスの
ソフトウェア/ハードウェア時間同期
3通りの内部接続 (入力 /モニター/出力 )
車載用途および工業用途に適した
ロバスト性、電源電圧供給、温度の範囲
違い VN5610とVN5610Aには次の違いがあります。
VN5610
BroadR-Reach物理層をサポート (BCM54810)
VN5610A
100BASE-T1 (OPEN Alliance BroadR-Reach)をサポート (BCM89811)
デジタル入力 /出力を1つサポート (DoIPアクティベーションライン用など)
2.3 アクセサリー
参照利用できるアクセサリーについては、Vector Driver Disk内のアクセサリーマニュアルを
参照してください (\Documentation\Accessories)。
2.4 使用例
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 13
2.4 使用例
2.4.1 スタンドアローンメディアコンバーター
物理層変換 VN5610(A)のEthernetチャンネルは独立して設定できます。そのため、VN5610(A)は、
100BASE-T1物理層を使用するECUと、100BASE-TX/1000BASE-Tを使用する任意
の標準のEthernet機器 (ロガーなど)との間で、メディアコンバーターとして使用できま
す。
セットアップ
CH1VN5610(A)
CH2Media Converter
PC/Standard Ethernet Logger100BASE-TX
100BASE-T1
SensorSensor
ECU
SWITCH
図 3:メディアコンバーター
2.4.2 透過的なEthernetモニタリング
モニタリング VN5610(A)を使用すると、Ethernetバスに影響を及ぼさずに (バイパス)、ECUと接続さ
れるセンサー間でEthernetモニタリングを行うことができます。この設定では、VN5610(A)は一方のチャンネルで受信した入力パケットをもう一方のチャンネルに転送します。
セットアップ
ETH CH1
PC
USB
CANalyzer.Ethernet/CANoe.Ethernet
VN5610(A)
ETH CH2
Sensor
bypa
ssin
g
Sensor
ECUECU
Sensor Sensor Sensor
SWITCH
Sensor
ECU
SWITCH
図 4: Ethernetデータのバイパス
これにより、CANalyzer.EthernetやCANoe.Ethernetなどのアプリケーションで、正確なタ
イムスタンプを使用してEthernetパケットをトレースできます。
2.4 使用例
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 14
バイパスモード バイパスには、必要な用途に応じて使用できる2つのモードがあります。
PHYバイパス
一定の遅延時間で、通信に極力影響を及ぼさずにEthernetパケットをモニタリング
する場合は、このモードを使用します。このモードでは、Ethernetパケットを追加で送
信することはできません。
VN5610(A)
ECU1
MACEthernet Controller
PHYBroadR-Reach
Transceiver
Rx
MACEthernet Controller
PHYBroadR-Reach
Transceiver
ECU2
RxPHY Bypassing
Δt
PCCANalyzer.Ethernet/CANoe.Ethernet
Rx Rx
Tx
図 5: PHYバイパス
物理層 バイパス遅延∆t100BASE-T1 100BASE-T1 2.3 µs100BASE-T1 100BASE-TX 1.8 µs100BASE-TX 100BASE-TX 1.4 µs1000BASE-T 1000BASE-T 0.5 µs
2.4 使用例
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 15
MACバイパス
Ethernetパケットをモニタリングし、パケットの追加送信も行う場合は、このモードを
使用します。このモードでは、処理時間を動的にできます。
VN5610(A)
MACEthernet Controller
PHYBroadR-Reach
Transceiver
Rx
MAC Bypassing
PCCANalyzer.Ethernet/CANoe.Ethernet
Rx Tx
ECU1 ECU2
Δt
Tx
MACEthernet Controller
PHYBroadR-Reach
Transceiver
Rx
Rx Tx
Tx Tx
図 6: MACバイパス
物理層 バイパス遅延∆t*100BASE-T1 100BASE-T1 約4.6 µs100BASE-T1 100BASE-TX 約4.2 µs100BASE-TX 100BASE-TX 約3.8 µs1000BASE-T 1000BASE-T 約0.9 µs
*アプリケーションによる追加フレームのない場合の遅延時間
(CANalyzer.Ethernet/CANoe.Ethernet)
注記バイパス処理の競合 (アプリケーションに追加のフレームが送信されるなど)がない場
合は、MACバイパス遅延はフレームの長さに依存しません (カットスルーモード )。追加のフレームがアプリケーションから送信される場合、バイパス遅延はフレームの長
さに依存します (ストアアンドフォワードモード )。
2.4 使用例
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 16
EthernetおよびCANのタイムスタンプクロック
VN5610(A)は、EthernetおよびCANイベントに共通のタイムスタンプクロックを使用しま
す。そのため、測定対象をCANネットワークにも拡張する場合、生成されたCANタイム
スタンプはEthernetタイムスタンプと常に同期された状態でネットワークを解析できます。
ETH CH1
PC
CANalyzer.Ethernet/CANoe.Ethernet
ETH CH2
Sensor
Sensor
Sensor Sensor Sensor
Sensor
CAN
VN5610(A)by
pass
ing
Time Stamp Clock
USB
CANCH3
CANCH4
ECUECU
SWITCH
ECU
SWITCH
図 7:測定設定の拡張
注記追加したベクター製ネットワークインターフェイスは、ソフトウェアまたはハードウェアで同
期できます (44ページの「時間同期」を参照 )。
2.4 使用例
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 17
2.4.3 ネットワークシミュレーション
ネットワークの開発 VN5610(A)では、Ethernetパケットを2つの個別のEthernetチャンネルで送受信でき、
CANメッセージを2つの個別のCANチャンネルで送受信できます。そのため、VN5610(A)は複雑なネットワークの開発におけるネットワークシミュレーションに最適です。
セットアップ
PC
CANalyzer.Ethernet/CANoe.Ethernet
CANECU
CANCH3
CANCH4
ETH CH1
ETH CH2
VN5610(A)
Time Stamp Clock
ECUECU
Sensor CANoeETH SIM #1 Sensor
SWITCH
CANoe ETH SIM
#1
CANoe ETH SIM
#2
CANoe CAN SIM
#2
CANoe CAN SIM
#1
ECU
CANoeETH SIM #2
CANGateway
CANoeCAN SIM #1
CANoeCAN SIM #2
USB
図 8:シミュレーションノード
注記ネットワークシミュレーションにはCANoe.Ethernetが必要です。
2.4 使用例
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 18
2.4.4 DoIPDoIPアクティベーションライン
DoIPの使用に際して、VN5610Aは、100BASE-TXチャンネルの他に、 ISO仕様に準
拠したDoIPアクティベーションラインを搭載したデジタルIOチャンネルをサポートします。ア
クティベーションレベルをVN5610Aで設定してECUを診断モードに切り替えることができ
ます。
セットアップ
PC
CANalyzer.Ethernet/CANoe.Ethernet
CANECU
CANCH3
CANCH4
ETH CH1VN5610A
Time Stamp Clock
CANoe ETH SIM
#1
ECU
CANoeETH SIM #1
CANGateway
USB
IO
100BASE-TX
DoIP Activation
図 9:シミュレーションノード
注記CANoe.EthernetまたはCANape (バージョン16以降 )では、DoIPをサポートしていま
す。
2.4 使用例
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 19
2.4.5 AFDX(Avionics Full Duplex Switched Ethernet)冗長ネットワーク VN5610(A)とその個々のEthernetチャンネルは、AFDX上のネットワークのような安全性
を重視する必要があるネットワークを監視したり、ストレスをかけるのに適しています。
Ethernetフレームを両チャネルで同時に送信し、また高分解能のタイムスタンプで受信
できます。そのため、VN5610(A)は、AFDXの測定とベンチテストに適しています。
セットアップ
Sensor Sensor
PC
USB
CANalyzer.AFDX/CANoe.AFDX
ETH CH1
ETH CH2
ECU
SWITCH
Sensor Sensor
ECU
SWITCH
VN5610(A)
図 10:冗長ネットワーク
注記VN5610(A)を使ってAFDXネットワークにアクセスするには、CANalyzer.AFDXまたは
CANoe.AFDXが必要です。
2.5 VN5610
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 20
2.5 VN5610
2.5.1 コネクター (Ethernet側 )デバイスコネクター
ACT SPEED ACT SPEED
図 11: Ethernet CH1、D-SUB9 (BroadR-Reach)、Ethernet CH2
Ethernet CH1/CH2 (RJ45)10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-T用の
標準のEthernetコネクター。
LED ACT- Ethernetリンクが確立した場合、点灯しま
す。
- Ethernetパケット送受信している場合、点
滅します。
LED SPEED-消灯:10Mbit-オレンジ:100Mbit-緑:1000Mbit
Ethernet CH1/CH2 (D-SUB9)BroadR-Reach用のD-SUB9コネクター。同じピン配置の2つのD-SUB9コネクター
で、両方のチャンネルを使用するには、BRcable 2Yを使用します (アクセサリーマ
ニュアルの製品番号05103を参照 )。
ピン 割り当て
1 CH2 P2 CH2N3 シールド
4 CH1 P5 CH1N6 未接続
7 未接続
8 未接続
9 未接続
5
4
3
2
16
7
8
9N
P
Shield
CH1 CH2
Not connected
Not connected
Not connected
Not connectedP
N
Shield
参照各Ethernetチャネルのデフォルト設定は、Vector Hardware Config (35ページの「デ
バイスの設定」を参照 )で行えます。
2.5 VN5610
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 21
2.5.2 コネクター (USB側 )デバイスコネクター
ACT SPEED
図 12: USB側のコネクター
電源 /同期 (Binder丸型コネクター) x2VN5610には、2つの電源 /同期コネクター (Binder type 711)があり、異なるベクター
デバイスの時間同期 (44ページの「時間同期」を参照 )や電源電圧供給に使用で
きます。デバイスへの電源供給にはどちらのコネクターを使用しても構いません。
VCC
1
2
3
Power1
2
3
Sync
GND
Sync
GND
Power/Sync
Power/Sync
SYNC
GND
Power
図 13:電源 /同期コネクターの内部配線
ピン 割り当て
1 電源電圧供給 (6 V~50 V DC、定格12 V)2 同期ライン
3 接地 (GND)
312
注記VN5610の電源投入時には最低8 V必要です。その後、動作時には6Vまで電圧降
下しても動作します。Ethernet設定によっては外部電源電圧供給が必要です (表を参照 )。
Ethernet構成
チャンネル1無効 100BASE-T1 100BASE-TX 1000BASE-T
チャンネル2無効 O O O O
100BASE-T1 O O O x100BASE-TX O O O x1000BASE-T O x x x
O:バスパワーで動作、X:外部電源電圧供給を推奨
注記:CANチャネルの使用は、外部電源電圧供給の要否に影響を与えません。
2.5 VN5610
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 22
USBデバイスをインストールして計測アプリケーション (CANoe、CANalyzer)で使用する
には、PCとVN5610をUSBで接続します。同梱されているUSB2.0準拠ケーブルを
使用します (PCとデバイス間にUSB延長ケーブルを使用すると不具合が発生する
可能性があります)。デバイスをPCのUSBポートに直接接続するか、電源電圧供
給を備えた (セルフパワー) USBハブを使用します。このコネクターからデバイスに電
源を供給することもできます。
ホスト (Ethernet)ホストコネクター。拡張用予約ポート。
CAN CH3/4 (D-SUB9)2つのCANチャンネルを備えたD-SUBコネクター。同じピン配置の2つのD-SUB9コネ
クターで、両方のチャンネルを使用するには、CANcable 2Yを使用します (アクセサ
リーマニュアルの製品番号05075を参照 )。
ピン 割り当て
1 CH4CAN Low2 CH3CAN Low3 CH3GND4 予約済み。
使用しないでください。
5 シールド
6 CH4GND7 CH3CAN High8 CH4CAN High9 未接続
5
4
3
2
16
7
8
9Shield
Reserved1051cap CAN High
1051cap GND
1051cap CAN Low
1051cap CAN Low1051cap GND
1051cap CAN High
Shield
CH3 CH4
Not connected
2.5 VN5610
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 23
2.5.3 LED上側のLED
図 14: VN5610(A)のLED
Activity (Ethernet CH1/CH2)RJ45コネクターのLED ACTと同じです。LEDは、Ethernetリンクが確立した場合は
点灯し、Ethernetパケット送受信している場合は点滅します。
色 説明
緑 RJ45のEthernetでリンク確立。
黄 D-SUB9のBoradR-Reachでリンク確立。
Master (Ethernet CH1/CH2)CH1/CH2がマスターとして設定されている場合に点灯します。
色 説明
緑 Ethernetの物理層がマスターとして設定されています。
黄 BroadR-Reachの物理層がマスターとして設定されています。
Statusステータスを示すマルチカラーのLED。色 説明
緑 電源投入時に4回点滅し、その後点灯します。アップデート進行中は高速で点滅します。アップデートの完了後、デバ
イスがオートリブートするまで待機してください (約30秒 )。赤 エラーが発生しました。電源の接続を解除してUSBケーブルを抜いてく
ださい。電源を再接続してUSBケーブル差し込んで、もう一度試してく
ださい。
2.5 VN5610
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 24
2.5.4 仕様
Ethernetチャンネル 最大2チャンネル、各チャンネルごとに標準Ethernetまたは
BroadR-Reachを選択。
2x RJ45(10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-T)(オンボードBCM54810 PHY)
1x D-SUB9 (100BASE-T1)(OPEN Alliance BroadR-Reach、デュアルチャンネル)(オンボードBCM54810 PHY)
CAN/CAN FDチャンネル 最大2チャンネル(オンボードTJA1051トランシーバー)
1x D-SUB9 (デュアルチャンネル)CAN2.0:2MBit/sCAN FD:最大8MBit/s
PCインターフェイス USB 2.0電源電圧供給 100Mbps以下で使用する場合 :
USBバスパワーで動作
それ以外の場合 :DC 6~50V、定格 12V電源投入時: 8V以上
消費電力 約2.5Wタイムスタンプ 分解能:8 ns
精度 (デバイス内 ):1 µsソフトウェア同期精度:定格50 µsハードウェア同期精度:定格1 µs
温度範囲 動作時:-40 °C~+65 °C保管時:-40 °C~+85 °C
周囲の相対湿度
15%~95%、結露のないこと
寸法 (LxWxH) 約125mm x 106mm x 32mmオペレーティングシステムの
要件
Windows 7 SP1 (32ビット /64ビット )Windows 8.1 (32ビット /64ビット )Windows 10 (64ビット )
2.5 VN5610
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 25
コネクターの電気的絶縁
Power/Sync
USB
Case
EthernetpChannelp1
12345
6789
BroadR-Reach
EthernetpChannelp2
3 12
Logic
12345
6789
CANChannelp1/2
GNDISO1
GND ISO_SYNC
GND
GND GNDISO2
GND
GND
EthernetpHost
3 12
GND ISO_SYNC
ElectricalpIsolation
Supply/Data Connected
Shield
Shield
Shield
Shield
Shield
Shield
Shield
CH1
CH2
2.6 VN5610A
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 26
2.6 VN5610A
2.6.1 コネクター (Ethernet側 )デバイスコネクター
ACT SPEED ACT SPEED
図 15: Ethernet CH1、D-SUB9 (100BASE-T1)、Ethernet CH2
Ethernet CH1/CH2 (RJ45)10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-T用の
標準のEthernetコネクター。
LED ACT- Ethernetリンクが確立した場合、点灯しま
す。
- Ethernetパケット送受信している場合、点
滅します。
LED SPEED-消灯:10Mbit-オレンジ:100Mbit-緑:1000Mbit
Ethernet CH1/CH2 (D-SUB9)100BASE-T1用のD-SUB9コネクター。同じピン配置の2つのD-SUB9コネクターで、
両方のチャンネルを使用するには、BRcable 2Yを使用します (アクセサリーマニュア
ルの製品番号05103を参照 )。
ピン 割り当て
1 CH2 P2 CH2N3 未接続
4 CH1 P5 CH1N6 未接続
7 未接続
8 未接続
9 未接続
5
4
3
2
16
7
8
9N
P
CH1 CH2
Not connected
Not connected
Not connected
Not connectedP
N
Not connected
参照各Ethernetチャネルのデフォルト設定は、Vector Hardware Config (35ページの「デ
バイスの設定」を参照 )で行えます。
2.6 VN5610A
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 27
2.6.2 コネクター (USB側 )デバイスコネクター
ACT SPEED
図 16: USB側のコネクター
電源 /同期 (Binder丸型コネクター)VN5610Aには、電源 /同期コネクター (Binder type 711)が1つあり、異なるベクター
デバイスの時間同期 (44ページの「時間同期」を参照 )や電源電圧供給に使用で
きます。
ピン 割り当て
1 電源電圧供給 (6 V~50 V DC、定格12 V)2 同期ライン
3 接地 (GND)
3 12
IO CH5 (Lemoコネクター)VN5610Aには、デジタル入力 /出力用のLemoコネクター (タイプ302)があります
(DoIPアクティベーションラインなど)。ピンへのアクセスにはVX1362Bアダプターケーブ
ルを使用してください (アクセサリーマニュアルの製品番号22258を参照 )。ピンの割り
当ては次のとおりです。
ピン 割り当て
1 デジタル入力 /出力 (仕様を参照 )2 接地 (GND)
1
2
Digital Input/Ouput
Isolation
455RRi
50R
50R
Vcc
GND_ISO
Passive NetworkFrom Processor
To Processor
GND_ISO
10k
図 17:デジタル入力 /出力
2.6 VN5610A
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 28
注記VN5610の電源投入時には最低8 V必要です。その後、動作時には6Vまで電圧降
下しても動作します。Ethernet設定によっては外部電源電圧供給が必要です (表を参照 )。
Ethernet構成
チャンネル1無効 100BASE-T1 100BASE-TX 1000BASE-T
チャンネル2無効 O O O O
100BASE-T1 O O O x100BASE-TX O O O x1000BASE-T O x x x
O:バスパワーで動作、X:外部電源電圧供給を推奨
注記:CANチャネルの使用は、外部電源電圧供給の要否に影響を与えません。
USBデバイスをインストールして計測アプリケーション (CANoe、CANalyzer)で使用する
には、PCとVN5610AをUSBで接続します。同梱されているUSB2.0準拠ケーブルを
使用します (PCとデバイス間にUSB延長ケーブルを使用すると不具合が発生する
可能性があります)。デバイスをPCのUSBポートに直接接続するか、電源電圧供
給を備えた (セルフパワー) USBハブを使用します。このコネクターからデバイスに電
源を供給することもできます。
ホスト (Ethernet)ホストコネクター。拡張用予約ポート。
CAN CH3/4 (D-SUB9)2つのCANチャンネルを備えたD-SUBコネクター。同じピン配置の2つのD-SUB9コネ
クターで、両方のチャンネルを使用するには、CANcable 2Yを使用します (アクセサ
リーマニュアルの製品番号05075を参照 )。
ピン 割り当て
1 CH4CAN Low2 CH3CAN Low3 CH3GND4 予約済み。
使用しないでください。
5 未接続
6 CH4GND7 CH3CAN High8 CH4CAN High9 未接続
5
4
3
2
16
7
8
9Not connected
Reserved1051cap CAN High
1051cap GND
1051cap CAN Low
1051cap CAN Low1051cap GND
1051cap CAN High
CH3 CH4
Not connected
2.6 VN5610A
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 29
2.6.3 LED上側のLED
図 18: VN5610(A)のLED
Activity (Ethernet CH1/CH2)RJ45コネクターのLED ACTと同じです。LEDは、Ethernetリンクが確立した場合は
点灯し、Ethernetパケット送受信している場合は点滅します。
色 説明
緑 RJ45のEthernetでリンク確立。
黄 D-SUB9のBoradR-Reachでリンク確立。
Master (Ethernet CH1/CH2)CH1/CH2がマスターとして設定されている場合に点灯します。
色 説明
緑 Ethernetの物理層がマスターとして設定されています。
黄 BroadR-Reachの物理層がマスターとして設定されています。
Statusステータスを示すマルチカラーのLED。色 説明
緑 電源投入時に4回点滅し、その後点灯します。アップデート進行中は高速で点滅します。アップデートの完了後、デバ
イスがオートリブートするまで待機してください (約30秒 )。赤 エラーが発生しました。電源の接続を解除してUSBケーブルを抜いてく
ださい。電源を再接続してUSBケーブル差し込んで、もう一度試してく
ださい。
2.6 VN5610A
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 30
2.6.4 仕様
Ethernetチャンネル 最大2チャンネル、各チャンネルごとに標準Ethernetまたは
BroadR-Reachを選択。
2x RJ45(10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-T)(オンボードBCM54810 PHY)
1x D-SUB9 (100BASE-T1)(OPEN Alliance BroadR-Reach、デュアルチャンネル)(オンボードBCM89811 PHY)
CAN/CAN FDチャンネル 最大2チャンネル(オンボードTJA1051トランシーバー)
1x D-SUB9 (デュアルチャンネル)CAN2.0:2MBit/sCAN FD:最大8MBit/s
デジタル入力 /出力 1x Lemo
プッシュ/プルモード (DoIPアクティベーションラインなど)またはプッシュモードのみ (ウェイクアップトリガーなど)
出力High (負荷なし):13 V出力High (負荷346Ω):5.3 V出力Low:0 V入力範囲:0 V~16 V入力:シュミットトリガーHigh 3.4 V入力:シュミットトリガーLow 2.5 V
Rout:503 ΩPCインターフェイス USB 2.0電源電圧供給 100Mbps以下で使用する場合 :
USBバスパワーで動作
それ以外の場合 :DC 6~50V、定格 12V電源投入時:8 V以上
消費電力 約2.5Wタイムスタンプ 分解能:8 ns
精度 (デバイス内 ):1 µsソフトウェア同期精度:定格50 µsハードウェア同期精度:定格1 µs
温度範囲 動作時:-40 °C~+65 °C保管時:-40 °C~+85 °C
周囲の相対湿度
15%~95%、結露のないこと
寸法 (LxWxH) 約125mm x 106mm x 32mmオペレーティングシステムの
要件
Windows 7 SP1 (32ビット /64ビット )Windows 8.1 (32ビット /64ビット )Windows 10 (64ビット )
2.6 VN5610A
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 31
コネクターの電気的絶縁 Power/
Sync
USB
Case
Ethernet Channel 1
12345
6789
BroadR-Reach
Ethernet Channel 2
Logic
12345
6789
CANChannel 1/2
GNDISO1
GND ISO
GND
GNDISO2
GND
Ethernet Host
3 12
GND ISO_SYNC
Electrical Isolation
Supply/Data Connected
Shield
Shield
Shield
Shield
Shield
Shield
Shield
CH1
CH2
1
2
2.6 VN5610A
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 32
3 はじめよう
この章は、次の内容について記載されています。
3.1 ドライバーのインストール 33
3.2 デバイスの設定 35
3.3 ループテスト 37
3.4 Ethernet 37
3.1 ドライバーのインストール
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 33
3.1 ドライバーのインストール
一般情報 Vector Driver Diskは、ベクターのデバイスのインストール/アンインストールが可能なドラ
イバーセットアップを提供します。
注記次の手順を行うには、管理者権限が必要です。
ステップバイステップの手順
1. デバイスを付属のUSBケーブルでPCへ接続する前に、自動スタートメニューまた
は直接
\Drivers\Setup.exeからドライバーセットアップを実行します。
デバイスがすでにPCへ接続されている場合は、[新しいハードウェアの検出 ]ウィ
ザードが表示されます。このウィザードを閉じて、ドライバーセットアップを実行しま
す。
2. セットアップダイアログで [Next]をクリックします。初期化プロセスが開始します。
3.1 ドライバーのインストール
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 34
3. ドライバー選択ダイアログで、インストール/アンインストールするデバイスを選択し
ます。
4. [Install]をクリックしてドライバーインストールを実行するか、[Uninstall]をクリック
して既存のドライバーをアンインストールします。
5. 確認のダイアログが表示されます。[Close]をクリックして終了します。インストー
ルが正常に終了したらデバイスの動作準備ができていますので、付属のUSBケーブルでPCへ接続できます。
3.2 デバイスの設定
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 35
3.2 デバイスの設定
構成 インストールされているデバイスをアプリケーションで使用する前に、用途に合わせて適
切に設定する必要があります。この設定は、ドライバーと共にインストールされるVectorHardware Configツールを使用して行います。このツールは、Windowsの [スタート ] -[設定 ] - [コントロールパネル] - [Vector Hardware]にあり、インストールされているすべ
てのベクター製デバイスを管理できます。
参照Vector Hardware Configの詳細については、インストール手順を参照してください
(38ページの「Vector Hardware Configuration」を参照 )。
デバイスの設定 Ethernet構成を変更する場合は、接続されているVN5610/VN5610Aをリストから選択
して [Device Configuration] をダブルクリックします。
図 19: Vector Hardware Config
図 20: [Device Configuration]ダイアログ
3.2 デバイスの設定
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 36
注記VN5610/VN5610Aと別のEthernetデバイス間で動作するEthernetリンクを取得するに
は、両方のデバイスでオートネゴシエーションをアクティブ化する必要があります。
また、同じパラメーターを使用して両方のデバイスを手動で設定することもできます
(全2重通信のみ)。
一方のデバイスでオートネゴシエーションを使用し、もう一方のデバイスを手動で設定
した場合、Ethernetリンクは半2重通信で動作します。VN5610/VN5610Aは全2重通信のみサポートしています。
注記Ethernet設定は、CANoe.Ethernet /CANalyzer.Ethernetの [Network HardwareConfiguration]で変更することもできます。
図 21: NetworkHardware Configuration
図 22: NetworkHardware Configuration
3.3 ループテスト
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 37
3.3 ループテスト
動作テスト ここに記載されるテストは、ドライバーとデバイスの機能の整合性を確認するために行い
ます。このテストは、Windows 7 / Windows 8.1 / Windows 10で共通であり、使用して
いるアプリケーションに依存しません。
3.4 Ethernetデバイステスト Ethernetの動作テストは以下のデバイスを使用して実行できます。
VN5610 VN5610A VN5640
ステップバイステップの手順
1. デバイスの両方のEthernetチャンネルをEthernetケーブルで接続します。
2. 次の手順に従って、両方のBroadR-ReachチャンネルをD-SUB9コネクターに接
続します (BRcable 2Y (製品番号05103)などを使用します)。
6789
P CH1/CH2
N CH1/CH2
5 4 3 2 1
3. Vector Driver Diskから\Drivers\Common\ETHloop.exeを起動します。
4. 接続されているチャンネルをリストから選択します。
5. [Twinkle]を押して、[Status] LEDが点滅するか確認します。
6. [Start Test]ボタンを押してテストを開始します。エラーメッセージが表示されなけ
ればテストは成功です。
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 38
4 Vector Hardware Configurationこの章は、次の内容について記載されています。
4.1 一般情報 39
4.2 ツールの説明 404.2.1 はじめに 404.2.2 ツリービュー 41
4.1 一般情報
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 39
4.1 一般情報
Vector HardwareConfigの実行
ドライバーのインストールが正常に終了すると、 [コントロールパネル] (下記を参照 )に設
定アプリケーションのVector Hardwareが表示されます。このツールで接続およびインス
トールされているベクターデバイスの情報を参照できます。また、このツールでは設定の
変更もできます。
図 23:コントロールパネルに表示されるアイコン
コントロールパネル
Windows 7 カテゴリー表示
[Windowsスタート ] - [コントロールパネル] - [ハードウェアとサウンド ]の順に選択し、
一覧で [Vector Hardware]を選択します。
アイコン表示
[Windowsスタート ] - [コントロールパネル]の順に選択し、
一覧で [Vector Hardware]を選択します。
コントロールパネル
Windows 8.1 カテゴリー表示
<Windowsキー>+<X> – [コントロールパネル] - [ハードウェアとサウンド ]の順に選
択し、
一覧で [Vector Hardware]を選択します。
アイコン表示
<Windowsキー>+<X> – [コントロールパネル]の順に選択し、
一覧で [Vector Hardware]を選択します。
コントロールパネル
Windows 10 カテゴリー表示
<Windowsキー>+<X> – [コントロールパネル] - [ハードウェアとサウンド ]の順に選
択し、
一覧で [Vector Hardware]を選択します。
アイコン表示
<Windowsキー>+<X> – [コントロールパネル]の順に選択し、
一覧で [Vector Hardware]を選択します。
4.2 ツールの説明
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 40
4.2 ツールの説明
4.2.1 はじめに
VectorHardware Config
図 24: Vector Hardware Configの一般的な表示
論理チャンネルと
物理チャンネル
Vector Hardware Configを使用して、インストールされているベクターのデバイスとアプ
リケーション間のチャンネル設定を行うことができます。アプリケーションはいわゆる論理
チャンネルを使用します。これらはハードウェアに依存しておらず、実際のハードウェア
チャンネルに割り当てる必要があります。
physical CH1CAN
physical CH2LIN
Vector Device 1 Vector Device 2
physical CH1FlexRay
physical CH2CAN
not assigned
logical channelCAN 1
Applicationlogical channel
LIN 1logical channel
CAN 1
logical channelFlexRay 1
logical channelCAN 2
図 25:チャンネル割り当ての概念
図 26: Vector Hardware Configでのチャンネル割り当て
4.2 ツールの説明
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 41
4.2.2 ツリービュー
ベクターデバイスへの
アクセス
このツールは2つのWindowがあります。左側のWindowにはツリービューがありインストー
ルされているベクターデバイスにアクセスでき、右側のWindowには選択したデバイスの
詳細が表示されます。ツリービューでは以下の項目を使用できます。
Hardware [Hardware]セクションには、インストールされているベクターデバイスがリストされます。各
デバイスアイテムには、任意の数の論理チャンネル (CANalyzer CAN 1など)に割り当
て可能な物理チャンネルがあります。論理チャンネルは1つの物理チャンネルにのみ割り
当てることができます。
図 27:ハードウェア
Application ツリービューの [Application]には、使用可能なすべてのアプリケーションが表示されま
す。各アプリケーションに応じて、論理チャンネルと物理チャンネルの割り当てがWindowの右側に表示されます。割り当てがない場合は、「Not assigned」と表示されます。割
り当ては右クリックで編集できます。
図 28: Application
4.2 ツールの説明
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 42
Global settings [Global settings]には、 [Software time synchronization]、 [Transmit Queue size]、[Configuration flags]、 [Number of Virtual CAN Devices]などの、使用可能なグローバ
ルデバイス設定が含まれます。
図 29: Global settings
Driver status [Driver status]には、現在使用中のさまざまなデバイスとアプリケーションの全体的な
ステータス情報が表示されます。チャンネルがバスに接続されているか(オンライン/オフラ
イン)、時間同期がアクティブ化されているか(Time-Sync-On/Time-Sync-Off)を確認で
きます。
図 30: Driver status
4.2 ツールの説明
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 43
License [License]セクションには、現在使用可能なすべてのライセンス (ベクターバスデバイス、
ベクターライセンスUSBドングルデバイス)に関する情報が表示されます。
図 31: License
参照Vector Hardware Configの詳細については、オンラインヘルプ ([Help] –[Contents])を参照してください。
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 44
5 時間同期
この章は、次の内容について記載されています。
5.1 一般情報 45
5.2 ソフトウェア同期 47
5.3 ハードウェア同期 48
5.1 一般情報
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 45
5.1 一般情報
タイムスタンプと
イベント
タイムスタンプは、入力または出力データやイベントシーケンスを特定のバスで解析する
場合に役立ちます。
図 32: CANalyzerでの2個のCANチャンネルのタイムスタンプ
タイムスタンプの
生成
ベクター製ネットワークインターフェイスで送受信される各イベントには、正確なタイムス
タンプがあります。タイムスタンプは、ベクター製ネットワークインターフェイスの各チャンネル
に生成されます。これらのタイムスタンプの基礎は、デバイスで共通のハードウェアクロッ
クです。
CAN
VectorCAN Interface
CH1 CH2
Time Stamp Clock
PCCANalyzer/CANoe
USB
図 33:各チャンネルに共通のタイムスタンプクロック
測定設定に複数のベクター製ネットワークインターフェイスが必要な場合、接続される
すべてのインターフェイスとそれらのハードウェアクロックを同期させる必要があります。
製造上および温度上の許容範囲により、ハードウェアクロックは速度が異なることがあ
るので、時間が経過するにつれて各種ベクターデバイスのタイムスタンプにずれが生じま
す。
5.1 一般情報
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 46
CAN
FlexRay
VectorCAN Interface
CH1 CH2Time Stamp Clock
PC
VectorFR Interface
CHA CHBTime Stamp Clock
sec0.0000000.1003760.2003820.3003720.4004060.5005930.600242
sec0.0000000.1003830.2009820.3014560.4026120.5038850.604092
CANalyzer/CANoeUSB USB
図 34:非同期ネットワークインターフェイスの例。独立したタイムスタンプにずれが生じている
ベクター製ネットワークインターフェイス間のこのようなタイムスタンプのずれを補うために、
タイムスタンプをソフトウェアまたはハードウェアで同期できます (次の章を参照 )。
注記ソフトウェア同期およびハードウェア同期の精度は、インターフェイスによって異なりま
す。具体的な値については各デバイスの仕様を参照してください。
5.2 ソフトウェア同期
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 47
5.2 ソフトウェア同期
ソフトウェアによる
同期
ソフトウェア時間同期はドライバーに基づいて行われ、無制限にすべてのアプリケーショ
ンで使用できます。異なるベクター製ネットワークインターフェイスのタイムスタンプのずれ
は、共通のPCクロックに対して計算され、同期されます。この場合、これ以上のハード
ウェアの設定は必要ありません。
CAN
FlexRay
VectorCAN Interface
CH1 CH2Time Stamp Clock
VectorFR Interface
CHA CHBTime Stamp Clock
synchronizationby software (PC clock)
sec0.0000001.1003561.2003622.3003622.4003563.5003533.600362
PC
sec0.0000001.1004131.2004212.3004292.4004193.5004153.600420
PC clockCANalyzer/CANoeUSB USB
図 35:デバイスのタイムスタンプをPCクロックに対して同期
ソフトウェア時間同期の設定は、Vector Hardware Configツールの [Generalinformation] - [Settings] - [Software time synchronization]で変更できます。
図 36:ソフトウェア同期の有効化
YESソフトウェア時間同期が有効です。
NOソフトウェア時間同期が無効です。この設定は、ベクター製ネットワークインターフェ
イスをsyncライン経由で同期している場合、または単一のデバイスを使用している
場合のみ使用します。
5.3 ハードウェア同期
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 48
5.3 ハードウェア同期
ハードウェアによる
同期
複数のデバイスをより高い精度で時間同期するには、アプリケーション (CANalyzer、CANoeなど)でサポートする必要のあるハードウェア同期を使用します。これで、2個の
ベクター製ネットワークインターフェイスをSYNCcableXLに接続できます (アクセサリーマ
ニュアルの製品番号05018を参照 )。
同時に最大5個のデバイスを同期するために、分配ボックスを使用できます (アクセサ
リーマニュアルの製品番号05085を参照 )。
VN1630A
VN5610A
VN1640A
Multi SYNCbox external
VN1640A
USB PC
PC
VN7570
SYNCcable XL
SYNCcable XL
SYNCcable XL
SYNCcable XL
USB PC
Vector Devices
USB PC
USB PC
USB PC
Power
図 37:複数のデバイスでの時間同期の例
VN5610A
VN8912A
Power
VN5610A
VN1640A
Multi SYNCbox external
VN1640A
USB
VN
8912
A
USB PC
SYNCcable XLSYNCcable XL
SYNCcable XL
SYNCcable XL
Power
Power
図 38: VN8912Aおよび追加デバイスとの時間同期の例
ベクター製ネットワークインターフェイスは、アプリケーションによって開始されるsyncライン
の各立ち下がりエッジで、アプリケーションに提供するタイムスタンプを生成します。これに
5.3 ハードウェア同期
VN5610/VN5610Aマニュアル 第2.2版 49
より、アプリケーションはネットワークインターフェイス間のずれを計算し、アプリケーションで
定義されている共通のタイムベース (マスタークロック)にタイムスタンプを同期させることが
できます。
CANalyzer/CANoe
CAN
FlexRay
VectorCAN Interface
CH2Time Stamp Clock
USB
VectorFR Interface
CHBMaster Time Stamp Clock
synchronizationby hardware (SYNCcable)
sec0.0000001.1003751.2003812.3003712.4004053.5005923.600241
CH1 CHA
sec0.0000001.1003761.2003822.3003722.4004063.5005933.600242
PC
USB
図 39:タイムスタンプをマスタークロックに対して同期
注記アプリケーションがハードウェア同期をサポートしている必要があります。詳細について
は、関連のアプリケーションマニュアルを参照してください。ハードウェア同期を使用す
る場合、ソフトウェア同期を無効化する必要があるので注意してください ([VectorHardware Config] - [General information] - [Settings] - [Software timesynchronization]を参照 )。
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