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草薙を考える 物事や世界をきちんと見るための方法論 2013.11.24 きむらさとる

草薙について考える - 物事や世界をきちんと見るための方法論

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草薙を考える 物事や世界をきちんと見るための方法論

2013.11.24 きむらさとる

1 1.タテヨコで考える。 (未来)

(歴史)

(ほかの世界)

いま

• タテは時間軸。ヨコは空間軸。

• タテ:誰が、どういう想いで初めて、どういう軌跡を辿ってきて、これからどうありたいんだろう。時間軸。

• ヨコ:ほかの地域、業種、業界は何をやってるんだろう。世の中はいま何をしてるんだろう。空間軸。

• タテヨコを広げることで視点視座が得られる。

2 ex…【トヨタ】

• タテ:誰がどういう想いで始めたんだろう。いま何やってるんだろう。将来はどういう計画をしてるんだろう。

• 時間軸。

• ヨコ:日産、マツダ、メルセデス、BMW他はどういう事業展開をしてるんだろう。

• 空間軸。

3 ex…【震災復興】

• タテ:室町の震災、江戸の震災、昭和の震災。昔の人はどういう復興をしてきたんだろう。いまは?未来は?

• 時間軸。

• ヨコ:インドネシアの震災、フィリピンの震災、チリの震災。世界ではどういう復興をしてるんだろう。

• 空間軸。

4 2.地域活性を定義する。

社会性 収益性

(地域活性)

行政、NPO 自治会、ボランティア 地域貢献

企業、商店、個店 商店会 地域おこし

• ゴミ拾いしました → 街が綺麗になりました。 違法自転車整理しました → 歩道が広く/安全になりました。 アートイベントしました → 街の文化力があがりました。 というのは地域貢献。(社会性)

• 地域にヒトが来ました、モノ/サービスを買いました、お金が落ちました。というのは地域おこし。(収益性)

5 ex…【豪雪地帯】

• 過疎豪雪で人手が足りなくてそもそも生きることすらままならない限界集落や里山の現実。

• ボランティアが即刻必要。

• 行政やNPO(やプロボノ)のサポート。

• 住人同士がつながること/助け合うことは大事。地域貢献。

• けどそれだけでは地域はおこらない。

6 ex…【草薙くいだおれ祭り】

• 訪れた人が、地域の商店個店と出会う。

• お店は、新しいお客さんと出会う。

• 地元商店個店の売上が増える。税収につながる。

• 商売と地域おこしは基本同じ話。

• モノやサービスがたくさん売れたら地域はおこる。

7 3.地域おこしは算数で考える。

• モノやサービスがたくさん売れたら、地域はおこる。

• 商売と地域おこしは基本同じ話。

• 【件数】×【単価】というのが商売/ビジネスの根源。

• 同じモノやサービスが売れて件数が一定だったら、 【単価】が高いほうが地域はおこる。

• 国で言えば、【人口】×【生産性】

山口勉『なぜこの店では、テレビが2倍の値段でも売れるのか?』

8 4. 件数=人

• 【人が増える】ことが【最大の基本】

• 大事なことは、人はその地域やその場所に集まればいい。

• 定住人口が増えることは望ましいが、定住しなくてもいい。

• 通って来てもらえればいい。

• 別に若い人でなくても構わない。

• 観光とは、他の地域から来てもらうこと。

件数 ×単価

||

9 ex…△【三重県/亀山市】

• 定住施策はうまくいかない。

• 工場とかコンタクトセンターを誘致するという選択肢はないものと理解する。どこの都道府県でもやっていた。

• グローバルな時代の、アジアの人件費は日本の10分の1

• 国内で工場とかコンタクトセンターを持ってこようという政策が長続きしないのは当たり前。

• シャープもパナソニックも裏切りの工場撤退で補助金が泡と消えた。

10 ex…◎【宮城県/白石町】

• 仙台までクルマで1時間ぐらいの内陸の場所。

• 「若い人はみんな仙台に行ってしまう。自分たちには何も残らない」と言う。

• 「地域おこしをしようにも若い人はいない。ホタルと白鳥と牛では地域おこしなんかできない」と言う。

• しかし、わずか1時間の距離に人口100万人の大都市がある。

• 100万人もの人が増え続けるおいしいマーケットがあると考えるのが、欧米リゾートの基本の考え方。

• 草薙には静岡も清水もある。来てもらえばいい。

11 5. 単価=滞在時間

• 滞在時間を長くするのが地域おこしのもうひとつの基本。

• それは交通を便利にしないこと。

• クルマでスッと行けるようになると見てあっという間に帰ってしまう。

• 街の外にクルマを乗り捨てさせれば、歩くことになるので、滞在時間が長くなる。

件数 ×単価 ||

滞在時間

12 ex…◎【静岡市/呉服町通り】

• クネクネしてて先が見えない。

• サンフランシスコのランパート通りと姉妹ストリート。

• 先が見えないから、その先に何があるのかワクワクする。

• 週末にはクルマが入れない歩行者天国を実施。

• 歩かせると、ノドが乾いて水を飲み、お腹が空いてご飯を食べる。なのでお金が落ちる。

©Googleストリートビュー

13 ex…△【静岡県/島田市】

• 区画整理されてとても綺麗。駅から先までずっと見渡せる。

• 見通せるストリート。

• 一瞬で、その街の様子がわかってしまう。

• ばあさんが少しいるだけ。人がいない。もの寂しい。

• 初めて訪れた街は、その先に何があるか探検してみたくなるような見た目のワクワク感が大切。例えば渋谷。

14 6. ヒト→モノ→カネ

• 課題解決はヒト→モノ→カネの順。

• 人がたくさん集まると、水を飲み、ご飯を食べる。

• なのでモノが集まってくる。

• モノが集まれば、決済するためにお金が集まってくる。

©イラストレーターころちゃん

15 ex…△【秋田/大曲花火大会】

• 地域おこしで人を呼ぼうとなってイベントを開催する。

• 20万人超が来るけど、ガーっと来て、ガーっと帰る。

• 結果、ゴミだらけ糞尿まみれ。

• その日だけ盛り上がってあとの1年の残りは過疎。

• お土産すら買って帰らない。地元にお金が落ちない。

• 地元にお金が落ちる仕組み、閑散期を埋める視点が大切。

16 ex…◎【B-1グランプリ】

• B級グルメが抜群に良いということではないが、

• 人はご飯を食べる動物。ご飯はキーになる。

• その地域ならではの食、名産、特産品があって、

• 地元の飲食店で提供できれば、365日いつ訪れても食べられる。

• 【ゆるきゃら】にわざわざ会いに来る人っている?

17 世界をきちんと見るための方法論

• タテヨコ思考 - 時間軸と空間軸。 - 周囲の世界を理解することが出発点。

• 地域貢献と地域おこしは別物 - 住人同士がつながること/助け合うことは大事。 - けどそれだけでは地域はおこらない。

• 算数で考える - 商売と地域おこしは基本同じ話。 - 人×滞在時間。

18 0~1年

棚卸 草薙の今を知る。タテヨコ。

19 7.日本/世界の事例を知る。 (未来)

(歴史)

(ほかの世界)

いま

• 世界の地域おこし事例は無数にある。上手く行ってる事例を知る。

• 朝活、マルシェ、バル、フューチャーセンター、オンパク、カタリバシャベリバ、街コン、街ゼミ、街あるき、リノベーション商店街、着地型観光、ガイドウォーク、アートトリエンナーレ、ビエンナーレ、100円商店街。

• 課題意識とコンセプト。ただし、それらを上回る意識。質。

20 ex…【日本橋/アサゲ】

• 伝統が息づく街日本橋で、次の100年を見据えたワーカーによる街づくり朝活。

• マエヒャク:老舗と呼ばれる100年以上この地にいる方、アトヒャク:NPO、ベンチャー起業、クリエイターなどの新しい息吹を吹き込む方による講演。+ワークショップ。

• 日本橋勤務者を中心に全国から参加。毎回100名超。

21 8.草薙の歴史/文化/芸術/暮らし (未来)

(歴史)

(ほかの世界)

いま

• ここにしかない歴史、文化は何か?

• ここでしか出会えない芸術、暮らし、オリジナルは何か?

• 草薙神社、草薙大龍勢、日本武尊、富士山、ect。

• 商店個店、大学、美術館、自治会。ect。

• 他所にはないオリジナリティがないと単なる真似になる。

• 歴史/文化/芸術/暮らし。草薙ならではのことを知る。

22 ex…【オンパク】

• 温故知新博覧会。オンパクに参加すべきという話ではない。

• 地域資源(歴史/文化)を利用したプログラムの企画運営には真似るべきところがあるのでは。

• お寿司屋さんで魚の3枚おろしを習う。蕎麦屋でそば打ち体験をする。店主を知り街が好きになり、お金が落ちる。

• 地域資源(宝)は住んでいると気付きづらい。外部/移住者の協力で見つけることがポイント。

23 9.シビックプライド

• シビックプライド=都市に対する【誇り】や【愛着】

• 19世紀のイギリスで重要視された考え方。

• 日本語の「郷土愛(≒シティプライド)」とは少し違う。

• 自分自身が地域を構成する【一員】であると【自覚】し、都市をより良い場所にするための取り組みに関わろうとする当事者意識。

誇り 愛着

共感 シンボル

24 ex…【千葉県/流山市】

• 街を本当は愛しているが自信を持って誇れないパターン。

• ダサイタマ/チバラギ。

• 「流山ってどこ?」と聞かれると「柏の隣の…」と答える。

• 流山は最近熱いね!注目してるよ!という 【外から】の流れを作る必要。外→内。

• 映画“百瀬こっちを向いて”のロケ地として協力したことを記念し、恋愛中であることを証明する恋届受付窓口を設置。

• NHK等の外部取材により積極的な流山を市民が意識しだす。

25 ex…【兵庫県/神戸市】

• 市民が街に【愛着】と【誇り】を持っているパターン。

• 地域に【シンボル】となるアイデンティティがあることも特徴。

• プロジェクトを立ち上げると、参加者の層が厚く、また市民が自主的に外に向かって発信する状態。内→外。

• ex EARTH MANUAL PROJECT(防災)、WONDER PICNIC(食)、クリエイティブゼミ(街づくり)、ちびっこうべ(子育て支援)、PANPO(街歩き)、KIITO(場)

26 10.長期視点で考える。

• 過度な期待は急激な幻滅を招く。

• 「急激な成長」ではなく「確実な成長」が地方にはあうんじゃないか。その意識。

• 当初段階よりは高いステージに位置する。

27 棚卸(0~1年目)

• 周り/現在地を知る(ヨコ) - 世界の地域おこし事例は無数にある。 - 好事例を知り、真似をするのでなく上回ることを意識。

• 地域資源を見つける(タテ) - 歴史/文化/芸術/暮らし。草薙ならではのことを知る。 - 住んでいては気付かない地域の宝は何か。

• 確実な成長でよい - 急激な成長ではなく確実な成長。 - 一員であると自覚する人を増やすことが一歩目。

28 1~3年

成長 重点取り組みを決めて育てる。

29 ex【烏山商店街/無料よろず相談室】

• コミュニティ機能を担っている事例として、烏山駅前商店街の「無料よろず相談室」

• 相談に来られた方に商店街で利用できるコミュニティポイントを5ポイント差し上げる取り組みを実施。

• 年間で約2,500人が相談に来ている。

• 烏山駅前通り商店街(通称えるもーる)事務局のあるダイヤ会館の1階入口。

• 特定非営利活動法人笑顔せたがやが運営。

30 ex【明大前商店街/民間交番】

• 治安を担っている事例として、明大前商店街で2002年に民間交番「ピースメーカーズ」を立ち上げ。

• 商店主たちが自警団を結成し犯罪発生件数が劇的に減少。

• 駅前に独自の活動拠点を設置して道案内。地域の中であいさつが広まった。

• 安心・安全な街づくりに大いに貢献するとともに同地域の地価上昇。

• 地域の問題解決のためのプラットフォームとして機能。

31 ex【公立小学校向けセキュリティ】

• 治安を担っている事例として「ミマモルメ」

• ランドセルにICタグを入れたお子様が校門を通過すると保護者宛に通過情報がメール配信。

• カードリーダーにタッチをする必要がない

• こどものカード忘れやタッチし忘れのリスクがない。

32 ex【ニュー北町商店街 子育てひろば】

• 子育て支援を担っている事例としてNPO北町大家族が提供する「かるがも親子の家」

• 子育て中の親と子が自由に集まり、親同士の交流や子育て相談ができる拠点を商店街の中に開設。

• 地域や近隣との関係希薄化による孤立した子育てが招く不安感やストレスを軽減。

• 平成10年に、商店街からわずか5分のところに大型店サテイが出店することを契機に、大型店には出来ない地元ならではのことはなんだろう?と考え設立。

33 ex【たまプラーザ小型モビリティ】

• 次世代郊外まちづくりモデル事例として、横浜市青葉区たまプラーザ駅北側地区の実証実験。

• 坂の多い街で、高齢化による体力の衰え、自宅でのネットショッピングにより、街に出てこない層が増えると予想。

• 狭域移動へのサポート。

• 私鉄系CATV社がタブレットを無償提供し、

• 住民の依頼に応じてルーティングを策定するフルデマンドバス(自宅の前で乗降車)を運行。

34 ex【高松市/丸亀商店街】

• バランスのよい商店街づくりの事例として「高松市丸亀商店街再開発」

• 衣料品店と金融機関の占める割合が高い業種の偏りを正していく。

• 土地の所有と利用の分離をはかるため、地権者が設立する街づくり会社が土地を買い取る。

• 土地所有者は地代を受け取る。新たに出店する場合はテナント料を支払う。

35 ex【神山町/ワークインレジデンス】

• バランスのよい商店街づくりの事例として「ワークインレジデンス」

• 地域の将来に必要と考えらえる「働き手」「企業家」を逆指名。

• パン屋さん開業しませんか?デザイナーさんいらっしゃい

• 行政ではなく民間NPOが主導しているため、借り手と貸し手のマッチングに情報開示できる。

36 ex【神山町/隠された図書館】

• 市民型公共施設の事例として、隠された図書館。

• もともと図書館のない街。

• 山の奥に隠れた図書館を設置。借りるのではなく預ける。

• 人生で影響を受けた本を一人3冊まで収められる。

• 本を収めた人だけが鍵をもらえ、図書館の利用が可能。

• いつの日か、人の想いがいっぱい詰まった図書館に。

• フランスや世界に仕組みが輸出されている。

37 ex【新潟市/アルビレックス】

• スポーツを起点にした地域づくりの事例として「アルビレックス新潟」

• スポーツ不毛の地と言われた新潟で国内トップの観客動員数。サッカーのみならずバスケ野球等。

• まずは採算度外視して無料招待券を大量に配布。結果4万3000人収容できるスタジアムが満員。

• スタジアムが満員になると、一体感があってシビレルくらい興奮、超満員のスタジアムで新潟の地域愛を確認。

ex【アメリカの高齢者住宅】

• 社会課題を解決する先進地域の事例として、アメリカで一番高級な老人ホーム。中西部の田舎。

• NYマンハッタンの3倍の家賃。

• 予約順番待ちの列ができて、なかなか入居できない。

• 売りは、大学のどの講義でも自由に傍聴していい。

• 若いときにビジネスばかりだからもっと学習したい。

• 経営の現場に実際携わった人の意見が聞ける。

• 自分の経験を教えながら、若い人と議論ができるのは、なによりも楽しい。

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©ラッセルカレッジ

39 ex 【島田市キッズドリームマーケット】

• 同じ地域に住む大人がよその子を預かり、地域で大きな町内会を作る事例。

• カルチャー作家さんが地域で子育てすることに賛同、子どもは職人として当日は店長として仕込みと販売経験を通じて仕事の楽しさと厳しさを知る。

• 預かってもらった親たちは 子どもたちを通じて作家さんの活動と暖かさを知る好きになる≒将来顧客。

• 親子という縦、同級生という横ではないナナメのつながり。

40 ex【SFC/起業家支援】

• スタートアップの応援事例として、ビジネスコンクール。

• 優秀者には条件付きで100万円~10万円の起業支援資金が送られる土壌がある。

41 4~7年

世界 日本国内に留まらず、世界を相手にする。

11.キャッシュレス

• 現金を使わせないようにキャッシュレスでモノを売る。

• 外から来る人や旅行者は、大抵ホテルにお金を置いておく。

• 知らないところで現金をたくさん持ち歩くのは不安だから、そんなに財布にお金を入れてない。

• 現金商売すると高いものは買われない。

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ex…◎【オーストラリア/ケアンズ】

• ホテルのカギがあれば、行きの船、帰りのヘリコプター、途中の土産物屋、レストラン、街のすべてでキャッシュレスで支払える。

• 海に行くときにお金を持って行かなくていいことは嬉しい。

• ホテルのチェンジも出来る。1週間ぐらい滞在して他に良さそうなホテルを見つけたら、お金を取られないで移してくれる。

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©JTB

12.ネットワーク化

• キーステーションがあって、そこを基点にワガママし放題できれば、本当に楽しい。

• 日本はすごく苦手。 • 自分のビジネスに関係なくても、地域としてもっと情報を

共有して、お客さんのニーズに応える。 • この街はいい!この地域はいいな!となる • ネットワーク化はものすごく大事。

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ex…△【静岡県/熱海市】

• 熱海~大島航路。

• 小さな安そうなホテルを取り、その時に「明日の朝一番の船に乗りたいんですけど何時ですか?」。

• 「もう今日は切符売場が閉まってるから、明日朝に聞いてみないとわからない」と言われる。

• 地域としては大損。

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©東海汽船

ex…△【静岡県/御殿場市】

• アウトレット近くの御殿場の観光案内所へ。

• 箱根の地図が県が違うから配布されない。

• 世界の観光地では有り得ない。

• お客さん単位(目線)で考えたら?

• 物理的には一番近い。県単位で観光地を作る悪い例。

• 他の県でも一番近い地域の観光地域の地図がない。

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©御殿場プレミアムアウトレット

13.言語フリー

• 世界遺産と呼ばれる観光地は、話せなくても絵でわかる。

• 1964年の東京五輪で考案されたピクトグラム。

• 英語コミュニケーションをとることが難しい日本人と外国人の間を取り持つために開発された。実は日本のお家芸。

• 観光というのは他の地域から来てもらうこと。

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2013年09月14日 読売新聞夕刊14頁より引用

ex…◎【サンチャゴ・デ・コンポステーラ】

• 世界遺産の2つの古い巡礼道。熊野古道とスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ。

• ともに1000年以上の歴史を持つ巡礼の道。

• 利便性が違う。水飲み場がピクトで描いてあって言葉が話せなくてもわかる。

• ATMがあり、クレジットカードさえあれば何も持たず歩ける。雑魚寝で1日2000円で泊まれて、1ヶ月のんびりと金をかけないで楽しめるインフラがある。

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49 世界(4~7年目)

• キャッシュレス/ネットワーク - 地域手形を発行していくつもの店舗を回れるようにする。 - インターネットで情報を共有する。

•自由度 - 失敗したら、チェンジできるようにする。 - 店にとっては客を失うが、地域全体で見たらいいこと。 - そういう地域は凄くいい。また行こうまた来ようとなる。

•言語フリー - 手ぶら、楽をさせる、すると人は来る。 - 呼んできて、滞在時間を長くして、現金決済をやめる。 - 件数×単価があがる。

14.星を付ける

• この近くで一番のおすすめどこですか?

• 外国では100%個人的なお気に入りを教えてくれる。

• 私はここが一番だと思う、値段はこれぐらい。

• 日本だと観光案内所で地図をくれる。

• 和食だとここ、ここ、ここ、どこも美味しい。

• 同じ地域同じ村に住んでると、どこが良いと言いづらい。

• 気持ちはわかる。星をつけない。

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ex…◎【ヨーロッパのホテル】

• どんな地域でもミシュランとは別にホテルには全部星がついてる。毎年第三者機関が評価。

• ホテルでいえば三つ星で、ヨーロッパの田舎だったらだいたい5000円で泊まれる。

• 言葉が話せなくても、星を見ただけで旅行者がだいたいの価格を理解できる。

• お客さま目線。

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ex…◎【ヨーロッパのレストラン】

• おいしいところそうでないところ。

• 自分の財布と考えて安心して取り組める。

• 星をつける差別化。

• 競争を促す。

• みんな仲良くという発想は相容れない。

• 観光客にとってはとても楽。

• お客さまのために当たり前。

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15.原産地証明制度

• 人はご飯を食べる動物。ご飯はキー。

• ヨーロッパだと原産地証明を徹底する。

• 作り方、出し方の基準を細かく決める。

• こういう手順で、こういうモノを使ったのだけが本物という制度。

• 丁寧な手順を踏んで作るところは1割ぐらい。

• 9割の外れたところはまた必死に頑張る。

• 一度選ばれてもさぼればすぐ落ちる。

• 安心して高品質なモノだということがわかる。

• その土地の特産品、原産地証明を作ると単価が倍。

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ex…△【三重県/松阪牛】

• 松阪牛と言われて売られているものは生産量の5倍あると言って嘆いている。

• 松阪牛はいいかげんな物が多いとみんなが思ってしまう。

• 結果、松坂牛は結局高く売れないことになってしまう。

• 本当に良いものだけラベリングする。

• その概念を持ち込まないと、競争力がある商品ができない。

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ex…◎【シャンパン】

• シャンパーニュ地方でできたもの以外シャンパンと名乗れない。

• 同じ名前を名乗るモノは裁判で徹底的に潰していく。

• ブドウも同じ。作り方も同じ。

• なのに、シャンパンは高く、擬似シャンパンは安い。

• 原産地証明を徹底的にやることで2倍以上の高値で売れる。

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16.東京に現物を出さない

• ご飯や食べ物は、地産地消が世界規模では当たり前。

• 基本的考えは【出さない】こと。

• その地域で徹底的に【競争と選別】をして、品質を絶対おろそかにしない。

• 厳しく競争精神を持ち込み、いわば、地域の和は犠牲にする。

• 長い意味でむしろ、地域を強くする。

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ex…△【地方の和菓子屋】

• 銀座の百貨店に商品が置けるようになって喜ぶ。

• 良かったね…と言うしかない。ヨーロッパでは絶対しない。

• 伊勢丹や三越が置きたくなるような商品だったら、意地でも出さない。

• 静岡県で300円のものを東京で300円で売る。

• 物流と人件分だけ損するに決まってる。

• 地方に食べに来いが、世界の発想。

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ex…◎【ミシュラン】

• ミシュランのレストランは、フランスに27件。

• パリにあるのは10件ほど。あとは不便なところ。

• ミシュランはタイヤメーカー。

• 三ツ星の注釈をみると、遠くまでクルマで出掛けていっても十分価値のあるレストラン。

• 競争力のあるものだったら、供給を絞って、逆に町から絶対に出さないのが、ヨーロッパを中心とした考え方。

• 東京に出したほうが宣伝になるという意見はたしかにある。

• しかし東京で簡単に買えたら誰も地方に来ない。

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17.本当に特産品なのか?

• 販促費をかけないと売れないものは本当に特産品か?

• ヨーロッパ人の考え。

• 世界の通販の考え方は、販促費は使わない。

• 特産品ではないと割り切る。

• 本当に良いものを徹底的に絞り込んだら、販促費はかからない。

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ex…◎【パルメザンチーズ】

• 美味いのを知らない奴に売ってやらないという考え方。

• ほしい奴だけに売ってやるという考え方の徹底。

• 販促費をかけるものはむしろコモディティ。

• 知らさなければ売れないものは特産品じゃない。

• そんなものはむしろ売らないと割り切る。

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©wikipedia

18.担い手は公募

• 若くて優秀な人が来ない。

• 静岡市は比較的集まるがそれでも東京や名古屋へ。

• 世界では基本的には公募。

• たとえば、レストランを作る。

• 条件をだして手をあげてもらって採用する。

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ex…◎【中東/ドバイ】

• 何にもなかった砂漠に街を作り、世界中から観光客を集めてる。

• 人が集まれば、ご飯を食べる。

• フランス人シェフが沢山いる。

• 星のあるレストランで働いたことのあるシェフなら、たとえばだが最初は年収1千万。

• 2年目から売り上げの増えた分をオンするなど、インセンティブをつけて担い手を集める。

• 契約期間3年か5年。

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19.チームで呼ぶこと

• 公募では一人しか呼ばないと孤立。

• チームで呼ぶということが大事。

• 変わったことをやりだすと軋轢が起こる。最初。

• うまくいく地域では、異質な人が地域に入ってきて、そこに住んでる人が反発する。作用と反作用。

• 結局競い合って上昇気流に乗るパターンは地域がおこる。

• 喧嘩しただけでうまくいかなく終わってさらに過疎が進むというパターン。やっぱり両方ある。

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ex…◎【担い手は多少残る】

• 担い手は定住してもらう必要はない。

• 実例では、2年か3年で呼ばれた人はどうなるか?

• 愛着がついて3分の1程度は残る。

• 3分の2は、次の舞台に飛び立つ。

• 若い人が【循環】すればいい。

• 広く世界からいろんな人を集めるという発想を持てるか?

• 地方に限らず、香港やシンガポールと競争している東京も同様。

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20.英語のドキュメントを作る

• 実施内容を英語でドキュメントにまとめて公開すると、目を付けた海外の方から連絡が勝手に来る。

• YouTubeはどっから見つけてきたんだろう、というぐらい見つけて問い合わせがくる。

• Facebook<YouTube 。Facebook<Blog。 • ドキュメントはつたない英語でまとめても、熱意が伝われ

ば、問い合わせが(必ず)来る。 • 狭いけれども特殊、というのはひとつの独自性を生み出す

きっかけ。競争と選別。 • 世界とつながっていくきっかけになる。 • 昔だったらヨーロッパに視察団を派遣してた。 • いまはインターネットを上手に調べれば、いくらでも情報

がとれる。 • ちょっと英語ができればほとんどの情報は取れてしまう。 • 世界中のおもしろいケースは勉強したほうがいい。

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まとめ • 【タテヨコ思考】の話だが、世界の地域おこし事例は無数

にある。

• キーになるのは【件数】×【単価】

• 【定住しなくてもいい】ので、住んでる人でも旅をしてる人たくさんの【人】に訪れてもらう。

• 回りくどいルートを作り【滞在時間】を長くする。

• 【キャッシュレス】で買え、ひとめで分かるように【印】を付ける。

• 【自由度を高く】し、お金を落としてもらう循環を作る。

• それをひとつの【ネットワーク】で結ぶ。

• 要するに、地域全体をひとつのディズニーランドにしてる。

• 【原産地証明】で差別化し、【競争と選別】を徹底する。

• 循環を作り上げる【担い手も地域に住んでる人に限らない。】

• 3年とか5年とか住み着いた人でも【多少は残る。】

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