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yoshida-masahiro
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#02 自浄作用の回路設計2010年代のマインドダイバー
2013/7/03@shikaimonjo
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これからお話するのは、東京から岩手に帰郷して気づいたことを基に立てた仮説です。
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目次
1. 「自浄回路」とは何か
2. 「いい人」について
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1. 「自浄回路」とは何か
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都会~田舎帰りあるある空気がうまい!
飯が心なしか旨く感じる!
やべぇ、改めて、周りが山と田んぼしかねぇ!w
人通り少なっ!wwwww
車社会!交通の便悪ぅ!(車持ってない俺涙目……)
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私の一番の驚き:電車でスマホいじってる中高生少なっ!
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東北本線仙北町駅~花巻駅間(平日、朝7時頃)、通学中の中高生多し
スマホ・タブレットを弄る人はほぼ皆無
何を見ているのか?:成人以上は雑誌・
新聞・文庫本、中高生は全員何もせずじっと外の景色を見ている?
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なぜ?
朝から話す相手が特にいない?
皆いい子だから学校に携帯持ってこない?
親に「中学生(高校生)の分際でスマホとか早い!」と言われて持たせてもらえない?
そもそもスマホ・ネット・アプリの使い方をよく知らない大人が多い?
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でも、せめてパズドラとかLINEとかTwitterくらいやっててもよくね???
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再び、なぜ?なぜやらないか?でなく、そもそもやる必要すらないのか?も考える。
不特定多数も巻き込むネットコミュニケーションを必要としない関係性の存在?
生活の中にネットを取り入れ、使いこなすことに不慣れ?――今までそれをあまり必要としない社会の構造、土地(風土)の影響力
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なんとなく分かること
情報を利用、共有し、発信していく文化が個のレベルに根付いていない。
その文化を享受する必要性がほとんどなく、ネット上のコミュニティとは別の、ある限定された関係内で全てが事足りている。
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窓の外を見る視線の謎
ほぼ毎日、乗っている間いつまでも見てて、正直飽きないか?
本を読むでも、勉強するでもなく、ましてやスマホを弄るでもなく、車窓の外を見続けることに辛さ(手持ち無沙汰感、焦燥感)は感じないのか?感じないとしたらなぜ?
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視線の先にあるもの
田んぼ、民家、向こう側に山、住宅街
虚心に見ていると心なしか落ち着く風景、愛着・懐かしさを伴う
これって(日本の)原風景ってやつか!?
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原風景
広大な森林、澄み渡った河川、田んぼ、点在する築年数古めの民家、草・土の香り、鳥の鳴き声、四季折々の変化、花の移ろい……
こうしたものの変化を感じる方面に感受性が研ぎ澄まされていく
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原風景がもたらす心理作用
「森林セラピー」として、自然環境がもたらす精神安定効果が心理学、医学などの分野で注目
文学・日本思想と自然環境の対応―― 方丈記「ゆく河の流れは絶えずして……」の比喩等
民俗芸能・伝承・土着信仰と自然環境の密接性――『遠野物語』
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自然環境を含めた、いつも親しんでいる風景の中に既に心を安定させ、負の感情をコントロールする思考様式、人との繋がり(関係性)、物事への関わり、社会の有り様を規定する土台(しくみ)がある。
――「自浄回路」
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自浄回路の特徴個々人が関わっている集団、能力、立場、また住んでいる土地柄、社会の風潮によって異なる。
自浄回路を安定した仕組みとして維持するための仕組みも同時に設計される必要がある。
自分が関わっている世界・空間・対人関係の全てに対して自浄作用が適応できるように回路設計しなければならない(穴は避けなければならない)。
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自浄回路を持つメリット
回路が強固であれば強固であるほど、あらゆる精神的困難・苦難に対抗できる。
設計次第では、精神的に自立でき、揺るぎない自信が持てる。自己を客観視、反省できる。
周りからは「いい人」と呼ばれる。嫌われにくく、敵もできにくい。
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2. 「いい人」について
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「いい人」だらけの街
地元に帰ると改めて、「あぁ、地元の人っていい人ばかりだなぁ……」と感動する。
むしろいい人過ぎて辛い……
いい人過ぎる人しかいなくて辛い……
(´・ω・`)
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「いい人」の正体
優れた自浄回路を持っている。
他所から来る刺激に対しても崩れにくい、強固で安定した、現実ベースの、自己完結型の人間関係(および人間性の構築)を重視。
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「いい人」の正体
怒り・不満をすぐ反射的にぶつけるのではなく、溜め込む。そして、表面上は上手く取りなす(取りなそうとする)。
貯めこまれた負の感情を自浄するのに長けている上に、軽度なら負の感情を抱きにくい(即座に浄化、もしくは害のないものに切り替え)。
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「いい人」の正体
現実ベースの人付き合いを重視するから、そもそもインターネットに依存しない。
「流行」、「最先端」とは本来無縁。個性を持った独自の文化・コードの形成。――強固な仲間意識、連帯性、居心地の良い一体感
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「いい人」の正体
「優しい丁寧な対応」「行き届いた思いやり」「細かいことにこだわらない大らかさ」「ストレスとほぼ無縁」「物事への落ち着いた対処」「嫌いになるところが殆ど無い」「真面目」「努力家」……
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「いい人」の脆さ
「自浄回路」の範囲外に出ると、感情・思考のコントロールが大幅に狂う
ネット文化に理解があるネットユーザーが少数しかいない環境――サイバースペース上では現実ベースの「自浄回路」がほとんど通用しない
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「いい人」の脆さ
地元を離れるなどの環境変化に馴染めない、もしくはすぐ精神を崩しやすい
ネットの嘘情報に釣られやすい、情報を積極的にしつこく批判・検討しない
煽り文句、「祭り」行為、荒らし行為に対して血が上りやすく、穏便な対処を知らない
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「いい人」の脆さ
自浄回路では制御不能な負の感情(耐え難い苦痛、社会問題など)に対しては全くもって弱い。
自浄回路自体の力が弱れば、それだけ負の感情への対抗力は弱る。崩壊すれば0に近くなる。
自浄以外の対策を持たずにいると、負の感情処理が下手になり、結局打たれ弱くなる。
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「いい人」の脆さ
「閉鎖的」「旧態依然」「口下手」「人見知り(奥手、引っ込み思案)」「自己中」「卑屈」「頑固」「視野が狭い」「見栄っ張り」「情弱」……
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まとめ
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まとめ
「自浄回路」――心を安定させ、負の感情をコントロールする考え方、人間関係、物事への関わり、社会の有り様を規定する土台(しくみ)
「いい人」と呼ばれる人は独自の強固な自浄回路を持っていることが多い。しかし、自浄回路ではどうしようも出来ない場面に非常に弱い。
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次回予告
「自浄回路」を作らない、頼らない生き方、関係性の構築のお話(#03)
「自浄回路」の仕組みをシステムと捉え、どのような「自浄回路」システムが強いのかを考える(#04)
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今回の配信コンテンツは以上になります。
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