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Microsoft Lync Server 2013

評価ガイド Voice編

Microsoft Lync Server 2013評価ガイド Voice編

著作権

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はじめに

本書では、Lync Server 2013 のエンタープライズVoIP機能を展開するための要件および手順について記載します。

本書は、「Microsoft Lync Server 2013 評価ガイド 基本編」で構築したLync Server 2013 環境をベースに、Lyncで利用できるエンタープライズVoIPについての設定手順、および動作の確認手順を理解することを目的とします。

· 第一部 エンタープライズVoIPの概要

エンタープライズVoIP機能について説明します。

· 第二部 エンタープライズVoIPの導入

エンタープライズVoIPを展開するために必要な構成要素について説明します。

· 第三部 エンタープライズVoIPの展開

既存のLync Server 2013 環境に対して、エンタープライズVoIPを導入する手順について説明します。

目次

はじめに2

第一部エンタープライズVoIPの概要5

1.1Lync Server 2013エンタープライズVoIPの新機能6

第二部エンタープライズVoIPの導入10

2.1エンタープライズVoIPに必要なコンポーネント11

2.2エンタープライズVoIPの前提条件16

2.2.1エンタープライズVoIPのソフトウェア前提条件16

2.2.2エンタープライズVoIPのセキュリティおよび構成の前提条件17

第三部エンタープライズVoIPの展開19

3.1今回構築するシステム構成20

3.1.1システム構成の確認20

3.1.2システム構築の事前作業23

3.1.3システム構築手順の概要25

3.2トポロジの構成および中央管理ストアへの公開26

3.2.1既存のトポロジの変更26

3.2.2トポロジの公開34

3.3Lync Server 2013 仲介サーバーの展開36

3.3.1仲介サーバーの役割のインストール36

3.3.2サービスの開始39

3.4Lync Server 2013 エンタープライズVoIPの構成42

3.4.1ダイヤルプランの作成42

3.4.2音声ポリシー50

3.4.3ユーザーの構成58

3.5ネットワーク環境の準備60

3.5.1ゲートウェイの初期設定に必要なネットワーク設定情報60

3.5.2ネットワークの構成60

3.6ゲートウェイの構成61

3.6.1初期設定61

3.6.2初期設定の確認64

3.6.3日付/時刻の設定68

3.6.4ルート証明書の設定70

3.6.5ルート証明書の取得およびインポート72

3.6.6ルート証明書のインポート76

3.6.7サーバー証明書の要求79

3.6.8サーバー証明書の取得81

3.6.9証明書のインポート86

3.6.10Lync接続のためのウィザード実行(基本設定)89

3.6.11Lync接続のための詳細設定92

3.7Lync Server 2013 エンタープライズVoIPの動作確認103

3.7.1Lync 2013での通話動作確認103

エンタープライズVoIPの概要

この章では、Lync Server 2013 Enterprise Edition のエンタープライズVoIPで使用できる機能について説明します。

1.1 Lync Server 2013エンタープライズVoIPの新機能

Lync Server 2013では、エンタープライズVoIPを拡張する新しいルーティング機能をいくつか導入しています。新しいトランクルーティング機能は、次の通りです。

· M-N トランクのサポート

· トランク間のルーティング

Lync Server 2013は、仲介サーバーとゲートウェイ間の複数トランク(M-N トランク)をサポートします。

つまり、1つの仲介サーバーが異なるゲートウェイへのトランクを複数持つことができ、1つのゲートウェイが異なる仲介サーバーへのトランクを複数持つことができます。トランク間ルーティングを使用すると、Lync Server 2013でIP-PBXとPSTNゲートウェイの相互接続、または複数のIP-PBXシステムの相互接続ができます。Lync Server 2013は、異なるテレフォニー システム間を結びつけるもの(すなわち、相互接続)として機能します。

Lync Server 2013では、音声ルーティングの機能拡張も行っています。

· 着信の転送と同時呼び出し

· マネージャー/代理人同時呼び出し

· ボイスメールエスケープ

· 発信者番号の提示

· エンタープライズVoIPで有効化されていないユーザーの会議ダイヤルアウト

管理者は、転送された通話と同時呼び出しに固有のポリシー制限を適用できます。管理者への着信に対して、代理人が自分のモバイルデバイスへの同時呼び出しを設定できます。同時呼び出しが構成されている場合で、ユーザーの携帯電話がオフ、電池切れ、または圏外のとき、Lync Server 2013では、着信がすぐにボイスメールにルーティングされたことを確認し、ユーザーのエンドポイントで呼び出しを続けられるように、そのエンド ポイントを終了できます。発信者番号の提示では、発信者の電話番号の形式を変更する柔軟性を管理者に提供します。エンタープライズVoIPを有効化されていないユーザーは、主催者の音声ポリシーに基づいて会議ダイヤルアウトを実行できるようになりました。

<新しい通話管理機能>

Lync Server 2013の電話管理機能の変更点について説明します。

· 新しい応答グループアプリケーションの機能

応答グループアプリケーションを使用すると、カスタマーサービス、社内のヘルプデスク、またはある部門の一般的な電話サポートなどへの着信通話を当該業務の担当者へルーティングし、必要に応じてキューに待機させることができます。

Lync Server 2013には、次のような新しい応答グループアプリケーション機能があります。

· 応答グループマネージャー

Lync Server 2013には、応答グループマネージャーおよび応答グループ管理者という2つの応答グループを管理する役割があります。新しい役割であるマネージャーの目的は、管理者が特定の応答グループの一部の構成をエンタープライズVoIPを有効化した任意のユーザーに委任できるようにすることで、管理コストを削減することにあり、特に大規模な展開においてサービスのスケーラビリティを確保するのに役立ちます。

· 高可用性(HA)

Lync Server 2013の応答グループサービスでは、バックエンドの高可用性のために、Microsoft SQL Serverのミラーリングがサポートされています。これにより、管理者は、単一のフロント エンド プール に2 台のバックエンドサーバーを展開するオプションのトポロジを使用して、応答グループサービスを含むすべてのLyncデータベースをミラーリングできます。プライマリ バックエンド サーバーが到達不能な場合でも、ミラー化されたバックエンド サーバーを利用してサービスが継続して動作するため、バックエンド サーバーの障害が発生した場合のビジネス上の影響を大幅に低減できます。

応答グループサービスにおけるSQL Serverのミラーリングのサポートは、高可用性の全体的な構成および展開の一部として有効化されます。応答グループサービスにおけるSQL Serverのミラーリングのサポートを個別に有効化したり、全体的なLync Server 2013の高可用性構成の範囲外で構成することはできません。

ミラーリングが有効化されると、プライマリ バックエンド サーバーとの接続が失われた場合でも、ミラー化されたバックエンド サーバーを利用することによって、応答グループサービスの機能はそのまま維持されます。プライマリ バックエンド サーバーとの接続が再度確立されると、応答グループサービスでは、サービスを中断することなく再度プライマリ バックエンド サーバーとの接続を使用できます。

· 障害回復のサポート

Lync Server 2013では、フェールオーバー プロセス および、フェールバック プロセスという形で新しい障害回復メカニズムが提供されます。プライマリ プールで停止が発生した場合、これらのフェールオーバー プロセス および、フェールバック プロセスによって、バックアップ プールのLync Server応答グループサービスの回復がサポートされます。

応答グループサービスの障害回復のサポートは、フロント エンド プール のペアの構成および展開の一部として有効化されます。応答グループサービスのインポートおよびエクスポート コマンドレット も使用されます。

· 新しいアナウンスアプリケーション

アナウンスアプリケーションを使用すると、ダイヤルされた番号が有効化されているにも関わらず、ユーザーまたは共通エリアに割り当てられていない場合の通話の処理方法を構成できます。このような通話については、事前に設定しておいた転送先に転送するか、録音されたアナウンスで応答することができます。またはその両方を行うことができます。アナウンス アプリケーションを使用すれば、誤ってダイヤルした発信者がビジー シグナルを聞いたり、SIPクライアントがエラーメッセージを受信したりすることはありません。

· 新しいコールパークアプリケーション

Lync Server 2013コールパーク サービスを使用すると、エンタープライズ VoIPのユーザーは通話を保留にし、後でどの電話からでもその通話を復帰させることができます。ユーザーが通話を保留にすると、コールパークによって、通話の一時保留場所を識別するオービット番号が発行されます。通話を保留にしたユーザーはオービット番号をダイヤルして保留にした通話を復帰させるか、インスタントメッセージングやポケットベルなどの外部の機能を使用して、他のユーザーに番号を知らせて通話を復帰させることができます。

次のコールパーク機能は、Lync Server 2013で追加されたものです。

· Lync Server 2013には、フェールオーバーおよびフェールバックプロセスという形の新しい障害回復のしくみがあります。このフェールオーバーおよびフェールバック プロセスは、プライマリ プールが機能停止したときにバックアッププールのLync Server 2013コールパーク サービスの回復をサポートします。コールパーク サービスの障害回復機構は、フロント エンド プール のペアの構成および展開の一部として有効化されます。

· Lync Server 2013 では、一部のユーザーが社内プールのエンタープライズVoIPに対して有効化され、他のユーザーがホストされたオンライン エンタープライズVoIPに対して有効化されている展開は、ハイブリッド環境と呼ばれます。コールパーク機能は、ハイブリッド エンタープライズVoIP環境でサポートされます。つまり、オンラインのユーザーと社内のユーザーの両方が、通話を保留したり、保留された通話を取得できます。

<新しいハイブリッド音声機能>

ハイブリッド音声を使用すると、顧客が、まるで社内のエンタープライズVoIPユーザーであるかのように、Lync Online ユーザー向けの社内のエンタープライズVoIP環境を利用できます。

· メディアバイパス

メディアバイパスは、Lync Onlineユーザーに対しても、社内のユーザーと同様に動作します。メディアバイパスを有効化すると、Lync Onlineユーザーとゲートウェイが同じネットワークに接続されている場所に、メディアバイパスがアクティブ化されます。Lync Onlineユーザーの通話であってもローカルゲートウェイに接続する際にインターネットを介してLync Onlineを経由する必要はありません。インターネット(家庭、顧客のサイトなど)からサインインしている社内のユーザーと同様に、Lync Onlineユーザーの通話はメディアバイパスされません。

· E9-1-1

E9-1-1は、Lync Onlineユーザーに対しても、社内のユーザーと同様に動作します。

Lync Onlineユーザーの位置情報およびポリシーは、緊急電話に自動的に取得および伝送されます。

· コールパークサービス

Lync Server 2013コールパーク サービスは、Lync Onlineユーザーに対しても、社内のエンタープライズVoIP ユーザーと同様に動作します。Lync Onlineユーザーは、社内のユーザーによって保留された通話も、Lync Onlineユーザーによって保留された通話も取得できます。また、Lync Onlineユーザーが通話を保留し、その通話を社内のユーザーまたは、Lync Onlineユーザーが取得することもできます。

エンタープライズVoIPの導入

この章では、すでに構築されているLync Server 2013環境に対して、「第三部 エンタープライズVoIPの展開」でエンタープライズVoIP機能を展開する手順について説明します。この章を読むことで、Lync Server 2013 エンタープライズVoIPの展開手順を理解することができます。

2.1 エンタープライズVoIPに必要なコンポーネント

エンタープライズVoIP機能によって使用されているすべてのコンポーネントについて説明します。

· フロントエンドサーバーVoIPのコンポーネント

· 変換サービス

変換サービスは、ダイヤルされた電話番号を、管理者が定義した正規化ルールに基づいてE.164形式またはその他の形式に変換するサーバーコンポーネントです。変換サービスでは、独自の番号付けシステムを使用する組織や、E.164形式をサポートしていないゲートウェイまたはPBXを使用する組織の場合は、E.164形式以外の形式に変換できます。

· 着信ルーティングコンポーネント

着信ルーティングコンポーネントは、主にエンタープライズVoIPクライアントのユーザーが指定した任意の設定に従って、着信通話を処理します。また、ユーザーが設定した場合に、代理人着信および同時着信を行います。たとえば、ユーザーは、不在時の着信を転送するか、単に通知に記録するかを指定します。着信の転送を有効化した場合は、不在時の着信を、別の電話番号または着信応答が構成されているMicrosoft Exchange UMサーバーに転送するように指定できます。着信ルーティングコンポーネントは、すべてのStandard Editionサーバーおよびフロントエンドサーバーに既定でインストールされます。

· 発信ルーティングコンポーネント

発信ルーティングコンポーネントは、発信通話を通話先のPBXまたはPSTNにルーティングします。発信者に、ユーザーの音声ポリシーに定義された通話の承認ルールが適用され、それぞれの発信のルーティングに対して最適なPSTNゲートウェイが決定されます。発信ルーティングコンポーネントは、すべてのStandard Editionサーバーおよびフロントエンドサーバーに既定でインストールされます。

発信ルーティング コンポーネントで使用されるルーティングロジックは、主にネットワーク管理者またはテレフォニー管理者が組織の要件に従って構成します。

· Exchange ユニファイド メッセージング(UM) ルーティングコンポーネント

Exchange UM ルーティング コンポーネントは、Microsoft Lync Server 2013とMicrosoft Exchange UMを実行しているサーバーの間のルーティングを処理します。これにより、Lync Serverとユニファイドメッセージングの機能が統合されます。

Exchange UMルーティングコンポーネントは、Exchange UMサーバーが利用できない時のPSTNを介したボイスメールの再ルーティングも処理します。ブランチサイトと中央サイトを繋ぐWAN回線に障害が発生した場合、ブランチサイトで展開するサバイバブルブランチアプライアンス(SBA)が、WANが停止している間ブランチサイトのユーザーにボイス メールのサバイバビリティ機能を提供します。WANリンクが利用できない場合、SBAは次の作業を行います。

· 中央サイトのExchange UMサーバーに、PSTNを介して不在時の着信を再ルーティングします。

· ユーザーが PSTN を介してボイスメールメッセージを取得できるようにします。

· 不在着信通知をキューに入れ、WANリンクが回復した時にExchange UMサーバーへ不在着信通知をアップロードします。

· 内部クラスタルーティングコンポーネント

内部クラスタルーティングコンポーネントは、通話を呼び出し先のプライマリ レジストラー プール にルーティングします。それが不可能な場合、通話を呼び出し先のバックアップ レジストラー プール にルーティングします。呼び出し先のプライマリ レジストラー プール および、バックアップ レジストラー プール がIPネットワークを介して到達不能の場合、内部クラスタルーティングコンポーネントはPSTNを介して通話をユーザーの電話番号へ再ルーティングします。

· VoIPに必要なその他のコンポーネント

フロントエンドサーバー、またはディレクターに存在するその他のコンポーネントは次の通りです。これらは、エンタープライズVoIPコンポーネントそのものではありませんが、エンタープライズVoIPに不可欠なサポートを提供します。

· ユーザーサービス

各着信通話の通話先電話番号に対して逆引き番号検索を実行し、その電話番号を通話先ユーザーのSIP URIと照合します。この情報を使用して、着信ルーティングコンポーネントはユーザーの登録SIPエンドポイントに通話を分散します。ユーザーサービスは、すべてのフロントエンド サーバーおよびディレクターの主要なコンポーネントです。

· ユーザーレプリケーター

Active Directory ドメイン サービス(AD DS)からユーザーの電話番号を抽出し、ユーザーサービスおよびアドレス帳サーバーから利用可能なRTCデータベースのテーブルにその番号を書き込みます。ユーザーレプリケーターは、すべてのフロントエンドサーバーの主要なコンポーネントです。

· アドレス帳サーバー

Active Directory ドメイン サービスのグローバルアドレス一覧情報をLync 2013クライアントに提供します。また、RTCデータベースからユーザーおよび連絡先の情報を取得してアドレス帳ファイルに書き込み、そのファイルをLync 2013クライアントがダウンロードできるように共有フォルダに格納します。アドレス帳サーバーでは、情報をRTCAbデータベースに書き込みます。このデータベースは、Microsoft Lync 2013 Mobileからのユーザーの検索クエリに応答するためにアドレス帳Web クエリ サービスで使用されます。RTCデータベースに書き込まれたエンタープライズ ユーザーの電話番号は、Lyncにユーザーの連絡先をプロビジョニングするために、必要に応じて正規化されます。アドレス帳サーバーは、すべてのフロントエンドサーバーに既定でインストールされます。 アドレス帳Webクエリサービスは、各フロントエンドサーバーでWeb サービスと共に既定でインストールされます。

· 仲介サーバーコンポーネント

エンタープライズVoIPのワークロードを展開する場合は、Lync Server 2013 仲介サーバーを展開する必要があります。ここでは、基本機能、依存関係、基本的なトポロジ、および計画ガイドラインについて説明します。

仲介サーバーは、内部Lync ServerエンタープライズVoIPインフラストラクチャと公衆交換電話網(PSTN)ゲートウェイまたはセッション開始プロトコル(SIP)トランク間で信号とメディア(一部の構成の場合)を変換します。Lync Server側に対しては、仲介サーバーは1つの相互TLS(MTLS)トランスポートアドレスをリッスンします。ゲートウェイ側に対しては、1つのTCPとTLSトランスポート アドレス または1つのTLSトランスポート アドレス をリッスンします。すべての認定ゲートウェイがTLSをサポートしている必要がありますが、TCPを有効化することもできます。TLSをサポートしないゲートウェイのためにTCPがサポートされています。

Lync Server 2013を展開する環境で、既存の構内交換機(PBX)も使用する場合、仲介サーバーはエンタープライズVoIPユーザーとPBX間の通話を処理します。使用するPBXがIP-PBXである場合、PBXと仲介サーバーの間にダイレクトSIPを構成できます。PBXが時分割多重(TDM)PBXである場合、仲介サーバーとPBXの間にPSTNゲートウェイも展開する必要があります。

Lync Server 2013では、仲介サーバーは既定でフロントエンドサーバーと併置されます。パフォーマンス上の理由から、仲介サーバーをスタンドアロンのプールに展開することもできます。また、SIPトランキングを展開する場合は、スタンドアロンのプールを強くお勧めします。

メディアバイパスとDNS負荷分散をサポートする認定PSTNゲートウェイにダイレクトSIP接続を展開する場合、スタンドアロンの仲介サーバープールは必要ありません。これは、認定ゲートウェイが仲介サーバーのプールへのDNS負荷分散に対応しており、プール内の任意の仲介サーバーからのトラフィックを受信できるためです。

また、IP-PBXを展開している場合またはインターネット テレフォニー サービスプロバイダー のセッションボーダー コントローラー(SBC)に接続する場合に、以下のどちらかの条件に一致するときは、フロント エンド プール に仲介サーバーを併置することをお勧めします。

· IP-PBXまたはSBCは、プール内の任意の仲介サーバーからのトラフィックを受信するように構成されており、プール内のすべての仲介サーバーにトラフィックを均等にルーティングできます。

· IP-PBXではメディアバイパスがサポートされないが、仲介サーバーをホストするフロント エンド プール で、メディアバイパスが適用されない通話の音声コード変換を処理できます。

· PSTN接続コンポーネント

エンタープライズレベルのVoIPソリューションでは、サービスの品質(QoS)を低下させずに公衆交換電話網 (PSTN)との通話の発信および着信を処理する必要があります。また、通話の発信時および着信時に、基礎となるテクノロジをユーザーが意識しなくても済むようにする必要があります。ユーザーからは、エンタープライズVoIPインフラストラクチャとPSTN 間の通話は、別のSIPセッションのように見えます。

PSTN接続を行うには、SIPトランキングまたはPSTNゲートウェイを展開します。

· SIPトランキング

PSTNゲートウェイを使用する代わりに、SIPトランキングを使用してエンタープライズVoIPソリューションをPSTNに接続することもできます。

SIPトランキングを使用すると、次のようなシナリオが実現します。

· 企業のファイアウォールの内側または外側にいるエンタープライズ ユーザーは、E.164形式に準拠した番号に対応するサービスプロバイダーから提供されているPSTN電話機に対して市内通話や長距離通話を発信できます。

· PSTN の利用者は誰でも、エンタープライズ ユーザーに関連付けられたDirect Inward Dialing(DID)番号をダイヤルして、企業のファイアウォールの内側または外側にいるエンタープライズ ユーザーに連絡することができます。

· PSTNゲートウェイ

PSTNゲートウェイは、エンタープライズVoIPインフラストラクチャとPSTNまたはPBXの間の信号とメディアを変換する、サードパーティのデバイスです。PSTNゲートウェイは、仲介サーバーと連携して、エンタープライズVoIPクライアントへのPSTNまたはPBXの通話を処理します。また、仲介サーバーは、PSTNまたはPBXにルーティングするために、エンタープライズVoIPクライアントからPSTNゲートウェイへの通話も処理します。

· 構内交換機

構内交換機(PBX)を使用する既存の音声インフラストラクチャがある場合、PBXとLync Server 2013のエンタープライズVoIPを使用できます。

サポートされているエンタープライズVoIPとPBXの統合シナリオは、次の通りです。

· メディアバイパスをサポートしているIP-PBXと仲介サーバー

· スタンドアロンのPSTNゲートウェイが必要なIP-PBX

· 時分割多重(TDM)PBXとスタンドアロンのPSTNゲートウェイ

· ネットワーク境界のVoIPコンポーネント

個別の通話または電話会議に統合コミュニケーション クライアント を使用する外部のユーザーには、他のユーザーとの音声通信にエッジサーバーが必要です。

エッジサーバーのアクセスエッジサービスは、組織のファイアウォールの外部にいるLync 2013を利用しているユーザーから着信するSIP信号を処理します。音声ビデオエッジサービスを使用すると、メディアがNATおよびファイアウォールを通過できます。企業ファイアウォールの外部で統合コミュニケーション(UC)クライアントを使用する発信者には、個別の通話と電話会議の両方に音声ビデオエッジサービスが必要です。

音声ビデオ認証サービスは音声ビデオエッジ サービスと同じコンピューターに配置され、音声ビデオエッジサービスのための認証サービスを実行します。外部のユーザーが音声ビデオエッジサービスに接続するには、発信を行う前に、音声ビデオ認証サービスから認証トークンを取得する必要があります。

2.2 エンタープライズVoIPの前提条件

Lync Server 2013エンタープライズVoIP環境を展開するために必要な前提要件を説明します。

2.2.1 エンタープライズVoIPのソフトウェア前提条件

エンタープライズVoIPを展開する環境で、次のソフトウェア前提条件が満たされることを確認します。

· Microsoft Lync Server 2013 Standard Edition、またはEnterprise Editionがネットワーク上に展開され、実行されていること。

· ネットワーク境界内に、すべてのエッジサーバー(アクセスエッジサービス、音声ビデオエッジサービス、Web 会議エッジサービス、およびリバースプロキシなどを実行するエッジサーバー)が展開され、実行されていること。

· Exchange UMをLync Server 2013と統合し、優れた通知と通話ログ情報をクライアントエンドポイントに提供するには、Microsoft Exchange Server 2007 Service Pack 3、またはMicrosoft Exchange Server 2010が展開され、実行されていること。

· 1人以上のユーザーが作成され、Lync Server 2013に対して有効化されていること。

· Lync Server 2013のクライアントおよびデバイスが正常に展開されていること。

· 仲介サーバーをインストールする各コンピューターの要件は次の通りです。

· ドメインのメンバーサーバーであり、Active Directory ドメイン サービス(AD DS)が展開され、実行されていること。

· 次のいずれかのオペレーティング システムを実行していること。

· Windows Server 2008 R2 Standard

· Windows Server 2008 R2 Enterprise

· Windows Server 2008 R2 Datacenter

· Windows Server 2008 Standard SP2

· Windows Server 2008 Enterprise SP2

· Windows Server 2008 Datacenter SP2

2.2.2 エンタープライズVoIPのセキュリティおよび構成の前提条件

Lync Server 2013 エンタープライズVoIPを展開する構成が、次のセキュリティ、ユーザー構成、およびシナリオ固有のハードウェアの前提条件を満たしていることを確認します。

· 管理者権限および許可

エンタープライズVoIPの展開プロセス時に使用するアカウントに以下の権限が必要です。

· RTCUniversalServerAdmins

エンタープライズVoIPを展開する管理者となります。

· CsVoiceAdministrator

この管理者の役割では、音声構成タスクの実行、音声アプリケーションの管理、エンドユーザーへの音声ポリシーの割り当てができます。

· CsUserAdministrator

この管理者の役割では、ユーザーのエンタープライズVoIPを有効化するなど、ユーザーのプロパティを管理できます。また、この管理者の役割では、ユーザー単位のポリシーの割り当て(アーカイブポリシー以外)、ユーザーの移動、共通領域電話やアナログデバイスの管理を行うこともできます。

· CsAdministrator

この管理者の役割では、CsVoiceAdministratorとCsUserAdministratorのすべてのタスクを実行できます。

· 証明書インフラストラクチャ

証明書インフラストラクチャで以下の環境が構成されていることを確認します。

· マイクロソフトまたはサードパーティのCA(証明機関)インフラストラクチャのいずれかを使用して、MKI(Managed key infrastructure)が展開され、構成されていること。

· ユーザー構成

フロントエンドの展開時に仲介サーバーと各フロント エンド プール 、またはStandard Editionサーバーを併置した場合、エンタープライズVoIPに必要なユーザー設定は、これらのサーバーの役割のファイルがインストールされるときに自動的に構成されています。

この時点でエンタープライズVoIPのワークロードを新たに展開する場合、展開プロセスを開始する前に、エンタープライズVoIPを有効化する各ユーザーの主要電話番号を指定します。管理者は、この番号が一意であることを確認する必要があります。実装する前にすべての主要電話番号を正規化(適切な形式に)し、Lync Server 2013コントロールパネルを使用して各ユーザーの[回線 URI]プロパティに設定します。

· シナリオ固有のハードウェア要件

エンタープライズVoIPの展開シナリオがここに記載されている内容に該当する場合に、次のハードウェアが環境で実行されていることを確認してください。

· 公衆交換電話網(PSTN)または構内交換機(PBX)への接続に時分割多重(TDM)接続を使用する場合は、エンタープライズVoIPの展開プロセスでトポロジを公開する前に1つ以上のPSTNゲートウェイが使用できるようになっていること。セッション開始プロトコル(SIP)トランクを使用して、インターネット テレフォニー サービスプロバイダー (ITSP)のセッションボーダーコントローラー(SBC)に接続する場合、PSTN ゲートウェイは不要です。

· ブランチサイトのPSTNへの接続を展開するが、中央サイトへのWANリンクに復元性がない場合、サバイバブルブランチアプライアンス(SBA)が必要です。

エンタープライズVoIPの展開

この章では、既に構築されているLync Server 2013環境に対して、エンタープライズVoIPを展開する手順について説明します。この章を読むことで、Lync Server 2013のエンタープライズVoIPの基本的なインストール手順を理解することができます。

3.1 今回構築するシステム構成

Lync Server 2013エンタープライズVoIPを展開するために必要なシステム要件を説明します。

3.1.1 システム構成の確認

今回のシナリオで構築する環境は、次の通りです。

既存のLync Server 2013 Enterprise Edition環境に、Lync Server2013仲介サーバーを展開します。仲介サーバーはフロントエンドサーバー上に併置します。

-メモ-

上記構成図の               部分のサーバー『LS-FE01』、『LS-FE02』は、「Microsoft Lync Server 2013 評価ガイド 基本編」で構築済みの範囲です。

上記構成図の               部分のサーバー『LS-FE01』、『LS-FE02』に併置する仲介サーバーが、今回のシナリオの構築範囲です。

フロント エンド プール

フロント エンド プール

それぞれのコンピューターの役割は、次の通りです。

· DC01

· ドメイン コントローラー、DNS サーバー、エンタープライズのルート CA

· Windows Server 2008 R2 SP1

· EX01

· Microsoft Exchange Server 2010

· Windows Server 2008 R2 SP1

· SQL01

· Microsoft SQL Server 2008 R2

· Lync Server 2013 Enterprise Edition環境におけるバックエンド サーバー

· Windows Server 2008 R2 SP1

· LS-FE01

· Lync Server 2013 フロントエンド サーバーおよび音声ビデオ会議サーバー

· 仲介サーバー

· Windows Server 2008 R2 SP1

· LS-FE02

· Lync Server 2013 フロントエンド サーバーおよび音声ビデオ会議サーバー

· 仲介サーバー

· Windows Server 2008 R2 SP1

· UX-GW01

· PSTNゲートウェイ

今回の構築範囲

· Client02

· Lync 2013

· Windows 7

本書で使用したゲートウェイの紹介

今回のシナリオで使用したGateway製品は以下となります。

  

3.1.2 システム構築の事前作業

今回のシナリオの構築手順の前提として、以下の作業を事前に完了させておきます。

· DC01 (IP アドレス:10.16.47.10)

· Windows Server 2008 R2 SP1 のインストール

· IP アドレスの設定

· Active Directory ドメイン (contoso.lync.com) の構築

· DNS サーバーの構成

· 各サーバー、ゲートウェイに対するDNSのAレコードの作成

· 証明書Web登録を含むActive Directory 証明書サービスの構成

· ゲートウェイのデバイス証明書の発行

· User01 ([email protected])の登録

· User02 ([email protected])の登録

· EX01 (IP アドレス:10.16.47.20)

· Windows Server 2008 R2 SP1のインストール

· IP アドレス、優先 DNS の設定

· Active Directory ドメイン (contoso.lync.com) への参加

· Microsoft Exchange Server 2010のインストール

· ユーザーメールボックスの作成 (User01、User02)

· SQL01 (IP アドレス:10.16.47.30)

· Windows Server 2008 R2 SP1 のインストール

· IP アドレス、優先 DNS の設定

· Active Directory ドメイン (contoso.lync.com) への参加

· Microsoft SQL Server 2008 R2 のインストール

· Lync Server 2013 バックエンドデータベースの構成

· 共有フォルダ―の構成

· LS-FE01 (IP アドレス:10.16.47.50)

· Windows Server 2008 R2 SP1のインストール

· IP アドレス、優先 DNS の設定

· Active Directory ドメイン (contoso.lync.com) への参加

· Lync Server 2013 Enterprise Edition のフロントエンドサーバー

· Lync Server 2013 管理ツールのインストール

· LS-FE02 (IP アドレス:10.16.47.51)

· Windows Server 2008 R2 SP1のインストール

· IP アドレス、優先 DNS の設定

· Active Directory ドメイン (contoso.lync.com) への参加

· Lync Server 2013 Enterprise Edition のフロントエンドサーバー

· Lync Server 2013 管理ツールのインストール

· UX-GW01 (IP アドレス:10.16.47.100)

· IP アドレス、DNS の設定

· 各サーバーの証明書発行元CAのインポート

· SIP-TCPまたはSIP-TLSによるシグナリングの構成

· G.711 u-law コーデックの構成

· 外部電話システムまたは検証用電話機との接続設定

今回の構築範囲

· Client02 (IP アドレス:10.16.47.120)

· Windows 7 のインストール

· IP アドレス、優先 DNS の設定

· Active Directory ドメイン (contoso.lync.com) への参加

· ドメインユーザー (User02) に対するローカル管理者権限の割り当て

· Microsoft Office Outlook 2010 のインストール

· Outlook プロファイルの作成 (User02用)

-メモ-

前提となる環境の展開方法は、「Microsoft Lync Server 2013 評価ガイド 基本編」をご確認ください。

3.1.3 システム構築手順の概要

Lync Server 2013エンタープライズVoIPを展開するために必要な手順の概要は次の通りです。

· トポロジの構成および中央管理ストアへの公開

· トポロジビルダーで、既存のトポロジを変更して、中央管理ストアへ公開します。

· フロントエンドサーバーに仲介サーバーの役割をインストールします。

· 仲介サーバーと接続するゲートウェイを指定します。

· Lync Server 2013 仲介サーバーの展開

· Lync Server 2013展開ウィザードで、仲介サーバーの役割コンポーネントを追加します。

· 仲介サーバーと接続するゲートウェイを指定します。

· Lync Server 2013 エンタープライズVoIPの構成

· Lync Server 2013コントロールパネルで、音声のルーティングを正しく実行するための設定をします。

· エンタープライズVoIPを利用できるようにユーザーを構成します。

· ネットワーク環境の準備

· ゲートウェイの初期設定を行うためのネットワーク設定をします。

· ゲートウェイの構成

· ゲートウェイを構成します。

3.2 トポロジの構成および中央管理ストアへの公開

エンタープライズVoIPを構成するための手順について説明します。

3.2.1 既存のトポロジの変更

1. サーバー『LS-FE01』で、[スタート]-[すべてのプログラム]-[Microsoft Lync Server 2013]-[Lync Server トポロジ ビルダー]をクリックします。

2. ダイアログが表示されますので、[既存の展開からトポロジをダウンロードする]を選択して、[OK]をクリックします。

3. 中央管理ストアデータベースから取得した現在のトポロジファイルを保存するためのダイアログが表示されますので、トポロジファイルを選択して、[保存]をクリックします。

※ここでは、トポロジファイル(ls2013.tbxml)を選択します。

4. [Lync Server 2013、トポロジ ビルダー]で、[Lync Server]-[contoso first site]-[Lync Server 2013]-[Enterprise Edition フロント エンド プール]-[LS2013.contoso.lync.com]を右クリック、[プロパティの編集]をクリックします。

5. [プロパティの編集]のナビゲーションペインで、[全般]をクリックして、[機能]セクションの「音声、ビデオ、アプリケーション共有を含む会議」、「ダイヤルイン(PSTN)会議」、「エンタープライズ VoIP」にチェックを入れます。

6. [仲介サーバー]をクリックして、[仲介サーバー]セクションの「併置された仲介サーバーが有効」、「TCP ポートを有効にする」にチェックを入れ、[OK]をクリックします。

-メモ-

TCP通信を行わない場合は、[TCPポートを有効にする]のチェックは必要ありません。

7. [Lync Server]-[contoso first site]-[共有コンポーネント]-[PSTN ゲートウェイ]を右クリック、[新しいIP/PSTNゲートウェイ]をクリックします。

8. [PSTNゲートウェイ FQDNの定義]で、[FQDN]フィールドに「UX-GW01.contoso.lync.com」と入力し、[次へ]をクリックします。

9. [IP アドレスの定義]で、[次へ]をクリックします。

10. [ルート トランクの定義]で、[完了]をクリックします。

3.2.2 トポロジの公開

1. [Lync Server 2013、トポロジ ビルダー]で、[Lync Server]を右クリック、[トポロジの公開]をクリックします。

2. [トポロジの公開]で、[次へ]をクリックします。

3. [公開ウィザードの完了]で、 トポロジは正常に公開されました。 を確認し、[完了]をクリックします。

3.3 Lync Server 2013 仲介サーバーの展開

フロント エンド プール に所属する2台のフロントエンドサーバーに仲介サーバーの役割コンポーネントをインストールします。

3.3.1 仲介サーバーの役割のインストール

1. サーバー『LS-FE01』で、[スタート]-[すべてのプログラム]-[Microsoft Lync Server 2013]-[Lync Server 展開ウィザード]をクリックします。

2. [Lync Server 2013-展開ウィザード]で、[Lync Server システムのインストールまたは更新]をクリックします。

3. [手順 2:Lync Server コンポーネントのセットアップまたは削除]の横に表示される、[実行]をクリックします。

4. [Lync Server コンポーネントのセットアップ]で、[次へ]をクリックします。

5. [コマンドを実行しています]で、タスクの状態: 完了。を確認し、[完了]をクリックします。

3.3.2 サービスの開始

1. [Lync Server 2013-展開ウィザード]で、[手順 4:サービスの開始]の横に表示される、[実行]をクリックします。

2. [サービスの開始]ウィザードの[サービスの開始]で、[次へ]をクリックします。

3. [コマンドを実行しています]で、タスクの状態: 完了。を確認し、[完了]をクリックします。

-メモ-

[Lync Server 2013-展開ウィザード]の[手順4:サービスの状態(省略可能)] はサービス スナップインを起動し、Lync Serverで始まるサービスが起動しているかを確認するためのオプションです。

4. [Lync Server 2013-展開ウィザード]を終了します。

3.4 Lync Server 2013 エンタープライズVoIPの構成

Lync Server 2013エンタープライズVoIPを正しく動作させるために必要な音声トラフィックのルーティング設定およびアクセス許可を構成します。

3.4.1 ダイヤルプランの作成

1. サーバー『LS-FE01』で、[スタート]-[すべてのプログラム]-[Microsoft Lync Server 2013]-[Lync Server コントロール パネル]をクリックします。

2. [Windows セキュリティ]ダイアログが表示される場合は、contoso2013ドメインのAdministratorの認証情報を入力し、[OK]をクリックします。

3. [Microsoft Lync Server 2013 コントロール パネル]のナビゲーションペインで、[音声のルーティング]をクリックし、[ダイヤル プラン]をクリックします。

4. [ダイヤル プラン]で、[新規]をクリックし、[ユーザー ダイヤル プラン]を選択します。

5. [新規 ダイヤル プラン]で、以下の通り設定します。

名前:SelfStudyPlan

簡易名:SelfStudyPlan

6. [関連付けられている正規化ルール]セクションの[新規]をクリックします。

7. [新規 ダイヤル プラン 新規 正規化ルール]で、[名前]フィールドに「8digits」と入力し、[正規化ルールの作成]セクションの[長さ]フィールドに「8」を選択します。

8. 画面をスクロールして[編集]をクリックします。

9. [正規表現の入力]で、変換ルールに「+03$1」と入力し、[OK]をクリックします。

10. [新規 ダイヤル プラン 新規 正規化ルール]で、[OK]をクリックします。

11. ステップ6から10を繰り返して、以下の表で示される正規化ルールを作成します。

項目

名前

長さ

変換ルール

設定内容

8digits

8

+03$1

10digits

10

11digits

11

12. 順番を入れ替え、[正規化ルール]で、[Keep All]を一番下に移動します。

13. [OK]をクリックします。

14. [コミット]-[すべてコミット]をクリックします。

15. [コミットされていない音声構成設定]を確認し、[OK]をクリックします。

16. [Microsoft Lync Server 2013 コントロール パネル]で、[閉じる]をクリックします。

3.4.2 音声ポリシー

1. [Microsoft Lync Server 2013 コントロール パネル]のナビゲーションペインで、[音声のルーティング]をクリックし、[音声ポリシー]をクリックします。

2. [音声ポリシー]で、[新規]をクリックし、[ユーザーポリシー]をクリックします。

3. [新規 音声ポリシー]で、[名前]フィールドに「SelfStudy」と入力し、[関連付けられている PSTN 使用法]セクションの[新規]をクリックします。

4. [名前]に「Route」と入力し、[関連付けられているルート]セクションの[新規]をクリックします。

5. [名前]に「Route」と入力します。

6. 画面をスクロールして、[このパターンと一致]の[編集]をクリックします

7. [正規表現の入力]で「\+」と入力し、[OK]をクリックします。

8. 画面をスクロールして、[関連付けられているトランク]で、[追加]をクリックします。

9. [トランクの選択]で、[サービス]で[PstnGateway:UX…]をクリックし、[OK]をクリックします。

10. [新規 音声ポリシー 新規 PSTN 使用法レコード 新規 音声ルート]で、[OK]をクリックします。

11. [新規 音声ポリシー 新規 PSTN 使用法レコード]で、[OK]をクリックします。

12. [新規 音声ポリシー]で、[OK]をクリックします。

13. [コミット]-[すべてコミット]をクリックします。

14. [コミットされていない音声構成設定]で[OK]をクリックします。

15. [Microsoft Lync Server 2013 コントロール パネル]で、[閉じる]をクリックします。

3.4.3 ユーザーの構成

1. ナビゲーションペインで、[ユーザー]をクリックし、「user」を検索し、[User02]を選択して、[編集]-[詳細の表示...]をクリックします。

2. [編集 Lync Server ユーザー – User02]で、以下のように設定し、[コミット]をクリックします。

テレフォニー:エンタープライズVoIP

回線URI:tel:+55557777

ダイヤル プラン ポリシー:SelfStudyPlan

音声ポリシー:SelfStudy

    

3.5 ネットワーク環境の準備

ゲートウェイの初期設定をするために、設定を行う端末のネットワーク設定をします。

3.5.1 ゲートウェイの初期設定に必要なネットワーク設定情報

ゲートウェイの初期ネットワーク設定

IPアドレス:192.168.128.2

サブネットマスク:255.255.255.0

3.5.2 ネットワークの構成

1. ネットワーク アダプターの[インターネット プロトコル バージョン4 (TCP/IPv4)]を表示して、以下のように構成し、[OK]をクリックします。

IPアドレス    :192.168.128.100

サブネットマスク   :255.255.255.0

3.6 ゲートウェイの構成

ゲートウェイの設定をするための手順について説明します。

3.6.1 初期設定

ゲートウェイの設定を行います。

1. [スタート]-[Internet Explorer]をクリックします。

2. アドレスバーで[http://192.168.128.2]と入力して、Enterキーを押下します。

3. 証明書の警告が表示されますが、[このサイトの閲覧を続行する]をクリックします。

4. 初期設定画面[Initial UX System Setup]が表示されますので、以下のように構成し、[OK]をクリックします。

<Host Information>

HostName:UX-GW01

Internet Domain Name:contoso.lync.com

<IP Address>

IPv4 Address:10.16.47.100

NetMask:255.255.0.0

<Default IP Route>

Configure Default Route:Yes

Gateway:10.16.47.10

<DNS>

Use Primary DNS:Yes

Primary Server IP:10.16.47.10

Use Secondary DNS:No

<Configure Local Administrative User>

User Name:admin

Enter Password:admin

Confirm Password:admin

※Passwordは本シナリオでは[admin]としますが、表示上は*****となります。

5. IPが変更される警告が表示されますので、[OK]をクリックします。

3.6.2 初期設定の確認

ゲートウェイの接続確認を行います。

1. ネットワーク アダプターの[インターネット プロトコル バージョン4 (TCP/IPv4)]を表示し、以下のように構成します。

IPアドレス    :10.16.47.120

サブネットマスク   :255.255.0.0

2. アドレスバーで[http://10.16.47.100]と入力して、Enterキーを押下します。

3. 初期表示画面で、[Enter]をクリックします。

※この画面は表示されない場合もあります。

4. ポップアップブロック画面が表示された場合は、[OK]をクリックし、ポップアップブロックを許可します。

5. ログイン画面で、以下の情報を入力し、[Login]をクリックします。

User Name:admin

Password:admin

6. 設定画面が表示されるので、以下の内容を確認します。

<Host Information>

HostName:UX-GW01

Internet Domain Name:contoso.lync.com

<Domain Name Service>

Use Primary DNS:Yes

Primary Server IP:10.16.47.10

Use Secondary DNS:No

※初期表示画面が異なる場合もあります。

この画面が表示されていない場合は、[Settings]タブをクリックし、ナビゲーションペインから[System]-[Node-Level Settings]をクリックします。

3.6.3 日付/時刻の設定

1. [Time Management]の[Time Zone]で、「(GMT+9:00)Japan」を選択し、[Apply]をクリックします。

2. [SetDate/Time]タブをクリックします。

3. 日時設定画面が表示されるので、現在の日時に合わせて確認し、[OK]をクリックします。

3.6.4 ルート証明書の設定

ゲートウェイがクライアントとの通信にTLSを使用するため、証明書のインストールが必要です。

1. [Tasks]タブをクリックします。

2. メニューリストの、[Microsoft® UC Setup]-[Lync Setup]を展開します。

3.6.5 ルート証明書の取得およびインポート

1. サーバー『LS-FE01』で、[スタート]-[Internet Explorer]をクリックします。

2. アドレスバーで[http://dc01.contoso.lync.com/certsrv/]と入力し、Enterキーを押下します。

3. [Windows セキュリティ]ダイアログが表示される場合は、Lync Server 2013の管理者アカウント名とパスワードを入力し、[OK]をクリックします。

4. セキュリティ強化の構成による警告が表示される場合は、[追加]をクリックします。

5. [信頼済みサイト]で、[追加]をクリックし、[閉じる]をクリックします。

6. [ようこそ]で、[CA証明書、証明書チェーン、またはCRLのダウンロード]をクリックします。

7. [CA証明書、証明書チェーン、またはCRLのダウンロード]で、[CA証明書のダウンロード]をクリックします。

-メモ-

ナビゲーションバーのActive Xに関する警告メッセージが表示されますが、気にせず処理を進めます。

8. [ファイルのダウンロード]で、[名前を付けて保存]をクリックします。

9. [名前を付けて保存]で、任意のファイル名と保存場所を指定し、[保存]をクリックします。

※ここでは、「C:\export\DC01.cer」を指定します。

3.6.6 ルート証明書のインポート

1. [Trusted CAs]で、[Import Trusted CA Certificate]をクリックします。

2. [Import Trusted CA Certificate]で、[Mode]で「File Upload」を選択し、インポートする証明書を選択して、[OK]をクリックします。

※ここでは、「C:\export\DC01.cer」を指定します。

3. 確認メッセージが表示されるので、[OK]をクリックします。

4. 証明書がインポートされたことを確認します。

3.6.7 サーバー証明書の要求

1. [Generate CSR]タブをクリックします。

2. 以下のように設定し、[OK]をクリックします。

Common Name:UX-GW01.contoso.lync.com

ISO Contry Code:Japan

Key Length:2048 bits

3. [Result]-[Copy CSR]に表示された内容を全てコピーします。

3.6.8 サーバー証明書の取得

1. サーバー『LS-FE01』に、ドメインのAdministratorでログインします。

2. [スタート]-[Internet Explorer]をクリックします。

3. アドレスバーで[http://dc01.contoso.lync.com/certsrv/]と入力し、Enterキーをクリックします。

4. [Windows セキュリティ]ダイアログが表示される場合は、Lync Server 2013の管理者アカウント名とパスワードを入力し、[OK]をクリックします。

5. [ようこそ]で、[証明書を要求する]をクリックします。

6. [証明書の要求]で、[証明書の要求の詳細設定]をクリックします。

7. [証明書の要求の詳細設定]で、[Base 64 エンコード CMC または PKCS #10 ファイルを使用して証明書の要求を送信するか、または Base 64 エンコード PKCS #7 ファイルを使用して更新の要求を送信する。]をクリックします。

8. [証明書の要求または更新要求の送信]で、「3.6.7 証明書の要求」の「3. Copy CSR」でコピーした内容を[Base 64 エンコード証明書要求]フィールドに貼り付け、[証明書テンプレート]で、[Webサーバー]を選択し、[送信]をクリックします。

9. [証明書は発行されました]で、[証明書のダウンロード]をクリックします。

10. [ファイルのダウンロード]で、[保存]をクリックします。

11. [名前を付けて保存]で、任意のファイル名と保存場所を指定し、[保存]をクリックします。

※ここでは、「C:\export\UX-GW01.cer」を指定します。

12. Internet Explorerを終了します。

3.6.9 証明書のインポート

1. [UX Certificate]タブをクリックします。

2. [Import Certificate]をクリックします。

3. [Import Certificate]で、[Mode]で[File Upload]を選択し、インポートする証明書を選択して、[OK]をクリックします。

※ここでは、「C:\export\UX-GW01.cer」を指定します。

4. インポート確認画面が表示されるので、[OK]をクリックします。

5. 証明書が正しくインポートされたことを確認します。

3.6.10 Lync接続のためのウィザード実行(基本設定)

1. [Lync Setup]タブをクリックします。

2. 以下の内容を設定し、[Apply]をクリックします。

<Scenario Information>

Scenario Description:SelfStudy

Gateway Scenario:SIP<->ISDN

Emergency Services:None

<SIP Properties>

Server Pool Host:LS2013.contoso.lync.com

Port Number:5067

<ISDN Properties>

DS1 Ports [Add] 使用回線ポート

<追加するポート>

(T1)Port 7:1

(T1)Port 7:2

※2ポート機器の場合、DS1 Portsの右側の[Add]をクリックし、使用回線ポートを2つ追加します。

Port Type:T1

Switch Variant:Japanease ISDN

ISDN Number Translation:Passthrough Untranslated

3. [UC Setup Task Completed]を確認し、設定を終了します。

3.6.11 Lync接続のための詳細設定

1. [Settings]タブで、[Transformation]-[SelfStudy:Passthrough]をクリックします。

2. [Input Field Type]フィールドで、[Called Address/Number]が選択されていることを確認し、[Click to expand]をクリックします。

3. [Output Field]の[Value]フィールドで、「+\1」に変更し、[Apply]をクリックします。

4. [Add]をクリックします。

5. [Add a Transformation Table Entry]で、以下を入力し、[OK]をクリックします。

Description :SelfStudy: Add+CallingNumber

<Input Field>

 Type:Calling Address/Number

Value:(.*)

<Output Field>

 Type:Calling Address/Number

Value:+\1

6. メニューリストの、[Transformation]-[SelfStudy:SIP to ISDN Conf.]を展開し、[Add]をクリックします。

7. [Add a Transformation Table Entry]で、以下を入力し、[OK]をクリックします。

Description:SIP to ISDN:Remove+CalledNumber

<Input Field>

 Type:Called Address/Number

Value: \+(.*)

<Output Field>

Type:Called Address/Number

Value:\1

8. 同様に[Add a Transformation Table Entry]で、以下を入力し、[OK]をクリックします。

Description:SIP to ISDN:Remove+CallingNumber

<Input Field>

Type:Calling Address/Number

Value: \+(.*)

<Output Field>

 Type:Calling Address/Number

Value:03\1

9. メニューリストの、[Call Routing Table]-[SelfStudy:SIP to ISDN]をクリックします。

10. [Click to expand]をクリックします。

11. [Route Details]の[Number/Name Transformation Table]を以下のように設定し、[Apply]をクリックします。

SelfStudy:SIP to ISDN Conf.

12. メニューリストの[Security]-[TLS Profiles]-[SelfStudy:Lync2010 TLS]を展開し、以下のように設定して、[Apply]をクリックします。

<Server Attributes>

Validate Client FQDN:Disabled

13. [Monitor]タブをクリックすると、ポートの動作状態を確認することができます。

各ポートの状態は、下記表のとおりです。

3.7 Lync Server 2013 エンタープライズVoIPの動作確認

3.7.1 Lync 2013での通話動作確認

1. クライアント『Client02』で、[スタート]-[すべてのプログラム]-[Microsoft Office 2013]-[Lync 2013]をクリックします。

2. User02で[電話]タブに切り替えて、検索フィールドに「09022223333」と入力して、[通話]をクリックします。

※実際にテストする際は、テスト用の電話番号を入力し、発信の動作確認を行います

3. かけた電話と通話できることを確認します。

4. User02に設定されている電話番号にPSTN電話機から発信し、着信ができることを確認します。

※ここでは、設定例として、「0355557777」を使用しています。

※実際にテストする際は、テスト用の電話番号を用意して、User02の回線URIに設定し、発着信の動作確認を行います。

5. コールがゲートウェイにルーティングされ、PSTN電話機と通話ができることを確認します。

6. PSTN電話機から、正しく通話ができることを確認します。

7. その他のエンタープライズVoIP機能(短縮、音声会議、不在時の着信転送、等)に関しては想定される利用シナリオに応じて、動作確認を行ってください。

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