1
建築基礎構造講義（７）
直接基礎の設計（２）
地盤支持力計算とその理論
2
到達目標
地盤崩壊のメカニズムとTerzaghiの支持力
理論の概要が理解できる。
地盤の支持力算定式の意味を理解し、砂地盤の支持力が計算できる。
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設計の手順
基礎形式の選定
地盤の許容支持力の算定
フーチング面積の決定
沈下量の検討
フーチングの断面設計
接地圧の検討
基礎の設計
基礎の構造計画
4
地盤の許容支持力の算定
支持力の算定には以下の方法が用いられる。
支持力算定式
平板載荷試験
許容応力度表
5
支持力算定式
建築学会の基礎構造設計指針では、Terzaghiの支持力理論等に基づいた許容支持力式を定めている。
6
Terzaghiの支持力の考え方
すべり面
テキスト p.69
7
土のせん断強さ
tanCτ σ φ= +
( )( )
( )
2
2
2
: k N /cm
: k N /cm
: k N /cm
: tan :
C
τ
σ
φ φ
土のせん断強さ
粘着力
せん断面に垂直に作用する有効応力
内部摩擦角（度）， 摩擦係数
tanQ P Pμ φ= =
テキスト p.25, 26
8
Terzaghiの極限支持力式
1 212c f qq CN BN D Nγγ γ= + +
( )( )
( )( )
( )( )
2
2
31
32
: kN/m
: kN/m
: kN/m
: kN/m
: m
: m
, , :
f
f
c q
q
C
D
D
B
N N Nγ
γ
γ
φ
ここに，
地盤の極限支持力
粘着力
基礎底面下の単位体積重量
根入れ部分の土の重量
基礎の根入れ深さ
基礎幅
支持力係数（ の関数）
テキスト p.70
9
国土交通省告示の極限支持力式
( )( )( )( )
1 2
1 2
1 3
2 3
a c c r r q f q
a c c r r q f q
q i CN i BN i D N
q i CN i BN i D N
α βγ γ
α βγ γ
= + +
= + +
長期：
短期：
( )( )
( )( )
( )( )
2
2
31
32
: kN/m
: kN/m
:, , :
, , :
: kN/m
: kN/m
: m
: m
a
c r q
c q
f
q
C
N N N
i i i
B
D
γ
α βφ
γ
γ
許容応力度（許容支持力度）
基礎底面下にある地盤の粘着力
, 基礎の形状係数
支持力係数（ の関数）
荷重の傾斜に対する補正係数
基礎底面下にある地盤の単位体積重量
基礎底面より上方にある地盤の単位体積重量
基礎底面の最小幅
基礎の根入れ深さ テキスト p.71
10
形状係数
テキスト p.72
11
支持力係数テキスト p.72
( )35.5 25.829 25.8 29 28 28.232 28cNφ −
= ° = + − =−
の場合:
12
荷重の傾斜に対する補正係数
ic, ir, iqは，基礎に作用する荷重の鉛直方向に対す
る傾斜角に応じて次式によって計算される。
:θ
θ φ φ
基礎に作用する荷重の鉛直方向に
対する傾斜角（度）
が を超える場合は とする
( )( )
2
2
1 90
1
c q
r
i i
i
θ
θ φ
= = −
= −
テキスト p.72
θ
xe
ye
B
L
P
H
13
地盤の粘着力C
砂質土C=0 とする。
粘性土C=qu/2 から計算する。
テキスト p.28, 29
14
内部摩擦角
内部摩擦角φは，粘性土の場合は0，砂質土の場合はＮ値から推定できる。
( ) ( )( )
( )
15+ 15 5
15 20
Peck 0.3 27
N N
N
N
φ
φ
φ
= ≥
= +
= +
道路橋示方書 度
大崎の式 度
の式 度
テキスト p.10
15
地下水位以下の単位体積重量
γ1：フーチング底面以下の地盤の単位体積重量（kN/m3），地下水位以下では，γ’1＝γ1ー9.8をとる。
γ2：フーチング底面より上方にある地盤の平均単位体積重量（kN/m3），地下水位以下では， γ’２＝γ２ー9.8をとる。
16
例題１
図に示す例題で，地下水がない場合と地下水位がGL-1.2mにある場合の許容応力度を求めよ。ただし，荷重は鉛直方向から作用し，砂層の内部摩擦角φは32°とする。
長さの単位はmm
テキスト p.72,73
17
解答（地下水がない場合）
( )2
2
2
0 1.0
14.71 1.0 17.65 0.5 23.54
0.3 17.65 2.0 22.0 23.54 23.2 3 259.7 kN m
2 259.7 519.4kN m
c r q
f
a
a
i i i
D
q
q
θ
γ
= = = =
= × + × =
= × × × + × =
= × =
荷重の傾斜角：
長期
短期
1.2, 0.332 35.5, 22.0, 23.2c r qN N N
α βφ
⇒ = == ° ⇒ = = =
正方形基礎 表5.5
表5.6
テキスト p.73
18
解答（地下水位がGL-1.2mの場合）
( )2
2
2
17.65 0.2
0 1.0
14.71 1.0
0.3 2.0 22.0 23.2 3 193.8kN m
2 1
7.85 0.3 20.60
7.85
9
20.6
3.8 387.6kN m
0
c r q
f
a
a
i i i
D
q
q
θ
γ
= = = =
= × + =
= × × × + × =
= × =
× + ×
荷重の傾斜角：
長期
短期
1.2, 0.332 35.5, 22.0, 23.2c r qN N N
α βφ
⇒ = == ° ⇒ = = =
正方形基礎 表5.5
表5.6
テキスト p.73
19
例題２
基礎に加わる水平力が鉛直力の20%である場合のic, ir, iqを求めよ。
θ
xe
ye
B
L
P
H
0.2tan 0.2PP
θ = =
( )( ) ( )
( ) ( )
1
2 2
2 2
tan 0.2 11.3
1 90 1 11.3 90 0.765
1 1 11.3 32 0.418
c q
r
i i
i
θ
θ
θ φ
−= = °
= = − = − =
= − = − =
解答
テキスト p.73
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まとめ
地盤の破壊はせん断力によって生じる。
地盤のせん断抵抗力は粘着力と摩擦力からなる。
粘性地盤では粘着力が主に働き，砂地盤では摩擦力が主に働く。
地盤の許容応力度は支持力算定式から計算できる。
地下水位以下では，土の単位体積重量から水の単位体積重量（9.8kN/m2)を引く必要がある。
内部摩擦角φはN値から推定できる。
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