電子物性第 1 第 4 回
2 はじめに3 Ψがあると電子がある。4 電子の居場所を解析しよう。5 ポテンシャル6 見えているのはエネルギー
目次
ーシュレーディンガーの波動方程式ー
電子物性第 1 スライド 4-1
7 周波数はエネルギー8 周波数の計算9 周波数からのエネルギー10 波長は運動量11 運動量の計算
12 運動エネルギー13 シュレーディンガーの波動方程式14 まとめ
問題:何が電子の波なのか正体不明。
① 波動関数 Ψ を導入しました。
電子物性第 1 スライド 4-2
はじめに水素原子の電子のエネルギーは、量子化されている。
電子の波動性(=干渉する性質)を考えるとよい。
対応:正体不明のまま波動関数 Ψ を導入し解析。
Ψ があると電子がある。波動関数 Ψ
だと電子が一個存在する。(単位 [ 個 nm-3] など)
の意味を考えよう。Ψ ( x, t )= ei(kx - ωt)
縦軸は、正体不明のまま。意味するところは、 Ψ があれば電子がある。
電子物性第 1 第 4回-シュレーディンガーの波動方程式-
① Ψ の意味は、それがあるところは電子がある。
電子物性第 1 スライド 4-3Ψ があると電子がある。
波動関数 Ψ
だと電子が一個存在する。(単位 [ 個 nm-3] など)
の意味を考えよう。Ψ ( x, t )= ei(kx - ωt)
縦軸は、正体不明のまま。意味するところは、 Ψ があれば電子がある。
問題:何が電子の波なのか正体不明。
はじめに水素原子の電子のエネルギーは、量子化されている。
電子の波動性(=干渉する性質)を考えるとよい。
対応:正体不明のまま波動関数 Ψ を導入し解析。
電子の居場所を解析しよう。波動関数 Ψ があれば電子がある。
の性質Ψ ( x, t )= ei(kx - ωt)
矛盾しない(干渉してなくならない)条件⇒ 電子の所在を解析できる。
(微分とか)を利用して、
① Ψ の方程式は電子の居場所を解析します。
電子物性第 1 スライド 4-4
電子の居場所を解析しよう。波動関数 Ψ があれば電子がある。
の性質Ψ ( x, t )= ei(kx - ωt)
矛盾しない(干渉してなくならない)条件⇒ 電子の所在を解析できる。
(微分とか)を利用して、
Ψ があると電子がある。波動関数 Ψ
だと電子が一個存在する。(単位 [ 個 nm-3] など)
の意味を考えよう。Ψ ( x, t )= ei(kx - ωt)
縦軸は、正体不明のまま。意味するところは、 Ψ があれば電子がある。
ポテンシャル波動関数 Ψ を解析する。ポイントは電子にとって
のポテンシャルエネルギー
電子のエネルギー
高い程不安定
電子の波e2
4π ε 0r2 V(r) =
x
y
原子核+ e の静電気
電子の波動性は Ψ が保証。
① 電子の感じるポテンシャルは原子核の静電気。
電子物性第 1 スライド 4-5
ポテンシャル波動関数 Ψ を解析する。
ポイントは電子にとってのポテンシャルエネルギー原子核+ e の静電気
電子の波動性は Ψ が保証。
電子のエネルギー
高い程不安定
電子の波e2
4π ε 0rV(r) =
x
y
見えているのはエネルギー
見えない。電子の波
電子の仕事e-
光hν
電子のエネルギー
光との相互作用
電子の波自身は...
見える。
電子の居場所を解析しよう。波動関数 Ψ があれば電子がある。
の性質Ψ ( x, t )= ei(kx - ωt)
矛盾しない(干渉してなくならない)条件⇒ 電子の所在を解析できる。
(微分とか)を利用して、
① 観測できる量は、エネルギーと運動量② 波は見えなくとも、エネルギーは見える(図示)。
電子物性第 1 スライド 4-6-1
見えているのはエネルギーつぎにどうやって Ψ を解析するか?
ポイントは 測定可能な量 を調べたい。見えているもの波でわかったものは、第 1 に E = hν のエネルギー
第 2 に p = の運動量hλ
エネルギーの方でまとめて、
ポテンシャル波動関数 Ψ を解析する。ポイントは電子にとって
のポテンシャルエネルギー
電子のエネルギー
高い程不安定
電子の波e2
4π ε 0r2 V(r) =
x
y
原子核+ e の静電気
電子の波動性は Ψ が保証。 0
0
周波数はエネルギー
0
E = hν は、
時間軸でよく振れると、
エネルギー大と示します。
① 観測できる量は、エネルギーと運動量② 波は見えなくとも、エネルギーは見える(図示)。
電子物性第 1 スライド 4-6-2
見えているのはエネルギー見えない。
電子の波
電子の仕事e-
光hν
電子のエネルギー
光との相互作用
電子の波自身は...
見える。
ポテンシャル波動関数 Ψ を解析する。ポイントは電子にとって
のポテンシャルエネルギー
電子のエネルギー
高い程不安定
電子の波e2
4π ε 0r2 V(r) =
x
y
原子核+ e の静電気
電子の波動性は Ψ が保証。 0
0
周波数はエネルギー
0
E = hν は、
時間軸でよく振れると、
エネルギー大と示します。
① E=hν 式で周波数がエネルギーに対応する。② エネルギーが増えても振幅ではなく、周波数の増加。
電子物性第 1 スライド 4-7-1
周波数はエネルギーエネルギーの方程式で、波動関数 Ψ を考えます。
まず、光で最初に出てきた、 E = hν 式を使います。すなわち、強さでなく周波数がエネルギーです。
図に示すと、
見えているのはエネルギー
見えない。電子の波
電子の仕事e-
光hν
電子のエネルギー
光との相互作用
電子の波自身は...
見える。
周波数の計算
Ψ
Ψ の時間微分dΨ
dtで割ってあげると、
dΨdt
Ψ
=- iωei(kx - ωt)
= ei(kx - ωt)
=- iωと(角)周波数がでました。
時間
=高エネルギー 周波数大
エネルギーが増加
0
時間0
① E=hν式で周波数がエネルギーに対応する。② エネルギーが増えても振幅ではなく、周波数の増加。
電子物性第 1 スライド 4-7-2
周波数はエネルギー
のように対応し、
振幅は増加しない。
時間0
E = hν は、
時間軸でよく振れると、
エネルギー大と示します。
見えているのはエネルギー
見えない。電子の波
電子の仕事e-
光hν
電子のエネルギー
光との相互作用
電子の波自身は...
見える。
周波数の計算
Ψ
Ψ の時間微分dΨ
dtで割ってあげると、
dΨdt
Ψ
=- iωei(kx - ωt)
= ei(kx - ωt)
=- iωと(角)周波数がでました。
① Ψ は正体不明のため、割って消して解析したい。② Ψを時間微分してΨ自身で割れば、時間分の1。③ Ψの時間微分÷Ψの定数倍で周波数がでる。
電子物性第 1 スライド 4-8-1
周波数の計算周波数は、単位 [s-1] です。
Ψは、単位 [ 正体不明 ] です。Ψは、そのまま残してはだめ。
として消してしまいたい。操作( Ψ )Ψ
⇒
0
0
周波数はエネルギー
0
E = hν は、
時間軸でよく振れると、
エネルギー大と示します。
周波数からのエネルギー
からエネルギーは、E = hν
となります。
dΨdt
Ψ - i
1
= hω
= h =
dΨdt
Ψih
(ただし h = )h2π
① Ψは正体不明のため、割って消して解析したい。② Ψ を時間微分して Ψ 自身で割れば、時間分の 1 。③ Ψの時間微分÷Ψの定数倍で周波数がでる。
電子物性第 1 スライド 4-8-2
周波数の計算
Ψは、単位 [ 正体不明 ] です。Ψは、そのまま残してはだめ。
として消してしまいたい。操作( Ψ )Ψ
⇒
Ψ の時間微分 の単位は [ 正体不明・ s-1] 。dΨ
dt割ってあげると、
dΨdt
Ψは、単位 [s-1] で、周波数が出せる。
0
0
周波数はエネルギー
0
E = hν は、
時間軸でよく振れると、
エネルギー大と示します。
周波数からのエネルギー
からエネルギーは、E = hν
となります。
dΨdt
Ψ - i
1
= hω
= h =
dΨdt
Ψih
(ただし h = )h2π
① Ψは正体不明のため、割って消して解析したい。② Ψを時間微分してΨ自身で割れば、時間分の1。③ Ψ の時間微分 ÷Ψ の定数倍で周波数がでる。
電子物性第 1 スライド 4-8-3
周波数の計算
Ψは、単位 [ 正体不明 ] です。Ψは、そのまま残してはだめ。
として消してしまいたい。操作( Ψ )Ψ
⇒
Ψ の時間微分dΨ
dt割ってあげると、
dΨdt
Ψは、単位 [s-1] で、ν が出せる。
=- iωei(kx - ωt)
= ei(kx - ωt)
=- iωと(角)周波数がでました。
周波数からのエネルギー
からエネルギーは、E = hν
となります。
dΨdt
Ψ - i
1
= hω
= h =
dΨdt
Ψih
(ただし h = )h2π
0
0
周波数はエネルギー
0
E = hν は、
時間軸でよく振れると、
エネルギー大と示します。
① もちろん、微分して出した ν に h を掛けてエネルギー。
電子物性第 1 スライド 4-9
周波数からのエネルギーからエネルギーは、E = hν
となります。
dΨdt
Ψ - i
1
波があまり立たない。
y
0
電子が運動していない。
波が立つ
x
0
電子が運動している。
波長は運動量
= hω
= h =
dΨdt
Ψih
(ただし h = )h2π
周波数の計算
Ψ
Ψ の時間微分dΨ
dtで割ってあげると、
dΨdt
Ψ
=- iωei(kx - ωt)
= ei(kx - ωt)
=- iωと(角)周波数がでました。
① 運動量は電子の波長の逆数から出せます。② 電子の運動する方向に沢山波が立ちます。③ 運動していない方向には電子の波は立ちません。
電子物性第 1 スライド 4-10-1
波長は運動量
次は運動量です。
p = で求められます。hλ
空間で波が密だと運動していることになります。
例えば、
dΨd x
Ψー i p = h
運動量の計算
となります。
運動量の計算 p は、
dΨd x
= ikei(kx - ωt) = ikΨを使っています。
周波数からのエネルギー
からエネルギーは、E = hν
となります。
dΨdt
Ψ - i
1
= hω
= h =
dΨdt
Ψih
(ただし h = )h2π
波が立つ
x
0
電子が運動している。
波長は運動量
次は運動量です。
p = で求められます。hλ
空間で波が密だと運動していることになります。
電子物性第 1 スライド 4-10-2
一方、運動していない 方向に波を見ると、
① 運動量は電子の波長の逆数から出せます。② 電子の運動する方向に沢山波が立ちます。③ 運動していない方向には電子の波は立ちません。
dΨd x
Ψー i p = h
運動量の計算
となります。
運動量の計算 p は、
dΨd x
= ikei(kx - ωt) = ikΨを使っています。
周波数からのエネルギー
からエネルギーは、E = hν
となります。
dΨdt
Ψ - i
1
= hω
= h =
dΨdt
Ψih
(ただし h = )h2π
波があまり立たない。
y
0
電子が運動していない。
波が立つ
x
0
電子が運動している。
① 運動量は電子の波長の逆数から出せます。② 電子の運動する方向に沢山波が立ちます。③ 運動していない方向には電子の波は立ちません。
波長は運動量電子物性第 1 スライド 4-10-3
dΨd x
Ψー i p = h
運動量の計算
となります。
運動量の計算 p は、
dΨd x
= ikei(kx - ωt) = ikΨを使っています。
周波数からのエネルギー
からエネルギーは、E = hν
となります。
dΨdt
Ψ - i
1
= hω
= h =
dΨdt
Ψih
(ただし h = )h2π
① 運動量は波数 k に比例します。② 波数kはΨの空間微分で出てきます。③ 運動量はΨの空間微分から計算可能です。
運動量の計算電子物性第 1 スライド 4-11-1
運動量の計算は、 p = hλ を波数 k で、
p = h2π
k とすれば簡単です。
波があまり立たない。
y
0
電子が運動していない。
波が立つ
x
0
電子が運動している。
波長は運動量
= hk
運動エネルギー運動エネルギーは、 Ek = mv21
2= (mv)21
2m=
p2
2m
ですが、 p2 は、d2Ψd x2 = (ik)2ei(kx - ωt) = ー k2Ψ二階微分
より、Ek =
p2
2m
d2Ψd x2
Ψ=
ー h2
2m=
12m
(hk) 2
① 運動量は波数kに比例します。② 波数 k は Ψ の空間微分で出てきます。③ 運動量はΨの空間微分から計算可能です。
運動量の計算電子物性第 1 スライド 4-11-2
Ψ を x で微分します。
すなわち、 dΨd x
= ikei(kx - ωt) =ikΨ です。
波があまり立たない。
y
0
電子が運動していない。
波が立つ
x
0
電子が運動している。
波長は運動量
運動量の計算は、 p = hλ を波数 k で、
p = hk とすれば簡単で、
運動エネルギー運動エネルギーは、 Ek = mv21
2= (mv)21
2m=
p2
2m
ですが、 p2 は、d2Ψd x2 = (ik)2ei(kx - ωt) = ー k2Ψ二階微分
より、Ek =
p2
2m
d2Ψd x2
Ψ=
ー h2
2m=
12m
(hk) 2
① 運動量は波数kに比例します。② 波数kはΨの空間微分で出てきます。③ 運動量は Ψ の空間微分から計算可能です。
運動量の計算電子物性第 1 スライド 4-11-3
となります。
運動量の計算 p は、
k
dΨd x
= ikei(kx - ωt) = ikΨ
dΨd x
Ψー i
を使っています。
波があまり立たない。
y
0
電子が運動していない。
波が立つ
x
0
電子が運動している。
波長は運動量
p = h
運動エネルギー運動エネルギーは、 Ek = mv21
2= (mv)21
2m=
p2
2m
ですが、 p2 は、d2Ψd x2 = (ik)2ei(kx - ωt) = ー k2Ψ二階微分
より、Ek =
p2
2m
d2Ψd x2
Ψ=
ー h2
2m=
12m
(hk) 2
① 運動エネルギーは Ψ の2階微分で求めます。
運動エネルギー電子物性第 1 スライド 4-12
運動エネルギーは、 Ek = mv212
= (mv)212m
= p2
2m
ですが、 p2 は、d2Ψd x2 = (ik)2ei(kx - ωt) = ー k2Ψ二階微分
より、 Ek = p2
2m
d2Ψd x2
Ψ= ー h2
2m= 1
2m(hk)2
dΨd x
Ψー i p = h
運動量の計算
となります。
運動量の計算 p は、
dΨd x
= ikei(kx - ωt) = ikΨを使っています。
シュレーディンガーの波動方程式
がシュレーディンガーの波動方程式です。
これを満たす Ψ が存在する場所に電子がいます。
ー h2
2md2Ψd x2 + V(r)Ψ =
dΨdtih
① 運動エネルギー+ポテンシャルでエネルギー② 周波数から求めたエネルギーも代入できる。③ シュレーディンガーの方程式ができました。
シュレーディンガーの波動方程式
電子物性第 1 スライド 4-13-1
運動エネルギーは、ですから、
位置エネルギーを足して全エネルギー
+ V(r) = 周波数からのエネルギー
ー h2
2m
d2Ψd x2
Ψ
運動エネルギー運動エネルギーは、 Ek = mv21
2= (mv)21
2m=
p2
2m
ですが、 p2 は、d2Ψd x2 = (ik)2ei(kx - ωt) = ー k2Ψ二階微分
より、Ek =
p2
2m
d2Ψd x2
Ψ=
ー h2
2m=
12m
(hk) 2
まとめシュレーディンガーの波動方程式は、
Ψ の時間微分から、周波数とエネルギーを、Ψ の空間微分から、運動量、運動エネルギーをそれぞれ、求め、電子の所在を解析します。
① 運動エネルギー+ポテンシャルでエネルギー② 周波数から求めたエネルギーも代入できる。③ シュレーディンガーの方程式ができました。
シュレーディンガーの波動方程式
電子物性第 1 スライド 4-13-2
運動エネルギーは、ですから、
ー h2
2m
d2Ψd x2
Ψ
位置エネルギーを足して全エネルギー
+ V(r) =
ですが、これに Ψ を掛けて、
dΨdt
Ψih
まとめシュレーディンガーの波動方程式は、
Ψ の時間微分から、周波数とエネルギーを、Ψ の空間微分から、運動量、運動エネルギーをそれぞれ、求め、電子の所在を解析します。
運動エネルギー運動エネルギーは、 Ek = mv21
2= (mv)21
2m=
p2
2m
ですが、 p2 は、d2Ψd x2 = (ik)2ei(kx - ωt) = ー k2Ψ二階微分
より、Ek =
p2
2m
d2Ψd x2
Ψ=
ー h2
2m=
12m
(hk) 2
① 運動エネルギー+ポテンシャルでエネルギー② 周波数から求めたエネルギーも代入できる。③ シュレーディンガーの方程式ができました。
シュレーディンガーの波動方程式
電子物性第 1 スライド 4-13-3
がシュレーディンガーの波動方程式です。
これを満たす Ψ が存在する場所に電子がいます。
ー h2
2md2Ψd x2 + V(r)Ψ =
dΨdtih
まとめシュレーディンガーの波動方程式は、
Ψ の時間微分から、周波数とエネルギーを、Ψ の空間微分から、運動量、運動エネルギーをそれぞれ、求め、電子の所在を解析します。
運動エネルギー運動エネルギーは、 Ek = mv21
2= (mv)21
2m=
p2
2m
ですが、 p2 は、d2Ψd x2 = (ik)2ei(kx - ωt) = ー k2Ψ二階微分
より、Ek =
p2
2m
d2Ψd x2
Ψ=
ー h2
2m=
12m
(hk) 2
まとめ電子物性第 1 スライド 4-14
シュレーディンガーの波動方程式は、
Ψ の時間微分から、周波数とエネルギーを、Ψ の空間微分から、運動量、運動エネルギーをそれぞれ、求め、電子の所在を解析します。
スライドを終了します。
① Ψ の微分演算を工夫して波動方程式を作りました。
がシュレーディンガーの波動方程式です。
これを満たす Ψ が存在する場所に電子がいます。
ー h2
2md2Ψd x2 + V(r)Ψ =
dΨdtih
シュレーディンガーの波動方程式